JPH09119994A - 燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体 - Google Patents
燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体Info
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- JPH09119994A JPH09119994A JP8164109A JP16410996A JPH09119994A JP H09119994 A JPH09119994 A JP H09119994A JP 8164109 A JP8164109 A JP 8164109A JP 16410996 A JP16410996 A JP 16410996A JP H09119994 A JPH09119994 A JP H09119994A
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、従来の燃料健全性を維持しつ
つ、製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる燃料
棒及びその製造方法並びに燃料集合体を提供することに
ある。 【解決手段】燃料棒2は、燃料被覆管3と、燃料被覆管
3に溶接された上部端栓5及び下部端栓6と、燃料被覆
管3の内部に封入されたHeガス1及びUペレット4と
を備える。Heガス1の封入圧力は約8気圧で、Uペレ
ット4の平均結晶粒径は30〜60μmの範囲にある。
つ、製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる燃料
棒及びその製造方法並びに燃料集合体を提供することに
ある。 【解決手段】燃料棒2は、燃料被覆管3と、燃料被覆管
3に溶接された上部端栓5及び下部端栓6と、燃料被覆
管3の内部に封入されたHeガス1及びUペレット4と
を備える。Heガス1の封入圧力は約8気圧で、Uペレ
ット4の平均結晶粒径は30〜60μmの範囲にある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の炉心に装
荷される燃料に係わり、特に、沸騰水型原子炉に用いる
のに好適な燃料棒及び燃料集合体に関する。
荷される燃料に係わり、特に、沸騰水型原子炉に用いる
のに好適な燃料棒及び燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉の燃料集合体に
装荷されるウラン酸化物の燃料棒は、ウラン酸化物のペ
レット又はウラン酸化物に少量の中性子毒物を混合した
ペレットと、ヘリウム(He)ガスとが封入されてい
る。
装荷されるウラン酸化物の燃料棒は、ウラン酸化物のペ
レット又はウラン酸化物に少量の中性子毒物を混合した
ペレットと、ヘリウム(He)ガスとが封入されてい
る。
【0003】これは、以下の理由による。燃焼が進むに
伴い、熱伝達率が低いガス状核分裂生成物がペレットか
ら燃料棒の内部空間に放出される。このガス状核分裂生
成物によるペレットと被覆管の間の熱伝達の低下を、熱
伝達率の高いHeガスを充填することにより防ぐことが
目的である。このようにして上記熱伝達の低下が防止さ
れることにより、ペレット温度の上昇が抑制されガス状
核分裂生成物の放出が低く抑えられるので、上記熱伝達
の低下を更に防ぐことができる。
伴い、熱伝達率が低いガス状核分裂生成物がペレットか
ら燃料棒の内部空間に放出される。このガス状核分裂生
成物によるペレットと被覆管の間の熱伝達の低下を、熱
伝達率の高いHeガスを充填することにより防ぐことが
目的である。このようにして上記熱伝達の低下が防止さ
れることにより、ペレット温度の上昇が抑制されガス状
核分裂生成物の放出が低く抑えられるので、上記熱伝達
の低下を更に防ぐことができる。
【0004】即ち、Heガスの量が多いほど、ガス状核
分裂生成物による上記熱伝達の低下への影響を小さくで
きる。従って、上記熱伝達の観点では、燃料棒の製造時
におけるHeガスの圧力は高い方が好ましい。しかし、
Heガスの圧力が高過ぎると、ガス状核分裂生成物の発
生量の低下分よりも、Heガスの圧力の増加分が大きく
なるので、燃料寿命末期の燃料棒の内圧は高くなる。こ
れは、燃料健全性の観点では逆効果である。
分裂生成物による上記熱伝達の低下への影響を小さくで
きる。従って、上記熱伝達の観点では、燃料棒の製造時
におけるHeガスの圧力は高い方が好ましい。しかし、
Heガスの圧力が高過ぎると、ガス状核分裂生成物の発
生量の低下分よりも、Heガスの圧力の増加分が大きく
なるので、燃料寿命末期の燃料棒の内圧は高くなる。こ
れは、燃料健全性の観点では逆効果である。
【0005】従って、Heガスの圧力には最適点が存在
する。この最適点は燃料の燃焼度に依存しており、従来
の燃料棒が8行8列に配置された(8×8)燃料集合体
では、Heガスの圧力は5気圧に設定されていた。近
年、燃料経済性を更に向上するために高燃焼度化を目指
した9×9燃料集合体では、Heガスの圧力は約10気
圧に設定されている。
する。この最適点は燃料の燃焼度に依存しており、従来
の燃料棒が8行8列に配置された(8×8)燃料集合体
では、Heガスの圧力は5気圧に設定されていた。近
年、燃料経済性を更に向上するために高燃焼度化を目指
した9×9燃料集合体では、Heガスの圧力は約10気
圧に設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の燃
料棒においては、以下の課題が存在する。
料棒においては、以下の課題が存在する。
【0007】燃料棒にHeガスを加圧して充填すると
き、従来の8×8燃料集合体のようにHeガスの圧力が
比較的低い(5気圧)場合には、被覆管内にHeガスを
充填し同時に上部端栓を溶接することが可能であった。
しかし、最近の高燃焼度化を目指した9×9燃料集合体
では、Heガスの圧力が約10気圧に増大しているため
に、溶接アークの制御の困難化,溶接部へのポロシティ
の形成などが発生し、従来方法による溶接が困難になっ
ている。従って、新しい溶接手段の追加や、Heガスを
加圧するための別工程の追加が必要となる。
き、従来の8×8燃料集合体のようにHeガスの圧力が
比較的低い(5気圧)場合には、被覆管内にHeガスを
充填し同時に上部端栓を溶接することが可能であった。
しかし、最近の高燃焼度化を目指した9×9燃料集合体
では、Heガスの圧力が約10気圧に増大しているため
に、溶接アークの制御の困難化,溶接部へのポロシティ
の形成などが発生し、従来方法による溶接が困難になっ
ている。従って、新しい溶接手段の追加や、Heガスを
加圧するための別工程の追加が必要となる。
【0008】これらは製造コストを上昇させるので、経
済的に好ましくない。また、Heガスは高価であるの
で、圧力増大によるHeガスの量の増加も製造コストを
上昇させる。
済的に好ましくない。また、Heガスは高価であるの
で、圧力増大によるHeガスの量の増加も製造コストを
上昇させる。
【0009】一方、燃料棒の内圧の上昇を防止する方法
として、ペレットを充填しない空間であるプレナム部
を、燃料棒の上部に設ける方法が採用されている。しか
し、プレナム部の体積を増加させることは、Uペレット
の装荷量の減少や、燃料集合体の燃料棒間の伸びの差を
吸収するための膨張スプリングに対する設計裕度の低下
を招くので、好ましくない。
として、ペレットを充填しない空間であるプレナム部
を、燃料棒の上部に設ける方法が採用されている。しか
し、プレナム部の体積を増加させることは、Uペレット
の装荷量の減少や、燃料集合体の燃料棒間の伸びの差を
吸収するための膨張スプリングに対する設計裕度の低下
を招くので、好ましくない。
【0010】また、Uペレットにアルミナシリケートを
添加することによりペレットの結晶粒径を大きくして、
ガス状核分裂生成物のペレットからの放出を抑制する方
法が、特開平1−193691 号公報,特開平3−146895 号公
報,特開平5−11088号公報等に記載されている。
添加することによりペレットの結晶粒径を大きくして、
ガス状核分裂生成物のペレットからの放出を抑制する方
法が、特開平1−193691 号公報,特開平3−146895 号公
報,特開平5−11088号公報等に記載されている。
【0011】しかし、これらの従来技術では、燃料棒の
製造時におけるHeガスの圧力や、上記した製造コスト
の観点に関しては、考慮されていない。
製造時におけるHeガスの圧力や、上記した製造コスト
の観点に関しては、考慮されていない。
【0012】本発明の目的は、従来の燃料健全性を維持
しつつ、製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる
燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体を提供するこ
とにある。
しつつ、製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる
燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の手段では、平均結晶粒径が30〜60μmの
範囲の核燃料ペレットと、圧力が1〜8気圧の範囲のヘ
リウム(He)ガスを、燃料棒内に封入する。
に、第1の手段では、平均結晶粒径が30〜60μmの
範囲の核燃料ペレットと、圧力が1〜8気圧の範囲のヘ
リウム(He)ガスを、燃料棒内に封入する。
【0014】また、第2の手段では、平均結晶粒径が3
0〜60μmの範囲の核燃料ペレットと、圧力が0.5
〜1.5気圧の範囲のアルゴン(Ar)ガスを、燃料棒
内に封入する。
0〜60μmの範囲の核燃料ペレットと、圧力が0.5
〜1.5気圧の範囲のアルゴン(Ar)ガスを、燃料棒
内に封入する。
【0015】また、第3の手段では、平均結晶粒径が3
0〜60μmの範囲の核燃料ペレットと、全圧が1〜8
気圧の範囲のHeとArの混合ガスを、Arガスの分圧
が1.5気圧以下で、燃料棒内に封入する。
0〜60μmの範囲の核燃料ペレットと、全圧が1〜8
気圧の範囲のHeとArの混合ガスを、Arガスの分圧
が1.5気圧以下で、燃料棒内に封入する。
【0016】第1の手段によれば、核燃料ペレットの平
均結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Heガスの封
入圧力を1〜8気圧の範囲にすることにより、図4で後
述するように、燃料寿命末期の燃料棒の内圧を従来と同
程度以下に抑制でき且つ上部端栓の溶接を容易にでき
る。従って、従来の燃料健全性を維持しつつ、燃料棒の
製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる。
均結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Heガスの封
入圧力を1〜8気圧の範囲にすることにより、図4で後
述するように、燃料寿命末期の燃料棒の内圧を従来と同
程度以下に抑制でき且つ上部端栓の溶接を容易にでき
る。従って、従来の燃料健全性を維持しつつ、燃料棒の
製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる。
【0017】また、第2の手段によれば、核燃料ペレッ
トの平均結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Arガ
スの封入圧力を0.5〜1.5気圧の範囲にすることによ
り、図8で後述するように、燃料寿命末期の燃料棒の内
圧を従来と同程度に抑制でき且つ上部端栓の溶接を容易
にできる。従って、従来の燃料健全性を維持しつつ、燃
料棒の製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる。
トの平均結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Arガ
スの封入圧力を0.5〜1.5気圧の範囲にすることによ
り、図8で後述するように、燃料寿命末期の燃料棒の内
圧を従来と同程度に抑制でき且つ上部端栓の溶接を容易
にできる。従って、従来の燃料健全性を維持しつつ、燃
料棒の製造コストを低減でき且つ高燃焼度化が図れる。
【0018】また、第3の手段によれば、核燃料ペレッ
トの平均結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Heと
Arの混合ガスの全圧を1〜8気圧の範囲にし、Arガ
スの分圧を1.5気圧以下にすることにより、第1の手
段及び第2の手段と同様な効果を達成できる。
トの平均結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Heと
Arの混合ガスの全圧を1〜8気圧の範囲にし、Arガ
スの分圧を1.5気圧以下にすることにより、第1の手
段及び第2の手段と同様な効果を達成できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。
いて説明する。
【0020】本発明の第1実施例を図1〜図3を用いて
説明する。図1は本発明による燃料棒の第1実施例の一
部破断側面図、図2は本発明による燃料棒を装荷した燃
料集合体の縦断面図、図3は図1の燃料棒の製造方法を
示す図である。本実施例は、被覆管内にHeガスを封入
した燃料棒である。
説明する。図1は本発明による燃料棒の第1実施例の一
部破断側面図、図2は本発明による燃料棒を装荷した燃
料集合体の縦断面図、図3は図1の燃料棒の製造方法を
示す図である。本実施例は、被覆管内にHeガスを封入
した燃料棒である。
【0021】図2に示すように、燃料集合体10は、燃
料棒2,水ロッド13,燃料棒2の上端を保持する上部
タイプレート11,燃料棒2の下端を保持する下部タイ
プレート12,隣接した燃料棒2の間の間隙を保持する
燃料スペーサ14,上部タイプレート11に取り付けら
れ燃料棒2を取り囲むチャンネルボックス15などを備
える。複数の燃料スペーサ14が燃料集合体10の軸方
向に配置され、水ロッド13によって保持されている。
下部タイプレート12は、燃料棒2及び水ロッド13の
下端部を支持する燃料棒支持部と、燃料棒支持部の下方
に位置する内部空間とを備えている。
料棒2,水ロッド13,燃料棒2の上端を保持する上部
タイプレート11,燃料棒2の下端を保持する下部タイ
プレート12,隣接した燃料棒2の間の間隙を保持する
燃料スペーサ14,上部タイプレート11に取り付けら
れ燃料棒2を取り囲むチャンネルボックス15などを備
える。複数の燃料スペーサ14が燃料集合体10の軸方
向に配置され、水ロッド13によって保持されている。
下部タイプレート12は、燃料棒2及び水ロッド13の
下端部を支持する燃料棒支持部と、燃料棒支持部の下方
に位置する内部空間とを備えている。
【0022】燃料集合体10に装荷される燃料棒2の詳
細構造と製造方法を以下に説明する。図3のステップ1
で、ジルコニウム合金製の燃料被覆管3を準備する。ス
テップ2で、燃料被覆管3に下部端栓6を溶接する。ス
テップ3で、複数の平均結晶粒径が30〜60μmのウ
ラン(U)ペレット4を燃料被覆管3内に充填する。ステ
ップ4で、溶接チャンバー内で、燃料被覆管3の内部の
空気などのガスをHeガス1に置換し、Heガスの圧力
を約8気圧に加圧する。この約8気圧のHeガスが満た
されたチャンバー内で、プレナムスプリング7でUペレ
ット4を押さえた状態で、燃料被覆管3に上部端栓5を
溶接し、燃料棒2内を密封する。これによって、燃料棒
2の内部空間に、室温で約8気圧のHeガス1を充填す
る。
細構造と製造方法を以下に説明する。図3のステップ1
で、ジルコニウム合金製の燃料被覆管3を準備する。ス
テップ2で、燃料被覆管3に下部端栓6を溶接する。ス
テップ3で、複数の平均結晶粒径が30〜60μmのウ
ラン(U)ペレット4を燃料被覆管3内に充填する。ステ
ップ4で、溶接チャンバー内で、燃料被覆管3の内部の
空気などのガスをHeガス1に置換し、Heガスの圧力
を約8気圧に加圧する。この約8気圧のHeガスが満た
されたチャンバー内で、プレナムスプリング7でUペレ
ット4を押さえた状態で、燃料被覆管3に上部端栓5を
溶接し、燃料棒2内を密封する。これによって、燃料棒
2の内部空間に、室温で約8気圧のHeガス1を充填す
る。
【0023】平均結晶粒径が30〜60μmのUペレッ
ト4は、ウラン燃料に約250ppmのアルミナシリケ−
トを添加し、約1750℃で焼結して作られる。尚、上
記Uペレット4は、アルミナシリケ−トを添加せずに焼
結温度を上げるなどの他の方法によっても作ることがで
きる。
ト4は、ウラン燃料に約250ppmのアルミナシリケ−
トを添加し、約1750℃で焼結して作られる。尚、上
記Uペレット4は、アルミナシリケ−トを添加せずに焼
結温度を上げるなどの他の方法によっても作ることがで
きる。
【0024】次に、本実施例の作用を説明する。
【0025】燃料棒の健全性の指標である燃料寿命末期
の燃料棒の内圧は、被覆管内に封入されているHeガス
の圧力と、核燃料ペレットの燃焼により生成されるガス
状核分裂生成物の圧力の和となる。
の燃料棒の内圧は、被覆管内に封入されているHeガス
の圧力と、核燃料ペレットの燃焼により生成されるガス
状核分裂生成物の圧力の和となる。
【0026】燃料棒の製造時におけるHeガスの封入圧
力(以下、He封入圧力という)が比較的小さい場合、
熱伝達率が小さいガス状核分裂生成物の発生によりペレ
ット温度が上昇し、このペレット温度の上昇が更にガス
状核分裂生成物を発生させる。即ち、この場合、He封
入圧力が低いほど、ガス状核分裂生成物の圧力が高くな
り、燃料寿命末期の燃料棒の内圧が高くなる。言い換え
れば、He封入圧力が高いほど燃料寿命末期の燃料棒の
内圧が低くなる。
力(以下、He封入圧力という)が比較的小さい場合、
熱伝達率が小さいガス状核分裂生成物の発生によりペレ
ット温度が上昇し、このペレット温度の上昇が更にガス
状核分裂生成物を発生させる。即ち、この場合、He封
入圧力が低いほど、ガス状核分裂生成物の圧力が高くな
り、燃料寿命末期の燃料棒の内圧が高くなる。言い換え
れば、He封入圧力が高いほど燃料寿命末期の燃料棒の
内圧が低くなる。
【0027】一方、He封入圧力がある程度高くなる
と、ガス状核分裂生成物の発生量の低減分(圧力低下)
よりも、He封入圧力の増加分(圧力増加)が大きくな
る。従って、この場合、He封入圧力が高いほど、燃料
寿命末期の燃料棒の内圧が高くなる。
と、ガス状核分裂生成物の発生量の低減分(圧力低下)
よりも、He封入圧力の増加分(圧力増加)が大きくな
る。従って、この場合、He封入圧力が高いほど、燃料
寿命末期の燃料棒の内圧が高くなる。
【0028】以上から、燃料寿命末期の燃料棒の内圧P
rod は、He封入圧力PHeの増加に伴って一旦低下して
最小となり、その後増加する。このPHeとProd の関係
を求めた解析例を図4に示す。
rod は、He封入圧力PHeの増加に伴って一旦低下して
最小となり、その後増加する。このPHeとProd の関係
を求めた解析例を図4に示す。
【0029】図4は、Uペレットの平均結晶粒径が30
〜60μmの燃料棒を備えた燃料集合体(本発明)と、
Uペレットの平均結晶粒径が10〜20μmの燃料棒を
備えた燃料集合体(従来例)を、約55GWd/tの燃
焼度まで燃焼させた場合の解析例を示す。図4から、本
発明は従来例よりもProd を低下できることが判る。こ
れは、平均結晶粒径の増大により、Uペレットの結晶粒
内のガス保持量が増加するので、ガス状核分裂生成物の
発生量が減少するためである。
〜60μmの燃料棒を備えた燃料集合体(本発明)と、
Uペレットの平均結晶粒径が10〜20μmの燃料棒を
備えた燃料集合体(従来例)を、約55GWd/tの燃
焼度まで燃焼させた場合の解析例を示す。図4から、本
発明は従来例よりもProd を低下できることが判る。こ
れは、平均結晶粒径の増大により、Uペレットの結晶粒
内のガス保持量が増加するので、ガス状核分裂生成物の
発生量が減少するためである。
【0030】この平均結晶粒径の増大による効果を、図
5を用いて詳述する。図5は、本発明の燃料棒を備えた
燃料集合体と、従来例の燃料棒を備えた燃料集合体を、
約55GWd/tの燃焼度まで定常的に照射した場合に
おける、燃焼度とガス状核分裂生成物の放出率の関係を
求めた解析例である。
5を用いて詳述する。図5は、本発明の燃料棒を備えた
燃料集合体と、従来例の燃料棒を備えた燃料集合体を、
約55GWd/tの燃焼度まで定常的に照射した場合に
おける、燃焼度とガス状核分裂生成物の放出率の関係を
求めた解析例である。
【0031】図5から、従来例ではガス状核分裂生成物
が放出されるまでの潜伏期間が存在する。また、本発明
のガス状核分裂生成物の放出率は、燃焼度が低い場合従
来例よりも高いが、燃焼度の増加に伴い従来例よりも低
下してくる。例えば、燃焼度が約55GWd/tにおい
て、本発明は、従来例に比べてガス状核分裂生成物の放
出率が約30%低下する。
が放出されるまでの潜伏期間が存在する。また、本発明
のガス状核分裂生成物の放出率は、燃焼度が低い場合従
来例よりも高いが、燃焼度の増加に伴い従来例よりも低
下してくる。例えば、燃焼度が約55GWd/tにおい
て、本発明は、従来例に比べてガス状核分裂生成物の放
出率が約30%低下する。
【0032】以下、図4のPHeとProd の関係を詳述す
る。図4に示すように、従来例のProd は、その最小値
を1とすると、PHeが1,5,10,15気圧と変化す
るのに伴い、約1.4,約1.1,約1(最小値),約
1.1 と変化する。一方、本発明のProd は、PHeが
1,5,8,10,15気圧と変化するのに伴い、約
0.95,約0.8,約0.75(最小値),約0.8,約
0.9と変化する。即ち、本発明では、PHeが1〜15
気圧の広い範囲で、従来例のProd の最小値と同程度以
下のProd が得られる。また、Prod が最小となるHe
封入圧力は、従来例では約10気圧、本発明では約8気
圧である。
る。図4に示すように、従来例のProd は、その最小値
を1とすると、PHeが1,5,10,15気圧と変化す
るのに伴い、約1.4,約1.1,約1(最小値),約
1.1 と変化する。一方、本発明のProd は、PHeが
1,5,8,10,15気圧と変化するのに伴い、約
0.95,約0.8,約0.75(最小値),約0.8,約
0.9と変化する。即ち、本発明では、PHeが1〜15
気圧の広い範囲で、従来例のProd の最小値と同程度以
下のProd が得られる。また、Prod が最小となるHe
封入圧力は、従来例では約10気圧、本発明では約8気
圧である。
【0033】本発明者等による溶接実験の結果、溶接チ
ャンバー内の圧力が8気圧より大きい場合、溶接アーク
の制御の困難化,溶接器具の消耗の激化、及び溶接部へ
のポロシティの形成が確認された。従って、圧力が8気
圧より大きい場合、事実上、溶接工程の実施が困難とな
り、更に歩留まりが特に大きくなることも確認された。
ャンバー内の圧力が8気圧より大きい場合、溶接アーク
の制御の困難化,溶接器具の消耗の激化、及び溶接部へ
のポロシティの形成が確認された。従って、圧力が8気
圧より大きい場合、事実上、溶接工程の実施が困難とな
り、更に歩留まりが特に大きくなることも確認された。
【0034】従って、図4から、ペレットの平均結晶粒
径を30〜60μmとしPHeを8気圧以下とすることに
より、従来の燃料健全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ
る。また、新しい溶接手段の追加や、Heガスを加圧す
るための別工程の追加などの必要がないので、燃料棒の
製造コストを低減できる。更に、PHeを1気圧以上にす
ることにより、溶接時に溶接チャンバー内に外気が侵入
することも防止できる。
径を30〜60μmとしPHeを8気圧以下とすることに
より、従来の燃料健全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ
る。また、新しい溶接手段の追加や、Heガスを加圧す
るための別工程の追加などの必要がないので、燃料棒の
製造コストを低減できる。更に、PHeを1気圧以上にす
ることにより、溶接時に溶接チャンバー内に外気が侵入
することも防止できる。
【0035】第1実施例の場合、ペレットの平均結晶粒
径が30〜60μmで、PHeが約8気圧であるので、上
記したように、従来例よりも燃料健全性を向上して高燃
焼度化が図れ、燃料棒の製造コストを低減できる。更
に、高価なHeガスの量を減らすことができるので、こ
れも製造コストの低減に寄与する。
径が30〜60μmで、PHeが約8気圧であるので、上
記したように、従来例よりも燃料健全性を向上して高燃
焼度化が図れ、燃料棒の製造コストを低減できる。更
に、高価なHeガスの量を減らすことができるので、こ
れも製造コストの低減に寄与する。
【0036】尚、ペレットの平均結晶粒径は、35〜5
5μmの範囲がより好ましい。
5μmの範囲がより好ましい。
【0037】次に、本発明の第2実施例を図6及び図7
を用いて説明する。図6は本発明による燃料棒の第2実
施例の一部破断側面図、図7は図6の燃料棒の製造方法
を示す図である。本実施例は、被覆管内にArガスを封
入した燃料棒である。
を用いて説明する。図6は本発明による燃料棒の第2実
施例の一部破断側面図、図7は図6の燃料棒の製造方法
を示す図である。本実施例は、被覆管内にArガスを封
入した燃料棒である。
【0038】図7のステップ1で、ジルコニウム合金製
の燃料被覆管3を準備する。ステップ2で、燃料被覆管
3に下部端栓6を溶接する。ステップ3で、複数の平均
結晶粒径が30〜60μmのUペレット4を燃料被覆管
3内に充填する。ステップ4で、溶接チャンバー内で、
燃料被覆管3の内部のガスをArガス201に置換し、
Arガスの圧力を約1気圧にする。この約1気圧のAr
ガスが満たされたチャンバー内で、プレナムスプリング
7でUペレット4を押さえた状態で、燃料被覆管3に上
部端栓5を溶接し、燃料棒202内を密封する。これに
よって、燃料棒202の内部空間に、室温で約1気圧の
Arガス201を充填する。
の燃料被覆管3を準備する。ステップ2で、燃料被覆管
3に下部端栓6を溶接する。ステップ3で、複数の平均
結晶粒径が30〜60μmのUペレット4を燃料被覆管
3内に充填する。ステップ4で、溶接チャンバー内で、
燃料被覆管3の内部のガスをArガス201に置換し、
Arガスの圧力を約1気圧にする。この約1気圧のAr
ガスが満たされたチャンバー内で、プレナムスプリング
7でUペレット4を押さえた状態で、燃料被覆管3に上
部端栓5を溶接し、燃料棒202内を密封する。これに
よって、燃料棒202の内部空間に、室温で約1気圧の
Arガス201を充填する。
【0039】以下、本実施例の作用を説明する。図8
は、平均結晶粒径が30〜60μmのUペレットとAr
ガスを封入した燃料棒を備えた燃料集合体(本発明)
と、図4の従来例を約55GWd/tの燃焼度まで燃焼
させた場合の解析例を示す。図8に示すように、Arガ
スを用いた場合、燃料寿命末期の燃料棒の内圧P
rod は、燃料棒の製造時におけるArガスの封入圧力
(以下、Ar封入圧力という)PArの増加に伴い、単調増
加する。これは、Arの熱伝達率がHeの熱伝達率の約
1/8と低いことによる。即ち、従来例のProdの最小
値を1とすると、PArが0.5,1,1.5,5,10気
圧と変化するのに伴い、本発明のProd は約1.03,
約1.04,約1.05,約1.15,約1.3と変化す
る。
は、平均結晶粒径が30〜60μmのUペレットとAr
ガスを封入した燃料棒を備えた燃料集合体(本発明)
と、図4の従来例を約55GWd/tの燃焼度まで燃焼
させた場合の解析例を示す。図8に示すように、Arガ
スを用いた場合、燃料寿命末期の燃料棒の内圧P
rod は、燃料棒の製造時におけるArガスの封入圧力
(以下、Ar封入圧力という)PArの増加に伴い、単調増
加する。これは、Arの熱伝達率がHeの熱伝達率の約
1/8と低いことによる。即ち、従来例のProdの最小
値を1とすると、PArが0.5,1,1.5,5,10気
圧と変化するのに伴い、本発明のProd は約1.03,
約1.04,約1.05,約1.15,約1.3と変化す
る。
【0040】図8から、PArを1.5 気圧以下とするこ
とにより、従来例のProd の最小値と同程度のProd が
得られる。更に、1.5 気圧以下のPArは、新しい溶接
手段の追加や加圧のための別工程の追加を必要としない
ので、製造コストを低減できる。また、PArを0.5 気
圧以上とすることにより、比較的簡易な排気設備で燃料
棒を製造できるので、製造コストの上昇を抑えることが
できる。更に、PArを1気圧以上とすることにより、溶
接時に溶接チャンバー内に外気が侵入することを防止で
きる。
とにより、従来例のProd の最小値と同程度のProd が
得られる。更に、1.5 気圧以下のPArは、新しい溶接
手段の追加や加圧のための別工程の追加を必要としない
ので、製造コストを低減できる。また、PArを0.5 気
圧以上とすることにより、比較的簡易な排気設備で燃料
棒を製造できるので、製造コストの上昇を抑えることが
できる。更に、PArを1気圧以上とすることにより、溶
接時に溶接チャンバー内に外気が侵入することを防止で
きる。
【0041】従って、第2実施例では、ペレットの平均
結晶粒径を30〜60μm、PArを約1気圧としたこと
により、従来と同程度の燃料健全性を維持しつつ高燃焼
度化が図れ、燃料棒の製造コストを低減できる。更に、
Heガスより安いArガスの使用も、製造コストの低減
に寄与する。
結晶粒径を30〜60μm、PArを約1気圧としたこと
により、従来と同程度の燃料健全性を維持しつつ高燃焼
度化が図れ、燃料棒の製造コストを低減できる。更に、
Heガスより安いArガスの使用も、製造コストの低減
に寄与する。
【0042】次に、本発明の第3実施例を図9及び図1
0を用いて説明する。図9は本発明による燃料棒の第3
実施例の一部破断側面図、図10は図9の燃料棒の製造
方法を示す図である。本実施例は、被覆管内にHeとA
rの混合ガスを封入した燃料棒である。
0を用いて説明する。図9は本発明による燃料棒の第3
実施例の一部破断側面図、図10は図9の燃料棒の製造
方法を示す図である。本実施例は、被覆管内にHeとA
rの混合ガスを封入した燃料棒である。
【0043】図10のステップ1で、ジルコニウム合金
製の燃料被覆管3を準備する。ステップ2で、燃料被覆
管3に下部端栓6を溶接する。ステップ3で、複数の平
均結晶粒径が30〜60μmのUペレット4を燃料被覆
管3内に充填する。ステップ4で、溶接チャンバー内
で、燃料被覆管3の内部のガスをHeとArの混合ガス
301に置換し、混合ガスの圧力を約1気圧にする。混
合ガス301中のHeガスの分圧は約0.8 気圧、Ar
ガスの分圧は約0.2 気圧である。この約1気圧の混合
ガスが満たされたチャンバー内で、プレナムスプリング
7でUペレット4を押さえた状態で、燃料被覆管3に上
部端栓5を溶接し、燃料棒302内を密封する。これに
よって、燃料棒302の内部空間に、室温で約1気圧の
混合ガス301を充填する。
製の燃料被覆管3を準備する。ステップ2で、燃料被覆
管3に下部端栓6を溶接する。ステップ3で、複数の平
均結晶粒径が30〜60μmのUペレット4を燃料被覆
管3内に充填する。ステップ4で、溶接チャンバー内
で、燃料被覆管3の内部のガスをHeとArの混合ガス
301に置換し、混合ガスの圧力を約1気圧にする。混
合ガス301中のHeガスの分圧は約0.8 気圧、Ar
ガスの分圧は約0.2 気圧である。この約1気圧の混合
ガスが満たされたチャンバー内で、プレナムスプリング
7でUペレット4を押さえた状態で、燃料被覆管3に上
部端栓5を溶接し、燃料棒302内を密封する。これに
よって、燃料棒302の内部空間に、室温で約1気圧の
混合ガス301を充填する。
【0044】本実施例の燃料棒302は、第2実施例の
燃料棒202のArガスの一部を熱伝達率が高いHeガ
スに置換したものである。従って、本実施例では、第2
実施例よりもペレット温度が低下しガス状核分裂生成物
の発生が抑制されるので、燃料寿命末期の燃料棒の内圧
Prod は、第2実施例よりも更に低下する。即ち、本実
施例でも、第2実施例と同様に、従来と同程度の燃料健
全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ、燃料棒の製造コス
トを低減できる。また、混合ガスの圧力が約1気圧であ
るので、溶接時に溶接チャンバー内に外気が侵入するこ
とも防止できる。
燃料棒202のArガスの一部を熱伝達率が高いHeガ
スに置換したものである。従って、本実施例では、第2
実施例よりもペレット温度が低下しガス状核分裂生成物
の発生が抑制されるので、燃料寿命末期の燃料棒の内圧
Prod は、第2実施例よりも更に低下する。即ち、本実
施例でも、第2実施例と同様に、従来と同程度の燃料健
全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ、燃料棒の製造コス
トを低減できる。また、混合ガスの圧力が約1気圧であ
るので、溶接時に溶接チャンバー内に外気が侵入するこ
とも防止できる。
【0045】尚、本実施例では、燃料棒の製造時におけ
る混合ガスの封入圧力(以下、混合ガス封入圧力とい
う)が約1気圧であるが、第1実施例及び第2実施例の
効果を考慮すれば、混合ガスの全圧を1〜8気圧に、A
rガスの分圧を1.5気圧以下にすることにより、同様
の効果を達成できることは明らかである。
る混合ガスの封入圧力(以下、混合ガス封入圧力とい
う)が約1気圧であるが、第1実施例及び第2実施例の
効果を考慮すれば、混合ガスの全圧を1〜8気圧に、A
rガスの分圧を1.5気圧以下にすることにより、同様
の効果を達成できることは明らかである。
【0046】即ち、混合ガスの全圧が1〜1.5 気圧の
範囲では、Arガスのみを使用した場合において、Ar
ガスの一部を熱伝達率が高いHeガスに置換したことに
相当する。また、混合ガスの全圧が1.5 気圧以上で
は、Heガスのみを使用した場合において、Heガスの
一部を熱伝達率が低いArガスに置換したことに相当す
るが、Prod は従来例と同程度以下に抑えられる。
範囲では、Arガスのみを使用した場合において、Ar
ガスの一部を熱伝達率が高いHeガスに置換したことに
相当する。また、混合ガスの全圧が1.5 気圧以上で
は、Heガスのみを使用した場合において、Heガスの
一部を熱伝達率が低いArガスに置換したことに相当す
るが、Prod は従来例と同程度以下に抑えられる。
【0047】尚、上記の3つの実施例では、UO2 のみ
からなるUペレットが燃料棒内に充填されたが、Uペレ
ットにガドリニアが添加された場合にも本発明は適用で
き、同様の効果が得られる。
からなるUペレットが燃料棒内に充填されたが、Uペレ
ットにガドリニアが添加された場合にも本発明は適用で
き、同様の効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、核燃料ペレットの平均
結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Heガスの封入
圧力を1〜8気圧の範囲にすることにより、燃料寿命末
期の燃料棒の内圧を従来と同程度以下に抑制できるの
で、従来の燃料健全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ、
燃料棒の製造コストを低減できる。
結晶粒径を30〜60μmの範囲にし、Heガスの封入
圧力を1〜8気圧の範囲にすることにより、燃料寿命末
期の燃料棒の内圧を従来と同程度以下に抑制できるの
で、従来の燃料健全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ、
燃料棒の製造コストを低減できる。
【0049】また、核燃料ペレットの平均結晶粒径を3
0〜60μmの範囲にし、Arガスの封入圧力を0.5
〜1.5気圧の範囲にすることにより、燃料寿命末期の
燃料棒の内圧を従来と同程度に抑制できるので、従来の
燃料健全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ、燃料棒の製
造コストを低減できる。
0〜60μmの範囲にし、Arガスの封入圧力を0.5
〜1.5気圧の範囲にすることにより、燃料寿命末期の
燃料棒の内圧を従来と同程度に抑制できるので、従来の
燃料健全性を維持しつつ高燃焼度化が図れ、燃料棒の製
造コストを低減できる。
【0050】また、核燃料ペレットの平均結晶粒径を3
0〜60μmの範囲にし、HeとArの混合ガスの全圧
を1〜8気圧の範囲にし、Arガスの分圧を1.5気圧
以下にすることにより、燃料寿命末期の燃料棒の内圧を
従来と同程度に抑制できるので、従来の燃料健全性を維
持しつつ高燃焼度化が図れ、燃料棒の製造コストを低減
できる。
0〜60μmの範囲にし、HeとArの混合ガスの全圧
を1〜8気圧の範囲にし、Arガスの分圧を1.5気圧
以下にすることにより、燃料寿命末期の燃料棒の内圧を
従来と同程度に抑制できるので、従来の燃料健全性を維
持しつつ高燃焼度化が図れ、燃料棒の製造コストを低減
できる。
【図1】本発明による燃料棒の第1実施例の一部破断側
面図。
面図。
【図2】本発明による燃料棒を装荷した燃料集合体の縦
断面図。
断面図。
【図3】図1の燃料棒の製造方法を示す図。
【図4】He封入圧力と燃料寿命末期の燃料棒の内圧と
の関係の解析例を示す図。
の関係の解析例を示す図。
【図5】燃焼度とガス状核分裂生成物の放出率との関係
の解析例を示す図。
の解析例を示す図。
【図6】本発明による燃料棒の第2実施例の一部破断側
面図。
面図。
【図7】図6の燃料棒の製造方法を示す図。
【図8】He又はArの封入圧力と燃料寿命末期の燃料棒
の内圧との関係の解析例を示す図。
の内圧との関係の解析例を示す図。
【図9】本発明による燃料棒の第3実施例の一部破断側
面図。
面図。
【図10】図9の燃料棒の製造方法を示す図。
1…Heガス、2,202,302…燃料棒、3…燃料
被覆管、4…Uペレット、5…上部端栓、6…下部端
栓、7…プレナムスプリング、10…燃料集合体、11
…上部タイプレート、12…下部タイプレート、13…
水ロッド、14…燃料スペーサ、15…チャンネルボッ
クス、201…Arガス、301…HeとArの混合ガ
ス。
被覆管、4…Uペレット、5…上部端栓、6…下部端
栓、7…プレナムスプリング、10…燃料集合体、11
…上部タイプレート、12…下部タイプレート、13…
水ロッド、14…燃料スペーサ、15…チャンネルボッ
クス、201…Arガス、301…HeとArの混合ガ
ス。
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 政名 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 徳永 賢輔 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】被覆管と、該被覆管の上端及び下端をそれ
ぞれ密封する上部端栓及び下部端栓と、前記被覆管の内
部に密封された核燃料ペレット及びヘリウムガスとを備
えた燃料棒において、 前記核燃料ペレットの平均結晶粒径が30〜60μmの
範囲にあり、 前記ヘリウムガスの圧力が1〜8気圧の範囲にあること
を特徴とする燃料棒。 - 【請求項2】被覆管と、該被覆管の上端及び下端をそれ
ぞれ密封する上部端栓及び下部端栓と、前記被覆管の内
部に密封された核燃料ペレット及びアルゴンガスとを備
えた燃料棒において、 前記核燃料ペレットの平均結晶粒径が30〜60μmの
範囲にあり、 前記アルゴンガスの圧力が0.5〜1.5気圧の範囲にあ
ることを特徴とする燃料棒。 - 【請求項3】請求項2において、前記アルゴンガスの圧
力が1〜1.5 気圧の範囲にあることを特徴とする燃料
棒。 - 【請求項4】被覆管と、該被覆管の上端及び下端をそれ
ぞれ密封する上部端栓及び下部端栓と、前記被覆管の内
部に密封された核燃料ペレット及びヘリウムとアルゴン
の混合ガスとを備えた燃料棒において、 前記核燃料ペレットの平均結晶粒径が30〜60μmの
範囲にあり、 前記混合ガスの全圧が1〜8気圧の範囲にあり、該混合
ガス中のアルゴンガスの分圧が1.5気圧以下であるこ
とを特徴とする燃料棒。 - 【請求項5】核分裂性物質を充填した複数の燃料棒と、
これら複数の燃料棒の上端及び下端をそれぞれ支持する
上部タイプレート及び下部タイプレートとを備えた燃料
集合体において、 前記燃料棒は、請求項1乃至4の何れかの燃料棒である
ことを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項6】被覆管に下部端栓を溶接し、該被覆管の内
部に平均結晶粒径が30〜60μmの範囲の核燃料ペレ
ットを充填し、 該被覆管の内部に圧力が1〜8気圧の範囲のヘリウムガ
スを満たした状態で、該被覆管に上部端栓を溶接する燃
料棒の製造方法。 - 【請求項7】被覆管に下部端栓を溶接し、該被覆管の内
部に平均結晶粒径が30〜60μmの範囲の核燃料ペレ
ットを充填し、 該被覆管の内部に圧力が0.5〜1.5気圧の範囲のアル
ゴンガスを満たした状態で、該被覆管に上部端栓を溶接
する燃料棒の製造方法。 - 【請求項8】被覆管に下部端栓を溶接し、該被覆管の内
部に平均結晶粒径が30〜60μmの範囲の核燃料ペレ
ットを充填し、 該被覆管の内部に圧力が1〜8気圧の範囲のヘリウムと
アルゴンの混合ガスを、アルゴンガスの分圧が1.5気
圧以下の条件で満たした状態で、該被覆管に上部端栓を
溶接する燃料棒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8164109A JPH09119994A (ja) | 1995-08-22 | 1996-06-25 | 燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21324295 | 1995-08-22 | ||
JP7-213242 | 1995-08-22 | ||
JP8164109A JPH09119994A (ja) | 1995-08-22 | 1996-06-25 | 燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09119994A true JPH09119994A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=26489334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8164109A Pending JPH09119994A (ja) | 1995-08-22 | 1996-06-25 | 燃料棒及びその製造方法並びに燃料集合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09119994A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013517479A (ja) * | 2010-01-13 | 2013-05-16 | アドバンスト・リアクター・コンセプツ・エルエルシー | シースで被覆された環状の金属核燃料 |
US8571167B2 (en) | 2009-06-01 | 2013-10-29 | Advanced Reactor Concepts LLC | Particulate metal fuels used in power generation, recycling systems, and small modular reactors |
US8767902B2 (en) | 2010-02-22 | 2014-07-01 | Advanced Reactor Concepts LLC | Small, fast neutron spectrum nuclear power plant with a long refueling interval |
US10424415B2 (en) | 2014-04-14 | 2019-09-24 | Advanced Reactor Concepts LLC | Ceramic nuclear fuel dispersed in a metallic alloy matrix |
-
1996
- 1996-06-25 JP JP8164109A patent/JPH09119994A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8571167B2 (en) | 2009-06-01 | 2013-10-29 | Advanced Reactor Concepts LLC | Particulate metal fuels used in power generation, recycling systems, and small modular reactors |
JP2013517479A (ja) * | 2010-01-13 | 2013-05-16 | アドバンスト・リアクター・コンセプツ・エルエルシー | シースで被覆された環状の金属核燃料 |
US9008259B2 (en) | 2010-01-13 | 2015-04-14 | Advanced Reactor Concepts LLC | Sheathed, annular metal nuclear fuel |
JP2015172592A (ja) * | 2010-01-13 | 2015-10-01 | アドバンスト・リアクター・コンセプツ・エルエルシー | シースで被覆された環状の金属核燃料 |
US9640283B2 (en) | 2010-01-29 | 2017-05-02 | Advanced Reactor Concepts LLC | Small, fast neutron spectrum nuclear power plant with a long refueling interval |
US8767902B2 (en) | 2010-02-22 | 2014-07-01 | Advanced Reactor Concepts LLC | Small, fast neutron spectrum nuclear power plant with a long refueling interval |
US10424415B2 (en) | 2014-04-14 | 2019-09-24 | Advanced Reactor Concepts LLC | Ceramic nuclear fuel dispersed in a metallic alloy matrix |
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