JP3909271B2 - 流体注入部材及びそれに用いられる連結部材 - Google Patents

流体注入部材及びそれに用いられる連結部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、補修対象物に穴を穿設してその内部に挿入し、穴内壁に緊密に固定した後流体を高圧で注入する流体注入部材に関し、さらに詳しくは、補修対象物であるコンクリート構造物における水漏れの原因となる空隙箇所に補修材を注入し、先端及びその途中から流体を吐出する流体注入部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートの打継ぎ部には、コンクリート凝固時の凝固速度の差等により、僅かな隙間が生じる場合がある。またコンクリート建造物やトンネルの内壁等の構造物には耐火、耐久性が要求されるが、時間の経過における外環境の変化、例えば、寒暖の差や風雨等の種々の原因により次第に劣化し、ひび割れが発生することがある。当該コンクリートの隙間やひび割れが発生すると当該隙間を通って構造物の内側に水が浸入してくる。この際、発生した隙間やひび割れの中に水と反応して固化する補修材を注入して水漏れを防止する施策が行われている。
【0003】
そのような補修材を注入するための流体注入部材の一例として、本願出願人が先に出願した流体注入部材(特開平11−62260)を図7、図8に基づいて説明する。図7(a)は、ゴム製パッキン材160を膨張させていない通常状態の側面図、図7(b)は、ゴム製パッキン材160を膨張させた状態の側面図である。また、図8は、図7に示した流体注入部材の使用状態を示した断面図である。
流体注入部材100は、ニップル部材120、雄ネジ部材140、そして円筒状のゴム製パッキン材160を含んで構成されている。
【0004】
ニップル部材120には、長手方向に中心孔が穿孔されている。ニップル部材120の中心孔に切られた雌ネジ120dの最奥部はゴム製パッキン材160の端部に位置している。ニップル部材120の中心孔に切られた雌ネジ120dには、雄ネジ部材140の雄ネジ140aが螺合している。ニップル部材120の、係合部120bを回転させることにより、螺合している雌ネジ120d及び雄ネジ140aが浅く、又は深く螺合する。
図7(a)に示す流体注入部材100においてゴム製パッキン材160の通常状態は、雌ネジ120d及び雄ネジ140aが浅く螺合している状態である。そして、図7(b)の流体注入部材100においてゴム製パッキン材160を膨張させた状態は、雌ネジ120d及び雄ネジ140aが浅く螺合している状態である。つまり、雌ネジ120d及び雄ネジ140aを深く螺合させることで、流体注入部材100のゴム製パッキン材160は円周方向に膨張する機構をなしている。これにより、流体注入部材100は補修用の穴360に緊密に固定される。
【0005】
流体注入部材100を用いてコンクリートに生じた割れ340等を埋めるためには、まず、コンクリートに流体注入部材100よりも僅かに大きな直径を有する穴360を穿つ。この穴360はコンクリートに生じている割れ340等に連続していることが必要である。この穴360に、流体注入部材100をニップル部材120の先端が露出するように挿入する。次に、スパナ等の回転手段を六角ナットの形状をしている係合部120bに係合させ、ニップル部材120を回転させる。これにより、ニップル部材120の雌ネジ120dは雄ネジ部材140の雄ネジ140aと深く螺合するように進入する。ニップル部材120と雄ネジ部材140の端部との間隔が小さくなるため、ゴム製パッキン材160は、長手方向に押し縮められると共に、図8(b)のように円周方向に膨張して穴360の表面に緊密固定される。しかる後、補修材である流体をニップル頭部120aから注入する。この結果、補修材を穴360から割れ340に注入することが出来る。
【0006】
注入が終わった後、ハンマー等によりニップル部材120の端部を叩き、ニップル部材120に形成されている溝120cからニップル頭部120aまでのニップル部材120を叩き折る。この後、流体注入部材100の残部を穴360と共に一緒にコンクリートに埋め込み、補修は完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、かかるコンクリート構造物の高層化、地下深度化などの巨大化により、地下基礎コンクリート躯体の厚みが年々、厚みを増している。車道、共同溝、保全用溝、非難溝等を含む集約的一体構造系コンクリート等も造られるようになり、コンクリート躯体厚みは3m〜5m以上へと益々厚くなっている。しかし、厚くなったコンクリート構造物の隙間や割れ等の内部不具合部は、流体注入部材100等の補修システムでは、コンクリート建物自体を壊さなければ補修箇所にすら到達することが出来ず、補修材をコンクリートの隙間や割れに行き渡らせることが極めて困難となってきている。
【0008】
補修に際して、ドリル削孔はコンクリート奥を狙い深く掘って、深い穴に補修材を注入している。しかし、深い穴の奥まで補修材を注入するために、非常に高い圧力を要していた。そのため、補修材の圧力等を調節して隙間や割れに補修材が行き渡るように、熟練者の長年の勘を必要としなければならなかった。
また、補修材には水と反応して直ちに固化する止水剤等が用いられる。止水剤は、水反応型ウレタン樹脂系等であり、広く用いられている。しかし、止水剤はコンクリート内部より出てくる水及び/又は反応促進の為に注水する水と、接触直後に反応凝固する。図9に示すように凝固が流体注入部材100の吐出口近傍で吐出後直ぐに起こると、補修材の吐出が抑制されると共に、未だ埋まっていない隙間や割れへ至る止水剤の注入経路がなくなってしまう。そのため更に止水剤を注入するには、さらに高い圧力を要するようになる。
さらに、図9に示すように流体注入部材100の先端に案内管180を連設しても、前記実施例と同様に吐出口近傍で補修材が凝固してしまい、上記と同様に穴の途中、隙間や割れに補修材が行き渡らないといった問題が生じている。
【0009】
そこで、本発明は大型コンクリート構造物に空けた注入穴内からコンクリートの隙間や割れに補修材を満遍なく注入するための流体注入部材を提供することを目的とする。また、補修材注入後に直ちに安全かつ短時間で穴から突出した部分を除去して目地材を充填出来る流体注入部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、補修対象物に穴を穿設してその内部に挿入し、穴内壁に緊密に固定した後流体を高圧で注入する流体注入部材において、流体を注入する注入プラグと、内部に中心孔が穿設されたパイプ部材と、そして、逆止弁機構を備えられる吐出口を有する連結部材とを有し、注入プラグの先端に取着した連結部材を介してパイプ部材が連結可能とされると共に、パイプ部材にさらに連結部材を取着することにより次々とパイプ部材を継ぎ足し可能とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項に記載の流体注入部材において、注入プラグは、内部に中心孔が穿設された注入プラグ本体と、注入プラグ本体の外周部に嵌合された弾性チューブと、そして注入プラグ本体の一方の端部に螺合されるニップル取付部を含んで構成されていて、ニップル取付部と注入プラグ本体が螺合するに伴って、弾性チューブが膨張可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項に記載の流体注入部材において、注入プラグは、高圧流体を注入する機器の注入用カップリングと液密に接続し得るような外形を有するニップル頭部とスパナ等の回転手段と係合する回転手段係合部を有するニップル本体とが一体的に形成された着脱可能なニップル部材を備えて構成されており、そして、ニップル本体の外周面には叩き折ることが可能な溝が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体注入部材において、異なる長さのパイプ部材を組み合わせることにより長さ調整が可能とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体注入部材に用いられる連結部材において、両端部に注入プラグの吐出側端部又はパイプ部材の一端部と結合される左右一対の結合部が設けられると共に、一対の結合部の間には両結合部を軸方向に貫通する縦孔と、縦孔から円周方向に延び外部に通じる横孔とが形成され、そして、横孔を封止する拡開可能な弾性を有するリング状封止部材により構成される逆止弁機構が設けられていることを特徴とする流体注入部材に用いられる連結部材を提供する。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項に記載の流体注入部材に用いられる連結部材において、弾性を有するリング状封止部材の強度が選べることを特徴とする流体注入部材に用いられる連結部材を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る流体注入部材を図示された実施の形態に基づいて、更に詳しく説明する。
図1(a)は、本発明に係る流体注入部材の一実施形態の側面図、図1(b)は、その断面図である。図2は、図1に示す流体注入部材の構成を示した分解断面図である。また、図4(a)は、連結部材の断面図、図4(b)は、先端部材の断面図、そして図4(c)は、図4(b)とは異なる先端部材の分解断面図である。
図示された流体注入部材1は、流体を注入する注入プラグ2と、パイプ部材3と、連結部材4と、そして先端部材5とを含んで構成されている。
【0018】
注入プラグ2は、ニップル部材20、弾性チューブ21、ワッシャ22、受け座金24、歯付き座金25、スペーサ26、ニップル取付部27、そして注入プラグ本体28を含んで構成されている。
注入プラグ本体28の外周部はネジ山が切ってあり、注入プラグ本体28は雄ネジ構造になっている。注入プラグ本体28は、内部に長手方向に中心孔28aが穿設されている。注入プラグ本体28の外周部には、補修対象であるコンクリートに穿けた穴内部に流体注入部材1を緊密に固定するための弾性チューブ21が嵌め込まれている。また、弾性チューブ21により覆われていないパイプ部材の外周部には、ワッシャ22を介してスペーサ26が取り付けられている。さらに、注入プラグ本体28の注入口側端部には、ワッシャ22を挟んでニップル取付部27が螺合されている。ニップル取付部27の内部には、ネジ山があり、雌ネジとなっていて注入プラグ本体28の雄ネジと螺合するようになっている。そのため、注入プラグ本体28の雄ネジは、ニップル取付部27と螺合する部分より僅かに長く、雄ネジとなっていても良い。ニップル取付部27には、断面六角形のナット部27aが形成されていて、折るための溝27b、ニップル部材20を取り付ける係合部27dが設けられている。
【0019】
弾性チューブ21は、弾性体であるEPDM系のゴム、耐油性・耐腐食性に富むニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブタジエンゴム、ブタジエンスチレンゴム当を用いるのが好ましい。ワッシャ22は、軽く回転でき高圧に耐えるデルリン、ナイロン等により製造可能である。スペーサ26は、SPCC等の鉄基合金により製造されることが好ましい。また、注入プラグ本体28はSTKM−11を含む機械構造用炭素鋼鋼管等の鉄基合金により構成されることが好ましい。ニップル部材20及びニップル取付部27においては、SUM24等の鉄基合金により製造可能であり、真鍮等の銅基合金から製造されても良い。
【0020】
弾性チューブ21には、当該穴内部の壁面と流体注入部材1とがしっかりとかみ合うように、軸方向に配列した突起21aと軸方向に垂直に配置された突起21bとが形成されている。弾性チューブ21は、図1において2つ用いられている。弾性チューブ21は注入プラグ本体28上を滑るワッシャ22と受け座金24、歯付き座金25により挟まれている。受け座金24の端面は、弾性チューブ21の端部に密接しており、弾性チューブ21から力が長手方向に分散されないようになっている。また、歯付き座金25は、1つ以上の歯が付いていて、当該歯が弾性チューブ21に食い込むことにより、弾性チューブにしっかりと固定されるようになっている。なお、弾性チューブ21を焼付けにより、注入プラグ本体28と一体的とすれば、受け座金24、歯付き座金25等を設ける必要性がなくなり、部品点数がそれだけ少なくなる利点がある。弾性チューブ21は、突起21a及び21bを必要に応じて変化させてよく、弾性チューブ21の数は、2つに限定されるものではなく、1つでも、3つ以上でも良い。
【0021】
ワッシャ22を挟んでスペーサ26の隣にはニップル取付部27が注入プラグ本体28に螺合されている。これによりニップル取付部27の係合部27dに、ニップル部材20が装着される。図1に示したニップル部材20は、ニップル頭部20aと回転手段係合部20bを有するニップル本体20cとが一体的に形成されている。ニップル頭部20aは、高圧流体を注入する高圧ポンプ等の機器の注入用カップリングと液密に接続し得るような外形を有している。ニップル部材20は、補修材注入の前後でニップル取付部27から着脱可能であり、流体の逆止弁機構が備わっている。ニップル取付部27の係合部27dには雌ネジが、ニップル部材20には雄ネジが切ってあり、雌ネジと雄ネジが螺合することによりニップル取付部27からニップル部材20が取り外し可能であるのが好ましい。
【0022】
また、回転手段係合部20bは、断面六角形のナットから構成されている。回転手段係合部20bのどの部位にスパナを係合させても、回転させることができ作業性が良好となる。なお、図示された実施例ではニップル部材20とニップル取付部27は二つの部材により構成されている。しかし、これは構成を制限するものではなく、図3に示すように一体成型されて、ニップル部29としても良い。また、回転手段係合部20bは、断面多角形でも良く、スパナ等による回転手段と整合する形状であれば良い。
【0023】
流体注入部材1において、ニップル取付部27のナット部27aを、スパナ等の回転部材により回転させることが出来る。このため、ニップル取付部27の雌ネジと注入プラグ本体28とが深く螺合する。これに伴い、注入プラグ2は、長さが短くなり、弾性チューブ21は長手方向に押し縮められ、円周方向に膨張する機構を有している。この機構により、流体注入部材1を当該穴内壁に緊密に固定することが可能である。そのため、高圧の流体を注入する時でも、流体注入時の反動及び/又は振動等で、流体注入部材1は当該穴より、抜けることが無い。
【0024】
図1の注入プラグ2は、ニップル取付部27の雌ネジと注入プラグ本体28の雄ネジとが浅く螺合している状態に相当する。ここで、ナット部27aを回転させることにより、螺合している雌ネジ及び雄ネジが深く螺合し、注入プラグ本体28の長さが全体として短くなる。しかし、スペーサ26は金属製で曲がらないため、弾性チューブ21は、長手方向に押し縮められる。この結果、弾性チューブ21は、円周方向に膨張する。
【0025】
一方、注入プラグ2の一方の端面には、連結部材4が取り付けされ、さらに当該穴の深さに応じて注入プラグ2にパイプ部材3が増設できるようになっている。
図4(a)において、連結部材4は中央の窪んだ略鼓状をなしている。この連結部材4の結合部41を介して、注入プラグ2やパイプ部材3が結合される。注入プラグ本体28及びパイプ部材3の結合部は少なくとも雄ネジになっていて、連結部材41の結合部41は、雌ネジになっている。そのため、注入プラグ2と連結部材4の結合、パイプ部材3と連結部材4の結合は、強固に螺合される。2つの結合部41の間には両結合部41を軸方向に貫通する縦孔42と、当該縦孔42から円周方向に延び外部に通じる横孔43が形成されている。なお、横孔43は1つ以上幾つでも良いが、複数設けると良い。連結部材4の中央が窪んでいる部分で、横孔43が形成されている位置を含む外周には、断面円弧状の溝44が形成されている。流体の逆止弁機構をなす断面円形のOリング44aが嵌合する断面円弧状の溝44が形成されている。もちろん、他の断面形状のOリング44a等の弾性体をも用いることが可能である。その際には連結部材4における溝44もOリング44aの断面形状に合わせて変化させることが出来る。このため、Oリング44aと溝44が点接触や線接触ではなく、面で接触され、流体の吐出に伴いOリング44aは拡開され、その後面接触で流体経路が閉じられる。さらに、強度の異なるOリング44aを用いることで、吐出圧力を恣意的に決定することが出来る。加えて流体がどの吐出孔から、どのような順番で吐出されるのかを制御可能である。なお、Oリング44aは、必要に応じて適宜用いられるのであって、Oリング44aは無くても良い。
【0026】
また、図示された連結部材4の外径は、溝44を挟んだ両側で異なり、先端側に外径の小さいほうが向くように取り付けされる。なお、この向きが逆になることも、又は外径が同じになることも図示された実施例は、制限するものではない。連結部材4は、真鍮等の銅基合金、SUS304、SUM24等の鉄基合金、若しくは合成樹脂等により、製造可能である。
【0027】
連結部材4を介して注入プラグ2に延長して、パイプ部材3は取り付けられる。当該穴の深さに対応するため、延長されるパイプ部材3の長さは長短多種に渡ることが出来る。これにより、適宜、流体注入部材1の長さを調整できる。また、さらにパイプ部材3を連結部材4を介して延長・連結させることが可能で、図示された好ましい実施形態は連結されるパイプ部材3の数を制限するものではない。延長されたパイプ部材3の先端には、先端部材5が取り付けられる。先端部材には、パイプ部材3の係合部51と、係合部51から通じる外部に貫通しない縦穴52と縦穴52から外部へ通じる横孔53が1つ以上設けられている。係合部51は雌ネジに、パイプ部材の係合部は雄ネジになっていて、強固に螺合される。この先端部材5には、連結部材4と同様にOリング等の弾性体等を用いて逆止弁機構を備えることも出来るが、当該実施形態では、逆止弁機構を有していない。
一方、先端部材5の代わりに、連結部材4に係合部材45を組み合わせて用いることが出来る。流体注入部材1の先端に連結部材4を取り付けると、結合部41が一つ使用されなくなる。当該結合部41にボルト等の係合部材45を取り付ける。結合部41には雌ネジ、ボルト等の係合部材45には雄ネジがあるため、螺合される。この結果、結合部41が完全に閉じられ、先端部材5と同じ効果を奏することが出来る。係合部材45として汎用のボルト等を用いれば、部品点数が減少できる。
なお、先端部材5は、真鍮等の銅基合金、SUS304、SUM24等の鉄基合金、若しくは合成樹脂等により、製造されることが好ましい。
【0028】
次に、係る流体注入部材1の使用方法について、その動作と共に図5及び図6を用いて説明する。
コンクリート構造物70内部に存在する隙間81及び亀裂82を埋めるために、まず、隙間81及び亀裂82に連結する穴80をコンクリート構造物70の壁面に開ける。この穴80は、流体注入部材1の直径よりも、僅かに大きな直径を有していれば、鉛直方向に垂直でも、傾斜していてもかまわない。穴80に、ニップル部材20が突出した状態まで、流体注入部材1を挿入する。この段階で、ナット部27aをスパナにより回転させ、螺合しているニップル取付部27の雌ネジ及び注入プラグ本体28の雄ネジとを深く螺合させる。弾性チューブ21は円周方向に膨張して、流体注入部材1は穴80に緊密に固定される。なお、図5に示したように、穴80の深さに合わせて、それぞれ、パイプ部材3の連結数が異なっている。
【0029】
次に、ニップル部材20に図示しない高圧ポンプを取り付け、補修材である止水剤を注入する。流体注入部材1を用いて、止水剤を注入すると、第1に止水剤は先端部材5の横孔53から吐出される。吐出された止水剤は、吐出圧力により穴80から隙間81及び亀裂82に広がる。しかし、水と接触することにより、反応凝固して、53からは止水剤が吐出されにくくなる。このため、流体注入部材1の内圧が高くなり、連結部材4のOリング44aが拡開し、横孔43から止水剤は吐出され始める。そして、一つの吐出口の近傍で吐出された止水剤が凝固しても、他の吐出口から順次止水剤が吐出される。その結果、図5に示すように深い穴でも充分に補修材を隙間81及び亀裂82等に行き渡らせることが出来る。ましてや連結部材4には、逆止弁機構が備わっているので、パイプ部材3内部に水が浸透することも無く、補修は確実に行われる。
【0030】
流体注入後、ニップル部材20をスパナ等により取り外す。ニップル取付部27のナット部27aをハンマー等で叩き、溝27bから突出している先端を叩き落す。そして、当該穴80と流体注入部材1の残部を共にコンクリート等で埋めて、補修は完了する。
【0032】
請求項に記載の発明によれば、流体注入部材において、コンクリートの厚みに伴って深くなった補修用の穴の深さに合わせて、流体注入部材の長さを調節することが可能で、現場の補修作業において即座に適応可能になる効果を有する。また、連結部材に逆止弁機構を備えた吐出口があることから、まず、流体を流体注入部材内部に均一に行き渡らせることが可能であるばかりか、それぞれの吐出口から流体を均一に吐出することが出来る効果を有する。
【0033】
請求項に記載の発明によれば、流体注入部材において、弾性チューブが膨張するため、流体注入部材を補修用に穿設した穴に緊密に固定することが出来る効果を有する。このため、補修材等の流体を完全に、且つ高圧で注入することが可能になる。
【0034】
請求項に記載の発明によれば、流体注入部材において、ニップルから高圧の流体を注入することが出来て、高圧ポンプ等を使用することが出来る効果を有する。また、ニップル部材が着脱可能であるため、ニップル部材を何度も使用することが出来る効果を有する。さらに、流体注入部材において穴より突出した部分を叩き折り可能であるため、流体注入後、直ちに流体注入部材の穴より突出した部分を除去して補修作業を完了することが、効率よく行われるようになる効果を有する。
請求項に記載の発明によれば、流体注入部材の長さを制限無く、変化させることが出来る効果を有する。
【0035】
請求項に記載の発明によれば、流体注入部材に用いられる連結部材において、連結部材には軸方向に貫通した縦孔と、縦孔から円周方向に延び外部に通じる横孔とが形成されているため、この連結部材により、注入プラグ及びパイプ部材は連結され、連結部材を介して流体を送ることが出来る効果を有する。また、横孔を封止する拡開可能な弾性リングにより逆止弁機構が構成されるため、外部から水等の侵入を防ぐばかりか、一旦吐出した流体の逆流を阻止することが出来る効果を有する。
【0036】
請求項に記載の発明によれば、逆止弁機構において弾性を有するリングを拡開するためには一定値以上の力を要するため、様々な強度の弾性を有するリングを用いることで、吐出される流体の圧力を調節することが出来る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体注入部材の一実施形態で、(a)は側面図、(b)は、(a)の断面図である。
【図2】図1に示す流体注入部材の構成を示した分解断面図である。
【図3】本発明に係る流体注入部材の第2の実施形態の断面図である。
【図4】本発明に係る連結部材及び先端部材の一実施形態の断面図で、(a)は連結部材、(b)は先端部材、(c)は(b)と異なる先端部材である。
【図5】本発明に係る流体注入部材の適用例の模式図である。
【図6】本発明に係る流体注入部材の適用例における流体の流れを表した模式図である。
【図7】従来の流体注入部材の一実施例の側面図であり、(a)はゴム製パッキン材を膨張させていない通常状態、(b)はゴム製パッキン材を膨張させた状態である。
【図8】(a)〜(d)は、それぞれ、図7の従来の流体注入部材の一実施例及び使用方法における各ステップの断面図である。
【図9】従来の流体注入部材を使用した時の状況を表した模式図である。
【符号の説明】
1 流体注入部材
2 注入プラグ
3 パイプ部材
4 連結部材
5 先端部材
20 ニップル部材
20a ニップル頭部
20b 回転手段係合部
20c ニップル本体
21 弾性チューブ
21a、21b 突起
22 ワッシャ
24 受け座金
25 歯付き座金
26 スペーサ
27 ニップル取付部
27a ナット部
27b 溝
28 注入プラグ本体
28a 中心孔
29 ニップル部
41 結合部
42 縦孔
43 横孔
44 溝
44a Oリング
45 係合部材
51 係合部
52 縦穴
53 横孔
70 コンクリート構造物
80 穴
81 隙間
82 亀裂
100 流体注入部材
120 ニップル部材
140 雄ネジ部材
160 ゴム製パッキン材
340 割れ
360 穴

Claims (6)

  1. 補修対象物に穴を穿設してその内部に挿入し、該穴内壁に緊密に固定した後流体を高圧で注入する流体注入部材において、
    流体を注入する注入プラグと、
    内部に中心孔が穿設されたパイプ部材と、そして、
    逆止弁機構を備えられる吐出口を有する連結部材と、
    を有し、
    前記注入プラグの先端に取着した前記連結部材を介して前記パイプ部材が連結可能とされると共に、当該パイプ部材にさらに連結部材を取着することにより次々とパイプ部材を継ぎ足し可能とされていることを特徴とする流体注入部材。
  2. 請求項に記載の流体注入部材において、
    前記注入プラグは、内部に中心孔が穿設された注入プラグ本体と、前記注入プラグ本体の外周部に嵌合された弾性チューブと、そして前記注入プラグ本体の一方の端部に螺合されるニップル取付部を含んで構成されていて、
    ニップル取付部と注入プラグ本体が螺合するに伴って、弾性チューブが膨張可能であることを特徴とする流体注入部材。
  3. 請求項に記載の流体注入部材において、
    前記注入プラグは、高圧流体を注入する機器の注入用カップリングと液密に接続し得るような外形を有するニップル頭部とスパナ等の回転手段と係合する回転手段係合部を有するニップル本体とが一体的に形成された着脱可能なニップル部材を備えて構成されており、
    そして、ニップル本体の外周面には叩き折ることが可能な溝が形成されていることを特徴とする流体注入部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体注入部材において、
    異なる長さのパイプ部材を組み合わせることにより長さ調整が可能とされていることを特徴とする流体注入部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体注入部材に用いられる連結部材において、
    両端部に前記注入プラグの吐出側端部又は前記パイプ部材の一端部と結合される左右一対の結合部が設けられると共に、当該一対の結合部の間には両結合部を軸方向に貫通する縦孔と、当該縦孔から円周方向に延び外部に通じる横孔とが形成され、そして、当該横孔を封止する拡開可能な弾性を有するリング状封止部材により構成される逆止弁機構が設けられていることを特徴とする流体注入部材に用いられる連結部材。
  6. 請求項に記載の流体注入部材に用いられる連結部材において、
    前記弾性を有するリング状封止部材の強度が選べることを特徴とする流体注入部材に用いられる連結部材。
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