JP3910727B2 - 車両用デフ支持構造 - Google Patents

車両用デフ支持構造 Download PDF

Info

Publication number
JP3910727B2
JP3910727B2 JP14380398A JP14380398A JP3910727B2 JP 3910727 B2 JP3910727 B2 JP 3910727B2 JP 14380398 A JP14380398 A JP 14380398A JP 14380398 A JP14380398 A JP 14380398A JP 3910727 B2 JP3910727 B2 JP 3910727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential
vehicle
boss
support structure
surface portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14380398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11334399A (ja
Inventor
和浩 前野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP14380398A priority Critical patent/JP3910727B2/ja
Publication of JPH11334399A publication Critical patent/JPH11334399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3910727B2 publication Critical patent/JP3910727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デファレンシャルケースを車体に支持する車両用デフ支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プロペラ軸からの駆動力を左右の駆動輪に分配して伝達するデファレンシャル装置を車体に支持する車両用デフ支持構造は、実開平4−28122号公報に開示され、かつ図7に平面図、図8に側面図を示すように、左右の車体フレーム101間にデファレンシャル装置が収容されたデファレンシャルケース100の前部及び後部の下側を通って車幅方向に延びる前後のクロスメンバ102、103を架設し、前側クロスメンバ102上にデファレンシャルケース100の前部をラバーブッシュ104を介して支持する一方、デファレンシャルケース100の後部に車幅方向に延びるサポート部材105を結合し、サポート部材105の両端をラバーブッシュ106を介して後側クロスメンバ103に取付けるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記実開平4−28122号によると、車体前後方向に延びる左右の車体フレーム間に架設された前側クロスメンバと後側クロスメンバが、各々デファレンシャルケースの前部及び後部の下方を通って配置されることから、デファレンシャルケースの下方が前側クロスメンバ及び後側クロスメンバによってガードされ、デファレンシャルケースと路面との直接衝突が防止される。
【0004】
しかし、デファレンシャルケースの前部を支持するデフメンバとなる前側クロスメンバの最低地上高部の断面形状が略矩形であることから、接地等により前部クロスメンバが強い衝撃を受けて変形乃至破損し、また該前側クロスメンバとデファレンシャルケースの結合部の破損、更にデファレンシャルケース及び該デファレンシャルケース内のデファレンシャル装置の破損が懸念される。
【0005】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、接地等によるデフメンバ及びデファレンシャルケース等の変形や破損が回避、或いは変形や破損が極めて軽減される車両用デフ支持構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用デフ支持構造の発明は、車体前後方向に延びる左右の車体フレームと、デファレンシャルケースの下方を通り上記左右の車体フレーム間に架設された閉断面形状のデフメンバとを備え、該デフメンバ上に上記デファレンシャルケースを載置支持する車両用デフ支持構造において、上記デフメンバは、該車体幅方向に延びてデフメンバの上面部を形成するアッパメンバと、該アッパメンバに対向して車体幅方向に延びる底面部と該底面部の前縁に沿って延設されて上端縁がアッパメンバの前縁下面に溶接結合された前面部及び上記底面部の後縁に沿って延設されて上端縁がアッパメンバの後縁下面に溶接結合された後面部を有する断面略U字状のロアメンバと、アッパメンバ及びロアメンバの両側端縁に各々溶接結合されて上記アッパメンバとロアメンバによって形成される両開口端部を封鎖するボスとを備え、該ボスに嵌入するラバーブッシュを介して上記左右の車体フレーム間に架設されたことを特徴とする。
【0011】
請求項の発明によると、ロアメンバを底面部と底面部に連続する前面部及び後面部によって形成される略U字状に形成し、その前面部及び後面部の上端縁をアッパメンバの前縁及び後縁の各下面に溶接結合して閉断面形状のデフメンバを形成することから、比較的高位置においてアッパメンバとロアメンバとが溶接結合され、該溶接結合部が直接路面等と接地することが回避乃至大幅に減少して溶接結合部の変形や破損が回避される。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1の車両用デフ支持構造において、上記ロアメンバの底面部は、少なくとも該底面部の前部が車体後方に移行するに従って下降するように傾斜したことを特徴とする。
【0013】
請求項の発明によると、ロアメンバの底面部の前部を傾斜せしめることによって、走行中に起こるデフメンバの接地等に起因する衝撃が緩和され、デフメンバやデファレンシャルケース結合部の変形や破損が回避されてデフメンバ及びデファレンシャルケース等が保護される。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項の車両用デフ支持構造において、上記ロアメンバの最低地上高部となる車体幅方向略中央部の底面部の前部が、車体後方に移行するに従って下降するように傾斜したことを特徴とする。
【0015】
請求項の発明によると、最も路面との接地が発生しやすいロアメンバの最低地上高部となる車幅方向略中央部に位置する底面部の前部を傾斜せしめることにより、請求項の効果がより顕著になる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項の車両用デフ支持構造において、ボスとアッパメンバとによって形成される隅部に、アッパメンバとロアメンバ乃至ロアメンバとボスの間の溶接結合部に溶接結合中断部を設けて、アッパメンバとロアメンバとボスとによって形成される袋形状体内と外部とを連通する塗装用エア抜き穴を形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項の発明によると、溶接作業が困難なボスとアッパメンバとによって形成される隅部において、アッパメンバとロアメンバ乃至ロアメンバとボスの間の溶接結合部に溶接結合を施さない溶接結合中断部を設けることによって、アッパメンバとロアメンバとボスによって形成される袋形状体内と外部とを連通する塗装用エア抜き穴が形成され、別途アッパメンバ或いはロアメンバに穿孔を施すことなく塗装用エア抜き穴が形成され、溶接作業の簡素化が得られると共に穿孔に伴う強度の低下を招くことなく塗装用エア抜き穴が形成される。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項の車両用デフ支持構造において、デフメンバの両端に各々配設されたボスの内、車両の前進走行に伴うデファレンシャルケースからの反力が大きく作用する側のボスとアッパメンバとによって形成される隅部に、上記塗装用エア抜き穴を形成したことを特徴とする。
【0019】
この請求項の発明によると、より強度が要求される車両の前進走行に伴うデファレンシャルケースからの反力が大きく作用する側のボス側に上記塗装用エア抜き穴を設けることにより、上記請求項に記載の効果がより顕著になる。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項の車両用デフ支持構造において、デフメンバの両端に各々配設されたボスの内、車両の前進走行に伴うデファレンシャルケースからの反力が大きく作用する側のボスの外周面とロアメンバの底面部下面との間に架設されて両端が各々溶接結合されたロアリンフォースを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項の発明によると、より強度が要求されるボスの外周面及びロアメンバの底面部下面間にロアリンフォースを架設することによって、該部の強度が向上し、全体の重量を増加させることなく要求強度を満足させることができる。
【0022】
請求項に記載の発明は、請求項の車両用デフ支持構造において、上記ロアリンフォースの一端がボスの外周面に嵌合すると共に、他端にロアメンバの底面部に穿設された水抜き穴に対応するゲージホールを備えたことを特徴とする。
【0023】
この請求項の発明によると、ロアリンフォースの一端をボスの外周に嵌合させてゲージホールを水抜き穴に対応せしめることによって、ロアリンフォースの位置決めがなされてバラツキのない所定位置にロアリンフォースを溶接結合することができると共に、ロアメンバにロアリンフォースの位置決めのためのゲージホールの穿孔が不要になり、ゲージホール穿孔による強度低下が回避される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両用デフ支持構造の実施形態を図1乃至図6によって説明する。
【0025】
図1は、デフ支持構造の概要を示す要部破断側面図、図2はその平面図であって、矢印Fは車両の前方向を示している。
【0026】
図中符号10は、プロペラ軸15からの駆動力を左右の駆動輪に伝達するデファレンシャル装置が収容されたデファレンシャルケースである。
【0027】
デファレンシャルケース10の前部両側には、各々上下方向に沿って突条部11a、11bが形成されると共に、各突条部11a、11bに沿ってボルト挿通孔12a、12bが穿孔される一方、後端には一対のボルト13a、13bが植設されている。
【0028】
更に、デファレンシャルケース10の前端部には、コンパニオンフランジ14の上方を覆うようにプロテクタ16が設けられ、衝突等に起因してデファレンシャルケース10の前端が上方に揺動した際、デファレンシャルケース10の上方に対向配置された燃料タンク(図示せず)にコンパニオンフランジ14が直接接触して燃料タンクを破損せしめるのを防止している。
【0029】
このように形成されたデファレンシャルケース10は、前部がその下方を通って左右の車体フレーム(図示せず)に結合されるデフメンバ20上に載置されて支持され、後端がリアデフメンバ30によって上記左右の車体フレームに支持されている。
【0030】
デフメンバ20は、図3にその分解斜視図を示すように、アッパメンバ21とロアメンバ22によって内部にスペーサ23a、23bが架設された閉断面形状に形成され、その両開口端部を封鎖するようにボス24a及び24bが溶接結合されると共に、ロアメンバ22とボス24a及びアッパメンバ21とボス24aの間にロアリンホース25及びアッパリンフォース26が架設されている。
【0031】
そして、各ボス24a、24bに圧入されるラバーブッシュ27を介して左右の車体フレームに結合されている。
【0032】
ここで、例えば前進走行時においてプロペラ軸15が右回転で駆動すると仮定すると、デフメンバ20の左側のボス24bに対して、右側のボス24aに大きなデファレンシャルケース10からの反力が作用し、デフメンバ20の左側に対して右側がより強度が要求される。
【0033】
次に、デフメンバ20を構成するアッパメンバ21、ロアメンバ22、スペーサ23a、23b及びボス24a、24b、ロアリンフォース25及びアッパリンフォース26について順次説明する。
【0034】
デフメンバ20の上面部を形成するアッパメンバ21は、その車体幅方向の中央部に上記デファレンシャルケース10の前部の下面形状に倣って下方に突出するように湾曲形成されたデフ嵌合部21Aが車体前後方向に連続して形成され、その両側に各々略平坦なデフ結合部21Ba、21Bbが連続形成され、更に各デフ結合部21Ba、21Bbの外側から上方に傾斜した延設部21Ca、21Cbが連続形成される板状体によって形成されている。
【0035】
アッパメンバ21の前縁21fは、平面視デフ嵌合部21A及びデフ結合部21Baの間が車体幅方向に沿う直線状でかつ、延設部21Ca、21Cbの範囲は次第に車体後方に移行するように傾斜すると共に、後縁21rが直線状に形成された平面視略台形であって、各デフ結合部21Ba、21Bbには上記デファレンシャルケース10に穿設されたボルト挿通孔12a、12bに対向してボルト挿通孔21a、21bが穿設されている。
【0036】
ロアメンバ22は、上記アッパメンバ21に対向する底面部22A及び底面部22Aの前縁及び後縁に各々連続形成されて互いに対向する前面部22F、22Rから成る上方が開放された断面略U字状に形成されている。
【0037】
そして、底面部22Aにおける最低地上高部となる車幅方向の中央部22Bは、図1に要部断面を示すように、その前部22Baが車体後方に移行するに従って次第に下降するように傾斜し、前部22Bの後端に略水平な後部22Bbが滑らかに連続する橇状に形成されている。
【0038】
更に底面部22Aは、中央部22Bを挟んでその車体幅方向の両側に各々上記アッパメンバ21のデフ結合部21Ba、21Bbに対向して上方に突出するデフ結合部22Ca、22Cbが形成され、かつデフ結合部22Ca、22Cbの外側から次第に上方へ移行するように傾斜する延設部22Da、22Dbが連続形成され、延設部22Da及び22Dbの前縁は平面視車体側方に移行するに従って車体後方向に移行するよに傾斜している。
【0039】
各デフ結合部22Ca、22Cbに上記アッパメンバ21に穿設されたボルト挿通孔21a、21bに対向するボルト挿通孔22a、22bが穿設され、中央部22Bの後部22Bbに水抜き穴22cが穿設され、前進走行時にデファレンシャルケース10からの反力が大きく作用する右側の延設部22Daの下端近傍に水抜き穴22dが穿設されると共に、前進走行時にデファレンシャルケース10からの反力が比較的小さく作用する左側の延設部22Dbの先端近傍に塗料抜き穴22eが穿設されている。
【0040】
前面部22Fの上端縁22Ffは上記アッパメンバ21の前縁21fに沿うと共に、アッパメンバ21の下面形状に倣った形状であって、かつ前面部22Fの両側端縁22Fa、22Fbは円筒状のボス24a、24bの外周に沿う円弧状に形成されている。一方後面部22Rの上端縁22Rrはアッパメンバー21の後縁21rに沿うと共にアッパメンバ21の下面形状に倣った形状で、かつ両側端縁22Ra、22Rbはボス24a、24bの外周に沿った円弧状に形成されている。
【0041】
一対のスペーサ23a、23bは、アッパメンバ21の下面にロアメンバ22の前面部22Fの上端縁22Ff及び後面部22Rの上端縁22Rrを重合した状態において、アッパメンバ21及びロアメンバ22の各デフ結合部21Baと22Ca、21Bbと22Cb間に相当する長さを有する円筒状に形成されている。
【0042】
ロアリンフォース25は、略矩形形状の板状体であって、その下端部25Aがロアメンバ22に形成された延設部21Caの下端近傍の下面に重合すると共に、上端部25Bがボス24aの下面に嵌合する円弧状に湾曲し、下端部25Aに上記水抜き穴22dに対応してゲージホール25dが穿設されている。
【0043】
アッパリンフォース26は、アッパメンバ21のボス24aとの間に掛け渡される板状体によって形成される。
【0044】
そして、溶接工程においてアッパメンバ21或いはロアメンバ22、本実施形態ではロアメンバ22のデフ結合部22Ca及び22Cb上に各々ボルト挿通孔22a、22bと対応させてスペーサ23a、23bを溶接結合し、かつロアメンバ22の前面部22F及び後面部22Rの各上端縁22Ff、22Rrを各々アッパメンバ21の前縁21f及び後縁21rの下面に重合し、互いに重合したロアメンバ22の前面部22Fの上端縁22Ffとアッパメンバ21の前縁21fの下面とを溶接結合すると共に、ロアメンバ22の後面部22Rの上端縁22Rrとアッパメンバ21の後縁21rの下面とを溶接結合する。
【0045】
ロアメンバ22の延設部22Daの側端縁22Dc、前面部22Fの側端縁22Fa、後面部22Rの側端縁22Ra及びアッパメンバ21に形成された延設部21Caの側端縁21Ccにボス24aを重合してアッパメンバ21とロアメンバ22によって閉断面形状に形成された両開口端部を封鎖し、互いに重合するロアメンバ22の延設部22Da、前面部22F、後面部22Rの各側端縁22Dc、22Fa、22Raとボス24aとを溶接結合する。
【0046】
この溶接結合の際、アッパメンバ21とボス24aによって形成される隅部に溶接結合中断部を設け、図1の矢印A方向からの見たデフメンバ20の側面図を図4に示し、かつ図4のB部拡大図を図5に示すように、後面部22Rの上端縁22Rrと側端縁22Raによって形成される上端部22Reと、アッパメンバ21の下面と、ボス24aによって形成される隅部の開口部は溶接結合することなく、該開口部によって塗装用エア抜き穴22gを形成する。
【0047】
同様に、前面部22Fの上端縁22Ffと側端縁22Faによって形成される上端部と、アッパメンバ21の下面と、ボス24aによって形成される隅部の開口部においても該開口部を溶接結合することなく、塗装用エア抜き穴として機能せしめる。
【0048】
ロアメンバ22の延設部22Dbの側端縁22Dd、前面部22Fの側端縁22Fb、後面部22Rの側端縁22Rb及びアッパメンバ21に形成された延設部21Cbの側端縁21Cdにボス24bを重合し、互いに重合するロアメンバ22の延設部22Db、前面部22F、後面部22Rの各側端縁22Dd、22Fb、22Rbとボス24bとを溶接結合する。
【0049】
更に、ロアリンフォース25の円弧状に湾曲形成された上端部25Bをボス24aに重合すると共に、下端部25Aをロアメンバ22の延設部21Daに重合して水抜き穴22dとゲージホール25dとを一致させることによりロアメンバ22及びボス24aに対するロアリンフォース25の相対位置決めを図る。 この位置決めにあたり、ボス24aにロアリンフォース25の上端部25Bを重合させることによってロアリンフォース25のロアメンバ22及びボス24aに対する車体幅方向の相対位置が規制され、容易に所定位置にロアリンフォース25の位置決めがなされる。
【0050】
ロアリンフォース25が位置決めされた状態で、ロアリンフォース25の下端25Aをロアメンバ22の延設部21Daの下端部近傍に溶接結合すると共に、上端部25Bをボス24aの下面に溶接結合する。
【0051】
そして、アッパリンフォース26を、アッパメンバ21とボス24aとの間に掛け渡し、アッパリンフォース26の両端を各々アッパメンバ21及びボス24aに溶接結合して図4に示すようなデフメンバ20となる。
【0052】
このように構成されたデフメンバ20は、塗装工程において図6に示すように、アッパメンバ21、ロアメンバ22及び両ボス24a、24bによって形成される袋構造体内と外部を連通する塗装用エア抜き穴22gを上端に、かつアッパメンバ21の延設部22Dbの先端近傍に穿孔された塗料抜き穴22eが下端となり、かつアッパメンバ21に対しロアメンバ22が下側となるように傾斜した塗装姿勢を維持した状態で塗料中に潜入させて電着塗装を施す。
【0053】
塗料中に潜入させる際、フロントデフメンバ20の袋構造体内に水抜き穴22c、水抜き穴25d、ゲージホール22d及び塗料抜き穴22eから塗料が流入し、かつ袋構造体内に残存する空気が塗装用エア抜き穴22gから円滑に排出されて袋構造体内に塗料充満してその内面に塗料が均一に付着される。
【0054】
しかる後、デフメンバ20を塗料内より引き上げる。塗料面より上方に引き上げられたデフメンバ20は、その外面に付着した余分な塗料が滴下すると共に、袋構造体内の余分な塗料は塗料抜き穴22gから排出される。
【0055】
そして、塗装が施されたデフメンバ20の両端に設けられたボス24a及び24bにラバーブッシュ27が圧入される。
【0056】
このラバーブッシュ27は、外筒27A、内筒27B及び外筒27Aと内筒27Bの間に介挿されたゴム27Cからなり、外筒27Aがボス24a及び24bに圧入可能に形成されている。
【0057】
このようにしてボス24a、24bにラバーブッシュ27が圧入されたデフメンバ20は、デファレンシャルケース10のボルト挿通孔12a及び12bから挿入されてアッパメンバ12のボルト挿通孔12a、12b、スペーサ23a、23b及びロアメンバ22のボルト挿通孔22a、22bを貫通するボルト17a、17b及びボルト19a、19bに螺合するナット(図示せず)によってデファレンシャルケース10の下部に取り付けられる。
【0058】
一方リヤデフメンバ30は、車体幅方向に延びるリヤメンバ31と、デファレンシャルケース10の後端から突出するボルト13a、13bに対応してリヤメンバ31に溶接結合された一対のボス32a、32bと、外筒33Aがボス32a、32bに圧入されてボルト13a、13bに内筒33Bが嵌合してナット15a、15bによって取り付けられるラバーブッシュ33と、リヤメンバ31の両端に各々設けられたゴムブッシュ34によって構成される。
【0059】
そして、デフメンバ20の両端に配設されたラバーブッシュ27をブラケット18a、18bを介して左右の車体フレームに各々取り付けると共に、リヤデフメンバ30の両端に配置されたラバーブッシュ34を左右の車体フレーム間に架設されたクロスメンバ(図示せず)に取り付けることによってディファレンシャルケース10が車体に取り付けられる。
【0060】
このように構成される車両用デフ支持構造によると、デファレンシャルケース10の下面がデフメンバ20によって保護されて路面等との直接の接地が回避され、更に車体幅方向の略中央部でデフメンバ20の最低地上高部となるロアメンバ22の底面部22Aにおける中央部22Bを、車体後方に移行するに従って下降するように傾斜した前部22Ba及び前部22Baの後端に滑らかに連続する後部22Bbによって橇状に形成することから、走行中において該部の接地等に起因する衝撃が緩和され、デフメンバ20及びデファレンシャルケース10の結合部等の変形や破損が回避、或いは極めて軽減される。
【0061】
更に、上方が開放された断面略U字形のロアメンバ22の前面部22F及び後面部22Rの上端縁22Ff、22Rrをアッパメンバ21の前縁21f及び後縁21rの下面に溶接結合することにより、該溶接部が比較的高位置に配置され、かつデファレンシャルケース10の下面近傍に位置する。従って、該部が直接接地することが回避され、アッパメンバ21とロアメンバ22の間にスペーサ23a、23bが架設されることと相俟ってデフメンバ20の変形や破損が回避されてデファレンシャルケース10が保護される。
【0062】
一般に袋構造体を電着塗装する場合、袋構造体の内面への充分な塗料付着を図るため、塗装姿勢での最上部にエア抜き穴を穿孔するが、アッパメンバ21の下面とボス24aによって形成されて溶接トーチによる溶接作業が困難な隅部を溶接結合することなく、この隅部に開口する開口部を電着塗装の際の塗装用エア抜き穴22gとして積極的に利用することによって溶接作業の簡素化が得られると共に、最も強度が要求されるボス24aとアッパメンバ21或いはロアメンバ22の接合部近傍に塗装用エア抜き穴を別途穿設することなく該部の強度が確保されると共に、塗装も確実なものとなる。
【0063】
一方、比較的強度的に余裕があり、溶接作業が容易であって、塗装姿勢において最下部となる延設部22Dbの側端縁22Rbとボス24bを溶接結合すると共に、延設部22Dbに塗料抜き穴22eを穿設する。
【0064】
また、より強度が要求される右側のボス24aとロアメンバ22との間に及びボス24aとアッパメンバ21の間にロアリンフォース25、アッパリンフォース26を設ける一方、比較的強度に余裕のある左側のボス24bとアッパメンバ21及びロアメンバ22の間はリンフォースを省略することによって、部位に相応した要求強度に応じた強度が確保され、デフメンバ20全体の重量削減が得られる。
【0065】
更にロアリインフォース25をロアメンバ22及びボス24aに溶接結合する際使用される水抜き穴22d及びゲージホール25dが袋構造体内の水抜き穴となり、かつロアメンバ22に穿設された水抜き穴22dの周辺がロアリインフォース25によって補強されることと相俟って、個々にゲージホール及び水抜き穴を穿孔することに起因する強度低下が回避される。
【0066】
以上説明では、ロアメンバ22の中央部22Bを、傾斜した前部22Baと前部22Bに滑らかに連続する後部22Bbによって橇状に形成したが、中央部22Bの全面を車体後方に移行するに従って下降するように傾斜面によって形成することも可能であり、本発明は、上記実施形態に限定されることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明した本発明の車両用デフ支持構造によると、ロアメンバを底面部と底面部に連続する前面部及び後面部によって形成される略U字状に形成し、その前面部及び後面部の上端縁をアッパメンバの前縁及び後縁の各下面に溶接結合して閉断面形状のデフメンバを形成することから、比較的高位置においてアッパメンバとロアメンバとが溶接結合され、該溶接結合部が直接路面等と接地することが回避乃至大幅に減少して溶接結合部の変形や破損が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用デフ支持構造の実施形態の概要を示す要部破断側面図である。
【図2】同じく、車両用デフ支持構造を示す平面図である。
【図3】同じく、フロントデフメンバの分解斜視図である。
【図4】同じく、図1の矢印A方向から見たフロントデフメンバの側面図である。
【図5】同じく、図4のB部拡大図である。
【図6】同じく、フロントデフメンバの塗装工程を説明する図である。
【図7】従来の車両用デフ支持構造を示す平面図である。
【図8】同じく、図5の側面図である。
【符号の説明】
10 デファレンシャルケース
20 デフメンバ
21 アッパメンバ
21f 前縁
21r 後縁
22 ロアメンバ
22A 底面
22Ba 前部
22F 前面部
22Ff 上端縁
22Fa 側端縁
22Fb 側端縁
22R 後面部
22Ra 側端縁
22Rb 側端縁
22Rr 上端縁
22d 水抜き穴
22g 塗装用エア抜き穴
24a ボス
24b ボス
25 ロアリンホース
25d ゲージホール

Claims (7)

  1. 車体前後方向に延びる左右の車体フレームと、デファレンシャルケースの下方を通り上記左右の車体フレーム間に架設された閉断面形状のデフメンバとを備え、該デフメンバ上に上記デファレンシャルケースを載置支持する車両用デフ支持構造において、
    上記デフメンバは、
    該車体幅方向に延びてデフメンバの上面部を形成するアッパメンバと、
    該アッパメンバに対向して車体幅方向に延びる底面部と該底面部の前縁に沿って延設されて上端縁がアッパメンバの前縁下面に溶接結合された前面部及び上記底面部の後縁に沿って延設されて上端縁がアッパメンバの後縁下面に溶接結合された後面部を有する断面略U字状のロアメンバと、
    アッパメンバ及びロアメンバの両側端縁に各々溶接結合されて上記アッパメンバとロアメンバによって形成される両開口端部を封鎖するボスとを備え、
    該ボスに嵌入するラバーブッシュを介して上記左右の車体フレーム間に架設されたことを特徴とする車両用デフ支持構造。
  2. 上記ロアメンバの底面部は、少なくとも該底面部の前部が車体後方に移行するに従って下降するように傾斜したことを特徴とする請求項に記載の車両用デフ支持構造。
  3. 上記ロアメンバの最低地上高部となる車体幅方向略中央部の底面部の前部が、車体後方に移行するに従って下降するように傾斜したことを特徴とする請求項に記載の車両用デフ支持構造。
  4. ボスとアッパメンバとによって形成される隅部に、アッパメンバとロアメンバ乃至ロアメンバとボスの間の溶接結合部に溶接結合中断部を設けて、アッパメンバとロアメンバとボスとによって形成される袋形状体内と外部とを連通する塗装用エア抜き穴を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用デフ支持構造。
  5. デフメンバの両端に各々配設されたボスの内、車両の前進走行に伴うデファレンシャルケースからの反力が大きく作用する側のボスとアッパメンバとによって形成される隅部に、上記塗装用エア抜き穴を形成したことを特徴とする請求項に記載の車両用デフ支持構造。
  6. デフメンバの両端に各々配設されたボスの内、車両の前進走行に伴うデファレンシャルケースからの反力が大きく作用する側のボスの外周面とロアメンバの底面部下面との間に架設されて両端が各々溶接結合されたロアリンフォースを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用デフ支持構造。
  7. 上記ロアリンフォースの一端がボスの外周面に嵌合すると共に、他端にロアメンバの底面部に穿設された水抜き穴に対応するゲージホールを備えたことを特徴とする請求項に記載の車両用デフ支持構造。
JP14380398A 1998-05-26 1998-05-26 車両用デフ支持構造 Expired - Fee Related JP3910727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14380398A JP3910727B2 (ja) 1998-05-26 1998-05-26 車両用デフ支持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14380398A JP3910727B2 (ja) 1998-05-26 1998-05-26 車両用デフ支持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11334399A JPH11334399A (ja) 1999-12-07
JP3910727B2 true JP3910727B2 (ja) 2007-04-25

Family

ID=15347352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14380398A Expired - Fee Related JP3910727B2 (ja) 1998-05-26 1998-05-26 車両用デフ支持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3910727B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9676415B2 (en) * 2015-03-13 2017-06-13 GM Global Technology Operations LLC Rear drive module assembly and system for mounting to a vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11334399A (ja) 1999-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100484785C (zh) 扭梁式悬架
JP3697557B2 (ja) 自動車の上部車体構造
CN102177298B (zh) 具有车载马达安装凸缘的完全焊接的履带底盘传动装置
JP2001180519A (ja) 作業用四輪車
JP4060796B2 (ja) 建設機械のトラックフレーム
JP5041747B2 (ja) クローラ走行装置におけるセンターフレーム及びセンターフレームの製造方法
US6402172B1 (en) Suspension frame construction
US7204518B2 (en) Construction machine
JP3910727B2 (ja) 車両用デフ支持構造
JP4696664B2 (ja) 車両の後部車体構造
JP2001180357A (ja) 自動車のシート装着装置
CN107097601A (zh) 一种拖曳臂安装支座结构
JP3378479B2 (ja) 旋回作業機のトラックフレーム
JPS59102606A (ja) 自動車のサスペンション装置
JPH06247343A (ja) 自動車の下部車体構造
JP2009113568A (ja) 自動車の前部構造
JP3592137B2 (ja) スプリングサポートの結合構造
CN214985639U (zh) 一种副车架及汽车
JPH04126678A (ja) フロントサイドメンバ構造
JPS6119989Y2 (ja)
KR102082830B1 (ko) 차량용 로워암
JP3476101B2 (ja) 車両用サブフレーム
JPH11301511A (ja) サスペンション部材支持装置
JPH044945Y2 (ja)
JPH10210848A (ja) 作業車の機体フレーム構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140202

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees