JP2000088987A - 反射体制御型原子炉 - Google Patents

反射体制御型原子炉

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JP2000088987A JP10263542A JP26354298A JP2000088987A JP 2000088987 A JP2000088987 A JP 2000088987A JP 10263542 A JP10263542 A JP 10263542A JP 26354298 A JP26354298 A JP 26354298A JP 2000088987 A JP2000088987 A JP 2000088987A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 炉心の燃焼状態に応じて中性子反射体自体の
長さ(上端位置)を調整することにより、燃焼度分布が
一様になるようにするとともに、外乱反応度への即応性
が高い反射体制御型原子炉を提供。 【解決手段】 冷却材4に浸された原子炉の炉心2と、
前記炉心2の外側に冷却材4に浸されて同心円的に配置
された中性子反射体9′とを有し、前記中性子反射体
9′を上下方向に移動させて炉心2からの中性子漏洩を
調整して炉心2の反応度を制御する反射体制御型原子炉
において、前記中性子反射体9′が流動性を有する中性
子反射材9aを収容した容器9c型で、かつ容器9c内に収容
された流動性を有する中性子反射材9aの有効液位を炉心
2の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末期では高く調整で
きる機構を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中性子反射体の上
下移動によって炉心の反応度を制御するようにした反射
体制御型原子炉に係り、さらに詳しくは流動性を有する
中性子反射材の液位を変えることにより、中性子反射体
の有する最大反応度の抑制もしくは増大させて、炉心の
反応度寿命を長期化した燃料無交換で、長期期間運転を
行える反射体制御方式の原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】反射体制御型原子炉のうち、いわゆる炉
外反射体方式を採用した原子炉は、一般的、図5ないし
図7に要部を断面的に示すような構成を採っている。す
なわち、図5に示すように、原子炉容器1の内部には、
中央部に位置して原子炉の炉心2が、また、前記炉心2
に対して同心円的に中性子遮蔽体3がそれぞれ配置され
ている。そして、これら炉心2および中性子遮蔽体3
は、液体ナトリウムなどの冷却材4中に浸漬される状態
に、原子炉容器1内が冷却材4で満たされている。
【0003】ここで、原子炉の炉心2は、図6に示すよ
うに、たとえば六角形状の18本の燃料集合体5、および
前記燃料集合体5を包囲する炉心バレル6によって構成
されている。なお、前記燃料集合体5は、その中央に炉
心2の反応度制御用で運転時には上方に引き抜かれる中
性子吸収棒用のチャンネル7が配置されている。
【0004】より具体的に説明すると、燃料集合体5
は、たとえば図7に一部を拡大して示すように、ステン
レススチール製の六角形状のラッパ管11の内部に多数の
燃料ピン12を規則的に配列するとともに、前記ラッパ管
11の上部および下部に中性子遮蔽体13a ,13b を配置す
ることによって構成されている。ここで、燃料ピン12
は、燃料部12a と核分裂により生じるガス成分を封じ込
めるプレナム部12b とを備えた構成を成しおり、また、
この燃料ピン12は、ワイヤラップまたはグリッド(図示
せず)により冷却材4の流入を促進するとともに、下部
端栓部でラッパ管11に結合固定されるように成ってい
る。
【0005】上記構成においては、前記隔壁8の内側を
冷却材4が下方から上方向に流れ、その途中で炉心2に
流入して核分裂によって生じた熱を奪って温度上昇(炉
心2を冷却)する。そして、温度上昇した冷却材4は、
図示しない中間熱交換器で、2次系ナトリウムと熱交換
を行う。その後、前記冷却された冷却材4は、中間熱交
換から下方向に流出し、隔壁8の外側を通って炉心2の
下部に回り込み、再び炉心2に流入して、前記熱交換を
繰り返す。
【0006】なお、前記燃料集合体5は、小径のエント
ランスノズル14を介して炉心支持板15に差し込み固定さ
れるよう構成されているとともに、冷却材入口16と冷却
材出口17とを備えている。また、燃料集合体5のラッパ
管11の一部を欠いた穴空きラッパ管、部分ダクトレスま
たはダクトレス集合体についても本質的には同様の構成
となる。
【0007】さらに、前記炉心2を構成する炉心バレル
7の外側(外周)には、所定間隔離間して、冷却材4の
流路を成すように隔壁8が同心円的に配置されている。
そして、前記炉心バレル7と隔壁8との間に設けられた
空間(冷却材4の流路を成す)は、原子炉の炉心2運転
時に使用する中性子反射体9の移動領域10を形成してい
る。
【0008】つまり、この中性子反射体9は、駆動棒20
の下端に吊り下げ支持されており、また、この駆動棒20
は原子炉容器1の上端開口部を閉塞する遮蔽プラグ21を
貫いて上方に延び、遮蔽プラグ21の上面に設置された駆
動装置22によって上下に移動するよう構成されている。
そして、前記駆動装置22の駆動に伴って、駆動棒20、ひ
いては中性子反射体9が炉心バレル7と隔壁8との間の
移動領域10内をこれに沿って上下方向に移動するように
っている。
【0009】なお、冷却材4の液面4aと遮蔽プラグ21と
の間は、カバーガスで満たされたカバーガス空間23であ
る。こうした構成で、駆動装置22を介して中性子反射体
9を上下方向に移動させ、炉心2からの中性子の漏洩を
調整して、この中性子漏洩の調整によって炉心2の反応
度を制御するようなされている。
【0010】一方、中性子遮蔽体3は、原子炉容器1の
全プラント寿命に亘って、中性子照射量を所定値以下に
制限するためのものであり、前記原子炉容器1と隔壁8
と間に配置された複数の中性子遮蔽棒18によって構成さ
れている。この中性子遮蔽体3の構成としては、ステン
レススチールなどから成る構造体の他に、中性子吸収能
力の大きいポロンを含む B4 C セラミックを収納したピ
ンを配置したり、あるいはハフニウム(Hf)、タンタル
(Ta)などの金属、もしくはそれらの化合物を含むよう
にすることができる。そして、この中性子吸収体3を配
置することにより、中性子反射体9の反応度制御能力を
増大させることができる。なお、図6において、19は原
子炉容器1の周囲を包囲するガードベッセルである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の反射体移動方式の原子炉の場合、中性子反射体9の
制御能力を高めようとすると、中性子反射体9の有効長
さ(炉心2の高さ部分を覆う反射体9の長さ)を長くす
る必要がある。すなわち、図8に示すように、炉心2に
おける燃料の燃焼が進むにしたがって、燃料集合体5の
有する反応度は負となって低下するが、その分、炉心2
の下部から炉心2の高さを覆うように、中性子反射体9
を上昇させる。この中性子反射体9の上昇(持ち上げ)
によって、中性子反射能力を増大させ、中性子反射体9
の正の反応度を増大させて、炉心2全体としては、常に
反応度を0として(すなわち臨界状態で)、燃焼を続け
る運転を行わなければならない。なお、図8において、
線aは燃料集合体反応度、線bは中性子反射体反応度を
それぞれ示す。
【0012】この場合、炉心2の運転期間を延ばそうと
すると、中性子反射体9の反応度を大きく、すなわち、
中性子反射体9の全長を長くしなければならない。した
がって、炉心2における燃料の燃焼が進んでない燃焼初
期に、中性子反射体9が誤って炉心2の上部側まで上昇
したときには、大きな反応度が挿入されることになっ
て、安全性が損なわれる恐れがある。
【0013】また、図9に示すように、中性子反射体9
が長い程、軸方向出力ピーキング係数が大きくなるた
め、燃焼度が一様にならず、最大燃焼度が大きくなる傾
向があり、燃料健全性が確保されない恐れがある。さら
に、固体を中性子反射体材料に用いた反射体移動方式の
原子炉では、中性子反射体9の駆動機構が大掛かりにな
ることなどから、外乱による微少反応度への即応性が悪
い傾向がある。なお、図9において、曲線cは中性子反
射体下端が動かない場合の燃焼度分布、曲線dは中性子
反射体下端が軸方向に移動する場合の燃焼度分布をそれ
ぞれ示す。
【0014】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
炉心の燃焼状態に応じて中性子反射体自体の長さ(上端
位置)を調整することにより、過大な反応度挿入事故を
抑制・防止し、燃焼度分布が一様になるようにするとと
もに、外乱反応度への即応性が高い反射体制御型原子炉
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る反射体制御
方式の原子炉は、上記目的を達成するため、冷却材に浸
された原子炉の炉心外側に配置された中性子反射体を上
下方向に移動させ、炉心からの中性子の漏洩を調整する
ことによって、炉心の反応度を制御する反射体制御型原
子炉において、前記中性子反射体の有効高さを炉心の燃
焼状熊に応じて、容易に、かつ短時間に微調整できるよ
うにしたことを骨子としたものである。すなわち、請求
項1の発明は、冷却材に浸された原子炉の炉心と、前記
炉心の外側に冷却材に浸されて同心円的に配置された中
性子反射体とを有し、前記中性子反射体を上下方向に移
動させて炉心からの中性子漏洩を調整して炉心の反応度
を制御する反射体制御型原子炉において、前記中性子反
射体が流動性を有する中性子反射材を収容した容器型
で、かつ容器内に収容された流動性を有する中性子反射
材の有効液位を炉心の燃焼初期では低く、炉心の燃焼末
期では高く調整できる機構を備えていることを特徴とす
る反射体制御型原子炉である。
【0016】請求項2の発明は、請求項1記載の反射体
制御型原子炉において、流動性を有する中性子反射材の
有効液位が、一定量の流動性を有する中性子反射材を炉
心下部側から炉心上部側に移動させるサイクルの繰り返
しで、炉心の燃焼初期の有効高さよりも燃焼末期の有効
高さを相対的に高く設定できるようにしたことを特徴と
する。
【0017】請求項3の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の反射体制御型原子炉において、流動性を有す
る中性子反射材が流動性金属であることを特徴とする。
【0018】請求項4の発明は、請求項3記載の反射体
制御型原子炉において、流動性金属が液体鉛であること
を特徴とする。
【0019】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4いずれか一記載の反射体制御型原子炉において、流動
性を有する中性子反射材の一部がガスで置換され、かつ
置換ガスが流動性を有する中性子反射材の上端面側をカ
バーしていることを特徴とする。
【0020】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5いずれか一記載の反射体制御型原子炉において、中性
子反射体の容器が互いに独立に調整・駆動される複数の
容器で形成されていることを特徴とする。
【0021】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6いずれか一記載の反射体制御型原子炉において、中性
子反射体の容器が2分割型セルで、かつ各セルの有効液
位が容器上部に連接した配管内のガス圧で調整・制御で
きるように成っていることを特徴とする。
【0022】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
6いずれか一記載の反射体制御型原子炉において、中性
子反射体の容器内に収容された流動性を有する中性子反
射材の有効液位が液状中性子反射材内に挿入された液体
排除缶の挿入深さで調整・制御できるようになっている
ことを特徴とする。
【0023】上記各請求項に係る発明では、炉心におけ
る燃焼状態に応じて、中性子反射材の有効高さがスムー
スに調整・変化される。すなわち、従来のように、燃焼
末期での機能を前提とした中性子反射体の長さ設定に比
べて、中性子反射材の有効高さ(液位)が、流動的な液
面変で行われるために燃焼初期においては、潜在的に有
する反応度を低くできる。そのため、中性子反射材の液
位が上方に異常に上昇した(持ち上げられた)場合で
も、炉心全体の反応度を小さく抑えることができる。一
方、中性子反射体の長さも短いので、炉心の軸方向にお
ける燃料の燃焼が一様に行われる。また、中性子反射材
の有効高さを短時間で変更できるので、結果的に、中性
子反射体の反応度を容易に微調整でき、外乱反応度への
即応性も増加し、運転制御性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1,図2,図3および図
4を参照して実施例を説明する。なお、実施例に係る反
射体制御型原子炉は、前記図5ないし図7に図示した構
造と基本的に変わらないので、同一部材は同一符番を付
すとともに、詳細な説明を省略する。図1は第1の実施
例に係る炉心等価直径約50cm、有効長約 200cmの反射体
移動型高速原子炉の要部構成を示す断面図である。図1
において、1は原子炉容器、2は原子炉容器1の内中央
部に位置して配置された原子炉の炉心、3は前記炉心2
に対して同心円的に配置された中性子遮蔽体、4は前記
原子炉容器1内において炉心2および中性子遮蔽体3を
浸漬する状態に満たされた液体ナトリウムなどの冷却材
である。
【0025】ここで、原子炉の炉心2は、前記図6に図
示したように、たとえば六角形状の18本の燃料集合体
5、および前記燃料集合体5を包囲する炉心バレル7に
よって構成されている。また、前記燃料集合体5は、図
7に一部を拡大して示すように、ステンレススチール製
の六角形状のラッパ管11の内部に多数の燃料ピン12を規
則的に配列するとともに、前記ラッパ管11の上部および
下部に中性子遮蔽体13a,13b を配置することによって
構成されている。
【0026】なお、前記燃料ピン12は、燃料部12a と核
分裂により生じるガス成分を封じ込めるプレナム部12b
とを備えた構成を成しおり、また、この燃料ピン12は、
ワイヤラップまたはグリッド(図示せず)により冷却材
4の流入を促進するとともに、下部端栓部でラッパ管11
に結合固定されるようになっている。そして、前記構成
の炉心2に対する冷却材4の熱交換・冷却作用、中性子
遮蔽体3の構成や作用などは、従来の場合と同様なので
説明を省略する。
【0027】この実施例に係る反射体移動型高速原子炉
は、炉心バレル7と隔壁8との間の移動領域10内を、炉
心バレル7の外周面もしくは隔壁8の周面に沿って上下
方向に移動するように配置された中性子反射体9′の構
成と、中性子反射体材の流動的な移動・液面位の変更・
調整手段で特徴付けられる。ここで、中性子反射体9′
は、液状の中性子反射材(たとえば液状鉛)9aおよびカ
バーガス空間9bを封有する高ニッケル製の容器9cで構成
されており、たとえば高さ 170cm、厚さ15mmのリング状
を成している。
【0028】そして、前記中性子反射体9′は、駆動装
置22の駆動に伴って、中空の駆動棒20′により上下方向
に移動するように構成されているが、同時に、駆動棒2
0′の中空部 20aを介して反射材滴下装置24から、流動
性を有する中性子反射材9aを容器9c内に滴下・供給でき
る構成と成っている。なお、冷却材4の液面4aと遮蔽プ
ラグ21との間は、カバーガスで満たされたカバーガス空
間23である。
【0029】次に、上記構成の反射体移動型高速原子炉
の作用について説明する。
【0030】第1の例 炉心2の燃焼初期においては、その状態で丁度臨界にな
る液位まで、反射材滴下装置24から流体中性子反射材9a
が中性子反射体9′中に注入される。また、炉心2の燃
焼に伴って、炉心2の反応度が低下するので、常に、臨
界状態を維持するように流動性を有する中性子反射材9a
を滴下し続け、臨界を保てるようにする。つまり、炉心
2の燃焼は、中性子反射材9aの液位が容器9cの上端に到
達するまで続けられる一方、流動性を有する中性子反射
材9a液位の落下によって炉心2の燃焼が停止される。
【0031】なお、この実施例において、流動性を有す
る中性子反射材9aとして液体鉛を封入した場合は、中性
子反射能力が他の液体金属などよりも大きいので、炉心
寿命を増大できる。
【0032】第2の例 また、図1に図示した反射体移動型高速原子炉の構成に
おいて、炉心2の燃焼初期に、その状熊で丁度臨界にな
る液位まで中性子反射体9′の流体中性子反射材9aを反
射材滴下装置24から注入する。そして、炉心2の燃焼に
伴って、炉心反応度が低下しても流動性を有する中性子
反射材9aの液位を上げずに、駆動棒20で中性子反射体
9′を上方向に移動させて臨界を保つこともできる。
【0033】さらに、中性子反射体9′が炉心2の上部
に達したら炉心2の下部側に戻し、炉心2の燃焼初期に
は、その状態で丁度臨界になる液位まで、再び反射材滴
下装置24から流動性を有する中性子反射材9aを注入す
る。そして、炉心2の燃焼に伴って、再度、炉心2の反
応度は低下するが、流動性を有する中性子反射材9aの液
位を上げずに、駆動棒20によって、中性子反射体9′を
上方向に移動することで、臨界を保つサイクルが繰り返
えされる。この場合は、上記容器9bに対する中性子反射
材9aの滴下で液位を調整する場合(第1の例)に比べ
て、寿命中の中性子反射体9′の平均有効高さ(長を)
を低く(短く)できるので、燃料の燃焼度軸方向分布を
平坦化できる。
【0034】なお、図1に図示した反射体移動型高速原
子炉の構成において、中性子反射体9′の流動性を有す
る中性子反射材9aとして液体金属、上部カバーガス空間
に不活性のカバーガス9bを封入した構成(第3の例)を
採ることもできる。
【0035】図2は、第4の例に係る反射体移動型高速
原子炉の要部構成を示す上面図である。すなわち、図2
は中性子反射体9′を周方向に4分割91 ′〜94
し、それぞれ独立に機能する構成としたものてあり、こ
の構成例の場合は、中性子反射体91 ′〜94 ′のうち
いずれか1つの中性子反射体のみが誤って引き上げられ
ても、挿入反応度を小さく抑えることができるという利
点がある。
【0036】図3は、第5の例をに係る反射体移動型高
速原子炉の要部構成を示す断面図である。この実施例の
場合、中性子反射体9′の容器9cが、隔壁9c′で2つの
セルに分割され、一方のカバーガス9bは連結管25を介し
て圧力調整装置26に連結された構成となっている。この
中性子反射体9′の構成では、容器9c内の圧力を制御す
ることができ、この圧力制御によって、中性子反射体
9′の2セルの中性子反射材9a液位を調整・変更でき
る。ここで、内側セル内の中性子反射材9aの反応度は、
外側セル内の中性子反射材9aの反応度より大きいので、
正の外乱反応度が入った場合には圧力を上げ、内側セル
液位を下げることで反応度調整ができる。なお、この構
成例の場合、中性子反射体9′における圧力調整は即応
性が高いので制御性が向上する。
【0037】図4は、第6の例に係る反射体移動型高速
原子炉の要部構成を示す断面図である。この実施例の場
合、中性子反射体9′を成す容器9cに封有した中性子反
射材9a中に液体排除缶9dを配置した構成と成っている。
この中性子反射体9′の構成では、連結棒9eを介して位
置制御装置9fにより液体排除缶9dを制御することがで
き、この液体排除缶9dの浸漬もしくは挿入深さを制御こ
れによって、中性子反射材9aの液位を調整・変更でき
る。ここで、正の外乱反応度が入った場合は、液体排除
缶9dを引き抜き、内側セルの液位を下げることで反応度
調整ができ、また、この引き抜き操作は即応性が高いの
で制御性が向上する。
【0038】本発明は上記例示に限定されるものでな
く、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採
ることができる。すなわち、反射体移動型原子炉は、ナ
トリウム冷却小型高速原子炉以外の形式出会ってもよい
し、また、中性子反射体9′の構成、中性子反射材9a液
位の調整・変更も、他の手段・方式で行ってもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、炉心寿命の増大が可能
な上に、炉心の燃焼状態に応じて中性子反射体の有効高
さ(長さ)を容易に調整することができる。すなわち、
原子炉の運転操作において、炉心での過大な反応度挿入
事故が容易に抑制されるとともに、炉心の燃焼度分布を
一様に制御し易いので、外乱反応度への即応性の高い反
射体制御型原子炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る反射体移動型高速原子炉の要部構
成を示す縦断面図。
【図2】実施例に係る反射体移動型高速原子炉が具備す
る他の中性子反射体の要部構成を示す上面図。
【図3】他の実施例に係る反射体移動型高速原子炉の要
部構成を示す縦断面図。
【図4】さらに他の実施例に係る反射体移動型高速原子
炉の要部構成を示す縦断面図。
【図5】従来の反射体移動型原子炉の要部構成を示す縦
断面図。
【図6】従来の反射体移動型原子炉の要部構成を示す横
断面図。
【図7】反射体移動型高速原子炉が具備する燃料集合体
の拡大縦断面図。
【図8】従来の反射体移動型原子炉の反応度変化を説明
するための模式図。
【図9】従来の反射体移動型原子炉の燃焼度分布を説明
するための模式図。
【符号の説明】
1……原子炉容器 2……炉心 3……中性子遮蔽体 4……冷却材 5……燃料集合体 9,9′……中性子反射体 9a……流動性を有する中性子反射材(流体反射材) 9b……カバーガス空間 9c……容器 9c′……容器隔壁 9d……液体排除缶 9e……連結棒 9f……位置制御装置 20……駆動棒 22……駆動装置 24……流体滴下装置 25……連結管 26……圧力制御装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却材に浸された原子炉の炉心と、前記
    炉心の外側に冷却材に浸されて同心円的に配置された中
    性子反射体とを有し、前記中性子反射体を上下方向に移
    動させて炉心からの中性子漏洩を調整して炉心の反応度
    を制御する反射体制御型原子炉において、 前記中性子反射体が流動性を有する中性子反射材を収容
    した容器型で、かつ容器内に収容された流動性を有する
    中性子反射材の有効液位を炉心の燃焼初期では低く、炉
    心の燃焼末期では高く調整できる機構を備えていること
    を特徴とする反射体制御型原子炉。
  2. 【請求項2】 流動性を有する中性子反射材の有効液位
    が、一定量の流動性を有する中性子反射材を炉心下部側
    から炉心上部側に移動させるサイクルの繰り返しで、炉
    心の燃焼初期の有効高さよりも燃焼末期の有効高さを相
    対的に高く設定できるようにしたことを特徴とする請求
    項1記載の反射体制御型原子炉。
  3. 【請求項3】 流動性を有する中性子反射材が流動性金
    属であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記
    載の反射体制御型原子炉。
  4. 【請求項4】 流動性金属が液体鉛であることを特徴と
    する請求項3記載の反射体制御型原子炉。
  5. 【請求項5】 流動性を有する中性子反射材の一部がガ
    スで置換され、かつ置換ガスが流動性を有する中性子反
    射体本体の上端面側をカバーしていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項4いずれか一記載の反射体制御型
    原子炉。
  6. 【請求項6】 中性子反射体の容器が互いに独立に調整
    ・駆動される複数の容器で形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし請求項5いずれか一記載の反射体制
    御型原子炉。
  7. 【請求項7】 中性子反射体の容器が2分割型セルで、
    かつ各セルの有効液位が容器上部に連接した配管内のガ
    ス圧で調整・制御できるように成っていることを特徴と
    する請求項1ないし請求項6いずれか一記載の反射体制
    御型原子炉。
  8. 【請求項8】 中性子反射体の容器内に収容された流動
    性を有する中性子反射材の有効液位が、流動性を有する
    中性子反射材内に挿入された液体排除缶の挿入深さで調
    整・制御できるように成っていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項6いずれか一記載の反射体制御型原子
    炉。
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