JP3914391B2 - 自発光標示体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路のセンターラインや交差点、横断歩道等の路面や路側に沿って設置され、電源装置により発光体を自発光させて車両運転手や歩行者に警告や視線誘導等を行い、交通事故の防止を図る自発光標示体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自発光標示体は発光体として発光ダイオードが用いられている。すなわち、一般に路面より突出された四角錐台形状または路面と面一に形成された道路鋲本体の内部に発光ダイオードが外方に向けて取り付けられ、電源装置により発光する発光ダイオードの光が直接またはレンズに屈折されて点滅光を放ち、車両運転手等に視認されるようになされた自発光式道路鋲がある。
【0003】
また、道路の急カーブ地点またはT字路などの路側に沿って立設された支柱などの支持体に標示体本体が取り付けられ、この標示体本体に配置された電源装置により発光ダイオードが自発光するようになされ、夜間または昼夜に亘って点滅させることによってドライバーの視線を誘導し、道路からの逸脱や衝突事故を未然に防止する対策が採られた自発光式視線誘導標がある。
【0004】
さらにまた、上記自発光標示体に車が接近したときに感知する車両接近感知センサー機能が付加されて、車の接近を感知したときに前記発光ダイオードの点滅周期を早めたり、または光の輝度を高めることによって対向車両に注意を促すなどといった手段がなされたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の如き従来の自発光標示体は、発光ダイオードが交通事情に拘わらず常時同じリズムで点滅発光しているために、次のような問題があった。すなわち交差点などに設置された自発光式道路鋲または視線誘導標などは、交差点での出合い頭事故を防止するために、常時点滅させて交差点に近づく車に交差点の存在を知らせるようになされている。すなわち横断方向に交わる道から他の車が交差点に接近することを予測してスピードを緩め、衝突事故を未然に防止するための一旦停止を励行させるなどの対策が取られている。しかしながら、それにも拘わらずその点滅光を認知しながら一旦停止を怠って通過してしまおうとする車があるために、衝突事故の発生を食い止めることができない。とりわけ交通量の少ない場所では他の車が来ないことを見越して安全対策を怠り、結果として大事故を起こしてしまう可能性が高い。いわゆる他車の動向を把握することが出来ないために、自分勝手な判断で対処しようとする傾向がある。
【0006】
また、車両接近感知センサーによって車の接近を感知し、発光ダイオードの点滅光の発光周期を早めたり、または発光輝度を通常より高めることによって注意を喚起させるようになされた自発光道路鋲や自発光式視線誘導標などの自発光標示体は、たまたま通りかかるドライバーにとって通常の点滅光がどのような周期で点滅しているのか、また光り輝く明るさが通常とどの程度異なるのかの見極めが付かないために、車の接近状態にあるか否かの判断できないことがある。
【0007】
そこで本発明は上記の如き問題点を解決し、他の車の接近を自動的に感知して発光体の発光色を一時的に変えることによってドライバーに車の接近をはっきり認識させ、重大な交通事故を未然に防止できる自発光標示体を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係る請求項1記載の自発光標示体は、道路の交差点中央の路面に設置される自発光式道路鋲からなる自発光標示体であって、道路鋲の内部には四方から来る車両に向けて各辺に発光体と車両接近感知センサーとが一対となって配置され、更にその発光体が第一の色で発光する第一の発光ダイオードとそれと異なる第二の色で発光する第二の発光ダイオードとが組となって併設されると共に、これらの発光体に電力を供給して発光させる電源装置が設けられ、交差点に接近する車がないときには常時第一の色で発光する第一の発光ダイオードが4面共に点滅しており、そして一の方向から来る車を検出する車両接近感知センサーが感知すると、その方向に直交する方向に向けて照射する第二の色で発光する第二の発光ダイオードが、第一の色で発光する第一の発光ダイオードに替わって点滅し、又一の方向とその方向に直交する方向の双方から車が来る場合には、四面共に第一の色で発光する第一の発光ダイオードが第二の色で発光する第二の発光ダイオードに置き換わって点滅することを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、自発光標示体が例えば道路交差点や急カーブ地点などに設置されて、車両接近感知センサーが車の接近を感知ないときには、発光体が常時同一色で点灯または点滅して発光し、車両接近感知センサーが車の接近を感知したときに前記発光体の発光色が一時的に異なる色に変わって発光されたり、または前記異なる2色の光が交互に発光されると、その発光体の発光色の一時的な変化を視認して車の接近を知ることが出来る。特に見通しの利かない交差点などの横断方向から車が接近して来ることがあっても、車両接近感知センサーと連動する発光体が互いに見通しの利かない路線方向に向けられているので、発光体の色の変化によってつぶさに車両の接近を認識することが出来る。よって、減速や停止などの処置が取れるようになるので、出合い頭事故を未然に防ぐことが出来る。
【0011】
更に本発明の請求項3は、前記発光ダイオードの第1の色が赤色で、第2の色が白色であることを特徴とし、本発明の請求項4では、前記発光体が点滅光の発光周期及び/または点灯時間を変えて発光することができるようになされたことを特徴としている。
【0012】
すなわち、車両の接近が直接確認できないような見通しの利かない急カーブ地点や交差点などに設置され、車が通行しないとき又は、車が前記車両接近感知センサーで感知しない程遠方にあるときには、発光ダイオードが赤色で常時点滅発光するようになされると、遠方からでもその危険信号の存在をはっきり捉えることが出来るので、減速して注意を払うようになり、他車が前記車両接近感知センサーで感知したときに赤色発光ダイオードが白色発光ダイオードに変わることによって、高い輝度の白色光がドライバーに目立って視認させることができるので、より強烈に安全運転を訴えることが出来るようになる。前記発光体は必ずしも発光色の異なる発光ダイオードの組合せでなくてもよく、例えばより輝度の高いキセノン管との組合せであっても構わない。
【0013】
更にまた発光色の変化に加えて発光ダイオードの点滅周期を早めることによって、或いは点滅の点灯時間を変えることにより接近するドライバーはその異常事態を察知して減速または停止するようになるので、事故防止により効果的となる。
【0014】
本発明にかかる請求項4の発明は、前記車両接近感知センサーが車両のヘッドライトからの光を受けて車両の接近を判断する光センサーであることを特徴とするものであり、請求項5の発明は前記車両接近感知センサーが車両との距離を検出して車両の接近を判断する距離センサーであることを特徴としている。
【0015】
さらにまた本発明にかかる請求項6の発明は、前記自発光標示体が自発光式道路鋲であることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の一形態を示し、図面に基づき具体的に説明する。まず図1は本発明の実施の一形態を示すブロック図であり、図2は図1を説明するフロー図である。また図3は本発明の実施の一形態を示す自発光式道路鋲の設置平面図である。
【0017】
まず図1において、1は電源装置、2は二次電池などの蓄電装置、3は電圧制御回路、4は車両接近感知センサー、5は点滅同期発生回路および昇圧回路等からなるコントロール回路、6は発光体であり、発光体6は赤色発光ダイオード61と白色発光ダイオード62とからなっている。
【0018】
図1の形態では電源装置1として太陽電池11が用いられている。そして太陽光に照射されて発生した太陽電池11の起電力は、蓄電装置2に蓄えられ、その蓄えられた電力は電圧制御回路3を経て、コントロール回路5、車両接近感知センサー4に供給される。そしてコントロール回路5により制御されて、車両接近感知センサー4が車両の接近を感知しないときは、赤色発光ダイオード6Rのみに電力が供給され、赤色発光ダイオード6Rが昼夜または夜間のみ発光、すなわち点灯または点滅される。
【0019】
次に車両接近感知センサー4が車両の接近を感知すると、赤色発光ダイオード6Rへの電力の供給が停止されると共に白色発光ダイオード6Wに電力が供給されて、白色発光ダイオード6Wのみが点滅発光するように成されている。また前記のコントロール回路5によって赤色発光ダイオード6Rと白色発光ダイオード6Wに電力が供給されて赤色発光ダイオード6Rと白色発光ダイオード6Wの両方が交互に点滅発光させることもできる。
【0020】
すなわち図2のフロー図に示すように、 車両接近感知センサー4が車を検知しないときには赤色発光ダイオード6Rが点灯し続け、車の接近を検知するとこれまで点灯していた赤色発光ダイオード6Rが消灯して白色発光ダイオード6Wが所定時間点灯し、その後車の接近が検出されなくなると赤色発光ダイオード6Rが点灯するようになる。
【0021】
図3は本発明の実施の一形態を示す自発光性道路鋲の平面図であって、道路の交差点中央の路面に略面一に発光面が形成された自発光性道路鋲が設置されていて、かかる道路鋲の内部には四方(a、b、c、d方向)から来る車両に向けて各辺に発光体6と車両接近感知センサー4が一対となって配置され、更にその発光体6が赤色に発光する赤色発光ダイオード6Ra、6Rb、6Rc、6Rdと白色に発光する白色発光ダイオード6Wa、6Wb、6Wc、6Wdとがそれぞれ組となって併設されている。また道路鋲本体の中央に電源装置1として太陽電池11が取り付けられている。
【0022】
そして、交差点に接近する車がないときには常時赤色発光ダイオード6Ra、6Rb、6Rc、6Rdが4面共に点滅しており、例えばa方向から来る車を検出する車両近接感知センサー4aが感知すると、見通しの利かない横道方向のb及びd方向に向けて照射する白色発光ダイオード6Wb、6Wdが赤色発光ダイオード6Rb、6Rdに替わって発光点滅するようになるので、 bまたはd方向から来る車または通行人はaまたはc方向から車が接近してくることを発光ダイオードの色の変化によって知ることが出来る。またaまたはc方向とbまたはd方向の双方から車が来る場合には、4面共に赤色発光ダイオード6Ra、6Rb、6Rc、6Rdが白色発光ダイオード6Wa、6Wb、6Wc、6Wdに置き換わって点滅発光するので、互いの車が互いの車接近を知ることが出来る。
【0023】
このようにして、見通しの利かない横道方向から交差点に接近する車を発光ダイオード6の発光色を変えて標示してくれるので、遠方から近づく車のドライバーは余裕を持って停止する心構えが出来るし、自転車に乗った人や歩行者もその標示の変化を見て交差点への進入に注意を払うようになる。
【0024】
尚、車両の接近を感知する車両接近感知センサー4としては、発光体6を夜間のみ自発光させる場合には、車両のヘッドライトからの光を受けて車両の接近を判断する光センサーであることが好ましく、発光体を昼夜間断なく発光させる場合には車両との距離を検出し、予め設定した距離まで車両が接近したときに、車両の接近を判断することができる距離センサーであってもよく、車両の接近を敏感に感知して信号が出せるものであれば特に限定しない。
【0025】
この車両接近感知センサー4は標示体に内蔵されていてもよいし、別の所に独立して設置され、有線、または赤外線や電波等の無線によりその信号がコントロール回路5に入力されるようになされていてもよい。なお車両接近感知センサー4が別の所に独立して設置される場合は、他の電源装置よりの電力を受けてこの車両接近感知センサー4が動作するようになされていてもよい。
【0026】
発光体6は赤色発光ダイオード6Rと白色発光ダイオード6Wとからなるが、発光色は必ずしも赤色、白色に限定されるものではなく、例えばオレンジやグリーン、ブルーなどの発光色を選定することもでき、適宜目的と効果に応じて発光ダイオードが選定されるとよい。これら発光ダイオード6R、6Wとしては一般には指向性が強く且つ高輝度のものが用いられる。またこれらの発光ダイオード6R、6Wは、その出射光が50m以上離れた車両運転手に向かって照準を合わせれば、視認性もより高まるので対向車両が接近するまでに停車させるなどの処置が取れるようになる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、特に見通しの利かない道路の分岐点や交差点などに設置されて、車両の接近がないときには発光ダイオードの第1の色が点滅発光しているが、接近する車を感知すると一時的に発光ダイオードの色を変えて点滅発光するようになされたり、またはその発光周期を速めることによって、たとえ接近する車両が見えない位置にあっても車両の接近を確実にとらえることが出来、交差点の手前で減速または停止などの対策がとれるようになる。よって、出合い頭事故などを未然に防止することが出来る。また発光ダイオードの色の変化は、夜間に照明が当たるような明るい道路環境であっても、また日中であっても容易に視認できて異常事態を知ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】図1を説明するフロー図である。
【図3】本発明の実施の一形態を示す自発光式道路鋲の設置平面図である。
【符号の説明】
1 電源装置
11 太陽電池
2 蓄電装置
3 電圧制御回路
4(4a〜4d) 車両接近感知センサー
5 コントロール回路
6 発光体
6R(6Ra〜6Rd)第1の発光ダイオード(赤色発光ダイオード)
6W(6Wa〜6Wd)第2の発光ダイオード(白色発光ダイオード)
a〜d 路線方向

Claims (6)

  1. 道路の交差点中央の路面に設置される自発光式道路鋲からなる自発光標示体であって、道路鋲の内部には四方から来る車両に向けて各辺に発光体と車両接近感知センサーとが一対となって配置され、更にその発光体が第一の色で発光する第一の発光ダイオードとそれと異なる第二の色で発光する第二の発光ダイオードとが組となって併設されると共に、これらの発光体に電力を供給して発光させる電源装置が設けられ、交差点に接近する車がないときには常時第一の色で発光する第一の発光ダイオードが4面共に点滅しており、そして一の方向から来る車を検出する車両接近感知センサーが感知すると、その方向に直交する方向に向けて照射する第二の色で発光する第二の発光ダイオードが、第一の色で発光する第一の発光ダイオードに替わって点滅し、又一の方向とその方向に直交する方向の双方から車が来る場合には、四面共に第一の色で発光する第一の発光ダイオードが第二の色で発光する第二の発光ダイオードに置き換わって点滅することを特徴とする自発光標示体。
  2. 前記発光ダイオードの第1の色が赤色で、第2の色が白色であることを特徴とする請求項1記載の自発光標示体。
  3. 前記発光体は、点滅光の発光周期及び/または点灯時間を変えて発光することができるようになされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自発光標示体。
  4. 前記車両接近感知センサーは車両のヘッドライトからの光を受けて車両の接近を判断する光センサーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自発光標示体。
  5. 前記車両接近感知センサーは車両との距離を検出して車両の接近を判断する距離センサーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自発光標示体。
  6. 前記自発光標示体は自発光式道路鋲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自発光標示体。
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