JP3912267B2 - 液滴吐出装置、検査用チップ処理装置、液滴吐出方法、検査用チップ処理方法 - Google Patents

液滴吐出装置、検査用チップ処理装置、液滴吐出方法、検査用チップ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置及び液滴吐出方法、及び、この液滴吐出装置を用いた検査用チップ処理装置及び検査用チップ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ等の印刷装置のインクジェットヘッドに代表される液滴吐出装置は、インク等の液体が収容されている液室に何らかの圧力を作用させて、所定の吐出口より液滴を吐出させるものである。この液室に圧力を作用させる手段としては種々のものが提案されているが、圧電素子であるピエゾ素子を用いた構成のもの、及び、発熱素子による膜沸騰現象を用いた構成のものが広く知られており、各々ピエゾ方式及びバブル方式の液滴吐出装置として広く使用されている。また、液室を構成する壁(膜)を電磁力により微小移動させ、これにより液体を吐出させる方式等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−270104号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような液滴吐出装置は、所望の液体を精度よく所定の位置に滴下することができることから、インクを吐出する印刷装置のみならず、例えばDNA(デオキシリボ核酸)チップの製造時又はDNA分析時等にDNAを含む液体をチップ上の各位置に配置する場合や、高精細に表示画素が配置されるディスプレイの製造時に各画素位置に蛍光体や発光体を配置したりする場合等、非常に広範な用途に使用されようとしている。そして、それに伴って、印刷装置を含むそのような様々な用途に適用してより好ましい液滴吐出装置の提供が求められている。
【0005】
具体的には、例えば前述したようなピエゾ方式の液滴吐出装置は、小型で信頼性が高いという利点がある反面、駆動電圧が高いという不利益がある。この不利益を解決するために、一般的には、圧電素子と電極を多層化することにより印加電圧自体を低電圧化するという方法がとられている。しかしながら、それでも30V程度の高い電圧が必要である上に、このような多層化プロセスを行うと、装置が高価になるという新たな不利益が生じる。
また、例えば特許文献1に開示されているような電磁力により液室の壁を移動させる方式等、駆動回路にマグネットを使用する方式においては、動作周波数が高くなるとインダクタンス成分が大きくなり応答性が悪くなるという不利益がある。
また、いずれの方式においても、より高周波の駆動信号に従って液滴を吐出する、すなわち、より高速に個々の液体を吐出したいという要望がある。
【0006】
また、DNAやタンパク質等の有機物を含む液体の吐出を行おうとした場合、バブル方式の液滴吐出装置においては、有機物が高温高圧にさらされて分解されてしまい、吐出対象の物質を適切に吐出できないこととなる。
また、そのような有機物を取り扱う場合には、液体の供給路、液室及び液体の吐出口等のいわゆるノズル部分の洗浄や交換を丁寧かつ頻繁に行う必要がある。しかしながらピエゾ方式の液滴吐出装置においては、圧電素子が振動板に直接、又は高度かつ高精細な実装技術により接続されているため、これを切り離してノズル部分の交換を行うのは困難である。圧電素子とノズル部分を一体的に交換することも考えられるが、そのような構成では交換部分が非常に高価となる上に電気配線の再接続も必要となり現実的でない。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体を高温高圧にさらすことなく、ノズルの交換や洗浄を容易に行うことができ、さらに低電圧で高周波駆動が可能な液滴吐出装置及び液滴吐出方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、液体を高温高圧にさらすことなく、ノズルの交換や洗浄を容易に行うことができ、さらに低電圧で高周波駆動が可能な液滴吐出装置又は液滴吐出方法を用いることにより、より高速かつ高精度に所望の液滴を吐出し、これにより所望の生産物を効率よく高品質に生産、製造することのできるような検査用チップ処理装置及び検査用チップ処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る液滴吐出装置は、印加される電流に基づいて磁界を発生するコイルと、前記コイルに対して着脱自在に配置され、前記コイルの軸芯方向に移動自在に装着され、前記コイルにより発生された磁界による誘導電流が生成される移動部材と、前記移動部材の前記誘導電流が生成された周方向部材の周面に対して垂直な方向に磁界を印加する磁界印加手段とを有し、吐出口が前記移動部材と一体的に形成され、前記磁界印加手段により印加された前記磁界と前記誘導電流の相互作用による電磁力に基き前記移動部材が移動することにより吐出対象の生体物質を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記液体を吐出口より吐出する。
なお、前記移動部材の周方向部材は、前記コイルを一次コイルと考えた場合にこれに対して二次コイルとして作用する非磁性材料(強磁性材料以外の常磁性材料、反磁性材料及び反強磁性材料を含む概念で用いる)で形成される部材であって、好適には例えば筒状の部材あるいはコイル状の部材である。
【0009】
このような構成の液滴吐出装置においては、固定された一次コイルと考えられる前記コイルが発生した磁場の変化により、二次コイルである移動部材の周方向の部材に誘導電流が生じ、この誘導電流と予め磁界印加手段により印加されている静磁場との相互作用によって周方向部材、すなわち移動部材が移動する。移動部材が移動すると、これと一体的に例えばその一部が移動し形状が変化するように形成されている吐出対象の液体が収容された液室の容積を変化させる。これにより、液室に収容されている液体は吐出口より吐出される。
本発明では、液体を加熱することなく液体を吐出することができる。しかも、移動部材には圧電素子等を装着する必要がないので、その交換や洗浄が容易である。
【0010】
好適には、前記コイルは、巻き方向が同一となるように同心円状に2重に配設された巻き径の異なる2つのコイルを有し、さらに好適には、前記周方向部材は、前記コイルの前記2重に配設されたコイルの間に配置される。
なお、周方向部材は、コイルの内側に配置されても、コイルの外側に配置されてもよい。
また好適には、前記磁界印加手段は、一部にギャップが形成され、当該ギャップに前記コイル及び前記周方向部材が入り込み、前記周方向部材に対して磁界を印加するように配置された環状磁気回路である。
【0011】
また好適には、前記移動部材は、吐出対象の液体を収容する前記液室の一部を規定する流路部に対して着脱自在に配設される。移動部材を着脱自在とすることで、液体吐出口及び液室のメンテナンスが容易になる。
また好適には、前記流路部も、前記コイル及び前記磁界印加手段に対して着脱自在な状態で配設される。流路部も着脱自在とすることで、流路部のメンテナンスも容易になる。
【0012】
好適には、前記移動部材は、前記液室の一部を規定して、前記流路部に対して当該移動部材の移動を案内するガイド部材を有する。
また好適には、前記移動部材は、所定の基準位置と当該基準位置より前記液室の容積を狭める側の圧縮位置との間を往復移動することにより、あるいは、所定の基準位置と当該基準位置より前記液室の容積を広げる側の拡張位置との間を往復移動することにより、液体を吐出する。
【0013】
好適な一形態としては、本発明の液滴吐出装置は、1つの前記移動部材に複数の前記吐出口が配設され、前記移動部材の移動により前記複数の吐出口よりそれぞれ液滴が吐出される構成である。その場合、前記コイル及び前記移動部材を有する液滴吐出ヘッド部を複数有する構成であってもよいし、単に、前記複数の液室に対して液体を供給する手段を複数有する構成であってもよい。またその際、複数の液室に同一の液体を供給しても異なる液体を供給してもよい。
好適な具体例としては、液室に供給され吐出される液体は、インク、DNA,RNAあるいはタンパク質等の任意の生体物質を含む液体、発光層材料やホール供給層材料等の有機EL材料を含む液体、金属微粒子を含む液体、あるいは、カーボンナノチューブが分散混合された液体等である。
【0014】
本発明の液滴吐出方法は、コイルに対して着脱自在に配置され前記コイルの軸心方向に移動自在に装着された移動部材の周方向部材の周面に対して、垂直な方向に磁界を印加し、前記コイルに所望の電流を印加して磁界を発生させ、前記コイルにより発生された磁界を、前記周方向部材に作用させて周方向の誘導電流を発生させ、前記印加される磁界及び前記発生された誘導電流の相互作用に基づく電磁力により前記移動部材を移動させ、前記移動部材が移動することにより吐出対象の生体物質を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記液体を前記移動部材と一体的に形成された吐出口より吐出させる。
【0015】
本発明の検査用チップ処理装置は、例えば円板形のディスク型であるような検査用チップを保持し、所望の条件で回転させるチップ駆動部と、前記検査用チップの所定位置に、検査対象を含む液体を滴下する液滴吐出ヘッド部と、前記検査用チップの所定の位置に光を照射し、例えば当該照射した光の蛍光、ラマン散乱光、あるいは光吸収の変化等を検出することにより検査を行うセンサ部とを有する検査用チップ処理装置であって、前記液滴吐出ヘッド部は、印加される電流に基づいて磁界を発生するコイルと、前記コイルに対して着脱自在に配置され、前記コイルの軸芯方向に移動自在に装着され、前記コイルにより発生された磁界による誘導電流が周方向に生成される移動部材と、前記移動部材の周方向部材の周面に対して垂直な方向に磁界を印加する磁界印加手段と、吐出口が前記移動部材と一体的に形成され、前記磁界印加手段により印加された前記磁界と前記誘導電流の相互作用による電磁力に基き前記移動部材が移動することにより生体物質を含み前記検査対象を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記生体物質を含み前記検査対象を含む液体を吐出口より吐出する移動部材とを有する。
【0016】
本発明の検査用チップ処理方法は、例えば円板形のディスク型であるような検査用チップの所定の位置に、検査対象を含む液体を滴下し、前記液体を滴下した位置に光を照射し、例えば当該照射した光の蛍光、ラマン散乱光、あるいは光吸収の変化等を検出することにより検査を行う検査用チップ処理方法であって、前記検査対象を含む液体の滴下は、コイルに対して着脱自在に配置され前記コイルの軸心方向に移動自在に装着された移動部材の周方向部材の周面に対して、垂直な方向に磁界を印加し、前記コイルに所望の電流を印加して磁界を発生させ、前記コイルにより発生された磁界を、前記周方向部材に作用させて周方向の誘導電流を発生させ、前記印加される磁界及び前記発生された誘導電流の相互作用に基づく電磁力により前記移動部材を移動させ、前記移動部材が移動することにより生体物質を含み検査対象を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記液体を前記移動部材と一体的に形成された吐出口より吐出させることにより行う。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
本実施形態においては、DNAディスクプレイヤやプリンタ装置等の種々の装置及びそれら装置の製造工程に適用される本発明に係る液滴吐出装置の基本構成について、その具体的な構成例を示して詳細に説明する。
【0023】
まず、本実施形態の液滴吐出装置の構成について説明する。
図1は、その液滴吐出装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、液滴吐出装置1は、液滴吐出ヘッド10及び電流制御回路20を有する。液滴吐出ヘッド10は、ノズル部100及び駆動部200を有し、ノズル部100はさらに液室固定部(流路部)110及び液体吐出部120を有する。
なお、液体吐出部120と駆動部200の後述する筒状導電部材(周方向部材)230とは一体的に形成されており、これらは移動部材140を構成する。
また、液室固定部110と移動部材140の液体吐出部120との間に、吐出対象の液体を収容する液室130が形成される。
【0024】
以下、各部の構成、構造について詳細に説明する。
液滴吐出ヘッド10のノズル部100の液室固定部110は、駆動部200と一体的に、図示せぬ基材上又は液滴吐出ヘッド10のハウジングに固定して設けられ、一方の端面111において液室130の背面を規定する円筒状部材である。
液室固定部110の内部には、端面111に形成された液体供給口(開口部)112から液室固定部110の他方の端部の開口部115までを貫通し、液室130に吐出対象の液体を供給するための液体供給路113が形成されている。
【0025】
この液体供給路113の開口部115に近い所定の区間には、図示のごとく液体供給路113の径が拡張されて形成された液溜まり114が具備されており、これにより供給された液体を一時的に溜めるようになっている。
また、液室固定部110の他方の端部の開口部115には、液体供給路113に連通するエア抜き孔117を有する蓋部材116が設けられている。
なお、本実施形態の液滴吐出ヘッド10においては、液室130の内径は約2.5mmであり、液室固定部110の外径はこれよりわずかに小さいもの(例えば2.5mmより大きく20μmより小さい)とする。また、液体供給路113の内径は50μmとする。ただし、本発明では、これらの寸法に限定されない。
【0026】
液体吐出部120は、液室固定部110と連接して液室130を形成するとともに、筒状導電部材230と一体的に可動されてその液室130の容積を変化させ、これにより液室に収容している液体を吐出する部材である。
液体吐出部120は、前面板121及びガイド部材124を有する。
前面板121は、図示のごとく、中央部がわずかに膨らんだドーム形状の部材である。前面板121の中央部付近の後述するガイド部材124で囲まれる範囲は、液室130の前面を規定する面122を構成する。また、前面板121の中央部には、液体を吐出するための開口部である吐出口123が設けられている。また、前面板121の周縁部分には、後述する駆動部200の円筒形状の導電部材230が一体的に形成されている。
なお、本実施形態において前面板121の厚さは、約20μmである。
【0027】
ガイド部材124は、円筒状の部材であり、液室130の側面を規定するとともに液体吐出部120を含む後述する移動部材140の移動を案内するように、液室固定部110の外径とほぼ同じ内径を有し、固定部110の外周に摺接して軸方向に移動可能となっている。
ガイド部材124は、その一方の端部が前面板121の内側の中央部付近に接合されており、ガイド部材124自身により液室130の側面が規定される。
そして、このガイド部材124の内側に、液室固定部110が挿入され嵌めこまれた状態となるようにしてガイド部材124が液室固定部110に装着される。以後、この状態を嵌装されると言うものとする。これにより、液室固定部110の端面111、ガイド部材124の内面及び前面板121の内側面122で規定された液室130が形成される。
なお、本実施形態においては、ガイド部材124の内径は2.5mmであり、液室130の内径も同じである。
【0028】
前述したように、液室固定部110は、その外径がガイド部材124の内径よりも若干小さくなるように形成されている。従って、ガイド部材124は、液室固定部110に、軸方向に摺動可能な状態で嵌装される。
通常、ガイド部材124は、液室130の容積が所定の大きさとなる所定の基準位置まで液室固定部110に嵌装される。しかしながら液滴の吐出時には、ガイド部材124は、その基準位置より、液室130の容積を大きくする方向(図1においては左方向。以後、この方向を正方向と言う。)、あるいは、液室130の容積を小さくする方向(図1においては右方向。以後、この方向を負方向と言う。)に摺動され、これに伴って液室前面122も移動し、液室130の容積が変化される。
【0029】
なお、本実施形態においては、液室130の軸方向長さが約1mmとなる時のガイド部材124の位置を基準位置とし、液滴を吐出する時には、ガイド部材124は正方向又は負方向に15μm程度移動するものとする。
ガイド部材124の内面又は液室固定部110の外面には、潤滑性被膜を形成してもよい。摺動性を高めるためである。
【0030】
液室130は、前述したように、液室固定部110の一方の端部111、及び、液体吐出部120の前面121の一部122及びガイド部材124により構成される。その大きさは、内径が2.5mmで、通常時の軸方向長さが約1mmである。そして、液室130の内部は、金属酸化等により親水性となるように表面処理が施されており、これにより、極性溶液が容易に液室130内部に導入されるようになっている。
そして、後述する駆動部200の筒状導電部材230が軸方向に移動することにより、これと一体的に設けられた液体吐出部120の前面板121(液室前面122)及びガイド部材124も移動し、液室130の容積を変化させる。その結果、液室130内の液体が吐出口123より吐出する。
なお、筒状導電部材230、液室前面122及びガイド部材124の移動範囲は、基準位置より±15μm程度である。
【0031】
液室前面122(前面板121)に設けられた吐出口123は、図2に示すように、液室130の内側(前面板121の液室固定部110側)から外側(液体の吐出方向側)に向けて徐々に口径が小さくなるように、テーパが設けられた形状に、換言すれば、円錐形状の断面を有する形状に成形されている。本実施形態においては、液室130内側の吐出口123の口径は30μm、液室130外側(液体吐出側)の吐出口123の口径は20μm、その厚さは20μmである。そして、この吐出口123の液面が大気と接する付近の壁面は、例えばシラン系又はテフロン系(テフロンは、米国デュポン社の登録商標)の化合物により、疎水性となるように表面処理がなされており、これにより、液体吐出時に液体が壁面より離脱しやすくなるようになっている。
【0032】
図1に示すように、駆動部200は、一次コイル210及び環状磁気回路220を有する。液室固定部110の外側に略同心状に配置されたギャップ223を有する環状磁気回路220が配置され、このギャップ223部分に、一次コイル210及び筒状導電部材230が配置されている。
【0033】
一次コイル210は、一次コイル210に沿って配置される二次コイルを構成する筒状の導電部材230に誘導電流を生成するために、電流制御回路20より印加される電流に基づいて磁界を生成し、これを筒状導電部材230に作用させる。
一次コイル210は、流される電流の向きが同じなるように同方向に巻かれた同心円状の2重のコイルである外側一次コイル211及び内側一次コイル212を有する。これら同心円状の2重コイルは、その軸芯が前述したノズル部100の液室固定部110の中心軸とほぼ一致する。また、図示のごとく液室固定部110の周囲に配置される環状磁気回路220のギャップ223内に2重コイルが配置されるように、液室固定部110と同様に、ヘッド10の基材又はハウジング(図示省略)に固定して設けられる。
そして、この外側一次コイル211と内側一次コイル212との間に、二次コイルである筒状導電部材230が配置されており、図5に示すように一次コイル210で生成された磁束が筒状導電部材230の内側を通過するようになっている。従って、このような構成の一次コイル210に、電流制御回路20を用いて非定常電流を流すと、一次コイル210及び筒状導電部材230で囲まれた空間に生成される磁束φ1が変化し、その結果、筒状導電部材230に誘導電流が生成される。
【0034】
図1に示す環状磁気回路220は、筒状導電部材230に、その周面に垂直な方向の静磁界を印加する。
環状磁気回路220は、リング状の永久磁石221と、その永久磁石221を保持して環状のギャップ223を形成する軟磁性部材222とを有する。ギャップ223は、放射方向の静磁界が形成されるようになっている。環状磁気回路220は、筒状導電部材230をギャップ223で挟み込むように、換言すれば、同心円状に配置されている外側一次コイル211、筒状導電部材230及び内側一次コイル212を有するコイル部をギャップ223内に配置するように、液室固定部110と同様に、ヘッド10の基材又はハウジング(図示省略)に固定して設けられる。
【0035】
このような構成により、環状磁気回路220は、ギャップ223に配置された一次コイル210及び筒状導電部材230に対して、それらの周面に垂直な方向の静磁界を印加する。
なお、環状磁気回路220は、複数の磁気回路を筒状導電部材230の周方向に沿って断続して配置して構成してもよいし、筒状導電部材230と同様に液室固定部110を囲むように、環状に一体的に構成された部材であってもよい。
また、本実施形態において、環状磁気回路220の永久磁石221は、例えばネオジウム、鉄、ホウ素等からなり、軟磁性部材222は、例えば鉄、パーマロイ、フェライト等からなる。
【0036】
筒状導電部材(周方向部材)230は、一次コイル210に沿って配置された二次コイルであって、一次コイル210により生じる磁束φ1の変化により誘導電流が生成され、この誘導電流と環状磁気回路220より印加される静磁界の相互作用により発生する電磁力が作用することによりボイスコイルとして機能して軸芯方向に移動し、一体的に形成されているノズル部100の液体吐出部120を移動させる。
なお、筒状導電部材230は、具体的には、アルミニウム等の常磁性材料からなる筒状(リング状)の導電部材である。
【0037】
筒状導電部材230は、前述したように、ノズル部100の液体吐出部120の前面板121の周縁部に一体化されており、液体吐出部120とともに移動部材140を構成している。そして、この移動部材140は、ガイド部材124が液室固定部110に嵌装されることにより、筒状導電部材230の放射方向においてはその移動が規制され、一方、筒状導電部材230の軸芯方向には移動可能な状態で、ノズル部100の固定部分に対して配設されている。
【0038】
図5に示すように、筒状導電部材230は一次コイル210と同心状に非接触に配置され、一次コイル210で生じた磁束φ1がほぼそのまま筒状導電部材230の内側空間を通過する。従って、一次コイル210により生じる磁束φ1が変化すると、筒状導電部材230には誘導起電力が生起され、これにより周方向に沿った誘導電流が生成されることとなる。
筒状導電部材230に生起される誘導起電力Eは、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて、式(1)により示される。式(1)において、左辺は、筒状導電部材230の周面を閉曲線Cと見た時の筒状導電部材230の周面に沿った方向の線積分としての誘導起電力を示し、右辺は、筒状導電部材230によって囲まれた任意の局面Sにわたって面積積分された磁束の変化であり、筒状導電部材230の内側を通る磁束の時間変化を示す。
なお、このとき筒状導電部材230に流れる電流の向きは、磁束の変化を打ち消す方向、すなわち一次コイル210の電流変化とは逆に変化する向きとなる。
【0039】
【数1】
Figure 0003912267
【0040】
一方、筒状導電部材230に対しては、環状磁気回路220より常に周面に垂直な方向に静磁界が印加されている。本実施形態においては、例えば図4に示すように、筒状導電部材230の内側から外側に向かう磁界が印加されている。
その結果、筒状導電部材230には、一次コイル210により生じる磁束φ1の変化に基づく誘導電流と環状磁気回路220より印加される静磁界の相互作用によるアンペールの電磁力が作用することとなり、筒状導電部材230はボイスコイルとして動作し、一体的に構成されている液体吐出部120を含む移動部材140を移動させることとなる。
なお、この電磁力は、式(2)により求められ、その方向は、誘導電流Iと磁界Bの外積の方向、すなわち、筒状導電部材230の軸芯方向となる。
【0041】
【数2】
Figure 0003912267
【0042】
電流制御回路20は、筒状導電部材230を移動させることにより移動部材140を移動させ、これにより吐出口123より液滴が吐出されるように、例えば図示せぬ上位の制御装置等からの制御信号に基づいて、駆動部200の一次コイル210に所望の電流を流す。
前述したように、一次コイル210に非定常電流が流れることにより、筒状導電部材230のコイル面を通過する磁束が変化し、筒状導電部材230に誘導電流が生起され、環状磁気回路220による静磁界との相互作用により筒状導電部材230が移動する。この時の筒状導電部材230の移動方向は、一次コイル210に流される電流の向きに応じて変化することとなり、またその移動の速さ(筒状導電部材230に加わる力の大きさ)は、一次コイル210に流される電流の変化の度合いに応じて変化することとなる。
電流制御回路20は、移動部材140すなわち筒状導電部材230の移動が所望の方向に所望の大きさだけ所望の速さ(力)で行われ、その結果吐出口123より液滴が所望の状態で吐出されるように、一次コイル210に印加する電流を制御する。
【0043】
次に、このような構成の液滴吐出装置1の動作について、図3〜図7を参照して説明する。
なお、図3及び図5は、図1と同様の視点でノズル部100を紙面に垂直な側面方向から見た場合の一次コイル210及び環状磁気回路220を示し、図4は、図1で紙面右側となるノズル部100の裏側から筒状導電部材230を見た場合を示す図である。
まず、電流制御回路20より一次コイル210に、図3に示すような電流I1が流されると、一次コイル210の周囲には、図示のごとき磁束φ1が生成される。この時、一次コイル210に囲まれた面内を通過する磁束は、筒状導電部材230に囲まれた空間内をそのまま通過する。
このような構成において、電流制御回路20より一次コイル210に印加する電流が変化すると、一次コイル210により生じる磁束φ1も変化することとなり、その結果、筒状導電部材230を通過する磁束も変化することとなる。
筒状導電部材230に囲まれた面内を通過する磁束に変化が生じると、筒状導電部材230に式(1)に示したようなファラデーの電磁誘導の法則に基づく誘導起電力が生起し、筒状導電部材230の周面に沿って、例えば図4に示すような誘導電流I2が生成される。
【0044】
一方で、筒状導電部材230に対しては、環状磁気回路220の作用により、周面に垂直な方向、本実施形態においては図4に示すように周面の内側から外側向きに静磁界B0が印加されている。その結果、筒状導電部材230には、図5に示すように、式(2)に示したような誘導電流I(I2)と静磁界B(B0)の相互作用による電磁力Fが作用することとなる。
これにより、筒状導電部材230は、一次コイル210に印加される電流に応じて軸芯方向(図5の状態では液体吐出面方向)の正又は負の向きに移動されることとなる。
なお、筒状導電部材230は、基本的な動作として、まず初期状態として所定の基準位置に配置され、液体吐出動作時に、軸方向に往復移動を行う。電流制御回路20は筒状導電部材230がこのような動作を行うように、所望のシーケンスの電流を印加する。なお、この時の筒状導電部材230の移動距離は15μm程度である。
【0045】
筒状導電部材230が軸芯方向に移動すると、移動部材140として筒状導電部材230と接合されている液体吐出部120も一体的に移動し、液室130を構成する液室前面122及びガイド部材124も移動する。すなわち、筒状導電部材230の移動に伴って、液室背面111に対して液室前面122が接近して液室130の容積が小さくなったり、あるいは逆に、液室前面122が離れて液室130の容積が大きくなったりする。
なお、液体を吐出するための実際の動作としては、液室前面122は、筒状導電部材230と同様に、液室130の軸方向長さが1mmとなるような所定の位置を基準として、液室130を拡張する側に基準位置より15μm離れた拡張位置、あるいは、液室130を縮小する側に基準位置よりも15μm離れた縮小位置までの間を往復移動する。
【0046】
液室130には、液室固定部110の液溜まり114及び液体供給路113から吐出対象の液体が充填されている。この時、この液体供給路113は、液室前面122が移動することによりノズル部100において生じる吸引力に応じて適宜液体をノズル部100すなわち液室130に供給する。
そしてこのように液室130に液体が充満されている状態で、前述したように液室前面122を軸方向に往復移動させると、液室前面122が基準位置と拡張位置との間を往復移動した場合、及び、液室前面122が基準位置と縮小位置との間を往復移動した場合のいずれにおいても、液室130に収容されている液体を吐出口123から吐出させることができる。
【0047】
この吐出口123より液滴が吐出される状態について、図6及び図7を参照して説明する。
まず、吐出口123が基準位置と拡張位置との間を往復移動することにより液滴が吐出される状態について、図6を参照して説明する。
図6(A)に示すように、液室前面122が基準位置P0に存在し液室130に液体が充満されている初期状態より、図6(B)に示すように、液室前面122が液室130を拡張する方向に基準位置P0より15μm離れた拡張位置P1に移動したとする。その移動は急激なので、図6(B)に示すように、吐出口123付近の液室130内部に、液体が存在しない空隙孔が形成されることとなる。その後に、図6(C)に示すように、液室前面122が基準位置P0に急激に戻されることで、吐出口123から液滴が吐出される。
なお、液体の粘性(共振周波数)等のパラメータに合わせて、液室前面にての移動速度を調整することが好ましい。
【0048】
次に、吐出口123が基準位置と収縮位置との間を往復移動することにより液滴が吐出される状態について、図7を参照して説明する。
図7(A)に示すように、液室前面122が基準位置P0に存在し液室130に液体が充満されている初期状態より、図7(B)に示すように、液室前面122が液室130を収縮する方向に基準位置P0より15μm離れた収縮位置P2に移動したとする。その場合、吐出口123より押し出される液体の運動エネルギーが吐出口123における表面張力よりも大きければ、図7(B)に示すように、液体は液滴として吐出口123から外部に吐出される。
【0049】
この状態から、次に液室前面122が元の基準位置P0に戻るように移動した場合、液室130に対しては、負の圧力すなわち吸引力が作用することとなり、液体供給路113を介して外部液体供給部より新たな液体が吸入され、所定の時間経過後には、図7(C)に示すように、再度液室130内が液体で充満した状態となる。
このような動作を繰り返すことにより、ノズル部100より所望のタイミングで液滴が吐出される。
【0050】
次に、液滴吐出装置1のメンテナンスについて説明する。例えば、吐出する液体を変えたい場合、液体吐出部120を交換したい場合あるいは液室130等の液体を取り扱う部材の洗浄を行いたい場合等には、液滴吐出装置1においては、移動部材140を液室固定部110及び駆動部200より取り外せばよい。
前述したように、液滴吐出装置1のノズル部100においては、液室固定部110及び駆動部200は基材又はハウジング等に固定されているが、液体吐出部120及び筒状導電部材230を含む移動部材140は、ガイド部材124が液室固定部110に嵌装されて配設されているのみで、何ら固定的に設置されているものではない。また、移動部材140には電気配線等が接続されておらず、ガイド部材124の嵌装状態を解除すれば、移動部材140はノズル部100より別個の固体として分離される。
【0051】
従って、液滴吐出装置1のメンテナンスを行う場合、そのように移動部材140を分離し、その状態で、移動部材140を洗浄したり、液室固定部110を洗浄したり、あるいは移動部材140を交換する等の作業を行うこととなる。
そして、メンテナンス終了後には、再度移動部材140の液滴吐出装置125を液室固定部110に差しこむのみで、ノズル部100の復元が完了する。なお、液室固定部110を、駆動部200から取り外し可能とすることで、さらにメンテナンス時の作業性が向上する。
【0052】
このように、本実施形態の液滴吐出装置1においては、液滴を吐出する移動部材140の前面板121に接合した筒状導電部材230を、一次コイル210により生成した誘導電流と環状磁気回路220により印加した静磁界との作用による電磁力により移動させ、液滴を吐出させている。
従って、ノズル部100のこの可動部140は、液滴吐出装置125が液室固定部110に嵌装されて保持されているのみで、複雑な固定のための構造や、電気的な配線等が一切なく、ノズル部100に対して容易に着脱することができる。その結果、移動部材140及び液室固定部110の双方の洗浄が容易に行え、移動部材140の交換も容易に行える。そして、吐出対象の液体を取り扱う構成部の洗浄,交換が容易に行えるので、吐出する液体の交換も容易に行うことができる。
その結果、液滴吐出装置1は、ノズルの交換や洗浄が頻繁に必要な、例えばDNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)及びタンパク質等の検査装置に好ましく適用することができる。
【0053】
また、本実施形態の液滴吐出装置1においては、液室130に収容された吐出対象の液体に熱を加える必要がない。従って、熱により分解したり変質するような材料を含む液体であっても、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて吐出することができる。例えば、前述したような、DNA、RNA及びタンパク質等の生体物質、蛍光材料、あるいはこれらを含む任意の有機物を含む液体を吐出する際にも、その有機物に何ら影響を与えることなく適切に吐出できる。
【0054】
また、液滴吐出装置1は、低電圧で動作させることができる。このことを、図8を参照して説明する。
図8は、ボイスコイルの磁気回路断面の有限要素モデルを、ベクトルポテンシャル法を用いて解析し、その周波数特性を求めた図である。図8において、特性L1は、本実施形態の液滴吐出装置1の一次コイル210及び筒状導電部材230の組み合わせにおける筒状導電部材230に流れる電流の周波数特性を示し、特性L2は、一次コイル210を1重コイルとした場合の周波数特性を示し、特性L3は、これまでの一般的なボイスコイルの周波数特性を示す。
より具体的には、特性L1を示した駆動部200の構成は、一次コイル210が、外側一次コイル211直径:18.1mm、内側一次コイル212直径:16.3mm、巻き数:各々15で計30、巻き幅:各々2mm、直流抵抗:各々2Ωで計4Ω、比透磁率:6480であり、二次コイルが、コイル直径:17.5mm、巻き数:1、巻き幅:2mm、直流抵抗:0.0038Ω、体積抵抗率:46μΩcmという仕様のものである。
また、特性L2を示した駆動部200の構成は、前述した特性L1を示した構成のうち、外側一次コイル211が設けられておらず、内側一次コイル212の巻き数が30としてある構成、すなわち、一次コイル210を一重コイルとした構成である。
【0055】
図8に示すように、特性L1及び特性L2に示される本実施形態の駆動部200の構成及びこれに準じた構成のボイスコイルにおいては、周波数が高くなるにつれて、生起される誘導電流は高くなっており、10kHzから100kHz程度の高い周波数領域において周波数に応じた十分な誘導電流が生起されている。一方で、特性L3で示される通常のボイスコイルにおいては、周波数が高くなるにつれて生起される誘導電流は小さくなっており、高周波領域においては十分な誘導電流が得られていない。これは、高周波領域になるとインダクタンス成分が大きくなることが原因として考えられる。
このように、本実施形態の駆動部200の構成によれば、高周波領域においても十分な誘導電流が生起されており、低い電圧であっても効率よく筒状導電部材230に電磁力を生起させることができる。
【0056】
また、本実施形態の液滴吐出装置1においては、駆動部200の一次コイル210を2重コイルとし、この間に二次コイルたる筒状導電部材230を配置している。従って、図8に示すように、100kHz程度のより高周波の領域においてもインダクタンスの影響を受けることなく、十分な誘導電流が生起されている。これは、より周波数の高い動作領域においても、低い電圧で十分に筒状導電部材230を駆動することができることを意味し、好適である。
【0057】
また、このような構成の液滴吐出装置1は、非常に高周波駆動が可能である。このことを、図9を参照して説明する。
図9(A)は、液滴吐出装置1に周波数50Hzで周期的に等量の液滴を吐出させた時の、一次コイル210に投入する電流の波形を示す図であり、横軸は時間、縦軸は電流値である。図9(B)は、図9(A)に示した信号を入力した時の、液室130の伸縮の状態を示す図であり、横軸は時間、縦軸は位置である。なお、図9(B)は、一次コイル210の軸芯方向の吐出口123の位置の変動を示すものであり、符号の正側が伸張方向、符号の負側が収縮方向である。
【0058】
図9に示すように、一次コイル210に電流が投入されてから、吐出口123(液室前面122)の移動までは、0.5msec程度である。これは、そのまま信号を印加してから液体が吐出するまでの応答速度と考えることができ、非常に高速であることがわかる。
従って、この液滴吐出装置1を用いれば、高周波の駆動信号に適切に応答して高速に液滴を吐出することができる。具体的には、例えば高速に回転するディスク等の所定の指定位置に液体を正確に滴下する等の用途においても、適切に使用することができる。
【0059】
また、従来のピエゾ方式の液滴吐出機構においては、液室130を圧縮することにより液滴を吐出していたが、本実施形態の液滴吐出装置1においては、液室前面122を、液室130を拡張する方向、及び、液室130を収縮する方向のいずれにも移動させることができ、いずれに動かした場合においても液滴を吐出することができる。従って、例えば吐出する液体の種類、吐出条件等に応じて、より適切な形態で液体を吐出することができ、より広範な対象、装置,用途に適用することができる。
【0060】
なお、本発明に係る液滴吐出装置の構成は、本実施形態の液滴吐出装置1に限定されるものではなく、その具体的構造等は、適宜変更してよい。
例えば、本実施形態の液滴吐出装置1においては、液体吐出部120及び筒状導電部材230が一体的に形成された移動部材140が、ノズル部100本体より容易に分離できる構成とした。しかしながら、液室固定部110、あるいは、液室固定部110の液室背面111、液体供給路113、液溜まり114等の、液体を取り扱う液室固定部110等の構成部分をも容易に分離できるようにしてもよい。また、移動部材140を含めて、ノズル部100自体を容易に分離できるようにしてもよい。
これらの構成部は、移動部材140と同様に電気的な配線が設けられていないため、その位置を正確に復帰できるようにさえしておけば、着脱可能な構成とすることは比較的容易である。そして、そのような構成とすれば、液体吐出部120を含めて、吐出対象の液体が接触する構成部は全て着脱可能な構成となる。従って、吐出対象の液体を頻繁に交換したり、液室を頻繁に洗浄する必要がある用途に適用する場合にはより好適である。
【0061】
また、本実施形態のノズル部100においては、液室固定部110内に液溜まり114を設けたが、これは必ずしも必須なものではない。例えば、複数の液体を処理したい場合等には、液室130の前段に、液体を一時的に収容するこのような液溜まり114を設けることは有効であるが、例えばプリンタ装置等に適用してインクを吐出する場合には、インクボトル等から直接液室130にインクを供給するのが有効であり、そのような場合には液溜まり114は必要としない。本発明の液滴吐出装置1は、そのように用途に応じて適宜構成を変更してよい。
【0062】
また、本実施形態においては、ノズル部100、駆動部200を各々1つずつ有する基本的な構成の液滴吐出ヘッド10を例示したが、これらを複数具備するような構成の液滴吐出装置を構成してもよい。
具体的には、例えば図10に示すように、本実施形態の液滴吐出装置1を複数直線上に配置し、複数の液滴を同時に、あるいは、独立して滴下できるようにしてもよい。この構成は、例えば本発明の液滴吐出装置1をプリンタ装置のラインヘッドとして使用する場合に有効である。この場合、各液滴吐出ヘッド10から同一の液体を吐出するようにしてもよいし、各々が別個の液体を吐出するようにしてもよい。
なお、このように複数のノズル部100を集積して1つの液滴吐出装置を構成する場合、そのノズル部100の集積、接続の形態も、図10に示したような直線形状に限られるものではなく、2次元的に集積する等任意の形態で集積してよい。
【0063】
また、例えば図11に示すように、それぞれ単一の駆動部200及び移動部材140に対して、複数の液室固定部110、液室130及び吐出口123を設けるようにしてもよい。このような構成とすれば、1つの駆動部200を駆動することにより、同時に複数の液体を吐出することができる。
なお、この場合も、各吐出口123から異なる液体を吐出してもよいし、同じ液体を吐出してもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、ガイド部材124を液室固定部110に嵌装することのみにより移動部材140をノズル部100に取りつけるものとしたが、その他の補助的な支持手段を設けるようにしてもよい。例えば、駆動部200の誤動作等により液室130が必要以上に収縮されて液体が大量に吐出することを防ぐ等のために、筒状導電部材230が前面板121とは逆方向、すなわち、液室130を収縮する方向に移動する範囲を制限するよう、筒状導電部材230のその移動を制限したい側に、例えばバネやゴム等の弾性部材を配置するようにしてもよい。
【0065】
また、本実施形態においては、一次コイル210の外側一次コイル211と内側一次コイル212の間に筒状導電部材230を配置するものとしたが、筒状導電部材230を内側一次コイル212のさらに外側に配置するようにしてもよいし、内側一次コイル212のさらに内側に配置するようにしてもよい。筒状導電部材230は、最低限一次コイル210により生じる磁界の作用が及ぼす範囲内に配置されればよく、その配置は任意に決定してよい。
また、一次コイル210を構成する外側一次コイル211及び内側一次コイル212の電気的接続形態は、並列接続であっても直列接続であってもよい。これらのコイルの巻き方向(電流の流される方向)が同一であれば、その接続形態は任意でよい。
【0066】
また、本実施形態においては、一次コイル210を2重コイルとしたが、一重のコイルであってもよい。図8を参照して前述したように、この場合も従来のボイスコイルに比べて十分に有効である。
なお、その場合、一次コイル210と二次コイルたる筒状導電部材230の配置は任意でよい。例えば、筒状導電部材230が一次コイル210の外側に配置されていてもよいし、一次コイル210が筒状導電部材230の外側に配置されていてもよい。
また、本実施形態においては、電磁力が作用されて移動部材140を移動させるコイルは、筒状あるいはリング状の導電部材であるとしたが、導電線を巻いた通常のコイルを用いてもよい。
【0067】
その他、本実施形態の液滴吐出装置1の各構成部の材料、寸法,形状等は,これに限定されるものではなく任意に変更してよい。
例えば、本実施形態においては、筒状導電部材230はアルミニウムリングとしたが、アルミニウムに限らず、任意の非磁性導電体材料を用いてよい。筒状導電部材230としては、強磁性材料以外であれば、任意の導電性材料を使用することができる。
【0068】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について、図12を参照して説明する。
本実施形態においては、例えばハイブリダイゼーション等の反応を用いてDNAの解析を行うDNAディスクプレイヤを例示して本発明を説明する。
本実施形態のDNAディスクプレイヤは、ディスク上に検出用物質を含むプローブDNAを配置し、被検試料たるターゲット物質及び蛍光標識剤を含む溶液をそのプローブDNA上に滴下することにより塩基間のハイブリダイゼーション等の反応を生じさせる。そして、これに励起光を照射することにより蛍光標識剤からの蛍光を検出し、塩基間の結合強度等を検出し、例えばDNAの塩基配列の検出等、ターゲット物質の分析を行うものである。
【0069】
図12は、そのDNAディスクプレイヤ300の構成を示すブロック図である。
以下、図12を参照して、DNAディスクプレイヤ300の構成及び動作について説明する。
まず、DNAディスクプレイヤ300には、ハイブリダイゼーション等の処理が行われるDNAディスク400が装着される。このディスク400は、石英ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリスチレン等の合成樹脂で形成された円盤基板であり、その表面401には、検出用物質及びターゲット物質が配置されて相互反応が行われる検出用ピットや、ディスク400上の位置を特定するためのアドレスピット等が形成されている。
【0070】
このディスク400が、スピンドルモータ310により回転駆動される図示せぬディスク支持部のスピンドルに装着されることにより、DNAディスクプレイヤ300に装着される。
スピンドルモータ310は、スピンドルサーボ部363より印加される駆動信号に基づいて回転駆動し、これによりスピンドルに装着されたディスク400を回転させる。本実施形態のDNAディスクプレイヤ300は、ディスク400を角速度一定に回転させるCAV方式の装置であり、従って、スピンドルモータ310は、常に一定の速度で回転駆動される。
【0071】
また、DNAディスクプレイヤ300は、本発明に係る液滴吐出ヘッド10を有する。
液滴吐出ヘッド10は、前述した電流制御回路20の機能を含むヘッド制御部390により制御され、DNAディスクプレイヤ300に装着されたディスク400の前面に形成された検出用ピットに、検出用物質を含む液体、あるいは、ターゲット物質を含む液体を吐出する。
液体を吐出する検出用ピットへの移動、すなわちディスク400上の位置は、ヘッド制御部390からの制御に基づいて図示せぬアクチュエータが駆動されて行われる。
また、吐出する液体のノズル部100への供給は、同じくヘッド制御部390の制御に基づいて、液滴吐出ヘッド10の蓋部材116のエア抜き孔117を介して、図示せぬ液体供給部より適宜行われる。
また、実際の液体の吐出のタイミング、吐出する液体の量等の制御は、ヘッド制御部390が前述した液滴吐出装置1の電流制御回路20と同等の制御処理を行うことにより、すなわち、液滴吐出ヘッド10の一次コイル210に所定の電流を供給することにより行われる。
【0072】
青色レーザダイオード(BLD)321は、蛍光標識剤の第1の励起光である波長405nmの青色レーザ光を出射する半導体レーザである。BLD321より出射された光ビームは、ダイクロイックミラー322により反射されて対物レンズ330を介してディスク400に照射される。
赤色レーザダイオード(RLD)323は、蛍光標識剤の第2の励起光である波長640nmの赤色レーザ光を出射する半導体レーザである。RLD323より出射あれた光ビームは、ダイクロイックミラー324により反射されて対物レンズ330を介してディスク400に照射される。
【0073】
赤外光レーザダイオード(IRLD)325は、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボを行うための光ビームである波長780nmの赤外レーザ光を出射する半導体レーザである。IRLD325より出射された光ビームは、ビームスプリッター326を介して、ミラー327により反射されて対物レンズ330を介してディスク400に照射される。
なお、IRLD325より出射された光ビームは、図示せぬ回折格子を通過されて0次回折光及び±一次回折光が生成され、これがディスク400に照射される。
【0074】
対物レンズ330は、図示せぬ光学ヘッドに設けられており、BLD321、RLD323及びIRLD325より出射されて入射される光ビームを集光し、ディスク400の処理部分、すなわち、プローブDNAの配置場所、ターゲットの滴下場所、あるいは、蛍光標識剤からの蛍光検出等の箇所に、所定の微小スポット光として照射する。
なお、対物レンズ330は、図示せぬアクチュエータによって、トラッキング方向(ディスク400の径方向)及びフォーカス方向(ディスク400に対する上下方向)に移動される。
【0075】
ディスク400で励起された蛍光は、その一部がダイクロイックミラー341で反射され、波長480nmの光のみを通過させるフィルタ342を介して第1の電子増倍管(PMT)343に入射される。第1の電子増倍管(PMT)343は、ディスク400からの蛍光を検出すると、その旨を示す信号を図示せぬ上位の解析用コンピュータに出力する。
また、ディスク400で励起された蛍光の一部は、ダイクロイックミラー344で反射され、波長680nmの光のみを通過させるフィルタ345を介して第2の電子増倍管(PMT)346に入射される。第2の電子増倍管(PMT)346は、ディスク400からの蛍光を検出すると、その旨を示す信号を図示せぬ上位の解析用コンピュータに出力する。
【0076】
また、ダイクロイックミラー344を透過したディスク400からの蛍光は、ミラー327及びビームスプリッター326で反射されて、フォトディテクタ350に入射される。
フォトディテクタ350は、例えば、IRLD325より出射された0次回折光を検出する4分割フォトディテクタ、及び、±一次回折光を検出する両サイドの2つのフォトディテクタを有し、各々、検出した光の強度に応じた光検出信号を生成し、スピンドルサーボ系、トラッキングサーボ系及びフォーカスサーボ系の各回路に出力する。
【0077】
スピンドルサーボ系においては、フォトディテクタ350で検出された0次回折光の周波数をRF信号検出部361において検出し、これをPLL回路362に入力し、所望の位相、周波数となるように制御する。そして、スピンドルサーボ部363において、PLL回路362の出力信号より実際にスピンドルモータ310を駆動する駆動信号を生成し、スピンドルモータ310に印加する。これによりスピンドルモータ310の回転は、所定の一定角速度に維持される。
また、トラッキングサーボ系においては、例えば、少なくともフォトディテクタ350で検出された±一次回折光の反射光の強度を演算回路371において比較し、これに基づいてトラッキングエラー信号を生成する。そして、このエラー信号に基づいてトラッキングサーボ部372においてトラッキングサーボ信号を生成し、ヘッド制御部390に出力する。
また、フォーカスサーボ系においては、演算回路381において、フォトディテクタ350の4分割フォトディテクタで検出された0次回折光の各ディテクタから検出された光検出信号の対角成分同士を加え、さらにその差分を検出することによりフォーカスエラー信号を生成する。そして、このフォーカスエラー信号に基づいて、フォーカスサーボ部382においてフォーカスサーボ信号を生成し、ヘッド制御部390に出力する。
【0078】
そして、ヘッド制御部390は、トラッキングサーボ部372より入力されたトラッキングサーボ信号、フォーカスサーボ部382より入力されたフォーカスサーボ信号、さらに、図示せぬ制御用コンピュータ及び解析用コンピュータからの動作制御信号に基づいて、液滴吐出ヘッド10及び光学ヘッドが同期して、ディスク400の同一の位置に対して所望の処理を行うように、液滴吐出ヘッド10及び光学ヘッドすなわち対物レンズ330を制御する。
具体的には、ヘッド制御部390は、液滴吐出ヘッド10に対しては、吐出する検出用物質を含む液体あるいはターゲット物質を含む液体の供給、吐出位置までの液滴吐出ヘッド10の移動のためのアクチュエータの制御、及び、所望の量の液体が所望のタイミングで適切にディスク400の検出用ピットに滴下されるように、駆動部200の一次コイル210への電流の印加等を行う。
また、ヘッド制御部390は、対物レンズ330を含む図示せぬ光学ヘッドに対しては、トラッキング及びフォーカシングが適切に行われるように、そのアクチュエータを駆動する。
【0079】
このような構成のDNAディスクプレイヤ300を用いて、DNAの解析を行う場合、まず、ディスク400を回転させながら、ディスク400上の所定の位置、すなわち検出用ピットの位置に、液滴吐出ヘッド10より、検出用物質を含む溶液を滴下する。検出用物質を含む溶液を滴下したら、ディスク400上で固相化させ、検出用ディスクを形成する。なお、この検出用物質は、例えばヌクレオチド鎖、ペプチド、タンパク質、脂質、低分子化合物、リボソーム、及び、その他の生体物質等である。
次に、ディスク400を回転させながら、プローブDNAの上に、液滴吐出ヘッド10より蛍光標識された、例えば、細胞、生体組織等から採取したmRNA等のターゲット物質を含む溶液を滴下する。
そして、この状態でディスク400を恒温層で数時間加温する等して、検出用物質とターゲット物質とを相互反応させる。
【0080】
所定の時間が経過したら、相互反応に寄与しなかったターゲット物質を洗浄し、再度ディスク400をDNAディスクプレイヤ300に装着する。そして、ディスク400を回転させながら、相互反応を示したターゲット物質にBLD321及びRLD323からの励起光を照射し、蛍光標識より発せられる蛍光を第1の電子増倍管(PMT)343及び第2の電子増倍管(PMT)346により検出する。
そして、検出された蛍光強度を解析し、検出用物質とターゲット物質の結合強度を分析することにより、実質的にターゲット物質の分析を行う。
【0081】
このような構成のDNAディスクプレイヤ300によれば、液滴吐出ヘッド10を用いることにより、所望の量の所望の液体を、ディスク400上の所望のピットに正確に、高速に滴下することができる。
その結果、ターゲット物質の分析を高速に短時間で行うことができる。このことは、膨大な量のターゲット物質の分析を、非常に安価に行うことができることを意味する。その結果、多数のターゲット物質の分析を高速に行うことができるため、分析結果を統計的に処理することが可能となり、DNA等の生体物質や有機物質の分析を高精度に行うことができる。
【0082】
また、液滴吐出ヘッド10は、移動部材140や液室130の洗浄や交換を容易に行えるので、多数の検出用物質や多数のターゲット物質を扱う場合に、ノズル部100の洗浄や交換を行う手間が大幅に削減でき、物質の分析が効率よく行える。
また、そのようにノズル部100の洗浄や交換が容易に行えることで、より精度よい分析を行うことができる。
また、液滴吐出ヘッド10は簡単な構造で安価に提供できるので、DNAディスクプレイヤ300を安価に提供することが可能となる。
また、液滴吐出ヘッド10は低電圧で高周波駆動が可能なので、例えばディスク400をより高速に回転させることにより、なお一層液滴の滴下、すなわち物質の分析を高速に行うことができる。
【0083】
なお、本実施形態のDNAディスクプレイヤ300の構成も、これに限られるものではなく適宜変更してよい。
例えば、本実施形態のDNAディスクプレイヤ300は、ノズル部100を1つのみ有する図1に示したような構成の液滴吐出ヘッド10を登載するものとしたが、例えば図10や図11に示したような、複数の液体吐出口を具備する液滴吐出ヘッド10を搭載するようにしてもよい。
DNAディスクプレイヤ300のように、多数種類の液体を多数滴下する場合には、ノズル部100を多数具備し、同時に多数の液滴を吐出したり、同時に種類の異なる多数の液体を吐出したりすることができれば、より効率よく物質の分析を行うことができる。DNAディスクプレイヤ300はそのような構成であっても何ら問題なく、そのようなDNAディスクプレイヤ300も本発明の範囲内であることは明らかである。
【0084】
また、例えば、DNAディスクプレイヤ300のスピンドルサーボ、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ等の方法、構成は、本実施形態に限られるものではなく、任意の方法でよい。
また、本実施形態のDNAディスクプレイヤ300は、角速度一定でディスク400の回転を制御するCAV方式の装置としたが、線速度一定でディスク400を駆動させるCLV方式や、ディスクを複数のゾーンに分けてゾーンごとにCAV方式及びCLV方式を切り分ける方式であってもよい。
【0085】
第3の形態
第3の形態について、図13を参照して説明する。
本形態においては、プリンタ装置を例示する
なお、本形態のプリンタ装置で使用されているインクジェットヘッドは、後述するように、第1の実施形態で説明した液滴吐出装置1であるので、そのインクジェットヘッドの説明に際しては第1の実施形態で参照した図面及び符号を用いるものとする。
【0086】
図13は、本形態のプリンタ装置の概略構成を示す図である。
プリンタ装置500においては、ペーパートレイ510に収容されている被印刷媒体である印刷用紙が、給紙ローラ520、反転ローラ530及び用紙搬送ガイド540を介してインクジェットヘッド部550下に搬送される。
インクジェットヘッド部550は、液滴吐出装置1の液滴吐出ヘッド10をライン上に多数配置した構成のラインヘッドを、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクに対応させて4本具備したものであり、各々ノズル部100のインク吐出面が重力方向下向きであり、搬送される印刷用紙の方に向くように配置されている。
また、これら各ラインヘッドに対しては、インクボトルより、各ヘッドに対応した色のインクが適宜供給される。
搬送された印刷用紙には、このようなインクジェットヘッド部550により所望の文字、図形、記号、画像等が印刷され排出される。
【0087】
このように、液滴吐出装置1は、液体を吐出するインクジェットヘッドとして使用することでプリンタ装置500にも適用することができる。
そしてそのようなプリンタ装置500は、ノズル部100の洗浄及び交換が容易なので、メンテナンスを容易に行うことができ、その結果、高品質な印刷を行うことができる。また、インクジェットヘッドを低電圧で高い周波数で駆動することが可能なので、消費電力が少なく、印刷速度の速いプリンタ装置を提供することができる。また、ヘッド部分において、可動部に対して電気的接触がなく、構造も簡単なので、信頼性が高く安価なプリンタ装置を提供することができる。
【0088】
なお、本形態においては、液滴吐出ヘッド10をカラー印刷を行うラインヘッドに適用したが、例えば、ヘッドが印刷用紙上を移動して印刷を行う方式のプリンタ装置でも使用されてもよい。また、比較的少数のノズル部100が、2次元又は1次元にバルク状に配置されたヘッドや、あるいはまた単色の印刷を行うプリンタ装置等にも液滴吐出ヘッド10は同様に適用可能である。
【0089】
第4の形態
第4の形態について、図14を参照して説明する。
本形態においては、有機ELパネルの製造方法を例示する
図14は、有機ELパネルの製造工程の一部を説明する図である。
【0090】
有機ELパネルの製造にあたっては、まず、ガラス基板610上に、画素ごとのITO透明電極101をフォトリソグラフィーにより形成する。
次に、ITO透明電極101の間に、画素間の光の漏れを防ぐとともに、発光層形成のための液体の漏れを防止し、画素の区分けを行う樹脂630を壁状に形成する。
そして、この樹脂630により区分けされた各画素の領域に、赤、緑及び青色を発色する液状の発光材料640〜660を、第1の実施形態で説明した液滴吐出装置1により滴下する。
発光材料を滴下したら、加熱処理を行うことにより発光層を形成する。
次に、例えばポリビニルカルバゾール(PVK)等のホール注入層形成材料を、同じく液滴吐出装置1により滴下することにより、ITO透明電極101の所定の位置に打ち込み、ホール注入層を形成する。
そして最後にこの上に、図示省略してある反射画素電極を形成することにより、フルカラー有機ELパネルが形成される。
【0091】
従来、青、緑、赤の3原色を発色する有機色素を画素ごとにパターニングして配置することは、これらの材料が熱等への耐性の問題からフォトリソグラフィー等の従来のパターニング工程に耐えられないという問題から、困難であった。
しかしながら、本形態のように、液滴吐出装置1を用いれば、材料を加熱することなく、所望の位置に精度よく、また、所望の量だけ正確に、これらの材料を基板上等に配置することができる。すなわち、パネルの画素に対応して高精細に発色材料を配置することができ、有機材料を用いた発光層のパターニングが可能となる。
また、液滴吐出装置1は、前述したように、ノズル部100の洗浄及び交換が容易なので、種々の材料を高品質な状態で滴下することができ、高品質なパネルを製造することができる。また、インクジェットヘッドを高い周波数で駆動することが可能な上に、洗浄等のメンテナンスに膨大な工数を要することがないため、高速に、短い製造期間でパネルを製造することができる。
【0092】
なお、本形態においては、有機ELパネルの製造工程を説明したが、その他のパネル、ディスプレイの製造に際しても、例えば画素ごとに材料を配置形成する場合、所定の材料の層をパターニングする場合等に適用できる。
例えば、電界放出型ディスプレイ(FED:Field Emission Display)の製造に際して、画素ごとの電界放出陰極(マイクロカソード)を形成するのに適用してもよい。この場合、例えばカーボンナノチューブを溶剤に分散させ、この液体を液滴吐出装置1より順次各画素の位置に滴下することで、画素ごとの陰極を形成することができる。
FEDのマイクロカソードは、放電しやすいように、微小な針形状に形成されるのが好ましいが、そのような電極をリソグラフィー工程で形成するのは困難であり、通常複雑な工程が必要とされる。しかし、液滴吐出装置1でそのような電極を有する液体を各画素の位置に吐出すれば、容易に形成することができ有効である。
【0093】
第5の形態
第5の形態について、図15を参照して説明する。
本形態においては、液滴吐出装置1を用いて基板上に導電パターンを形成する方法について説明する。
図15は、その導電パターンの形成工程を説明する図である。
導電パターンの形成をする場合、図示せぬ駆動手段により駆動可能に保持された液滴吐出装置1に、金属微粒子(例えばナノオーダーの微粒子)を含む液体730を供給し、これを所定の保持装置に水平に保持された基板710上に配置する。
そして、液滴吐出装置1を、導電パターンを形成する位置に移動させ、金属微粒子を含む液体730を吐出しながら、形成しようとする導電パターンの軌跡に追従して移動させる。
このようにして、滴下した液体が連続するように液体を滴下することで、基板710上に所望の導電パターン720が形成される。
【0094】
このように、液滴吐出装置1を用いて基板の配線パターンや電極パターン等を形成することにより、例えば非常に微細な導電パターンを正確に、基板等に形成することができる。従って、基板上に効率よく回路を実装することができる。
また、導電パターンを直接的に基板上に形成することができるため、工程が簡略化され、所望の基板を短納期で製造することができ、ひいては、その基板を用いる機器、装置等の製造期間をも短縮することができる。
液滴吐出装置1は、このような形態で使用することも可能である。
【0095】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。
【0096】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、液体を高温高圧にさらすことなく、ノズル(移動部材)の交換や洗浄が容易で、さらに低電圧で高周波駆動が可能な液滴吐出装置及び液滴吐出方法を提供することができる。
また、液体を高温高圧にさらすことなく、ノズルの交換や洗浄が容易で、さらに低電圧で高周波駆動が可能な液滴吐出装置又は液滴吐出方法を用いることにより、より高速かつ高精度に所望の液滴を吐出し、これにより所望の生産物を効率よく高品質に生産、製造することのできるような種々の装置及び製造方法を提供することができる。
具体的には、そのような検査用ディスク処理装置及び検査用ディスク処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の液滴吐出ヘッドの基本構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した液滴吐出ヘッドの吐出口の構造を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した液滴吐出ヘッドの駆動部における、一次コイルにより生成される磁界を説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示した液滴吐出ヘッドの駆動部における、一次コイル及び環状磁気回路の作用により導電性リングに生成される誘導電流を説明するための図である。
【図5】図5は、図1に示した液滴吐出ヘッドの駆動部における、一次コイルにより生成された磁界及び環状磁気回路により生成された磁界の二次コイルたる導電性リングへの作用を説明するための図である。
【図6】図6は、図1に示した液滴吐出ヘッドにおいて、可動部が収縮する方向に振動することにより液滴が吐出する過程を説明するための図である。
【図7】図7、図1に示した液滴吐出ヘッドにおいて、可動部が伸張する方向に振動することにより液滴が吐出する過程を説明するための図である。
【図8】図8は、図1に示した液滴吐出ヘッドの導電性リングに生成される誘導電流の周波数特性を示す図である。
【図9】図9(A)は、図1に示した液滴吐出ヘッドにおける、液滴と吐出させる時の一次コイルへの印加電流の波形を示す図であり、図8(B)は、図8(A)に示した印加電流に基づく液室の伸縮の状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明に係る液体吐出ヘッドの他の構成の第1の例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に係る液体吐出ヘッドの他の構成の第2の例を示す図である。
【図12】 図12は、本発明の第2の実施形態のDNAディスクプレイヤの構成を示す図である。
【図13】 図13は、プリンタ装置の構成を示す図である。
【図14】 図14は、ディスプレイパネルの製造方法を説明するための図である。
【図15】 図15は、導電体パターンの形成方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…液滴吐出装置、10…液滴吐出ヘッド、20…電流制御回路、100…ノズル部、111…液室背面、112…液体供給口、113…液体供給路、114…液溜まり、115…開口部、116…蓋部材、117…エア抜き孔、120…液体吐出部、121…前面板、122…液室前面、123…吐出口、124…ガイド部材、130…液室、140…移動部材、200…駆動部、210…一次コイル、211…外側一次コイル、212…内側一次コイル、220…環状磁気回路、221…永久磁石、222…軟磁性部材、230…筒状導電部材、300…DNAディスクプレイヤ、310…スピンドルモータ、321…青色レーザダイオード、322、324,341,344…ダイクロイックミラー、323…赤色レーザダイオード、325…赤外レーザダイオード、326…ビームスプリッター、327…ミラー、341,345…フィルタ、343,346…電子倍増管(PMT)、350…フォトディテクタ、361…RF検出回路、362…PLL回路、363…スピンドルサーボ部、371、381…演算回路、372…トラッキングサーボ部、382…フォーカッシングサーボ部、390…ヘッド制御部、500…プリンタ装置、510…ペーパートレイ、520…給紙ローラ、530…反転ローラ、540…用紙搬送ガイド、550…インクジェットヘッド部、610…ガラス基板、620…ITO透明電極、630…樹脂壁、640〜660…発光材料(発光層)、710…基板、720…導電パターン

Claims (24)

  1. 印加される電流に基づいて磁界を発生するコイルと、
    前記コイルに対して着脱自在に配置され、前記コイルの軸芯方向に移動自在に装着され、前記コイルにより発生された磁界による誘導電流が周方向に生成される移動部材と、
    前記移動部材の周方向部材の周面に対して垂直な方向に磁界を印加する磁界印加手段とを有し
    吐出口が前記移動部材と一体的に形成され、前記磁界印加手段により印加された前記磁界と前記誘導電流の相互作用による電磁力に基き前記移動部材が移動することにより吐出対象の生体物質を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記液体を吐出口より吐出する
    ことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記周方向部材は、筒状の部材又はコイル部材である請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記コイルは、巻き方向が同一となるように同心円状に2重に配設された巻き径の異なる2つのコイルを有する請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記周方向部材は、前記コイルの前記2重に配設されたコイルの間に配置される請求項3に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記周方向部材は、前記コイルの内側に配置される請求項1〜4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 前記周方向部材は、前記コイルの外側に配置される請求項1〜4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  7. 前記移動部材は、吐出対象の液体を収容する前記液室の一部を規定する流路部に対して着脱自在である請求項1〜6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記流路部は、前記コイル及び前記磁界印加手段に対して着脱自在である請求項1〜7のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  9. 前記移動部材は、吐出対象の液体を収容する前記液室の一部を規定する流路部に対する移動を許容するガイド部材を有する請求項1〜8のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  10. 前記移動部材は、所定の基準位置と当該基準位置より前記液室の容積を狭める側の圧縮位置との間を往復移動することにより液体を吐出する請求項1〜9のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  11. 前記移動部材は、所定の基準位置と当該基準位置より前記液室の容積を広げる側の拡張位置との間を往復移動することにより液体を吐出する請求項1〜9のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  12. 前記磁界印加手段は、一部にギャップが形成され、当該ギャップに前記コイル及び前記周方向部材が入り込み、前記周方向部材に対して磁界を印加するように配置された環状磁気回路である請求項1〜11のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  13. 1つの前記移動部材に複数の前記吐出口が配設され、前記移動部材の移動により前記複数の吐出口よりそれぞれ液滴が吐出される請求項1〜12のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  14. 少なくとも前記コイル及び前記移動部材を有する液滴吐出ヘッド部を複数有する請求項1〜13のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  15. 前記複数の液室に同一又は異なる液体を供給する請求項13又は14に記載の液滴吐出装置。
  16. コイルに対して着脱自在に配置され前記コイルの軸心方向に移動自在に装着された移動部材の周方向部材の周面に対して垂直な方向に磁界を印加し、
    前記コイルに所望の電流を印加して磁界を発生させ、
    前記コイルにより発生された磁界を、前記周方向部材に作用させて周方向の誘導電流を発生させ、
    前記印加される磁界及び前記発生された誘導電流の相互作用に基づく電磁力により前記移動部材を移動させ、
    前記移動部材が移動することにより吐出対象の生体物質を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記液体を前記移動部材と一体的に形成された吐出口より吐出させる
    液滴吐出方法。
  17. 前記移動部材を、前記液室の容積を減らすように移動させることにより液体を吐出する請求項16に記載の液滴吐出方法。
  18. 前記移動部材を、前記液室の容積を増やすように移動させることにより液体を吐出する請求項16に記載の液滴吐出方法。
  19. 前記1つの移動体の移動により複数の吐出口部よりそれぞれ液滴を吐出させる請求項16〜18のいずれかに記載の液滴吐出方法。
  20. 複数の前記液室に同一又は異なる液体を供給し、同時に複数の液滴を吐出させる請求項19に記載の液滴吐出方法。
  21. 検査用チップを保持し、所望の条件で移動させるチップ駆動部と、
    前記検査用チップの所定の位置に、検査対象を含む液体を滴下する液滴吐出ヘッド部と、
    前記検査用チップの前記所定の位置に光を照射することにより検査を行うセンサ部とを有し、
    前記液滴吐出ヘッド部は、
    印加される電流に基づいて磁界を発生するコイルと、
    前記コイルに対して着脱自在に配置され、前記コイルの軸芯方向に移動自在に装着され、前記コイルにより発生された磁界による誘導電流が周方向に生成される移動部材と、
    前記移動部材の周方向部材の周面に対して垂直な方向に磁界を印加する磁界印加手段とを有し、
    吐出口が前記移動部材と一体的に形成され、前記磁界印加手段により印加された前記磁界と前記誘導電流の相互作用による電磁力に基き前記移動部材が移動することにより生体物質を含み前記検査対象を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記生体物質を含み前記検査対象を含む液体を吐出口より吐出することを特徴とする
    検査用チップ処理装置。
  22. 前記検査用チップは、プローブDNAが所定の配列で配置されているDNAチップであり、
    前記検査用チップの所定の位置は、前記DNAチップの前記プローブDNAの位置であり
    前記プローブDNAにおける検査対象の核酸の結合反応の状況を検査する請求項21に記載の検査用チップ処理装置。
  23. 前記検査用チップは、円板形状の検査用ディスクであり、
    前記チップ駆動部は、前記検査用ディスクを保持し所望の条件で回転移動させる請求項21又は22に記載の検査用チップ処理装置。
  24. 検査用チップの所定の位置に、検査対象を含む液体を滴下し、前記液体を滴下した位置に光を照射することにより検査を行う検査用チップ処理方法であって、
    前記検査対象を含む液体の滴下は、
    コイルに対して着脱自在に配置され前記コイルの軸心方向に移動自在に装着された移動部材の周方向部材の周面に対して、垂直な方向に磁界を印加し、
    前記コイルに所望の電流を印加して磁界を発生させ、
    前記コイルにより発生された磁界を、前記周方向部材に作用させて周方向の誘導電流を発生させ、
    前記印加される磁界及び前記発生された誘導電流の相互作用に基づく電磁力により前記移動部材を移動させ、
    前記移動部材が移動することにより生体物質を含み検査対象を含む液体を収容する液室の容積を変化させ、前記液体を前記移動部材と一体的に形成された吐出口より吐出させることにより行う
    検査用チップ処理方法。
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