JP3914754B2 - サブマウントおよびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

サブマウントおよびそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信分野等で用いられ、半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を搭載するためのサブマウントおよびそれを用いた光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信分野では光半導体装置が伝送されるべき電気的信号を電気−光変換し光ファイバ等へ光信号として伝送させるために用いられており、10G(ギガ)ビット/秒(10Gbps)を超えるデータ通信のビットレートをもつものが広く用いられるようになってきている。なお、一般に10Gbpsは16GHz程度に相当する。
【0003】
そして、従来の光半導体装置を図6に示す。同図に示すように、光半導体装置108を構成する光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッケージという)110は、LD111やPD116等の光半導体素子を搭載する光半導体素子搭載部111aおよび集光レンズ等のレンズ109を上面に接合するレンズ搭載部109aが上側主面に形成されたサブマウント101等が、基体117の上面に設けられている。また、サブマウント101はTEC(サーモエレクトリッククーラー)115を介して基体117の上面に載置されている。
【0004】
光半導体パッケージ110は、TEC115が載置される載置部を囲繞するように基体117の上面にAgロウ等のロウ材を介して取着され、側部に光信号の授受を行うための貫通孔を有する枠体112と、枠体112の上面に接合されて光半導体素子を気密封止する蓋体113とから主に構成されている。また、枠体112の側部には、枠体112の貫通孔に嵌着接合されて光ファイバ114を固定するための筒状の固定部材118が設けられている。
【0005】
そして、基体117上面のTEC115の載置部に、上側主面にレンズ搭載部109aおよび光半導体素子(LD111)搭載部111aを有するサブマウント101と、サブマウント101に搭載されたレンズ109,LD111,PD116キャリアを、TEC115を介して基体117上面に接着固定する。また、LD111やPD116の各電極をボンディングワイヤを介して、枠体112の側部に設けられたセラミック端子(図示せず)の線路導体に接続することにより、外部リード端子に電気的に接続する。次に、枠体112の上面に蓋体113を取着し、基体117と枠体112と蓋体113とからなる容器内部にLD111,PD116を収容する。最後に、固定部材118に、光ファイバ114の端部に取着されたステンレススチールからなるフランジをYAGレーザの照射によるレーザ溶接によって接合し、光ファイバ114を枠体112に固定することによって光半導体装置108となる。
【0006】
かかる光半導体装置108は、外部電気回路から供給される駆動信号によってLD111に光を励起させ、励起された光を光ファイバ114を介して外部に伝達することによって高速光通信等に使用される。そして近年、このような光半導体装置108に対して、10Gbps以上での良好な高周波特性、小型化、低背化および低コスト化等が益々要求されてきている。
【0007】
また上記サブマウント101は、図5に示すように、絶縁基板107の上側主面の略中央部に上面に光半導体素子搭載部111aが設けられた堤部105が形成されており、堤部105の横の絶縁基板107上側主面にレンズ搭載部109aが設けられている。また、堤部105の上面には、光半導体素子搭載部111aから絶縁基板107の端付近に達する信号線としての線路導体104が形成されている。さらに、絶縁基板107の下側主面の略全面には接地導体層120が設けられており、光半導体素子搭載部111aと接地導体層120とは貫通導体121によって電気的に接続されている。なお、光半導体素子搭載部111a,レンズ搭載部109a,線路導体104,接地導体層120はメタライズ層等から成る導体層で形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサブマウント101においては、LD111を駆動するための10Gbps付近以上の高周波信号が伝送される線路導体104を形成する場合、以下のような問題が発生していた。
【0009】
即ち、線路導体104のインピーダンスの整合等を行なって高周波信号の良好な伝送特性を得るために、一般的に線路導体104の直下および両脇に接地導体層120を形成する。しかしながら、サブマウントの小型化のためにレンズ109として一般に焦点距離の短い球レンズを用いていることから、レンズ109と光半導体素子搭載部111aに搭載されたLD111の光出射部との間の距離は非常に短くなり、その結果、堤部105の幅はLD111の幅と略同じ程度となり狭くなる。そのため、堤部105の上面において線路導体104の両脇に接地導体層120を形成することはきわめて困難であり、絶縁基板107の下側主面の線路導体104直下の部位にある接地導体層120によって高周波信号の伝送特性を良好にするようにしていた。
【0010】
しかしながら、絶縁基板107の下側主面の接地導体層120によって高周波信号の良好な伝送特性を得るには、線路導体104に対する接地導体層120の面積が全体的に不十分であるうえ、線路導体104と接地導体層120との間隔が大きかった。そのため、10Gbps付近の高周波信号が線路導体104と接地導体層120との間で共振現象を起こすという問題があった。
【0011】
また、線路導体104の周囲の接地電位を強化して高周波信号の伝送特性を向上させるために、堤部105の上面において線路導体104の周囲に接地導体層を形成し、その接地導体層と接地導体層120とを貫通導体121で接続することも考えられるが、上記の通り、堤部105の上面の幅がLD111の幅と略同じであり狭いため、光半導体素子搭載部111aと接地導体層120とを接続する貫通導体121以外の貫通導体121を堤部105に設けることができなかった。
【0012】
さらに、絶縁基板107の上下主面の接地導体層間を接続する貫通導体121は、その数が増加すると、線路導体104に対して並列的に作用して貫通導体121全体としてインダクタンス成分を低減させることができるが、従来貫通導体121が1つであるため大きなインダクタンスが存在することになり、高周波信号の損失が大きいという問題もあった。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、10Gbps付近を含む高周波帯域の高周波信号の良好な伝送特性が得られる小型化および薄型化されたサブマウントおよび光半導体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のサブマウントは、絶縁基板の上側主面に堤部が設けられ、該堤部の上面には中央部に導体層から成る光半導体素子搭載部および該光半導体素子搭載部から前記上面の端にかけて前記堤部の長手方向に略平行な線路導体が形成されており、前記堤部の横で前記光半導体素子搭載部の横に位置する前記上側主面の部位に前記光半導体素子搭載部に搭載される光半導体素子と光学的に結合されるレンズが上面に接合されるレンズ搭載部が設けられ、前記絶縁基板の下側主面の略全面に第一の接地導体層が形成されているサブマウントであって、前記上側主面の前記堤部の周囲に第二の接地導体層が形成されており、前記光半導体素子搭載部および前記第二の接地導体層が前記第一の接地導体層に貫通導体を介してそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記の構成により、光半導体素子に高周波信号を伝送する信号線としての線路導体に対する接地導体層の面積が全体的に増加し十分となるため、高周波信号の伝送特性が向上し、また線路導体と接地導体層との間隔が小さくなるため、高周波信号が線路導体と接地導体層との間で共振することがなくなる。
【0016】
また、光半導体素子搭載部および第二の接地導体層と第一の接地導体層とをそれぞれ接続する貫通導体を複数設けることができるため、信号線としての線路導体に対して複数の貫通導体が並列的に作用して、線路導体に対する貫通導体全体としてのインダクタンスを低減させることができる。即ち、線路導体の特性インピーダンスは概略的に(L/C)1/2(L:インダクタンス、C:電気的容量)で表されるため、接地電位強化のために貫通導体を設けるとL成分が増加してインピーダンスの整合が崩れて共振が発生するが、貫通導体を線路導体に対して並列的に複数設けることでL成分が低減され共振を抑制することができる。従って、高周波帯域でLD等の光半導体素子を駆動させる際に高周波信号の共振現象が起こらないものとすることができる。
本発明において、好ましくは、前記堤部の高さが0.05〜1mmであることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記の構成により、線路導体と接地導体層との間隔が大きくならないため、インピーダンスマッチングがとれるとともに線路導体と接地導体層との間で共振現象が発生するのを抑制することができる。
【0018】
本発明の光半導体装置は、本発明のサブマウントと、前記光半導体素子搭載部に搭載された光半導体素子と、前記レンズ搭載部の上面に前記光半導体素子と光学的に結合されるように接合材により接合されたレンズとを具備したことを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記の構成により、良好な高周波信号の伝送特性が得られる小型化および薄型化された光半導体装置となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のサブマウントおよび光半導体装置について以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明のサブマウントについて実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)のB−B’線における断面図である。同図において、1は、光半導体素子搭載部2と、レンズ搭載部3と、外部電気回路から光半導体素子を励起させるための駆動信号(高周波信号)を伝送させる信号線としての線路導体4、光半導体素子搭載部2および線路導体4が上面に形成された堤部5を具備したサブマウントである。
【0021】
本発明のサブマウント1は、絶縁基板7の上側主面に堤部5が設けられ、堤部5の上面には中央部に導体層から成る光半導体素子搭載部2および光半導体素子搭載部2から上面の端にかけて堤部5の長手方向に略平行な線路導体4が形成されており、堤部5の横で光半導体素子搭載部2の横に位置する上側主面の部位に光半導体素子搭載部2に搭載される光半導体素子と光学的に結合されるレンズ9が上面に接合されるレンズ搭載部3が設けられ、絶縁基板7の下側主面の略全面に第一の接地導体層20が形成されているサブマウント1であって、上側主面の堤部5の周囲に第二の接地導体層22が形成されており、光半導体素子搭載部2および第二の接地導体層22が第一の接地導体層20に貫通導体21を介してそれぞれ電気的に接続されている構成である。
【0022】
このサブマウント1は、堤部5上面の光半導体素子搭載部2に、レーザ光源であるLD、LDの温度変化等による光出力の変化を監視して光出力が常に一定になるようにLDの駆動回路にフィードバックをかけるPD等の光半導体素子を搭載するとともに、レンズ搭載部3にレーザ光を集光するレンズ9を搭載する構成としていることから、光半導体装置8(図2)を小型化、低背化および低コスト化することができる。
【0023】
本発明のサブマウント1はセラミックス(焼結体),樹脂等の絶縁材料から成り、例えば酸化アルミニウム(Al23)質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、炭化珪素(SiC)質焼結体、ガラスセラミックス焼結体、窒化珪素(Si34)質焼結体等から成る。特に、熱伝導率が40W/m・K以上の窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体のいずれかから成るのがよく、これらは光半導体素子が駆動時に発する熱を効率良く放散させることができる点で好ましい。
【0024】
光半導体素子搭載部2および線路導体4となる導体層は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、めっき法等の薄膜形成法により形成され、またフォトリソグラフィ法、エッチング法、リフトオフ法等によって所定パターンに加工される。
【0025】
光半導体素子搭載部2は、例えば密着金属、拡散防止層、主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る。そして、密着金属層は、セラミックス等から成る絶縁基板7との密着性の点で、Ti,Cr,Ta,Nb,Ni−Cr合金,Ta2N等のうち少なくとも1種より成るのが良い。密着金属層の厚さは0.01〜0.2μm程度が良い。0.01μm未満では、強固に密着することが困難となり、0.2μmを超えると、成膜時の内部応力によって剥離が生じ易くなる。
【0026】
拡散防止層は、密着金属層と主導体層との相互拡散を防ぐうえで、Pt,Pd,Rh,Ni,Ni−Cr合金,Ti−W合金等のうち少なくとも1種より成るのが良い。拡散防止層の厚さは0.05〜1μm程度が良く、0.05μm未満では、ピンホール等の欠陥が発生して拡散防止層としての機能を果たしにくくなる。1μmを超えると、成膜時の内部応力により剥離が生じ易くなる。拡散防止層にNi−Cr合金を用いる場合は、密着性も確保できるため、密着金属層を省くことも可能である。
【0027】
さらに、電気抵抗の小さいAu,Cu,Ni,Ag等より成る主導体層の厚さは0.1〜5μm程度が良い。0.1μm未満では、電気抵抗が大きくなる傾向にあり、5μmを超えると、成膜時の内部応力により剥離を生じ易くなる。また、Auは貴金属で高価であることから、低コスト化の点でなるべく薄く形成することが好ましい。Cuは酸化し易いので、その上にNiおよびAuからなる保護層を被覆するのが良い。
【0028】
サブマウント1の堤部5は、その上面の幅が光半導体素子の幅以上であることが良い。堤部5の上面の幅が光半導体素子の幅未満の場合、光半導体素子の接着強度が弱くなる。また、光半導体素子下面の接着面積が小さくなるため放熱効率も低下する傾向がある。また、サブマウント1の堤部5およびレンズ搭載部3を含む上側主面は、ダイヤモンドブレード等によって絶縁基板7の上側主面を厚み方向の途中まで研削除去することにより形成できる。
【0029】
また、堤部5の高さは1mm以下がよく、1mmを超えると、線路導体4と接地導体層との間隔が大きくなるため、インピーダンスマッチングがとりにくくなる。より好ましくは堤部5の高さは0.05mm以上がよく、0.05mm未満では、光半導体素子に対してレンズ9を高さを合わせて実装するのが困難になる。
【0030】
絶縁基板7の下側主面の略全面に形成された第一の接地導体層20およびレンズ搭載部3を含む第二の接地導体層22は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、めっき法等の薄膜形成法により形成される。また、パターン加工する場合、フォトリソグラフィ法、エッチング法、リフトオフ法等によって加工される。
【0031】
レンズ搭載部3を含む第二の接地導体層22は、例えば上記の密着金属、拡散防止層、主導体層が順次積層された3層構造の薄膜から成る。またレンズ搭載部3には、絶縁基板7を燒結する際に同時焼成によって形成されるW,Mo等からなる導体を、貫通孔に充填するか貫通孔内周面に形成して成る貫通導体21を設けることができる。
【0032】
第二の接地導体層22と第一の接地導体20とを接続する層貫通導体21は、直径φが0.1mm以上、間隔0.5mm程度でできるだけ多く設けるのがよい。
【0033】
第二の接地導体層22は、絶縁基板7の上側主面で堤部5の周囲に形成されるが、堤部5以外の上側主面の略全面に形成されるのが好ましい。この場合、線路導体4に対する接地導体層の面積が十分に増大して接地電位が強化され、高周波信号の伝送特性が大幅に向上する。
【0034】
サブマウント1のレンズ搭載部3にレンズ9(図2)が導電性樹脂等の接合材により接合される。この場合、レンズ搭載部3にディスペンサ等により接合材を塗布してレンズ9を圧着し、その後ヒータブロック等で加熱し接合する。レンズ9を接合する接合材としては、粘度が90〜150Pa・sの導電性樹脂等が良い。粘度が90Pa・s未満では、有機溶剤等の希釈剤の含有率が高くなるため接着強度が弱くなりやすく、150Pa・sを超えると、接合材の厚みばらつきが大きくなり、レンズ9と光半導体素子との間の光軸ズレが発生しやすくなる。
【0035】
サブマウント1に搭載されるレンズ9は、BK−7(ホーヤ社製商品名),TaF−3(ホーヤ社製商品名)などの光学ガラスを球形に加工した球レンズが焦点距離が短いため好ましく、そのレンズ搭載部3に搭載される部位を研磨加工等により平坦面としたものが良い。その平坦面を搭載面とすることにより、位置精度良く強固にレンズ9をサブマウント1に搭載することができる。
【0036】
次に、本発明のサブマウント1の製造方法を図3に基づき下記工程[1]〜[6]によって説明する。
【0037】
[1]図3の(a)に示すように、窒化アルミニウムから成るセラミックグリーンシート18を積層し、約1500℃の温度で焼成して、絶縁基板7としてのセラミック基板19を得る。このとき、同時焼成によって貫通導体(図示せず)も形成する。
【0038】
[2]セラミック基板19の主面をアルミナの砥粒を用いて研磨し、算術平均粗さが0.1μm程度となるようにする。
【0039】
[3](b)に示すように、セラミック基板19の研磨された主面に、イオンプレーティング法によって、厚さ0.1μmのTi層(密着金属層)、厚さ0.2μmのPd層(拡散防止層)、厚さ0.2μmのAu層(主導体層)を順次成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターン加工後、そのパターン上に電解めっき法によって厚さ3μmのAuめっき層を被着させる。その後、さらにエッチング法により光半導体素子搭載部2および線路導体4を形成する。
【0040】
[4](c)に示すように、光半導体素子搭載部2および線路導体4を形成したセラミック基板19の上側主面に、スライサーによる研削加工によって光半導体素子搭載部2を区画し堤部5を形成する。
【0041】
[5][4]と同様にして、スライサー等による研削加工によって、光半導体素子搭載部2に隣接するセラミック基板19の上側主面の部位を平坦面となるように加工し、レンズ搭載部3を形成する。
【0042】
[6](d)に示すように、堤部5の周囲のレンズ搭載部3を含む上側主面に、イオンプレーティング法によって、厚さ0.1μmのTi層(密着金属層)、厚さ0.2μmのPt層(拡散防止層)、厚さ0.5μmのAu層(主導体層)を順次成膜して第二の接地導体層22を形成するとともに、下側主面に同じ層構成の第一の接地導体層20を形成する。
【0043】
[7](e)に示すように、多数個取り用の母基板であるセラミック基板19をスライサー等による研削加工によって切断し、個々のサブマウント1に分割する。
【0044】
また、サブマウント1は、窒化アルミニウムから成るセラミックグリーンシートを金型成形にて堤部5を形成した後、積層し、約1500℃の温度で焼成することにより、堤部5を形成することもできる。この積層法で作製したセラミック基板は、上記[2],[3]および[6]の工程の後にスライサー等による研削加工によって切断され個々に分割される。
【0045】
次に、図5に示した従来構成のサブマウント101について、線路導体104に高周波信号を伝送させたときの反射特性をシミュレーションによって算出した結果を図7に示す。また、図1の本発明のサブマウント1についてシミュレーションした結果を図4に示す。従来のサブマウント101は、10GHz付近で共振が起こっているのに対し、本発明のサブマウント1はこの共振が解消されているとともに、他の周波数帯域でも共振のみられないものとなった。
次に、本発明の光半導体装置について説明する。図2は本発明の光半導体装置8の断面図であり、光半導体装置8を成す光半導体パッケージ10は、その底板部である基体17の上面に、光半導体素子搭載部2およびレンズ搭載部3が上側主面に形成されたサブマウント1等が設けられている。このサブマウント1はTEC15を介して基体17の上面に載置されている。また光半導体パッケージ10は、TEC15が載置される載置部を囲繞するように基体17の上面にAgロウ等のロウ材を介して取着され、側部に光信号の授受を行うための貫通孔を有する枠体12と、枠体12の上面に接合されて光半導体素子を気密封止する蓋体13とから主に構成されている。また、枠体12の側部には、枠体12の貫通孔に光ファイバ14を固定するための筒状の固定部材14aが嵌着接合されている。
【0046】
そして、基体17上面のTEC15の載置部に、上側主面にレンズ搭載部3および光半導体素子搭載部2を有するサブマウント1と、サブマウント1に搭載されたレンズ9,LD11,PD16キャリアを、TEC15を介して基体17上面に接着固定する。また、LD11やPD16の各電極をボンディングワイヤを介して、枠体12の側部に設けられたセラミック端子(図示せず)の線路導体に接続することにより、外部リード端子に電気的に接続する。次に、枠体12の上面に蓋体13を取着し、基体17と枠体12と蓋体13とからなる容器内部にLD11,PD16を収容する。最後に、固定部材14aに、光ファイバ14の端部に取着されたステンレススチールからなるフランジをYAGレーザの照射によるレーザ溶接によって接合し、光ファイバ14を枠体12に固定することによって光半導体装置8となる。
【0047】
このような光半導体装置8は、LD11から出射したレーザ光が、LD11に光学的に結合するように設置されたレンズ9により集光され、効率良く光ファイバ14に入射される。その際、LD11は発光することにより発熱するが、温度変化によりLD11の光特性が変化しないように、熱伝導率の高い絶縁材料を用いたサブマウント1を介して外部に放熱する。
【0048】
本発明の光半導体装置8は、本発明のサブマウント1を用いることにより、光半導体素子とレンズ9を隣接させることができ、その結果光の光学的な結合効率を高くすることができるとともに、光半導体素子とレンズ9とを容易に光学的に結合させることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、絶縁基板の上側主面の堤部の周囲に第二の接地導体層が形成されており、光半導体素子搭載部および第二の接地導体層が絶縁基板の下側主面の第一の接地導体層に貫通導体を介してそれぞれ電気的に接続されていることにより、光半導体素子に高周波信号を伝送する信号線としての線路導体に対する接地導体層の面積が全体的に増加し十分となるため、高周波信号の伝送特性が向上し、また線路導体と接地導体層との間隔が小さくなるため、高周波信号が線路導体と接地導体層との間で共振することがなくなる。
【0050】
また、光半導体素子搭載部および第二の接地導体層と第一の接地導体層とをそれぞれ接続する貫通導体を複数設けることができるため、信号線としての線路導体に対して複数の貫通導体が並列的に作用して、線路導体に対する貫通導体全体としてのインダクタンスを低減させることができる。即ち、線路導体の特性インピーダンスは概略的に(L/C)1/2(L:インダクタンス、C:電気的容量)で表されるため、接地電位強化のために貫通導体を設けるとL成分が増加してインピーダンスの整合が崩れて共振が発生するが、貫通導体を線路導体に対して並列的に複数設けることでL成分が低減され共振を抑制することができる。従って、高周波帯域でLD等の光半導体素子を駆動させる際に高周波信号の共振現象が起こらないものとすることができる。
本発明は、好ましくは堤部の高さが0.05〜1mmであることにより、線路導体と接地導体層との間隔が大きくならないため、インピーダンスマッチングがとれるとともに線路導体と接地導体層との間で共振現象が発生するのをさらに抑制することができる。
【0051】
本発明の光半導体装置は、本発明のサブマウントと、光半導体素子搭載部に搭載された光半導体素子と、レンズ搭載部の上面に光半導体素子と光学的に結合されるように接合材により接合されたレンズとを具備したことにより、良好な高周波信号の伝送特性が得られる小型化および薄型化された光半導体装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサブマウントについて実施の形態の一例を示し、(a)はサブマウントの平面図、(b)は(a)のB−B’線におけるサブマウントの断面図である。
【図2】本発明の光半導体装置について実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明のサブマウントの各製造工程を示しており、各工程におけるサブマウントの断面図である。
【図4】本発明のサブマウントについて高周波信号の反射特性をシュミレーションした結果のグラフである。
【図5】従来のサブマウントの一例を示し、(a)はサブマウントの平面図、(b)は(a)のA−A’線におけるサブマウントの断面図である。
【図6】従来の光半導体装置の一例の断面図である。
【図7】従来のサブマウントについて高周波信号の反射特性をシュミレーションした結果のグラフである。
【符号の説明】
1:サブマウント
2:光半導体素子搭載部
3:レンズ搭載部
4:線路導体
5:堤部
7:絶縁基板
8:光半導体装置
9:レンズ
10:光半導体パッケージ
11:光半導体素子

Claims (3)

  1. 絶縁基板の上側主面に堤部が設けられ、該堤部の上面には中央部に導体層から成る光半導体素子搭載部および該光半導体素子搭載部から前記上面の端にかけて前記堤部の長手方向に略平行な線路導体が形成されており、前記堤部の横で前記光半導体素子搭載部の横に位置する前記上側主面の部位に前記光半導体素子搭載部に搭載される光半導体素子と光学的に結合されるレンズが上面に接合されるレンズ搭載部が設けられ、前記絶縁基板の下側主面の略全面に第一の接地導体層が形成されているサブマウントであって、前記上側主面の前記堤部の周囲に第二の接地導体層が形成されており、前記光半導体素子搭載部および前記第二の接地導体層が前記第一の接地導体層に貫通導体を介してそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とするサブマウント。
  2. 前記堤部の高さが0.05〜1mmであることを特徴とする請求項1記載のサブマウント。
  3. 請求項1または請求項2記載のサブマウントと、前記光半導体素子搭載部に搭載された光半導体素子と、前記レンズ搭載部の上面に前記光半導体素子と光学的に結合されるように接合材により接合されたレンズとを具備したことを特徴とする光半導体装置。
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