JP2002003804A - ホットメルト接着剤 - Google Patents

ホットメルト接着剤

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JP2002003804A
JP2002003804A JP2000183110A JP2000183110A JP2002003804A JP 2002003804 A JP2002003804 A JP 2002003804A JP 2000183110 A JP2000183110 A JP 2000183110A JP 2000183110 A JP2000183110 A JP 2000183110A JP 2002003804 A JP2002003804 A JP 2002003804A
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Japan
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hot melt
melt adhesive
ethylene
wax
filter
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JP2000183110A
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English (en)
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Tomoaki Watanabe
朋亮 渡辺
Kazuhiro Aso
和博 阿曽
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Nippon NSC Ltd
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Nippon NSC Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性が高い、塗工可能温度が低い、塗工時
に低粘度、タックが生ずる温度が高い、耐ブロッキング
性が高い、及びオープンタイムが短いこと等の少なくと
も1つの特性が改善されたホットメルト接着剤を提供す
る。 【解決手段】 (A)エチレン−n−ブチルアクリレー
ト共重合体を含んで成るホットメルト接着剤である。
(B)粘着付与樹脂及び(C)軟化点が120℃以上の
ワックスを、更に含むのが好ましい。その組成は、
(A)エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体:3
〜60重量%、(B)粘着付与樹脂:5〜50重量%、
及び(C)ワックス:1〜30重量%が好ましい。更
に、(D)軟化点が120℃未満のワックスを、3〜1
5重量%含むのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルト接着
剤、特に、濾材をプリーツ加工することによって作製さ
れるフィルターに用いられるホットメルト接着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】不織布等の濾材をプリーツ加工(ひだ折
り)して作製したフィルターを用いて、空気その他の流
体を通過させて粉塵を除去することは公知である。濾材
をひだ折するのは、通過する流体に対するフィルターの
面積をできるだけ広くするためであって、このために
は、ひだはより高くかつその数が多い方が好ましい。し
かし、ひだの高さやひだの数を増加すると、通過する流
体の圧力によって、ひだが変形し、ひだ同士が接触し易
くなる。ひだの接触は、フィルターのろ過面積を減少せ
しめ、通気性を低下させ、大きな圧力損失を生じるの
で、フィルター性能低下の原因となる。従って、ひだの
接触を防止することが必要である。
【0003】ひだの接触を防止するために種々の方法が
提案されている。例えば、ひだ折りする前の濾材に、折
り曲げ線を横切る方向にホットメルト接着剤を線状に連
続的に塗布した後に、ひだ折りしてフィルターのひだと
ひだの間に固化したホットメルト接着剤を介在させるこ
とで、ひだの変形を防止する方法が、開示されている
(特開平4−40206号公報参照)。
【0004】また、例えば、ジグザク状にプリーツ加工
された濾材の片面に頂部部分で抗張力体をホットメルト
接着剤で接着することによりひだの変形を防止し、機械
的な引っ張り強度が高いフィルターを得る方法が開示さ
れている(特開平1−317519号公報参照)。さら
にまた、例えば、ひだの配列を整然とさせ、型くずれし
難いフィルターを得るために、発泡性の樹脂をホットメ
ルト接着剤として使用して、フィルターのひだとひだの
間の接着性に柔軟性を持たせる方法が開示されている
(特開平7−47211号公報参照)。
【0005】このように、ホットメルト接着剤は、プリ
ーツ成型されたフィルターのひだの接触を防止する方法
においてきわめて重要な役割を果たしているが、従来か
ら濾材のプリーツ加工に用いられてきた、ホットメルト
接着剤は、エチレン/酢酸ビニル(EVA)系の接着剤
ならびにポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエチ
レン/ポリプロピレン系の接着剤であったので(特開平
5−103936号公報参照)、以下のような問題があ
る。
【0006】プリーツ加工を行いホットメルト接着剤で
接着した後のフィルターを、それより小さめの型枠には
め込んだり、フィルターを円筒形状又はジグザク状等の
種々の二次成型を行う際に、ホットメルト接着剤の柔軟
性が低いので、ホットメルト接着剤の接着面が剥離し易
く、所定通りの加工をすることが困難である。柔軟性を
高めると高温で型くずれしやすくなるので、高温で型く
ずれするのを防止するために軟化点の高いホットメルト
接着剤とすると、粘度が上昇するため塗工温度が高くな
るという問題がある。
【0007】ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリ
エチレン/ポリプロピレン系のホットメルト接着剤の場
合、ホットメルト接着剤の粘度及び粘度の温度依存性が
高く、高温にしないと、工業的生産工程において塗工で
きる低い粘度にならないので、例えば、180℃以上の
高温でホットメルト接着剤を塗工しなければならない。
従って、例えば、フィルターの濾材がポリプロピレンで
ある場合、180℃という塗工温度によって、濾材であ
るポリプロピレンが変形するという問題がある。
【0008】濾材のポリプロピレンの変形を避けるため
に塗工温度を下げると、ホットメルト接着剤の粘度が高
くなりすぎて、ホットメルト接着剤の安定した塗工をす
ることができなくなるという問題がある。例えば、15
0℃で塗工する場合、ホットメルト接着剤の粘度は、3
0Pa・s以下が好ましい。
【0009】また、近年地球環境保護の観点から、プリ
ーツ加工されたフィルターを型枠にはめないで、フィル
ターのみを交換部品として、ポリエチレン製等の袋に梱
包して販売する傾向にあるが、ホットメルト接着剤のタ
ック(粘着性)が生ずる温度が低いので、輸送中に、コ
ンテナ内部の温度上昇に伴い、ホットメルト接着剤がタ
ックを帯びて、包装用の袋がプリーツ加工されたフィル
ターに付着するという問題もある。
【0010】さらにまた、非晶質のポリエチレン、ポリ
プロピレン、及びポリエチレン/ポリプロピレン系のホ
ットメルト接着剤の場合は、接着剤が固化する速度が遅
いので、ホットメルト接着剤を塗工後フィルターのヒダ
を折りプリーツ成型するまでの時間(以下「オープンタ
イム」という。)を、接着剤が固化する時間に合わせて
長くする必要がある。フィルターを折るまでの時間をよ
り長くするために、フィルターを作製するラインの速度
を低下する、又はフィルターに接着剤を塗工する地点か
らフィルターを折りたたむ地点までの距離を長くするこ
とが行われている。従って、オープンタイムが長いの
で、生産性が非常に悪いという問題も有る。
【0011】従って、柔軟性が高いこと、塗工可能温度
が低いこと、塗工時に低粘度であること、タックが生ず
る温度が高いこと、耐ブロッキング性が高いこと、及び
オープンタイムが短いこと等の少なくとも1つの特性が
改善された、特性のバランスのよいホットメルト接着剤
が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、その課題は、柔軟性
が高いこと、塗工可能な温度が低いこと、塗工時に粘度
が低いこと、タックが生ずる温度が高いこと、耐ブロッ
キング性が高いこと、及びオープンタイムが短いこと
等、今までのホットメルト接着剤と比較して、少なくと
も上述の1つの特性が改善された特性のバランスが良い
ホットメルト接着剤を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、新たな接着剤が提供され、それは、(A)エチレ
ン−n−ブチルアクリレート共重合体を含んで成ること
を特徴とするホットメルト接着剤である。これは、特
に、濾材のプリーツ加工に用いてフィルターを製造する
ためのホットメルト接着剤に好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において「(A)エチレン
−n−ブチルアクリレート共重合体(以下「(A)共重
合体」ともいう。)」とは、エチレンとn−ブチルアク
リレートが共重合(付加重合又はラジカル重合)したい
わゆるエチレン−n−ブチルアクリレート共重合体であ
って、1種のエチレン−n−ブチルアクリレート共重合
体の単独(以下「単独」ともいう)でも、複数種のエチ
レン−n−ブチルアクリレート共重合体の組み合わせ
(以下「組み合わせ」ともいう)でもよい。(A)共重
合体は、本発明のホットメルト接着剤の耐熱性を維持し
つつ、高い柔軟性を発現するという機能を有する。
(A)共重合体は、本発明のホットメルト接着剤が、そ
の性能を発揮すれば、特に制限されるものではない。
【0015】(A)共重合体のn−ブチルアクリレート
含量は、本発明のホットメルト接着剤がその性能を発揮
すれば、特に限定されることはないが、3〜60重量%
が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。ここで
(A)共重合体の「n−ブチルアクリレート含量」と
は、赤外分光法を用いて測定される(A)共重合体の
(エステル結合の)スペクトルを、標準サンプルのスペ
クトルと比較することで得られる重量%(又は質量%)
をいう。
【0016】尚、本発明において「(A)エチレン−n
−ブチルアクリレート共重合体」が単独(1種からな
る)の場合、「n−ブチルアクリレート含量」とは、そ
の(A)エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体の
単独の値であり、「(A)エチレン−n−ブチルアクリ
レート共重合体」が組み合わせ(複数種からなる)の場
合、「n−ブチルアクリレート含量」とは、その組み合
わせのn−ブチルアクリレート含量の値である。
【0017】従って、「(A)エチレン−n−ブチルア
クリレート共重合体」が組み合わせの場合、組み合わさ
れるエチレン−n−ブチルアクリレート共重合体の各々
のn−ブチルアクリレート含量は、特に限定されること
はないが、組み合わされることによって得られる組み合
せ全体のn−ブチルアクリレート含量は、3〜60重量
%が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。この場
合、組み合わされるエチレン−n−ブチルアクリレート
共重合体の各々のn−ブチルアクリレート含量は、いず
れも3〜60重量%が好ましく、5〜50重量%がより
好ましい。
【0018】尚、組み合わせのn−ブチルアクリレート
含量として、式(I)を用いて算出した値を用いてもよ
い。 組み合わせのn−ブチルアクリレート含量(重量%) =(EB11×EB12+EB21×EB22+EB31×EB32・・・)/100 (I) [但し、式(I)において、EB11、EB21、EB3
1、・・・は、組み合わせ全体を基準(100重量%)
とする組み合わされるエチレン−n−ブチルアクリレー
ト共重合体(EB1、EB2、EB3、・・・)の各々
の重量%であり、EB12、EB22、EB32、・・・
は、組み合わされるエチレン−n−ブチルアクリレート
共重合体(EB1、EB2、EB3、・・・)の各々の
n−ブチルアクリレート含量である。]
【0019】(A)エチレン−n−ブチルアクリレート
共重合体のメルトインデックス(又はメルトフローレー
ト)は、本発明のホットメルト接着剤がその性能を発揮
すれば、特に限定されることはないが、1〜2,000
が好ましく、3〜1,000がより好ましい。ここで、
(A)エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体の
「メルトインデックス」とは、ASTM D1238に
記載の方法を用いて測定される値をいう。
【0020】尚、本発明において「(A)エチレン−n
−ブチルアクリレート共重合体」が単独(1種からな
る)の場合、「メルトインデックス」とは、その(A)
エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体の単独の値
であり、「(A)エチレン−n−ブチルアクリレート共
重合体」が組み合わせ(複数種からなる)の場合、「メ
ルトインデックス」とは、その組み合わせのメルトイン
デックスの値である。
【0021】従って、「(A)エチレン−n−ブチルア
クリレート共重合体」が組み合わせの場合、組み合わさ
れるエチレン−n−ブチルアクリレート共重合体の各々
のメルトインデックスは、特に限定されることはない
が、組み合わされることによって得られる組み合せ全体
のメルトインデックスは、1〜2,000が好ましく、
3〜1,000がより好ましい。この場合、組み合わさ
れるエチレン−n−ブチルアクリレート共重合体の各々
のメルトインデックスは、いずれも1〜2,000が好
ましく、1〜1,500がより好ましい。
【0022】このような(A)エチレン−n−ブチルア
クリレート共重合体は、既知の方法を用いて製造できる
が、市販のものを使用することができる。例えば、
(A)エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体とし
て、エクソン化学(Exxon Chemical)社製のエスコーレ
ン(Escoren)XW.22AH(35BA320MI)
(商品名)及びエスコーレン(Escoren)XW.23A
H(35BA900MI)(商品名)、並びにエルフ・
アトケム(Elf Atochem)社製のロトリル(Lotryl)3
5BA40(35BA40MI)(商品名)及びロトリ
ル(Lotryl)35BA320(35BA320MI)
(商品名)等を例示できる。尚、本明細書において「○
○BA」とは、n−ブチルアクリレート含量が○○重量
%であることを意味し、「××MI」とは、メルトイン
デックスが××であることを意味する。
【0023】これらの(A)エチレン−n−ブチルアク
リレート共重合体は、上述したように単独で又は複数種
を組み合わせて用いることができる。本発明のホットメ
ルト接着剤は、(A)エチレン−n−ブチルアクリレー
ト共重合体を3〜60重量%含んで成るのが好ましく、
5〜50重量%含んで成るのがより好ましい。
【0024】このような本発明のホットメルト接着剤の
軟化点は、90〜150℃が好ましく、100〜145
℃がより好ましい。更に、本発明のホットメルト接着剤
の塗工温度(例えば、150℃)での粘度は、2,00
0〜30,000mPa・sが好ましく、3,000〜2
0,000mPa・sがより好ましい。また、本発明の
ホットメルト接着剤のオープンタイムは、5〜40秒が
好ましい。
【0025】更に、本発明のホットメルト接着剤は、柔
軟性が高いものが好ましい。尚、本発明のホットメルト
接着剤の「軟化点」、「塗工温度での粘度」、及び「オ
ープンタイム」とは、後述する実施例に記載の評価(測
定)方法を用いて、評価(測定)した値をいう。また、
「柔軟性が高い」とは、後述する実施例に記載の評価方
法を用いて、0℃、20℃及び50℃のいずれの温度に
おいても割れを生じないことをいう。
【0026】本発明のホットメルト接着剤は、(B)粘
着付与樹脂及び(C)軟化点が120℃以上のワックス
を、更に含んで成るのが好ましい。本発明において
「(B)粘着付与樹脂」とは、ホットメルト接着剤に通
常使用されるいわゆる粘着付与樹脂であれば、特に制限
されるものではない。(B)粘着付与樹脂とは、ホット
メルト接着剤の濡れ性を向上させ、初期接着力を付与す
ると共にホットメルト接着剤の溶融粘度を低下させて、
塗工工程の作業性等を改善する機能を有する。
【0027】「(B)粘着付与樹脂」として、例えば、
芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂肪族−芳香族
系石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、変性テル
ペン系樹脂、変性ロジン系樹脂、及びスチレン系石油樹
脂等から選ばれる少なくとも1種を例示することができ
る。
【0028】更に、本発明においては、「(B)粘着付
与樹脂」として、「水素添加された粘着付与樹脂(以
下、「水添系粘着付与樹脂」という。)」を用いるのが
好ましい。水添系粘着付与樹脂とは、上述の(B)粘着
付与樹脂を部分的又は完全に水素添加した粘着付与樹脂
であって、無色もしくは白色に近く、分子鎖中の炭素−
炭素間の二重結合の数を減じることによって、臭気を低
下させ、実質的に臭気を感じさせないものであって、溶
融時や長期使用時の酸化劣化を減少せしめたものをい
う。
【0029】「水添系粘着付与樹脂」として、例えば、
いずれも部分的又は完全に水素添加された、芳香族系石
油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂肪族−芳香族系石油樹
脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、変性テルペン系樹
脂、変性ロジン系樹脂、及びスチレン系石油樹脂等から
選ばれる少なくとも1種を例示することができる。
【0030】(B)粘着付与樹脂は、既知の方法を用い
て製造できるが、市販のものを使用することができる。
例えば、(B)粘着付与樹脂として、ヤスハラケミカル
社製のクリアロン(Clearon)P−105(商品名)、
出光石油化学社製のアイマーブS−100N(商品名)
及びアイマーブP−100(商品名)、トーネックス社
製のエスコレッツ(Escorez)5300(商品名)、荒川
化学社製のアルコンM−105及びP−100(商品名)
等を例示できる。
【0031】これらの(B)粘着付与樹脂は、単独で又
は複数種を組み合わせて用いることができる 本発明のホットメルト接着剤は、(B)粘着付与樹脂を
5〜50重量%含んで成るのが好ましく、10〜40重
量%含んで成るのがより好ましい。
【0032】本発明において「(C)軟化点が120℃
以上のワックス(以下「(C)ワックス」ともいう)」
とは、軟化点が120℃以上のいわゆるワックスであっ
て、本発明のホットメルト接着剤がその性能を発揮する
ものであれば、特に制限されるものではない。そのよう
な(C)軟化点が120℃以上のワックスとして、例え
ば、ワックス状の結晶性ポリプロピレンワックス及びワ
ックス状の結晶性ポリエチレンワックスから選択される
少なくとも1種を例示できる。
【0033】(C)ワックスの軟化点は、120℃以上
であり、120〜160℃がより好ましい。更にそれら
の針入度は、7以下が好ましく、2以下がより好まし
い。ここで(C)ワックスの軟化点とは、JIS K2
207に記載の方法を用いて測定された値をいう。針入
度とは、JIS K2207に記載の方法を用いて、2
5℃で測定された値をいう。
【0034】(C)ワックスとして、ワックス状の結晶
性ポリプロピレンワックス及びワックス状の結晶性ポリ
エチレンワックスから選択される少なくとも1種が好ま
しい。そのような「結晶性ポリプロピレンワックス」の
数平均分子量は、本発明の目的とする性能を発揮すれば
特に制限されないが、一般的に2,000〜20,000
が好ましく、2,000〜10,000がより好ましく、
2,000〜7,000が特に好ましい。「結晶性ポリプ
ロピレンワックス」の軟化点は、140〜160℃が特
に好ましい。
【0035】そのような「結晶性ポリエチレンワック
ス」の数平均分子量は、本発明の目的とする性能を発揮
すれば特に制限されないが、一般的に1,000〜10,
000が好ましく、1,000〜4,000がより好まし
く、1,000〜3,000が特に好ましい。「結晶性ポ
リエチレンワックス」の軟化点は、120〜145℃が
特に好ましい。
【0036】上記の(C)軟化点が120℃以上のワッ
クスは、既知の方法を用いて製造できるが、市販のもの
を使用することができる。例えば、(C)ワックスとし
て、三井化学社製のハイワックス400P(商品名)及
びNP-105(商品名)、三洋化成社製のサンワックス
LEL−400P及びビスコール550P(商品名)等
を例示できる。
【0037】これらの(C)ワックスは、単独で又は複
数種を組み合わせて用いることができる 本発明のホットメルト接着剤は、(C)ワックスを1〜
30重量%含んで成るのが好ましく、3〜25重量%含
んで成るのがより好ましい。
【0038】更に本発明のホットメルト接着剤は、
(A)エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体:3
〜60重量%、(B)粘着付与樹脂:5〜50重量%、
及び(C)軟化点が120℃以上のワックス:1〜30
重量%を含むのが好ましく、(A)エチレン−n−ブチ
ルアクリレート共重合体:5〜50重量%、(B)粘着
付与樹脂:10〜40重量%、及び(C)軟化点が12
0℃以上のワックス:3〜25重量%を含むのがより好
ましい。
【0039】本発明のホットメルト接着剤は、(D)軟
化点が120℃未満のワックスを、更に3〜15重量%
含んで成るのが好ましい。本発明において「(D)軟化
点が120℃未満のワックス(以下「(D)ワックス」
ともいう)」とは、いわゆるワックスであって、軟化点
が120℃未満のものをいい、本発明のホットメルト接
着剤がその性能を発揮するものであれば、特に制限され
るものではない。
【0040】そのような(D)軟化点が120℃未満の
ワックスとして、例えば、フィッシャー・トロプッシュ
法、重合法もしくは分解法によって製造される合成ワッ
クス、低軟化点の結晶性ポリオレフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、カスターワックス、及びメ
ルトインデックスが10,000以上のエチレン−酢酸
ビニル共重合体を例示できる。更に、そのような(D)
軟化点が120℃未満のワックスとして、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、及びそれらのエステル、並びに
酢酸ビニルから選択される少なくとも1種とエチレンの
共重合体であって、軟化点が120℃未満のものを例示
できる(但し、エチレン−n−ブチルアクリレート共重
合体を除く)。
【0041】更に、そのような(D)ワックスとして、
フィッシャー・トロプッシュ法によって製造される合成
ワックス、低軟化点の結晶性ポリエチレンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、カスターワックス、並び
にメルトインデックスが10,000以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種がよ
り好ましい。更に、そのような(D)ワックスとして、
マイクロクリスタリンワックスが、特に好ましい。
【0042】更に、(D)ワックスの軟化点は、120
℃未満であり、70℃以上120℃未満がより好まし
く、80〜110℃が特に好ましい。また、(D)ワッ
クスの針入度は、50以下が好ましく、30以下がより
好ましい。尚、(D)ワックスの軟化点とは、JIS
K2207に記載の方法を用いて測定された値をいう。
また、(D)の針入度とは、JIS K2235に記載
の方法を用いて測定された値をいう。
【0043】これらの(D)軟化点が120℃未満のワ
ックスは、既知の方法を用いて製造できるが、市販のも
のを使用することができる。(D)軟化点が120℃未
満ののワックスとして、例えば、以下のものを例示でき
る:三井化学社製のハイワックス110P(商品名)等
の低軟化点の結晶性ポリオレフィンワックス;日本石油
社製の日石180マイクロワックス(商品名)、日本精
鑞社製のハイーミック(Hi-Mic)1080(商品名)、
及びサゾール社製のサゾール(Sazol)H1(商品名) 、及
びMobil社製のマイクロワックス180(商品名)
等のマイクロクリスタリンワックス;伊藤製油社製のカ
スターワックス(商品名)等のカスターワックス;及び
住友化学社製のスタビノールFI330K(商品名)等
のメルトインデックスが10,0000以上のエチレン
−酢酸ビニル共重合体。
【0044】これらの(D)軟化点が120未満のワッ
クスは、単独で又は複数種を組み合わせて用いることが
できる 本発明のホットメルト接着剤は、上記の(D)軟化点が
120℃未満のワックスを、更に3〜15重量%含んで
成るのが好ましく、5〜15重量%含んで成るのがより
好ましい。
【0045】更に本発明のホットメルト接着剤は、
(E)エチレン−酢酸ビニル共重合体を、含んで成るこ
とができる。ここで「(E)エチレン−酢酸ビニル共重
合体(以下「(E)共重合体」ともいう。)」とは、エ
チレンと酢酸ビニルが共重合(付加重合又はラジカル重
合)したいわゆるエチレン−酢酸ビニル共重合体であっ
て、1種のエチレン−酢酸ビニル共重合体の単独(以下
「単独」ともいう)でも、複数種のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の組み合わせ(以下「組み合わせ」ともい
う)でもよい。(E)共重合体は、本発明のホットメル
ト接着剤がその性能を発揮すれば、特に制限されるもの
ではない。
【0046】(E)共重合体の酢酸ビニル含量は、本発
明のホットメルト接着剤がその性能を発揮すれば、特に
限定されることはないが、5〜50重量%が好ましく、
10〜40重量%がより好ましい。ここで、(E)共重
合体の「酢酸ビニル含量」とは、JIS K6730に
記載の方法を用いて測定される重量%(又は質量%)を
いう。尚、本発明において「(E)エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体」が単独(1種からなる)の場合、「酢酸ビ
ニル含量」とは、その(E)エチレン−酢酸ビニル共重
合体の単独の値であり、「(E)エチレン−酢酸ビニル
共重合体」が組み合わせ(複数種からなる)の場合、
「酢酸ビニル含量」とは、その組み合わせの酢酸ビニル
含量の値である。
【0047】従って、「(E)エチレン−酢酸ビニル共
重合体」が組み合わせの場合、組み合わされるエチレン
−酢酸ビニル共重合体の各々の酢酸ビニル含量は、特に
限定されることはないが、組み合わされることによって
得られる組み合せ全体の酢酸ビニル含量は、5〜50重
量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。こ
の場合、組み合わされるエチレン−酢酸ビニル共重合体
の各々の酢酸ビニル含量は、いずれも5〜50重量%が
好ましく、10〜40重量%がより好ましい。
【0048】尚、組み合わせの酢酸ビニル含量として、
式(II)を用いて算出した値を用いてもよい。 組み合わせの酢酸ビニル含量(重量%) =(EV11×EV12+EV21×EV22+EV31×EV32・・・)/100 (II) [但し、式(II)において、EV11、EV21、EV
1、・・・は、組み合わせ全体を基準(100重量
%)とする組み合わされるエチレン−酢酸ビニル共重合
体(EV1、EV2、EV3、・・・)の各々の重量%
であり、EV12、EV22、EV32、・・・は、組み
合わされるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV1、E
V2、EV3、・・・)の各々の酢酸ビニル含量であ
る。]
【0049】(E)エチレン−酢酸ビニル共重合体のメ
ルトインデックス(又はメルトフローレート)は、1
0,000未満であって、本発明のホットメルト接着剤
がその性能を発揮すれば、特に限定されることはない
が、1〜2,000が好ましく、3〜1,000がより好
ましい。ここで、(E)エチレン−酢酸ビニル共重合体
の「メルトインデックス」とは、JIS K6730に
記載の方法を用いて測定される値をいう。上述した「メ
ルトインデックスが10,000以上のエチレン−酢酸
ビニル共重合体」の「メルトインデックス」についても
同様である。
【0050】尚、本発明において「(E)エチレン−酢
酸ビニル共重合体」が単独(1種からなる)の場合、
「メルトインデックス」とは、その(E)エチレン−酢
酸ビニル共重合体の単独の値であり、「(E)エチレン
−酢酸ビニル共重合体」が組み合わせ(複数種からな
る)の場合、「メルトインデックス」とは、その組み合
わせのメルトインデックスの値である。
【0051】従って、「(E)エチレン−酢酸ビニル共
重合体」が組み合わせの場合、組み合わされるエチレン
−酢酸ビニル共重合体の各々のメルトインデックスは、
特に制限されることはないが、組み合わされることによ
って得られる組み合せ全体のメルトインデックスは、1
〜2,000が好ましく、3〜1,000がより好まし
い。この場合、組み合わされるエチレン−酢酸ビニル共
重合体の各々のメルトインデックスは、いずれも 1〜
2,000が好ましく、3〜1,000がより好ましい。
【0052】このような(E)エチレン−酢酸ビニル共
重合体は、既知の方法を用いて製造できるが、市販のも
のを使用することができる。例えば、(E)エチレン−
酢酸ビニル共重合体として、住友化学工業社製のスミテ
ートHA−20(20VA20MI)(商品名)、スミ
テートHE−10(20VA300MI)(商品名)、
スミテートKA−10(28VA20MI)(商品
名)、及びスミテートKE−10(28VA300M
I)、三井デュポン・ポリケミカル社製のEV210
(28VA400MI)(商品名)、及び東ソー社製の
ウルトラセン722(28VA400MI)(商品名)
等を例示できる。尚、本明細書において「○○VA」と
は、酢酸ビニル含量が○○重量%であることを意味し、
「××MI」とは、メルトインデックスが××であるこ
とを意味する。
【0053】これらの(E)エチレン−酢酸ビニル共重
合体は、上述したように単独で又は複数種を組み合わせ
て用いることができる。本発明のホットメルト接着剤
は、(E)エチレン−酢酸ビニル共重合体を5〜50重
量%含んで成るのが好ましく、10〜40重量%含んで
成るのがより好ましい。
【0054】本発明のホットメルト接着剤は、ホットメ
ルト接着剤に通常使用される各種の「添加剤」を、更に
含むことができる。ここで「添加剤」とは、ホットメル
ト接着剤の特性を総合的に向上させ、フィルターの成型
性及び成型後のフィルターの品質を維持させるものをい
い、例えば、耐熱性、耐酸化性、耐侯性を向上するため
の安定剤(酸化防止剤等)、紫外線による劣化を防止す
るための紫外線吸収剤、難燃化剤、ホットメルト接着剤
のブロッキング防止剤、及び収縮率抑制のための無機フ
ィラー等から選ばれる少なくとも1種を例示できる。
【0055】このような添加剤として、通常使用されて
いるものであれば使用することができる。酸化防止剤と
して、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防
止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。紫外線吸収剤と
して、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤や、2−
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が好ま
しい。上述の添加剤は、単独で又は組み合わせて使用で
きる。本発明のホットメルト接着剤は、ホットメルト接
着剤100重量部に対して、添加剤を0.1〜5重量部
含むのが好ましく、0.2〜4重量部含むのがより好ま
しく、0.3〜3重量部含むのが特に好ましい。
【0056】上述の本発明のホットメルト接着剤は、通
常ホットメルト接着剤が用いられる分野、例えば、不繊
布及び/又は紙等の貼り合わせて加工をする分野等に使
用することができる。本発明は、不繊布及び/もしくは
紙等の濾材のプリーツ加工に用いてフィルターを製造す
るためのホットメルト接着剤を提供する。更に、本発明
のホットメルト接着剤を、製造されたプリーツを枠材に
固定するためのホットメルト接着剤として好適に使用で
きる。
【0057】また、本発明のホットメルト接着剤は、小
さいサイズの型枠にセットして使用するフィルター、例
えば、空気清浄機及び掃除機用等のフィルターを製造す
るための濾材の加工に用いて、型枠に容易にセットする
ことができるフィルターを製造するための濾材の加工に
好適である。
【0058】更に本発明は、本発明のホットメルト接着
剤をプリーツ加工に用いて製造されたフィルターを提供
する。本発明のホットメルト接着剤を用いてフィルター
を製造することによって、本発明は、濾材がプリーツ状
に形成され、全体としてプレート状でプレートの厚さが
プリーツのひだの高さに対応した、所定通りの加工をし
易いフィルターを提供する。
【0059】このようにして得られるフィルターは、更
に加工してよい。即ち、二次加工(二次成型)してもよ
い。本発明は、例えば、プレート状フィルターであるプ
リーツ加工された濾材を湾曲させて円筒形状もしくは円
筒形状の一部に、又は折り曲げてジグザク状、角柱状も
しくは角柱状の一部に、更に二次成型されたフィルター
を提供する。
【0060】「円筒形状」とは、いわゆる「円筒形状」
であれば、特に制限されるものではなく、プリーツ加工
された濾材が、フィルター全体の形状として「円筒形
状」を構成していればよい。「円筒形状の一部」とは、
いわゆる「円筒形状」の一部の形状であればよく、円筒
形状の一部が欠けている形状、例えば、半円筒を含む。
「円筒形状」の断面は、いわゆる円形に制限されること
はなく、例えば、楕円形、ひょうたん形、及び卵形等で
あってもよい。
【0061】また「角柱状」とは、例えば、プリーツ加
工された濾材が、フィルター全体の形状として、角柱の
壁面を構成している形状をいう。「角柱状の一部」と
は、濾材が、フィルター全体の形状として角柱状の一部
を構成している形状をいい、角柱状の一部が欠けている
形状を含む。この「角柱状」の断面は、例えば、正三角
形、正四角形、及び正六角形等の正多角形を例示でき、
二等辺三角形、直角三角形、長方形、ひし形等であって
もよい。
【0062】さらにまた、本発明のホットメルト接着剤
を濾材のプリーツ加工に使用してフィルターを製造する
ことによって、輸送中に包装用の袋がプリーツ加工され
たフィルターに付着しないフィルターを提供することが
できる。更に、本発明のホットメルト接着剤をプリーツ
加工に使用してフィルターを製造すると、本発明のホッ
トメルト接着剤のオープンタイムが短いので、フィルタ
ーの生産性を向上することができる。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一
態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0064】実施例及び比較例のホットメルト接着剤の
製造に用いた、成分(A)〜(E)を以下に示す。 (A1)及び(A2)は、(A)エチレン−n−ブチル
アクリレート共重合体である: (A1)は、n−ブチルアクリレート含量が35重量%
及びメルトインデックスが320であるエチレン−n−
ブチルアクリレート共重合体(エクソン化学社製のエス
コーレン(Escoren)XW 22AH(商品名))であ
る; (A2)は、n−ブチルアクリレート含量が35重量%
及びメルトインデックスが40であるエチレン−n−ブ
チルアクリレート共重合体(エルフ・アトケム社製のロ
トリル(Lotryl)(商品名))である。
【0065】(B1)及び(B2)は、(B)粘着付与
樹脂である:(B1)は、部分水素添加石油樹脂である
粘着付与樹脂(出光石油化学社製のアイマーブS−10
0N(商品名))である;(B2)は、完全水素添加石
油樹脂である粘着付与樹脂(ヤスハラケミカル社製のク
リアロンP−105(商品名))である。
【0066】(C1)は、(C)軟化点が120℃以上
のワックスである:(C1)は、軟化点が136℃ 、
針入度が1以下であるワックス(三井化学社製のハイワ
ックス400P(商品名))である。(D1)は、
(D)軟化点が120℃未満のワックスである:(D
1)は、軟化点が94℃、針入度が19であるマイクロ
クリスタリンワックスであるワックス(日本石油社製の
日石180マイクロワックス(商品名))である;(D
2)は、針入度13であるマイクロクリスタリンワック
スであるワックス(日本精鑞社製のハイ−ミック(Hi
−Mic)1080(商品名))である。
【0067】(E1)〜(E4)は、(E)エチレン−
酢酸ビニル共重合体である:(E1)は、酢酸ビニル含
量が20重量%及びメルトインデックスが20であるエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業社製スミテ
ートHA−20(20VA20MI)(商品名))であ
る;(E2)は、酢酸ビニル含量が28重量%及びメル
トインデックスが20であるエチレン−酢酸ビニル共重
合体(住友化学工業社製スミテートKA−10(28V
A20MI)(商品名))である;(E3)は、酢酸ビ
ニル含量が20重量%及びメルトインデックスが300
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業社
製スミテートHE−10(20VA300MI)(商品
名))である;(E4)は、酢酸ビニル含量が28重量
%及びメルトインデックスが300であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体(住友化学工業社製スミテートKE−
10(28VA300MI)(商品名))である。
【0068】ここで、(A)〜(E)の物性は、以下の
方法を用いて評価した。n−ブチルアクリレート含量
(重量%)は、赤外分光法を用いて測定した。メルトイ
ンデックス(又はメルトフローレート)は、JIS K
6730に記載の方法を用いて測定した。軟化点は、J
IS K2207に記載の方法を用いて測定した。針入
度は、JIS K2207に記載の方法を用いて、25
℃で測定した。酢酸ビニル含量(重量%)は、JIS
K6730に記載の方法を用いて測定した。
【0069】実施例1 ホットメルト接着剤の製造 (A1):15重量部、 (B1):33重量部、 (C1):17重量部、 (D1):10重量部、及び (E1):25重量部 を容器に仕込み、170℃に加熱して1時間攪拌し、均
一に混合して溶解した。得られたこの組成物に0.2重
量部のフェノール系酸化防止剤(住友化学工業(株)ス
ミライザーBP−101(商品名))を添加して実施例
1のホットメルト接着剤を得た。
【0070】ホットメルト接着剤の評価 (i)ホットメルト接着剤の熱安定性の評価 ホットメルト接着剤の熱安定性は、接着剤を150℃で
72時間静置した後、目視で接着剤の状態を観察するこ
とによって評価した。接着剤に何らの変化も認めなかっ
たものを○、相分離等の物理的変化又は着色等の化学的
変化を生じたものを×とした。実施例1のホットメルト
接着剤には、何らの変化も観察されなかったので、○で
あった。
【0071】(ii)ホットメルト接着剤の軟化点の評
価 ホットメルト接着剤の軟化点は、R&B法(日本接着剤
工業会規格JAI 7)に記載の方法と同様の方法を用
いて測定した。実施例1のホットメルト接着剤の軟化点
は124℃であった。 (iii)ホットメルト接着剤の粘度の評価 ホットメルト接着剤の粘度は、ブルックフィールド粘度
計(スピンドル27)を使用して、150℃及び160
℃において測定した。実施例1のホットメルト接着剤の
粘度は、150℃においては17.1Pa・s、160
℃においては10.9Pa・sであった。
【0072】(iv)ホットメルト接着剤のオープンタ
イムの評価 ホットメルト接着剤を使用したときのオープンタイム
は、精工機械(株)製のフィルター成形ラインを用い
て、ホットメルト接着剤を不織布に1g/mの塗工量
で、150℃の塗工温度でビード塗工したフィルターの
プリーツ成形を、フィルター成形ラインのライン速度を
種々変えて行うことによって測定した。成形されたフィ
ルターのビードの形状を目視で観察し、ビードの形状が
保たれている状態からビードの形状が潰れた状態に変わ
るときのライン速度を用いて、ビード塗工後プリーツ成
形するまでの距離を除することによってオープンタイム
を算出した。オープンタイムの単位は秒である。実施例
1のホットメルト接着剤のオープンタイムは、20〜2
2秒であった。
【0073】(v)ホットメルト接着剤の柔軟性の評価 ホットメルト接着剤の柔軟性は、ホットメルト接着剤を
1g/mの塗工量でクラフト紙に塗工した後、20秒後
にクラフト紙のプリーツ成型を行ってサンプルフィルタ
ーを作成した。このサンプルフィルターを所定の温度に
おいて24時間静置した。その後、その所定の温度にお
いて、サンプルフィルターの山から谷に向かって垂直に
1cmの箇所で、塗工方向に対して垂直の方向にサンプ
ルフィルターのひだを折り曲げた。そして、クラフト紙
に接着しているホットメルト接着剤に割れが発生するか
否かを目視で観察することによって、ホットメルト接着
剤の柔軟性を評価した。割れが発生しなかったものを
○、割れが発生したもの又は接着したホットメルト接着
剤がクラフト紙から剥離したものを×とした。実施例1
のホットメルト接着剤の柔軟性は、0℃、20℃、及び
50℃のいずれの温度においても割れが発生しなかった
ので、いずれの温度においても○であった。
【0074】実施例2及び3、並びに比較例1〜3 実施例2及び3、並びに比較例1〜3については、実施
例1において使用した成分を表1に示す成分及びその量
に変更した以外は、実施例1と同様に使用して実施例2
及び3、並びに比較例1〜3のホットメルト接着剤を得
た。実施例1に記載した方法と同様の方法を使用して、
実施例2及び3、並びに比較例1〜3を評価した。実施
例1の結果とともに、実施例2及び3、並びに比較例1
〜3のホットメルト接着剤の評価結果を、表1に示し
た。
【0075】尚、実施例1〜3のホットメルト接着剤の
耐ブロッキング性は、下記のように評価した。各々のホ
ットメルト接着剤を、厚さ2mmのシート状のホットメ
ルト接着剤(以下「ホットメルトシート」ともいう)と
した。得られたホットメルトシートを、ポリエチレンフ
ィルムとPETフィルムでサンドイッチ状に挟み、9.
8dyn/cm2の圧力を加え、70℃において1週間
保管した後、室温で12時間以上保管して冷却して、試
験フィルムを得た。
【0076】各々の試験フィルムについて、ポリエチレ
ンフィルムとPETフィルムを手で引き剥し、更に、ホ
ットメルトシートをポリエチレンフィルムとPETフィ
ルムから引き剥したとき、各々のホットメルト接着剤は
いずれのフィルムにも接着していなかった。従って、実
施例1〜3のホットメルト接着剤の耐ブロッキング性
は、いずれも良好であった。
【0077】
【表1】 組成の単位は、成分(A1)〜(E4)の総和を100とする
重量%。
【0078】実施例のホットメルト接着剤は、比較例の
ホットメルト接着剤と比べて、熱安定性、軟化点、粘
度、オープンタイム、柔軟性、及び耐ブロッキング性に
ついて、全体的なバランスに優れていることが理解され
る。
【0079】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。本発明の
ホットメルト接着剤は、(A)エチレン−n−ブチルア
クリレート共重合体を含んで成るので、柔軟性が高いこ
と、塗工可能温度が低いこと、塗工時の粘度が低いこ
と、タックが生ずる温度が高いこと、耐ブロッキング性
が高いこと、及びオープンタイムが短いこと等の少なく
とも1つの特性が改善(向上)される。
【0080】本発明のホットメルト接着剤は、(B)粘
着付与樹脂及び(C)軟化点が120℃以上のワックス
を、更に含んで成るので、塗工可能温度が低いこと、塗
工時の粘度が低いこと、タックが生ずる温度が高いこ
と、及び耐ブロッキング性が高いことがより改善され
る。本発明のホットメルト接着剤は、(A)エチレン−
n−ブチルアクリレート共重合体:3〜60重量%、
(B)粘着付与樹脂:5〜50重量%、及び(C)軟化
点が120℃以上のワックス:1〜30重量%であるの
で、柔軟性が高いこと、塗工可能温度が低いこと、塗工
時の粘度が低いこと、及びオープンタイムが短いことが
より改善される。
【0081】本発明のホットメルト接着剤は、更に
(D)軟化点が120℃未満のワックスを、3〜15重
量%含んで成るので、柔軟性が高いこと、塗工可能温度
が低いこと、及び塗工時の粘度が低いことがより改善さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 157/02 C09J 157/02 191/06 191/06 193/00 193/00 193/04 193/04 Fターム(参考) 4D019 AA01 CA02 CB10 4J040 BA181 BA191 BA201 DA021 DA051 DA061 DE031 DF041 DN031 JB01 MA16 MB02 NA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン−n−ブチルアクリレー
    ト共重合体を含んで成ることを特徴とするホットメルト
    接着剤。
  2. 【請求項2】 (B)粘着付与樹脂及び(C)軟化点が
    120℃以上のワックスを、更に含んで成ることを特徴
    とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
  3. 【請求項3】(A)エチレン−n−ブチルアクリレート
    共重合体:3〜60重量%、 (B)粘着付与樹脂:5〜50重量%、及び (C)軟化点が120℃以上のワックス:1〜30重量
    % であることを特徴とする請求項2に記載のホットメルト
    接着剤。
  4. 【請求項4】 (D)軟化点が120℃未満のワックス
    を、更に3〜15重量%含んで成ることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
  5. 【請求項5】 (E)エチレン−酢酸ビニル共重合体
    を、更に含んで成ることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のホットメルト接着剤。
  6. 【請求項6】 濾材のプリーツ加工に用いてフィルター
    を製造するための請求項1〜5のいずれかに記載のホッ
    トメルト接着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のホット
    メルト接着剤を濾材のプリーツ加工に用いて製造された
    フィルター。
  8. 【請求項8】 プレート状フィルターであるプリーツ加
    工された濾材を湾曲させて円筒形状もしくは円筒形状の
    一部に、又は折り曲げてジグザク状、角柱状もしくは角
    柱状の一部に、更に二次成型された請求項7に記載のフ
    ィルター。
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