JPH085770A - 原子炉用の反応度制御機構及びその反応度制御機構を内蔵した原子炉燃料集合体 - Google Patents

原子炉用の反応度制御機構及びその反応度制御機構を内蔵した原子炉燃料集合体

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JPH085770A
JPH085770A JP6136883A JP13688394A JPH085770A JP H085770 A JPH085770 A JP H085770A JP 6136883 A JP6136883 A JP 6136883A JP 13688394 A JP13688394 A JP 13688394A JP H085770 A JPH085770 A JP H085770A
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Japan
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liquid
gas
reactor
fuel assembly
neutron absorber
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JP6136883A
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English (en)
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Masahisa Ohashi
正久 大橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】液体収納管8の内部に中性子吸収体11を含有
した液体10及びその液体の液面上に気体を密閉配置す
る構造とし、前記中性子吸収体11は運転時に中性子が
吸収されることによりガスを発生する中性子吸収体と
し、且つその発生するガスの圧力により、前記液面上に
密閉配置された気体のガス圧との相対関係により中性子
吸収体11を含有する密閉液体10の液面を燃料が燃焼
する運転サイクルの間に低下させることを特徴とする原
子炉用の反応度制御機構。 【効果】前記中性子吸収体は原子炉運転時に中性子を吸
収して発生したガスは前記液面上に密閉配置された気体
のガス圧との相対関係により中性子吸収体を含有する密
閉液体の液面を低下させ、自動的に前記中性子吸収体と
炉心との相対位置関係を変化させて原子炉炉心の反応度
低下を補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉用の反応度制御機
構およびその反応度制御機構を内蔵した燃料集合体に係
わり、特に原子炉の炉心反応度調整改善に好適な技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の原子炉用の反応度制御機構は制御
棒集合体を炉心上部の駆動電動装置により駆動信号を発
することにより炉心に出し入れする方式が一般的であっ
た。また燃料集合体は、細径棒状の多数の燃料棒をスペ
ーサで保持する型式が一般的であった。
【0003】特に高速炉燃料集合体は炉心燃料の上下部
にブランケット燃料を配置し燃料棒をワイヤスペーサあ
るいはグリッドスペーサで三角配列状に多数配列し、そ
の外周をラッパ管で包む型式が一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の軽水炉と言われ
ている原子炉の炉心では、燃料中に含有されたバーナブ
ルポイズンが燃料燃焼と共に中性子を吸収し自動的に中
性子吸収量を調整するため、燃焼に伴い制御棒を引き抜
き制御棒パターンを変更するような炉心の臨界を保つた
めの制御棒の操作を少なく出来るため運転制御を簡単に
できていた。
【0005】しかし、従来の高速炉といわれている原子
炉の燃料集合体を用いた炉心においては、高速中性子に
対して大きな吸収反応を有する物質が存在しないため、
高速炉に適したバーナブルポイズンがない。
【0006】このため、燃料の燃焼に伴って制御棒を引
き抜き、炉心の臨界を保つ方法が一般的であった。
【0007】そこで燃料燃焼時に炉心内部から中性子吸
収体を外部に運転サイクルを通じて長時間をかけてゆっ
くり且つ自動的に移動できれば、炉心の臨界を保つため
の制御棒の操作を簡単にでき、炉心の制御性の簡素化に
寄与できる。
【0008】また、万一の事故時において、冷却材温度
が定格出力時の温度以上に上昇するような場合、スクラ
ム信号により制御棒が挿入される。
【0009】このように従来の高速炉用の燃料集合体を
用いた炉心では、機械的な制御棒挿入操作により負の反
応度を投入し出力を低下させる方式である。
【0010】そこで出力が上昇した時に自動的に負の反
応度を投入することができれば原子炉の炉心の安全性向
上に寄与できる。
【0011】本発明の目的は、原子炉の炉心制御性の簡
素化にある。
【0012】本発明の実施例にあっては、上記の目的の
ほかに、安全性の一層の向上のために、万一、燃料ある
いはナトリウムの温度が定格出力時より上昇し、制御棒
を緊急に挿入する必要がある場合に自動的に負の反応度
が投入される原子炉用燃料集合体を提供する目的も付加
されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、次
手段で達成できる。
【0014】液体収納管の内部に中性子吸収体を含有し
た液体及びその液体の液面上に気体を密閉配置する構造
とし、前記中性子吸収体は運転時に中性子が吸収される
ことによりガスを発生する中性子吸収体とし、且つその
発生するガスの圧力により、前記液面上に密閉配置され
た気体のガス圧との相対関係により中性子吸収体を含有
する密閉液体の液面を燃料が燃焼する運転サイクルの間
に低下させることを特徴とする原子炉用の反応度制御機
構、または、その原子炉用の反応度制御機構を原子炉用
の燃料集合体に組み込んだ、原子炉の燃料棒と並行して
液体収納管を配置し、液体収納管の内部には中性子吸収
体を含有した液体及びその液体の液面上に気体を密閉配
置する構造とし、前記中性子吸収体は運転時に中性子が
吸収されることによりガスを発生する中性子吸収体と
し、且つその発生するガスの圧力により、前記液面上に
密閉配置された気体のガス圧との相対関係により中性子
吸収体を含有する密閉液体の液面を燃料が燃焼する運転
サイクルの間に低下させることを特徴とする原子炉燃料
集合体、によって本発明の目的が達成される。
【0015】
【作用】前記各手段の基本的作用は以下のとおりであ
る。
【0016】即ち、前記中性子吸収体は原子炉運転時に
中性子を吸収することによりガスを発生する。そのガス
の圧力は原子炉運転中に徐々に増圧して、前記液面上に
密閉配置された気体のガス圧との相対関係により中性子
吸収体を含有する密閉液体の液面を燃料が燃焼する運転
サイクルの間に低下し、自動的に前記密閉液体の前記中
性子吸収体と炉心との相対位置関係が変化して原子炉炉
心の反応度低下を補償する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図を用いて以下に
説明する。
【0018】図1は原子炉用反応度制御機構の実施例で
あり、図2から図10は反応度制御機構を内蔵した燃料
集合体の実施例である。
【0019】図1は本発明の高速炉という原子炉用の反
応度制御機構の一実施例を示す縦断面図である。
【0020】図1の集合体は6角形のラッパ管2の内部
に7本の反応度制御機構7を有する。
【0021】また、図1中の矢印で示すように冷却材で
ある液体金属である液体ナトリウムは、エントランスノ
ズル15からラッパ管2内に入り、中性子吸収物質収納
管8の周囲を上昇して各反応度制御機構7を冷却し、反
応度制御機構7の集合体上部に抜ける。
【0022】反応度制御機構7は液体金属10を密封し
たステンレス製の中性子吸収物質収納管8を備えてい
る。
【0023】中性子吸収物質収納管8の内部には原子炉
の運転サイクル初期に炉心部の高さに対応して液体金属
10の内部に中性子吸収物質11を浮かせる。
【0024】中性子吸収物質11の下部には中性子吸収
物質11が浮遊していない液体金属10が存在する。
【0025】また、中性子吸収物質収納管8の内部には
中間端栓9を装備し、さらにその下部には連通管12を
配置し、連通管の外側にはヘリウムガスをあらかじめ封
入しておく。
【0026】連通管12の上端は中間端栓9の上方に位
置する液体金属10に連通し、下部は管壁に設けた連通
孔13を通じて連通管12の外側に連通している。
【0027】液体金属10としては鉛,鉛合金,ナトリ
ウム等が利用できる。
【0028】中性子吸収物質11は液体金属10に浮か
せるように、鉛に対しては炭化ほう素ペレット,ナトリ
ウムに対しては炭化ほう素をステンレスで被覆してその
被覆内に気体溜りを作り浮力を持たせた構造のものが利
用できる。炭化ほう素を被覆して利用する場合には、被
覆に、炭化ほう素が通過出来無くて炭化ほう素から発生
したガスが通過できる孔を設けてガスの液体金属10内
への放出を助けるようにする。
【0029】中性子吸収物質としてのボロン10が中性
子を吸収するとヘリウムガスとリチウムを発生する。
【0030】運転中にボロン10から発生したヘリウム
ガスは中性子吸収物質収納管8の上部に蓄積する。
【0031】この結果、蓄積したヘリウムガスの圧力に
より液体金属10の液面が低下し液面の低下に伴い中性
子吸収物質11も位置が低下し炉心部の下部に移動す
る。
【0032】この蓄積したヘリウムガスの圧力と当初か
ら封入されていた反応度制御機構7下部のヘリウムガス
の圧力とのバランスにより液体金属の液面が原子炉の燃
料の燃焼と共にゆっくり低下する。
【0033】代表的な高速炉の炉心での中性子吸収物質
のボロン10から発生するヘリウムガスの量を以下に示
す。
【0034】 炉心の中性子束 :約3×1015個/cm2毎秒 B10の吸収反応 :約4/109 回/毎秒 B10平均数密度 :約2×1021個/cm3 B10の吸収反応1回当たり1個のヘリウムを発生す
る。
【0035】従ってヘリウムの発生数は1立方センチメ
ートル当たり、1年間で [4/109]×[2×1021]×[365×24×60×60]=2.5
×1020個/cm3 中性子吸収体の占める体積と同一の体積を発生ヘリウム
ガスが占めるとすると高速炉の炉心部の約400℃の場
所において、1年後の発生ヘリウムガスの圧力は約20
気圧となる。
【0036】従って、本実施例の液体液面を1年間かけ
て炉心の下まで移動させる場合は、初期に封入しておく
ヘリウムガスの体積を中性子吸収体と同一の体積とし、
且つ初期の圧力を20気圧としておけばよい。
【0037】発生ヘリウムガスは中性子吸収体が炭化ほ
う素ペレットの場合は全体がペレット外に放出されない
ため、放出率に応じて初期圧力を20気圧より下げてお
けば、サイクル当たりの時間をかけて液体液面を炉心外
に移動させることは十分可能である。
【0038】以上に示したように図1の高速炉用反応度
制御機構は軽水炉燃料のバーナブルポイズンと同様に運
転サイクルの間に極めてゆっくりした反応度を炉心に与
えることができるため、燃料燃焼に伴う制御棒の引き抜
きと同等の効果をもたらし、制御棒操作を軽減すること
ができる。
【0039】図2は本発明の高速炉用の燃料集合体の一
実施例を示す縦断面図である。
【0040】図2の燃料集合体は複数本の燃料棒1を周
囲のラッパ管2で保持する点は従来の高速炉燃料集合体
と同様であるが、中央に反応度制御機構7を有する点が
異なる。
【0041】また、燃料棒1の上下には遮蔽体14を配
置している。
【0042】燃料棒1は炉心燃料ペレット3とブランケ
ット燃料ペレット4,スプリング5を被覆管6で収納す
る構造となっている。冷却材は図中の矢印で示すよう
に、運転中に、エントランスノズル15から燃料集合体
内にはいり、燃料棒1の周辺と共に、反応度制御機構7
周辺の冷却材通路を通って集合体上部に抜ける。
【0043】中央の反応度制御機構7は全体をステンレ
ス製の中性子吸収物質収納管8に収納する。
【0044】中性子吸収物質収納管8は炉心上部位置で
中間端栓9で上下に分離されている。
【0045】中性子吸収物質収納管8の中間端栓9の上
部にはヘリウムガス16を充填しておく。また中間端栓
9の下部には液体金属10(鉛)を配置し液体鉛より軽量
の中性子吸収物質11(B4C ペレット)を鉛に浮かせた
配置としている。
【0046】また、中間端栓9の中央下部には連通管1
2を配置し、連通孔13を通じて、液体金属10は自由
に中間端栓の上下部を行き来できるものとしている。
【0047】中性子吸収物質であるB4C ペレットは球
状あるいは円柱状である。
【0048】また、ステンレスで被覆することも可能で
ある。
【0049】ただし、B4C ペレットのボロン10が中
性子を吸収するとヘリウムガスとリチウムを発生するが
発生ヘリウムガス17は液体鉛中に放出する構造として
いる。
【0050】また、B4C ペレットの代わりにB4C の
粉末をステンレスで被覆する方法もある。
【0051】この場合は、発生するヘリウムガス17を
ステンレス外に放出する構造とする。
【0052】次に図3,図4を用いて、燃料燃焼時に中
性子吸収物質11を自動的に且つ運転サイクルを通じて
極めてゆっくり炉心部から移動させる原理を説明する。
【0053】燃焼前の反応度制御機構7の構成を図3に
示し、燃焼後を図4に示す。
【0054】図4に示すようにB4C ペレットから発生
したヘリウムガス17は中間端栓9の下部に蓄積する。
この結果発生ヘリウムガス17の圧力により液体鉛の液
面が低下し鉛液面の低下に伴い中性子吸収物質11も位
置が低下し炉心部の下部に移動する。
【0055】この発生ヘリウムガス17の圧力と当初か
ら封入されていた反応度制御機構7の上部のヘリウムガ
ス16の圧力とのバランスにより液体鉛の液面が燃焼と
共にゆっくり低下する。これは軽水炉燃料のバーナブル
ポイズンと同様に極めてゆっくりした反応度を炉心に与
えることができるため、燃料燃焼に伴う制御棒の引き抜
きと同等の効果をもたらし、制御棒操作を軽減すること
ができる。
【0056】また、図2から図4の図において、液体金
属10として鉛を用いているが、鉛の代わりに鉛合金等
の低融点合金あるいはナトリウムを用いることも可能で
ある。
【0057】ナトリウムを用いる場合は中性子吸収物質
である炭化ほう素ペレットを内部ナトリウムに浮かすた
めにステンレスによりヘリウムガスを充填した浮力構造
とし、炭化ほう素ペレットはナトリウムと連通させ発生
するヘリウムガス17を放出する構造とする。
【0058】この浮力構造の例を図5に示す。
【0059】図5の中性子吸収物質11は炭化ほう素ペ
レットでありその外側をステンレスで被覆する。
【0060】この被覆部の上部に発生ヘリウムを液体金
属中に放出するための穴を設けておく。
【0061】また中性子吸収体を被覆した上には液体金
属がナトリウム(密度約0.97g/cm3)のような比較的
軽い液体の場合はガスを密閉した浮力部を連結する。
【0062】炭化ほう素ペレットの密度は約1.7g/c
m3であり、ステンレスの被覆も含めて、炭化ほう素と同
程度の体積を浮力部に持たせることにより、ナトリウム
液体に浮かせることができる。
【0063】次に、図2の燃料集合体を用い炉心を形成
する場合の効果を説明する。
【0064】燃料集合体当たりの燃料ピン数を271本
とし、その内、中心部7本の部分に反応度制御機構7を
配置するものとし、結果的に燃料ピン数は264本とし
ている。炉心は100万KW電気出力の炉心とし、燃料集
合体数は354体である。
【0065】炉心の燃料交換は12ケ月毎に1/3の1
18体を交換する。
【0066】核的効果 1.集合体出力の低減 サイクル初期の新燃料のみ燃料中心に吸収体が配置さ
れ、サイクル末期までかけてゆっくり炉心外へ移動す
る。
【0067】この結果、サイクル初期の新燃料の集合体
出力は、従来燃料に比較し、約8%低下できる。
【0068】2.最大線出力の低減 1.の結果、最大線出力も約5%低減され、最大線出力
は約400w/cmが約380w/cmとなり、約20w/
cmの低減効果が得られる。なお、吸収体の軸方向形状を
樽型とすれば、軸方向の出力平坦化が可能となり、さら
に、最大線出力の低減が可能である。
【0069】熱的効果 1.流量配分の容易化 新燃料の出力を約8%低減できるため、燃料が装荷から
取り出しまでの出力の変動を抑制でき、冷却材の流量配
分設計が容易となる。
【0070】制御容易化 1.制御棒操作の容易化 新燃料中の吸収体がサイクルを通じて、ゆっくり炉心か
ら自動的に移動される結果、軽水炉のバーナブルポイズ
ンと同様に燃焼反応度を低減できるため、サイクル初期
に挿入する制御棒を低減できる。
【0071】この結果、燃焼に伴う制御棒の引き抜き操
作を低減できる。
【0072】また、図6に図2の燃料集合体の反応度制
御機構7の中性子吸収物質収納管の炉心部内径を炉心上
下部で絞る実施例を示す。
【0073】この実施例では図2の実施例の効果に加え
るに炉心軸方向の中央部の中性子吸収効果を上下部より
大きくできるため軸方向の中性子束分布を平坦化出来、
最大線出力の低減,高速中性子照射量の低減が可能にな
る。
【0074】次に図7を用いて、万一の事故時に出力が
定格より上昇し、燃料あるいはナトリウムの温度が上昇
すると自動的に負の反応度が投入される燃料集合体の原
理を説明する。
【0075】図7では図2の燃料集合体の反応度制御機
構7の中間端栓9の一部に低融点金属18を配置する。
【0076】低融点金属18としてはアルミニウム(融
点660℃),アンチモン(融点630℃),ユーロピ
ウム(融点826℃)等が考えられる。
【0077】通常運転時の冷却材炉心出口温度は約50
0℃から550℃であり、図7の燃料集合体の低融点金
属18は通常運転時は固体である。
【0078】万一、集合体出口の冷却材が定格出力時の
温度より増大した場合は低融点金属18が溶融し、内部
の発生ヘリウムガス17を反応度制御機構7の外部に放
出する。
【0079】この結果、液体鉛の液面が上昇し中性子吸
収物質11の位置が上部に移動し炉心に負の反応度が投
入される。
【0080】図8は本発明の高速炉用燃料集合体の別の
実施例を示す縦断面図である。
【0081】図8の実施例の図2の実施例との違いは、
図2では発生ヘリウムの圧力により、液体鉛が炉心上部
に移動するのに対し、図8では液体鉛を炉心下部に移動
する点が異なる。
【0082】炉心上部に液体鉛移動用のスペースが少な
い場合に適した構造である。
【0083】また、反応度制御機構7の上部に遮蔽構造
を設けることができる点も優れている。
【0084】図9は本発明の高速炉用燃料集合体の別の
実施例を示す縦断面図である。
【0085】図9の実施例の図2の実施例との違いは、
図2では中性子吸収物質が炭化ほう素であるのに対し、
図9では中性子吸収物質として高速炉のブランケットと
同一の劣化ウランのセラミックである酸化ウランを用い
る点が異なる。
【0086】この結果運転中に発生中性子と消滅中性子
をバランスさせるために燃料以外の中性子吸収体を炉心
に入れる必要が減少し、中性子の無駄な吸収を低減でき
る。この結果、増殖比を約3%増大できる。
【0087】図10は本発明の熱中性子炉用燃料集合体
の実施例を示す縦断面図である。
【0088】図10の実施例は熱中性子炉用の燃料集合
体であり、液体収納管8はジルコニウム合金性で密閉液
体は水とする。
【0089】また、中性子吸収物質11は密閉水に溶解
させたほう酸とし、発生するガスをヘリウムガス17と
し、液体収納管8を中間端栓9で分離し、さらに中間端
栓9を貫通して連通管12を設けることにより、ほう酸
中のボロン10への中性子吸収によるヘリウムガス17
発生時にはヘリウムガス17の圧力により内部の密閉液
体の一部を炉心外部に移動させ、中性子吸収体を含有す
る液体部の液面を燃料が燃焼する運転サイクルを通じて
ゆっくり低下させる構造としている。
【0090】本実施例に示すように熱中性子炉でも本発
明を適用できる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
中性子吸収体から発生するガスにより、密閉液体の液面
を低下させ中性子吸収体を炉心外に移動させ炉心の反応
度低下を自動的に補償でき燃焼に伴う制御棒引き抜きの
炉心反応度制御の簡素化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による反応度制御機構の集合体
の縦断面図である。
【図2】本発明の実施例による高速増殖炉用の原子炉燃
料集合体の縦断面図である。
【図3】図2の反応度制御機構の原子炉燃料の燃焼前の
状態を示す反応度制御機構の縦断面図である。
【図4】図2の反応度制御機構の原子炉燃料の燃焼後の
状態を示す反応度制御機構の縦断面図である。
【図5】本発明の実施例で採用できる中性子吸収体収納
構造の縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施例による原子炉用燃料集合体
の図3に相当する図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例による原子炉用燃料
集合体の要部の断面図である。
【図8】本発明の一層他の実施例による原子炉用燃料集
合体の断面図である。
【図9】本発明の一層さらに他の実施例による原子炉用
燃料集合体の断面図である。
【図10】本発明を熱中性子炉に採用した場合の原子炉
燃料集合体の縦断面図である。
【符号の説明】
1…燃料棒、2…ラッパ管、3…炉心燃料ペレット、4
…ブランケット燃料ペレット、5…スプリング、6…被
覆管、7…反応度制御機構、8…中性子吸収物質収納
管、9…中間端栓、10…液体金属、11…中性子吸収
物質、12…連通管、13…連通孔、14…遮蔽体、1
5…エントランスノズル、16,17…ヘリウムガス、
18…低融点金属、19…酸化ウラン、20…ほう酸含
有軽水。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体収納管の内部に中性子吸収体を含有し
    た液体及びその液体の液面上に気体を密閉配置する構造
    とし、前記中性子吸収体は運転時に中性子が吸収される
    ことによりガスを発生する中性子吸収体とし、且つその
    発生するガスの圧力により、前記液面上に密閉配置され
    た気体のガス圧との相対関係により中性子吸収体を含有
    する密閉液体の液面を燃料が燃焼する運転サイクルの間
    に低下させることを特徴とする原子炉用の反応度制御機
    構。
  2. 【請求項2】原子炉の燃料棒と並行して液体収納管を配
    置し、液体収納管の内部には中性子吸収体を含有した液
    体及びその液体の液面上に気体を密閉配置する構造と
    し、前記中性子吸収体は運転時に中性子が吸収されるこ
    とによりガスを発生する中性子吸収体とし、且つその発
    生するガスの圧力により、前記液面上に密閉配置された
    気体のガス圧との相対関係により中性子吸収体を含有す
    る密閉液体の液面を燃料が燃焼する運転サイクルの間に
    低下させることを特徴とする原子炉燃料集合体。
  3. 【請求項3】特許請求範囲第2項の原子炉燃料集合体に
    おいて、原子炉燃料集合体は高速中性子炉用とし、液体
    収納管はステンレス製で密閉液体は鉛とする。また、中
    性子吸収体は炭化ボロンとし、発生するガスをヘリウム
    ガスとし、液体収納管を中間端栓で分離し、さらに中間
    端栓より下部に連通管を設けることにより、ヘリウムガ
    ス発生時にはヘリウムガスの圧力により内部の密閉液体
    の一部を炉心領域外部に移動させ、中性子吸収体を含有
    する液体部の液面を燃料が燃焼する運転サイクルの間に
    低下させることを特徴とする原子炉燃料集合体。
  4. 【請求項4】特許請求範囲第2項の原子炉燃料集合体に
    おいて、中性子吸収体を含有する液体収納管の内径は炉
    心軸方向中央で太径とし、炉心上下部では細径とするこ
    とを特徴とする原子炉燃料集合体。
  5. 【請求項5】特許請求範囲第3項の原子炉燃料集合体に
    おいて、中間端栓に制御棒を緊急挿入させる冷却材温度
    を融点とする低融点金属部を設け、低融点金属部は通常
    運転時より温度が上昇した場合に溶融させ、ヘリウムガ
    スを液体収納管外に放出させ、液体金属の液面を上昇さ
    せ中性子吸収体を炉心部に急速に上昇させることを特徴
    とする原子炉燃料集合体。
  6. 【請求項6】特許請求範囲第3項の原子炉燃料集合体に
    おいて、中性子吸収体は酸化ウランとし、発生するガス
    を核分裂生成ガスとし、酸化ウランを含有する液体部の
    液面を燃料が燃焼する運転サイクルの間に低下させるこ
    とを特徴とする原子炉燃料集合体。
  7. 【請求項7】特許請求範囲第2項の原子炉燃料集合体に
    おいて、原子炉燃料集合体は熱中性子炉用とし、液体収
    納管はジルコニウム合金性で密閉液体は水とし、また、
    中性子吸収体は密閉水に溶解させたほう酸とし、ほう酸
    中のボロン10への中性子吸収によるヘリウムガス発生
    時にはヘリウムガスの圧力により内部の密閉液体の一部
    を炉心外部に移動させ、中性子吸収体を含有する液体部
    の液面を燃料が燃焼する運転サイクルの間に低下させる
    ことを特徴とする原子炉燃料集合体。
JP6136883A 1994-06-20 1994-06-20 原子炉用の反応度制御機構及びその反応度制御機構を内蔵した原子炉燃料集合体 Pending JPH085770A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108269623A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 韩国科学技术院 热中子反应堆用核燃料组件

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