JPH11258100A - 溶着された樹脂製品の溶着部検査方法 - Google Patents
溶着された樹脂製品の溶着部検査方法Info
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- JPH11258100A JPH11258100A JP7647498A JP7647498A JPH11258100A JP H11258100 A JPH11258100 A JP H11258100A JP 7647498 A JP7647498 A JP 7647498A JP 7647498 A JP7647498 A JP 7647498A JP H11258100 A JPH11258100 A JP H11258100A
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Abstract
価且つ簡単、確実に溶着部における割れ目の存在の有無
を検出できる溶着された樹脂製品の溶着部検査方法を提
供する 【解決手段】 溶着された樹脂製品の溶着部検査方法
は、溶着部の内部に外部に繋がらない空間部を形成する
ように樹脂製品を溶着する工程(ステップ1)と、樹脂
製品の溶着部を液体中に浸漬する工程(ステップ2)
と、空間部と外部との間に圧力差を生じさせる工程(ス
テップ3)と、そして、該空間部内の気体が樹脂製品溶
着部付近から気泡として液体中に漏れ出しているか否か
検出する工程(ステップ4)とを含んで構成されている
ため、もし、溶着部に割れ目が存在した場合には、該空
間部内の気体が気泡として液体中に漏れ出す。これを観
察することにより、溶着部における割れ目の存在の有無
を確実に検出することができる。
Description
溶着部検査方法に係り、特に、高価な精密機器や複雑な
操作を必要とせず安価且つ簡単、確実に溶着部における
割れ目の存在の有無を検出できる溶着された樹脂製品の
溶着部検査方法に関する。
をテフロン製のキャリアに入れて各種の処理工程を行
い、あるいは、各処理工程間の移動を行っている。キャ
リアとしてテフロンを用いるのは、シリコンウエハをキ
ャリアごと強酸等の薬品に漬ける場合があるからであ
る。
6インチから8インチへと移行してきており、1998
年には12インチ、さらには、14インチ、16インチ
のものも試作品が完成したと新聞等に報じられている。
シリコンウエハ用のテフロン製キャリアは、形状が複雑
であるため圧縮成形法によって作ることはできず、各製
造メーカーとも各種の技術的困難性を克服して射出成形
により製造している。テフロンを射出成形するには、4
00℃以上の高温と高圧が必要で、分解温度に接近して
いる上に溶融粘度が高いため高度な製造技術を必要とす
る。さらに、射出成形した後に製品を取り出すための機
構を考慮すると極めて高価で大型の射出成形機械が必要
となっていた。
じて、12インチ以上のシリコンウエハ用のテフロン製
キャリアを一体成型による射出成形で製造した場合、技
術的にも資金的にも多くの問題を抱え込むこととなる。
まず、これを一体成型する場合は、射出成形機だけで2
000〜4000トンのものが必要で、金型も数億単位
となることが予想される。また、金型については、成型
用のもの、アニリング用のもの共サイズが大きくなるた
め、ヒートサイクルもそれにつれて長くなり、一日に数
回しか成型できなくなる欠点がある。これら生産性の観
点からも、また、コスト的にも問題となる。
を複数の部品に分けて且つ各部品同志の溶着面に熱エネ
ルギの集中を促す凸部を有するように製造し、ヒータを
溶着すべき部品の溶着面間に挿入して該溶着面に設けら
れた凸部が所定の深さまで軟化した後該ヒータを除去し
て溶着面同志を溶着し、この溶着作業を全ての部品につ
いて完了することにより樹脂製品の完成品を製造する溶
着可能な樹脂製品の製造方法等を開発し、本出願と同日
付けで特許出願した。その場合、高価な精密機器や複雑
な操作を必要とせず安価且つ簡単、確実に溶着部におけ
る割れ目の存在の有無を検出できる樹脂製品の溶着部検
査方法の確立が要望される。
のであり、高価な精密機器や複雑な操作を必要とせず安
価且つ簡単、確実に溶着部における割れ目の存在の有無
を検出できる溶着された樹脂製品の溶着部検査方法を提
供することを目的とする。
に外部に繋がらない空間部を形成するように樹脂製品を
溶着し、当該樹脂製品の溶着部を液体中に浸漬すると共
に、空間部と外部との間に圧力差を生じさせ、溶着部に
割れ目が存在した場合に該空間部内の気体が気泡として
液体中に漏れ出すようにしたことを特徴とする溶着され
た樹脂製品の溶着部検査方法を提供する。
形成するように樹脂製品を溶着し、当該樹脂製品の溶着
部を液体中に浸漬する。そして、空間部と外部との間に
圧力差を生じさせると、もし、溶着部に割れ目が存在し
た場合に該空間部内の気体が気泡として液体中に漏れ出
す。これを観察することにより、溶着部における割れ目
の存在の有無を検出することができる。
の溶着された樹脂製品の溶着部検査方法において、溶着
面に、幅約1〜8mmで高さ約0.5〜10mmの凸状
帯を該溶着面と平行に連続して形成し、単一又は隣接す
る凸状帯とによって、溶着した後溶着部の内部に外部に
繋がらない空間部を形成することを特徴とする。
形成するには、それぞれの溶着面に、幅約1〜8mmで
高さ約0.5〜10mmの単一又は複数の凸状帯を該溶
着面と平行に連続して形成し、これら溶着面の中間にヒ
ータを挿入して該溶着面に設けられた該凸状帯を所定の
深さ、好ましくは、0.5〜3mmの深さまで軟化させ
た後該ヒータを除去し、両溶着面を押し付ける。凸状帯
の下方部分が軟化していない状態で溶着すれば、溶着部
の内部に確実に空間部が形成される。
に記載の溶着された樹脂製品の溶着部検査方法におい
て、樹脂製品の溶着部を液体を入れた容器内で浸漬する
と共に、該容器内圧力を小さくすることにより、溶着部
内部の空間部と外部との間に圧力差を生じさせることを
特徴とする。
くと容器内圧力が小さくなる。溶着部内部の空間部の圧
力はほぼ大気圧であるから、容器内圧力が小さくなると
空間部と外部との間に圧力差が生じ、空間部内の気体が
気泡として液体中に漏れ出す。
に記載の溶着された樹脂製品の溶着部検査方法におい
て、樹脂製品の溶着部を加熱された液体を入れた容器内
で浸漬し、該空間部内の気体の温度を上げて膨脹させる
ことにより、溶着部内部の空間部と外部との間に圧力差
を生じさせることを特徴とする。
た容器内で浸漬すると、空間部内の気体の温度も上昇し
気体は膨脹する。これにより、溶着部内部の空間部にお
ける圧力が上昇し空間部と外部との間に圧力差を生じ、
空間部内の気体が気泡として液体中に漏れ出す。
いずれか1項に記載の溶着された樹脂製品の溶着部検査
方法において、樹脂製品が、PTFE、FEP、PF
A、ETFE、CTFE、PVDF等の弗素系樹脂又は
PPS等の高級エンジニアリングプラスチック製品であ
ることを特徴とする。
いずれか1項に記載の溶着された樹脂製品の溶着部検査
方法において、樹脂製品が、PE、塩化ビニール等の実
用的な熱可塑性樹脂製品であることを特徴とする。
いずれか1項に記載の溶着された樹脂製品の溶着部検査
方法において、樹脂製品が、該樹脂製品を複数の部品に
分けて且つ各部品同志の溶着面に熱エネルギの集中を促
す単一又は複数の凸状帯を有するように製造し、ヒータ
を溶着すべき部品の溶着面間に挿入して該溶着面に設け
られた該凸状帯が所定の深さまで軟化した後該ヒータを
除去し、溶着部の内部に外部に繋がらない空間部を形成
するようにして該溶着面同志を溶着し、この溶着作業を
全ての部品について完了することにより完成品としたも
のであることを特徴とする。
の方法によって製造することができ、各部品の溶着部に
おける割れ目の存否を、高価な精密機器や複雑な操作を
必要とせず安価且つ簡単、確実に検出できる。
れた樹脂製品の溶着部検査方法について詳細に説明す
る。
溶着された樹脂製品の溶着部検査方法は、概略的に、溶
着部の内部に外部に繋がらない空間部を形成するように
樹脂製品を溶着する工程(ステップ1)と、樹脂製品の
溶着部を液体中に浸漬する工程(ステップ2)と、空間
部と外部との間に圧力差を生じさせる工程(ステップ
3)と、そして、該空間部内の気体が樹脂製品溶着部付
近から気泡として液体中に漏れ出しているか否か検出す
る工程(ステップ4)とを含んで構成されている。
は、該空間部内の気体が気泡として液体中に漏れ出す。
これを観察することにより、溶着部における割れ目の存
在の有無を検出することができる。
フロン製キャリアを例としてステップ1の溶着工程につ
いて説明する。
面部品12と、右側面部品14と、左側面部品16と、
背面部品18と、下面部品20とに分割して製造する。
これら部品は、ほとんど平板状の部品となるため、ま
た、形状が極めて単純であるため、既存の射出成型機を
用いて簡単且つ安価に製造することができる利点を有す
る。尚、各部品の斜線部分は溶着面22を示し、後述す
る熱エネルギの集中を促す凸状帯24が形成されてい
る。溶着面22の凸状帯24は、射出成型の場合にはど
のような形状にも形成できるため、試作品の実験等を通
じで最適の形状、幅、高さを選定することができる。溶
着面22は、どの部品とどの部品をどのように溶着する
のかによって、適当な位置に且つ適当な形状に設定され
る。
示されているように、左側面部品16と背面部品18と
を溶着し、次に、溶着された組立体と右側面部品14と
を溶着し、さらに、右側面部品14と左側面部品16と
背面部品18からなる溶着組立体と下面部品20とを溶
着し、最後に、上面部品12を溶着した。従って、この
ような順番の溶着に適したように各部品の溶着面22が
設定されている。後述するように、各部品の溶着は吸盤
を用いて部品を保持し、これを他方の部品又は組立体に
押し付けるという動作を行う。そのため、各部品には吸
盤を押し付ける部位に対応して吸着面を形成しておくこ
とが好ましい。図示されたキャリア10の場合は、全て
の部品の外面側が平面となっているため、特別に吸着面
といったものは形成されていない。
ような、単独の凸状帯24で空間部Sを形成するような
ものでも、あるいは、図4(a)又は(c)〜(f)に
示したような隣接する凸状帯24との間で空間部Sを形
成するようなものでも良い。図4(a)に示した断面
は、大口径のパイプやポンプハウジングに見られるもの
で、図4(b)に示した断面は、ポンプのインペラーに
見られるものである。図4(c)〜(d)に示した断面
は、それぞれ、円柱及び角柱に見られるものである。図
4(e)〜(f)に示したようなハニカム構造は、図2
に示したごとき部品間の溶着面に採用すると好適であ
る。
こうすると、ヒータの挿入により凸状帯24の上端面か
ら溶着面22に向ってほぼ均一に軟化が進行し溶着を確
実なものとする。射出成型における金型の抜けを良くす
るため、凸状帯24は上面側が細く根元側、すなわち、
溶着面22に一体的に連結する側が太くなるように両側
面をハ字形に傾斜させることが好ましい。かかる凸状帯
24を溶着面22に形成することにより、溶着した後溶
着部の内側に外部に繋がらない空間部Sを形成する。
た場合、上面が過度に溶け出す前に凸状帯24全体が軟
化する。従って、溶着した後溶着部の内部に外部に繋が
らない空間部Sを形成するためには、凸状帯24の高さ
をそれよりも高く設定すれば良い。凸状帯24の下方部
分が軟化していない状態で溶着すれば、溶着部の内部に
確実に空間部Sが形成される。
タ30は、概略的に、第一及び第二の平坦な赤外線透過
性のガラス板30c、30dと、第一及び第二のガラス
板30c、30dの外面にそれぞれ積層された薄いセラ
ミック層30e、30fと、両ガラス板の間に間挿され
た電気的に加熱可能な板状タングステンヒータ30a
と、そして、両ガラス板の少なくとも板状タングステン
ヒータ30aを取り囲む位置に且つ板状タングステンヒ
ータ30aの厚さよりも僅かに高い高さだけ肉盛りされ
た該ガラス板に接着可能な石英ガラスからなる肉盛り部
30bとを備えて構成されている。
ように、左側面部品16を単一又は複数の吸盤(図示さ
れていない)で保持し、背面部品18を同様に吸盤で保
持する。左側面部品16の溶着面(図においては、反対
側となって見えていない)と背面部品18の溶着面22
(正面を向いている面の左側)との中間に、ヒータ30
を挿入する。参考のために、図3に背面部品18の溶着
面22を拡大して平面図で示した。ヒータ30のヒータ
表面と左側面部品16及び背面部品18の溶着面22と
の距離は等しくする。
22に形成された凸状帯24が所定の深さまで加熱され
て軟化状態となった後、図7(a)に示すX方向にヒー
タ30を引き抜き、左側面部品16を背面部品18の方
向(Y方向)に突き合わせ両者を接続する。そして、か
かる溶着作業を、図7(b)〜(e)に示すように、各
部品14、20、12について行い完成品たるキャリア
10を製造する。
定の温度まで予熱しておくことができ、加熱位置に挿入
した時には、電源からの電気の供給は停止させておくこ
とができる。
き樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い
波長領域を含む遠赤外線を高放射率で放射し得る材料か
らなる。
ればどのようなものでも良く、例えば、PTFE、FE
P、PFA、ETFE、CTFE、PVDF等の弗素系
樹脂、PPS等の高級エンジニアリングプラスチック、
あるいは、PE、塩化ビニール等の実用的な熱可塑性樹
脂等がある。
と分光放射率との関係を示したものである。そして、図
9は、各種の樹脂の赤外線吸収スペクトルである。
外線での放射率は、0.4〜0.6程度の値を有してい
るが遠赤外線領域の放射率は0.3以下である。しかる
に、各種の樹脂の赤外線吸収スペクトルを観察すると、
一般に樹脂などの高分子材料は、6μm以上の波長の遠
赤外線の吸収率が高く近赤外線の吸収率は極めて小さ
い。これが、ニクロム系(NiーCr)発熱体や鉄・ク
ロム・アルミ系(FeーCrーAl)発熱体により、樹
脂を加熱しようとした時、高温且つ時間を要する理由で
あり、従って、加熱に必要とするエネルギも多大なもの
となっていた。
ペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域を含む遠赤
外線を高放射率で放射し得る材料を放射体として選択す
ることにより、低温で且つ短時間に樹脂部品の凸状帯2
4を軟化させている。このように、放射体の加熱温度を
低い温度に抑えることにより、樹脂の過熱による有毒ガ
ス等の発生、溶着部の気泡発生を防止する。
あるが、この図からも分かるように、波長領域6〜10
μmにおいて遠赤外線の吸収率が0.5以上となってい
る。図11は、セラミック層10e、10fとしてセラ
スタッツBHA(商品名:販売元は大阪市中央区の島貿
易株式会社で製造元は大阪市東区のパーカー株式会社)
を用いた場合における赤外線分光放射出力を表してい
る。基準値として、500℃の黒体炉を選択し、セラミ
ック層10e、10fの表面温度が、686℃、500
℃、300℃及び250℃の各場合についてフーリエ変
換赤外分光光度計(FTIR)で測定した。
0fの表面温度とタングステンヒータ10aの温度との
相関関係を示す図である。この図の根拠となる実測値は
以下の通りであった。すなわち、セラミック層10e、
10fの表面温度(赤外線放射温度計にて計測)が、6
86℃、500℃、400℃、300℃及び250℃の
各場合におけるタングステンヒータ10aの温度(ヒー
タ内に設置したセンサによって計測)は、それぞれ、5
00℃、400℃、297℃、221℃及び192℃で
あった。
10e、10fの表面温度が500℃以下の場合、6μ
mを越える波長領域では放射されるエネルギの絶対値は
それ程大きくはない。従って、そのような波長領域にお
ける遠赤外線放射体の放射率が低いと、例えば、0.5
以下であると、加熱しようとする物体がそのような波長
領域において吸収率が高い場合、効率的に熱エネルギに
変換されないこととなる。逆に言うと、そのような波長
領域における遠赤外線放射体の放射率が高い材質、加工
方法等を採用すると低い表面温度で且つ短時間で、物体
を加熱することができる。
が0.5以上の波長領域は6〜10μmであるから、こ
の波長領域における放射率が高い材料を放射体として選
択することにより、PVDF製部品の凸状帯24を効率
的に、且つ短時間に加熱することができる。
るが、この図からも分かるように、PVDFの場合と同
様に波長領域6〜10μmにおいて遠赤外線の吸収率が
0.5以上となっている。従って、この波長領域におけ
る放射率が高い材料を放射体として選択することによ
り、PFA製部品の凸状帯24を効率的に且つ短時間に
加熱することができる。
るが、この図からも分かるように、PPSの場合は、波
長領域2.5〜3.5μm及び6〜13μmにおいて断
続的に吸収率が0.5以上となっている。従って、この
波長領域における放射率が高い材料を放射体として選択
することにより、PPS製の部品を効率的に且つ短時間
に加熱することができる。
うとする物体の吸収率がより高い値の領域に着目して、
そのような領域の放射率の高い材質を放射体として選定
すると、より効率的な加熱が可能である。例えば、PF
A及びPVDFの場合、放射率が0.6以上の波長領域
が6.8〜9.2μm及び7.2〜8.8μmとなって
いるため、そのような波長領域における放射率が、特に
高い材料を放射体として選択することにより、それらを
を効率的に、且つ短時間に加熱することができる。
たセラスタッツBHAを採用し、その表面温度が500
℃の場合におけるPFA、PVDF及びPPS製部品の
溶着面22に形成された凸状帯24における時間的な温
度変化は、表1の通りである。
における温度降下は緩やかとなっている。これは、電源
を切った後もヒーター装置は遠赤外線を放射し続けてい
るからである。この間も、凸状帯24の上端面から奥に
向って軟化は進み所定の軟化深さまで凸状帯24を軟化
することができる。
における放射率が大きいこと、および耐熱性に優れてい
るため、遠赤外線放射体として広く用いられている。
射特性は、それを構成する金属元素の電子配列と抵抗率
に密接に関わっており、また、加工の仕方や材料の複合
の仕方によって大きくことなる。
ミックスの分光放射率である。図15に示されているよ
うに、例えば、アルミナ(Al2O3)は10〜20μ
mの遠赤外線の放射率は必ずしも高くなく、溶着すべき
樹脂部品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波
長領域が10〜20μmであった場合には適さない。
複合される原材料のそれぞれの物性を併せ持った物性を
示すことが多く、赤外線放射特性についても同様の傾向
がある。これらの傾向を知った上で、溶着すべき樹脂部
品の吸収スペクトルの中で比較的吸収率の高い波長領域
の赤外線を高放射率で放射する最適の材料を選択するこ
とが可能となる。
て、赤外線透過性のガラス板は、石英ガラスを用いた
が、赤外線透過性のガラス板であればどのようなもので
も良く、例えば、アルミン酸カルシウム、ゲルマニウム
酸塩ガラス及び硫化ヒ素ガラスとすることもできる。
度センサ32が配設されている。軟化時におけるタング
ステンヒータ30aの温度は、この温度センサ32によ
り図12を参照して適正な温度に制御設定される。
30fと凸状帯24の上端面とは非接触であり、ほぼ1
〜10mm好ましくは1.5〜2.5mmの間隔をあけ
る事が最適である。近すぎると、加熱時の凸状帯24の
膨脹によりその端面がヒータ30に接触する虞があり、
一方、遠くなるとヒータ30の温度を高くしなければな
らないからである。この時の時間は、ほぼ5〜150秒
で、安定した放射熱で凸状帯24の上端面から均一に軟
化される。
応力の除去工程を行うことが好ましい。これは、溶着を
通じて樹脂製品内部、特に、溶着部及びその付近に加え
られた熱によって発生する内部応力を除去するものであ
る。例えば、溶着を終えた樹脂製品を温水中に浸漬して
暖めると、樹脂が軟化して内部応力を消滅させ、次に室
温に戻したときには内部応力がない状態になる。
方法における圧力差発生工程工程(ステップ3)は、樹
脂製品を液中に浸漬して外部を真空引きするか、暖める
かして行われる。前者は、樹脂製品の溶着部を液体を入
れた容器内で浸漬すると共に、該容器内圧力を小さくす
るものである。容器内の空気を、例えば、真空ポンプで
引くと容器内圧力を小さくなる。溶着部内部の空間部の
圧力はほぼ大気圧であるから、容器内圧力が小さくなる
と空間部と外部との間に圧力差が生じ、空間部内の気体
が気泡として液体中に漏れ出す。後者は、樹脂製品の溶
着部を加熱された液体を入れた容器内で浸漬し、該空間
部内の気体の温度を上げて膨脹させるものである。樹脂
製品の溶着部を加熱された液体を入れた容器内で浸漬す
ると、空間部内の気体の温度も上昇し気体は膨脹する。
これにより、溶着部内部の空間部における圧力が上昇し
空間部と外部との間に圧力差を生じ、空間部内の気体が
気泡として液体中に漏れ出す。
部の空気を膨脹させ、その膨脹圧力により気泡が割れ目
から出てくるのを利用して溶着の瑕疵を発見することが
できる。後者の方法を採用すると、実質的に、内部応力
の除去工程と本発明の圧力差発生工程工程(ステップ
3)とを同時に行う事ができる利点を有している。
発生は、種々の方法で検出することができる。目視、セ
ンサ、圧力の変化等従来周知の種々の方法を採用するこ
とができる。
査方法は、溶着部の内部に外部に繋がらない空間部を形
成するように樹脂製品を溶着する工程(ステップ1)
と、樹脂製品の溶着部を液体中に浸漬する工程(ステッ
プ2)と、空間部と外部との間に圧力差を生じさせる工
程(ステップ3)と、そして、該空間部内の気体が樹脂
製品溶着部付近から気泡として液体中に漏れ出している
か否か検出する工程(ステップ4)とを含んで構成され
ているため、もし、溶着部に割れ目が存在した場合に
は、該空間部内の気体が気泡として液体中に漏れ出す。
これを観察することにより、溶着部における割れ目の存
在の有無を確実に検出することができる利点を有してい
る。
査方法の一実施例の手順を示すフローチャートである。
エハ用キャリアを5つの部品に分割した状態及びそれら
を溶着して完成品とした状態の斜視図である。
に示された背面部品の溶着面を拡大して示した平面図及
びそのAA線断面図である。
される凸状帯の平面図である。
タの一実施例の横断面図である。
示したシリコンウエハ用キャリアの5つの部品を用いて
図2(b)に示した完成品たるキャリアを組み立てる手
順を説明するための斜視図である。
率との関係を示したものである。
用いた場合における赤外線分光放射出力を表している。
ングステンヒータの温度との相関関係を示す図である。
分光放射率である。
Claims (7)
- 【請求項1】 溶着部の内部に外部に繋がらない空間部
を形成するように樹脂製品を溶着し、当該樹脂製品の溶
着部を液体中に浸漬すると共に、前記空間部と外部との
間に圧力差を生じさせ、溶着部に割れ目が存在した場合
に該空間部内の気体が気泡として液体中に漏れ出すよう
にしたことを特徴とする溶着された樹脂製品の溶着部検
査方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の溶着された樹脂製品の
溶着部検査方法において、前記溶着面に、幅約1〜8m
mで高さ約0.5〜10mmの凸状帯を該溶着面と平行
に連続して形成し、単一又は隣接する凸状帯とによって
溶着した後溶着部の内部に外部に繋がらない空間部を形
成することを特徴とする溶着された樹脂製品の溶着部検
査方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の溶着された樹脂
製品の溶着部検査方法において、前記樹脂製品の溶着部
を液体を入れた容器内で浸漬すると共に、該容器内圧力
を小さくすることにより、前記溶着部内部の空間部と外
部との間に圧力差を生じさせることを特徴とする溶着さ
れた樹脂製品の溶着部検査方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の溶着された樹脂
製品の溶着部検査方法において、前記樹脂製品の溶着部
を加熱された液体を入れた容器内で浸漬し、該空間部内
の気体の温度を上げて膨脹させることにより、前記溶着
部内部の空間部と外部との間に圧力差を生じさせること
を特徴とする溶着された樹脂製品の溶着部検査方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶
着された樹脂製品の溶着部検査方法において、前記樹脂
製品が、PTFE、FEP、PFA、ETFE、CTF
E、PVDF等の弗素系樹脂又はPPS等の高級エンジ
ニアリングプラスチック製品であることを特徴とする溶
着された樹脂製品の溶着部検査方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶
着された樹脂製品の溶着部検査方法において、前記樹脂
製品が、PE、塩化ビニール等の実用的な熱可塑性樹脂
製品であることを特徴とする溶着された樹脂製品の溶着
部検査方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶
着された樹脂製品の溶着部検査方法において、前記樹脂
製品が、該樹脂製品を複数の部品に分けて且つ各部品同
志の溶着面に熱エネルギの集中を促す単一又は複数の前
記凸状帯を有するように製造し、ヒータを溶着すべき部
品の溶着面間に挿入して該溶着面に設けられた該凸状帯
が所定の深さまで軟化した後該ヒータを除去し、前記溶
着部の内部に外部に繋がらない空間部を形成するように
して該溶着面同志を溶着し、この溶着作業を全ての部品
について完了することにより完成品としたものであるこ
とを特徴とする溶着された樹脂製品の溶着部検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7647498A JPH11258100A (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 溶着された樹脂製品の溶着部検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7647498A JPH11258100A (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 溶着された樹脂製品の溶着部検査方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11258100A true JPH11258100A (ja) | 1999-09-24 |
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ID=13606191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7647498A Pending JPH11258100A (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 溶着された樹脂製品の溶着部検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11258100A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032658A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Kyocera Kinseki Corp | パッケージの気密検査方法と気密検査装置 |
-
1998
- 1998-03-11 JP JP7647498A patent/JPH11258100A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032658A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Kyocera Kinseki Corp | パッケージの気密検査方法と気密検査装置 |
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