JP3907348B2 - 部品実装装置および部品実装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板上に電子部品を実装する部品実装装置に係り、とりわけ基板と電子部品との位置合わせを正確に行うことができる部品実装装置および部品実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶パネル等を製造するための部品実装装置として、液晶基板(以下「セル」という)上にTAB−IC(Tape Automated Bonding-Integrated Circuit、以下「TAB」という)を実装する部品実装装置が知られている。
【0003】
このような部品実装装置においては、セルおよびTABにそれぞれ形成されたリード同士を互いに正確に接合するため、セルとTABとの相対的な位置関係を正確に認識する必要がある。このため、従来の部品実装装置においては、実装対象となるセルおよびTABにそれぞれ形成されたセルリードおよびTABリードを撮像装置により撮像し、その撮像画像に対して画像処理を施すことによりセルおよびTABの位置を検出するようにしている。具体的には例えば、撮像装置で得られた撮像画像の中から、あらかじめ教示されたセルリードおよびTABリードの両端の端子パターン中の特徴部分(例えば十字状のパターン)をマッチング法による画像認識処理により検出することにより、セルおよびTABの位置を検出するようにしている。
【0004】
ここで、検出対象となる端子パターンをあらかじめ教示する方法としては、セルリードおよびTABリードの撮像画像をコンピュータシステム内に取り込んだ後、その撮像画像に含まれる所望の端子パターンを含む領域とその領域中の基準位置とを人手により指定する方法が一般的である。具体的には例えば、図5に示すように、セルリードおよびTABリードの撮像画像が表示されたモニタ画面30上でカーソル35を移動させ、所望の端子パターン31を含む領域を始点32および終点33の指定により教示する。また、このようにして指定された領域中の基準位置(ここでは端子パターン31の重心位置)を基準点34の指定により教示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の部品実装装置においては、セルリードおよびTABリードの撮像画像が表示されたモニタ画面30上でカーソル35を移動させ、始点32、終点33および基準点34の3点を指定することにより、端子パターン31を含む領域およびその領域中の基準位置を教示している。
【0006】
しかしながら、従来の部品実装装置では、始点32、終点33および基準点34の指定をモニタ画面30上で1画素単位で行っているので、1画素以下の細かい分解能で始点32、終点33および基準点34の指定を行うことができない。
【0007】
ここで、端子パターン31の重心位置を教示する場合を例に挙げると、図6に示すように、モニタ画面30上で端子パターン31の重心位置Sが画素Pの中心に位置している場合には、上述した1画素単位の教示方法では、重心位置Sを直接教示することができず、重心位置Sに近い位置A〜Aのいずれかを教示する形となる。そして、この場合には、位置A〜Aのいずれを教示した場合でも、教示位置はX方向およびY方向に±0.50画素分の教示誤差を含んだものとなる。
【0008】
このため、仮にマッチング法による実際の画像認識処理時に1画素以下の精度(サブミクロンオーダ)を確保できたとしても、端子パターン31の教示時に生じた教示誤差が常に加わった状態で位置検出が行われることとなり、結果としてセルおよびTABの位置検出の精度を十分に確保できない。
【0009】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、マッチング法による画像認識処理のための教示作業をモニタ画面上で1画素単位で行う場合でも、基板と電子部品との位置合わせの精度を容易かつ確実に向上させることができる部品実装装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段は、一対の第1マークを有する基板上に、前記各第1マークにそれぞれ対応する一対の第2マークを有する電子部品を実装する部品実装装置において、前記基板および前記電子部品のうち前記各第1マークおよび前記各第2マークを含む領域を撮像する撮像装置と、前記各第1マークおよび前記各第2マークのパターンおよび基準位置を教示するマーク教示装置と、前記撮像装置で得られた撮像画像と、前記マーク教示装置で教示された教示データとに基づいて、前記基板および前記電子部品がそれぞれ有する前記各第1マークおよび前記各第2マークの位置を検出するとともに、前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置とに基づいて前記基板と前記電子部品との位置合わせを行う位置合わせ装置と、前記一対の第1マークおよび前記一対の第2マークのうちの少なくとも1つのマークの基準位置に対する補正量を設定する教示誤差補正量設定装置とを備え、前記位置合わせ装置は前記教示誤差補正量設定装置で設定された補正量に基づいて前記教示データを補正することを特徴とする部品実装装置である。
【0011】
なお、本発明においては、前記位置合わせ装置は前記一対の第1マークの中間位置と前記一対の第2マークの中間位置とが揃うよう前記基板と前記電子部品との位置合わせを行うものであり、前記教示誤差補正量設定装置は実装後の前記一対の第1マークの中間位置と前記一対の第2マークの中間位置との位置ずれ量に基づいて前記補正量を決定することが好ましい。また、前記教示誤差補正量設定装置で設定された補正量を基板または電子部品の品種ごとに保持する記憶装置をさらに備え、前記位置合わせ装置は前記記憶装置の保持内容に基づいて基板または電子部品の品種ごとに補正量を切り替え、この切り替えられた補正量に基づいて前記教示データを補正することが好ましい。
【0012】
本発明の第2の解決手段は、一対の第1マークを有する基板上に、前記各第1マークにそれぞれ対応する一対の第2マークを有する電子部品を実装する部品実装方法において、前記各第1マークおよび前記各第2マークのパターンおよび基準位置を教示するステップと、前記基板および前記電子部品の撮像画像と、前記教示された教示データとに基づいて、前記基板および前記電子部品がそれぞれ有する前記各第1マークおよび前記各第2マークの位置を検出し、前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置とに基づいて前記基板と前記電子部品とを位置合わせして前記基板上に前記電子部品を仮付けするステップと、この仮付け後の基板および電子部品について前記各第1マークとこれに対応する前記各第2マークとの相対的な位置ずれ量を検出し、この検出された位置ずれ量に基づいて前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置との相対的な位置ずれ量を算出するステップと、この算出された位置ずれ量に基づいて前記教示データのうち前記一対の第1マークおよび前記一対の第2マークのうちの少なくとも1つのマークの基準位置に対する補正量を算出するステップと、この算出された補正量に基づいて前記教示データを補正するステップと、本実装の対象となる基板および電子部品の撮像画像と、前記補正された教示データとに基づいて、前記基板および前記電子部品がそれぞれ有する前記各第1マークおよび前記第2マークの位置を検出し、前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置とに基づいて前記基板と前記電子部品とを位置合わせして前記基板上に前記電子部品を実装するステップとを含むことを特徴とする部品実装方法である。
【0013】
本発明によれば、教示誤差補正量設定装置により、基板および電子部品にそれぞれ形成された各第1マークおよび各第2マークの基準位置に対する補正量を設定することができるので、マッチング法による画像認識処理のための教示作業をモニタ画面上で1画素単位で行う場合でも、基板と電子部品との位置合わせの精度を容易かつ確実に向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明による部品実装装置の一実施の形態を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように、部品実装装置は、セル(基板)1上にTAB(電子部品)4を実装するためのものであり、セル1とTAB4との位置合わせを行う位置合わせ装置10として、セル1をX,Y,θ方向に移動させる第1ステージ6と、TAB4をX,Y方向に移動させる第2ステージ7と、第1ステージ6および第2ステージ7の駆動を制御する駆動制御装置8とを備えている。なお、セル1およびTAB4にはそれぞれセルリード3およびTABリード5が形成されており、これらセルリード3とTABリード5とが異方性導電膜(図示せず)等を介して互いに接合されることにより、セル1上にTAB4が実装される。
【0016】
ここで、駆動制御装置8には、第1撮像装置20、第2撮像装置21および第3撮像装置22が接続されている。このうち、第1撮像装置20は、セル1の一辺にある左右2箇所のセルマーク2を順次撮像するものである。また、第2撮像装置21および第3撮像装置22は、セル1およびTAB4にそれぞれ形成されたセルリード3およびTABリード5の左側および右側の端部領域をそれぞれ撮像するものである。なおここでは、第2撮像装置21は左側セルリード部の特徴部分(以下単に「左側セルリード部」という)(一方の第1マーク)CLとこれに対応するTAB4の左側TABリード部の特徴部分(以下単に「左側TABリード部」という)(一方の第2マーク)TLとを含む左側の端部領域を撮像し、第3撮像装置22はセル1の右側セルリード部の特徴部分(以下単に「右側セルリード部」という)(他方の第1マーク)CRとこれに対応するTAB4の右側TABリード部の特徴部分(以下単に「右側TABリード部」という)(他方の第2マーク)TRとを含む右側の端部領域を撮像する。
【0017】
また、駆動制御装置8には、マーク教示装置11、教示誤差補正量設定装置12および上位コンピュータ9が接続されている。このうち、マーク教示装置11は、左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのパターンおよび基準位置を教示するものである。なお、マーク教示装置11による教示作業はモニタ画面30上で1画素単位で行われる(図5および図6参照)。また、教示誤差補正量設定装置12は、左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのうちの少なくとも1つの特徴部分の教示された基準位置に対する補正量を設定するものである。さらに、上位コンピュータ9は、ライン全体を統括するパーソナルコンピュータであり、教示誤差補正量設定装置12で設定された補正量をセル1またはTAB4の品種ごとに保持する記憶装置13を有している。
【0018】
次に、図1、図2(a)(b)および図3(a)(b)により、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。なおここでは、セル1およびTAB4に形成された左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのパターンおよび基準位置がマーク教示装置11を介してあらかじめ教示され、その教示データが駆動制御装置8に入力されているものとする。また、図2(a)(b)および図3(a)(b)においては、図面を簡略化するため、セルリード3およびTABリード5の特徴部分である左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのパターンのみを表している。
【0019】
この状態で、セル1上にTAB4を実装する場合には、まず、第1撮像装置20によりセル1の一辺にある左右2箇所のセルマーク2を順次撮像し、その撮像画像に基づいて画像処理によりセルマーク2の位置を検出する。そして、このようにして検出されたセルマーク2の位置に基づいて第1ステージ6によりセル1の平行位置出しを行う。
【0020】
その後、このようにして平行位置出しが行われたセル1に対して第2ステージ7によりTAB4を近づけ、セル1とTAB4とが互いに対向するよう配置する(図2(a)参照)。
【0021】
そして、第2撮像装置21および第3撮像装置22によりセルリード3およびTABリード5の左側および右側の端部領域をそれぞれ撮像する。具体的には、第2撮像装置21によりセル1の左側セルリード部CLとこれに対応するTAB4の左側TABリード部TLとを含む左側の端部領域を撮像し、第3撮像装置22によりセル1の右側セルリード部CRとこれに対応するTAB4の右側TABリード部TRとを含む右側の端部領域を撮像する。
【0022】
その後、駆動制御装置8は、第2撮像装置21および第3撮像装置22で得られた撮像画像と、マーク教示装置11で教示された教示データとに基づいて、セル1およびTAB4にそれぞれ形成された左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRの位置をマッチング法による画像認識処理により検出し、この検出結果に基づいて第1ステージ6および第2ステージ7を駆動してセル1とTAB4との位置合わせを行う。具体的には、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CRの中間位置CCと、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRの中間位置TCとが揃うようセル1とTAB4との位置合わせを行う(図2(b)参照)。
【0023】
最後に、このようにして位置合わせが行われたセル1とTAB4とを圧着装置(図示せず)により異方性導電膜等を介して圧着する。
【0024】
ここで、マーク教示装置11による教示作業時に教示誤差が生じ、右側セルリード部CRのパターンの教示位置が実際の位置に対してX方向に+0.50画素(図2(a)(b)および図3(a)(b)に示す距離aに相当)分だけずれた位置にあるものとして教示された場合を想定する。なおここでは、説明を簡略化するため、右側セルリード部CR以外の左側セルリード部CL、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRには教示誤差が生じていないものとする。
【0025】
図2(a)(b)は教示誤差を補正することなくセル1上にTAB4を圧着する場合の位置合わせ動作を説明するための図である。
【0026】
図2(a)に示すように、右側セルリード部CRのパターンの教示位置に教示誤差が生じている場合には、マッチング法による画像認識処理が行われた時点で、右側セルリード部CRが正規の位置にあったとしても得られる位置情報としては、右側セルリード部CRはX方向に+aだけずれた符号CR′の位置にあるものとして検出される。そして、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CR(CR′)の中間位置CCはX方向に+a/2だけずれた符号CC′の位置にあるものとして認識される。
【0027】
このため、この状態で、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CR(CR′)の中間位置CC′と、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRの中間位置TCとが揃うようセル1とTAB4との位置合わせを行うと、図2(b)に示すように、TAB4がX方向に+a/2だけずれた状態でセル1上に圧着されることとなる。
【0028】
そこで、本実施の形態においては、セル1上にTAB4を試験的に実装(仮実装)した後、セル1とTAB4との位置ずれ量を検出し、この位置ずれ量に基づいて教示誤差を補正するようにする。
【0029】
具体的には、まず、仮実装後のセル1およびTAB4について、左側セルリード部CLと左側TABリード部TLとの間の位置ずれ量(左側端部位置ずれ量)、および右側セルリード部CRと右側TABリード部TRとの間の位置ずれ量(右側端部位置ずれ量)を顕微鏡等を用いて観察する。なおこのとき、顕微鏡の分解能は、マーク教示装置11による教示作業の分解能(1画素)よりも高い測定精度が得られるものを用いる。また、顕微鏡の代わりに、教示作業に用いる撮像装置21,22よりも高い分解能を有する撮像装置を用いて位置ずれ量を測定するようにしてもよい。
【0030】
次に、この検出された位置ずれ量に基づいて、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CR(CR′)の中間位置CC′と、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRの中間位置TCとの間の相対的な位置ずれ量(左側端部位置ずれ量と右側端部位置ずれ量との平均値)を算出する。
【0031】
その後、この算出された位置ずれ量に基づいて、左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのうちいずれか1つの特徴部分の教示された基準位置に対する補正量を算出する。
【0032】
ここで例えば、図2(b)に示すように、仮実装後のTAB4がセル1に対してX方向に+a/2だけずれていた場合には、TAB4の右側TABリード部TRの教示データ(基準位置)をX方向に+aだけ補正するようにする。この場合には、図3(a)に示すように、マッチング法による画像認識処理が行われた時点で、右側セルリード部CRが正規の位置にあったとしても、X方向に+aだけずれた符号CR′の位置にあるものとして検出されるとともに、右側TABリード部TRも同様に符号TR″の位置にあるものとして検出される。そして、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CRの中間位置CCがX方向に+a/2だけずれた符号CC′の位置にあるものとして認識されるとともに、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRの中間位置TCがX方向に+a/2だけずれた符号TC″の位置にあるものとして認識される。
【0033】
このため、この状態で、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CR(CR′)の中間位置CC′と、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TR(TR″)の中間位置TC″とが揃うようセル1とTAB4との位置合わせを行うと、図3(b)に示すように、TAB4がセル1上の正しい位置に圧着される。
【0034】
なお、上述したようにして算出される補正量は、教示誤差補正量設定装置12を介して人手により設定することができる。図4は教示誤差補正量設定装置12の設定画面の一例を示す図である。図4に示すように、設定画面40上にはタッチパネル式のテンキー41が設けられており、このテンキー41を介して、左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのそれぞれについて、基準位置のX方向およびY方向の補正量を数値(実際の距離または画素単位)により設定することができる。
【0035】
なお、このようにして設定された補正量は、補正量表示フィールド42上に確認のために表示されるとともに、駆動制御装置8に入力され、駆動制御装置8により、教示誤差補正量設定装置12で教示された教示データが補正される。
【0036】
また、このようにして設定された補正量は、セル1またはTAB4の品種ごとに上位コンピュータ9の記憶装置13に保持され、上位コンピュータ9の操作パネル(図示せず)にて入力されるセル1またはTAB4の品種情報(型式番号や品種名等)に基づいて、駆動制御装置8により、記憶装置13の保持内容の中から対応する補正量を選択して補正量の設定切換えを行い、この切り替えられた補正量に基づいて教示データを補正するようにすることも可能である。
【0037】
このように本実施の形態によれば、教示誤差補正量設定装置12により、セル1およびTAB4にそれぞれ形成された左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRの基準位置に対する補正量を設定することができるので、マッチング法による画像認識処理のための教示作業をモニタ画面30上で1画素単位で行う場合でも、セル1とTAB4との位置合わせの精度を容易かつ確実に向上させることができる。
【0038】
また本実施の形態によれば、教示誤差補正量設定装置12で設定された補正量をセル1またはTAB4の品種ごとに記憶装置13に保持し、駆動制御装置8により、記憶装置13の保持内容の中から対応する補正量を選択し、補正量の設定換えを行うようにしているので、同じ品種のセル1またはTAB4について教示誤差の補正量を繰り返し設定する必要がなくなり、作業効率を向上させることができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態においては、TAB4の右側TABリード部TRの基準位置を補正しているが、左側セルリード部CL、右側セルリード部CRまたは左側TABリード部TLのいずれの基準位置を補正することによっても同様の作用効果を奏することができる。具体的には例えば、左側セルリード部CLあるいは右側セルリード部CRの基準位置を補正する場合であれば、これらをX方向に−aだけずらすような補正量を設定する。また、左側TABリード部TLの基準位置を補正する場合であれば、これをX方向に+aだけずらすような補正量を設定する。
【0040】
また、上述した実施の形態においては、左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのうちのいずれか1つの特徴部分の基準位置を補正しているが、2つ以上の特徴部分の基準位置を補正することによっても同様の作用効果を奏することができる。具体的には例えば、2つの特徴部分(例えば左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TR)の基準位置を補正する場合であれば、これらをそれぞれX方向に+a/2ずつずらすような補正量を設定する。また、4つの特徴部分の全ての基準位置を補正する場合であれば、左側セルリード部CLおよび右側セルリード部CRをそれぞれX方向に−a/4ずつずらし、かつ左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRをそれぞれX方向に+a/4ずつずらすような補正量を設定する。
【0041】
さらに、上述した実施の形態においては、セルリード部3およびTABリード5の特徴部分である左側セルリード部CL、右側セルリード部CR、左側TABリード部TLおよび右側TABリード部TRのパターンを用いてセル1およびTAB4の位置を検出しているが、これに限らず、セル1およびTAB4上に専用に設けたマークを用いてセル1およびTAB4の位置を検出するようにしてもよい。
【0042】
なお、上述した実施の形態においては、セル1とTAB4との間の位置ずれ量として一次元的な状態量(X方向の変位量)を検出するようにしているが、これに限らず、多次元的な状態量(X方向、Y方向およびθ方向の変位量等)を検出することも可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、マッチング法による画像認識処理のための教示作業をモニタ画面上で1画素単位で行う場合でも、基板と電子部品との位置合わせの精度を容易かつ確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による部品実装装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】教示誤差を補正することなくセル上にTABを圧着する場合の位置合わせ動作を説明するための概念図。
【図3】教示誤差を補正した上でセル上にTABを圧着する場合の位置合わせ動作を説明するための概念図。
【図4】図1に示す教示誤差補正量設定装置の設定画面の一例を示す図。
【図5】図1に示すマーク教示装置のモニタ画面上で所望の端子パターンを教示する様子を説明するための図。
【図6】図5のV部分を拡大して示す図。
【符号の説明】
1 セル(基板)
2 セルマーク
3 セルリード
4 TAB(電子部品)
5 TABリード
6 第1ステージ
7 第2ステージ
8 駆動制御装置
10 位置合わせ装置
11 マーク教示装置
12 教示誤差補正量設定装置
13 記憶装置
20,21,22 撮像装置
30 モニタ画面
31 端子パターン
32 始点
33 終点
34 基準点
40 設定画面
41 テンキー
42 補正量表示フィールド
CL 左側セルリード部(第1マーク)
CR 右側セルリード部(第1マーク)
TL 左側TABリード部(第2マーク)
TR 右側TABリード部(第2マーク)

Claims (4)

  1. 一対の第1マークを有する基板上に、前記各第1マークにそれぞれ対応する一対の第2マークを有する電子部品を実装する部品実装装置において、
    前記基板および前記電子部品のうち前記各第1マークおよび前記各第2マークを含む領域を撮像する撮像装置と、
    前記各第1マークおよび前記各第2マークのパターンおよび基準位置を教示するマーク教示装置と、
    前記撮像装置で得られた撮像画像と、前記マーク教示装置で教示された教示データとに基づいて、前記基板および前記電子部品がそれぞれ有する前記各第1マークおよび前記各第2マークの位置を検出するとともに、前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置とに基づいて前記基板と前記電子部品との位置合わせを行う位置合わせ装置と、
    前記一対の第1マークおよび前記一対の第2マークのうちの少なくとも1つのマークの基準位置に対する補正量を設定する教示誤差補正量設定装置とを備え、前記位置合わせ装置は前記教示誤差補正量設定装置で設定された補正量に基づいて前記教示データを補正することを特徴とする部品実装装置。
  2. 前記位置合わせ装置は前記一対の第1マークの中間位置と前記一対の第2マークの中間位置とが揃うよう前記基板と前記電子部品との位置合わせを行うものであり、前記教示誤差補正量設定装置は実装後の前記一対の第1マークの中間位置と前記一対の第2マークの中間位置との位置ずれ量に基づいて前記補正量を決定することを特徴とする請求項1記載の部品実装装置。
  3. 前記教示誤差補正量設定装置で設定された補正量を基板または電子部品の品種ごとに保持する記憶装置をさらに備え、
    前記位置合わせ装置は前記記憶装置の保持内容に基づいて基板または電子部品の品種ごとに補正量を切り替え、この切り替えられた補正量に基づいて前記教示データを補正することを特徴とする請求項1または2記載の部品実装装置。
  4. 一対の第1マークを有する基板上に、前記各第1マークにそれぞれ対応する一対の第2マークを有する電子部品を実装する部品実装方法において、
    前記各第1マークおよび前記各第2マークのパターンおよび基準位置を教示するステップと、
    前記基板および前記電子部品の撮像画像と、前記教示された教示データとに基づいて、前記基板および前記電子部品がそれぞれ有する前記各第1マークおよび前記各第2マークの位置を検出し、前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置とに基づいて前記基板と前記電子部品とを位置合わせして前記基板上に前記電子部品を仮付けするステップと、
    この仮付け後の基板および電子部品について前記各第1マークとこれに対応する前記各第2マークとの相対的な位置ずれ量を検出し、
    この検出された位置ずれ量に基づいて前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置との相対的な位置ずれ量を算出するステップと、
    この算出された位置ずれ量に基づいて前記教示データのうち前記一対の第1マークおよび前記一対の第2マークのうちの少なくとも1つのマークの基準位置に対する補正量を算出するステップと
    この算出された補正量に基づいて前記教示データを補正するステップと、
    本実装の対象となる基板および電子部品の撮像画像と、前記補正された教示データとに基づいて、前記基板および前記電子部品がそれぞれ有する前記各第1マークおよび前記第2マークの位置を検出し、前記一対の第1マークの位置と前記一対の第2マークの位置とに基づいて前記基板と前記電子部品とを位置合わせして前記基板上に前記電子部品を実装するステップとを含むことを特徴とする部品実装方法。
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