JP3912508B2 - 製本製造用ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製本製造時の作業性に優れ、特にこれらを古紙として再生処理する際のパルパーによる解繊工程で細裂化されず、容易にフィルターでろ過できるため、抄紙工程や紙の品質に悪影響を与えることのない製本製造用のホットメルト接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、地球の資源を守る観点から、紙、繊維、プラスチック等の種々の分野でリサイクルが実用化されている。雑誌、新聞、カレンダー等も、これらを回収、再生して再び雑誌等の製本用紙として用いることが行われている。しかし、再生する際、回収された雑誌等の背張り部分に使用される製本、カレンダー製造用のホットメルト接着剤が問題となっている。
【0003】
古紙を再生する工程は、回収された紙をパルパー(紙の解繊装置)でパルプに戻し、フィルターでろ過した後、抄紙工程を経て再生紙を作るものであるが、従来のホットメルト接着剤は、回収された紙がパルパーでパルプ化される時、細裂化、細分化されるため、次のろ過工程でパルプと共に通過してしまっていた。すなわち、パルパーで細裂化されたホットメルト接着剤は、抄紙工程で抄紙機械のワイヤー、カンバス、カレンダーロール等に汚れとして付着して紙切れ等のトラブルを起こしたり、再生紙に細裂化されたホットメルト接着剤が付着して印刷不良、印刷中の紙切れ等のトラブルを起こしたりと古紙再生の阻害要因となっていた。
【0004】
このため、この問題を解決すべく種々の提案(特開昭55−94978号、特開昭51−151733号公報)がなされてきた。例えば、水溶性又はアルカリ可溶性ホットメルト接着剤が提案されているが、フィルターろ過後の廃液にホットメルト接着剤が混入し、環境汚染という問題が生じる等の欠点があった。また、パルパーの衝撃で細裂化されずフィルターで容易にろ過分別されるように、ホットメルト接着剤の引張り強度を上げたり、耐衝撃性を上げることが提案されているが、フィルターを通過するホットメルト接着剤を、「リサイクルに適した雑誌製本のあり方に関する調査報告書(財団法人古紙再生促進センター)」に基づく試験方法において、基準値以下にすることができていない。
【0005】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、製本製造時の作業性や接着特性に優れ、かつ古紙再生処理時のパルパーによる解繊工程でも細裂化され難く、フィルターを通過するホットメルト接着剤を実用的な試験方法において基準値以下にすることができるホットメルト接着剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定量以上の高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体を含有するエチレン系共重合体、粘着付与樹脂及びワックスを特定量で配合し、一定条件下での引張り試験による50%モジュラス強度と180℃での溶融粘度が特定範囲になるホットメルト接着剤を用いることにより、接着作業性を損なうことなく、上述した古紙回収時の従来の問題点を解消し得ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、
(A)高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体を接着剤全量の35〜50重量%含有するエチレン系共重合体 40〜65重量%
(B)天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジン又は変性ロジンのグリセリンエステル、天然ロジン又は変性ロジンのペンタエリスリトールエステルから選ばれるロジン類を含む粘着付与樹脂 20〜45重量%
(C)ワックス 5〜30重量%
を含有し、23℃・65%RH条件下での引張り試験における50%モジュラス強度が20〜40kgf/cm2であり、180℃での溶融粘度が2,800〜4,500mPa・sであることを特徴とする製本製造用ホットメルト接着剤、及び上記ホットメルト接着剤を背表紙に使用して製造した製本を提供する。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のホットメルト接着剤は、高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体を含有するエチレン系共重合体(A成分)、粘着付与樹脂(B成分)、ワックス(C成分)をそれぞれ所定の割合で含有し、23℃・65%RH条件下での50%モジュラス強度が20〜40kgf/cm2の範囲であり、180℃の溶融粘度が用途に応じて所定の範囲となる物性を示すものである。
【0009】
(A)成分は、高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体を一定量以上含有するエチレン系共重合体であり、ホットメルト接着剤のベースポリマーとなるものである。一般的にエチレン酢酸ビニル共重合体のみを配合すると、ホットメルト接着剤に難細裂化性が付与されるが、固化スピードが遅くなる。ホットメルト接着剤に難細裂化性を付与した上で、製本製造時の作業性に適した固化スピードを達成するために、高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体を一定量以上含有する必要がある。この場合、高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量は、製本製造用では難細裂化性の付与と固化スピードの調整のため接着剤全量の35〜50重量%である。なお、高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体は、難細裂化性付与と固化スピード調整のため全量使用してもよい。
【0010】
高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含量26〜35重量%、メルトフローレート130〜1200g/10分の範囲から選ばれるのが好ましく、例えば、高結晶性EVAFLEX(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名)のEVAFLEX205W(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート(800g/10分)、EVAFLEX210ET(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート400g/10分)、EVAFLEX220ET(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート150g/10分)、及び高結晶性ウルトラセン(東ソー社製、商品名)のウルトラセン735(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート1000g/10分)、ウルトラセン0B52D(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート150g/10分)、ウルトラセン0B53D(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート400g/10分)、ウルトラセン0B54D(酢酸ビニル含量33重量%、メルトフローレート400g/10分)等が挙げられ、1種単独又は2種以上を併用して用いることができる。これらは、従来の同一組成のエチレン酢酸ビニル共重合体と比較して短鎖分岐が少なく、結晶化度が高いため、樹脂の高融点化、高強度化等の特性が付与されている。
【0011】
また、一般的なエチレン系共重合体を含む場合は、例えば、その他のエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメタクリレート共重合体等が挙げられ、これらの中から1種単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
【0012】
エチレン系共重合体の配合量は、製本用製造用では通常40〜65重量%であり、好ましくは40〜60重量%である。40重量%未満だと、柔軟性がなくなり古紙回収時のパルパーにて細裂化されてしまう。また65重量%を超えると、接着剤塗工時の粘度が上がり過ぎ、塗工性が損なわれる。
【0013】
(B)成分の粘着付与樹脂は、接着力の向上や接着剤の濡れ及び作業性を良好にするために用いられるものであり、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジン又は変性ロジンのグリセリンエステル、天然ロジン又は変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー又は天然テルペンの三次元ポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂及びその水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂及びその水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂及びその水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂及びその水素化誘導体が挙げられる。これらは1種単独で又は2種類以上併用して用いることができる。
【0014】
(B)成分の粘着付与樹脂の配合量は、製本製造用では通常20〜45重量%であり、好ましくは20〜40重量%である。20重量%未満だと被着体の紙への濡れが悪く、また接着力が弱くなり、45重量%を超えると柔軟性及び耐寒性が悪くなる。
【0015】
(C)成分のワックスは、接着剤の溶融粘度を低下させて作業性を良好にし、ブロッキング防止、オープンタイムの調節、耐熱性向上のためにも用いられるものである。ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシヤートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、脂肪酸、脂肪酸グリセライド等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種類以上併用して用いることができる。
【0016】
(C)成分のワックスの配合量は、製本製造用では通常5〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。5重量%未満だと作業時の流動性が悪く、固化スピードが長くなり、30重量%を超えると耐寒性、接着性が悪くなる。
【0017】
本発明のホットメルト接着剤には、必須成分であるエチレン系共重合体、粘着付与樹脂及びワックス以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリアルファオレフィン等のオレフィン系ポリマー、無機又は有機充填剤、軟化剤、オイル、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の各種添加剤の1種単独又は2種以上が含有されていてもよい。
【0018】
本発明のホットメルト接着剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記各成分を溶融撹拌混合釜に入れて加熱混合する等によって得られる。
【0019】
本発明のホットメルト接着剤は、23℃・65%RH条件下での引張り試験における50%モジュラス強度が20〜40kgf/cm2であり、特に20〜35kgf/cm2が好ましい。
【0020】
なお、50%モジュラス強度は、ホットメルト接着剤を約1mm厚のフィルムにプレス成形しダンベル3号で打ち抜いた試験片を作製し、JIS K7113に準じ23℃・65%RHの雰囲気下で5mm/分の引張りスピードで引張試験を行い、ダンベル試験片の標線間の伸び率が50%になった時の強度を測定し、得られた強度を試料の断面積で除して、単位(kgf/cm2)で表した値である。ホットメルト接着剤の50%モジュラス強度が20kgf/cm2未満であるとフィルムは軟らかくなるが、弾性力が無く、離解処理時に細裂化してしまい、40kgf/cm2を超えるとフィルムは硬くもろくなるため、離解処理時に細かく裂化してしまう。
【0021】
本発明のホットメルト接着剤は、製本製造用又はカレンダー製造用として使用されるが、それぞれの製造方法に応じて好ましい溶融粘度がある。
ホットメルト接着剤を用いた製本方式は、主に無線綴と言われるもので、糸、針金を使用せず、複数の折丁の背に切り込みを入れ、その背の部分にロールコーターで160〜190℃に溶融されたホットメルト接着剤を塗布し、その折丁の背と表紙を同時に綴じる方法である。この方式では、一般にロールコーターを用いて塗布するため、180℃での溶融粘度が1,000〜10,000mPa・sであり、好ましくは2,000〜8,000mPa・sの範囲である。溶融粘度が1,000mPa・s未満では、接着剤の粘性が低すぎてロールコーターから折丁の背の部分に十分に転写されないし、10,000mPa・sを超えると、紙への滲みこみが悪く接着不良となるし、塗布面が平滑とならず、本の仕上がり状態が良くない。
【0022】
また、カレンダーは、複数枚のコート紙からなる本体の接着すべき縁部に複数の貫通孔を一列に開け、各貫通孔にノズルより140〜180℃に溶融されたホットメルト接着剤を吐出、充填し、この縁部に二つ折りにした背カバーを当てがい押さえつけて貼り合わせる方法が一般的である。この方法では、ノズルタイプの塗工機を用いて塗布するため、180℃での溶融粘度が400〜2,500mPa・sであり、好ましくは600〜2,000mPa・sの範囲である。溶融粘度が400mPa・s未満では、接着剤が貫通孔より流れ出てしまうし、2,500mPa・sを超えると、ノズルからの糸引きが激しく製品表面を汚すことになる。
【0023】
なお、溶融粘度は、日本接着剤工業会規格JAI7(ホットメルト接着剤試験方法)に準じて各ホットメルト接着剤の溶融粘度をB法、測定温度180℃で測定した値である。
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部と重量%を示す。
【0024】
[実施例1]
高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体としてEVAFLEX220ET(三井・デュポンポリケミカル社製商品名、酢酸ビニル含量28%、MFR(メルトフローレート、以下同じ)150g/10分)35部、一般タイプのエチレン酢酸ビニル系共重合体としてEVAFLEX250(三井・デュポンポリケミカル社製商品名、酢酸ビニル含量28%、MFR15g/10分)10部、粘着付与樹脂としてペンセルAD(荒川化学工業社製商品名、ロジンエステル、軟化点100℃)35部、ワックスとしてパラフィントH−1(シューマン・サゾール社製商品名、フィッシャートロプシュワックス)15部、155゜Fパラフィンワックス(日本精蝋社製、融点69℃)5部及びその他の成分として酸化チタン(堺化学工業社製、ルチル型)1部を180℃で溶融混合し、製本製造用ホットメルト接着剤を調製した。
【0025】
[実施例2〜3,参考例1〜3,比較例1〜4]
実施例1と同様にして表1に示される原料種類と仕込量の配合組成に基づいて各成分を180℃で溶融混合し、製本製造用ホットメルト接着剤を調製した。
【0028】
【表1】
【0029】
EVAFLEX220ET:高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量28%、MFR=150g/10分
EVAFLEX210ET:高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量28%、MFR=400g/10分
EVAFLEX205W:高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量28%、MFR=800g/10分
EVAFLEX250:エチレン酢酸ビニル共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量28%、MFR=15g/10分
EVAFLEX220:エチレン酢酸ビニル共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量28%、MFR=150g/10分
EVAFLEX210:エチレン酢酸ビニル共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量28%、MFR=400g/10分
ペンセルAD:ロジンエステル、荒川化学工業社製、軟化点100℃
スーパーエステルA−125:ロジンエステル、荒川化学工業社製、軟化点125℃
ペトコール120:芳香族石油樹脂、東ソー社製、軟化点120℃
アルコンP−100:水素付加芳香族系石油樹脂、荒川化学工業社製、軟化点100℃
パラフィントH−1:フィッシャートロプシュワックス、シューマン・サゾール社製、軟化点107℃
ネオワックスL:ポリエチレンワックス、ヤスハラケミカル社製、融点105℃
155゜Fパラフィン:パラフィンワックス、日本精蝋社製、融点69℃
HNP−9:パラフィンワックス、日本精蝋社製、融点75℃
ビスタックL:アタクチックポリプロピレン、千葉ファインケミカル社製
UT−2535:非晶性ポリオレフィン樹脂、宇部興産社製、プロピレン/エチレンタイプ
酸化チタン:ルチル型、堺化学工業社製
【0030】
実施例1〜3、参考例1〜3、比較例1〜7で得られたホットメルト接着剤について、溶融粘度、50%モジュラス強度、固化スピード、塗工性、糸引き性及び難細裂化性について性能試験を行なった。結果を表3,4に示す。なお、試験方法はつぎの通りである。
(1)溶融粘度
日本接着剤工業会規格JAI7(ホットメルト接着剤試験方法)に準じて各ホットメルト接着剤の溶融粘度をB法、測定温度180℃で測定した。
(2)50%モジュラス強度
各ホットメルト接着剤を約1mm厚のフィルムにプレス成形し、ダンベル3号を用い規定の大きさに打ち抜き試験片とした。その後、試験片を温度23℃、湿度65%の雰囲気下に24時間放置し標線部の厚みを測定した。次に、同一温度、湿度条件下でJIS K7113に準じて引張試験機AUTOGRAPH(島津製作所製)を使用して、5mm/分の引張りスピードで引張試験を行い、ダンベル試験片の標線間の伸び率が50%になった時の強度を測定し、試料の断面積で除し、単位(kgf/cm2)で表記した。
(3)固化スピード
温度23℃、湿度65%の室内で、接着力測定機ASM−15(日本たばこ産業社製)を用い、各ホットメルト接着剤を塗布温度180℃、塗布量1.5g/m、塗工速度30m/minでKライナー段ボール(サイズ50mm×100mm)に塗布し、同材質、同サイズの段ボールにオープンタイム1秒、プレス荷重2kgで貼り合わせ、所定の時間(セットタイム)経過後、強制的に剥がし、段ボールの材料破壊率を測定し、材料破壊率60%以上を示す最短のセットタイムを求め、固化スピードとした。なお、実用的製本製造機では8秒以内であることが必要である。
(4)塗工性(製本用ホットメルト)
各ホットメルト接着剤をロールコーター(サンセイ理工社製)を用いて塗布温度180℃、塗布量100〜150g/m2の条件で約30mm×200mmの本背部分に塗布し、表紙を貼り合わせ製本にした。その際の塗布面の状態、紙への滲み込み状態を観察して、全てが良好な状態の場合を〇で示した。
(5)難細裂化性
各ホットメルト接着剤を0.8mm厚のフィルム状にし、30mm×30mmの大きさに切り取ったもの3枚と新聞古紙50gを、30℃に加温した0.025%苛性ソーダ水溶液2リットル入のTAPPI標準離解機(JIS P−8209/TAPPI T205)に加え、回転数3,000rpmで30分間離解処理を行った。離解処理スラリーを振動型フラットスクリーン(熊谷理機社製)を用いて、水流10リットル/分で10カット5分間と6カット6分間のスクリーン処理を行い、6カットスクリーン上に残った0.1mm2以上のホットメルト接着剤の数を目視で数えた。なお、実用的な難細裂化性には残査個数20個以下であることが必要である。
【0031】
【表3】
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、使用時の固化スピードの早いことによる作業性に優れ、かつ古紙として再生処理する際のパルパーによる解繊工程で細裂化されず、容易にフィルターでろ過できるため、抄紙工程や紙の品質に悪影響を与えることのない製本製造に最適なホットメルト接着剤を提供することができる。
Claims (2)
- (A)高結晶性エチレン酢酸ビニル共重合体を接着剤全量の35〜50重量%含有するエチレン系共重合体 40〜65重量%
(B)天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジン又は変性ロジンのグリセリンエステル、天然ロジン又は変性ロジンのペンタエリスリトールエステルから選ばれるロジン類を含む粘着付与樹脂 20〜45重量%
(C)ワックス 5〜30重量%
を含有し、23℃・65%RH条件下での引張り試験における50%モジュラス強度が20〜40kgf/cm2であり、180℃での溶融粘度が2,800〜4,500mPa・sであることを特徴とする製本製造用ホットメルト接着剤。 - 請求項1記載のホットメルト接着剤を背表紙に使用して製造した製本。
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