JP3913371B2 - 反射体制御型原子炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中性子反射体の上下移動によって炉心の反応度を制御するようにした反射体制御型原子炉に係り、さらに詳しくは流動性を有する中性子反射材の液位を変えることにより、中性子反射体の有する最大反応度の抑制もしくは増大させて、炉心の反応度寿命を長期化した燃料無交換で、長期期間運転を行える反射体制御方式の原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射体制御型原子炉のうち、いわゆる炉外反射体方式を採用した原子炉は、一般的、図5ないし図7に要部を断面的に示すような構成を採っている。すなわち、図5に示すように、原子炉容器1の内部には、中央部に位置して原子炉の炉心2が、また、前記炉心2に対して同心円的に中性子遮蔽体3がそれぞれ配置されている。そして、これら炉心2および中性子遮蔽体3は、液体ナトリウムなどの冷却材4中に浸漬される状態に、原子炉容器1内が冷却材4で満たされている。
【0003】
ここで、原子炉の炉心2は、図6に示すように、たとえば六角形状の18本の燃料集合体5、および前記燃料集合体5を包囲する炉心バレル6によって構成されている。なお、前記燃料集合体5は、その中央に炉心2の反応度制御用で運転時には上方に引き抜かれる中性子吸収棒用のチャンネル7が配置されている。
【0004】
より具体的に説明すると、燃料集合体5は、たとえば図7に一部を拡大して示すように、ステンレススチール製の六角形状のラッパ管11の内部に多数の燃料ピン12を規則的に配列するとともに、前記ラッパ管11の上部および下部に中性子遮蔽体13a ,13b を配置することによって構成されている。ここで、燃料ピン12は、燃料部12a と核分裂により生じるガス成分を封じ込めるプレナム部12b とを備えた構成を成しおり、また、この燃料ピン12は、ワイヤラップまたはグリッド(図示せず)により冷却材4の流入を促進するとともに、下部端栓部でラッパ管11に結合固定されるように成っている。
【0005】
上記構成においては、前記隔壁8の内側を冷却材4が下方から上方向に流れ、その途中で炉心2に流入して核分裂によって生じた熱を奪って温度上昇(炉心2を冷却)する。そして、温度上昇した冷却材4は、図示しない中間熱交換器で、2次系ナトリウムと熱交換を行う。その後、前記冷却された冷却材4は、中間熱交換から下方向に流出し、隔壁8の外側を通って炉心2の下部に回り込み、再び炉心2に流入して、前記熱交換を繰り返す。
【0006】
なお、前記燃料集合体5は、小径のエントランスノズル14を介して炉心支持板15に差し込み固定されるよう構成されているとともに、冷却材入口16と冷却材出口17とを備えている。また、燃料集合体5のラッパ管11の一部を欠いた穴空きラッパ管、部分ダクトレスまたはダクトレス集合体についても本質的には同様の構成となる。
【0007】
さらに、前記炉心2を構成する炉心バレル7の外側(外周)には、所定間隔離間して、冷却材4の流路を成すように隔壁8が同心円的に配置されている。そして、前記炉心バレル7と隔壁8との間に設けられた空間(冷却材4の流路を成す)は、原子炉の炉心2運転時に使用する中性子反射体9の移動領域10を形成している。
【0008】
つまり、この中性子反射体9は、駆動棒20の下端に吊り下げ支持されており、また、この駆動棒20は原子炉容器1の上端開口部を閉塞する遮蔽プラグ21を貫いて上方に延び、遮蔽プラグ21の上面に設置された駆動装置22によって上下に移動するよう構成されている。そして、前記駆動装置22の駆動に伴って、駆動棒20、ひいては中性子反射体9が炉心バレル7と隔壁8との間の移動領域10内をこれに沿って上下方向に移動するようにっている。
【0009】
なお、冷却材4の液面4aと遮蔽プラグ21との間は、カバーガスで満たされたカバーガス空間23である。こうした構成で、駆動装置22を介して中性子反射体9を上下方向に移動させ、炉心2からの中性子の漏洩を調整して、この中性子漏洩の調整によって炉心2の反応度を制御するようなされている。
【0010】
一方、中性子遮蔽体3は、原子炉容器1の全プラント寿命に亘って、中性子照射量を所定値以下に制限するためのものであり、前記原子炉容器1と隔壁8と間に配置された複数の中性子遮蔽棒18によって構成されている。この中性子遮蔽体3の構成としては、ステンレススチールなどから成る構造体の他に、中性子吸収能力の大きいポロンを含む B4 C セラミックを収納したピンを配置したり、あるいはハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)などの金属、もしくはそれらの化合物を含むようにすることができる。そして、この中性子吸収体3を配置することにより、中性子反射体9の反応度制御能力を増大させることができる。なお、図6において、19は原子炉容器1の周囲を包囲するガードベッセルである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の反射体移動方式の原子炉の場合、中性子反射体9の制御能力を高めようとすると、中性子反射体9の有効長さ(炉心2の高さ部分を覆う反射体9の長さ)を長くする必要がある。すなわち、図8に示すように、炉心2における燃料の燃焼が進むにしたがって、燃料集合体5の有する反応度は負となって低下するが、その分、炉心2の下部から炉心2の高さを覆うように、中性子反射体9を上昇させる。この中性子反射体9の上昇(持ち上げ)によって、中性子反射能力を増大させ、中性子反射体9の正の反応度を増大させて、炉心2全体としては、常に反応度を0として(すなわち臨界状態で)、燃焼を続ける運転を行わなければならない。なお、図8において、線aは燃料集合体反応度、線bは中性子反射体反応度をそれぞれ示す。
【0012】
この場合、炉心2の運転期間を延ばそうとすると、中性子反射体9の反応度を大きく、すなわち、中性子反射体9の全長を長くしなければならない。したがって、炉心2における燃料の燃焼が進んでない燃焼初期に、中性子反射体9が誤って炉心2の上部側まで上昇したときには、大きな反応度が挿入されることになって、安全性が損なわれる恐れがある。
【0013】
また、図9に示すように、中性子反射体9が長い程、軸方向出力ピーキング係数が大きくなるため、燃焼度が一様にならず、最大燃焼度が大きくなる傾向があり、燃料健全性が確保されない恐れがある。さらに、固体を中性子反射体材料に用いた反射体移動方式の原子炉では、中性子反射体9の駆動機構が大掛かりになることなどから、外乱による微少反応度への即応性が悪い傾向がある。なお、図9において、曲線cは中性子反射体下端が動かない場合の燃焼度分布、曲線dは中性子反射体下端が軸方向に移動する場合の燃焼度分布をそれぞれ示す。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、炉心の燃焼状態に応じて中性子反射体自体の長さ(上端位置)を調整することにより、過大な反応度挿入事故を抑制・防止し、燃焼度分布が一様になるようにするとともに、外乱反応度への即応性が高い反射体制御型原子炉を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る反射体制御方式の原子炉は、上記目的を達成するため、冷却材に浸された原子炉の炉心外側に配置された中性子反射体を上下方向に移動させ、炉心からの中性子の漏洩を調整することによって、炉心の反応度を制御する反射体制御型原子炉において、前記中性子反射体の有効高さを炉心の燃焼状熊に応じて、容易に、かつ短時間に微調整できるようにしたことを骨子としたものである。すなわち、請求項1の発明は、冷却材に浸された原子炉の炉心と、前記炉心の外側に冷却材に浸されて同心円的に配置された中性子反射体とを有し、前記中性子反射体を上下方向に移動させて炉心からの中性子漏洩を調整して炉心の反応度を制御する反射体制御型原子炉において、前記中性子反射体は、流動性を有する中性子反射材を収容し、内部が内側セルと外側セルの2つのセルに分割された容器と、前記容器上部に連接した配管内のガス圧を調節することで前記内側セルと前記外側セルの流動性を有する中性子反射材の有効液位を制御し、かつ、前記内側セルの流動性を有する中性子反射材の有効液位を炉心の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末期では高く調整する機構と、を備えていることを特徴とする反射体制御型原子炉である。
【0016】
請求項2の発明は、冷却材に浸された原子炉の炉心と、前記炉心の外側に冷却材に浸されて同心円的に配置された中性子反射体とを有し、前記中性子反射体を上下方向に移動させて炉心からの中性子漏洩を調整して炉心の反応度を制御する反射体制御型原子炉において、前記中性子反射体は、流動性を有する中性子反射材を収容する容器と、前記容器内に収容された流動性を有する中性子反射材内に挿入された液体排除缶の挿入深さを調整することで前記中性子反射材の有効液位を制御し、かつ、前記容器内の流動性を有する中性子反射材の有効液位を炉心の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末期では高く調整する機構と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1もしくは請求項2記載の反射体制御型原子炉において、流動性を有する中性子反射材が流動性金属であることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3記載の反射体制御型原子炉において、流動性金属が液体鉛であることを特徴とする。
【0023】
上記各請求項に係る発明では、炉心における燃焼状態に応じて、中性子反射材の有効高さがスムースに調整・変化される。すなわち、従来のように、燃焼末期での機能を前提とした中性子反射体の長さ設定に比べて、中性子反射材の有効高さ(液位)が、流動的な液面変化により調整されるために燃焼初期においては、潜在的に有する反応度を低くできる。そのため、中性子反射材の液位が上方に異常に上昇した(持ち上げられた)場合でも、炉心全体の反応度を小さく抑えることができる。一方、中性子反射体の長さも短いので、炉心の軸方向における燃料の燃焼が一様に行われる。また、中性子反射材の有効高さを短時間で変更できるので、結果的に、中性子反射体の反応度を容易に微調整でき、外乱反応度への即応性も増加し、運転制御性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1,図2,図3および図4を参照して実施例を説明する。なお、実施例に係る反射体制御型原子炉は、前記図5ないし図7に図示した構造と基本的に変わらないので、同一部材は同一符番を付すとともに、詳細な説明を省略する。
図1は第1の実施例に係る炉心等価直径約50cm、有効長約 200cmの反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す断面図である。図1において、1は原子炉容器、2は原子炉容器1の内中央部に位置して配置された原子炉の炉心、3は前記炉心2に対して同心円的に配置された中性子遮蔽体、4は前記原子炉容器1内において炉心2および中性子遮蔽体3を浸漬する状態に満たされた液体ナトリウムなどの冷却材である。
【0025】
ここで、原子炉の炉心2は、前記図6に図示したように、たとえば六角形状の18本の燃料集合体5、および前記燃料集合体5を包囲する炉心バレル7によって構成されている。また、前記燃料集合体5は、図7に一部を拡大して示すように、ステンレススチール製の六角形状のラッパ管11の内部に多数の燃料ピン12を規則的に配列するとともに、前記ラッパ管11の上部および下部に中性子遮蔽体13a ,13b を配置することによって構成されている。
【0026】
なお、前記燃料ピン12は、燃料部12a と核分裂により生じるガス成分を封じ込めるプレナム部12b とを備えた構成を成しおり、また、この燃料ピン12は、ワイヤラップまたはグリッド(図示せず)により冷却材4の流入を促進するとともに、下部端栓部でラッパ管11に結合固定されるようになっている。そして、前記構成の炉心2に対する冷却材4の熱交換・冷却作用、中性子遮蔽体3の構成や作用などは、従来の場合と同様なので説明を省略する。
【0027】
この実施例に係る反射体移動型高速原子炉は、炉心バレル7と隔壁8との間の移動領域10内を、炉心バレル7の外周面もしくは隔壁8の周面に沿って上下方向に移動するように配置された中性子反射体9′の構成と、中性子反射体材の流動的な移動・液面位の変更・調整手段で特徴付けられる。ここで、中性子反射体9′は、液状の中性子反射材(たとえば液状鉛)9aおよびカバーガス空間9bを封有する高ニッケル製の容器9cで構成されており、たとえば高さ 170cm、厚さ15mmのリング状を成している。
【0028】
そして、前記中性子反射体9′は、駆動装置22の駆動に伴って、中空の駆動棒20′により上下方向に移動するように構成されているが、同時に、駆動棒20′の中空部 20aを介して反射材滴下装置24から、流動性を有する中性子反射材9aを容器9c内に滴下・供給できる構成と成っている。なお、冷却材4の液面4aと遮蔽プラグ21との間は、カバーガスで満たされたカバーガス空間23である。
【0029】
次に、上記構成の反射体移動型高速原子炉の作用について説明する。
【0030】
第1の例
炉心2の燃焼初期においては、その状態で丁度臨界になる液位まで、反射材滴下装置24から流体中性子反射材9aが中性子反射体9′中に注入される。また、炉心2の燃焼に伴って、炉心2の反応度が低下するので、常に、臨界状態を維持するように流動性を有する中性子反射材9aを滴下し続け、臨界を保てるようにする。すなわち、流動性を有する中性子反射材9aの有効液位は、炉心2の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末期では高く調整される。つまり、炉心2の燃焼は、中性子反射材9aの液位が容器9cの上端に到達するまで続けられる一方、流動性を有する中性子反射材9a液位の落下によって炉心2の燃焼が停止される。
【0031】
なお、この実施例において、流動性を有する中性子反射材9aとして液体鉛を封入した場合は、中性子反射能力が他の液体金属などよりも大きいので、炉心寿命を増大できる。
【0032】
第2の例
また、図1に図示した反射体移動型高速原子炉の構成において、炉心2の燃焼初期に、その状熊で丁度臨界になる液位まで中性子反射体9′の流体中性子反射材9aを反射材滴下装置24から注入する。そして、炉心2の燃焼に伴って、炉心反応度が低下しても流動性を有する中性子反射材9aの液位を上げずに、駆動棒20で中性子反射体9′を上方向に移動させて臨界を保つこともできる。
【0033】
さらに、中性子反射体9′が炉心2の上部に達したら炉心2の下部側に戻し、炉心2の燃焼初期には、その状態で丁度臨界になる液位まで、再び反射材滴下装置24から流動性を有する中性子反射材9aを注入する。そして、炉心2の燃焼に伴って、再度、炉心2の反応度は低下するが、流動性を有する中性子反射材9aの液位を上げずに、駆動棒20によって、中性子反射体9′を上方向に移動することで、臨界を保つサイクルが繰り返される。この場合は、上記容器9bに対する中性子反射材9aの滴下で液位を調整する場合(第1の例)に比べて、寿命中の中性子反射体9′の平均有効高さ(長を低く(短く)できるので、燃料の燃焼度軸方向分布を平坦化できる。
【0034】
なお、図1に図示した反射体移動型高速原子炉の構成において、中性子反射体9′の流動性を有する中性子反射材9aとして液体金属、上部カバーガス空間に不活性のカバーガス9bを封入した構成(第3の例)を採ることもできる。
【0035】
図2は、第4の例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す上面図である。すなわち、図2は中性子反射体9′を周方向に4分割91 ′〜94 ′し、それぞれ独立に機能する構成としたものてあり、この構成例の場合は、中性子反射体91 ′〜94 ′のうちいずれか1つの中性子反射体のみが誤って引き上げられても、挿入反応度を小さく抑えることができるという利点がある。
【0036】
図3は、第5の例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す断面図である。この実施例の場合、中性子反射体9′の容器9cが、隔壁9c′で2つのセルに分割され、一方のカバーガス9bは連結管25を介して圧力調整装置26に連結された構成となっている。この中性子反射体9′の構成では、容器9c内の圧力を制御することができ、この圧力制御によって、中性子反射体9′の2セルの中性子反射材9a液位を調整・変更できる。ここで、内側セル内の中性子反射材9aの反応度は、外側セル内の中性子反射材9aの反応度より大きいので、正の外乱反応度が入った場合には圧力を上げ、内側セル液位を下げることで反応度調整ができる。したがって、内側セルの中性子反射材9aの有効液位を炉心2の燃焼初期では低く、炉心2の燃焼末期では高く調整する。なお、この構成例の場合、中性子反射体9′における圧力調整は即応性が高いので制御性が向上する。
【0037】
図4は、第6の例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す断面図である。この実施例の場合、中性子反射体9′を成す容器9cに封有した中性子反射材9a中に液体排除缶9dを配置した構成と成っている。この中性子反射体9′の構成では、連結棒9eを介して位置制御装置9fにより液体排除缶9dを制御することができ、この液体排除缶9dの浸漬もしくは挿入深さを制御これによって、中性子反射材9aの液位を調整・変更できる。ここで、正の外乱反応度が入った場合は、液体排除缶9dを引き抜き、内側セルの液位を下げることで反応度調整ができ、また、この引き抜き操作は即応性が高いので制御性が向上する。
【0038】
本発明は上記例示に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。すなわち、反射体移動型原子炉は、ナトリウム冷却小型高速原子炉以外の形式出会ってもよいし、また、中性子反射体9′の構成、中性子反射材9a液位の調整・変更も、他の手段・方式で行ってもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、炉心寿命の増大が可能な上に、炉心の燃焼状態に応じて中性子反射体の有効高さ(長さ)を容易に調整することができる。すなわち、原子炉の運転操作において、炉心での過大な反応度挿入事故が容易に抑制されるとともに、炉心の燃焼度分布を一様に制御し易いので、外乱反応度への即応性の高い反射体制御型原子炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す縦断面図。
【図2】実施例に係る反射体移動型高速原子炉が具備する他の中性子反射体の要部構成を示す上面図。
【図3】他の実施例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す縦断面図。
【図4】さらに他の実施例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構成を示す縦断面図。
【図5】従来の反射体移動型原子炉の要部構成を示す縦断面図。
【図6】従来の反射体移動型原子炉の要部構成を示す横断面図。
【図7】反射体移動型高速原子炉が具備する燃料集合体の拡大縦断面図。
【図8】従来の反射体移動型原子炉の反応度変化を説明するための模式図。
【図9】従来の反射体移動型原子炉の燃焼度分布を説明するための模式図。
【符号の説明】
1……原子炉容器
2……炉心
3……中性子遮蔽体
4……冷却材
5……燃料集合体
9,9′……中性子反射体
9a……流動性を有する中性子反射材(流体反射材)
9b……カバーガス空間
9c……容器
9c′……容器隔壁
9d……液体排除缶
9e……連結棒
9f……位置制御装置
20……駆動棒
22……駆動装置
24……流体滴下装置
25……連結管
26……圧力制御装置

Claims (4)

  1. 冷却材に浸された原子炉の炉心と、前記炉心の外側に冷却材に浸されて同心円的に配置された中性子反射体とを有し、前記中性子反射体を上下方向に移動させて炉心からの中性子漏洩を調整して炉心の反応度を制御する反射体制御型原子炉において、
    前記中性子反射体は、
    流動性を有する中性子反射材を収容し、内部が内側セルと外側セルの2つのセルに分割された容器と、
    前記容器上部に連接した配管内のガス圧を調節することで前記内側セルと前記外側セルの流動性を有する中性子反射材の有効液位を制御し、かつ、前記内側セルの流動性を有する中性子反射材の有効液位を炉心の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末期では高く調整する機構と、
    を備えていることを特徴とする反射体制御型原子炉。
  2. 冷却材に浸された原子炉の炉心と、前記炉心の外側に冷却材に浸されて同心円的に配置された中性子反射体とを有し、前記中性子反射体を上下方向に移動させて炉心からの中性子漏洩を調整して炉心の反応度を制御する反射体制御型原子炉において、
    前記中性子反射体は、
    流動性を有する中性子反射材を収容する容器と、
    前記容器内に収容された流動性を有する中性子反射材内に挿入された液体排除缶の挿入深さを調整することで前記中性子反射材の有効液位を制御し、かつ、前記容器内の流動性を有する中性子反射材の有効液位を炉心の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末期では高く調整する機構と、
    を備えていることを特徴とする反射体制御型原子炉。
  3. 流動性を有する中性子反射材が流動性金属であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の反射体制御型原子炉。
  4. 流動性金属が液体鉛であることを特徴とする請求項3記載の反射体制御型原子炉。
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