JP3911099B2 - ボトルのキャップ除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビンやペットボトル等のキャップを除去するキャップ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、廃棄物に含まれるビンやペットボトル(以下、ボトルという)は、個別に選別回収され再資源化を行うようになっている。しかしボトルにキャップが付いていると、キャップの材質がボトルの材質と異なるため、ボトルの再資源化率が低下するという問題があった。
そこで前記問題を解決するものとして特開平10−137621号公報に開示されたキャップ除去装置がある。この除去装置はモータにて回転するゴム製のローラにV字型の溝部を形成してあり、この溝部にボトルに付いたキャップを押し付けると、溝部が撓んでキャップが溝部に対して面接触となりキャップは溝部に固定される。その際、溝部はV字型に形成されているため、溝部はキャップの任意の大きさに対応できるようになっている。
キャップ固定後はモータを駆動させてローラを回転させると、キャップがローラとともに回転することにより、キャップは自動的にボトルから外れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記構造にあってはキャップの固定部分がゴム材で形成されているため、長時間使用するとキャップとの摩擦により溝部が摩耗変形し、キャップを十分に固定することができなくなり、ボトルに強く締め付けられたキャップを外すことができなくなるという問題がある。
そこで本発明はキャップを確実に固定して除去することができるボトルのキャップ除去装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、架台上に適宜駆動手段にて回転しうる回転体を設け、前記回転体にはボトルのキャップをその側面から挟持する挟持位置とキャップを挟持解除する解除位置との間を揺動しうる複数の挟持アームを設け、前記挟持アームと回転体との間には挟持アームを解除位置側へ付勢しうる第1弾性部材を設け、前記挟持アーム先部にはキャップの先端面による押し込みにより挟持アームを挟持位置側に揺動させうる当接部材が固定され、前記キャップの前記側面に接触する前記挟持アームの先部は、当該側面に対して面接触する係止面を有していることを特徴とするものである。
【0005】
これにより複数の挟持アームにてキャップを固定するようにしたのでキャップを確実に保持することができる。請求項2は、架台上に適宜駆動手段にて回転しうる回転体を設け、前記回転体にはボトルのキャップをその側面から挟持する挟持位置とキャップを挟持解除する解除位置との間を揺動しうる複数の挟持アームを設け、前記挟持アームと回転体との間には挟持アームを解除位置側へ付勢しうる第1弾性部材を設け、前記挟持アーム先部にはキャップの先端面による押し込みにより挟持アームを挟持位置側に揺動させうる当接部材が固定され、キャップのネジが外れたボトルを前記挟持アーム側から引き出すと当該キャップに当接して当該キャップをボトルから外すブラシが設けられていることを特徴とするものである。これにより、キャップのネジが外れた場合でもキャップがボトル先端に残っているときがあるが、キャップがブラシに当接することによりキャップを確実にボトルから外せる。また、請求項3は、前記回転体側にはキャップの押し込みにより各当接部材に当接しうる押込板を設け、前記押込板の移動により複数の挟持アームを同調させて挟持位置側へ揺動させるようにしたことを特徴とするものである。これによりキャップの挿入位置がずれてもキャップをセンター位置に導きキャップを確実に挟持することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図4において、1はボトル2のキャップ3を除去するためのキャップ除去装置で、該キャップ除去装置1は、架台4上に固定されたケース5内に各部材を内装しており、前記ケース5に形成された挿入口6よりボトル2のキャップ3側を挿入してキャップ3を除去するようになっている。
【0007】
以下、具体的な構造を説明すると、前記架台4上には固定部材7を介して駆動手段であるモータ8を固定してある。前記モータ8の回転軸9には回転体10を設けてあり、モータ8の駆動により前記回転体10を回転させるようになっている。
前記回転体10の外周面には図3に示す如く支持ブラケット11が120度間隔で3カ所突設してあり、前記各支持ブラケット11には、キャップ3を挟持する挟持アーム12がキャップ3を挟持する挟持位置(図4)とキャップ3の挟持を解除する解除位置(図2)との間を揺動するように軸支してある。
【0008】
前記挟持アーム12の基部と回転体10との間には第1弾性部材であるスプリング13を設け、前記スプリング13の付勢力にて挟持アーム12先端をキャップ3の解除位置側(図2右側)に付勢するようにしてある。
14は支持ブラケット11に固定されたストッパで、挟持アーム12の基部後面がストッパ14に当接して挟持アーム12の解除位置以上の揺動を規制するようになっている。
【0009】
前記挟持アーム12の先部には当接部材15を固定してあり、前記当接部材15の前面をボトル2のキャップ3で押し付けることにより、挟持アーム12がスプリング13の付勢力を抗して挟持位置側に揺動し、各挟持アーム12先部の係止面16がキャップ3の側面に面接触してキャップ3を挟持するようになっている。
【0010】
前記回転体10内には溝部17を形成してあり、前記溝部17の開口部に設けた支持部材18にロッド19を伸縮可能に設けてあり、前記溝部17の後面と前記ロッド19の基部に固定された基部プレート20との間には第2弾性部材であるスプリング21を設け、前記ロッド19を挿入口6側(図2右側)に付勢するようにしてある。
【0011】
22は前記プレートの後面に固定された筒状のガイド部材で、前記ガイド部材22にてスプリング21をガイドするようになっている。
前記ロッド19の先端には円形の押込板23が固定されており、前記押込板23は、図4に示す如くロッド19とともに回転体10側(図4左側)へ移動させた際に解除位置にある各当接部材15の先端部に当接し、かつ挟持位置における各挟持アーム12の係止面16と干渉しないように形成されている。
【0012】
また前記押込板23はスプリング21の付勢力にて挿入口6に近接した位置にあり、前記押込板23をボトル2のキャップ3側にてスプリング21の付勢力を抗して回転体10側へ移動させると、押込板23の後面が各当接部材15に当接し、各挟持アーム12を同調させて挟持位置側に揺動させるようになっている。
また、ボトル2を引き出すことにより押込板23の押し付けを解除すると、押込板23がスプリング21の付勢力にて挿入口6付近まで押し出されることにより、ボトル2から外れたキャップ3を挿入口6から確実にケース5外に押し出せるようになっている。
【0013】
前記挿入口6に近接したケース5前面には、図5乃び図6に示す如く閉塞部材である左右一対のブラシ24が挿入口6上部を覆うように取付部材25を介して固定してあり、キャップ3のネジが外れた場合でもキャップ3がボトル2先端に残っているときがあるので、キャップ3がブラシ24に当接することにより確実にボトル2から外せるようになっている。
【0014】
図7及び図8は第2弾性部材の他の実施例を示すもので、以下説明すると前記各挟持アーム12間の回転体10の外周面にはL字型のブラケット26を一対固定してあり、前記ブラケット26には回転板27を固定し、前記回転板27を回転体10とともに回転させるようになっている。前記回転板27の裏面には板バネ28の基端部を固定してあり、前記板バネ28の先端部は各挟持アーム12の間を通って押込板23の裏面に当接されており、前記板バネ28により押込板23を挿入口6側へ付勢させるようになっている。
【0015】
前記構造により、図7実線位置にある押込板23をキャップ3にて押し付けると、押込板23は板バネ28の付勢力を抗して後方へ移動して各当接部材15に当接し、各挟持アーム12が図7一点鎖線の如くスプリング13の付勢力を抗して後方へ揺動し、各挟持アーム12の係止面16がキャップ3の側面部を挟持するようになっている。またキャップ3を外した後ボトル2を引き出すと、押込板23は板バネ28の付勢力により押し戻され、キャップ3をケース5外へ押し出せるようになっている。
【0016】
尚、本実施の形態では挟持アームを3カ所に設けるようにしてあるが、それ以上の挟持アームを取付けるようにすれば、より確実にキャップを把持することができる。
また当接部材は挟持アームと一体形成しても同様の作用効果を有するものである。
【0017】
本発明は前記の如き構成で次に作用について説明する。
まず図2の状態でキャップ3の付いたボトル2を、キャップ3上面が挿入口6に対向させた状態にする。この状態でボトル2を挿入口6に入れると、キャップ3はブラシ24を押し広げ挿入口6からケース5内に移動する。
するとキャップ3上面が押込板23に当接し、押込板23はスプリング21の付勢力を抗して回転体10側へ移動し、押込板23の後面に各当接部材15が略同時に当接する。
【0018】
さらにキャップ3を押し付けると各当接部材15は押込板23にて回転体10側に押されるとともに各挟持アーム12の係止面16はスプリング13の付勢力を抗して同調しながら挟持位置側へ揺動し、各挟持アーム12の係止面16が挟持位置に達し図4の如くキャップ3の側面に当接する。その際、係止面16はキャップ3側面に対して面接触になるため確実にキャップ3を挟持することができる。また各挟持アーム12は同調して揺動するため、キャップ3の挿入位置がセンターからずれていても確実に挟持することができる。
【0019】
これにより各挟持アーム12はキャップ3との当接により回転体10側への揺動が規制されてキャップ3は挟持状態に保持される。この状態でモータ8を駆動させて回転体10とともに各挟持アーム12を回転させると、キャップ3は開方向に回転しボトル2から外れる。その際、ボトル2自体は作業者が手で固定してしる。
【0020】
キャップ3が外れると、ボトル2をケース5から取り出す。すると挟持アーム12先部がスプリング13の付勢力にて前方へ揺動して解除位置に達しキャップ3の挟持が解除されるとともに、押込板23がスプリング21の付勢力にて前方へ押し出されることによりキャップ3は挿入口6からケース5外へ押し出される。これによりキャップ3を確実にケース5外へ出すことができる。
ところで、ボトル2をケース5から取り出す際に、キャップ3がボトル2に引っかかってボトル2ととともに挿入口6から出てくる場合がある。この場合はキャップ3がブラシ24に当接することにより、ボトル2から切り離されて下方へ落下する。これにてキャップ3を確実にボトル2から取り外すことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上の如く請求項1の発明によれば、適宜駆動手段にて回転する回転体に複数の挟持アームを揺動可能に設け、前記複数の挟持アーム先部に設けた当接部材にボトルのキャップを押し込むことにより各挟持アームの先部がキャップを挟持するようにしたので、キャップを確実に挟持することができる。
また請求項2の発明によれば、前記回転体側に各当接部材に当接しうる押込板を設け、前記押込板の移動により複数の挟持アームを同調して挟持位置側へ揺動させるようにしするようにしたので、各挟持アームに均等な押付力が作用し、キャップを確実に挟持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャップ除去装置の側面図である。
【図2】キャップ除去装置の要部を示す断面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】キャップを挟持した状態を示す作用図である。
【図5】キャップ除去装置の正面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】他の実施の形態を示す主要部の側面図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 キャップ除去装置
2 ボトル
3 キャップ
4 架台
8 モータ(駆動手段)
10 回転体
12 挟持アーム
13 スプリング(第1弾性部材)
15 当接部材
23 押込板
Claims (3)
- 架台上に適宜駆動手段にて回転しうる回転体を設け、前記回転体にはボトルのキャップをその側面から挟持する挟持位置とキャップを挟持解除する解除位置との間を揺動しうる複数の挟持アームを設け、前記挟持アームと回転体との間には挟持アームを解除位置側へ付勢しうる第1弾性部材を設け、前記挟持アーム先部にはキャップの先端面による押し込みにより挟持アームを挟持位置側に揺動させうる当接部材が固定され、前記キャップの前記側面に接触する前記挟持アームの先部は、当該側面に対して面接触する係止面を有していることを特徴とするボトルのキャップ除去装置。
- 架台上に適宜駆動手段にて回転しうる回転体を設け、前記回転体にはボトルのキャップをその側面から挟持する挟持位置とキャップを挟持解除する解除位置との間を揺動しうる複数の挟持アームを設け、前記挟持アームと回転体との間には挟持アームを解除位置側へ付勢しうる第1弾性部材を設け、前記挟持アーム先部にはキャップの先端面による押し込みにより挟持アームを挟持位置側に揺動させうる当接部材が固定され、キャップのネジが外れたボトルを前記挟持アーム側から引き出すと当該キャップに当接して当該キャップをボトルから外すブラシが設けられていることを特徴とするボトルのキャップ除去装置。
- 前記回転体側にはキャップの押し込みにより各当接部材に当接しうる押込板を設け、前記押込板の移動により複数の挟持アームを同調させて挟持位置側へ揺動させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボトルのキャップ除去装置。
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