JP3909136B2 - 溶着可能な樹脂製品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、溶着可能な樹脂製品の製造方法及びその製造方法によって溶着された樹脂製品並びに樹脂物品の溶着方法に係り、特に、一体成型すると金型、射出成型機等が大型化し経済性が問題となるような樹脂製品の製造方法及びその製造方法によって溶着された樹脂製品並びに樹脂物品の溶着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造工場では、シリコンウエハをテフロン(登録商標)製のキャリアに入れて各種の処理工程を行い、あるいは、各処理工程間の移動を行っている。キャリアとしてテフロンを用いるのは、シリコンウエハをキャリアごと強酸等の薬品に漬ける場合があるからである。かかるシリコンウエハは、従来、4、5、6インチから8インチへと移行してきており、1998年には12インチ、さらには、14インチ、16インチのものも試作品が完成したと新聞等に報じられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、4〜8インチのシリコンウエハ用のテフロン製キャリアは、形状が複雑であるため圧縮成形法によって作ることはできず、各製造メーカーとも各種の技術的困難性を克服して射出成型により製造している。テフロンを射出成型するには、400℃以上の高温と高圧が必要で、分解温度に接近している上に溶融粘度が高いため高度な製造技術を必要とする。さらに、射出成型した後に製品を取り出すための機構を考慮すると極めて高価で大型の射出成型機械が必要となっていた。
【0004】
今後、シリコンウエハのサイズの増大に応じて、12インチ以上のシリコンウエハ用のテフロン製キャリアを一体成型による射出成型で製造した場合、技術的にも資金的にも多くの問題を抱え込むこととなる。まず、これを一体成型する場合は、射出成型機だけで2000〜4000トンのものが必要で、金型も数億単位となることが予想される。また、金型については、成型用のもの、アニリング用のもの共サイズが大きくなるため、ヒートサイクルもそれにつれて長くなり、一日に数回しか成型できなくなる欠点がある。これら生産性の観点からも、また、コスト的にも問題となる。
【0005】
本発明は、上述したような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、一体成型すると金型、射出成型機等が大型化し経済性が問題となるような樹脂製品の製造方法及びその製造方法によって溶着された樹脂製品並びに樹脂物品の溶着方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、また、溶着すべき樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を放射し得る材料を放射体として選択することで、短時間且つ低温度で樹脂部品の端面を軟化することができ、従って、それに要するエネルギ消費量を小さくすることができる樹脂製品の製造方法及びその製造方法によって溶着された樹脂製品並びに樹脂物品の溶着方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて且つ各部品同士を溶着し、この溶着作業を全ての部品について完了することにより樹脂製品の完成品を製造する溶着可能な樹脂製品の製造方法において、樹脂が弗素系樹脂であり、各部品の溶着面に遠赤外線エネルギの集中を促す高さ0.5〜3mmの凸部を複数形成し、弗素系樹脂の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を高放射率で放射し得る材料からなる放射体を備えたヒータを250℃から580℃未満に加熱して溶着すべき部品の溶着面間に挿入し、凸部の上端面からヒータの放射体の表面との間を1〜2.5mmとなるように保持して溶着面に設けられた凸部をその上端面から溶着面に向かって非接触で均一に軟化させた後、ヒータを除去し、そして、溶着面同士を押し付けることにより凸部を押し潰し溶着面を全面にわたって溶着することを特徴とする溶着可能な樹脂製品の製造方法を提供する。
【0008】
製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて製造するため、1つ1つの部品は簡単且つ従来の射出成型機を用いて安価に製造することができる。各部品同士の溶着面の凸部は、射出成型の場合にはどのような形状にも形成できるため、試作品の実験等を通じで最適の形状、高さを選定することができる。ヒータを溶着すべき部品の溶着面間に挿入して保持すると、熱エネルギは凸部に集中する性質を有するため溶着面に設けられた凸部が最初に軟化する。溶着すべき両部品の溶着面に形成された凸部がそれぞれほぼ同一の所定の深さまで軟化した後、ヒータを除去して溶着面同士を押し付け溶着する。この溶着作業を、順次、全ての部品について完了することにより樹脂製品の完成品を製造する。また、放射体を所定の温度に加熱すると、接続すべき樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を高放射率で放射する。樹脂部品、特に、溶着面に形成される凸部は、吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線により加熱されるため、放射体の温度が従来の加熱装置に比較して低い温度であっても短時間に軟化温度に達し軟化し始める。また凸部の高さが約0.5〜3mmである場合、上面が過度に溶け出す前に凸状帯全体が軟化し、理想的な溶着が達成される。さらに、一旦、放射体が所定の温度に達してしまえば、発熱体により加熱し続けなくても所定の遠赤外線を放射し続ける。これらの性質と放射体の温度が従来のものに比較して低くても良いことにより、樹脂部品の端面を軟化するのに必要とされるエネルギは小さくて済む。放射体の加熱温度を低い温度に抑えることにより、樹脂の過熱による有毒ガス等の発生、溶着部の気泡発生を防止する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の溶着可能な樹脂製品の製造方法において、樹脂が、PTFE、FEP、PFA、ETFE、CTFE、PVDFであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の溶着可能な樹脂製品の製造方法において、樹脂製品の完成品を製造した後、熱による内部応力を除去することを特徴とする。製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて製造し、それらの溶着面同士を部分的に溶着して完成品とするため、完成品内部には熱による内部応力が生じる。これを除去することにより、完成品である樹脂製品のねじれ、変形等を取り除く。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明に係る溶着可能な樹脂製品の製造方法及びその製造方法によって溶着された樹脂製品並びに樹脂物品の溶着方法について詳細に説明する。
【0021】
図1に示されているように、本発明に係る溶着可能な樹脂製品の製造方法は、概略的に、製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて且つ各部品同士の溶着面に熱エネルギの集中を促す凸部を有するように製造する工程(ステップ1)と、ヒータを溶着すべき部品の溶着面間に挿入して該溶着面に設けられた凸部を所定の深さまで軟化させる工程(ステップ2)と、ヒータを除去して溶着面同士を溶着する工程(ステップ3)と、そして、この溶着作業を順次全ての部品について完了することにより樹脂製品の完成品を製造する工程(ステップ4)とを含んで構成されている。さらに、熱による内部応力を除去する工程(ステップ5)及び溶着面部にひび割れなどの瑕疵が存在していないか否かを検査するする工程(ステップ6)を加えることもできる。
【0022】
製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて製造するため、1つ1つの部品は簡単且つ従来の射出成型機を用いて安価に製造することができる。図2は、シリコンウエハのテフロン製キャリアを示すもので、(a)はキャリアを5つの部品に分割して示した斜視図であり、(b)はそれら部品を本発明に係る溶着可能な樹脂製品の製造方法によって溶着し、完成品たるキャリアとした状態の斜視図である。
【0023】
図示されてるように、キャリア10は、上面部品12と、右側面部品14と、左側面部品16と、背面部品18と、下面部品20とに分割可能である。これら部品は、ほとんど平板状の部品となるため、また、形状が極めて単純であるため、既存の射出成型機を用いて簡単且つ安価に製造することができる利点を有する。尚、各部品の斜線部分は溶着面22を示し、後述する熱エネルギの集中を促す凸部24が形成されている。溶着面22の凸部24は、射出成型の場合にはどのような形状にも形成できるため、試作品の実験等を通じで最適の形状、高さを選定することができる。溶着面22は、どの部品とどの部品をどのように溶着するのかによって、適宜適当な位置に且つ適宜の形状に設定される。
【0024】
図示された好ましい実施形態では、図7に示されているように、左側面部品16と背面部品18とを溶着し、次に、溶着された組立体と右側面部品14とを溶着し、さらに、右側面部品14と左側面部品16と背面部品18からなる溶着組立体と下面部品20とを溶着し、最後に、上面部品12を溶着した。従って、このような順番の溶着に適したように各部品の溶着面22が設定されている。後述するように、各部品の溶着は吸盤を用いて部品を保持し、これを他方の部品又は組立体に押し付けるという動作を行う。そのため、各部品には吸盤を押し付ける部位に対応して吸着面を形成しておくことが好ましい。図示されたキャリア10の場合は、全ての部品の表面側が平面となっているため、特別に吸着面といったものは形成されていない。
【0025】
凸部24としては、図3(a)〜(b)に示したような、独立形の突起24aとすることも、図4(a)〜(d)に示したような、凸状帯24bとすることも、あるいは、図4(e)〜(f)に示したような、ハニカム構造とすることもできる。図4(a)に示した断面は、大口径のパイプやポンプハウジングに見られるもので、図4(b)に示した断面は、ポンプのインペラーである。図4(c)〜(d)に示した断面は、それぞれ、円柱及び角柱である。図4(c)〜(f)に示したような凸状帯24bは、図2に示したごとき部品間の溶着面に採用すると最適である。
【0026】
独立形の突起24aの場合、最大幅を約8mmとする。凸状帯24bの幅を約1〜8mmとする。こうすると、ヒータの挿入により突起24a又は凸状帯24bの上端面から溶着面22に向ってほぼ均一に軟化が進行し溶着を確実なものとする。射出成型における金型の抜けを良くするため、突起24aは上面側が細く根元側、すなわち、溶着面22に一体的に連結する側が太くなるように設定する。凸状帯24bの場合も、同様に、両側面をハ字形に傾斜させることが好ましい。また、図4(b)に示したように単一の凸状帯24bによって又は図4(a),(c)及び(d)に示したように隣接する凸状帯24bとによって、溶着した後溶着部の内側に外部に繋がらない空間部を形成する。溶着部に空間部を閉じ込めることによって、この溶着部を液中に浸漬した上で加熱又は外部を真空引きする(検査工程)ことにより、溶着部のひび割れや溶着不良を発見することができる。さらに、突起24a又は凸状帯24bの高さを約0.5〜3mmとした場合、上面が過度に溶け出す前に凸部24全体が軟化し、理想的な溶着が達成される。なお、図4(b)に示したように単一の凸状帯24bによって又は図4(a),(c)及び(d)に示したように隣接する凸状帯24bとによって、溶着した後溶着部の内側に外部に繋がらない空間部を形成するには、凸部24の高さを上述の最大値よりも大きく設定する。
【0027】
図5及び図6に示されているように、ヒータ30は、概略的に、第一及び第二の平坦な赤外線透過性のガラス板30c、30dと、第一及び第二のガラス板30c、30dの外面にそれぞれ積層された薄いセラミック層30e、30fと、両ガラス板の間に間挿された電気的に加熱可能な板状タングステンヒータ30aと、そして、両ガラス板の少なくとも板状タングステンヒータ30aを取り囲む位置に且つ板状タングステンヒータ30aの厚さよりも僅かに高い高さだけ肉盛りされた該ガラス板に接着可能な石英ガラスからなる肉盛り部30bとを備えて構成されている。
【0028】
ヒータ30は、例えば、図7(a)に示すように、左側面部品16を単一又は複数の吸盤(図示されていない)で保持し、背面部品18を同様に吸盤で保持する。左側面部品16の溶着面(図においては、反対側となって見えていない)と背面部品18の溶着面22(正面を向いている面の左側)との中間に、ヒータ30を挿入する。ヒータ30のヒータ表面と左側面部品16及び背面部品18の溶着面22との距離は等しくする。
【0029】
左側面部品16及び背面部品18の溶着面22に形成された凸部24が所定の深さまで加熱されて軟化状態となった後、図7(a)に示すX方向にヒータ30を引き抜き、左側面部品16を背面部品18の方向(Y方向)に突き合わせ両者を接続する。そして、かかる溶着作業を、図7(b)〜(e)に示すように、各部品14、20、12について行い完成品たるキャリア10を製造する。
【0030】
ヒータ30は、加熱位置に挿入する前に所定の温度まで予熱しておくことができ、加熱位置に挿入した時には、電源からの電気の供給は停止させておくことができる。
セラミック層30e、30fは、接続すべき樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を高放射率で放射し得る材料からなる。
【0031】
樹脂の素材としては、溶着できる樹脂であればどのようなものでも良く、例えば、PTFE、FEP、PFA、ETFE、CTFE、PVDF等の弗素系樹脂、PPS等の高級エンジニアリングプラスチック、あるいは、PE、塩化ビニール等の実用的な熱可塑性樹脂等がある。
図8は、代表的な金属を加熱した時の波長と分光放射率との関係を示したものである。そして、図9は、各種の樹脂の赤外線吸収スペクトルである。
【0032】
図8に示されているように、金属では近赤外線での放射率は、0.4〜0.6程度の値を有しているが遠赤外線領域の放射率は0.3以下である。しかるに、各種の樹脂の赤外線吸収スペクトルを観察すると、一般に樹脂などの高分子材料は、6μm以上の波長の遠赤外線の吸収率が高く近赤外線の吸収率は極めて小さい。これが、ニクロム系(NiーCr)発熱体や鉄・クロム・アルミ系(FeーCrーAl)発熱体により、樹脂を加熱しようとした時、高温且つ時間を要する理由であり、従って、加熱に必要とするエネルギも多大なものとなっていた。
【0033】
本発明では、溶着すべき樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を高放射率で放射し得る材料を放射体として選択することにより、低温で且つ短時間に樹脂部品の凸部24を軟化させている。このように、放射体の加熱温度を低い温度に抑えることにより、樹脂の過熱による有毒ガス等の発生、溶着部の気泡発生を防止する。
【0034】
図10は、PVDFの吸収スペクトル図であるが、この図からも分かるように、波長領域6〜10μmにおいて遠赤外線の吸収率が0.5以上となっている。図11は、セラミック層10e、10fとしてセラスタッツBHA(商品名:販売元は大阪市中央区の島貿易株式会社で製造元は大阪市東区のパーカー株式会社)を用いた場合における赤外線分光放射出力を表している。基準値として、500℃の黒体炉を選択し、セラミック層10e、10fの表面温度が、686℃、500℃、300℃及び250℃の各場合についてフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)で測定した。
【0035】
なお、図12は、セラミック層10e、10fの表面温度とタングステンヒータ10aの温度との相関関係を示す図である。この図の根拠となる実測値は以下の通りであった。すなわち、セラミック層10e、10fの表面温度(赤外線放射温度計にて計測)が、686℃、500℃、400℃、300℃及び250℃の各場合におけるタングステンヒータ10aの温度(ヒータ内に設置したセンサによって計測)は、それぞれ、500℃、400℃、297℃、221℃及び192℃であった。
【0036】
図11より明らかなように、セラミック層10e、10fの表面温度が500℃以下の場合、6μmを越える波長領域では放射されるエネルギの絶対値はそれ程大きくはない。従って、そのような波長領域における遠赤外線放射体の放射率が低いと、例えば、0.5以下であると、加熱しようとする物体がそのような波長領域において吸収率が高い場合、効率的に熱エネルギに変換されないこととなる。逆に言うと、そのような波長領域における遠赤外線放射体の放射率が高い材質、加工方法等を採用すると低い表面温度で且つ短時間で、物体を加熱することができる。
【0037】
図10に示されたPVDFの場合、吸収率が0.5以上の波長領域は6〜10μmであるから、この波長領域における放射率が高い材料を放射体として選択することにより、PVDF製部品の凸部24を効率的に、且つ短時間に加熱することができる。
【0038】
図13は、PFAの吸収スペクトル図であるが、この図からも分かるように、PVDFの場合と同様に波長領域6〜10μmにおいて遠赤外線の吸収率が0.5以上となっている。従って、この波長領域における放射率が高い材料を放射体として選択することにより、PFA製部品の凸部24を効率的に且つ短時間に加熱することができる。
【0039】
図14は、PPSの吸収スペクトル図であるが、この図からも分かるように、PPSの場合は、波長領域2.5〜3.5μm及び6〜13μmにおいて断続的に吸収率が0.5以上となっている。従って、この波長領域における放射率が高い材料を放射体として選択することにより、PPS製の部品を効率的に且つ短時間に加熱することができる。
【0040】
上述の説明より明らかなように、加熱しようとする物体の吸収率がより高い値の領域に着目して、そのような領域の放射率の高い材質を放射体として選定すると、より効率的な加熱が可能である。例えば、PFA及びPVDFの場合、放射率が0.6以上の波長領域が6.8〜9.2μm及び7.2〜8.8μmとなっているため、そのような波長領域における放射率が、特に高い材料を放射体として選択することにより、それらをを効率的に、且つ短時間に加熱することができる。
【0041】
セラミック層10e、10fとして上述したセラスタッツBHAを採用し、その表面温度が500℃の場合におけるPFA、PVDF及びPPS製部品の溶着面22に形成された凸部24における時間的な温度変化は、表1の通りである。
【0042】
【表1】
Figure 0003909136
【0043】
表1に示されているように、いずれの場合も凸部24における温度降下は緩やかとなっている。これは、電源を切った後もヒーター装置は遠赤外線を放射し続けているからである。この間も、凸部24の上端面から奥に向って軟化は進み所定の軟化深さまで凸部24を軟化することができる。
なお、セラミックは、一般に遠赤外線領域における放射率が大きいこと、および耐熱性に優れているため、遠赤外線放射体として広く用いられている。
しかしながら、各セラミックスの赤外線放射特性は、それを構成する金属元素の電子配列と抵抗率に密接に関わっており、また、加工の仕方や材料の複合の仕方によって大きくことなる。
【0044】
図15は、II〜IV族の金属酸化物セラミックスの分光放射率である。図15に示されているように、例えば、アルミナ(Al2O3)は10〜20μmの遠赤外線の放射率は必ずしも高くなく、溶着すべき樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域が10〜20μmであった場合には適さない。
【0045】
一般に数種類の材料が複合されたものは、複合される原材料のそれぞれの物性を併せ持った物性を示すことが多く、赤外線放射特性についても同様の傾向がある。これらの傾向を知った上で、溶着すべき樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域の赤外線を高放射率で放射する最適の材料を選択することが可能となる。
【0046】
図示された本発明の好ましい実施例において、赤外線透過性のガラス板は、石英ガラスを用いたが、赤外線透過性のガラス板であればどのようなものでも良く、例えば、アルミン酸カルシウム、ゲルマニウム酸塩ガラス及び硫化ヒ素ガラスとすることもできる。
ヒータ30の中央部には、熱電対などの温度センサ32が配設されている。軟化時におけるタングステンヒータ30aの温度は、この温度センサ32により図12を参照して適正な温度に制御設定される。
ヒータ30におけるセラミック層30e、30fと凸部24の上端面とは非接触であり、ほぼ1〜10mm好ましくは1.5〜2.5mmの間隔をあける事が最適である。近すぎると、加熱時の凸部24の膨脹によりその端面がヒータ30に接触する虞があり、一方、遠くなるとヒータ30の温度を高くしなければならないからである。この時の時間は、ほぼ5〜150秒で、安定した放射熱で凸部24の上端面から均一に軟化される。
【0047】
熱による内部応力の除去工程(ステップ5)では、溶着を通じて樹脂製品内部、特に、溶着部及びその付近に加えられた熱によって発生する内部応力を除去するものである。例えば、溶着を終えた樹脂製品を温水中に浸漬して暖めると、樹脂が軟化して内部応力を消滅させ、次に室温に戻したときには内部応力がない状態になる。尚、前述ように、溶着部の検査工程(ステップ6)は、樹脂製品を液中に浸漬して暖めるか、外部を真空引きするかして行われる。いずれの場合も、溶着部に閉じ込めた空間部の空気を膨脹させ、その膨脹圧力により気泡が割れ目から出てくるのを利用して溶着の瑕疵を発見することができる。前者の方法を採用すると、実質的に、内部応力の除去工程(ステップ5)と検査工程(ステップ6)とが同時に行う事ができる利点を有している。
【0048】
【発明の効果】
本発明の溶着可能な樹脂製品の製造方法は、製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて且つ各部品同士の溶着面に熱エネルギの集中を促す凸部を有するように製造し、ヒータを溶着すべき部品の溶着面間に挿入して該溶着面に設けられた凸部が所定の深さまで軟化した後該ヒータを除去して溶着面同士を溶着し、この溶着作業を全ての部品について完了することにより樹脂製品の完成品を製造する。
製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて製造するため、1つ1つの部品は簡単且つ従来の射出成型機を用いて安価に製造することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶着可能な樹脂製品の製造方法の一実施例の手順を示すフローチャートである。
【図2】 (a)及び(b)は、それぞれ、シリコンウエハ用キャリアを5つの部品に分割した状態及びそれらを本発明に係る溶着可能な樹脂製品の製造方法によって溶着し完成品とした状態の斜視図である。
【図3】 (a)及び(b)は、それぞれ、溶着面に形成される独立形の突起の斜視図である。
【図4】 (a)〜(f)は、それぞれ、溶着面に形成される凸状帯の平面図である。
【図5】 本発明に係る溶着可能な樹脂製品の製造方法に使用されるヒータの一実施例の横断面図である。
【図6】 図5のヒータ装置の縦断面図である。
【図7】 (a)〜(e)は、それぞれ、図2(a)に示したシリコンウエハ用キャリアの5つの部品を用いて図2(b)に示した完成品たるキャリアを組み立てる手順を説明するための斜視図である。
【図8】 代表的な金属を加熱した時の波長と分光放射率との関係を示したものである。
【図9】 各種樹脂の赤外線吸収スペクトルである。
【図10】 PVDFの吸収スペクトル図である。
【図11】 セラミック層としてセラスタッツBHAを用いた場合における赤外線分光放射出力を表している。
【図12】 ヒータ装置のセラミック層の表面温度とタングステンヒータの温度との相関関係を示す図である。
【図13】 PFAの吸収スペクトル図である。
【図14】 PPSの吸収スペクトル図である。
【図15】 II〜IV族の金属酸化物セラミックスの分光放射率である。
【符号の説明】
10 キャリア
12 上面部品
14 右側面部品
16 左側面部品
18 背面部品
20 下面部品
22 溶着面
24 凸部
24a 突起、24b 凸状帯

Claims (3)

  1. 製造すべき樹脂製品を複数の部品に分けて且つ各部品同士を溶着し、この溶着作業を全ての部品について完了することにより樹脂製品の完成品を製造する溶着可能な樹脂製品の製造方法において、
    前記樹脂が弗素系樹脂であり、
    各部品の溶着面に遠赤外線エネルギの集中を促す高さ0.5〜3mmの凸部を複数形成し、当該弗素系樹脂の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤外線を高放射率で放射し得る材料からなる放射体を備えたヒータを250℃から580℃未満に加熱して溶着すべき部品の溶着面間に挿入し、前記凸部の上端面から前記ヒータの放射体の表面との間を1〜2.5mmとなるように保持して前記溶着面に設けられた前記凸部をその上端面から溶着面に向かって非接触で均一に軟化させた後、前記ヒータを除去し、そして、溶着面同士を押し付けることにより前記凸部を押し潰し当該溶着面を全面にわたって溶着することを特徴とする溶着可能な樹脂製品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の溶着可能な樹脂製品の製造方法において、
    前記樹脂が、PTFE、FEP、PFA、ETFE、CTFE、PVDFであることを特徴とする溶着可能な樹脂製品の製造方法。
  3. 請求項1に記載の溶着可能な樹脂製品の製造方法において、
    樹脂製品の完成品を製造した後、熱による内部応力を除去することを特徴とする溶着可能な樹脂製品の製造方法。
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