JP3913063B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置に関し、特に光伝送システムにおいて、光信号の送受信を行なう半導体装置である光・電子混載モジュールの低コスト化、小型化および高速化に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信の大容量化、高速化を実現するために、幹線等を中心に光ファイバによる通信が急速に進展している。今後、加入者側での光ファイバによる通信の進展に向けて、光伝送システムには、高速化に代表される高性能化に加え、低価格化、小型化が要求されている。このため、光伝送システムの主要な構成要素である光素子と、それに接続され、電気信号の入出力および処理を行なう半導体集積回路とを低価格化、小型化する必要がある。
【0003】
従来の光モジュールの実装方法として、アクティブアライメント技術がある。本技術では、光素子として発光素子が用いられた光送信モジュールにおいて、発光素子と光ファイバとの光学的な結合するために、発光素子と光ファイバとの間に介在するレンズが用いられる。発光素子と光ファイバとを光学的に結合させる際には、光ファイバの発光素子に結合される側と反対端から、発光素子の光出力をモニターしながら、ミクロンオーダーで高精度に発光素子と光ファイバとの光軸調整を行なう。このため、部品点数が多く、また光軸調整に時間がかかることから、低コスト化が困難であるという課題がある。
【0004】
この課題を解決するために、平面実装技術、パッシブアライメント技術等が開発された。パッシブアライメント技術では、レンズを用いず直接結合によって光素子と光ファイバとを光学的に結合し、平坦な実装基板上に、光素子と光ファイバとを無調整で実装する。
【0005】
例えば、Si実装基板上に、光ファイバを位置合わせし保持するためのV字状の溝(以下、V溝と称する)を形成し、光ファイバをV溝で挟むように固定する。さらに光ファイバに隣接して光素子チップを実装する。光素子チップとSi実装基板上には、位置合わせのためのマークを予め形成しておき、このマークを実装時の位置あわせに使用する。
【0006】
従って、従来のように、実装時に光出力をモニターしながら位置合わせを行なわずに、光ファイバと光素子との光学的な結合を正確に行なうことができ、部品点数の削減と実装時間の短縮による低コスト化が可能である。
【0007】
一方、光モジュールと接続される電気信号の入出力および処理を行なう半導体集積回路についても、低コスト化、小型化の試みが行なわれている。
【0008】
光モジュールと接続される半導体集積回路としては、光素子として発光素子を用いた光送信モジュールの場合、発光素子駆動回路、多重化回路などが挙げられる。また、光素子に受光素子を用いた光受信モジュールの場合、前置増幅回路、等価増幅回路、タイミング抽出回路、識別再生回路、分離回路などが挙げられる。
【0009】
これら半導体集積回路は、製造プロセスの微細化および高集積化によるチップ数の低減、ベアチップ実装を採用したマルチチップモジュール化による実装面積の低減により、低コスト化、小型化を実現している。
【0010】
さらに低コスト化、小型化および高速化を目指した試みとして、光モジュール内に、光素子との電気信号の入出力および処理を行なう半導体集積回路を内蔵した、いわゆる光・電子混載モジュールがある。上記の発光素子駆動回路、多重化回路、前置増幅回路、等価増幅回路、タイミング抽出回路、識別再生回路、分離回路などの機能の多くを、光モジュール内に実装される半導体集積回路に内蔵することで、光伝送システムの低コスト化、小型化および高速化が実現できる。以下、光・電子混載モジュールの従来例について説明する。
【0011】
第1の従来例として、河谷らにより開示された光・電子混載モジュール(表面実装型光送受信の実装技術、電子通信学会技報、LQE97-65(1997-08))を、図7を参照しながら説明する。図7は、河谷らにより開示された光・電子混載モジュールの構造を表す図である。
【0012】
図7に示すように、光・電子混載モジュール500では、V溝501aが形成されたSi実装基板501上に、光素子チップ502と光ファイバ503とが隣接するように実装され、光学的に結合されている。Si実装基板501と半導体集積回路チップ504とは、パッケージ505上にハイブリッド実装され、光素子チップ502および半導体集積回路チップ504が、それぞれボンディングワイヤでパッケージ505上の配線に接続されている。
【0013】
第2の従来例として、山田らにより開示された光・電子混載モジュール(特開平8−78657号公報、光/電子ハイブリッド実装基板およびその製法、並びに光サブモジュールおよび光/電子ハイブリッド集積回路)を図8を参照しながら説明する。図8は、山田らにより開示された光・電子混載モジュールの構造を表す図である。
【0014】
図8に示すように、光・電子混載モジュール600では、Si実装基板601のV溝が形成された側の面上に、光素子チップ602と、光ファイバ603と、半導体集積回路チップ604とが、ハイブリッド実装されている。光素子チップ602および半導体集積回路チップ604は、それぞれフリップチップボンディングによりSi実装基板601上の配線605にバンプ接続される。一方、Si実装基板601上の配線605と、光・電子混載モジュール600を搭載するパッケージ(不図示)に設けられた配線とは、ボンディングワイヤにより接続される。
【0015】
第3の従来例として、河谷により開示された光・電子混載モジュール(特開平10−303466号公報、光半導体装置及び製造方法)を、図9を参照しながら説明する。図9は、河谷により開示された光・電子混載モジュールの構造を表す図である。
【0016】
図9(a)に示すように、光・電子混載モジュール700は、V溝701が形成されたSi実装基板702の半導体集積回路領域703に半導体集積回路がモノリシックに形成されている。光素子チップ704は、半導体集積回路領域703上に、フリップチップボンディングを用いたバンプ接続により実装されている。V溝701には、光ファイバが光素子チップ704に隣接するように固定される。半導体集積回路領域703に形成された半導体集積回路と、光・電子混載モジュール700を搭載するパッケージ(不図示)に設けられた配線とは、ボンディングワイヤにより接続される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術において、Si実装基板上に形成されるV溝には、光ファイバを安定に固定するために、通常2mm程度の長さが必要とされるので、V溝が形成される領域(以下、V溝形成領域と称する)の面積を数mm角程度にする必要がある。
【0018】
上記第1の従来例のように、Si実装基板501上に、光素子チップ502と光ファイバ503とだけを実装する場合、Si実装基板501の面積は、ほぼV溝形成領域の面積で決まる。また、半導体集積回路チップ504も、数mm角以上の大きさであり、V溝形成領域と半導体集積回路チップ504とは、いずれも光・電子混載モジュールの占有面積の大半を占める。
【0019】
従って、第1の従来例の構成では、V溝501aが形成されたSi実装基板501と、半導体集積回路チップ504が、パッケージ505の上面上に別々に配置されるため、光・電子混載モジュールを十分小型化できない。
【0020】
また、光素子チップ502、Si実装基板501上の配線、半導体集積回路チップ504、パッケージ505上の配線の各接続にボンディングワイヤを用いるため、その寄生インダクタンスが、信号伝送の高速化の大きな妨げとなる。
【0021】
上記第2の従来例の構成によれば、光ファイバ603を固定するV溝と半導体集積回路チップ604とが共に、Si実装基板601の上面上に実装されるので、上記第1の従来例に比べると小型化が可能である。しかし、多くの面積を占有するV溝形成領域と半導体集積回路チップ604とが、Si実装基板601の上面を個々に占有するため、十分な小型化を達成できない。
【0022】
また、上記第2の従来例の構成によれば、光素子チップ602と半導体集積回路チップ604を接続する配線の距離が大幅に短縮されるため、第1の従来例に比べると、寄生インダクタンスが大幅に低減し、光素子チップ602と半導体集積回路チップ604との間の信号伝送の高速化が達成できる。しかし、半導体集積回路チップ604とパッケージ等に設けられた外部回路との接続にはボンディングワイヤを用いるため、その寄生インダクタンスの影響により、外部回路との信号伝送の高速化は困難である。従って、上記第2の従来例の構成では、光伝送システム全体の信号伝送の高速化は困難である。
【0023】
第3の従来例の構成は、V溝701と半導体集積回路703が、Si実装基板702上にモノリシック形成されるため、上記第1および第2の従来例に比べると、さらに小型化が可能である。しかし、この構成においても、V溝701の形成領域と半導体集積回路703の形成領域が、同一平面上の面積を独立に占有するため、十分な小型化を達成できない。
【0024】
また、第3の従来例の構成では、光素子チップ704と半導体集積回路703間は、バンプ接続されるので、この間の信号伝送の高速化が達成できる。しかし、半導体集積回路703と外部回路との接続にはボンディングワイヤを用いるため、その寄生インダクタンスの影響により、外部回路との信号伝送の高速化は困難である。したがって、本実施例の構成では、光伝送システム全体の信号伝送の高速化は困難である。
【0025】
さらに、光伝送システムに要求される規模の回路を、半導体集積回路703として作製するためには、半導体製造プロセスにおいて、加工寸法が微細で複雑な工程を多数繰り返す必要がある。このため、光ファイバを固定するV溝および配線のみが形成されたSi実装基板に比べ、単位面積あたりの製造コストは10倍以上高くなる。
【0026】
従って、V溝と配線のみを形成したSi実装基板と、半導体集積回路チップとを別々に製造した場合の製造コストに比べて大幅に高くなり、低コスト化に不利である。
【0027】
この対策として、図9(b)に示すように、V溝形成領域のV溝701を挟む領域を、半導体集積回路が形成される領域(第2の半導体集積回路領域)705として利用し、Si実装基板702の利用効率を高める方法が考えられる。
【0028】
しかし、図9(b)に示すように、実際のSi実装基板702には、光素子704と光ファイバ端面との距離を精密に制御する必要があるので、V溝701の終端部を接点とし、V溝701とT字を形成するように、溝706を形成する必要がある。光ファイバをV溝701に実装する際、光ファイバ端面が溝706の側壁に接触することによって、光素子704と光ファイバ端面との距離を精密に制御する。このため、溝706の側壁を、基板面に対し垂直で、且つ平坦にする。溝706の形成の方法として、通常、Si実装基板702をウエハーから分離する前に、ダイシングで形成する方法が用いられている。この場合、図9(b)に示すように、位置合わせ用溝706は、Si実装基板702を横断することになる。半導体集積回路領域703と、第2の半導体集積回路領域705とは、溝706で分断される。このため、半導体集積回路領域703と第2の半導体集積回路領域705との電気的接続は、ボンディングワイヤを用いざるを得ない。このため、信号伝送の高速化は困難である。
【0029】
上述のように、これまでに光伝送システムの低コスト化、小型化と高速化を実現するために、種々の光・電子混載モジュールが提案されている。しかし、従来の光・電子混載モジュールでは、さらなる小型化、低コスト化が困難であり、実装された半導体集積回路と外部回路との間の信号伝送の高速化が困難であるという不具合がある。
【0030】
本発明は、上記の不具合を解決するために、小型で低コスト、且つ高速動作が可能な半導体装置の構成およびその製造方法を提供するものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、第1領域と第2領域とを有する第1面と、上記第1面に対向する第2面とを有する半導体実装基板と、上記第1面の上記第1領域上に設けられた光素子と、上記半導体実装基板の上記第1面の上記第2領域に形成され、上記光素子の光軸にほぼ平行に延びる第1溝と、上記半導体実装基板の上記第2面側に形成された電子回路と、上記光素子と上記電子回路とを接続する第1配線とを備えている。
【0032】
本発明によれば、半導体実装基板の第1面および第2面の両方を利用することによって、半導体実装基板上に実装可能なデバイスの数量を増やす、あるいは半導体装置の容積を小さくすることが可能である。さらに、本発明によれば、第1配線によって光素子と電子回路とを接続するので、ボンディングワイヤでの接続に比べて、寄生インダクタンスの影響を大幅に低減できる。従って、電子回路と光素子との間の信号伝送を高速化することが可能である。つまり、光素子および電子回路が高い集積度で搭載され、高速動作が可能な半導体装置を得ることができる。
【0033】
上記第1溝に光ファイバが固定されている構成としてもよい。
【0034】
上記第1領域に、上記第1面から上記第2面に貫通する貫通孔をさらに備え、上記第1配線は、上記貫通孔を通じて上記光素子と上記電子回路とを接続していることが好ましい。
【0035】
このことによって、光素子と電子回路とを接続する第1配線の長さを短縮できる。このため、配線抵抗を低減することでき、より高速動作が可能な半導体装置が得られる。
【0036】
上記半導体実装基板の上記第1面に形成され、上記第1溝のうちの上記光素子側の端部に位置する光ファイバ位置合わせ用の凹部を有することが好ましい。
【0037】
上記凹部は、上記第1溝と互いにほぼ直交するように形成された第2溝であってもよい。
【0038】
上記凹部は、上記第1面から上記第2面に貫通する貫通孔であり、上記第1配線は、上記貫通孔を通じて上記光素子と上記電子回路とを接続している構成としてもよい。
【0039】
上記電子回路は、上記半導体実装基板の上記第2面側に形成された半導体集積回路と、上記半導体集積回路にバンプ接続された半導体チップとを備えている構成としてもよい。
【0040】
上記電子回路は、上記半導体実装基板の上記第2面側に形成された第2配線と、上記第2配線にバンプ接続された半導体チップとを備えている構成としてもよい。
【0041】
外部回路に接続された第3配線を有するパッケージと、上記電子回路上に形成された絶縁膜とをさらに備え、上記電子回路と上記パッケージの上記第3配線とは、バンプ接続されており、上記絶縁膜と上記パッケージとは、バンプ接続されていることが好ましい。
【0042】
このことによって、光素子および電子回路が動作時に発生する熱を、絶縁膜とパッケージの間のバンプを通じて、パッケージの表面に効率よく逃がすことができ、熱抵抗を大幅に低減することが可能である。この結果、半導体装置の動作中に、過度の温度上昇を防ぐことができる。従って、半導体装置の動作が安定化し、且つ信頼性が向上する。
【0043】
凸部と、外部回路に接続された第3配線とを有するパッケージと、上記電子回路上に形成された絶縁膜とをさらに備え、上記電子回路と上記パッケージの上記第3配線とは、バンプ接続されており、上記絶縁膜と上記凸部とは、接触していることが好ましい。
【0044】
このことによって、光素子および電子回路が動作時に発生する熱を、パッケージの凸部の表面に効率よく逃がすことができ、熱抵抗を大幅に低減することが可能である。この結果、半導体装置の動作中に、過度の温度上昇を防ぐことができる。従って、半導体装置の動作が安定化し、且つ信頼性が向上する。
【0045】
上記半導体実装基板は、Siからなる構成としてもよい。
【0046】
上記半導体実装基板は、GaAsからなる構成としてもよい。
【0047】
上記半導体実装基板は、InPからなる構成としてもよい。
【0048】
第1領域と第2領域とを有する第1面と、上記第1面に対向する第2面とを有する半導体実装基板を用意する工程(a)と、上記半導体実装基板の上記第2面側に電子回路を形成する工程(b)と、上記半導体実装基板の上記第1面の上記第2領域に光ファイバ固定用溝を形成した後、上記半導体実装基板の上記第1面の上記第1領域に、上記第1面から上記第2面に貫通する貫通孔を形成する工程(d)と、上記第1面の上記第2領域上および貫通孔の側面上に絶縁膜を形成した後、上記絶縁膜上に配線を形成する工程(e)と、上記電子回路と上記配線とを接続する工程(f)と、光軸が上記光ファイバ固定用溝と平行となるように、上記第1面の上記第2領域上に形成された上記配線に光素子を接続する工程(g)とを含む半導体装置の製造方法。
【0049】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、半導体実装基板の第1面および第2面の両方を利用することによって、半導体実装基板上に実装可能なデバイスの数量を増やす、あるいは半導体装置の容積を小さくすることが可能である。さらに、本発明によれば、第1配線によって光素子と電子回路とを接続するので、ボンディングワイヤでの接続に比べて、寄生インダクタンスの影響を大幅に低減できる。従って、電子回路と光素子との間の信号伝送を高速化することが可能である。つまり、光素子および電子回路が高い集積度で搭載され、高速動作が可能な半導体装置を得ることができる。
【0050】
また、半導体実装基板の第1面および第2面を利用するので、光伝送システムに要求される規模の電子回路を形成する際にも面積に余裕がある。このため、電子回路の形成プロセスにおいて、加工寸法が微細で複雑な工程を減らすことができる。従って、製造コストを低減することができる。
【0051】
上記工程(b)では、半導体実装基板の下面上に熱酸化膜を形成する際に同時に半導体実装基板の上面上に熱酸化膜を形成し、上記工程(d)では、上記半導体実装基板の上面上の熱酸化膜をパターニングすることによって熱酸化膜マスクを形成した後、上記熱酸化膜マスクを用いたウェットエッチングによって、上記光ファイバ固定用溝と上記貫通孔とを同時に形成することが好ましい。
【0052】
熱酸化膜は、他のCVD法などで形成された膜に比べて、半導体実装基板との密着性が非常に高いので、ウェットエッチングの際のエッチングマスクとして用いた場合、サイドエッチングはほとんど発生しない。従って、パターニングされた熱酸化膜の形状を精密に制御することによって、互いにエッチングされる深さが異なる光ファイバ固定用溝と貫通孔とを同時に、極めて精度よく所望の形状に形成することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、簡単のために、各実施形態に共通する構成要素は、同一の参照符号で示す。
【0054】
(実施形態1)
本実施形態を、図1を参照しながら説明する、図1(a)は、半導体レーザを発光素子として用いた光送信用の光・電子混載モジュールの上面図であり、図1(b)は、図1(a)のI−I線に沿った断面図である。
【0055】
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の光・電子混載モジュール100は、Si実装基板101と、光ファイバ103と、半導体レーザチップ110と、半導体集積回路112と、セラミック製パッケージ116とを備える。
【0056】
Si実装基板101は、上面に光ファイバ実装領域101aと、光素子実装領域101bとを備える。光ファイバ実装領域101aには、光ファイバ103を実装するためのV溝104と、V溝104の端部において、V溝104とほぼ直交する位置合わせ用溝105とが形成されている。
【0057】
光ファイバ103は、その端部が位置合わせ用溝105の側壁に押し当てられ、軸方向に位置合わせされた状態でV溝104に固定されている。
【0058】
光素子実装領域101bには、上面から下面に貫通する貫通孔107が形成されている。光素子実装領域101bの上面上および貫通孔107の側面上には、SiO2膜108が形成されており、さらにその上に、CrAuからなる配線109が形成されている。
【0059】
半導体レーザチップ110には、PbSnからなる半田バンプ111が形成されており、光ファイバ103の端部と隣接して、配線109上にフリップチップボンディングにより接続されている。
【0060】
Si実装基板101の下面上には、半導体集積回路112が形成されている。半導体集積回路112は、Al電極(不図示)を備える。
【0061】
半導体集積回路112の上には、SiNパッシベーション膜113が形成されている。SiNパッシベーション膜113は、半導体集積回路112のAl電極に到達するコンタクトホール114aおよび114bを備えている。半導体集積回路112は、SiNパッシベーション膜113が備えるコンタクトホール114aを通じて半導体レーザチップ110に接続された配線109に接続されている。また、コンタクトホール114b上には、PbSnからなる半田バンプ115が形成されている。
【0062】
セラミック製パッケージ116上には、外部回路(不図示)に接続された配線117が形成されている。
【0063】
半導体集積回路112は、半田バンプ115によるフリップチップボンディングによってセラミック製パッケージ116に形成された配線117に接続されている。このことによって、半導体集積回路112と外部回路とが接続される。つまり、光・電子混載モジュール100が外部回路に接続される。
【0064】
本実施形態の光・電子混載モジュール100は、上記従来例と比較して非常に小型になる。これは、Si実装基板101の上面および下面の両方を利用することによって、Si実装基板101上に実装可能なデバイスの数量を増やす、あるいは光・電子混載モジュールの容積を小さくすることが可能である。すなわち、光素子および半導体集積回路が高い集積度で搭載された光・電子混載モジュールを得ることができる。
【0065】
例えば、半導体集積回路112の形成に必要な面積が、光ファイバ実装領域101aおよび光素子実装領域101bの面積の和にほぼ等しい場合、これらをSi実装基板101の上面上に形成する場合に比べて、Si実装基板101の大きさをほぼ半分にすることができる。
【0066】
さらに、光ファイバの軸方向の位置合わせに用いる位置合わせ用溝105の代わりに、光ファイバの端部が押し当てられる側壁を有する凹部を形成してもよい。特に、この凹部として、貫通孔をV溝104の端部に形成すれば、この貫通孔を位置合わせに用いることができ、さらに光素子実装領域101bに形成される貫通孔107を省略することができる。このため、光・電子混載モジュールをさらに小型化することが可能である。
【0067】
また、本実施形態では、光素子実装領域101b上には半導体レーザチップ110のみが設けられているが、例えば更にチップ抵抗、コンデンサなど、他の電子デバイスを設けてもよい。
【0068】
さらに、本実施形態の光・電子混載モジュール100では、貫通孔107に形成した配線109によって、半導体レーザチップ110と半導体集積回路112とを接続するので、ボンディングワイヤでの接続に比べて、寄生インダクタンスの影響を大幅に低減できる。従って、半導体集積回路112による半導体レーザチップ110の駆動を高速化することが可能である。
【0069】
さらに、半導体集積回路112は、半田バンプ115を用いて、外部回路に接続されたセラミック製パッケージ上の配線117と接続されているので、寄生インダクタンスの影響を大幅に低減できる。従って、半導体集積回路112と外部回路間の信号伝送も高速化できる。
【0070】
また、本実施形態の光・電子混載モジュール100では、半導体レーザチップ110と半導体集積回路112との接続を、Si実装基板101の上面から下面に貫通する貫通孔107を通る配線109によって行なっているが、これに限定されず、半導体レーザチップ110と半導体集積回路112とを接続する手段であれば、いかなるものを用いてもよい。例えば、貫通孔107を形成せずに、Si実装基板101の側面上を通って半導体レーザチップ110と半導体集積回路112とを接続する配線を設けてもよい。
【0071】
しかしながら、本実施形態のように、半導体レーザチップ110と半導体集積回路112との接続を、Si実装基板101の上面から下面に貫通する貫通孔107を通る配線109によって行なえば、半導体レーザチップ110と半導体集積回路112との間の配線109の長さを短縮できる。このため、配線インダクタンスおよび配線抵抗をさらに低減することでき、より高速な信号伝送に適した光・電子混載モジュールが得られる。
【0072】
次に、本実施形態の光・電子混載モジュール100の製造方法を図2および図3を参照しながら説明する。図2および図3は、本実施形態の光・電子混載モジュールの製造方法の各工程を表す上面図および断面図である。なお、図2(a)および(b)の断面図は、図2(a)および(b)の各上面図に示すIIa−IIa線およびIIb−IIb線に沿った図である。また、図3(a)および(b)の断面図は、図3(a)および(b)の各上面図に示すIIIa−IIIa線およびIIIb−IIIb線に沿った図である。
【0073】
まず、図2(a)に示す工程で、下面の結晶面方位が{100}面であるSi実装基板101を用意する。続いて、Si実装基板101の下面上に、半導体集積回路112を形成する。
【0074】
ここで、図2(a)に示す工程における半導体集積回路112の形成について詳細に説明する。
【0075】
半導体集積回路112の形成プロセスにおいて、Si実装基板101の下面上に熱酸化によってSi実装基板101の下面上にSiO2膜を形成する際に、Si実装基板101の上面上にもSiO2膜108’が形成される。この後、Si実装基板101の上面上のSiO2膜108’が、のちに行なわれる酸化膜除去工程で除去されないように、Si実装基板101の上面上にレジストを塗布しておく。
【0076】
また、半導体集積回路112が形成された後、半導体集積回路112上に、半導体集積回路112の信頼性を確保するためのSiNパッシベーション膜113を形成する。
【0077】
次に、図2(b)に示す工程で、Si実装基板101の上面上のうち、光ファイバ実装領域101aに、光ファイバ実装用のV溝104を形成し、光素子実装領域101bに、上面から下面に貫通する貫通孔107を形成する。本実施形態では、V溝104と貫通孔107とを同時に形成するが、V溝104と貫通孔107とを別々に形成してもよい。
【0078】
本工程では、Si実装基板101上面上に形成されたSiO2膜108’を、フォトリソグラフィおよびバッファードHFを用いたウェットエッチングによってパターニングし、このパターニングされたSiO2膜108’をマスクとして、KOH溶液によりSi実装基板101を異方性エッチングする。SiNパッシベーション膜113は、KOH溶液によってほとんどエッチングされないので、半導体集積回路111は保護される。
【0079】
このときの異方性エッチィングは、{111}面のエッチング速度が、他の面方位の面のエッチング速度に比べて極めて遅い。このため、{111}面が露出した時点でエッチングはほぼ停止する。また、熱酸化によって形成されたSiO2膜108’は、他のCVD法などで形成されたSiO2膜に比べて、Si実装基板101との密着性が非常に高いので、Si実装基板101のエッチングマスクとして用いた場合、サイドエッチングはほとんど発生しない。従って、パターニングされたSiO2膜108’の形状を精密に制御することによって、互いにエッチングされる深さが異なるV溝104と貫通孔107とを同時に、極めて精度よく所望の形状に形成することができる。
【0080】
次に、図3(a)に示す工程で、電気的絶縁のため、光素子実装領域101bの表面上および貫通孔107の側面上にプラズマCVDによりSiO2膜108を形成する。続いて光素子実装領域101bの表面上および貫通孔107の側面上に形成されたSiO2膜108上に、フォトリソグラフィおよび真空蒸着を用いたリフトオフ法によって、CrAuからなる配線を形成する。この後、光ファイバの軸方向の位置合わせに用いる位置合わせ用溝105を、V溝104の端部において、V溝104と互いにほぼ直交するようにダイシングによって形成する。
【0081】
続いて、半導体集積回路112と、半導体レーザチップ110および外部回路との接続のために、フォトリソグラフィとドライエッチィングによりSiNパッシベ−ション膜113を選択的に除去し、コンタクトホール114aおよび114bを形成する。この時、SiNパッシベ−ション膜113のうちの貫通孔107の底部を塞ぐ部分も同時に除去する。
【0082】
さらに、貫通孔107に形成された配線を、フォトリソグラフィと真空蒸着を用いたリフトオフ法によって、CrAuからなる配線109を形成することにより接続する。
【0083】
次に、コンタクトホール114bの底部に露出しているAl電極上に、PbSnからなる半田バンプ115を、メタルマスクを用いた蒸着により形成する。
【0084】
次に、図3(b)に示す工程で、以上の工程を経て得られたウエハを、半導体実装基板の各チップにダイシングにより分離する。続いて、外部回路と接続する配線117が形成されたセラミック製パッケージ116を用意する。次に、フリップチップボンディングにより、セラミック製パッケージ116上にSi実装基板101を実装する。このことによって、PbSn半田バンプ115と配線117とが接続される。
【0085】
次に、光素子実装領域101bの配線109に、PbSnからなる半田バンプ111を備える半導体レーザチップ110をフリップチップボンディングによって接続する。
【0086】
次に、半田バンプ111および115を、リフローよって配線109、117に接着する。
【0087】
最後に、V溝104に光ファイバ103を実装する。このとき、半導体レーザチップ110と光ファイバ103との光軸合わせにはパッシブアライメント技術を用いる。
【0088】
光伝送システムに要求される規模の半導体集積回路を作製するためには、半導体製造プロセスにおいて、加工寸法が微細で複雑な工程を多数繰り返す必要があり、このため単位面積あたりの製造コストが高くなる。特に、上記第3の従来例では、V溝と半導体集積回路とが、Si実装基板上にモノリシック形成されているので、V溝形成領域の単位面積当たりの製造コストも半導体集積回路領域と同じになり、製造コストが大幅に高くなる。
【0089】
しかしながら、本実施形態の光・電子混載モジュールの製造方法によれば、Si実装基板101の下面に半導体集積回路112を形成するので、Si実装基板101のうちの光ファイバ実装領域101aの下面は、半導体集積回路112の大部分に利用される。つまり、Si実装基板101上の利用可能な面積(有効面積)を拡大できる。従って、光・電子混載モジュールを小型化でき、大幅にコストを削減できる。
【0090】
また、Si実装基板101が、上記第3の従来例のSi実装基板702と同じ大きさである場合、半導体集積回路の規模を大きくできるので、高性能化することができる。
【0091】
さらに、光伝送システムに要求される規模の半導体集積回路を形成する際にも、Si実装基板101上の有効面積に余裕があるので、半導体集積回路の形成プロセスにおいて、加工寸法が微細で複雑な工程を減らすことができる。従って、上記第3の従来例に比べて、製造コストを低減することができる。
【0092】
また、本実施形態の光・電子混載モジュールの製造方法によれば、V溝104および、貫通孔107を形成する際、半導体集積回路112形成のためのSi半導体プロセス中に熱酸化により形成されたSiO2膜108をエッチングマスクに用いる。このため、KOH溶液用いた異方性エッチングによりSi実装基板101をエッチングする際に、SiO2膜108を所望の形状に精密にパターニングすることができる。従って、深さの異なるV溝104および貫通孔105を同時形成する場合でも、極めて精度よく所望の形状に形成することができる。
【0093】
なお、本実施形態では、図3(a)に示す工程では、光ファイバの軸方向の位置合わせに用いる位置合わせ用溝105をダイシングによって形成する。しかしながら、これに限定されず、位置合わせ用溝105の代わりに、光ファイバの端部が押し当てられる側壁を有する凹部を形成してもよい。特に、この凹部として、貫通孔をV溝104の端部に形成すれば、この貫通孔を位置合わせに用いることができ、さらに光素子実装領域101bに形成される貫通孔107を省略することができる。このため、光・電子混載モジュールをさらに小型化することが可能である。
【0094】
なお、本実施形態では、光素子として半導体レーザチップを用いているが、発光ダイオードなど発光素子、またはPINフォトダイオード、アバランシェフォトダイオードなどの受光素子を用いてもよい。
【0095】
また、貫通孔107を、V溝104の形成と同時に異方性ウェットエッチングにより形成したが、これらを別々に形成してもよく、またドライエッチングなどの他の方法で形成してもよい。
【0096】
本実施形態では、V溝を形成する際のエッチングマスクとして、熱酸化により形成されたSiO2膜を用いたが、プラズマCVDなど他の製法で形成されたSiO2膜を用いてもよく、またSiN膜などの他の絶縁膜を用いてもよい。
【0097】
また、SiO2膜108は、他の絶縁膜であってもよい。さらに、半導体集積回路112上にSiNパッシベーション膜113を用いたが、同様の性質を有する他の材料(SiO2膜など)を用いてもよい。
【0098】
また、半田バンプ111および115の材料としてPbSnを用いているが、同様の機能を持つ他の材料(AuSn)を用いてもよい。さらに、配線の材料としてCrAuを用いているが、同様の機能を持つ他の材料(TiAu)を用いてもよい。
【0099】
また、Si実装基板101をセラミック製パッケージ116に実装したが、他の材料からなるパッケージに実装してもよい。また、Si実装基板101をプリント基板などの回路基板上に直接実装してもよい。
【0100】
(実施形態2)
本発明の実施形態2では、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100の改変例を、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態の光・電子混載モジュールの断面図である。
【0101】
本実施形態の光・電子混載モジュール200の上面図は、上記実施形態1の図1(a)とほぼ同じ図となる。つまり、本実施形態の光・電子混載モジュール200は、上記実施形態1の上記実施形態1の光・電子混載モジュール100とほぼ同じ構成を有している。しかしながら、上記実施形態1の図1(a)と本実施形態の図4とを比べるとわかるように、半導体集積回路112にフリップチップボンドによりバンプ接続された半導体チップ201が更に設けられている点で、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100とは異なる。半導体チップ201は、信号処理のための半導体集積回路を備えている。
【0102】
本実施形態によれば、半導体集積回路112に半導体チップ201上を付加することができる。従って、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100と全く同じ大きさのSi実装基板を用いて、より多くの半導体集積回路を搭載することができる。
【0103】
なお、本実施形態の光・電子混載モジュール200には、半導体集積回路112と、半導体チップ201に設けられた半導体集積回路とが形成されているが、半導体集積回路112の代わりに、配線を形成してもよい。また、本実施形態では、半導体チップ201を1つ設けているが、搭載可能であれば、複数の半導体チップ201を設けてもよい。
【0104】
また、半導体集積回路112と半導体チップ201とを接続するためのコンタクトホールおよび半田バンプは、半導体集積回路112とセラミック製パッケージ116上の配線117を接続するためのコンタクトホール114bおよび半田バンプ115と同時に形成できる。従って、本実施形態の光・電子混載モジュール200は、上記実施形態1とほぼ同じ製造方法で作製することができる。つまり、上記実施形態1の図3(a)に示す工程と、図3(a)に示す工程との間で、半導体チップ201をバンプ接続する工程を追加すればよい。
【0105】
(実施形態3)
本発明の実施形態3では、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100の改変例を、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の光・電子混載モジュールの断面図である。
【0106】
本実施形態の光・電子混載モジュール300の上面図は、上記実施形態1の図1(a)とほぼ同じ図となる。つまり、本実施形態の光・電子混載モジュール300は、上記実施形態1の上記実施形態1の光・電子混載モジュール100とほぼ同じ構成を有している。しかしながら、上記実施形態1の図1(a)と本実施形態の図5とを比べるとわかるように、SiNパッシベーション膜113上およびセラミック製パッケージ116上には、半導体集積回路112および外部回路には接続されてないランド302aおよび302bが設けられており、さらに複数のPbSnからなる半田バンプ301を用いてランド302aとランド302bとを接続している点で、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100とは異なる。
【0107】
本実施形態によれば、半田バンプ301の材料であるPbSnは、非常に高い熱伝導性を有する。このため、半導体レーザチップ110および半導体集積回路112が動作時に発生する熱を、セラミック製パッケージ116表面に有効に逃がすことができ、熱抵抗を大幅に低減することが可能である。この結果、光・電子混載モジュール300の動作中に、過度の温度上昇を防ぐことができる。従って、光・電子混載モジュール300の動作が安定化し、且つ信頼性が向上する。
【0108】
さらに、半田バンプ301を多数形成することによって放熱効果を向上させることができる。
【0109】
なお、半田バンプ301は、半導体集積回路112とセラミック製パッケージ116上の配線117を接続するための半田バンプ115と同時に形成できるので、本実施形態の光・電子混載モジュール300は、上記実施形態1と全く同じ製造方法で作製することができ、特に新たな製造工程を追加する必要はない。
【0110】
また、半田バンプ301の数は制限されない。
【0111】
(実施形態4)
本発明の実施形態4では、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100の改変例を、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の光・電子混載モジュールの断面図である。
【0112】
本実施形態の光・電子混載モジュール400の上面図は、上記実施形態1の図1(a)とほぼ同じ図となる。つまり、本実施形態の光・電子混載モジュール400は、上記実施形態1の上記実施形態1の光・電子混載モジュール100とほぼ同じ構成を有している。しかしながら、上記実施形態1の図1(a)と本実施形態の図6とを比べるとわかるように、セラミック製パッケージ116上に、SiNパッシベーション膜113と接する凸部401が設けられている点で、上記実施形態1の光・電子混載モジュール100とは異なる。
【0113】
本実施形態によれば、半導体レーザチップ110および半導体集積回路112が動作時に発生する熱を、セラミック製パッケージ116表面に有効に逃がすことができ、熱抵抗を大幅に低減することが可能である。この結果、光・電子混載モジュール400の動作中に、過度の温度上昇を防ぐことができる。従って、光・電子混載モジュール400の動作が安定化し、且つ信頼性が向上する。
【0114】
なお、本実施形態の光・電子混載モジュール300は、凸部401が設けられたセラミック製パッケージ116準備することによって、上記実施形態1と全く同じ製造方法で作製することができ、特に新たな製造工程を追加する必要はない。
【0115】
また、上記実施形態3の半田バンプ301および本実施形態の凸部401以外に、半導体集積回路112と配線117とを接続する半田バンプ115以外の接続部材を、SiNパッシベーション膜113とセラミック製パッケージ116との間に形成しても、上記実施形態3および本実施形態と同様の放熱効果が得られる。
【0116】
(実施形態5)
本発明の実施形態5を、図1を参照しながら説明する。上記実施形態1では、Si実装基板101を用いている。半導体集積回路用に通常用いられるSiの比抵抗は、数Ω〜数10Ωcm程度と低い。しかしながら、半導体レーザチップ110と半導体集積回路112とを配線109で接続し、高速の電気信号を伝送する場合、Siの低比抵抗に起因する誘電損失の影響が無視できず、伝送損失が大きくなる。その結果、半導体集積回路112から半導体レーザチップ110に、高周波信号を十分に供給することができないことがあり得る。この現象は、信号が高周波になる程、顕著となる。この誘電損失を低減する方法のひとつに、SiO2膜108の膜厚を数10μm以上に大きくすることが考えられる。しかしながら、数10μm以上の膜厚を有するSiO2膜を実際に形成することは困難である。
【0117】
そこで本実施形態では、Siの比抵抗が100Ωcm以上の大幅に高いSi実装基板101を用いる。このことによって、誘電損失を従来の10%以下に低減する。具体的には、100Ωcm以上の高比抵抗のSiは、MCZ法やFZ法を用いた結晶成長により得られる。その結果、1Gbps以上の高速の信号伝送においても、半導体集積回路112から半導体レーザチップ110に、高周波信号を十分に供給することができる。
【0118】
(実施形態6)
本発明の実施形態6を図1を参照しながら説明する。
【0119】
上記実施形態1では、Si実装基板101を用いたが、本実施形態では、Si実装基板101の代わりにGaAs実装基板を用いる。GaAsは、Siに比べて電子および正孔ともに移動度が数倍高い。このため、半導体集積回路112を、より高速動作が可能なトランジスタで形成することができる。
【0120】
トランジスタの動作速度の指標として、電流利得遮断周波数fTがある。Siの場合、電流利得遮断周波数fTは最大で20GHz程度であるのに対し、GaAsの場合、電流利得遮断周波数fTは最大で100GHz程度の値となる。このため、より高速な信号処理が可能な半導体集積回路112を作製することができる。
【0121】
また、GaAs実装基板を用いると、1×107Ω・cm以上の極めて高い比抵抗の実装基板が容易に得られるので、Siで問題となる誘電損失の影響は極めて小さくなる。
【0122】
従って、本実施形態によれば、Si実装基板101を用いた場合よりも、数倍高速な光・電子混載モジュールが得られる。
【0123】
(実施形態7)
本発明の実施形態7を図1を参照しながら説明する。
【0124】
上記実施形態1では、Si実装基板101を用いたが、本実施形態では、Si実装基板101の代わりにInP実装基板を用いる。
【0125】
InPは、GaAsよりもさらに電子および正孔の移動度が高く、fTも最大で200GHz程度が得られる。このため、より高速動作が可能なトランジスタが得られる。
【0126】
また、InP実装基板を用いると、GaAs実装基板と同等程度の極めて高い比抵抗をもつ基板が容易に得られるので、Siで問題となる誘電損失の影響は極めて小さくなる。
【0127】
従って、本実施形態によれば、GaAs実装基板を用いた上記実施形態6の光・電子混載モジュールよりも、さらに数倍高速な光・電子混載モジュールが得られる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、小型で低コスト、且つ高速動作が可能な光・電子混載モジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、実施形態1の光・電子混載モジュールの上面図であり、図1(b)は、図1(a)のI−I線に沿った断面図である。
【図2】図2は、本発明の光・電子混載モジュールの製造方法の各工程を表す上面図および断面図である。
【図3】図3は、本発明の光・電子混載モジュールの製造方法の各工程を表す上面図および断面図である。
【図4】図4は、実施形態2の光・電子混載モジュールの断面図である。
【図5】図5は、実施形態3の光・電子混載モジュールの断面図である。
【図6】図6は、実施形態4の光・電子混載モジュールの断面図である。
【図7】図7は、従来の光・電子混載モジュールの構造を表す図である。
【図8】図8は、従来の光・電子混載モジュールの構造を表す図である。
【図9】図9(a)および図9(b)は、従来の光・電子混載モジュールの構造を表す図である。
【符号の説明】
100、200、300、400、500、600、700 光・電子混載モジュール
101、501、601、702 Si実装基板
101a 光ファイバ実装領域
101b 光素子実装領域
103、503、603 光ファイバ
104、501a、701 V溝
105 位置合わせ用溝
107 貫通孔
108、108’ SiO2
109、117、605 配線
110 半導体レーザチップ
111、115、301 半田バンプ
112 半導体集積回路
113 SiNパッシベーション膜
114a、114b コンタクトホール
116 セラミック製パッケージ
201 半導体チップ
302a、302b ランド
401 凸部
502、602、704 光素子チップ
504、604 半導体集積回路チップ
505 パッケージ
703 半導体集積回路領域
705 第2の半導体集積回路領域
706 溝

Claims (15)

  1. 第1領域と第2領域とを有する第1面と、上記第1面に対向する第2面とを有する半導体実装基板と、
    上記第1面の上記第1領域上に設けられた光素子と、
    上記半導体実装基板の上記第1面の上記第2領域に形成され、上記光素子の光軸にほぼ平行に延びる第1溝と、
    上記半導体実装基板の上記第2面側に形成された電子回路と、
    上記光素子と上記電子回路とを接続する第1配線と、
    を備えている半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記第1溝に光ファイバが固定されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記第1領域に、上記第1面から上記第2面に貫通する貫通孔をさらに備え、上記第1配線は、上記貫通孔を通じて上記光素子と上記電子回路とを接続していることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記半導体実装基板の上記第1面に形成され、上記第1溝のうちの上記光素子側の端部に位置する光ファイバ位置合わせ用の凹部を有することを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置において、
    上記凹部は、上記第1溝と互いにほぼ直交するように形成された第2溝であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項4に記載の半導体装置において、
    上記凹部は、上記第1面から上記第2面に貫通する貫通孔であり、
    上記第1配線は、上記貫通孔を通じて上記光素子と上記電子回路とを接続していることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記電子回路は、上記半導体実装基板の上記第2面側に形成された半導体集積回路と、上記半導体集積回路にバンプ接続された半導体チップとを備えていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記電子回路は、上記半導体実装基板の上記第2面側に形成された第2配線と、上記第2配線にバンプ接続された半導体チップとを備えていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1に記載の半導体装置において、
    外部回路に接続された第3配線を有するパッケージと、
    上記電子回路上に形成された絶縁膜とをさらに備え、
    上記電子回路と上記パッケージの上記第3配線とは、バンプ接続されており、上記絶縁膜と上記パッケージとは、バンプ接続されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1に記載の半導体装置において、
    凸部と、外部回路に接続された第3配線とを有するパッケージと、
    上記電子回路上に形成された絶縁膜とをさらに備え、
    上記電子回路と上記パッケージの上記第3配線とは、バンプ接続されており、
    上記絶縁膜と上記凸部とは、接触していることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の半導体装置であって、
    上記半導体実装基板は、Siからなることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項1から10のいずれか1つに記載の半導体装置であって、
    上記半導体実装基板は、GaAsからなることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項1から10のいずれか1つに記載の半導体装置であって、
    上記半導体実装基板は、InPからなることを特徴とする半導体装置。
  14. 第1領域と第2領域とを有する第1面と、上記第1面に対向する第2面とを有する半導体実装基板を用意する工程(a)と、
    上記半導体実装基板の上記第2面側に電子回路を形成する工程(b)と、
    上記半導体実装基板の上記第1面の上記第2領域に光ファイバ固定用溝を形成した後、上記半導体実装基板の上記第1面の上記第1領域に、上記第1面から上記第2面に貫通する貫通孔を形成する工程(d)と、
    上記第1面の上記第2領域上および貫通孔の側面上に絶縁膜を形成した後、上記絶縁膜上に配線を形成する工程(e)と、
    上記電子回路と上記配線とを接続する工程(f)と、
    光軸が上記光ファイバ固定用溝と平行となるように、上記第1面の上記第2領域上に形成された上記配線に光素子を接続する工程(g)と、
    を含む半導体装置の製造方法。
  15. 請求項14に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)では、半導体実装基板の下面上に熱酸化膜を形成する際に同時に半導体実装基板の上面上に熱酸化膜を形成し、
    上記工程(d)では、上記半導体実装基板の上面上の熱酸化膜をパターニングすることによって熱酸化膜マスクを形成した後、上記熱酸化膜マスクを用いたウェットエッチングによって、上記光ファイバ固定用溝と上記貫通孔とを同時に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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