JP3907273B2 - トナー補給方法及びトナー容器及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やプリンター等の画像形成装置にトナーを補給するためのトナー補給方法及びトナー容器及び電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は後述の従来の技術をさらに発展させたものであって、下記のようなトナー補給方法及びトナー容器及び電子写真画像形成装置を提供することを目的とする。
(1)製造コスト低減
(2)トナーをトナー容器から排出するための駆動トルク低減
(3)トナー漏れ防止
(4)トナーが溶融固着した粗大粒子の発生防止
(5)画像形成装置本体のスペースの有効利用
(6)トナー容器の大容量化対応
(7)再生利用しやすい
(8)トナーを効果的にほぐして確実に排出させる
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る発明は、内部にトナーが充填されたトナー容器を、揺動手段を用いて揺動軸を中心に揺動することで、該トナー容器における揺動軸方向の端部に設けられたトナー排出口からトナーを送り出すトナー補給方法であって、前記トナー容器の内壁には、前記揺動手段による揺動動作における一方の回転時における回転方向上流側の端部が該回転方向下流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第1突起部と、前記一方回転方向下流側の端部が前記一方向回転上流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第2突起部と、が設けられ、かつ、前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記第1突起部の前記揺動軸方向における位置と、前記第2突起部の前記揺動軸方向における位置とが、一部同じとなるように設けられ、前記トナー容器内のトナーを、前記揺動動作によって、前記第1突起部と前記第2突起部との間で受け渡しながら前記トナー排出口に向けて移動し、前記トナー排出口から送り出すことを特徴とするトナー補給方法である。
【0004】
また、本出願に係る発明は、画像形成装置本体に装着され、前記画像形成装置本体に設けられた揺動手段によって揺動軸を中心に揺動されることで、内部に充填されたトナーがトナー排出口から排出されるトナー容器であって、前記トナー排出口は、該トナー容器における揺動軸方向の端部に設けられ、前記トナー容器の内壁には、前記揺動手段による揺動動作における一方の回転時における回転方向上流側の端部が該回転方向下流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第1突起部と、前記一方回転方向下流側の端部が前記一方向回転上流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第2突起部と、が設けられ、かつ、前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記第1突起部の前記揺動軸方向における位置と、前記第2突起部の前記揺動軸方向における位置とが、一部同じとなるように設けられ、前記トナー容器内のトナーは、前記揺動動作によって、前記第1突起部と前記第2突起部との間で受け渡されながら前記トナー排出口に向けて移動させられ、前記トナー排出口から送り出されることを特徴とするトナー容器である。
【0017】
また、本出願に係る発明は、トナー容器を装着されてトナーの補給を受け、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
a.電子写真感光体ドラムと、
b.前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像をトナーを用いて現像するための現像手段と、
c.内部に充填されたトナーを排出する為のトナー排出口を有する前記トナー容器を、取り外し可能に装着する装着手段と、
d.前記装着手段に装着された前記トナー容器を、揺動軸を中心として揺動させる揺動手段と、
e.前記トナー排出口から送り出されるトナーを受け入れる前記現像手段に用いるトナーを貯留するトナーホッパーと、
を有し、
前記トナー排出口は、前記トナー容器における揺動軸方向の端部に設けられ、
前記トナー容器の内壁には、前記揺動手段による揺動動作における一方の回転時における回転方向上流側の端部が該回転方向下流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第1突起部と、前記一方回転方向下流側の端部が前記一方向回転上流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第2突起部と、が設けられ、
かつ、前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記第1突起部の前記揺動軸方向における位置と、前記第2突起部の前記揺動軸方向における位置とが、一部同じとなるように設けられ、
前記揺動手段が前記装着手段に装着された前記トナー容器を揺動することによって、前記トナー容器内のトナーを、前記第1突起部と前記第2突起部との間で受け渡しながら前記トナー排出口に向けて移動し、前記トナー排出口から送り出すことを特徴とする電子写真画像形成装置である。
【0023】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機やプリンター等の画像形成装置には現像剤として微粉末のトナーが使用されている。そして、画像形成装置本体の現像剤が消費された場合には、トナー容器を用いて画像形成装置へトナーを補給することが行われている。
【0024】
トナーは極めて微細な粉末であるため、トナー補給作業時にトナーが飛散してオペレータや周囲を汚すという問題があった。このため、トナー容器を画像形成装置本体の内部に据え置いて、小さな開口部から少量ずつトナーを排出する方式が提案、実用されている。このような方式にあってはトナーは重力等の作用で自然に排出させるのは困難であり、何らかのトナー撹拌搬送手段が必要となる。
【0025】
そこでトナー容器内部には螺旋状のトナー撹拌搬送部材が設けられ、トナー容器の端部壁面を貫通して容器外部より駆動を受けるようになっている。また撹拌部材の駆動側と反対側は自由端となっている。
【0026】
撹拌部材がトナー容器の端部壁面を貫通している部分には何らかの軸受けシール機構が必要とされる。シール機構の構成は、撹拌部材の端部にギア部材を連設し、ギア部材と容器壁面との間にシール部材を挟持するようにしたものが一般的である。シール部材としては、ドーナツ状の羊毛フエルトやオイルシール等が用いられる場合が多い。
【0027】
このトナー容器は画像形成装置本体内に装着したまま使用され、画像形成装置本体側からの駆動によりトナー攪拌搬送部材で回転することでトナーを搬送し、開口部から少量ずつトナーを落下、排出するようになっている(特公平7−113796号公報、特開平6−99176号公報参照)。
【0028】
また内部にねじ羽根を有する円筒形トナー容器を回転してトナーを排出することが提案されている(特開平7−44000号公報参照)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図12は本発明に係るトナー補給装置を有する電子写真画像形成装置の縦断面図である。
【0031】
原稿101は原稿台ガラス102の上に置かれ光学部103の複数のミラーとレンズにより感光体ドラム104上に原稿の情報が結像するように配置される。給紙カセット105〜108に積載された用紙Pのうち不図示の操作部から使用者が入力した情報もしくは原稿101の紙サイズから最適な給紙カセット105〜108を用紙サイズ情報から選択する。そして給紙、分離装置105A〜108Aにより搬送された1枚の用紙Pを搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送し、前記感光体ドラム104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングとを同期させて用紙Pを搬送する。転写、分離帯電器111,112で感光体ドラム104上のトナー像を転写された用紙Pは搬送部113により、搬送されて定着部114にた到り、定着部114で熱と圧力により用紙P上のトナーを定着させたあと
1)片面コピーの場合、排紙反転部115を通過し排紙ローラ116により排紙トレー117へと排出される。
2)多重コピーの場合、排紙反転部115のフラッパー118の制御により用紙Pは再給紙搬送路119,120を搬送され、レジストローラ110まで達し、前記と同様に画像形成、搬送、定着部を通り、今度は排紙トレイ117上に排出される。
3)両面コピーの場合、排紙反転部115を通り、一度排紙ローラ116により用紙Pの一部を機外に排出し、用紙Pの終端がフラッパー118を通過し、排出ローラ116に挟持させているタイミングに前記フラッパー118を制御し、前記排紙ローラ116を逆回転させ用紙Pを再度機内へ搬送し、再給紙搬送路119,120を搬送され、レジストローラ110まで搬送し、前記と同様に画像形成、搬送定着部を通り今度は排紙トレイ117上に排出される。
【0032】
上記構成の電子写真画像形成装置において、感光体ドラム104の回りには現像装置201とクリーニング器202、一次帯電器203等の装置が配置されている。現像装置201は原稿101の情報を光学部103により感光体ドラム104に静電潜像として結像した情報を顕在化するために前記感光体ドラム104上に吸着させるトナーを供給しており、前記現像装置201はトナーを補給するためのトナー容器1が装置本体14に着脱可能に設けられている。
【0033】
上記において、現像装置201は感光体ドラム104と微小隙間(約300μm)をおいて現像ローラ201aを有し、現像に際しては、現像ブレード201bによってトナーに摩擦帯電電荷を与えると共に現像ローラ201aに薄層のトナー層を形成し、感光体ドラム104との間に現像バイアスを加えることにより感光体ドラム104上の潜像を現像する。
【0034】
現像によって減少するトナーはトナーホッパー201cに貯留されており、トナーホッパー201cにトナーがなくなると図示されれないトナー残量検知手段により検出され表示部(不図示)に表示される。これによって使用者は図14に示すようにドア21を開いてトナーの充填されたトナー容器1を装着し、図13のようにドアー21を閉めると後述のようにトナー容器1は開栓され、画像形成装置の作動と共にトナー容器1が揺動して装置本体14のトナーホッパー201cにトナーが補給される。
【0035】
図1は本発明に係るトナー容器の全容を示したものである。中空円筒状のトナー容器1はその内壁にトナー案内部材として螺旋の部分をなす突起形状の案内羽根2が交互に設けられている。トナー容器1と一体に形成されたフランジ部3はその外周に揺動駆動を行なうためのギア3aが設けられている。さらにトナー容器1の一方の端壁である前部端壁1bにはトナー排出口4が開けられている。そして他方の後部端壁1aは閉塞されている。即ち、トナー容器1は容器状である。上記において、トナー容器1、ギア3a、トナー排出口4は同一中心を有する。
【0036】
上記トナー容器1はポリエチレン等のプラスチック材料で形成され、射出成形、ブロー成形、インジョクションブロー成形等の方法で製造するのが好ましいが、他の材料及び製造方法であっても良い。またこれらは一体的に形成するのが好ましいが、2部品あるいはそれ以上の部品に分割し、それらを溶着、接着等の手段で一体化する方法をとっても良い。
【0037】
このように非常に単純な構成であるので回収して再利用することもあるいは、分解して材料として再生することも容易に可能である。
【0038】
図3(a),(b)に示すようにトナー容器1の内壁に沿ってトナー排出口4の軸方向の反対側から見て右ねじれの案内羽根2R1,2R2,2R3,2R4(2Rと総称する)が等ピッチPで設けられ、この右ねじれの案内羽根に対して右ねじれの案内羽根2Rの中間に1/2ピッチずらせて左ねじれの案内羽根2L1,2L2,2L3(2Lと総称する)が等ピッチPで設けられている。左右の案内羽根2R,2Lはねじれ角が等しい。これらの案内羽根2R,2Lは図3(b)に示すように夫々左右対称にトナー容器1の下半円に部分的に設けられ、左右の案内羽根2R,2Lは軸方向から見て重なり部分を有する。本例では左右夫々の案内羽根2R,2Lは四分円よりやや大きな範囲にトナー容器1内に配設されている。トナー容器1をトナー排出口4の軸方向反対側から見て、各案内羽根2R,2Lは夫々半ピッチ手前側の逆ねじれ勝手の案内羽根2R,2Lと間をおいて最下端部2Eが始まっていて各最下端部2Eと対向する案内羽根間には通路a,b,c,d,e,fが設けてある。また、案内羽根2R1の最下端部2Eと後部端壁1a間は通路gを設けてある。
【0039】
上記案内羽根2R,2Lは夫々板状でありトナー容器1の内壁側に対して直立している。
【0040】
次にトナー容器1の画像形成装置本体14への取付け及び駆動手段について図5を用いて説明する。まず、操作者は画像形成装置本体の現像装置(不図示)位置に対応して設けられた装置本体ドア21を開き、ホルダー10にトナー容器1をセットする。ホルダー10はセットされたトナー容器10の円筒中心を中心としてトナー容器1を揺動可能に支持する。この場合、ホルダー10を固定しておいてトナー容器1をホルダー10に対して回動自在に嵌合してもよく、本例のようにホルダー10を揺動自在に支持してホルダー10にトナー容器1を固定してもよい。何れの場合もホルダー10は軸方向へ移動せず、トナー容器1はホルダー10に軸方向へ移動しないように保持される。この際、図6に示すように、排出口4を封止しているキャップ5の凸部5aの根本の溝5bが画像形成装置本体14に図示矢印方向に移動自在に設けられたオープナー23のU溝23aに係合する。次に画像形成装置本体14のドア21を枢軸21aを中心にして閉めるとドア21の回動中心に設けられたギア部22も一体的に回転しギア部22と噛合しているラック部23bを有しトナー容器1の軸方向と平行に移動自在に支持されているオープナー23が図5において上方へ引き上げられ、キャップ5はトナー容器1より引き抜かれる。トナー容器1に設けられたギア3aは画像形成装置本体14に設けられたアイドラギア11を介してギア12に噛合し、ギア12を持つ画像形成装置本体14に設けられたモータ13につながる。
【0041】
画像形成装置本体14からの制御信号によってモータ13の正逆転を繰り返して行なえば、トナー容器1の中心と同心で揺動自在に支持されているホルダー10と共にトナー容器1は揺動を繰り返すようになっている。
【0042】
図2〜図4を用いて、トナー容器1内をトナーが搬送されている様子を説明する。図2(a),(b)、図3(a),(b)、図4(a),(b)のうち各々下に示した図(b)は、トナー容器1を軸直角断面方向から見た図であり、各々上に示した図(a)は夫々の場合において真上から観察した様子を表したものである。
【0043】
図3(b)から図2(b)に示すようにトナー容器1が後部端壁1a側から見て時計回りの方向に揺動した場合案内羽根2L1,2R2間のトナーは矢印▲1▼,▲2▼で示すように案内羽根2L1及び2R1に沿ってすべり落ち通路bをとおり案内羽根2L1と2L2が対向する側へ進む。次に反時計回りに揺動して図3(b)に示すように中立の位置にくると案内羽根2L1,2L2間のトナーは矢印▲3▼,▲4▼に示すように案内羽根2R1,2L2間へ寄せられ、さらに図4(b)に示す位置まで同方向へ揺動すると案内羽根2R2と2L2間のトナーは矢印▲5▼,▲6▼に示すように案内羽根2R2及び2L2に沿ってすべり落ち通路cをとおり案内羽根2R2と2R3とが対向する側へ進む。さらに再び時計回りに揺動して図3(b)の中立位置を通過するにともない今度は矢印▲7▼,▲8▼に示すように案内羽根2R2と2R3間のトナーが案内羽根2L2と2R3との間へ寄せられる。これらの繰り返しによりトナーは徐々にトナー排出口4へと搬送されるものである。
【0044】
さらに作用を詳細に述べる。上記作用はトナー容器1に充填されたトナーに対して同時的に行われるものであり、図3(b)から図2(b)へトナー容器1が回転した状態においては、案内羽根2R1と後部端壁1a間、案内羽根2L1,2R2間、案内羽根2L2,2R3間、案内羽根2L3,2R4間の夫々のトナーは案内羽根2R1と後部端壁1aとの間の通路g、半ピッチずれた左右ねじれの隣接する案内羽根間の通路b,d,fをとおり、夫々、後部端壁1aと案内羽根2L1間、案内羽根2L1,2L2間、案内羽根2L2,2L3間及び案内羽根2L3とトナー排出口4間へ出てトナーの撹拌とトナー排出口4側への送り出しが行われる。
【0045】
上記状態の図2から図3へ示すようにトナー容器1が後部端壁1a側から見て反時計方向に揺動してくると、後部端壁1aと案内羽根2L1間、案内羽根2L1,2L2間、案内羽根2L2,2L3間のトナーは夫々案内羽根2R1,2L1間、案内羽根2R2,2L2間、案内羽根2R3,2L3間へ進み、案内羽根2L3とトナー排出口4間のトナーはトナー排出口4のある前部端壁1bに当り、その上方のトナーはせり上げられ、トナー排出口4より画像形成装置本体14のトナーホッパー201cへ投入される。
【0046】
図3から図4に示すようにさらに後部端壁1a側から見て反時計方向にトナー容器1が回転すると案内羽根2R1,2L1間、案内羽根2R2,2L2間、案内羽根2R3,2L3間のトナーは通路a,c,eをとおり案内羽根2R1,2R2間、案内羽根2R2,2R3間、案内羽根2R3と前部端壁1bとの間へ出る。また案内羽根2R4と前部端壁1b間のトナーはその上方のトナーを持ち上げる作用をし、持ち上げられたトナーの一部はトナー排出口4から排出され画像形成装置本体14のトナーホッパー201cへ投入される。
【0047】
図4から図3に示すように後部端壁1a側から見て時計回りにトナー容器1が回転すると後部端壁1aと案内羽根2R1間、案内羽根2R1,2R2間、案内羽根2R2,2R3間、案内羽根2R3と前部端壁1b間のトナーは、夫々後部端壁1aと案内羽根2R1間の通路g側、案内羽根2L1,2R2間、案内羽根2L2,2R3間、案内羽根2L3,2L4間へ進む。
【0048】
上記を繰り返すことにより、トナー容器1内のトナーはトナー排出口4側へ向って進み、トナー排出口4側ではトナー排出口4がトナー容器1の中心に位置するため、トナーは盛り上がりトナー排出口4からトナーが画像形成装置本体14のトナーホッパー201cへ送り出される。
【0049】
このように本発明によれば、撹拌部材等の接触によらずトナーを搬送するのでトナーが溶融固着して粗大な粒子を発生したりする心配がない。
【0050】
ここで、トナー容器1の揺動角度と案内羽根2の関係は次に述べるような位置関係にあることが好ましい。すなわち、例えば図2(b)に示したような左上死点(図2のように後部端壁1a側から見て時計回りに回動した際の死点をいう)に達したとき案内羽根2の最下端部2Eはトナー容器1の最下点を角度αだけ超過した位置となるようにする。こうすることによって左右の案内羽根2L,2Rはトナー容器1を軸方向からみて互いに重なり部を有することとなり、左ねじれの案内羽根2L1,2L2,2L3に沿ってすべり落ちてきたトナーが次の死点からの戻りの揺動によりさらにトナー排出口4寄りの右ねじれの案内羽根2R2,2R3,2R4のトナー排出口4と対向する面側の下方に夫々より効率良く到達することが可能である。
【0051】
右上死点の状態である図4(b)においても案内羽根2Lの最下端部2Eを同様に設ける。
【0052】
さらに、左上死点及び右上死点に於いて、反対方向への揺動を開始するまでに数秒間の停止時間を設けておくことが好ましい。この間にトナーは充分な距離を滑り落ちより効率良く搬送することが可能となる。具体的には揺動の駆動手段に於いて例えばモータ13を一時的に停止させれば良い。あるいは、完全に停止させなくても緩やかに揺動の折り返しを行なえば同様の効果を得られることは明白である。
【0053】
また本発明に於いては、次のような効果も期待できる。
【0054】
すなわちトナー容器1を揺動することにより、トナー容器1内のトナーを搬送するのみならず同時に充分な撹拌を行なうことができるためブリッジ解消効果を有しさらに、トナーを均一化し、適正トリボに寄与するものである。特にトナー容器1の回転方向が切換わる時にトナーに衝撃的な力が作用し長期間の輸送・放置を経て凝固したトナーでも充分にほぐして確実に排出させることができる。トナーをほぐす効果の観点からは、回転方向の切換えは、停止させることなく瞬時に行うことが好ましい。
【0055】
次にトナーの排出口4について説明する。本発明に係るトナー容器1に於いては、軸方向に搬送されるトナーの最下流の端部側に開口があれば良くトナー排出口4の詳細な位置あるいは形状は特に限定されない。従って画像形成装置本体側からの制約によってある程度自由にトナー排出口4の位置及び形状を設計することが可能である。
【0056】
例えば、図7(a)に示すトナー排出口4−1は、トナー容器1が揺動した場合にも必ず最下点が開口しているように円弧状の開口を前部端壁1bに設けたものである。また図7(b)示す排出口4−2は、揺動の中心に開口を設けたものでトナー容器1の揺動によっても開口は常に一定の位置を保つようになる。この場合にはトナー容器1の軸方向の中間部から端部のトナー排出口4−2に向って軸方向に絞り込んだ円錐形状部1dを有し、その円錐角の2分の1の角度は案内羽根2のねじり角度よりも浅いものであって円錐形状部1d内にも案内羽根2が存在する。
【0057】
いずれにしても、トナー排出口4は画像形成装置本体14側のトナー受口(トナーホッパー201c)と連通しており、トナー容器1から供給されたトナーが画像形成に供せられるようになる。
【0058】
なお、本発明に於ける駆動手段としては前述のモータの正逆転によるものに限定することは本質ではなくトナー容器1に揺動運動を与えるものであればいずれの手段であっても良い。
【0059】
例えば他の実施の形態として図8に示すようにリンクを用いて回転運動を往復運動に変換するような機構であってもかまわない。
【0060】
図8において、トナー容器1は、Oを中心に揺動自在に支持されているホルダー30に固定される。ホルダー30には、中心Oから半径方向に距離R離れてピン31が設けられていて、ピン31はリンク32の一端に回動可能に係合している。リンク32の他端は回転自在に支持される軸34aを備えた円板34の周縁に軸34a中心から距離r離れて設けられたピン33に回動可能に係合する。ここでR>rとなっている。円板34に図示しないモータ等により回転運動を与えれば、リンク32を介してホルダー30が揺動運動を行ないトナー容器1は揺動する。
【0061】
(実施の形態2)
実施の形態2を図9〜図11を用いて説明する。
【0062】
ここで特に記述しない部分については実施の形態1と同様である。
【0063】
図9においてトナー容器1は、断面が円を弦に切った形で軸方向に同一形状で延在し、弦に相当する底部分に平面6を有する。またトナーの案内板7は平板状をなし、平面6に対し、交互に取付けられている。この案内板7は等ピッチでトナー容器1の円筒中心側からトナー排出口4へ向って且つ左方へ向って斜設した案内羽根7L1,7L2,7L3,7L4と、円筒中心側からトナー排出口4へ向って且つ右方へ向って斜設した案内羽根7R1,7R2,7R3を交互に設けてある。
【0064】
図9(a)、図10(a)、図11(a)はトナー容器1の水平断面図であり、図9(b)、図10(b)、図11(b)はそれぞれの場合において図9(a)、図10(a)、図11(a)の軸直角断面図である。図9(b)、図10(b)、図11(b)において平面6に対して垂直な方向(図中矢印)から観察したときのトナーが搬送されていく様子を図9(a)、図10(a)、図11(a)に表してある。
【0065】
実施の形態1と同様トナー容器1が後部端壁1a側から見て時計回りの方向に揺動した場合図9(a)に黒矢印で示すように、トナーは案内板7に沿ってすべり落ちる。
【0066】
次に、後部端壁1a側から見てトナー容器1が反時計回りに揺動を開始すると図9(a)に白矢印で示す向きにトナーは動き出し、図10(b)の中立の位置を経た後に図11に示した状態に達する。図11(a)でもトナーは黒矢印のように移動し、図9(b)と比べてトナー容器1の軸線に対して反対側に寄せられると同時により排出側寄りの案内板7に達するようになる。図11(b)から更に後部端壁側から見て反対側の反時計方向へのトナー容器1の揺動が続けば図11(a)に白矢印で示した向きにトナーは動き出し、さらにトナー排出口4側へと移動する。
【0067】
これらの繰り返しによりトナーは徐々にトナー排出口4へと搬送されるものである。
【0068】
実施の形態2においてトナー容器1の底部に平面6を有しているので、トナー容器1が揺動して傾いたときに平面6が斜面を形成することにより、この斜面に沿ってもトナーがすべり落ちるという効果を有する。すなわち、トナーは案内板7と平面6の両方の傾斜により搬送されるためより効率の良いトナー搬送が可能である。
【0069】
上述ではトナー容器(容器本体)の形状は断面が円または欠円形のものを述べたが、これに限定される訳ではなく断面が多角形、例えば四角形或は長円形等でもよい。また容器本体の長手方向が総て同一断面に限られる訳ではなく、実施の形態の説明で述べたように円筒と円錐の組合せのように長手方向(軸方向)で断面の大きさを変えてもよい。
【0070】
また実施の形態では、トナー容器内に案内羽根を設けてあるが、羽根形状に限られず、上記案内羽根間に形成されるトナーの通路を溝形状で備えてもよいことは明白であって、案内羽根を例えば断面が三角形としてトナー容器の内壁から三角形の幅の広い基底として立設してもよく、一般に突起部であればよい。
【0071】
また案内羽根はトナー容器の内壁から直立させているが、トナー容器の内壁に対して傾斜して設けてもよい。
【0072】
また、案内羽根根本とトナー容器の内壁間は円弧等の曲面でなめらかにつらなるようにしてもよい。
【0073】
また、容器本体内部に設ける突起部も板状に限られない。そして突起のピッチも必ずしも一定でなくてもよく、目的により、軸方向に次第にピッチを変更するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば下記の効果がある。
(1)トナー容器は部品点数、組立工数を少なくし、製造コストを低減する。
(2)トナー容器に軸受けシール機構がないため、回転トルクが上昇しない。
(3)トナー容器に軸受けシール機構がないため、この部分からのトナー漏れもない。
(4)トナー容器中でトナーが溶融固着した粗大粒子が発生しない。
(5)トナー容器の容器本体の形状に自由度があり、画像形成装置本体のスペースを有効に利用できる。
(6)トナー容器の大容量化にも対応できる。
(7)使用済みトナー容器の再生利用が容易にできる。即ち一体物であって摩耗部分がなく清掃するのみで再利用できる。またトナー容器は全体を同一樹脂で製作できるので分解して選別することなく粉砕して成形材料に再生することも容易である。
(8)長期間の輸送・保管を経た後でもたとえトナー容器を画像形成装置へ装着する前に予かじめ振らなくてもトナーをほぐして確実に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は何れも本発明の実施の形態を示し
【図1】一部断面で示すトナー容器の斜視図である。
【図2】実施の形態1を示し(a)はトナー容器の水平断面図、(b)は(a)の軸直角断面図である。
【図3】実施の形態1を示し(a)はトナー容器の水平断面図、(b)は(a)の軸直角断面図である。
【図4】実施の形態1を示し(a)はトナー容器の水平断面図、(b)は(a)の軸直角断面図である。
【図5】画像形成装置本体のトナー補給装置を示す平面図である。
【図6】トナー容器の開栓手段の一部を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)は夫々が実施の形態1の変形例を示す正面図、(c)は(b)の平面図である。
【図8】他のトナー補給装置を示す正面図である。
【図9】(a)は実施の形態2の水平断面図であり、(b)は(a)の軸直角断面図である。
【図10】(a)は実施の形態2の水平断面図であり、(b)は(a)の軸直角断面図である。
【図11】(a)は実施の形態2の水平断面図であり、(b)は(a)の軸直角断面図である。
【図12】画像形成装置の縦断面図である。
【図13】画像形成装置の斜視図である。
【図14】画像形成装置のトナー補給の説明のための斜視図である。
【符号の説明】
1…トナー容器 1a…後部端壁 1b…前部端壁 1d…円錐形状部
2…案内羽根 2L1,2L2,2L3…左ねじれの案内羽根 2R1,2R2,2R3,2R4…右ねじれ案内羽根 2E…最下端部
3…フランジ部 3a…ギア
4…トナー排出口 4−1,4−2…トナー排出口
5…キャップ 5a…凸部 5b…溝
6…平面
7…案内板 7L1,7L2,7L3,7L4,7R1,7R2,7R3…案内羽根
10…ホルダー
11…アイドラギア
12…ギア
13…モータ
14…装置本体
21…ドア 21a…枢軸
22…ギア部
23…オープナー 23a…U溝 23b…ラック部
30…ホルダー
31…ピン
32…リンク
33…ピン
34…円板 34a…軸
101…原稿
102…原稿台ガラス
103…光学部
104…感光体ドラム
105…給紙カセット 105A…給紙分離装置
106…給紙カセット 106A…給紙分離装置
107…給紙カセット 107A…給紙分離装置
108…給紙カセット 108A…給紙分離装置
109…搬送部
110…レジストローラ
111…転写帯電器
112…分離帯電器
113…搬送部
114…定着部
115…排紙反転部
116…排紙ローラ
117…排紙トレー
118…フラッパー
119…再給紙搬送路
120…再給紙搬送路
201…現像装置 201a…現像ローラ 201b…現像ブレード 201c…トナーホッパー
202…クリーニング器
203…一次帯電器
P…用紙
a,b,c,d,e,f,g…通路
Claims (10)
- 内部にトナーが充填されたトナー容器を、揺動手段を用いて揺動軸を中心に揺動することで、該トナー容器における揺動軸方向の端部に設けられたトナー排出口からトナーを送り出すトナー補給方法であって、
前記トナー容器の内壁には、前記揺動手段による揺動動作における一方の回転時における回転方向上流側の端部が該回転方向下流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第1突起部と、前記一方回転方向下流側の端部が前記一方向回転上流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第2突起部と、が設けられ、
かつ、前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記第1突起部の前記揺動軸方向における位置と、前記第2突起部の前記揺動軸方向における位置とが、一部同じとなるように設けられ、
前記トナー容器内のトナーを、前記揺動動作によって、前記第1突起部と前記第2突起部との間で受け渡しながら前記トナー排出口に向けて移動し、前記トナー排出口から送り出すことを特徴とするトナー補給方法。 - 画像形成装置本体に装着され、前記画像形成装置本体に設けられた揺動手段によって揺動軸を中心に揺動されることで、内部に充填されたトナーがトナー排出口から排出されるトナー容器であって、
前記トナー排出口は、該トナー容器における揺動軸方向の端部に設けられ、
前記トナー容器の内壁には、前記揺動手段による揺動動作における一方の回転時における回転方向上流側の端部が該回転方向下流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第1突起部と、前記一方回転方向下流側の端部が前記一方向回転上流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第2突起部と、が設けられ、
かつ、前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記第1突起部の前記揺動軸方向における位置と、前記第2突起部の前記揺動軸方向における位置とが、一部同じとなるように設けられ、
前記トナー容器内のトナーは、前記揺動動作によって、前記第1突起部と前記第2突起部との間で受け渡されながら前記トナー排出口に向けて移動させられ、前記トナー排出口から送り出されることを特徴とするトナー容器。 - 前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記トナー容器を前記揺動軸方向から見て互いに重なり部を有することを特徴とする請求項2に記載のトナー容器。
- 前記トナー排出口は容器本体にトナーを充填された後にキャップにより栓をされていることを特徴とする請求項2に記載のトナー容器。
- 前記第1突起部と前記第2突起部とは、板状の案内部材であることを特徴とする請求項2に記載のトナー容器。
- 前記トナー容器は円筒形であって円筒の端壁中心にトナー排出口を有することを特徴とする請求項2に記載のトナー容器。
- 前記トナー容器は円筒形であって、前記第1突起部と前記第2突起部とは夫々トナー容器の円周の中心を中心とするら旋状であることを特徴とする請求項2から6の何れか1つに記載のトナー容器。
- 前記トナー容器の外周に、前記画像形成装置本体に装着された際、前記揺動手段のギアと噛み合うギアが一体又は固定して設けられていることを特徴とする請求項2から7の何れか1つに記載のトナー容器。
- トナー容器を装着されてトナーの補給を受け、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
a.電子写真感光体ドラムと、
b.前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像をトナーを用いて現像するための現像手段と、
c.内部に充填されたトナーを排出する為のトナー排出口を有する前記トナー容器を、取り外し可能に装着する装着手段と、
d.前記装着手段に装着された前記トナー容器を、揺動軸を中心として揺動させる揺動手段と、
e.前記トナー排出口から送り出されるトナーを受け入れる前記現像手段に用いるトナーを貯留するトナーホッパーと、
を有し、
前記トナー排出口は、前記トナー容器における揺動軸方向の端部に設けられ、
前記トナー容器の内壁には、前記揺動手段による揺動動作における一方の回転時における回転方向上流側の端部が該回転方向下流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第1突起部と、前記一方回転方向下流側の端部が前記一方向回転上流側の端部よりも前記トナー排出口に近くなるように配置された第2突起部と、が設けられ、
かつ、前記第1突起部と前記第2突起部とは、前記第1突起部の前記揺動軸方向における位置と、前記第2突起部の前記揺動軸方向における位置とが、一部同じとなるように設けられ、
前記揺動手段が前記装着手段に装着された前記トナー容器を揺動することによって、前記トナー容器内のトナーを、前記第1突起部と前記第2突起部との間で受け渡しながら前記トナー排出口に向けて移動し、前記トナー排出口から送り出すことを特徴とする電子写真画像形成装置。 - 前記トナー容器の外周には、一体または固定されたギアが設けられ、
前記揺動手段は、正逆転可能なモータと、該モータで駆動されるギア列と、を有し、
前記トナー容器を前記装着手段に装着した際、該ギア列の中の出力ギアは、前記トナー容器の外周に設けられたギアと噛合することを特徴とする請求項9に記載の電子写真画像形成装置。
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