JP4048504B2 - 蛍光検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば被験者のストレス、歯周病、ピロリ菌感染、老化の度合いを調べる目的で、唾液などの液状試料に含まれる特定成分の計測を行う蛍光検出装置に関する。
現在、過労被害を未然に防ぐために労働者が受けているストレスの度合いを短時間で手軽に計測できるストレスセンサの開発が進められている。そして、その計測の手法として、ストレスの度合いに応じて唾液への浸出量が変化する特定のタンパク質を蛍光検出により定量的に測定し、その測定値に基づいてストレス度を計測するという手法を採用することが有力である。
一般的な蛍光検出測定では、蛍光標識の付加された抗体を含有する試薬を試料に加えて希釈・攪拌することで、測定する特定タンパク質に蛍光標識付きの抗体を抗原抗体反応させ、それを検査チップに設けられたマイクロ流路に流すとともに、このマイクロ流路に励起光を照射して蛍光の検出を行うことで、試料中の特定タンパク質を定量的に測定することを可能としている。
また、本願発明に関連する先行技術として、特許文献1に次のような技術が開示されている。すなわち、検査プレートに形成された複数のウェルに、検査対象となる細胞や試薬をディスペンサにより注入した後、この検査プレートを対物レンズの上方位置まで移動させてウェル内の細胞を観察していく装置が開示されている。
特開2005−102629号公報
上述の蛍光検出において、蛍光標識の付加された抗体を含有する試薬は、例えば800万円/gなどと非常に高価である。しかしながら、上述した一般的な蛍光検出の手法では、試料に試薬を加えてマイクロ流路に流すため、一回の計測で消耗する試薬の量が比較的多くなるという欠点があった。
例えば、マイクロ流路が縦20μm×幅1000μm×長さ50mmの大きさで、試薬が試料の1/10の体積量が必要だとすると、マイクロ流路に流す分だけでも10μmの試薬が必要となり、更に、流路を一定速度で流れるような制御をかけるためには試料を余裕を持って溜めておく必要もあり、それにより必要な試薬の量も倍増する。このように見積もると一回の測定で消耗される試薬のコストは5000円を超えてしまい、手軽に測定すると云ったレベルにコストを抑えることは困難となる。
また、特許文献1に開示されるように、プレート上を小さく区切って設けた複数のウェルにディスペンサにより試薬を注入する方式を適用した場合でも、一般的なディスペンサにより供給される試薬の最小量は10mm弱であり、これはマイクロ流路の体積分を超える量であるため、試薬の使用量を低減することは期待できない。
この発明の目的は、1回の測定で消耗される試薬の量を必要最小限に抑えることが可能であり、それによりランニングコストを顕著に低くすることの出来る蛍光検出装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、液状試料に蛍光標識物質を含有する試薬を加えるとともにこの液状試料に励起光を照射して前記蛍光標識物質により発せられる蛍光を検出することで前記液状試料に含まれる特定成分の計測を行う蛍光検出装置であって、前記液状試料の配置箇所へ前記試薬を微細液滴にして吐出可能な試薬吐出ヘッドと、前記液状試料の前記試薬が吐出される位置近傍に励起光を照射するとともに当該位置から発せられる蛍光を検出する蛍光検出手段とを備えている構成とした。
上記手段によれば、液状試料に対して試薬を微細液滴の状態で吐出することで、その吐出箇所の周辺で液状試料と試薬とが混合され、さらに吐出位置を中心として放射方向への液状試料および試薬の流動を発生させる。そして、これら液状試料と試薬との混合および放射方向への流動により、液状試料内に抗原が多く含まれていて試薬中の抗体と多く反応した場合と、液状試料内に含まれる抗原が少なくて試薬中の抗体とあまり反応しなかった場合とで、試薬中の抗体が試料の流動に伴って放射方向へ移動する割合が異なってくる。そして、この抗体の分布、試薬の吐出位置中心点での抗体の残余量、或いは中心点から僅かに離れた位置における抗体の残余量などを蛍光検出手段により測定することで、液状試料中に含まれていた抗原(特定成分)の量(mol(モル)/l(リットル))を割り出すことが出来る。
さらに、このような手段によれば、1つの検体の測定に必要な試薬の量を最小限にすることができ、非常に高価な試薬であっても測定時の試薬の使用量を最小限に抑えて低コストでの測定を実現できる。
具体的には、前記試薬吐出ヘッドは、前記試薬を10pl(ピコリットル)以下の微細液滴にして吐出可能な構成にすると良い。
このような構成により、低コストでの測定を実現できるとともに、微細液滴の吐出を安定的に行って、特定成分の測定を正確に行うことが出来る。なお、現在のインクジェットプリンタに使われている圧電素子を用いたピエゾ方式のインク吐出ヘッドでは、3pl程の微細液滴を吐出することが可能になっており、これと同様の構造を試薬吐出ヘッドに適用することが出来る。
望ましくは、前記蛍光検出手段は、前記励起光となるレーザ光を出力するレーザ出力手
段と、前記レーザ光を前記液状試料の前記試薬が吐出される位置近傍に集束させるとともに当該位置の液状試料から発せられる蛍光を受ける対物レンズと、該対物レンズを前記液状試料の広がる平面と平行な所定方向へ変位可能なレンズアクチュエータと、前記液状試料の側から反射して前記対物レンズを透過した前記レーザ光の反射ビームと前記対物レンズを透過した前記蛍光とを分離させるビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより分離された蛍光を受光して検出する光センサとを備えると良い。また、前記蛍光検出手段は、予め、前記試薬吐出ヘッドから前記投入点に蛍光標識物質を含む微細液滴が吐出された状態で、前記レンズアクチュエータを駆動させながら蛍光の検出量をスキャンして前記投入点の中心点を求めるとともに、該中心点に光軸があったときの前記レンズアクチュエータの駆動信号を保存するアライメント処理を行い、前記液状試料中の特定成分の計測時において、前記アライメント処理で保存された駆動信号を前記レンズアクチュエータに出力して蛍光検出を行うように構成すると良い。
本発明に係る蛍光検出の方式では、試薬の吐出量が微量であり試薬と試料とが微小範囲でしか混合しないので、蛍光検出を行うべき範囲は非常に小さくなり、蛍光検出を行う箇所への位置合わせも高い精度が必要となる。上記のような構成によれば、微小な範囲の蛍光検出を高精度に行うことが出来るとともに、蛍光検出を行う箇所への位置合わせも速やかに行うことが出来る。
さらに望ましくは、前記試薬吐出ヘッドは、複数種類の試薬をそれぞれ吐出可能な複数の吐出部を有しているとともに、前記試薬吐出へッドを前記液状試料の広がる平面と平行な所定方向に変位可能なヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段が、前記複数の吐出部から同一の投入点に微細液滴をそれぞれ吐出可能な状態に前記試薬吐出ヘッドを変位させる構成にすると良い。
このような構成によれば、試料に複数種類の試薬や液体を吐出することで特定抗原の計測が可能となるような場合であっても、試薬吐出ヘッドをスライド移動させて同一の測定箇所に複数種類の液体を吐出して対応することが出来る。例えば、試料中の抗原が第1抗体により固定化された状態で、先ず、純水を吐出して測定点を洗浄した後、第2抗体を含む試薬を吐出して抗原に第2抗体を付加し、その後、蛍光液を吐出して第2抗体に蛍光標識を付加することで特定抗原の計測が可能となるような場合には、3つの吐出部から純水、第2抗体を含む試薬、蛍光液の3種類の液体を試薬吐出ヘッドをスライドさせながら順次同一の測定点へ吐出することで対応することが出来る。
以上説明したように、本発明に従うと、必要最小量の試薬を使用して測定が可能であるので、非常に高価な試薬であっても、1回の測定にかかる消耗品コストを顕著に低くできるという効果がある。
また、本発明に従うと、抗原に等価な試料と試薬とを混合してそれを電気泳動によりマイクロ流路に流して計測する方式と比較して、試料と試薬との混合は微細液滴の吐出により行うため一瞬で行うことが出来るとともに、蛍光検出は試薬を吐出した箇所で行うので、試料をマイクロ流路に流す処理が不要となり、その分、検出処理までにかかる時間も大幅に短縮される。つまり、測定処理の大幅な時間短縮が図れるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の蛍光検出装置の実施の形態であるストレスセンサの全体構成図である。この実施の形態の蛍光検出装置の全体構成図、図2はこのストレスセンサの外観を示す斜視図である。
この実施の形態のストレスセンサ1は、図2に示すように、唾液を付着させた検査チップTを挿入口11より挿入して測定ボタン16を操作して計測処理を実行させることで、唾液を試料Sとして試料中の特定タンパク質の量(mol/l)を自動計測し、この測定値、或いは、この測定値に基づき推定される被験者のストレス度や老化度を表示部17に出力するものである。
検査チップTは、透明で人差し指程度の大きさのスティック形状のものであり、被験者はこの検査チップTを舐めるようにして液状試料Sとなる唾液を採取する。
図1に示すように、このストレスセンサ1は、内部に、挿入口11から差し込まれた検査チップTを所定の高さに保持する図示略のステージと、検査チップTの上方から例えば4種類の液体をそれぞれ微細液滴にして吐出可能な試薬吐出ヘッド12と、この試薬吐出ヘッド12を検査チップTの上面と平行なX方向(図1の紙面に垂直な方向)に変位させるヘッドアクチュエータ13と、検査チップTの下方からその上面側の試料Sに対して蛍光検出を行う蛍光検出部(蛍光検出手段)14と、蛍光検出部14の出力を受けて試料中の特定成分の定量分析を行う分析部15とが設けられている。また、挿入口11の内側には検査チップTが挿入される際に検査チップTの下面をぬぐって下面側に付着した試料Sを除去するワイパー18と、ワイパー18によりぬぐい落とされた試料Sを廃棄用に溜めておく挿抜可能な廃液溜め19が設けられている。
図3には、図1の蛍光検出部の内部構成図を示す。
蛍光検出部14は、蛍光発光の励起光となる波長532nmのレーザ光を出力するレーザ出力手段21と、レーザ光を検査チップTの測定点に照射させるとともに測定点にて発光された波長570nmの蛍光を受光する対物レンズ22と、この対物レンズ22を少なくとも検査チップTの上面に平行な2方向に変位させるレンズアクチュエータ23と、検査チップTでの反射によるレーザ光の戻り光と試料Sから発せられる蛍光とを分離するビームスプリッタとしてのダイクロイックミラー24と、蛍光波長の光のみを選択的に透過させるバンドパス特性を有したエミッタ(光学フィルタ)25と、対物レンズ22で受けてダイクロイックミラー24やエミッタ25を透過してきた蛍光を検出する光センサ26と、光センサ26の受光面にこの蛍光を集束させる集束レンズ27と、ダイクロイックミラー24を透過したレーザ光の漏れ光を検出してレーザ光の出力モニタを行う出力モニタ用光センサ28と、各光センサ26,28の出力を増幅するアンプA1,A2や蛍光の検出信号からレーザ光の出力ばらつきの影響を取り除く割算回路29と、レンズアクチュエータ23を制御する駆動制御回路30などを備えている。そして、割算回路29の出力が蛍光検出信号として分析部15に送られるようになっている。
上記のレーザ出力手段21としては、例えば、半導体レーザ励起YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の二次高調波レーザを適用することが出来る。
対物レンズ22は、例えば、開口数がNA0.3〜NA0.9などの大きなものであり、集光率が高く僅かな発光を大きな割合で受けて高感度の検出を可能としている。また、開口数NAが大きいことで検出点における解像度も高いものになっている。
光センサ26は、例えば、アバランシェ・フォトダイオードやPINフォトダイオードを用いることができる。また、ホト・マルチプライヤなども適用可能である。
レンズアクチュエータ23は、例えば、電磁力の作用により対物レンズ22を検査チップTの上面と平行な2方向(X方向(図3の紙面に垂直な方向)とY方向)に±1.5mmの微小な範囲で変位させるものである。このようなレンズアクチュエータ23は、例えば、対物レンズ22を保持するレンズホルダを鉛直方向(X方向とY方向に垂直な方向)に下方から伸びる4本のワイヤで支持しつつ、レンズホルダに2系統の電磁コイルを設ける一方、固定フレーム側の上記電磁コイルの近傍位置に磁石を設けることで構成することが出来る。そして、上記のワイヤを介して上記2系統の電磁コイルにそれぞれ独立した2系統の電流を供給することで電磁コイルに電磁力が作用してレンズホルダをX方向とY方向に変位させることが出来る。
その他、上記のレンズアクチュエータ23としては、対物レンズ22を保持するレンズホルダと、中間フレームと、固定フレームとを備え、中間フレームを固定フレームに対してY方向に変位可能な状態で支持するとともに、レンズホルダを中間フレームに対してX方向に変位可能な状態で支持するようにして構成することも出来る。そして、レンズホルダと中間フレームとに互いにX方向の駆動力が働くように電磁コイルと磁石を設け、中間フレームと固定フレームとに互いにY方向の駆動力が働くように電磁コイルと磁石を設けるなどする。対物レンズ22や中間フレームの支持構造は、例えば、複数のワイヤや板バネにより一端を可動側に他端を固定側に固着して可動側を片持ち支持する構成とすれば良い。
また、このような構成の場合、例えば、レンズホルダを中間フレームに対して同方向に伸びる4本のワイヤで片持ち支持させることで、X方向の他に、検査チップTの上面に垂直なZ方向に変位可能なようにして、対物レンズ22をX方向、Y方向、Z方向の3軸に変位可能なように構成しても良い。このようにZ方向にも変位可能とすることで、検査チップTの高さ方向の位置ずれや検査チップTに採取された唾液の厚みの変化にも対応して対物レンズ22の高さ位置を調整することが出来る。
図4には、試薬吐出ヘッドと対物レンズと検査チップの計測処理時における状態図を示す。
試薬吐出ヘッド12には、抗体を含んだ試薬や洗浄液となる純水など4種類の液体が別々に蓄積される4個のタンクと、これら4個のタンクに接続された4つの吐出ノズル(吐出部)n1〜n4が設けられている。さらに、ピエゾ方式により吐出ノズルから微小液滴の形で試薬を噴出する圧電素子などが4つの吐出ノズルn1〜n4の各々に対応して設けられている。これら4つの吐出ノズルn1〜n4は、例えば一列に形成され、互いに隣接するそれぞれの間隔は100μm程度に設計されている。4つの吐出ノズルn1〜n4からは、一回の吐出処理により例えば3plの微細液滴が噴出するようになっている。なお、微細液滴の量は少なすぎると蛍光検出の位置精度の要求が著しく高くなり、多すぎると1回の測定にかかる試薬のコストが高くなるので2pl〜10plの範囲内にすると良い。
ヘッドアクチュエータ13は、例えばピエゾモータを用いた駆動により、試薬吐出ヘッド12を吐出ノズルn1〜n4の列に沿った方向(例えばX方向)に±200μm程度の短い距離を高い精度で変位させることが可能になっている。このような試薬吐出ヘッド12とヘッドアクチュエータ13の構造は、インクジェットプリンタなどの分野において実現されているものであり、それと同様の構造を適用することが出来る。
次に、上記構成のストレスセンサ1の測定動作について説明する。
先ず、概要を説明する。この実施の形態の蛍光検出処理においては、予め検査チップTの先端部分に第1抗体を固定化しておく一方、検査チップTに唾液を採取した後、ストレスセンサ1内において、洗浄液となる純水と、第2抗体を含む第1試薬と、第2抗体に蛍光標識を付加する蛍光液とを、それぞれ微細液滴にして吐出する。それにより、唾液中の特定の抗原タンパク質を第1抗体を介して固定化し第2抗体を介して蛍光標識を結び付け、それを蛍光検出で測定することでこの抗原タンパク質の定量測定を行うようになっている。
さらに、検査チップTにはその2箇所に2種類の第1抗体をそれぞれ固定化しておくとともに、検査チップTに吐出する第2抗体についても2種類用いることで、2種類の抗原タンパク質について定量測定を行い、1種類目の抗原タンパク質の量から被験者のストレス度を、2種類目の抗原タンパク質の量から被験者の老化度を推定するようになっている。
以下、具体的に説明する。この実施の形態のストレスセンサ1を用いて被験者のストレスの度合いや労過度を計測するには、先ず、被験者が検査チップTの先端部分を舐めるようにして検査チップTに唾液を採取する。すると、唾液中に含まれる2種類の抗原タンパク質が、検査チップTに固定化された2種類の第1抗体に抗原抗体反応により結びつく。これらの2種類の抗原タンパク質のうち一つの抗原タンパク質はストレスに応じて唾液中に浸出してくる量が変化するものであり、もう一つの抗原タンパク質は老化度に応じて唾液中の浸出量が変化するものである。
検査チップTに唾液を採取したら、それをストレスセンサ1の挿入口11に差し込んでセットする。検査チップTを挿入口11から差し込むと、検査チップTの下面側に付着した唾液がワイパー18により落とされて、検査チップTはその上面だけに唾液が付着した状態でステージ上に保持される。
次いで、この状態でストレスセンサ1の測定ボタン16を押す。すると、装置内の少なくとも蛍光検出を行う部分が遮光され、先ず、試薬吐出ヘッド12の第2吐出ノズルn2から洗浄液となる純水が微細液滴となって射出され、チップ上の第1投入点P1に投入される。この第1投入点P1は第1抗体が固定されている部分に設定される。
図5(a)〜(c)の微細液滴を投入した際の状態説明図に示すように、微細液滴Rが投入されると、その投入箇所の周囲僅かな範囲で液状試料Sと微細液滴Rにより王冠状の衝撃波が生じてそれにより液状試料Sと微細液滴Rが混合されるとともに放射方向に液状試料Sと微細液滴Rの流動(図5(b)と(c)に矢印で示す)が発生する。
そして、この純水の微細液滴Rの投入により唾液の不要な成分が第1投入点P1の外へ押し流され、検査チップTに固定化された第1抗体に結びついている抗原タンパク質の測定を容易なものとする。
次いで、ヘッドアクチュエータ13が作動して試薬吐出ヘッド12が所定距離移動し、試薬吐出ヘッド12の第1吐出ノズルn1が上記投入点P1の上方に配置される。そして、試薬吐出ヘッド12の駆動により第1吐出ノズルn1から第2抗体を含んだ試薬の微細液滴Rが射出され、上記の投入点P1に投入される。この投入により、図5に示したのと同様に、液状試料Sと微細液滴Rの混合および流動が生じる。
そして、試薬中の第2抗体は、第1抗体と結びついている抗原タンパク質があればそれと結合して流動されない状態となるが、抗原タンパク質がなければ試料Sに伴って流動可能な状態となる。
続いて、ヘッドアクチュエータ13が作動して試薬吐出ヘッド12が所定距離移動し、試薬吐出ヘッド12の第3吐出ノズルn3が上記投入点P1の上方に配置される。そして、試薬吐出ヘッド12の駆動により第3吐出ノズルn3から蛍光液が射出され、上記の投入点P1に投入され、図5に示したのと同様に、液状試料Sと微細液滴Rの混合および流動が生じる。
そして、蛍光液に含まれる蛍光標識が試料中の第2抗体に付加されるとともに、第1投入点Pの液状試料Sが投入点P1の外側に流動される。ここで、第2抗体が、第1抗体に結合された抗原タンパク質とさらに結合していれば、蛍光標識はその第2抗体に付加されて第1投入点Pに留まる。一方、抗原タンパク質と結合されていない第2抗体は試料Sの流動に伴って投入点P1の外側に流される。つまり、ここで、投入点P1に留まった蛍光標識の量が唾液中に含まれていた特定タンパク質の量(mol/l)と同値なものとなる。
このように純水と試薬と蛍光液が投入されたら、続いて、蛍光検出部14による蛍光検出処理が開始される。すなわち、先ず、レンズアクチュエータ23の駆動により対物レンズ22の焦点が例えば抗体の投入点P1の中心位置に合わせられる。この位置合わせは、後述のアライメント処理により、予めレンズアクチュエータ23の駆動量を設定しておきこの設定に基づき行われる。そして、レーザ光を出射させて試料Sから発せられる蛍光を対物レンズ22で受けて光センサ26で検出する。ここで、対物レンズ22として開口数の大きなものを用いており、且つ、光センサ26の受光面も小さな面積に形成されていることで、蛍光検出の解像度が高くなり、微細液滴Rが投入される投入点P1内の細かな範囲の蛍光検出を高精度に行うことが出来る。
その後、蛍光検出部14からの検出信号が分析部15に送られて、試料Sとなった唾液中の特定タンパク質の量が計算され、その値に基づいて被験者のストレス度が求められる。
さらに続いて、試薬吐出ヘッド12の第4吐出ノズルn4と第2吐出ノズルn2と第3吐出ノズルn3とが使用されて、洗浄液となる純水と、別の種類の抗原タンパク質と反応する第2抗体を含んだ試薬と、蛍光液とが、検査チップTの第2の投入点P2に投入される。ここで、第2投入点P2は、2種類目の第1抗体が固定化されている箇所に設定される。
そして、同様の蛍光検出が行われて、その検出信号が分析部15に送られ、唾液中の別の特定タンパク質の量が計算され、その値に基づき被験者の老化度が求められる。
そして、分析部15で求められたストレス度や労過度の値が表示部17等に出力されるとともに、検出部分の遮光が解除されて1回の測定処理が完了する。
次に、上述した対物レンズ22とのアライメント処理について説明する。アライメント処理は、次のように行われる。すなわち、試薬吐出ヘッド12を測定時の位置に合わせた状態で、例えば、何も試料の付着していない検査チップTに蛍光標識を含む液体を吐出させる一方、レンズアクチュエータ23を一定の範囲でX方向とY方向とに移動させながら蛍光の検出量をスキャンし、その蛍光の検出量の分布から液体が吐出された中心点を割り出す。そして、この中心点に来たときのレンズアクチュエータ23の駆動信号等を設定値として保存する。
このようなアライメント処理により、設定された駆動信号を、再度、レンズアクチュエータ23に出力することで、上述した蛍光検出処理において対物レンズ22の焦点位置を試薬の投入点P1,P2に合わせることが可能となる。
以上のように、この実施の形態のストレスセンサ1によれば、必要最小限の試薬を用いて測定を行うことが出来るので、試薬が非常に高価であった場合でも、1回の測定にかかる消耗品コストを顕著に低くできるという効果がある。
また、液状試料と試薬とを混合しそれを電気泳動によりマイクロ流路に流して計測する方式と比較して、液状試料Sと試薬との混合は微細液滴Rの吐出により行うため一瞬で行うことが出来るとともに、蛍光検出は試薬を吐出した箇所で行うのため、試料をマイクロ流路に流す処理が不要となり、その分、検出処理までにかかる時間も大幅に短縮される。すなわち、測定処理の大幅な時間短縮が図れるという効果が奏される。
また、開口数の大きな対物レンズ22により蛍光を受光して蛍光検出を行うことで、微細液滴Rが投入される投入点P1内の細かな範囲を高い解像度で測定することができ、かつ、高い集光率により僅かな発光でも高感度に検出することが出来る。さらに、レンズアクチュエータ23により対物レンズ22を微小変位可能な構成なので、対物レンズ22の位置合わせも速やかに行うことが出来る。
また、ヘッドアクチュエータ13により、複数の試薬を同一点に速やかに吐出することが出来るとともに、複数系統の試薬を複数の箇所に吐出することも可能となり、一度に複数種類の特定タンパク質の測定も可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、予め第1抗体をチップ上に固定化しておき、第2抗体を含む試薬や蛍光液を吐出して蛍光検出を行う例を示しているが、第2抗体として予め蛍光標識の付加されたものを用いることで、蛍光液を不要とすることも出来るし、試薬や洗浄液の吐出だけで試料中の抗原量に応じた蛍光標識の分布を得ることができれば、チップ上の第1抗原の固定を不要として、試薬や洗浄液の吐出と蛍光検出処理のみで測定を行うことも可能となる。また、1種類の試薬の吐出のみで測定が可能な方式であれば、ヘッドアクチュエータを省略して試薬吐出ヘッドを固定とした構成にすることも出来る。
その他、蛍光検出部の構成やレンズアクチュエータの構造など、実施の形態で具体的に示した細部構造等は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の蛍光検出装置の実施の形態であるストレスセンサの全体を示す構成図である。 同、ストレスセンサの外観を示す斜視図である。 ストレスセンサに搭載される蛍光検出部の内部構成を示す図である。 試薬吐出ヘッドと対物レンズと検査チップの計測処理時における状態図である。 検査チップ上の液状試料に微細液滴を投入した際の状態を説明する図である。
符号の説明
1 ストレスセンサ
11 挿入口
12 試薬吐出ヘッド
13 ヘッドアクチュエータ(ヘッド駆動手段)
14 蛍光検出部(蛍光検出手段)
15 分析部
16 測定ボタン
17 表示部
18 ワイパー
21 レーザ出力手段
22 対物レンズ
23 レンズアクチュエータ
24 ダイクロイックミラー
25 エミッタ
26 光センサ
27 集束レンズ
n1〜n4 吐出ノズル
T 検査チップ
S 液状試料
R 微細液滴

Claims (2)

  1. 液状試料に蛍光標識物質を含有する試薬を加えるとともにこの液状試料に励起光を照射して前記蛍光標識物質により発せられる蛍光を検出することで前記液状試料に含まれる特定成分の計測を行う蛍光検出装置であって、
    複数種類の試薬をそれぞれ吐出可能な複数の吐出部を有し前記液状試料の配置箇所へ前記試薬を微細液滴にして吐出可能な試薬吐出ヘッドと、
    前記試薬吐出ヘッドを前記液状試料の広がる平面と平行な所定方向に変位させるヘッド駆動手段と、
    前記励起光を前記液状試料の前記試薬が吐出される位置近傍に集束させるとともに当該位置の液状試料から発せられる蛍光を受ける対物レンズ、該対物レンズを前記液状試料の広がる平面と平行な所定方向へ変位させるレンズアクチュエータ、および、該レンズアクチュエータを制御する駆動制御回路を有し、前記蛍光の検出を行う蛍光検出手段と、
    を備え
    前記ヘッド駆動手段は、
    前記複数の吐出部から同一の投入点に微細液滴をそれぞれ吐出可能な状態に前記試薬吐出ヘッドを変位させることが可能な構成であり、
    前記蛍光検出手段は、
    予め、前記試薬吐出ヘッドから前記投入点に蛍光標識物質を含む微細液滴が吐出された状態で、前記レンズアクチュエータを駆動させながら蛍光の検出量をスキャンして前記投入点の中心点を求めるとともに、該中心点に光軸があったときの前記レンズアクチュエータの駆動信号を保存するアライメント処理を行い、
    前記液状試料中の特定成分の計測時において、前記アライメント処理で保存された駆動信号を前記レンズアクチュエータに出力して蛍光検出を行うように構成されていることを特徴とする蛍光検出装置。
  2. 前記試薬吐出ヘッドは、前記試薬を10pl(ピコリットル)以下の微細液滴にして吐出可能な構成であることを特徴とする請求項1記載の蛍光検出装置。
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