JP3910150B2 - 車両用サブフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体と懸架装置いわゆるサスペンションとの間に介在する車両用サブフレームに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来、車両用サブフレームは、自動車の車体と懸架装置いわゆるサスペンションとの間に介在し、懸架装置のアッパーアーム、ロアアームなどのアームが取り付けられる。特に自動車の車体前方に配置されるフロントサブフレームにあっては、エンジンや操舵装置などの各種部品が取り付けられる。
【0003】
車両用サブフレームの軽量化のために、アルミニウム合金製のパイプからなる複数のメンバを井桁状に溶接して製造されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、同様に車両用サブフレームの軽量化のために、鋳造アルミニウム合金によって製造されたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
しかしながら、従来の軽量化したアルミニウム合金製の車両用サブフレームにおいては、アルミニウム自体が鉄に比べて剛性、特に靭性が低く、そのため補強のためのリブ構造や肉盛りなどが必要であった。これらリブ構造や肉盛りなどは、車両用サブフレームの設計上の困難性だけでなく、材質による軽量化の効果がその分だけ低減することになる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−348812号公報(第1−3頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−80875号公報(第1−5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、剛性を向上させ、また剛性を維持しつつ軽量化が可能な車両用サブフレームを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様に係る自動車の車体と車輪とを連結する車両用サブフレームは、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯にカーボンナノファイバーを混入し、金型のキャビティ内に前記カーボンナノファイバーが混入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を充填し、加圧して、前記キャビティ内の溶湯が固化した後、前記キャビティ内から取り出され、
平均直径が0.7〜500nmであって平均長さが0.01〜1000μmであるカーボンナノファイバーを含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成される。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
このような構成とすることで、車両用サブフレームの剛性、特に靭性を向上させ、また剛性を維持しつつ軽量化することができる。これによって、自動車の車体軽量化に貢献することができ、自動車の燃費向上により二酸化炭素の削減ができる。
【0013】
ここで、本発明の第二の態様に係る自動車の車体と懸架装置との間に介在する車両用サブフレームは、マグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯にカーボンナノファイバーを混入し、金型のキャビティ内に前記カーボンナノファイバーが混入されたマグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯を充填し、加圧して、前記キャビティ内の溶湯が固化した後、前記キャビティ内から取り出され、
平均直径が0.7〜500nmであって平均長さが0.01〜1000μmであるカーボンナノファイバーを含有するマグネシウムまたはマグネシウム合金によって形成される。
【0014】
このような構成とすることで、車両用サブフレームの剛性、特に靭性を向上させ、また剛性を維持しつつ軽量化することができる。これによって、自動車の車体軽量化に貢献することができ、自動車の燃費向上により二酸化炭素の削減ができる。
【0015】
ここで、本発明の第一の態様または第二の態様に係る車両用サブフレームにおいては、
前記カーボンナノファイバーは、イオン注入処理されていることができる。
【0016】
このような構成とすることで、イオン注入されたカーボンナノファイバーは、少なくともその表面の化学的な組成が変ることで、サブフレームを構成する金属(アルミニウム、マグネシウムなど)とカーボンナノファイバーの接着性やヌレ性が改善され、車両用サブフレームの剛性、特に靭性をさらに向上させることができるとともに、カーボンナノファイバーの金属中における分散性が向上することで、全体に均質な性能を有することができる。
【0017】
ここで、本発明の第一の態様または第二の態様に係る車両用サブフレームにおいては、
前記カーボンナノファイバーは、スパッタエッチング処理されていることができる。
【0018】
このような構成とすることで、スパッタエッチング処理されたカーボンナノファイバーは、その表面に微細な凹凸を形成されるため、サブフレームを構成する金属(アルミニウム、マグネシウムなど)とカーボンナノファイバーの接着性やヌレ性が改善され、車両用サブフレームの剛性、特に靭性をさらに向上させることができるとともに、カーボンナノファイバーの金属中における分散性が向上することで、全体に均質な性能を有することができる。
【0019】
ここで、本発明の第一の態様または第二の態様に係る車両用サブフレームにおいては、
前記カーボンナノファイバーは、プラズマ処理されていることができる。
【0020】
このような構成とすることで、プラズマ処理されたカーボンナノファイバーは、その表面に微細な凹凸を形成する等の表面改質されるため、車両用サブフレームを構成する金属(アルミニウム、マグネシウムなど)とカーボンナノファイバーの接着性やヌレ性が改善され、車両用サブフレームの剛性、特に靭性をさらに向上させることができるとともに、カーボンナノファイバーの金属中における分散性が向上することで、全体に均質な性能を有することができる。
【0021】
ここで、本発明の第一の態様または第二の態様に係る車両用サブフレームにおいては、
前記車両用サブフレームは、球殻状炭素であるフラーレンをさらに含み、
前記フラーレンは、カーボン60とカーボン70とを含み、
前記カーボン70より前記カーボン60が多く含有されていることができる。
【0022】
このような構成とすることで、フラーレンの合成過程において、カーボン70より多く合成されるカーボン60を有効に利用することができる。特にフラーレンは、金属中における分散性が高いため、車両用サブフレーム全体で均質な特性を得ることができることができる。
【0023】
ここで、本発明の第一の態様または第二の態様に係る車両用サブフレームにおいては、
前記車両用サブフレームは、前記カーボンナノファイバー及び前記フラーレンの少なくとも一方の合成過程において得られる炭素及び炭素化合物を含有することができる。
【0024】
このような構成とすることで、カーボンナノファイバー及びもしくはフラーレンの合成過程において、合成される不純物である炭素及び炭素化合物を有効に利用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態に係るサブフレームの配置を示す車両の概略平面図である。図2は、全方位型イオン注入装置の概略構成図であり、図3は、その回転テーブルの他の実施態様を示す一部断面図である。
【0027】
本発明の一実施の形態に係るサブフレームは、例えば図1に示すような自動車の車体1の前タイヤ2、2間に配置されたフロントサブフレーム10と、後タイヤ3、3間に配置されたリアサブフレーム20とがある。サブフレームの構造や数は、車種や採用されている懸架方式などによって変わるので特に限定されるものではない。したがって、ここではサブフレームの詳細構造については説明しない。
【0028】
フロントサブフレーム10は、前タイヤ2、2を支持する例えばダブルウィッシュボーン式の懸架部材4、4の図示せぬアッパーアームやロアアームの一端がブッシュ等を介して回転自在に連結されている。また、車体1のフロント側にエンジンを載置する自動車においては、フロントサブフレーム10は、図示せぬエンジンの一部を支持し、前タイヤ2、2を旋回動作させる図示せぬ操舵装置などの部品も取り付けられる。フロントサブフレーム10は、例えば図1に示すようにフロントメンバ12とサイドメンバ14とリアメンバ16とを井桁状に組み合わせて車体1に取り付けられている。
【0029】
リアサブフレーム20は、後タイヤ3、3を支持する例えばセミトレーリングアーム式の懸架部材5、5の図示せぬセミトレーリングアームの一端が回転自在に連結されている。
【0030】
本実施の形態において、フロントサブフレーム10及びリアサブフレーム20(以下、サブフレームという)は、製造の容易さなどからアルミニウムを用いているが、金属製であれば軽量化に貢献するために、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金などのいわゆる軽金属の中から適宜選択することができる。
【0031】
本実施の形態においては、重力鋳造法によって製造され、まず金属溶湯(アルミニウム溶湯)にカーボンナノファイバー及びフラーレンの少なくとも一方を混入し、金型によって形成されたキャビティ内に金属溶湯(アルミニウム溶湯)を充填し、加圧する。溶湯が固化した後、サブフレームの例えばフロントメンバ12をキャビティから取りだし、所望の切削加工を施して最終製品であるフロントメンバ12を得る。同様にして、サイドメンバ14、リアメンバ16及びリアサブフレーム20を得る。
【0032】
サブフレームにおいて、炭素繊維およびフラーレンを合わせて0.01〜50重量%含むことが好ましい。炭素繊維およびフラーレンの割合が50重量%を超えると成形性の点で好ましくなく、0.01重量%未満であると、靭性を十分向上することができない場合がある。なお、上記重量割合は、炭素繊維およびフラーレンをそれぞれ単独で含有する場合は、炭素繊維およびフラーレン単独の重量%である。
【0033】
また、金属例えばアルミニウムに混入させる炭素繊維は、平均直径が0.7nm〜500nmであって、平均長さが0.01〜1000μmのカーボンナノファイバーを用いることが好ましい。また、カーボンナノファイバーの配合量は、成形時の流動性、得られるサブフレームの剛性、特に靭性などの観点から、サブフレームの金属例えばアルミニウム中に0.01〜50重量%の範囲で含まれていることが好ましい。このようなカーボンナノファイバーは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造をしたいわゆるカーボンナノチューブなどである。カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有している炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
【0034】
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
【0035】
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得るものである。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
【0036】
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面にYAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面が溶融・蒸発し、単層カーボンナノチューブを得るものである。
【0037】
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などがある。
【0038】
カーボンナノファイバーは、金属例えばアルミニウムに混入する前に、あらかじめ表面処理例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、アルミニウムとの接着性やぬれ性を改善することができる。
【0039】
(イオン注入処理)
イオン注入処理(ion implantation)は、イオン源によってイオン化された元素例えば酸素などに加速器によって必要なエネルギーを与え、真空ポンプによって高真空状態に保たれた真空チャンバにあるカーボンナノファイバーの表面内にイオンを打ちこむものである。
【0040】
本発明の一実施の形態のイオン注入処理について、図2に示す全方位型イオン注入装置の概略構成図を用いて説明する。全方位型イオン注入装置50は、真空ポンプ57に接続された例えばステンレス製の真空チャンバー51内にイオン注入処理を施す試料(例えばカーボンナノファイバー52)を置く回転テーブル53が回転自在に配置されている。回転テーブル53は、パルスバイアス電源54に接続され、真空チャンバー51との間は絶縁体55によって絶縁されている。真空チャンバー51は、プロセスガス供給装置58と、高周波電源59に接続されたコイル60と、アーク式蒸発源61と、真空チャンバー51内温度を測定する赤外線放射温度計62と接続されている。
【0041】
イオン注入処理は、真空ポンプ57によって適当な真空状態とされた真空チャンバー51内に、プロセスガス供給装置58からガスが供給され、高周波電源59によってコイル60の周りにプラズマを発生させる。これによってイオン化されたガスが、パルスバイアス電源54の負極に接続されている試料例えばカーボンナノファイバー52に引き込まれ、注入される。また、真空チャンバー51に接続されたアーク式蒸発源61によって、金属イオンを試料例えばカーボンナノファイバー52に注入させることができる。この場合、アーク式蒸発源61内の金属蒸発源は、図示せぬ直流アーク電源に接続され、アーク放電によって蒸発させられる。このとき、回転テーブル53及び試料例えばカーボンナノファイバー52は、スイッチ63によって切りかえられた負の直流バイアス電源56により印加されているので、金属イオンが試料例えばカーボンナノファイバー52に注入される。
【0042】
また、全方位型イオン注入装置50の回転テーブル53を図3に示すような攪拌羽53a及び容器53bを有する構造としてもよい。容器53bは、広口の開口部を上方に有し、容器53b中には試料例えばカーボンナノファイバー52を配置できる。イオン注入処理の間、カーボンナノファイバー52のような粉体の試料は、攪拌羽53aの回転によって攪拌されることで、全体にまんべんなくイオン注入処理を受けることができる。攪拌翼53aの回転速度は、カーボンナノファイバー52の量や、イオン注入処理時間などによって適宜調整することができる。
【0043】
イオン注入処理されたカーボンナノファイバーは、その表面が化学的に改質され、サブフレームの金属例えばアルミニウムに対するぬれ性や接着性などが改善され、サブフレームの剛性、特に破壊靭性の向上が得られる。
【0044】
イオン注入処理に用いられる元素は、例えば、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、クロム(Cr)、炭素(C)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、リン(P)、アルミニウム(Al)等、サブフレームの金属例えばアルミニウムとの相性によって適宜選択することができる。
【0045】
(スパッタエッチング処理)
ドライエッチング方式のスパッタエッチング処理は、真空ポンプによって高真空状態に保たれた真空チャンバ内にエッチングガス、極低圧不活性ガス雰囲気例えばアルゴン(Ar)中で、交流を印加してグロー放電を行わせ、かつグロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極と接触したカーボンナノファイバーの表面にイオンを衝突させることで、エッチングするものである。
【0046】
スパッタエッチング処理されたカーボンナノファイバーの表面は、物理的にエッチングされることで、微細(ナノサイズ)な凹凸が形成される。このカーボンナノファイバーの表面の凹凸が、サブフレームの金属例えばアルミニウムとの接触面積を増大させることとなり、アルミニウムとカーボンナノファイバーとの接着強度を向上させることができる。アルミニウムにカーボンナノファイバーを混入させ製造したサブフレームにおける剛性、特に破壊靭性の向上が得られる。また、このようにアルミニウムにカーボンナノファイバーを混入させて製造したサブフレームは、放熱性が向上し、ナックル10からの熱を効率的に放熱することができる。
【0047】
(プラズマ処理)
プラズマ処理は、プラズマをカーボンナノファイバーに照射することによって表面を改質させるものである。プラズマ処理は、一般的なグロー放電処理やコロナ放電処理などを採用することができる。
【0048】
例えばプラズマは、相対向する放電極と対向電極との間に、パルス生成回路によって生成された高電圧・高頻度のパルス電圧を印加し、両電極間にコロナ放電を惹起して空気中にプラズマを発生させるようにしている。そして、被処理物は、両電極間に静止状態又は移動状態で配置され、その表面にプラズマ処理が施される。
【0049】
プラズマの作り方には、2枚の平行平板電極に数百から数千ボルトの電圧をかけて放電する二極放電タイプ、熱陰極から発した大量の電子が陽極に入るまでに気体分子と衝突しプラズマを作る熱電子放電タイプ、磁場を使って高真空で放電するマグネトロン放電タイプ、高周波電磁誘導によりプラズマを発生させる無電極放電タイプ、磁場のある共振室へマイクロ波を送りこみ電子を共振させるECR(Electron Cyclotron Resonance)放電タイプなどがあり、適宜選択することができる。
【0050】
このようにプラズマ処理されたカーボンナノファイバーの表面は、サブフレームの金属例えばアルミニウムとの接着性やぬれ性が改善し、アルミニウムにカーボンナノファイバーを混入させて製造したサブフレームにおける剛性、特に破壊靭性の向上が得られる。
【0051】
本実施の形態に用いられるフラーレンは、球殻状炭素例えばカーボン60(以下C60とする)、C70、C74、C76、C78、C82、C84、C720、C860などのフラーレン類などが挙げられるが、C60を主成分とすることが好ましい。また、C60を主成分として、C70がC60よりも少量含まれるフラーレンを用いることが好ましい。さらに、C60を主成分として、他のフラーレン類を含んでもよいし、フラーレン以外のフラーレン生成時に同時に生成された他の炭素及び炭素化合物を含んでもよい。フラーレン類の形態は、例えば、サッカーボール状、バッキーボール状などであってもよい。
【0052】
また、フラーレン類は置換基の導入などにより修飾されていてもよい。修飾方法は、特に限定されず、例えば、フラーレン類の反応性に富む炭素5員環部を化学的に修飾できる。置換基の種類は、特に限定されず、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ジオキソラン単位、ハロゲン又は酸素原子などが例示でき、液晶ポリマー、色素類、ポリエチレンオキシドなどの導入により修飾してもよい。フラーレン類の修飾により、選択された金属例えばアルミニウムとの親和性の改善、フラーレン類の分散を可能にする。
【0053】
C60フラーレンは、黒鉛電極を用い、ヘリウム雰囲気でアーク放電し、得られたススをベンゼンで抽出し、得られたC60混合物を、塩基性活性アルミナを担体とし、ヘキサンを展開溶媒として、カラム分離精製することにより調製した。フラーレンを得る方法は、このアーク放電法に限らず、他の手法でもよい。
【0054】
このようにサブフレームの金属例えばアルミニウムにフラーレンを混入させて製造したサブフレームにおける剛性、特に破壊靭性の向上が得られる。
【0055】
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
【0056】
例えば、サブフレームを構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金に、マグネシウムまたはマグネシウム合金を数パーセント混入させた複合材料とするなど、例えばアルミニウム、マグネシウムを主成分とする金属に、他の金属を混入させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るサブフレームの配置を示す車両の概略平面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に用いられる全方位型イオン注入装置の概略説明図である。
【図3】 全方位型イオン注入装置の回転テーブルの他の実施態様を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 車体
2、3 タイヤ
4、5 懸架装置
10 フロントサブフレーム
20 リアサブフレーム
50 全方位型イオン注入装置
53 回転テーブル
53a 攪拌羽
53b 容器
Claims (7)
- 自動車の車体と懸架装置との間に介在する車両用サブフレームにおいて、
前記車両用サブフレームは、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯にカーボンナノファイバーを混入し、金型のキャビティ内に前記カーボンナノファイバーが混入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を充填し、加圧して、前記キャビティ内の溶湯が固化した後、前記キャビティ内から取り出され、
平均直径が0.7〜500nmであって平均長さが0.01〜1000μmであるカーボンナノファイバーを含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成される、車両用サブフレーム。 - 自動車の車体と懸架装置との間に介在する車両用サブフレームにおいて、
前記車両用サブフレームは、マグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯にカーボンナノファイバーを混入し、金型のキャビティ内に前記カーボンナノファイバーが混入されたマグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯を充填し、加圧して、前記キャビティ内の溶湯が固化した後、前記キャビティ内から取り出され、
平均直径が0.7〜500nmであって平均長さが0.01〜1000μmであるカーボンナノファイバーを含有するマグネシウムまたはマグネシウム合金によって形成される、車両用サブフレーム。 - 請求項1または2記載の車両用サブフレームにおいて、
前記カーボンナノファイバーは、イオン注入処理されている、車両用サブフレーム。 - 請求項1または2記載の車両用サブフレームにおいて、
前記カーボンナノファイバーは、スパッタエッチング処理されている、車両用サブフレーム。 - 請求項1または2記載の車両用サブフレームにおいて、
前記カーボンナノファイバーは、プラズマ処理されている、車両用サブフレーム。 - 請求項1または2記載の車両用サブフレームにおいて、
前記車両用サブフレームは、球殻状炭素であるフラーレンをさらに含み、
前記フラーレンは、カーボン60とカーボン70とを含み、
前記カーボン70より前記カーボン60が多く含有されている、車両用サブフレーム。 - 請求項6記載の車両用サブフレームにおいて、
前記車両用サブフレームは、前記カーボンナノファイバー及び前記フラーレンの少なくとも一方の合成過程において得られる炭素及び炭素化合物を含有する、車両用サブフレーム。
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