JP3914263B2 - カルボニル化方法ストリームからのカルボニル不純物の除去 - Google Patents

カルボニル化方法ストリームからのカルボニル不純物の除去 Download PDF

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Description

発明の分野
この発明は、第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でのメタノールのカルボニル化により形成される酢酸の新規な精製方法に関する。より特定的には、この発明は、第VIII族金属で触媒されたカルボニル化方法により形成される酢酸からのカルボニル不純物を低減又は除去する新規な方法に関する。
背景
現在採用されている酢酸合成方法の中で、最も商業的に有用なもの1つは、1973年10月30日にPaulikらに発行された米国特許第3,769,329号で教示されている、メタノールの一酸化炭素での接触カルボニル化である。このカルボニル化触媒は、液体反応媒体中に溶解又は分散しているか又は不活性固体上に担持されたロジウムを、ヨウ化メチルにより例示れるハロゲン含有触媒促進剤と共に含む。このロジウムは、多くの形態のうちの如何なる形態で反応系に導入されてもよいので、その活性な触媒複合体内でのロジウム部分の正確な性質を同定することは、実際に可能であるとしても意味がない。同様に、ハロゲン化物促進剤の性質も重要ではない。この特許権者は、その殆どが有機ヨウ化物である非常に数多くの適する促進剤を開示している。最も典型的でありかつ有用であるのは、その反応が、液体反応媒体中に溶解した触媒で行われ、その媒体中に一酸化炭素ガスが連続的にバブリングされることである。
ロジウム触媒の存在下でアルコールをカルボニル化してそのアルコールよりも一つ多い炭素原子を有するカルボン酸を製造するこの先行技術方法における改良法が、1991年3月19日に発行された米国特許第5,001,259号;1991年6月25日に発行された第5,026,908号及び1992年9月1日に発行された第5,144,068号、及び1992年7月1日に公表されたヨーロッパ特許第161,874号B2に共通して開示されている。そこに開示されているように、酢酸は、メタノールから、酢酸メチル、ハロゲン化メチル、特にヨウ化メチル、及び触媒有効濃度で存在するロジウムを含む反応媒体中で製造される。その発明は、主として、反応媒体中に、触媒有効量のロジウム、少なくとも有限濃度の水、酢酸メチル及びヨウ化メチルと共に、そのヨウ化物含量を上回る、ヨウ化メチル又は他の有機ヨウ化物として存在する特定濃度のヨウ化物イオンを維持することにより、反応媒体中での水の濃度が(一般的な工業的実施で維持されるのは約14重量%又は15重量%水分であるにも拘らず)非常に低くても、即ち4重量%又はそれ未満であっても、触媒安定性及びカルボニル化反応器の生産性が驚くべき高レベルで維持されるという発見に依拠している。このヨウ化物イオンは簡単な塩として存在し、ヨウ化リチウムが好ましい。この特許は、酢酸メチルとヨウ化物塩の濃度は、特に低い反応器水分濃度において、メタノールをカルボニル化して酢酸を製造する速度に影響を与える有意なパラメーターであると教示している。比較的高濃度の酢酸メチルとヨウ化物塩を用いることにより、たとえその液体反応媒体が約0.1重量%という低い濃度でしか水を含有していないときでも、驚くべき度合いの触媒安定性と反応器生産性が得られる。水分がそれほど低いので、それは単に“有限濃度”の水として非限定的に定義されている。更に、用いられる反応媒体が、ロジウム触媒の安定性、即ち触媒析出に対する抵抗性、特にこの方法の生成物回収工程であって、酢酸生成物を回収するための蒸留がその反応容器中で維持される環境においてロジウムに対して安定化作用を有するリガンドである一酸化炭素を触媒から除去してしまう傾向にある、その工程の間の抵抗性を向上させる。米国特許第5,001,259号;第5,026,908号及び第5,144,068号は、米国特許審査基準に従って、参照により本明細書中に組み入れられるものとする。
メタノールのカルボニル化により形成される酢酸は、一連の蒸留によるなどの慣用的手段によって高純度生成物にまで転化される。この方法で比較的高純度の酢酸を得ることが可能であるが、上記の低水分カルボニル化により形成される酢酸生成物は、その中の少量の残留不純物の存在のために過マンガン酸塩時間(permanganate time)の点で不十分であることが頻繁に起こる。十分な過マンガン酸塩時間は、その酸生成物が多くの用途に適合しなくてはならない重要な商業的試験であるので、過マンガン酸塩時間を低下させるそのような不純物の存在は好ましくない。慣用的な蒸留技術による酢酸からのこれら微量の不純物の除去は、商業的に実行可能ではない。
中でも、酢酸の過マンガン酸塩時間を低下させる不純物は、カルボニル化合物、不飽和カルボニル化合物、及び有機ヨウ化物である。ここで用いる場合“カルボニル”という用語は、アルデヒド又はケトン官能基を含有する化合物を意味し、不飽和基を有していても有していなくてもよい。有限濃度の水の存在下でのメタノール又は酢酸メチルのカルボニル化による酢酸の製造の間に、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、及び2−エチルブチルアルデヒド等のようなカルボニル不純物が存在し、更にそれが反応してアルドール縮合生成物を形成し、及び/又はヨウ化物触媒促進剤と反応して多炭素アルキルヨウ化物、即ち、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ヘキシル等を形成し得ることが分かった。
不運にも、蒸留のような慣用的手段により存在する微量のカルボニル不純物を完全に除去することは、それら不純物が酢酸生成物の沸点に近い沸点を有するので困難である。一般に、有機ストリームを、カルボニル化合物と反応してオキシムを形成するヒドロキシルアミンのようなアミン化合物で処理してから、蒸留して精製された有機生成物をそのオキシム反応生成物から分離することにより、有機ストリームからカルボニル不純物を除去することが知られている。しかしながら、この最終生成物の追加的処理はその方法にコストを付加し、かつそうして処理した酢酸生成物の蒸留が更なる不純物の形成をもたらすことが分かった。例えば、オキシムを除去するための蒸留の間にオキシムからのニトリルの形成が簡単に起こることが分かった。明らかに、最終生成物が再び汚染されるなら、そのような方法は有用であるとは言えない。
かくして、酢酸カルボニル化生成物からカルボニル不純物を除去するうちに、純粋な生成物を形成させるに際して、カルボニル化方法のどこで及びどのような方法により、かかる不純物を更なる汚染の危険なしに除去できるかを決めることが極めて重要であることが分かった。
1995年4月12日に公表されたEP487,284B1には、カルボニル化反応混合物中の循環カルボニル含有有機物質及び不飽和有機物質の量を最小にすることで、酢酸の精製をより容易なものにする方法であって、その酢酸が、米国特許第5,001,259号に記載されたような低水分カルボニル化条件下で、第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でのメタノールのカルボニル化により形成されたものである方法を開示している。かかる方法では、メタノール供給物は液相カルボニル化反応器内でカルボニル化される。生成物の分離は、反応器の内容物をフラッシャー(flasher)に向かわせることにより達成される。このフラッシャーでは、触媒溶液が基底ストリームとして抜き取られて反応器に再循環される一方で、ヨウ化メチル、酢酸メチル及び水と共に生成酢酸を大量に含む蒸気又は揮発性オーバーヘッド(overhead)がヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム(splitter column)に向けられる。このスプリッターカラムからのオーバーヘッドは、主として、有機ヨウ化物、酢酸メチル、酢酸及び水を含む一方で、そのスプリッターカラムの基底の近くからは、通常は更なる精製に向けられる粗製酢酸が蒸留を終了することによって抜き取られる。有機ヨウ化物を含有するスプリッターカラムからのオーバーヘッドは、カルボニル化反応器に再循環される。酢酸生成物中に存在するカルボニル不純物は、概してスプリッターカラムからのオーバーヘッド中に濃縮されることが分かった。EP487,284に開示された方法によれば、スプリッターカラムオーバーヘッドは、カルボニル化合物と反応して残りのオーバーヘッドからかかるカルボニル類を蒸留により分離できるようにする化合物、即ちヒドロキシルアミンで処理される。そのような処理により変性すると、メタノールのカルボニル化は、大きく向上した過マンガン酸塩時間を有しかつカルボニル不純物を実質的に含まない酢酸生成物を産する。
上記の方法は、カルボニル化系からカルボニル不純物を除去することに及び最終酢酸生成物中のアセトアルデヒドレベルの殆どの部分の制御と過マンガン酸塩時間の問題について成功しているが、依然として改善の余地がある。従って、このカルボニル化方法においてどこでカルボニル物質を除去して不変純度の生成物を確保するかを決めると同時に、低水分カルボニル化方法の生産性を犠牲にすることなしに又は実質的な付加的エネルギーコストをかけることなく、かかるカルボニル物質を除去する方法を提供する必要性が依然として存在している。
発明の要旨
スプリッターカラムオーバーヘッド受器デカンター(凝縮されたスプリッターカラムオーバーヘッドガスの一部を含有する)からベントされたガスがかなりの濃度のアセトアルデヒドを含有すること、及びこのベントされたガスを更に凝縮しそして高濃度のアセトアルデヒドを含有するその凝縮物をアミノ化合物で処理してそのカルボニル化合物を除去すれば、そのカルボニル化反応系全体のアセトアルデヒドの総量をより大きく低減できることが分かった。この発明の一側面においては、ベントされたガスからの凝縮物をアミノ化合物で直接処理してカルボニル不純物を除去する。本発明の他の側面においては、その凝縮物を、凝縮されたスプリッターカラムオーバーヘッドからの少量のスリップストリーム(slipstream)と混合してアミノ化合物で処理してカルボニル不純物を除去する。オーバーヘッド受器デカンターの大半は、反応器に再循環される。かくして、本発明によれば、アセトアルデヒドを含むカルボニル化合物の総量が、本カルボニル化方法の生成物ストリームの少量だけを処理することによって大きく低減され、大きく向上した生成物の品質が得られると同時に、製造コストの実質的な増加なしにそのような生成物の品質が得られる。
メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化方法であって、前記メタノールが、第VIII族金属触媒、有機ヨウ化物及びヨウ化物塩触媒促進剤を含む適する液相反応媒質中でカルボニル化されて、前記カルボニル化生成物が、生成物を含む揮発性相と、第VIII族金属触媒、酢酸、ヨウ化物触媒促進剤及び有機ヨウ化物を含む揮発性の劣る相とに分離され、前記生成物相が、蒸留塔内で蒸留されて、精製された生成物と、有機ヨウ化物、酢酸メチル、水、酢酸、及び未反応メタノールを含むオーバーヘッドとを産し、そして前記オーバーヘッドが前記カルボニル化反応器に再循環される方法において、
(a)該オーバーヘッドの少なくとも一部をオーバーヘッド受器に向けて、該オーバーヘッドを酢酸と水を含む軽質相及び酢酸メチルと有機ヨウ化物を含む重質相に分離する工程;
(b)(a)のオーバーヘッド受器からガスストリームをベントする工程;
(c)(b)のベントされたガスストリームを適当な条件下で冷却して凝縮させ、そして前記凝縮性相を非凝縮性軽質ガスから分離する工程;
(d)(c)の凝縮性相をカルボニル類の水溶性窒素含有誘導体を形成する水性アミノ化合物と接触させる工程;
(e)得られたカルボニル化合物の窒素含有誘導体を分離し、そして精製された(c)の凝縮性相をカルボニル化反応器に戻す工程
を含むことを特徴とする方法。
図面
図1は、本発明を取り入れるように修飾されたカルボニル化反応方法及び酢酸回収系を示すものである。
図2は、カルボニル化反応により形成された酢酸からカルボニル不純物を除去するための好ましい態様を示すものである。
詳細な説明
本発明の精製方法は、ロジウムのような第VIII族金属触媒及びヨウ化物促進剤の存在下でメタノールを酢酸にカルボニル化するのに用いられる如何なる方法にも有用である。特に有用な方法は、前述の米国特許第5,001,259号に例示されたようなメタノールの酢酸への低水分ロジウム触媒カルボニル化である。一般に、この触媒系のロジウム成分は、ロジウムのハロゲン成分との配位化合物であって、そのハロゲン成分がかかる配位化合物の少なくとも1のリガンドを提供する配位化合物の形で存在すると考えられる。ロジウムとハロゲンとの配位に加えて、一酸化炭素リガンドも、ロジウムと配位化合物又は錯体を形成すると考えられる。この触媒系のロジウム成分は、ロジウム金属、ロジウム塩及び酸化物、有機ロジウム化合物、ロジウムの配位化合物等の形のロジウムを反応帯域内に導入することにより提供することができる。
この触媒系のハロゲン促進成分は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物からなる。かくして、アルキル、アリール、及び置換アルキル又は置換アリールハロゲン化物を用いることができる。好ましくは、このハロゲン化物促進剤は、そのアルキル基がカルボニル化される供給アルコールのアルキル基に対応するアルキルハロゲン化物の形で存在する。かくして、メタノールの酢酸へのカルボニル化では、ハロゲン化物促進剤は、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルを含むことになる。
用いられる液体反応媒体には、その触媒系と適合性の如何なる溶媒も含まれ、純粋なアルコール、又はアルコール供給原料及び/又は目的のカルボン酸及び/又はこれら2種の化合物のエステルとの混合物が含まれ得る。本低水分カルボニル化方法のために好ましい溶媒及び液体反応媒体は、カルボン酸生成物を含む。かくして、メタノールの酢酸へのカルボニル化においては、好ましい溶媒は酢酸である。
水が反応媒体中に含有されるが、十分な反応速度を達成するために実用的であるとこれまで考えられてきた濃度よりもずっと低い濃度である。以前は、この発明に記載したタイプのロジウム触媒カルボニル化反応では、水の添加が反応速度に有益な効果を発揮すると教示されていた(米国特許第3,769,329号)。かくして、最も商業的な運転は、少なくとも約14重量%の水分濃度で行われている。従って、そのように高いレベルの水分濃度で得られる反応速度に実質的に等しいか又は上回る反応速度が、14重量%を下回って約0.1重量%もの低い水分濃度で達成できるというのは、全く意外なことである。
本発明に従って酢酸を製造するのに最も有用なカルボニル化方法によれば、反応媒体中に、酢酸メチルと、ヨウ化メチル又は他の有機ヨウ化物のような触媒促進剤として存在するヨウ化物を越える追加のヨウ化物イオンとを含めることによって、低水分濃度でも所望の反応速度が得られる。この追加のヨウ化物促進剤はヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウムが好ましい。低水分濃度では、酢酸メチルとヨウ化リチウムがそれぞれ比較的高濃度で存在するときにのみ速度向上剤として作用すること、及びその向上はこれら成分の両方が同時に存在するときにより高くなることが分かった(米国特許第5,001,259号)。この好ましいカルボニル化反応系の反応媒体に用いられるヨウ化メチルの濃度は、この目的のために反応系にハロゲン化物塩を用いることを扱っている先行技術が殆どないことからして、非常に高いと考えられる。ヨウ化物イオン含有量の絶対濃度は、本発明の有用性に関しては限定ではなく、酢酸製造における改良に関して限定となるに過ぎない。
メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、液相であるメタノール供給物を、ロジウム触媒、ヨウ化メチル型促進剤、酢酸メチル、及び追加の可溶性ヨウ化物塩促進剤を含有する液体酢酸溶媒反応媒体中でバブリングするガス状一酸化炭素に、カルボニル化生成物を形成するのに適する温度及び圧力の条件で接触させることにより行うことができる。重要なのは触媒系のヨウ化物イオンの濃度であってそのヨウ化物に随伴しているカチオンではないこと、及び所与のヨウ化物のモル濃度においてはカチオンの性質はそのヨウ化物濃度の効果ほど有意ではないことが一般に認識されるであろう。その塩が反応媒体中に十分に可溶であることで所望のレベルのヨウ化物を提供できることを条件として、どのような金属ヨウ化物塩も、どのような有機カチオンのどのようなヨウ化物塩も用いることができる。このヨウ化物塩は、有機金属との塩であっても4級カチオンとの塩であっても無機カチオンとの塩であってもよい。ヨウ化物を金属塩として添加するとき、好ましくは、それは、CRC Press, Cleveland, Ohio, 1975-76(第56編)により刊行された“Handbook of Chemistry and Physics”に記載された周期律表の第Ia族及び第IIa族の金属からなる群のメンバーのヨウ化物である。特にアルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが好ましい。この発明で最も有用な低水分カルボニル化方法では、触媒溶液中に、有機ヨウ化物促進剤を上回る追加のヨウ化物は約2〜約20重量%の量で存在し、酢酸メチルは約0.5〜約30重量%の量で存在し、そしてヨウ化メチルは約5〜約20重量%の量で存在する。ロジウム触媒は、約200〜1000ppmの量で存在する。
カルボニル化の典型的な反応温度は約150〜約250℃であり、約180〜約220℃の温度が好ましい範囲である。反応器内での一酸化炭素の分圧は、広く変動させることができるが、典型的には約2〜約30気圧であり、好ましくは約3〜約10気圧である。副生成物の分圧及び含有される液体の蒸気圧の故に、全反応器圧は約15〜約40気圧であろう。
メタノールの酢酸へのヨウ化物促進ロジウム触媒カルボニル化に用いられる典型的な反応及び酢酸回収系を図1に示す。この図は、液相カルボニル化反応器10、フラッシャー12、及び更なる精製に進む酢酸サイドストリーム17を有するヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム14を含む。カルボニル化反応器10は典型的には攪拌された容器であって、その内部では反応する液体内容物が自動的に一定レベルに維持される。この反応器の中には、新鮮なメタノール、一酸化炭素、反応媒体中で少なくとも水の有限濃度を維持するのに必要とされる十分な水、フラッシャー基底からの再循環触媒溶液(ストリーム13)、再循環ヨウ化メチル及び酢酸メチル相(ストリーム30)、及びヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム14のオーバーヘッド受器デカンター22からの水性酢酸相(ストリーム32)が連続的に導入される。粗製酢酸を回収するための並びに触媒溶液、ヨウ化メチル及び酢酸メチルを反応器に再循環するための手段を提供できる限り、交互蒸留系を用いることもできる。好ましい方法においては、一酸化炭素は、内容物を攪拌するのに使用される攪拌機のすぐ下からカルボニル化反応器10の中に連続的に導入される。もちろん、このガス状供給物は、ガス状副生成物の蓄積を阻止するため及び所与の全反応器圧で設定された一酸化炭素分圧を維持するために、徹底的に分散される。反応器の温度は自動的に制御され、そして一酸化炭素供給物は所望の全反応器圧を維持するのに十分な速度で導入される。
液体生成物は、カルボニル化反応器10から、そこでの一定レベルを維持するのに十分な速度で抜き出されて、ライン11を通ってフラッシャー12に導入される。フラッシャー12では、触媒溶液が基底ストリーム13(主に、ロジウム及びヨウ化物塩と一緒に少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル及び水を含有する酢酸)として抜き出される一方で、そのフラッシャーのオーバーヘッド15は生成酢酸と一緒にヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を多く含む。一酸化炭素の一部と一緒にメタン、水素、及び二酸化炭素のようなガス状副生成物からなるストリーム11中に溶けたガスは、フラッシャーから出てストリーム15を通ってスプリッターカラム14に向かい、次いでストリーム33を通ってスプリッターカラムオーバーヘッド受器デカンター22に向かい、そしてそのオーバーヘッド受器デカンター22の頂部の上にライン24として示されるベントを通ってこの系から出てゆく。主としてヨウ化メチルと酢酸メチルに加えて、少量の水、酢酸及び揮発性成分を含むヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラムからのオーバーヘッド20は、ライン21を通ってカルボニル化反応器10に再循環される。
ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム14の基底の近くで横から抜き取られる生成酢酸(それは、基底ストリーム18として抜き取られると共に、一部がライン16を通って12に再循環することができる)は、所望により、ライン17を通って、当業者に知られている方法であって最も好ましいものとして蒸留を含む方法により水を除去するなどの最終精製に向けられる。
十分な水が存在することを条件として、オーバーヘッド20が凝縮すると、それは典型的にはオーバーヘッド受器デカンター22内で2つの液相に分かれる。その重質相30は、主に、ヨウ化メチルに加えて少量の酢酸メチルと酢酸並びにアルカンとカルボニル不純物を含む。軽質相32は、主に、水と酢酸に加えて少量の酢酸メチルとカルボニル不純物を含む。次いで、ヨウ化メチル−酢酸スプリッターからの重質相30のスリップストリーム部分を処理に付して、残りのストリームを軽質相32と混合して、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水及び他の不純物を含有する他の更なる精製方法からの再循環物と混合し、再循環物21としてもよい。
前述のEP487,284の方法によれば、ヨウ化メチル豊富重質相30中に又は全オーバーヘッド20(もしそれが2相に分離しないなら)中に蓄積するカルボニル不純物は、そのカルボニル化方法においてこのストリーム中から除去され、酢酸生成物の品質にかなりの向上をもたらす。かくして、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のようなカルボニル不純物を含有するヨウ化メチル豊富相30は、そのカルボニル不純物を、蒸留により反応生成物から分離することができる誘導体に転化する化合物と反応させて、カルボニル不純物を含まない再循環ストリームを提供する。その好ましい態様においては、このヨウ化メチル豊富相は、水性アミノ化合物で処理される。続いて、非揮発性アミン残渣から揮発性オーバーヘッドを除去するために分離が行われる。
今回、オーバーヘッド受器デカンター22からのベントガスストリーム24が、ヨウ化メチル豊富相30に比べてかなり高濃度のアセトアルデヒドのようなカルボニル化合物を含有することが分かった。この発明以前には、重質相30は、カルボニル化合物を除去するために、EP487,284に記載された方法により処理されていた。EP487,284に開示された発明の時点では、このベントガス凝縮物中のカルボニル不純物の濃度が高いことは認識されていなかった。従って、EP487,284に開示された処理は、このベントガス凝縮物ストリーム中の高濃度のカルボニル類の利点を生かしていなかった。今回、例えば、アセトアルデヒドの濃度は、ベントガス凝縮物ストリーム24では、重質相ストリーム30の約2倍又はそれ以上であることが発見された。
ベントガスは、受器22の頂部からライン24を通って除去される。このベントガスは、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水素のような非凝縮性軽質ガス、並びにヨウ化メチル、酢酸メチル及びアセトアルデヒドを含むカルボニル物質のような凝縮性物質をも含む。これらガスは、受器22からライン24を通ってベントされ、そして凝縮性のヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド及び他のカルボニル成分を凝縮及び分離するのに十分な温度に冷やされて、図2に示す容器70に向けられる。先に述べたように、ストリーム24は、重質相ストリーム30に比べて高度に濃縮されたレベルのアセトアルデヒドを含有する。例えば、ストリーム24は約1.3重量%のアセトアルデヒドを含有するのに対して、ストリーム30は約0.5%のアセトアルデヒドしか含有しないことが分かった。典型的には、ストリーム24の容量は、カルボニル化合物の除去のために処理される重質相30の約10容量%未満である。かくして、この発明の一側面においては、凝縮性ストリーム24は、カルボニル化合物を除去するための処理に向けられる。
重質相ストリーム30も、オーバーヘッド受器デカンター22を出てゆく。本発明のもう1つの側面においては、一般に少量の、例えば、重質相30の約25容量%未満、好ましくは約20容量%未満のスリップストリーム34をこの発明のカルボニル処理方法に向けて、残りをライン21に通して反応器に再循環させることもできる。オーバーヘッド受器デカンター22内で分離された軽質相32は、ライン21を通って反応器に再循環される。
この発明のいま1つの側面においては、ストリーム24及びストリーム34からの凝縮性物質を混合して処理し、それらからカルボニル化合物を除去してもよい。
不純物の窒素含有反応生成物からのヨウ化メチルの分離は、図2に言及することでより容易に説明することができる。あらゆる反応性アミノ化合物がこの発明の方法に有用であるので、ここでの説明は、本発明を限定することを意図したものではないことが理解されなければならない。図2から、オーバーヘッド受器70に入るのは冷やされた再循環ストリーム24であって、これは最終的に反応器74に供給されることが分かる。硫酸ヒドロキシルアミン(HAS)供給ストリーム42及び水酸化ナトリウム供給ストリーム44、並びにガスストリーム26からの凝縮物質も、反応器74に供給される。容器70を出てゆくのはストリーム24の凝縮性物質で、今度はストリーム26となっている。塔72は、アルカンと酢酸を除く役目を果たす。塔72の残渣68はアルカン廃棄物を含むので、更なる処理に向けられる。カルボニル不純物がヒドロキシルアミンと反応してオキシム化生成物と対応する硫酸塩とを形成する反応は、反応器74の中で起こる。オキシム化及び塩生成物は、適切な温度及び/又は水分濃度が維持されていることを条件として、この反応器の水相に可溶である。オキシム化生成物を確実に形成させるには、カルボニル不純物とヒドロキシルアミンの混合物の十分な接触が推奨される。この反応器は、適する装置であれば当該技術分野で知られている、攪拌反応器、バックミックス反応器、又はプラグフロー反応器を含むどのような装置でもよい。
ストリーム24からの凝縮性物質(今やストリーム26)は、容器70の中で非凝縮性軽質ガスストリーム28から分離される。この軽質ガス28からあらゆる凝縮性ヨウ化物及び酢酸メチルを除去するために、軽質ガス28を更なるスクラビング作用に向けてもよい。多量のヨウ化メチル及び少量のアセトアルデヒドと酢酸メチルを含む凝縮性物質は、アセトアルデヒドと他のカルボニル化合物をそれから除去するために、この発明の更なる処理に向けられる。
本発明の種々の側面において、カルボニル不純物を含有する諸ストリームを塔72次いで反応器74へと向けても、塔72を抜かして反応器74だけに向けてもよい。諸ストリームを混合して又は個別に塔72又は反応器74のいずれかに供給してもよい。ここでの説明のために、HAS及び水酸化ナトリウムは、カルボニル不純物の処理のためにライン54を通って添加される。
26+34を塔へ次いで反応器へ
本発明の好ましい方法においては、ストリーム26の凝縮物質をスリップストリーム34と混合し(この混合ストリームは図2においてストリーム36として示されている)そして塔72に向ける。塔72を出ると、ストリーム36はライン54を通るアミノ化合物と接触して反応器74に向かい、更に処理される。図2には示していないが、ストリーム26と34を混合してストリーム36を形成する代わりに、それぞれのストリームを個別に塔72に供給して更に処理を進めることも任意である。
26+34を反応器へ(塔は無し)
別法は、ストリーム36をライン35に通して(塔72を抜かして)反応器74に向けることを包含する。上記の任意の場合と同じように、ストリーム26及び34を個別に反応器74に供給してもよい。次いで、そのストリームをここに記載した水性アミノ化合物で処理して更に処理を進める。
34を塔へ次いで反応器へ
もう1つの別法は、ストリーム34を(ストリーム26と混合しないで)アルカンと酢酸の除去のために塔72に向けることを包含し、次いで上記の水性アミノ化合物と接触させて更に処理を進める。
34を反応器へ(塔は無し)
いま1つの別法は、ストリーム34をライン35に通して塔72を抜かし反応器74に向けることを包含する。次いで、このストリームを上記の水性アミノ化合物で処理して更に処理を進める。
26を塔へ次いで反応器へ
いま1つの別法は、ストリーム26だけを(ストリーム34と混合しないで)塔72に向けることを包含し、次いで上記の水性アミノ化合物で処理して更に処理を進める。
26を反応器へ(塔は無し)
本発明のいま1つの別法は、ストリーム26だけを(やはりストリーム34と混合しないで)反応器74内に向けることを包含し、次いで上記の水性アミノ化合物で処理して更に処理を進める。場合により、ストリーム34をカラム72内で処理してその留出物を上記のようにして処理されるべきストリーム26と混合してもよい。
HASは、示したタンク内に貯蔵されており、必要なときにストリーム42を介して分散されることができる。フリー塩基としてのヒドロキシルアミンはゆっくり分解するので、ヒドロキシルアミンをその酸塩の形で使用するのが好ましい。フリーのヒドロキシルアミンは、その酸塩を水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムのような塩基で処理すると遊離する。ヒドロキシルアミンをその酸塩から遊離させるための塩基として水酸化ナトリウムを使用すると、そのような遊離は副生成物として対応するナトリウム塩をも生成する。HASは、好ましくは、ストリーム26中に含有されるカルボニル不純物の1当量に対して約1〜約2当量の出発ヒドロキシルアミンの量で使用される。カルボニル不純物の量は、アミノ化合物との反応の前に分析的方法により決定することができる。
フリーのヒドロキシルアミンを遊離させるのに使用される塩基は、図2に示したタンク内に貯蔵され、必要なときにストリーム44を介して分散されることができる。それは、好ましくは、出発ヒドロキシルアミンの1当量に対して約0.8〜約1.0当量の量で使用され、その結果、少量のヒドロキシルアミンがその酸塩の形で残ってpH緩衝剤を形成する。この反応体溶液のpHは、約4.0〜約7.0、好ましくは約4.0〜約6.0、最も好ましくは約4.5〜約5.5の範囲内に維持される。より多くの量の塩基の使用は、pHを7を越えて上げることになり、不安定なヒドロキシルアミンのフリー塩基の分解をもたらす。このフリー塩基は、アンモニアのような望ましくない揮発性副生成物に分解する。これが、今度は、ヨウ化メチル豊富混合再循環ストリームとフリーのヒドロキシルアミンとの望ましくない縮合反応を開始させる。この反応溶液のpHを約4.5又はその付近に維持することによって、オキシム化反応を最大にし、そしてヨウ化メチルの無機ヨウ化物への望ましくない転化を最小限にすることができることを発見した。
高温ではヨウ化メチルが無機ヨウ化物塩に転化することも発見した。この塩は処理の間に(例えば、ストリーム66を介して)除くことができる。低温では、結晶化が起こることが分かった。従って、この反応系では、反応混合物が液体状態を維持できるような温度及び圧力が維持されなければならない。この反応は、概して約0〜約70℃の温度で約1分〜1時間行われる。循環反応ライン、例えば、ライン48及び54は、一般に、そのライン内での結晶化を避けるためにある形の温度管理を必要とする。この反応方法では、塩とオキシムを溶液に保つために十分な水が維持される。水は、種々の手段で供給され得る。例えば、水を(1)薄いHAS溶液、例えば、約10%の溶液を利用することによってHAS自体で、(2)反応系に新たな水を供給することによって、(3)この反応方法からの再循環水を用いることによって、又は(4)希NaOHを用いることによって、供給することができる。
HAS、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸水素ヒドロキシルアミン、酢酸ヒドロキシルアミン、若しくはリン酸ヒドロキシルアミンのような水性ヒドロキシルアミン塩、又はヒドロキシルアミンのフリー塩基型が、この発明の方法で使用するための好ましいアミノ化合物であるが、他のアミノ化合物(フリー塩基のアミン又はその酸塩)も適している。これらアミノ化合物には、アニリン、及び酢酸アニリンや硫酸アニリンのようなその塩、ヒドラジン、フェニルヒドラジン及び/又はそれらの酸塩;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、フェニルアミン及びナフチルアミンのようなアルキルアミンが含まれるが、これらに限定されない。更には、やや好ましさの劣る態様においては、スプリッターカラムオーバーヘッドストリーム20を処理するのに、例えば、亜硫酸ナトリウムのような亜硫酸水素塩を含む他の化合物を用いることができる。
ヒドロキシルアミンのカルボニル不純物との反応がオキシムを生成するのに反して、ヒドラジンとの反応はヒドラゾンを生成する。用いられるアミノ化合物のタイプに拘らず、アルデヒドのアミノ化合物との反応生成物からのニトリル形成が、蒸留中などの長時間加熱中に起こり得る。このニトリル形成反応を(1)オキシム生成物と(2)ヒドラゾン生成物について以下に示す。
Figure 0003914263
ヨウ化メチルがカルボニル化反応器に戻ってくる前にそのヨウ化メチルから窒素含有化合物を分離する必要がある。本発明によれば、この分離を提供するため及び精製された再循環ストリーム、特に純粋な窒素不含再循環ストリームを生じさせるために一連の工程が用いられる。精製された重質相生成物からのアミノ化合物の分離を助けるために、水の重質相に対する供給比が約0.1〜3供給物容量の水をカラム(図2において塔78として示されている)に加えてニトリルの形成を阻止するのである。
カルボニル不純物の水性アミノ化合物での処理及び反応のあと、その反応生成物をライン48を通して反応器74からデカンター76に向かわせる。デカンター76内では、未反応硫酸ヒドロキシルアミン並びにカルボニル不純物のヒドロキシルアミンとの反応からの殆どのオキシム化生成物を含有する軽質水相54が分離される。硫酸ヒドロキシルアミンを含有するこの水相は、ライン54を通って反応器74に完全に又は部分的に再循環される。また、ストリーム58として示されるストリーム54の一部を、ヨウ化メチルのストリッピングのために蒸留塔78に向かわさせてもよい。オキシムは、この水相中に濃縮されるので、形成されたオキシムのパージが必要である。これらは、ストリーム59を通って直接パージされるか、又はパージされかつ可溶性ヨウ化メチルを回収するためにストリーム58を通って供給される。水相54の再循環は、ヒドロキシルアミン塩からヒドロキシルアミンを放出するのに必要なpH管理を大きく改善するので、カルボニル不純物との最適な反応が可能になる。水性硫酸ヒドロキシルアミン相54から分かれた、ヨウ化メチル、微量の水、並びに痕跡量の硫酸ヒドロキシルアミン、オキシム及び不純物を含有する有機相52は、デカンター76からライン52を通って抜き出され、ヨウ化メチルを回収するために蒸留塔78に向けられる。塔78内での蒸留で、精製されたヨウ化メチル再循環ストリームを含有する留出物がライン64を通ってその塔から出てゆく。この軽質最終ストリーム64は、本カルボニル化方法に再循環させることができる。蒸留塔78からの残渣66は、主として、水、分離されたオキシム、硫酸ナトリウム、未反応HAS、並びに高沸点アルカンのような微量の他の不純物を含む。ストリーム66の一部からの水をこの系に再循環させて水分バランスを保ってもよい。
先に説明したように、本発明者らは、ヒドロキシルアミンとアルデヒドなどとの反応により形成されるオキシム、特にアセトアルデヒドオキシムが容易にニトリル、例えば、アセトニトリルに転化され、それが、ヨウ化メチル豊富再循環物64に近い沸点を有するので、蒸留塔78を出てゆく再循環相留出物64と一緒に留出してそれを汚染するということを見出した。そのような転化は、高温条件下でより容易に起こる。従って、オキシム及びニトリルを少なくする方法が用いられる。例えば、オキシムを除去して蒸留塔78を出てゆく留出物64からのニトリルの形成を阻止するために、蒸留塔78に追加の水が加えることができる。その水分は、好ましくは、水の有機相52(塔)供給物に対する約0.1〜約3の供給物容量比の量である。その水は、オキシムを蒸留塔78の底部に相分離させて、蒸留に要する温度を低くし、更に望ましくないニトリル形成も少なくする。

Claims (16)

  1. メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化方法であって、前記メタノールが、第VIII族金属触媒、有機ヨウ化物及びヨウ化物塩触媒促進剤を含む適する液相反応媒質(10)中でカルボニル化されて、前記カルボニル化生成物(11)が、生成物を含む揮発性相(15)と、第VIII族金属触媒、酢酸、ヨウ化物触媒促進剤及び有機ヨウ化物を含む揮発性の劣る相(13)とに分離され、前記生成物相(15)が、蒸留塔(14)内で蒸留されて、精製された生成物(17)と、有機ヨウ化物、酢酸メチル、水、酢酸、及び未反応メタノールを含むオーバーヘッド(20)とを産し、そして前記オーバーヘッド(20)が前記カルボニル化反応器に再循環される方法において、
    (a)該オーバーヘッドの少なくとも一部(33)をオーバーヘッド受器(22)に向けて、該オーバーヘッドを酢酸と水を含む軽質相(32)及び酢酸メチルと有機ヨウ化物を含む重質相(30)に分離する工程;
    (b)(a)のオーバーヘッド受器からガス(24)ストリームをベントする工程;
    (c)(b)のベントされたガス(24)ストリームを適当な条件下で冷却して凝縮させ、そして前記凝縮性相(26)を非凝縮性軽質ガス(28)から分離する工程;
    (d)(c)の凝縮性相をカルボニル類の水溶性窒素含有誘導体を形成する水性アミノ化合物(42/54)と接触(74)させる工程;
    (e)得られたカルボニル化合物の窒素含有誘導体(66)を分離し、そして精製された(c)の凝縮性相(64)をカルボニル化反応器(10)に戻す工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 工程(e)の前に、水の有機相に対する約0.1〜約3の供給物容量比の量で、水分を精製された重質相生成物を回収する蒸留塔(78)に提供する、請求項1記載の方法。
  3. 工程(c)の凝縮性相が、水性アミノ化合物と接触する前に、まずアルカン及び酢酸を除去するための処理に向けられる、請求項1記載の方法。
  4. 工程(a)の重質相の一部及び工程(c)の凝縮性相の少なくとも一部が、水性アミノ化合物と接触して水溶性窒素含有誘導体を形成する、請求項1記載の方法。
  5. 重質相と凝縮性相が個別にアミノ化合物と接触させられる、請求項4記載の方法。
  6. 重質相と凝縮性相が混合されたストリームとしてアミノ化合物と接触させられる、請求項4記載の方法。
  7. 工程(a)の重質相の一部及び工程(c)の凝縮性相の少なくとも一部が、(1)アルカン及び酢酸を除去するための処理に向けられ、次いで(2)水性アミノ化合物と接触させられて水溶性窒素含有誘導体を形成する、請求項1記載の方法。
  8. 重質相と凝縮性相が個別に処理工程(1)に向けられる、請求項7記載の方法。
  9. 重質相と凝縮性相が混合されてから処理工程(1)に向けられる、請求項7記載の方法。
  10. 有機ヨウ化物触媒促進剤がヨウ化メチルである、請求項1記載の方法。
  11. アミノ化合物がヒドロキシアミンであり、窒素含有誘導体がオキシムである、請求項1記載の方法。
  12. アミノ化合物がヒドロキシルアミンの酸塩を含み、そして前記ヒドロキシルアミンを酸塩から遊離させるために塩基がカルボニル化反応に供給される、請求項11記載の方法。
  13. ヒドロキシルアミンの酸塩が、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸水素ヒドロキシルアミン、酢酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン、又はヒドロキシルアミンのフリー塩基型からなる群から選択される、請求項12記載の方法。
  14. アミノ化合物が、酢酸アニリン、硫酸アニリン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、フェニルアミン、ナフチルアミン、及びそれらの酸塩からなる群から選択される、請求項11記載の方法。
  15. 塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムからなる群から選択される、請求項12記載の方法。
  16. オーバーヘッド中に存在するカルボニル不純物が、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、及び2−エチルブチルアルデヒドを含む、請求項1記載の方法。
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