JP3907361B2 - バンパーの構造およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の幅寸法を有する自動車のバンパー構造、例えばキャブ幅が広幅と並幅と2種類ある自動車(例えば、トラック等)のバンパーの構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャブ幅が2種類ある場合のフロントバンパーにおいては、それぞれ別型により一体的にプレス成形したり、或いは並幅用のバンパーを一体成形し、広幅用バンパーは並幅用のバンパーを切断して、差寸法に溶接代を加えたエクステンションを挟んで接続して用いることは知られている。
【0003】
しかし、上記の技術においては広幅用が少量である場合はよいが、広幅用が増加すると、エクステンションが別部品であり、接続個所が2個所となるため、部品管理点数の増加と工数増とで厄介で面倒な作業となるという問題がある。
【0004】
その他の従来技術としては、例えば、特開平9−104298号公報や特開平11−1149号公報の技術が開示されているが、いずれも本願の課題を解決するものでない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、構造簡単で1つの冶具により製造できる複数種類のバンパーの構造と、その製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、広幅と並幅と2種類の幅寸法の自動車のバンパーの製造方法において、前記広幅用のバンパーの中央部に前記広幅用と並幅用との寸法差に等しい間隔を有して一対のジョックルを車両の幅方向に対し直角に形成し、該バンパーの中央部に前記寸法差の1/2に等しい間隔を幅方向に有して第1及び第2のロケート穴を形成し、その第2のロケート穴の外方に前記寸法差の1/2に等しい間隔を有して第3のロケート穴を形成して一体にプレス成形して広幅バンパーを製造し、広幅バンパーの場合はそのまま使用し、そして並幅バンパーを作る場合に、その広幅バンパーを中央部と第3のロケート穴側のジョックル基部とで切断し、第1のロケート穴と第3のロケート穴とを重ねて組立治具に挿入した状態でスポット溶接して組み立てるようになっている。
【0010】
かかる構成を具備する本発明によれば、幅方向寸法が比較的大きいバンパー(広幅用バンパー)から幅方向寸法が比較的小さいバンパー(並幅用バンパー)を製造するため、広幅用バンパーの数量が増加しても、コスト増加、工数増加という問題は生じない。
そして、広幅用バンパーから並幅用バンパーを製造するに際しては、従来技術のエクステンションの様な別部品を必要とせず、また、接続個所が1個所で済むため、部品管理点数も増加せず、工程数も少なくなり、特に、多大な労力を必要とする溶接作業が減少するので、作業性が非常に向上するのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の広幅バンパー1の正面図を示し、バンパーの中央部のライン5の両側には第1のロケート穴2と第2のロケート穴3とがバンパー1の長手方向に一直線上に設けられ、さらに第2のロケート穴3の外方に第3のロケート穴4が設けられており、さらに、中央部のラインの両側には広幅と並幅との寸法差2aの間隔でバンパーの板厚分のジョックル6、7(図2参照)が形成されている。なお、ハッチング部は並幅用を製造する場合の切り落とし部分を示している。
【0012】
図2は、図1のA−A矢視を示す断面図であり、バンパー1の中央部のライン5の右側に第1のロケート穴2が中央部のライン5から広幅キャブと並幅キャブとの幅寸法差を2aとした場合のa寸法の半分である1/2aだけ離れた点を中心として穿孔され、同様に左側に1/2aだけ離れた点を中心に第2のロケート穴3が穿孔されている。また、第2のロケート穴3からさらに左側にaだけ離れた位置に第3のロケート穴4が穿孔されている。
【0013】
以下、広幅用バンパー1を用いて並幅用バンパー11(図3参照)を製造する方法を説明する。
まず、中央部のライン5と第3のロケート穴のある側のジョックル7の基部7aとを第3のロケート穴4を図示しない切断冶具に取り付けて切断する。或いは、プレス型により切断する。
【0014】
図3のB−B断面図である図4を参照して、図示しない組立治具に、まず切断した左側バンパー1bの第3のロケート穴4を挿入し、ついで、右側のバンパー1aの第1のロケート穴2を重ねて挿入して、図3に示すように、スポット溶接12を複数箇所行えば、両端がそれぞれ広幅キャブと並幅キャブとの寸法差2aの半部であるaだけ短い並幅用のバンパー11を組み立てることができる。
【0015】
なお、第3のロケート穴4は第1のロケート穴2の右側外側に設けて右側ジョックル6の基部から切断してもよい。
【0016】
また、図示の実施形態はトラックで説明しているが、バスの場合も同様に適用出来る旨を付記する。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されており、以下の優れた効果を奏することができる。
(1) 寸法が大である広幅キャブ用のバンパーが一体に構成されているので、溶接により製造される従来の広幅キャブ用のバンパーに比較して、強度が大である。
(2) 短い並幅用のバンパーも、1箇所の溶接のみで製造されるため、強度上有利であり、且つ、生産性が良好である。
(3) エクステンション等の特別の部品がないため、部品点数が減少し、且つ、製造コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す広幅用バンパーの正面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】並幅用バンパーの正面図で長さの差を説明する図。
【図4】図3のB−B断面図。
【符号の説明】
1…広幅用バンパー
2…第1のロケート穴
3…第2のロケート穴
4…第3のロケート穴
5…中央部のライン
11…並幅用バンパー

Claims (3)

  1. 広幅と並幅と2種類の幅寸法の自動車のバンパーの製造方法において、前記広幅用のバンパーの中央部に前記広幅用と並幅用との寸法差に等しい間隔を有して一対のジョックルを車両の幅方向に対し直角に形成し、該バンパーの中央部に前記寸法差の1/2に等しい間隔を幅方向に有して第1及び第2のロケート穴を形成し、その第2のロケート穴の外方に前記寸法差の1/2に等しい間隔を有して第3のロケート穴を形成して一体にプレス成形して広幅バンパーを製造し、広幅バンパーの場合はそのまま使用し、そして並幅バンパーを作る場合に、その広幅バンパーを中央部と第3のロケート穴側のジョックル基部とで切断し、第1のロケート穴と第3のロケート穴とを重ねて組立治具に挿入した状態でスポット溶接して組み立てることを特徴とするバンパーの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により製造される広幅バンパーの構造。
  3. 請求項1記載の製造方法により製造される並幅バンパーの構造。
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