JP3908559B2 - インクジェットプリンタ用インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、泡立ちや再分散性などにすぐれた、印字特性の良好なインクジェットプリンタ用インクに関し、また高速印字用のインクジェットプリンタに有用な低粘度の上記インクに関し、さらには連続循環方式のインクジェットプリンタに有用な上記インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタ用インク、とりわけ、連続循環方式のインクジェットプリンタに使用するインクにおいては、従来より、顔料の分散粒径を微細にし、様々な分散剤を添加することにより、吐出安定性や保存安定性の改良をはかり、また泡立ちや再分散性などの改良をはかっている。
【0003】
たとえば、ブロックポリマー(特開平11−269418号公報)、一般的なアクリル酸共重合体(特開2000−212486号公報)、ポリエーテル構造を有するアクリル酸共重合体(特開平10−60346号公報)を分散剤としたインクジェットプリンタ用水性インクが、提案されている。さらに、米国特許第5,512,089号明細書には、pHを9〜12に調整することにより、乾燥したインクの再分散性を高めることが、提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案の方法では、いずれも、泡立ちや再分散性の両立、高速印字を可能とする低粘度化や顔料の微分散化などをバランスよく満足させることはできなかった。たとえば、特開平10−60346号公報に提案されるポリエーテル構造を有するアクリル酸共重合体などは、アクリル酸などのモノマーを多量に使用したガラス転移温度の高いポリマーのため、これを分散剤としたインクは、再分散性に劣り、また粘度が高く、高速印字に適さない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、低粘度であり、泡立ちの少ない、かつ再分散性にすぐれたインクジェットプリンタ用インクを提供することにより、高速印字用のインクジェットプリンタの安定な運転を可能にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、分散剤として前記従来のものに比べて低いガラス転移温度を示す特定の共重合体を用いると、インクの低粘度化をはかれ、消泡性も向上し、また乾燥したインクの再分散性を高められるインクジェットプリンタ用インクが得られ、これにより高速印字用のインクジェットプリンタの安定な運転が可能となることがわかった。
【0007】
本発明は、このような知見をもとにして、完成されたものである。
すなわち、本発明は、顔料、分散剤および水を含有するインクジェットプリンタ用インクにおいて、上記の分散剤として、a)エーテル構造を有するモノマー5〜70重量%と、b)酸性基を有するモノマー10〜45重量%と、c)顔料に親和性を有するモノマー5〜50重量%(ただし、a,b,c三成分の合計量は100重量%)とからなる単量体混合物の共重合体を含むことを特徴とするインクジェットプリンタ用インクに係るものである。
【0008】
とくに、本発明は、上記a成分のモノマーが、下記の一般式;
〔式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基、Xは−C2 H4 O−、Yは−C3 H6 O−、Zは−C4 H8 O−、l,m,nは整数で、(l+m+n)=1〜50であ
る〕
で表されるエーテル構造を有するアクリル系モノマーである上記構成のインクジェットプリンタ用インクを提供できるものである。
【0009】
また、本発明は、上記共重合体が50℃以下のガラス転移温度を有する上記構成のインクジェットプリンタ用インク、上記共重合体の重量平均分子量が1,000〜20,000である上記構成のインクジェットプリンタ用インク、上記共重合体がインク全量に対し0.1〜3重量%である上記構成のインクジェットプリンタ用インク、粘度が1〜2mPa・sである上記構成のインクジェットプリンタ用インク、溶媒として水溶性有機溶剤を含有し、この水溶性有機溶剤がインク全量に対し1〜30重量%である上記構成のインクジェットプリンタ用インク、インクジェットプリンタが連続循環方式である上記構成のインクジェットプリンタ用インクを、それぞれ、提供できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における分散剤は、a)エーテル構造を有するモノマーと、b)酸性基を有するモノマーと、c)顔料に親和性を有するモノマーとからなる単量体混合物の共重合体であり、上記a〜c三成分を特定割合で併用することにより、インクの低粘度化をはかれるとともに、泡立ちが少なく(消泡性であり)、かつ乾燥したインクの再分散性を高めることができ、高速印字用のインクジェットプリンタの安定な運転が可能となったものである。
【0011】
すなわち、上記a〜c三成分は、三成分の合計量を100重量%として、a成分が5〜70重量%、b成分が10〜45重量%、c成分が5〜50重量%であることが必要で、これらの範囲外となると、上記のような効果が得られない。上記a〜c三成分のとくに好ましい範囲としては、a成分が10〜60重量%、b成分が20〜45重量%、c成分が10〜45重量%である。
【0012】
なお、上記三成分の中でも、b成分の使用量は最も重要であり、このb成分が10重量%未満では、共重合体の水への溶解性が低下して再分散性が悪くなり、また45重量%を超えると、共重合体のガラス転移温度が高くなり、インクの再分散性が悪くなり、また粘度が高くなり、高速印字に適さない。
【0013】
a成分のモノマーは、分子中にエーテル構造を有するものであればよく、とくに好ましいモノマーには、下記の一般式;
〔式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基、Xは−C2 H4 O−、Yは−C3 H6 O−、Zは−C4 H8 O−、l,m,nは整数で、(l+m+n)=1〜50である〕
で表されるエーテル構造を有するアクリル系モノマーがある。
【0014】
上記の一般式において、Xで表されるエチレンオキサイド、Yで表されるプロピレンオキサイド、Zで表されるテトラメチレンオキサイドの1分子当たりの付加モル数l,m,nは、0から50までの任意の整数をとりうるが、その合計量(l+m+n)は1〜50、好ましくは1〜30である。1分子当たりの合計の付加モル数が1未満(つまり0)では、再分散性などに劣り、50を超えると、インクの粘度が高くなり、高速印字用のインクジェットプリンタでは印字不良になる場合がある。
【0015】
このようなアクリル系モノマーには、ポリエチレングリコールモメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレートなどのエチレンオキサイドが付加されたモノマー、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどのプロピレンオキサイドが付加されたモノマー、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどのエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方が付加されたモノマー、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレートなどのエチレンオキサイドとテトラメチレンオキサイドの両方が付加されたモノマー、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレートなどのプロピレンオキシドとテトラメチレンオキシドの両方が付加されたモノマーなどが挙げられる。
【0016】
b成分のモノマーは、分子中に酸性基を有するモノマーであり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、アクリロイルオキシエチルフタレート、アクリロイルオキシサクシネートなどのカルボキシル基を有するモノマー、アクリル酸2−スルホン酸エチル、メタクリル酸2−スルホン酸エチル、エチルアクリルアミドスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー、メタクリル酸2−ホスホン酸エチル、アクリル酸2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有するモノマーなどが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基を有するモノマーがとくに好ましい。
【0017】
c成分のモノマーは、a,b成分のモノマーと共重合可能でかつ顔料に親和性のあるモノマーである。とくに、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーや、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルステレン、m−メチルステレン、p−メチルスチレン、p−te r t−ブチルスチレンなどのスチレン系モノマーが、好ましい。その他、アミノ基含有モノマーや、エチレンなどのα−オレフィン、イタコン酸ベンジルなどのイタコン酸エステル、マレイン酸ジメチルなどのマレイン酸エステル、フマール酸ジメチルなどのフマール酸エステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジル基を有するモノマー、シリコーン系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなども使用できる。
【0018】
上記の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーには、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、アルキル基の炭素数が8〜32の範囲にあるものがとくに好ましい。
【0019】
また、上記のアミノ基含有モノマーとしては、アクリル酸アミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピルなどの第1級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチルアミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエチル、メタクリル酸エチアミノプロピル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどの第2級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノプロピルなどの第3級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩などの第4級アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。
【0020】
本発明において、分散剤として使用する上記の共重合体は、a成分のモノマーの1種または2種以上と、b成分のモノマーの1種または2種以上と、c成分のモノマーの1種または2種以上とを使用し、この単量体混合物を、常法により、適宜の重合触媒を用いて、共重合させることにより、得ることができる。共重合は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、レドックス重合法などの公知の一般的な重合方法を用いて、行うことができる。その中でも、反応操作が簡単なことから、溶液重合法が好ましく用いられる。
【0021】
この溶液重合法では、たとえば、上記の単量体混合物を溶剤に溶解し、これに重合触媒を加え、180℃以下、好ましくは30〜150℃の温度で、30分間〜40時間、好ましくは2〜30時間、重合反応させればよい。重合触媒には、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、ペンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2−メチルブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2−アゾビソブチレート、アゾビス−4−などのアゾ系化合物が用いられる。
【0022】
また、溶液重合法に用いられる溶剤には、ヘキサン、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトンなどのケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジンなどの非プロトン性極性溶剤、水などが挙げられる。これらの中でも、インクの溶媒としてそのまま使用できるという点で、水溶性の溶剤を使用するのが好ましい。これらの溶剤は、必要により2種以上を併用してもよい。
【0023】
このようにして得られる本発明の共重合体は、上記a〜c三成分の使用割合を特定範囲に設定したことにより、ガラス転移温度が50℃以下、好ましくは30℃以下となるものであり、また、通常は−30℃以上、とくに好ましくは−20℃以上のガラス転移温度を有するものである。このように比較的低いガラス転移温度を示すため、塗膜が硬くなりすぎるという問題がなく、再分散性に好結果が得られる。また、ガラス転移温度の下限値を上記範囲にとどめておくことにより、塗膜の耐久性などにより好結果を得ることができる。
【0024】
また、本発明の上記共重合体は、重量平均分子量が1,000〜20,000であるのがよく、とくに好ましくは1,500〜15,000、より好ましくは2,000〜10,000である。重量平均分子量が1,000より小さいと、インク塗膜がべたつき、印刷物を重ねた場合に色移りを起こしやすくなったり、耐水性が悪くなる場合がある。また、重量平均分子量が20,000を超えてしまうと、インクの粘度が高くなり、高速印字性が悪くなる場合がある。
【0025】
本発明のインクジェットプリンタ用インクは、溶媒としてイオン交換水、純水などの水を使用し、この溶媒中に顔料を、分散剤として上記の共重合体を用いて均一に微分散させてなるものである。ここで、上記共重合体の使用量は、インク全量に対して0.1〜3重量%、とくに好ましくは0.15〜2重量%とするのがよい。上記共重合体の使用量が、インク全量に対して0.1重量%より少ないと、インクの再分散性が悪くなる傾向にあり、また3重量%より多いと、インクの粘度が高くなり、高速印字性が悪くなる場合がある。
【0026】
分散させる顔料には、無機顔料、有機顔料または分散染料などが用いられる。これら顔料の使用量としては、インク全量に対して1〜20重量%、とくに好ましくは2〜10重量%とするのがよい。顔料が1重量%より少なくすると、インクとしては色濃度が薄くなりすぎて実用的でなく、また20重量%より多くすると、粘度が高くなりすぎて印字不良になる場合がある。
【0027】
無機顔料としては、たとえば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリボン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べンガラ、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカなどが用いられる。
【0028】
有機顔料としては、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系などの顔料が用いられる。さらに、分散染料としては、アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、フタロシアニン系、カルポニル系、キノンイミン系、メチン系、キノリン系、ニトロ系などの染料が用いられる。
【0029】
本発明のインクジェットプリンタインクを製造するには、顔料を微細に分散する必要があり、そのために分散機で分散する。分散機は、一般に使用される分散機ならいかなるものでもよい。たとえば、ロールミル、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、あるいは撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミルが挙げられる。
【0030】
分散機で用いられる分散媒体としては、ガラスビーズ、スチールビーズ、セラミックビーズなどが用いられる。これらの中でも、0.01〜1.0mmの粒子径のセラッミックビーズを用いるのが好ましい。分散条件としては、とくに限定されないが、遊星ボールミルでは加速度5〜50G、サンドミルではセラミックビーズの充填率50〜90%、周速5〜20m/秒で行うのが好ましい。
【0031】
顔料の分散に際し、上記の共重合体は、これをあらかじめ中和剤で中和しておくのがよい。中和剤には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの1価のアルカリ金属イオンや、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの有機アミンが用いられる。揮発しにくい中和剤は、インクジェットプリンタに際して、ヘッドでの目詰まりを防止できるので、好ましい。
【0032】
本発明のインクジェットプリンタ用インクは、溶媒である水に対して、顔料、分散剤としての上記中和した共重合体、必要によりこれ以外の一般の顔料分散剤を適宜の順に混合し、さらに通常は水溶性有機溶剤、pH調整削、界面活性剤、印字ヘッドの目詰まり防止剤、インクの消泡剤、殺菌剤、防黴剤、印字への耐水性付与剤、電荷調整剤などのインクジェットプリンタ用インクとして従来から用いられている各種の添加剤を適宜混合し、分散機により、所望の粒径になるまで分散することにより、製造される。分散液を安定化させるために、上記分散液にさらに40〜100℃の加熱処理を施してもかまわない。
【0033】
水溶性有機溶剤は、インクの乾燥を抑制したり、乾燥後に顔料が溶媒に再分散する再分散性を付与するために、好ましく用いられる。水溶性有機溶剤は、インク全量に対し、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは3〜10重量%であるのがよい。水溶性有機溶剤が過少となると、印字ヘッドの目詰まり防止効果が不十分となり、また過多となると、溶液の有機性が高くなり、顔料の分散性を阻害するなどの問題を生じやすい。
【0034】
水溶性有機溶剤としては、水溶性多価アルコ−ルが好ましく、とくに、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたはグリセリンが好ましく用いられる。その他の水溶性多価アルコ−ルとしては、たとえば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ−ルモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエ−テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエ−テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエ−テル、ジエチレングリコールジエチルエ−テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ−テル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ−テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エテレングリコールモノメチルエ−テルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、1−ブタノール、2,5−ヘキサンジオール,エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール,2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルー2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,4−シクロヘキサンジオール,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0035】
pH調整剤としては、有機アミン、水溶性無機塩または水酸化物の中から選ばれる少なくとも1種が用いられ、インクのpHを7〜11の範囲に調整すると、ノズルの目詰まり防止に効果的である。有機アミンには、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールなどがある。水溶性無機塩には、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどがある。水溶性無機水酸化物には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0036】
界面活性剤は、印字安定性の向上に好結果を与えるものである。とくに、サーマルタイプのインクジェットプリンタにおいて、ヒータで加熱したときのバブルを安定に発生させるため、好ましく用いられる。添加量は、インク全量に対し、0.5〜5重量%の範囲にあるのが、印字安定性上、好ましい。
【0037】
上記の印字安定性を考慮すると、界面活性剤としては、水溶性のイオン性界面活性剤またはHLB価12以上の非イオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。このような界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などがあり、とくに好ましいのはアニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤である。
【0038】
アニオン性界面活性剤には、ステアリン酸ソーダせっけん、オレイン酸カリせっけん、半硬化牛脂脂肪酸ソーダせっけんなどの脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、高級アルコール硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどアルキルジフエニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキル燐酸カリウムなどのアルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物などがある。
【0039】
カチオン性界面活性剤としては、ココナットアミンアセテートやステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドやアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、ラウリルベタインやステアリルベタインなどのアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイドなどが挙げられる。
【0040】
HLB価12以上の非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルやポリオキシエチレン高級アルコールエ−テルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルやポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートやポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレングリコールなどが用いられる。
【0041】
消泡剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸系、アルキル硫酸エステル系、脂肪酸塩系、4級アンモニウム塩系などの陽イオン性界面活性剤、アルキルベタイン、アミンオキサイドなどの両性界面活性剤、ソルビタン酸エステル系などの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、メチルポリシロキサン共重合体、シリコーンオイルなどの有機シリコーン系の非イオン性界面活性剤、テトラメチル−デシン−ジオールなどのアセチレングリコール系の非イオン性界面活性剤などが用いられる。
【0042】
黴や微生物の発生によりノズルが詰まり、インクの吐出を阻害することを抑制するため、防黴剤や防腐剤が用いられる。たとえば、ホルマリン、デヒドロ酢酸塩、安息香酸塩、ペンタクロロフェノール塩、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、2−(4−チアゾリル)ベンヅイミダゾール、フッ化塩、2−クロロアセトアミド、a−ブロムシンナムアルデヒド、2−ピリジンチオール−1−アキサイドナトリウム塩、トリアジン系化合物、アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。また、保湿剤としては、尿素、エチレン尿素、チオ尿素などが用いられる。
【0043】
電荷調整剤は、インクに電荷をかけるタイプのインクジェットプリンタにおいて、インクの導電率を適宜の値に調整するために用いられるが、プリンタの機種により必要とされる導電率が異なり、またインク中の他の成分によってもインクの導電率が異なるため、必要に応じて、適宜用いられる。このような目的で用いる電解質には、たとえば、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウムなどの無機塩類、トリエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン硝酸塩、トリエタノールアミン硫酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、トリメリット酸塩、ピロメリット酸塩などが挙げられる。
【0044】
本発明のインクジェットプリンタ用インクには、上記した各成分のほか、印字物の耐水性、光沢、耐擦性などの品質を向上させるための成分として、各種の樹脂を添加するのが好ましい。樹脂の種類には、水溶性の樹脂や、平均粒径が10〜300nmの分散型の樹脂がある。これら樹脂の添加量としては、粘度やその他の諸特性から、インク全量に対して、1〜15重量%の範囲であるのが好ましく、2〜10重量%の範囲であるのがより好ましい。
【0045】
上記樹脂の具体例としては、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、それらの共重合体などのポリビニル系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらエステルの重合体および共重合体、アクリロニトリル−アクリル系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体などのアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂などがあり、その他、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロヒシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、さらにはこれらの共重合体樹脂や、カゼイン、ゼラチン、デンプン、デキストリン、セラックなどが挙げられる。
【0046】
このように構成される本発明のインクジェットプリンタ用インクは、粘度が1〜2mPa・sの範囲にあるのが好ましく、とくに好ましくは1.2〜1.8mPa・sの範囲にあるのがよい。粘度を1mPa・sより小さくすると、必然的に揮発性の溶剤を多量に使用する必要があり、材料によっては人体や環境の上で好ましくない場合がある。また、粘度が2mPa・sを超えると、高速印字に適さなくなる場合がある。
【0047】
本発明のインクジェットプリンタ用インクは、市販のピエゾタイプやサーマルタイプ、連続式などのインクジェット方式であれば、その機種に限定なく、すべてのプリンタに適用することができる。その中でも、連続循環方式のプリンタに対して、とくに本発明の効果を発揮できるものである。たとえば、特開平8−109343号公報および米国特許第4,255,754号明細書などに記載されるプリンタなどに適用しても、良好に印字することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下において、「部」および「%」は、とくに断りがない限り、「重量部」および「重量%」を意味するものとする。
また、以下において、商品名などに関してとくに記載のない試薬は、すべて、和光純薬社製の試薬1級を使用したものである。さらに、実施例で用いた共重合体A〜Eは、下記の合成例1〜5により、合成したものである。
【0049】
合成例1
下記の成分を混合し、モノマー溶液を調製した。
アクリル酸−n−ブチル 1.8部
メタクリル酸ラウリル 10.0部
アクリル酸 33.2部
スチレン 10.0部
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート 45.0部
(日本油脂株式会社製「ブレンマーPME−400」)
アゾビスイソブチロニトリル 8.0部
メチルエチルケトン 50.0部
【0050】
これとは別に、窒素導入管を備え付けた反応容器に、イソプロピルアルコール100部を計り込み、窒素シールしながら、還流温度まで昇温した。これに、上記のモノマー溶液を、2時間かけて滴下し、滴下終了後、還流温度で12時間反応させた。反応後の溶液は、酸価258mgKOH/g、重量平均分子量7,700、ガラス転移温度26℃の共重合体Aを含有する、不揮発分41.2%の溶液であった。これを、アンモニアで115%中和し、イオン交換水とイソプロピルアルコールを置換して、共重合体Aの25%水溶液を調製した。
【0051】
合成例2
下記の成分を混合し、モノマー溶液を調製した。
【0052】
これとは別に、窒素導入管を備え付けた反応容器に、イソプロピルアルコール100部を計り込み、窒素シールしながら、還流温度まで昇温した。これに、上記のモノマー溶液を、2時間かけて滴下し、滴下終了後、還流温度で12時間反応させた。反応後の溶液は、酸価258mgKOH/g、重量平均分子量8,700、ガラス転移温度16℃の共重合体Bを含有する、不揮発分46.4%の溶液であった。これを、アンモニアで115%中和し、イオン交換水とイソプロピルアルコールを置換して、共重合体Bの25%水溶液を調製した。
【0053】
合成例3
下記の各成分を混合し、モノマー溶液を調製した。
【0054】
これとは別に、窒素導入管を備え付けた反応容器に、イソプロピルアルコール100部を計り込み、窒素シールしながら、還流温度まで昇温した。これに、上記のモノマー溶液を、2時間かけて滴下し、滴下終了後、還流温度で12時間反応させた。反応後の溶液は、酸価258mgKOH/g、重量平均分子量8,600、ガラス転移温度25℃の共重合体Cを含有する、不揮発分43.3%の溶液であった。これを、アンモニアで115%中和し、イオン交換水とイソプロピルアルコールを置換して、共重合体Cの25%水溶液を調製した。
【0055】
合成例4
下記の各成分を混合し、モノマー溶液を調製した。
アクリル酸 70.0部
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート 30.0部
(日本油脂株式会社製「ブレンマーPME−400」)
アゾビスイソブチロニトリル 8.0部
メチルエチルケトン 50.0部
【0056】
これとは別に、窒素導入管を備え付けた反応容器に、イソプロピルアルコール100部を計り込み、窒素シールしながら、還流温度まで昇温した。これに、上記のモノマー溶液を、2時間かけて滴下し、滴下終了後、還流温度で12時間反応させた。反応後の溶液は、酸価545mgKOH/g、重量平均分子量6,600、ガラス転移温度60℃の共重合体Dを含有する、不揮発分42.7%の溶液であった。これを、アンモニアで115%中和し、イオン交換水とイソプロピルアルコールを置換して、共重合体Dの25%水溶液を調製した。
【0057】
合成例5
下記の各成分を混合し、モノマー溶液を調製した。
アクリル酸−n−ブチル 68.4部
アクリル酸 16.6部
メタクリル酸ラウリル 15.0部
アゾビスイソブチロニトリル 8.0部
イソプロピルアルコール 100.0部
【0058】
これとは別に、窒素導入管を備え付けた反応容器に、イソプロピルアルコール100部を計り込み、窒素シールしながら、還流温度まで昇温した。これに、上記のモノマー溶液を、2時間かけて滴下し、滴下終了後、還流温度で14時間反応させた。反応後の溶液は、酸価129mgKOH/g、重量平均分子量5,800、ガラス転移温度−42℃の共重合体Eを含有する、不揮発分33.1%の溶液であった。これを、アンモニアで115%中和し、イオン交換水とイソプロピルアルコールを置換して、共重合体Eの25%水溶液を調製した。
【0059】
実施例1
ブラック顔料(デグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」)20.0部、合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部、イオン交換水59.5部および湿潤剤(日信化学社製の「サーフィノール104」)2.5部を、分散機として、シンマルエンタープライセス社製の「ダイノーミルKDLスペシャル」により、粒径0.3mmのジルコニアビーズを分散媒体として、2時間分散して、顔料分散液を得た。
【0060】
つぎに、この顔料分散液22.5部に、グリセリン4.5部、ジメチルアミノエタノール1.1部、トリメリット酸アンモニウム1.6部およびイオン交換水70.3部を加えた。これを、再び上記の分散機で混合分散し、最終的にメンブランフィルターでろ過することにより、インクジェットプリンタ用ブラックインクを調製した。
【0061】
実施例2
ブラック顔料(デグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」)20.0部に代えて、ブラック顔料(三菱化学株式会社製の「#1000」)を同量使用し、また合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、合成例2で調製した共重合体Bの25%水溶液を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用ブラックインクを調製した。
【0062】
実施例3
ブラック顔料(デグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」)20.0部に代えて、ブラック顔料(キャボット社製の「モナーク1100」)を同量使用し、また合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、合成例3で調製した共重合体Cの25%水溶液を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用ブラックインクを調製した。
【0063】
実施例4
ブラック顔料(デグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」)20.0部に代えて、銅フタロシアニン顔料(大日本インキ化学工業株式会社製の「Fastogen Blue TGR」)を15.0部使用し、合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部はそのまま使用し、これを分散する際のイオン交換水の使用量を64.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用シアンインクを調製した。
【0064】
実施例5
ブラック顔料(デグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」)20.0部に代えて、キナクリドン顔料(大日本インキ化学工業株式会社製の「Fastogen Super Mgenta RTS」)を15.0部使用し、また合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、合成例2で調製した共重合体Bの25%水溶液を同量使用し、かつこれを分散する際のイオン交換水の使用量を64.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用シアンインクを調製した。
【0065】
実施例6
ブラック顔料(デグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」)20.0部に代えて、モノアゾイエロー顔料(大日本インキ化学工業株式会社製の「Symuler Fast Yellow」)を15.0部使用し、また合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、合成例3で調製した共重合体Cの25%水溶液を同量使用し、かつこれを分散する際のイオン交換水の使用量を64.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用シアンインクを調製した。
【0066】
比較例1
ブラック顔料はデグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」を使用し、合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、市販の分散剤(ジョンクリル62)を14.3部使用し、かつこれを分散する際のイオン交換水の使用量を63.2部に変更した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用ブラックインクを調製した。
【0067】
比較例2
ブラック顔料はデグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」を使用し、合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、合成例4で調製した共重合体Dの25%水溶液を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用ブラックインクを調製した。
【0068】
比較例3
ブラック顔料はデグサ・ヒュルス社製の「Printex 85」を使用し、合成例1で調製した共重合体Aの25%水溶液18.0部に代えて、合成例5で調製した共重合体Eの25%水溶液を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インクジェットプリンタ用ブラックインクを調製した。
【0069】
以上の実施例1〜6および比較例1〜3の各インクジェットプリンタ用インクについて、下記の方法により、インクの粒径および粘度を測定し、また再分散性試験、泡立ち試験および連続運転試験の評価を行った。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
【0070】
<インクの粒径および粘度の測定>
インクの粒径は、コールター社製の「レーザードップラー方式の粒度分布計N4 PLUS」で測定した。また、粘度は、東機産業社製の「R型粘度計」で測定(回転数100rpm)した。
【0071】
<再分散性試験>
再分散性の評価は、インクをスライドガラス上に滴下し、60℃のオーブンで30分乾燥させたのち、ジメチルアミノエタノール1%水溶液に浸漬させて、乾燥した被膜が溶解するまでの時間を測定する。この数値が小さいほど再分散性がすぐれていることを意味する。
【0072】
<泡立ち試験>
泡立ちの評価は、1000mlのメスシリンダーにインクを200ml入れ、インクの温度を25℃にしたのち、ディフューザーをインク中に沈める。このときディフューザーから出る空気の流量は、圧力2kg/cmで、50ml/分とし、前記の状態で10分後の泡の高さを測定する。この数値が小さいほど消泡性がすぐれていることを意味する。ただし、数値にはインクの容量(200ml)は含まれていない。
【0073】
<連続運転試験>
連続運転は、ドミノ社製のインクジェットプリンタを用いて、12時間運転、12時間休止の1サイクルを20サイクル行い、運転がスムーズに立ち上がらなかったり運転中にエラー表示が出た場合を運転中止時間とした。
【0074】
【0075】
上記の表1から明らかなように、本発明の実施例1〜6の各インクジェットプリンタ用インクは、いずれも、粘度が低く、消泡性および再分散性にすぐれており、高速タイプのインクジェットプリンタに最適であり、ドミノ社製のプリンタを用いて240時間連続運転を行ったが、なんら問題はなかった。
これに対し、比較例1〜3のインクジェットプリンタ用インクは、消泡性、再分散性どちらもにもすぐれているインクはなく、また粘度が高いなどで、ドミノ社製のプリンタを用いて連続運転を行ったが、100時間後には運転が止まってしまい、連続運転の安定性に欠けていた。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、分散剤として、エーテル構造を有するモノマーと酸性基を有するモノマーと顔料に親和性を有するモノマーを特定割合で含む単量体混合物を共重合させてなる、ガラス転移温度の低い共重合体を使用したことにより、低粘度であり、泡立ちの少ない、しかも再分散性にすぐれた、高速印字用のインクジェットプリンタの安定な運転を可能とするインクジェットプリンタ用インクを提供することができる。
Claims (3)
- 顔料、分散剤および水を含有するインクジェットプリンタ用インクにおいて、上記の分散剤として、a)エーテル構造を有するモノマーとして、下記の一般式;
R1
|
H2 C=C−C−O−(X)l−(Y)m−(Z)n−R2
‖
O
〔式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基、Xは−C2 H4 O−、Yは−C3 H6 O−、Zは−C4 H8 O−、l,m,nは整数で、(l+m+n)=1〜50である〕
で表されるエーテル構造を有するアクリル系モノマー45〜70重量%と、b)酸性基を有するモノマー10〜45重量%と、c)顔料に親和性を有するモノマー5〜50重量%(ただし、a,b,c三成分の合計量は100重量%)とからなる単量体混合物の共重合体を含み、この共重合体は、50℃以下のガラス転移温度を有し、重量平均分子量が1,000〜20,000であり、かつインク全量に対し0.1〜3重量%であり、溶媒として水溶性有機溶剤を含有し、この水溶性有機溶剤がインク全量に対し1〜30重量%であることを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。 - 粘度が1〜2mPa・sである請求項1に記載のインクジェットプリンタ用インク。
- インクジェットプリンタが連続循環方式である請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ用インク。
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