JP2004001885A - リサイクル可能な袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】封緘用の封緘用紙テープも含めて袋全体がリサイクル可能であって、リサイクルのための前作業をなくすことのできる袋を提供する。
【解決手段】リサイクル可能な紙や水溶性フィルムからなる袋本体の開口部を、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とワックスとを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープで封緘した。この熱圧着性ホットメルト組成物は、好適には、10〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、5〜70重量%の粘着付与樹脂および5〜50重量%のワックスを含有するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】リサイクル可能な紙や水溶性フィルムからなる袋本体の開口部を、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とワックスとを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープで封緘した。この熱圧着性ホットメルト組成物は、好適には、10〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、5〜70重量%の粘着付与樹脂および5〜50重量%のワックスを含有するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクル可能な袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の面から、あらゆる素材に対してリサイクル性が要求されており、粒体や粉体の運搬及び保管に広く使用されている、紙や防湿紙等からなる袋についても例外ではない。
【0003】
ところで、上記防湿紙袋としては、防湿性及び加工性に優れ低コストといった長所があることから、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーを塗工したものが広く用いられている。ところが、この種の紙袋は、防湿層の被膜強度が強すぎることから、リサイクルのためにパルプ化する工程において離解機で十分に離解せず、紙から脱離したオレフィン系樹脂層がフィルムとして残り、その結果、リサイクルを不可能にしている。
【0004】
そこで、リサイクルを可能にするものとして、アモルファスポリアルファオレフィンと粘着付与樹脂とワックスを主成分としてなる防湿性ホットメルト組成物を塗工した防湿紙がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
ところが、この防湿紙は、防湿性、離解性、及びコストの面では優れているが、主成分のアモルファスポリアルファオレフィンが非結晶性で柔らかいことから、防湿紙にタックが出易いといった問題があり、また、このタックを抑えると折り曲げたときに防湿層が割れ易いといった問題があった。さらに、防湿性ホットメルト組成物の溶融粘度が低いために、製造コストの低いTダイ押出しコーティングへの適用が難しいといった問題もあった。
【0006】
そこで、このような問題を解決するものとして、第1成分として、ポリエチレン及び/又はポリプロピレン、或いはエチレン−酢酸ビニル共重合体と、第2成分として粘着付与樹脂とを配合するか、又は上記第1及び第2成分に第3成分としてワックスを加え、メルトフローレートを1〜500g/10分とした防湿性ホットメルト組成物を塗工してなる防湿紙が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−316252号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平11−158330号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開2002−3660号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2002−3660号公報に開示された発明のものは、防湿性とリサイクル性に優れ、安価で生産性に優れており、前述した問題を解決しうるものであるが、それは包装紙として用いた場合にのみ限られるのであり、防湿紙からなる袋に係るリサイクルの問題までも一挙に解決するものではなかった。
【0009】
すなわち、防湿紙からなる袋にあっては、その形態から当然に開口部が封緘されるのであるが、この封緘には一般に粘着剤を塗布した封緘用紙テープが用いられている。ところがこの封緘用紙テープについては、これまでリサイクル性に関しての配慮がなされていないため、袋本体に上記リサイクル可能な防湿紙を用いたとしても、封緘用紙テープが付着したままでは前記粘着剤が障害となってリサイクルできなかった。このため、従来は、リサイクル工程に送る前に、封緘用紙テープが付着した封緘部分を切除する作業が別途必須となっており、このような前作業が防湿紙からなる袋のリサイクルを煩瑣で且つコストの嵩むものとしていた。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑み創案されたものであって、封緘用の封緘用紙テープも含めて袋全体がリサイクル可能であって、リサイクルのための上記前作業をなくすことのできる袋を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るリサイクル可能な袋は、リサイクル可能な袋本体と、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープとを含み、該封緘用紙テープによって前記袋本体の開口部が封緘されたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、熱圧着性ホットメルト組成物はさらにワックスを含有してもよく、好適な熱圧着性ホットメルト組成物は、10〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、5〜70重量%の粘着付与樹脂および5〜50重量%のワックスを含有する組成物である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル成分の重合量は1〜20重量%が好ましい。
【0013】
また、本発明においては、上記したものにおいて、前記袋本体は、紙製であってもよい。ここで、上記袋本体の紙としては、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンと粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙であってもよい。
【0014】
さらに、本発明においては、前記袋本体は、水溶性フィルムからなるものであってもよい。
【0015】
本発明は、上記したような紙、又は、防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙、或いは、水溶性フィルムからなる材料を袋本体に採用するとともに、この袋本体の開口部の封緘に、上記したような熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープを採用したものであり、この熱圧着性ホットメルト組成物によれば、フィルム強度を低く抑えることができるので、その結果、袋本体及び封緘用紙テープ共に、リサイクル時のパルプ化工程で、離解機による離解が可能となる。この熱圧着性ホットメルト組成物によれば、封緘用紙テープの熱圧着性も良好となる。
【0016】
また、袋本体に前記防湿紙を採用した場合は、上記したような防湿性ホットメルト組成物によればフィルム強度を低く押さえることができるので、封緘用紙テープと共に、リサイクル時のパルプ化工程で、離解機による離解が可能となるとともに、袋本体の上記ベースポリマーは適度な硬さと柔軟性を有するため、タックを効果的に抑制することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。尚、以下の説明においては、袋本体に防湿紙を用いた防湿紙袋の場合を例に採っているが、防湿紙以外に例えばクラフト紙のような一般紙を用いても、或いは水溶性フィルムを用いてもよい。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るリサイクル可能な防湿紙袋を示し、封緘途中における斜視図、図2は、同防湿紙袋の両方の開口部の封緘を完了した状態における斜視図である。
【0019】
この防湿紙袋は、防湿紙からなる袋本体1と、この袋本体1の開口部11を封緘する封緘用紙テープ2とを含むものである。
【0020】
袋本体1は、封緘にあたって、開口部11の端縁が折り返されるとともに、折り返し部分12が封緘用糸13により縫着され、この上から封緘用紙テープ2が貼着される。なお、上記封緘用糸13による縫着は必要ではなく、折り返し部分12を封緘用紙テープ2で直接留めてもよい。
【0021】
上記防湿紙は、ベースとなる紙に、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンと粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物を塗工したものである。
【0022】
上記防湿紙のベースとなる紙としては、例えば、クラフト紙が挙げられるが、その種類は特に限定されない。なお、強度の面から、坪量が50〜200g/m2の紙が好適である。
【0023】
上記ポリエチレン及び/又はポリプロピレンの配合割合は、防湿性ホットメルト組成物中、20〜90重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましく、40〜80重量%が特に好ましい。この配合割合が20重量%未満であると折り曲げたときに防湿層が割れ易くなり、90重量%を超えると離解性が悪くなるおそれがある。
【0024】
一方、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、防湿性ホットメルト組成物中、10〜90重量%が好ましく、25〜70重量%がより好ましい。この配合割合が10重量%未満であると折り曲げたときに防湿層が割れ易くなり、90重量%を超えると離解性が悪くなるおそれがある。
【0025】
前記粘着付与樹脂は、防湿性ホットメルト組成物の離解性と防湿性を上げる効果がある。この粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、脂環族系樹脂、芳香族系樹脂、クマロン・インデン樹脂、ロジンおよびその誘導体等が挙げられるが、これらのうちのいずれを用いてもよい。なお、防湿性の面から、上記のうちでもテルペン系樹脂及び脂環族系樹脂が好ましい。
【0026】
上記粘着付与樹脂の配合割合は、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンとの関係では、防湿性ホットメルト組成物中、10〜80重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体との関係では、防湿性ホットメルト組成物中、10〜90重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。この配合割合が上記の値より少ないと離解性が悪くなり、多いと折り曲げたときに防湿層が割れ易くなるおそれがある。
【0027】
また、上記粘着付与樹脂の好ましい軟化点は70〜190℃であり、より好ましくは100〜190℃である。軟化点が70℃未満であると、タックが出易くなり、加工した防湿紙をリサイクルするとき、乾燥工程でドライヤーにピッチが付きやすくなる。一方、軟化点が190℃を超える樹脂は、市場からの入手が困難である。
【0028】
なお、本発明においては、必要に応じてワックスをさらに配合してもよい。このワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックス等が挙げられる。ワックスは、防湿性ホットメルト組成物のタックを減らし、軟化点と防湿性を上げる効果がある。ワックスとしては上記のいずれを用いてもよいが、融点が100〜180℃のものが好ましい。融点が100℃未満のワックスを用いると、リサイクル時にピッチが付き易くなる。一方、融点が180℃を超えるワックスは、市場からの入手が困難である。
【0029】
ワックスの配合割合は、防湿性ホットメルト組成物中、0.1〜50重量%が好ましい。この配合割合が0.1重量%未満であると防湿層のタックを抑える効果が低下するおそれがあり、50重量%を超えると防湿層を折り曲げたときに割れ易くなるおそれがある。
【0030】
また、上記の防湿性ホットメルト組成物については、そのメルトフローレート(MFR)を、リサイクルの乾燥工程でドライヤーにピッチが付かないよう、また、Tダイ押出しコーティングに適するよう調整することが望ましく、1〜500g/10分が好ましく、1〜300g/10分がより好ましく、1〜200g/10分が特に好ましい。
【0031】
ここで、MFRとは、樹脂の流動性を表す指標であり、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体では、径2.1mm、長さ8mmのオリフィスのあるシリンダ中に材料を入れ、190℃(ポリプロピレンの場合は230℃)で2160gの荷重をかけて溶融材料を押し出し、5〜240秒間に流出した材料の重量を測定し、これを10分間当たりのグラム数に換算した値をいい、MFR値の大きいものほど流動性がよいことを意味している(JIS−K−7210参照)。
【0032】
本発明においては、上記の防湿性ホットメルト組成物に、必要に応じて、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、カーボンブラック等の充填剤、滑剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、可塑剤またはオイル等、通常ホットメルト組成物に用いられる公知の添加剤を配合してもよい。
【0033】
本発明のリサイクル可能な袋で使用する封緘用紙テープは、公知の封緘用紙テープのベースとなる紙テープに、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を形成したものである。
【0034】
上記封緘用紙テープのベースとなる紙としては、例えば、クラフト紙が挙げられるが、その種類は特に限定されない。なお、強度の面から、坪量が50〜200g/m2の紙が好適である。
【0035】
本発明においては、接着剤層に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物は、低温(70〜140℃)での熱圧着を行う場合には特に有効である。
【0036】
エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、熱圧着性ホットメルト組成物中、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましい。この配合割合が10重量%未満であると熱圧着性が悪くなり、90重量%を超えると離解性が悪くなるおそれがある。また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体においては、酢酸ビニル成分の重合量は1〜20重量%が好ましく、3〜18重量%がより好ましい。この重合量が1重量%未満であるエチレン−酢酸ビニル共重合体は入手が困難であり、20重量%を超えるとリサイクル性が悪くなるおそれがある。
【0037】
粘着付与樹脂は、熱圧着性ホットメルト組成物の離解性と熱圧着性を上げる効果がある。この粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、脂環族系樹脂、芳香族系樹脂、クマロン・インデン樹脂、ロジンおよびその誘導体等が挙げられるが、これらのうちのいずれを用いてもよい。なお、熱圧着性の面から、上記のうちでもテルペン系樹脂、ロジンが好ましい。上記粘着付与樹脂の配合割合は、熱圧着性ホットメルト組成物中、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましい。この配合割合が5重量%未満であると離解性が悪くなり、70重量%を超えると熱圧着性が悪くなるおそれがある。
【0038】
上記粘着付与樹脂の好ましい軟化点は70〜190℃であり、より好ましくは100〜190℃である。軟化点が70℃未満であると、タックが出易くなり、加工した封緘用紙テープをリサイクルするとき、乾燥工程でドライヤーにピッチが付きやすくなる。一方、軟化点が190℃を超える樹脂は、市場からの入手が困難である。
【0039】
上記熱圧着性ホットメルト組成物にはワックスをさらに配合してもよく、このワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックス等が挙げられる。ワックスは、熱圧着性ホットメルト組成物のタックを減らし、熱圧着性を上げる効果がある。ワックスとしては上記のいずれを用いてもよいが、融点が100〜180℃のものが好ましい。融点が100℃未満のワックスを用いると、リサイクル時にピッチが付き易くなる。一方、融点が180℃を超えるワックスは、市場からの入手が困難である。
【0040】
ワックスの配合割合は、熱圧着性ホットメルト組成物中、5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。この配合割合が5重量%未満であるとリサイクル時にピッチが付き易くなり、50重量%を超えると熱圧着性が悪くなるおそれがある。
【0041】
上記熱圧着性ホットメルト組成物については、そのメルトフローレート(MFR)を、リサイクルの乾燥工程でドライヤーにピッチが付かないよう、また、Tダイ押出しコーティングに適するよう調整することが望ましく、1〜500g/10分が好ましく、1〜300g/10分がより好ましく、1〜200g/10分が特に好ましい。
【0042】
本発明においては、上記の熱圧着性ホットメルト組成物に、必要に応じて、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、カーボンブラック等の充填剤、滑剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、可塑剤またはオイル等、通常ホットメルト組成物に用いられる公知の添加剤を配合してもよい。
【0043】
封緘用紙テープは、上記の熱圧着性ホットメルト組成物を、例えば、Tダイ押出しコーティング、ロールコーター等の方法により、紙上に接着剤層を形成することにより得られる。このようにして得られた封緘用紙テープは、熱圧着した場合、T型剥離試験による接着強度が400gf/15mm以上、特に500gf/15mm以上という良好な接着性を有するものである。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例限定されるものではない。
【0045】
実施例
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル重合量:10重量%)60重量%、粘着付与樹脂30重量%、ワックス10重量%を含有する熱圧着性ホットメルト組成物を、Tダイ押出しコーティングにより、坪量75g/m2のクラフト紙上に接着剤層を形成して、封緘用紙テープを得た。この封緘用紙テープについて、熱圧着性の評価として、表1に示す温度でT型剥離試験をそれぞれ3回行ない、その平均値を図3のグラフに示した。
【0046】
【表1】
【0047】
<T型剥離試験>
接着面:接着剤層同士
引張強度:200mm/min
熱圧着時のプレス圧力:3kgf/cm2
熱圧着時のプレス時間:20秒
表1および図3より、実施例の封緘用紙テープは、いずれの温度で熱圧着した場合でも、500gf/15mm以上という良好な接着性を有することがわかる。また、この封緘用紙テープをヒートシール製袋機に掛けたところ、問題なく良好に接着した。さらに、この封緘用紙テープをオーバーテープシール離解機に掛けたところ、問題なく良好に離解した。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、紙、又は、前記の防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙、或いは、水溶性フィルムを袋本体に採用するとともに、この袋本体の開口部の封緘に、前記の熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープを採用したものであるから、袋本体及び封緘用紙テープ共に、リサイクル時のパルプ化工程で、離解機による離解が可能となる。また、封緘用紙テープの熱圧着性も良好となる。
【0049】
したがって、本発明に係る袋は、封緘用紙テープが着いたままでもリサイクルが可能となり、その結果、従来必須とされていたリサイクル工程前の封緘部分の切除作業が不要となるため、袋のリサイクルが極めて容易なものとなり、リサイクルコストを大幅に低減することができるものである。
【0050】
また、袋本体として防湿紙を採用した場合、上記ベースポリマーは適度な硬さと柔軟性を有するため、タックが効果的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリサイクル可能な袋の実施の形態を示し、封緘途中における斜視図である。
【図2】本発明に係るリサイクル可能な袋の実施の形態を示し、両方の開口部の封緘を完了した状態における斜視図である。
【図3】実施例の封緘用紙テープのT型剥離試験による接着強度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 袋本体
2 封緘用紙テープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクル可能な袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の面から、あらゆる素材に対してリサイクル性が要求されており、粒体や粉体の運搬及び保管に広く使用されている、紙や防湿紙等からなる袋についても例外ではない。
【0003】
ところで、上記防湿紙袋としては、防湿性及び加工性に優れ低コストといった長所があることから、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーを塗工したものが広く用いられている。ところが、この種の紙袋は、防湿層の被膜強度が強すぎることから、リサイクルのためにパルプ化する工程において離解機で十分に離解せず、紙から脱離したオレフィン系樹脂層がフィルムとして残り、その結果、リサイクルを不可能にしている。
【0004】
そこで、リサイクルを可能にするものとして、アモルファスポリアルファオレフィンと粘着付与樹脂とワックスを主成分としてなる防湿性ホットメルト組成物を塗工した防湿紙がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
ところが、この防湿紙は、防湿性、離解性、及びコストの面では優れているが、主成分のアモルファスポリアルファオレフィンが非結晶性で柔らかいことから、防湿紙にタックが出易いといった問題があり、また、このタックを抑えると折り曲げたときに防湿層が割れ易いといった問題があった。さらに、防湿性ホットメルト組成物の溶融粘度が低いために、製造コストの低いTダイ押出しコーティングへの適用が難しいといった問題もあった。
【0006】
そこで、このような問題を解決するものとして、第1成分として、ポリエチレン及び/又はポリプロピレン、或いはエチレン−酢酸ビニル共重合体と、第2成分として粘着付与樹脂とを配合するか、又は上記第1及び第2成分に第3成分としてワックスを加え、メルトフローレートを1〜500g/10分とした防湿性ホットメルト組成物を塗工してなる防湿紙が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−316252号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平11−158330号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開2002−3660号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2002−3660号公報に開示された発明のものは、防湿性とリサイクル性に優れ、安価で生産性に優れており、前述した問題を解決しうるものであるが、それは包装紙として用いた場合にのみ限られるのであり、防湿紙からなる袋に係るリサイクルの問題までも一挙に解決するものではなかった。
【0009】
すなわち、防湿紙からなる袋にあっては、その形態から当然に開口部が封緘されるのであるが、この封緘には一般に粘着剤を塗布した封緘用紙テープが用いられている。ところがこの封緘用紙テープについては、これまでリサイクル性に関しての配慮がなされていないため、袋本体に上記リサイクル可能な防湿紙を用いたとしても、封緘用紙テープが付着したままでは前記粘着剤が障害となってリサイクルできなかった。このため、従来は、リサイクル工程に送る前に、封緘用紙テープが付着した封緘部分を切除する作業が別途必須となっており、このような前作業が防湿紙からなる袋のリサイクルを煩瑣で且つコストの嵩むものとしていた。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑み創案されたものであって、封緘用の封緘用紙テープも含めて袋全体がリサイクル可能であって、リサイクルのための上記前作業をなくすことのできる袋を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るリサイクル可能な袋は、リサイクル可能な袋本体と、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープとを含み、該封緘用紙テープによって前記袋本体の開口部が封緘されたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、熱圧着性ホットメルト組成物はさらにワックスを含有してもよく、好適な熱圧着性ホットメルト組成物は、10〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、5〜70重量%の粘着付与樹脂および5〜50重量%のワックスを含有する組成物である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル成分の重合量は1〜20重量%が好ましい。
【0013】
また、本発明においては、上記したものにおいて、前記袋本体は、紙製であってもよい。ここで、上記袋本体の紙としては、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンと粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙であってもよい。
【0014】
さらに、本発明においては、前記袋本体は、水溶性フィルムからなるものであってもよい。
【0015】
本発明は、上記したような紙、又は、防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙、或いは、水溶性フィルムからなる材料を袋本体に採用するとともに、この袋本体の開口部の封緘に、上記したような熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープを採用したものであり、この熱圧着性ホットメルト組成物によれば、フィルム強度を低く抑えることができるので、その結果、袋本体及び封緘用紙テープ共に、リサイクル時のパルプ化工程で、離解機による離解が可能となる。この熱圧着性ホットメルト組成物によれば、封緘用紙テープの熱圧着性も良好となる。
【0016】
また、袋本体に前記防湿紙を採用した場合は、上記したような防湿性ホットメルト組成物によればフィルム強度を低く押さえることができるので、封緘用紙テープと共に、リサイクル時のパルプ化工程で、離解機による離解が可能となるとともに、袋本体の上記ベースポリマーは適度な硬さと柔軟性を有するため、タックを効果的に抑制することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。尚、以下の説明においては、袋本体に防湿紙を用いた防湿紙袋の場合を例に採っているが、防湿紙以外に例えばクラフト紙のような一般紙を用いても、或いは水溶性フィルムを用いてもよい。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るリサイクル可能な防湿紙袋を示し、封緘途中における斜視図、図2は、同防湿紙袋の両方の開口部の封緘を完了した状態における斜視図である。
【0019】
この防湿紙袋は、防湿紙からなる袋本体1と、この袋本体1の開口部11を封緘する封緘用紙テープ2とを含むものである。
【0020】
袋本体1は、封緘にあたって、開口部11の端縁が折り返されるとともに、折り返し部分12が封緘用糸13により縫着され、この上から封緘用紙テープ2が貼着される。なお、上記封緘用糸13による縫着は必要ではなく、折り返し部分12を封緘用紙テープ2で直接留めてもよい。
【0021】
上記防湿紙は、ベースとなる紙に、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンと粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物を塗工したものである。
【0022】
上記防湿紙のベースとなる紙としては、例えば、クラフト紙が挙げられるが、その種類は特に限定されない。なお、強度の面から、坪量が50〜200g/m2の紙が好適である。
【0023】
上記ポリエチレン及び/又はポリプロピレンの配合割合は、防湿性ホットメルト組成物中、20〜90重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましく、40〜80重量%が特に好ましい。この配合割合が20重量%未満であると折り曲げたときに防湿層が割れ易くなり、90重量%を超えると離解性が悪くなるおそれがある。
【0024】
一方、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、防湿性ホットメルト組成物中、10〜90重量%が好ましく、25〜70重量%がより好ましい。この配合割合が10重量%未満であると折り曲げたときに防湿層が割れ易くなり、90重量%を超えると離解性が悪くなるおそれがある。
【0025】
前記粘着付与樹脂は、防湿性ホットメルト組成物の離解性と防湿性を上げる効果がある。この粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、脂環族系樹脂、芳香族系樹脂、クマロン・インデン樹脂、ロジンおよびその誘導体等が挙げられるが、これらのうちのいずれを用いてもよい。なお、防湿性の面から、上記のうちでもテルペン系樹脂及び脂環族系樹脂が好ましい。
【0026】
上記粘着付与樹脂の配合割合は、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンとの関係では、防湿性ホットメルト組成物中、10〜80重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体との関係では、防湿性ホットメルト組成物中、10〜90重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。この配合割合が上記の値より少ないと離解性が悪くなり、多いと折り曲げたときに防湿層が割れ易くなるおそれがある。
【0027】
また、上記粘着付与樹脂の好ましい軟化点は70〜190℃であり、より好ましくは100〜190℃である。軟化点が70℃未満であると、タックが出易くなり、加工した防湿紙をリサイクルするとき、乾燥工程でドライヤーにピッチが付きやすくなる。一方、軟化点が190℃を超える樹脂は、市場からの入手が困難である。
【0028】
なお、本発明においては、必要に応じてワックスをさらに配合してもよい。このワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックス等が挙げられる。ワックスは、防湿性ホットメルト組成物のタックを減らし、軟化点と防湿性を上げる効果がある。ワックスとしては上記のいずれを用いてもよいが、融点が100〜180℃のものが好ましい。融点が100℃未満のワックスを用いると、リサイクル時にピッチが付き易くなる。一方、融点が180℃を超えるワックスは、市場からの入手が困難である。
【0029】
ワックスの配合割合は、防湿性ホットメルト組成物中、0.1〜50重量%が好ましい。この配合割合が0.1重量%未満であると防湿層のタックを抑える効果が低下するおそれがあり、50重量%を超えると防湿層を折り曲げたときに割れ易くなるおそれがある。
【0030】
また、上記の防湿性ホットメルト組成物については、そのメルトフローレート(MFR)を、リサイクルの乾燥工程でドライヤーにピッチが付かないよう、また、Tダイ押出しコーティングに適するよう調整することが望ましく、1〜500g/10分が好ましく、1〜300g/10分がより好ましく、1〜200g/10分が特に好ましい。
【0031】
ここで、MFRとは、樹脂の流動性を表す指標であり、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体では、径2.1mm、長さ8mmのオリフィスのあるシリンダ中に材料を入れ、190℃(ポリプロピレンの場合は230℃)で2160gの荷重をかけて溶融材料を押し出し、5〜240秒間に流出した材料の重量を測定し、これを10分間当たりのグラム数に換算した値をいい、MFR値の大きいものほど流動性がよいことを意味している(JIS−K−7210参照)。
【0032】
本発明においては、上記の防湿性ホットメルト組成物に、必要に応じて、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、カーボンブラック等の充填剤、滑剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、可塑剤またはオイル等、通常ホットメルト組成物に用いられる公知の添加剤を配合してもよい。
【0033】
本発明のリサイクル可能な袋で使用する封緘用紙テープは、公知の封緘用紙テープのベースとなる紙テープに、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を形成したものである。
【0034】
上記封緘用紙テープのベースとなる紙としては、例えば、クラフト紙が挙げられるが、その種類は特に限定されない。なお、強度の面から、坪量が50〜200g/m2の紙が好適である。
【0035】
本発明においては、接着剤層に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物は、低温(70〜140℃)での熱圧着を行う場合には特に有効である。
【0036】
エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合割合は、熱圧着性ホットメルト組成物中、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましい。この配合割合が10重量%未満であると熱圧着性が悪くなり、90重量%を超えると離解性が悪くなるおそれがある。また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体においては、酢酸ビニル成分の重合量は1〜20重量%が好ましく、3〜18重量%がより好ましい。この重合量が1重量%未満であるエチレン−酢酸ビニル共重合体は入手が困難であり、20重量%を超えるとリサイクル性が悪くなるおそれがある。
【0037】
粘着付与樹脂は、熱圧着性ホットメルト組成物の離解性と熱圧着性を上げる効果がある。この粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、脂環族系樹脂、芳香族系樹脂、クマロン・インデン樹脂、ロジンおよびその誘導体等が挙げられるが、これらのうちのいずれを用いてもよい。なお、熱圧着性の面から、上記のうちでもテルペン系樹脂、ロジンが好ましい。上記粘着付与樹脂の配合割合は、熱圧着性ホットメルト組成物中、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましい。この配合割合が5重量%未満であると離解性が悪くなり、70重量%を超えると熱圧着性が悪くなるおそれがある。
【0038】
上記粘着付与樹脂の好ましい軟化点は70〜190℃であり、より好ましくは100〜190℃である。軟化点が70℃未満であると、タックが出易くなり、加工した封緘用紙テープをリサイクルするとき、乾燥工程でドライヤーにピッチが付きやすくなる。一方、軟化点が190℃を超える樹脂は、市場からの入手が困難である。
【0039】
上記熱圧着性ホットメルト組成物にはワックスをさらに配合してもよく、このワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックス等が挙げられる。ワックスは、熱圧着性ホットメルト組成物のタックを減らし、熱圧着性を上げる効果がある。ワックスとしては上記のいずれを用いてもよいが、融点が100〜180℃のものが好ましい。融点が100℃未満のワックスを用いると、リサイクル時にピッチが付き易くなる。一方、融点が180℃を超えるワックスは、市場からの入手が困難である。
【0040】
ワックスの配合割合は、熱圧着性ホットメルト組成物中、5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。この配合割合が5重量%未満であるとリサイクル時にピッチが付き易くなり、50重量%を超えると熱圧着性が悪くなるおそれがある。
【0041】
上記熱圧着性ホットメルト組成物については、そのメルトフローレート(MFR)を、リサイクルの乾燥工程でドライヤーにピッチが付かないよう、また、Tダイ押出しコーティングに適するよう調整することが望ましく、1〜500g/10分が好ましく、1〜300g/10分がより好ましく、1〜200g/10分が特に好ましい。
【0042】
本発明においては、上記の熱圧着性ホットメルト組成物に、必要に応じて、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、カーボンブラック等の充填剤、滑剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、可塑剤またはオイル等、通常ホットメルト組成物に用いられる公知の添加剤を配合してもよい。
【0043】
封緘用紙テープは、上記の熱圧着性ホットメルト組成物を、例えば、Tダイ押出しコーティング、ロールコーター等の方法により、紙上に接着剤層を形成することにより得られる。このようにして得られた封緘用紙テープは、熱圧着した場合、T型剥離試験による接着強度が400gf/15mm以上、特に500gf/15mm以上という良好な接着性を有するものである。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例限定されるものではない。
【0045】
実施例
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル重合量:10重量%)60重量%、粘着付与樹脂30重量%、ワックス10重量%を含有する熱圧着性ホットメルト組成物を、Tダイ押出しコーティングにより、坪量75g/m2のクラフト紙上に接着剤層を形成して、封緘用紙テープを得た。この封緘用紙テープについて、熱圧着性の評価として、表1に示す温度でT型剥離試験をそれぞれ3回行ない、その平均値を図3のグラフに示した。
【0046】
【表1】
【0047】
<T型剥離試験>
接着面:接着剤層同士
引張強度:200mm/min
熱圧着時のプレス圧力:3kgf/cm2
熱圧着時のプレス時間:20秒
表1および図3より、実施例の封緘用紙テープは、いずれの温度で熱圧着した場合でも、500gf/15mm以上という良好な接着性を有することがわかる。また、この封緘用紙テープをヒートシール製袋機に掛けたところ、問題なく良好に接着した。さらに、この封緘用紙テープをオーバーテープシール離解機に掛けたところ、問題なく良好に離解した。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、紙、又は、前記の防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙、或いは、水溶性フィルムを袋本体に採用するとともに、この袋本体の開口部の封緘に、前記の熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープを採用したものであるから、袋本体及び封緘用紙テープ共に、リサイクル時のパルプ化工程で、離解機による離解が可能となる。また、封緘用紙テープの熱圧着性も良好となる。
【0049】
したがって、本発明に係る袋は、封緘用紙テープが着いたままでもリサイクルが可能となり、その結果、従来必須とされていたリサイクル工程前の封緘部分の切除作業が不要となるため、袋のリサイクルが極めて容易なものとなり、リサイクルコストを大幅に低減することができるものである。
【0050】
また、袋本体として防湿紙を採用した場合、上記ベースポリマーは適度な硬さと柔軟性を有するため、タックが効果的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリサイクル可能な袋の実施の形態を示し、封緘途中における斜視図である。
【図2】本発明に係るリサイクル可能な袋の実施の形態を示し、両方の開口部の封緘を完了した状態における斜視図である。
【図3】実施例の封緘用紙テープのT型剥離試験による接着強度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 袋本体
2 封緘用紙テープ
Claims (7)
- リサイクル可能な袋本体と、
エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する熱圧着性ホットメルト組成物からなる接着剤層を有する封緘用紙テープとを含み、
該封緘用紙テープによって前記袋本体の開口部が封緘されたことを特徴とするリサイクル可能な袋。 - 熱圧着性ホットメルト組成物が、さらにワックスを含有する、請求項1記載のリサイクル可能な袋。
- 熱圧着性ホットメルト組成物が、10〜90重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、5〜70重量%の粘着付与樹脂および5〜50重量%のワックスを含有する、請求項1または2記載のリサイクル可能な袋。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル成分の重合量が1〜20重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のリサイクル可能な袋。
- 袋本体が紙製である、請求項1〜4のいずれかに記載のリサイクル可能な袋。
- 袋本体の紙が、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンと粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含有する防湿性ホットメルト組成物が塗工された防湿紙である、請求項5記載のリサイクル可能な袋。
- 袋本体が水溶性フィルムからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のリサイクル可能な袋。
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