JP3542461B2 - トナー供給容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やプリンター等の電子写真画像形成装置にトナーを補給するためのトナー供給容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機やプリンター等の電子写真画像形成装置には現像剤として微粉末のトナーが使用されている。そして、電子写真画像形成装置本体のトナーが消費された場合には、トナー供給容器を用いて画像形成装置ヘトナーを補給することが行われている。
【0003】
ここで、トナーは極めて微細な粉末であるため、トナー補給作業時には、トナーが飛散しないようトナー供給容器を画像形成装置本体の内部に据え置いて、小さな開口部から少量ずつトナーを排出する方式が提案、実用されている。このような方式にあってはトナーは重力等の作用で自然に排出させるのは困難であり、何らかのトナー搬送手段が必要となる。
【0004】
そして、このようなトナー搬送手段を備えたトナー供給容器としては、例えば特開昭61−99176号公報に開示されているトナー供給容器がある。ここで、このトナー供給容器は、スクリュー状の搬送部材を備えており、トナー供給容器内のトナーは、この搬送部材により搬送されて、容器の下面に設けられたトナー排出口より落下するように構成されている。
【0005】
なお、この容器内には撹拌部材が回転自在に収納されており、搬送部材の端部に取着されたスプロケットと撹拌部材の対応する端部に設けられた複数個の爪とが噛み合うことで、駆動部からの駆動により搬送部材の回転に従動して撹拌部材が回転するようになっている。これにより、容器内のトナーの固まりや片寄りを防止して、トナーを残留させることなく確実に排出することができるように構成されている。
【0006】
また他の例としては、特公平7−58405号公報に開示されているトナー供給容器がある。ここで、このトナー供給容器は、スクリュー状の搬送部材を有する供給容器に対して、一端が固着され、他端が揺動自在な螺旋状撹拌部材を備えたトナー供給容器を取り付け、螺旋状撹拌部材を揺動させるようにしている。これにより、上記トナー供給容器と同様にトナーのブロッキングを防止し、トナーを完全に排出するように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のトナー供給容器よりも優れたトナー供給容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電子写真画像形成装置に装着された状態で前記電子写真画像形成装置の被供給部にトナーを供給するトナー供給容器において、前記トナーを収容し、長手方向一端側にトナー供給部が突設された容器本体と、前記トナー供給部の一端部に形成されたトナー供給口と、前記容器本体の長手方向に沿って設けられた回転部材と、前記容器本体内にて前記回転部材と当接自在に設けられた可撓性部材と、を有し、前記回転部材が回転に伴って前記可撓性部材を前記回転部材の軸方向へ揺動させ、前記トナー供給口に向けてトナーを搬送するように構成したことを特徴とするトナー供給容器である。
【0009】
請求項2の発明は、前記回転部材はトナーを搬送する螺旋状の搬送羽根を有し、前記可撓性部材は前記螺旋状の搬送羽根との当接により揺動自在であることを特徴とするトナー供給容器である。
【0010】
請求項3の発明は、前記回転部材は回転軸に対し交互に千鳥状に且つ平行に設けられた可撓性の翼部を有し、前記可撓性部材は前記可撓性の翼部に押圧されて揺動することを特徴とするトナー供給容器である。
【0023】
また本発明のように、粉体トナー収納部内に回転により粉体トナーをトナー供給口に搬送した後、被供給部に供給する搬送部材を設ける一方、粉体トナー収納部内に搬送部材の回転に伴って粉体トナー供給部の一端部に設けられたトナー供給口に向って揺動する攪拌部材を吊着することにより、トナーを崩して確実に残りなくトナーを供給することができる。
【0024】
また本発明のように、攪拌部材を粉体トナー収納部に一体的に設けることにより、組み立てを容易とすると共に、製造コストを低減することができる。
【0025】
また本発明のように、攪拌部材が可撓性を有するようにすることにより、高密度なトナーが充満した初期状態においては極く僅かに変形するのみとなり、起動トルクの負荷とはならないようにすることができる。また、トナーが次第に少なくなるのにつれて大きく揺動するようになり、効果的にトナーを崩すことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0027】
まず最初に本発明に係るトナー供給容器が装着される電子写真画像形成装置の一例である電子写真複写装置の構成について図1に基づいて説明する。
【0028】
同図において、100は電子写真複写装置本体(以下装置本体という)である。また、101は原稿であり、原稿台ガラス102の上に置かれ、光学部103の複数のミラーMとレンズLnにより、ドラム104上に現像の情報が結像するように配置されている。105〜108はカセットであり、これらカセット105〜108に積載された用紙Pのうち、操作部(不図示)から使用者が入力した情報もしくは原稿101の紙サイズから最適な用紙をカセット105〜108の用紙サイズ情報から選択する。
【0029】
そして、給紙、分離装置105A〜108Aにより搬送された1枚の用紙Pを、搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送し、ドラム104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングを同期させて搬送する。なお、111,112は転写、分離帯電器である。
【0030】
この後、搬送部113により搬送された用紙Pは、定着部114において熱と圧により用紙上のトナーを定着させた後、片面コピーの場合には、排紙反転部115を通過し、排紙ローラ116により排紙トレイ117へ排出される。また、両面コピーの場合には、排紙反転部115のフラッパ118の制御により、再給紙搬送路119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排紙トレイ117へ排出される。
【0031】
また、多重コピーの場合には、用紙Pは排紙反転部115を通り、一度排紙ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、用紙Pの終端がフラッパ118を通過し、排紙ローラ116にまだ挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排紙ローラ116を逆回転させることにより、再度装置内へ搬送される。さらにこの後、再給紙搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排紙トレイ117へ排出される。
【0032】
ところで、上記構成の装置本体100において、ドラム104の回りには現像器201、クリーナ部202、一次帯電器203等が配置されている。ここで、現像器201は、原稿101の情報を光学部103によりドラム104に静電潜像として結像した情報を顕在化するためにトナーをドラム104上に吸着させるものであり、この現像器201へトナーを補給するためのトナー供給容器1が装置本体100に着脱可能に設けられている。
【0033】
なお、このトナー供給容器1は、図2に示す外装カバーであるトナー供給容器交換用カバー15(以下交換用カバーという)を図3に示すように開けることにより、駆動系(不図示)より駆動され、所定の位置まで引き出されたトナー受け台50上にトナー供給容器1を設置する。もしくは引き出されたトナー受け台50に載っているトナー供給容器1を取り除くことが可能なように構成されている。なお、トナー受け台50を介することなく、トナー供給容器1を直接装置本体100に設置し、又、装置本体100から取り外してもよい。
【0034】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るトナー供給容器について図4を用いて説明する。なお、同図は本実施の形態に係るトナー供給容器が装置本体に設置され、開封(開口)された状態の正面断面図である。
【0035】
図4において、1Aは粉体トナー供給容器本体(以下容器本体という)、2は容器本体1Aに収納されている粉体トナーを装置本体100に取り付けられた被供給部である現像器201に供給する搬送部材、3は封止部材、4はカップリング部材、8は攪拌部材、9は装置本体100側に形成されたトナー受け入れ口である。
【0036】
ここで、この容器本体1Aは、上面が開口されると共に下部が細い筒状形状を有する一方、一側面1A1の下部には筒状の粉体トナー供給部1aが突設され、またこの粉体トナー供給部1aの一端部には粉体トナー供給口1gが設けられている。また、他側面1Bの内壁面の、トナー供給部1aに対応する位置には搬送部材2を回転自在に保持するための受け部1bが形成されている。
【0037】
なお、容器本体1Aはプラスチック等の樹脂を射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形等の方法で製造するのが好ましいが、他の材料及び製造方法であっても良い。また容器本体1Aは、便宜2部分あるいはそれ以上の部分に分割し、それらを溶着、接着等の手段で一体化する方法で製造しても良い。
【0038】
一方、搬送部材2は、容器本体1Aに収納されている粉体トナーをトナー供給口1gに搬送した後、現像器201に供給するためのものであり、軸部2Aと、この軸部2Aに設けられると共に軸部2Aの回転により粉体トナーを搬送する搬送体である螺旋状の搬送羽根2Bとを備え、軸部2Aの軸線がトナー供給口1gの中心と略一致した状態で容器本体1Aに設けられている。
【0039】
なお、この搬送部材2は、図4に示すようにトナー供給部1aの内部に延在する延在部分2Cを有しており、本実施の形態において、この延在部分2Cは、さらにトナー供給部1aの外方に突出している。そして、この延在部分2Cに装置本体100側から回転駆動を受けることができるよう封止部材3が軸方向に移動可能に取り付けられるようになっている。
【0040】
ここで、この延在部分2Cの一端部2aは、装置本体100側から封止部材3を介して回転駆動を受けることができるような形状、本実施の形態においてはHカット形状となっている。また、軸部2Aの他端部2bは容器本体1Aの受け部1bに係合されており、これにより搬送部材2は回転自在に保持されるようになっている。
【0041】
一方、この搬送部材2は、搬送羽根2Bがトナー供給部1aの内壁面に非接触の状態で、かつトナー供給部1aに対し略水平となる状態で封止部材3に保持されるようになっている。そして、このように搬送部材2を保持することにより、搬送部材2の回転によりトナーをトナー供給口1gに向けて略水平に搬送することができると共に、トナー供給部1aの内壁面と搬送羽根2Bとの間に微細なトナーが巻き込まれ、強く摺擦されて、内壁面にトナーが溶融固着するのを防ぎ、粗大粒子が発生するという現象を防ぐようにしている。
【0042】
なお、この搬送部材2もプラスチック等の樹脂を射出成形等の方法で製造するのが簡便で好ましいが、他の材料及び製造方法であっても、任意に分割、接合して製造しても構わない。
【0043】
一方、攪拌部材8は、可撓性を有するシート状の弾性体で形成される一方、トナー容器本体1の上面に形成された開口(以下上面開口という)を塞ぐ天板1Dにその一端を固着されて容器本体1Aの内部に吊着されると共に、下端が搬送部材2に当接するように構成されたものである。
【0044】
ここで、このように攪拌部材8を形成すると共に下端を搬送部材2に当接させることにより、搬送部材2の回転時、攪拌部材8は搬送部材2の搬送羽根2Bにより押圧され、図4の破線に示すように粉体トナー供給口1gへ向かって撓みながら揺動するようになる。そして、このように攪拌部材8が粉体トナー供給口1gへ向かって揺動することにより、トナーを攪拌することができるようになっている。
【0045】
ところで、搬送部材2の回転により攪拌部材8がさらに揺動すると、やがて搬送羽根2Bによる押圧が解除され、攪拌部材8はその弾性によって図4の実線で示す元の位置に復帰する。なお、この後、この攪拌部材8は、再び搬送部材2の回転の回転に伴って粉体トナー供給口1gへ向かって揺動するようになる。
【0046】
そして、このように攪拌部材8を往復運動させることにより、輸送中の振動や長期間の保管によって空気が抜けて容器本体1A内で固まった状態となっているトナーを崩すことができる。これにより、ブリッジングの発生を防止することができ、確実にトナーを攪拌供給することができる。さらに、攪拌部材8は、このように軸線方向に揺動することにより、攪拌動作と同時に、トナーを搬送部材2の軸線に沿って粉体トナー供給口1gに向かって送り出すこともできるようになっている。
【0047】
なお、攪拌部材8の材質は、適当な弾性と耐クリープ性を有することからポリエステル樹脂(PET)が最も好適であるが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)その他のプラスチックも利用可能であり、金属材料であっても良い。
【0048】
また、攪拌部材8の天板1Dへの固着は、接着剤や両面テープによっても良いが、超音波溶着、振動溶着、熱カシメ等の公知の接合手段を用いるのがより好ましい。また、最も好ましくは天板1Dと一体的に成形するのが良い。
【0049】
次に、封止部材3について図5を用いて説明する。なお、同図において、(A)は封止部材の正面図、(B)は(A)のA矢示図、(C)は(A)のB矢示図、(D)は(A)のX−X断面図、(E)は(A)のY−Y断面図である。
【0050】
図5の(A)〜(E)において、3bは、封止部材3のトナー供給容器1に対向する側に設けられ、トナー供給容器1の粉体トナー供給口1gを開封可能に封止する封止部であり、この封止部3bの外径は粉体トナー供給口1gの内径よりも適当量大きく設定されている。そして、この封止部3bの嵌合部3b1を粉体トナー供給口1gから粉体トナー供給部1aに圧入嵌合することにより、封止部材3は粉体トナー供給口1gを密封するようになっている。
【0051】
また、3cは、トナー供給容器1が装置本体100に装着された際に、装置本体100から搬送部材2を回転させるための駆動力を受けるための駆動力被伝達部となるカップリング係合部であり、このカップリング係合部3cは封止部3bからトナー供給容器1と反対方向に搬送部材2の軸部2Aの軸線と略同軸線上に延在形成された突出部3c1と、突出部3c1の周面に設けられ、カップリング部材4と係合する細長形状(スプライン状)の突起3dとを備えたものである。なお、本実施の形態において、このスプライン突起3dは略等間隔で4箇所設けている。
【0052】
ところで、この封止部材3には、搬送部材2の一端部2aと係合して装置本体100から受けた駆動力を搬送部材2に伝達するするための駆動伝達部として、封止部3b及びカップリング係合部3cの形成部分にわたって形成された開口によって係合孔3aが構成されている。ここで、この係合孔3aは、粉体トナー供給部1aから突出している搬送部材2の軸端部2aのHカット形状に対応したH字状を有すると共に、軸端部2aよりも僅かに大きく形成されており、これにより軸端部2aは係合孔3aに遊嵌されるようになる。
【0053】
そして、このように軸端部2aが係合孔3aに遊嵌されることにより、搬送部材2と封止部材3とは、搬送部材2の回転方向にはお互いに係止される一方、軸線方向へはお互いに移動自在に構成されるようになっている。これにより、トナー供給容器装着時、後述するように封止部材3と容器本体1Aとの離間が可能となり、粉体トナー供給口1gの開封(開口)が可能となる。
【0054】
ところで、この係合孔3aと軸端部2aとの係合長さは、封止部材3と容器本体1Aとが離間する際、外れることのない長さを有しており、これにより封止部材3が容器本体1Aと離間しても、搬送部材2は封止部材3(カップリング係合部3c)を介して駆動力を受けることができるようになっている。
【0055】
また、このカップリング係合部3cと封止部3bとの間には、封止部3bが粉体トナー供給部1aに圧入された際、粉体トナー供給部1aの端部に突き当たる、外径が粉体トナー供給部1aの外径と略等しい鍔部3fが設けられており、この鍔部3fにより封止部3bは粉体トナー供給部1aに、嵌合部3b1の長さ分だけ圧入されるようになっている。
【0056】
一方、3eはカップリング係合部3cの先端に形成され、図4に示す装置本体100に設けられた係止部材6に係止される係止部である係止突起3eであり、この係止突起3eに係止部材6を係止することにより、粉体トナー供給口1gを開封する際、封止部材3を固定することができるようになっている。
【0057】
ところで、このような構成の封止部材3もプラスチック等の樹脂を射出成形して製造するのが好ましいが、他の材料及び製造方法であっても、任意に分割、接合して製造しても構わない。また、封止部材3は粉体トナー供給口1aに圧入嵌合してこれを密閉するため適度な弾性が必要とされ、その材料としては低密度ポリエチレンが最も好ましく、次いでポリプロピレン・ナイロン・高密度ポリエチレン等が好ましく利用できる。
【0058】
次に、トナー供給容器1の組立方法について説明する。
【0059】
トナー供給容器の組立方法は、上面が開口された容器本体1Aを形成すると共に、搬送部材2を容器本体1Aの下部に挿入し、攪拌部材8を固着した容器本体1Aの天面を形成する天板1Dを容器本体1Aに接着する。ここで、この接着方法は従来公知の種々の方法が利用可能であるが、超音波溶着が簡便でかつ密閉性も良いので好ましい。
【0060】
次いで、容器本体1Aの内部に所定量のトナーを充填し、さらに粉体トナー供給口1aを封止部材3で封止してトナー補給容器は完成する。このようにトナー供給容器1の組立ては極めて簡便であり、組立工数も非常に少なくて済む。
【0061】
なお、トナーの充填は粉体トナー供給口1gより行っても良いし、これとは別に容器本体1Aの任意の箇所にトナー充填口(不図示)を設け、そこから充填し、充填後にキャップ等によりこれを密閉するようにしても良い。
【0062】
あるいは、容器本体1Aの下部に搬送部材2と封止部材3を組み込み、これにトナーを充填した後で攪拌部材8を固着した天板1Dを接合するようにしても良い。なお、この接着方法は従来種々の方法が利用可能であるが、超音波溶着が簡便でかつ密着性も良いので好ましい。次いで、容器本体1Aの内部に所定量のトナーを充填し、さらに粉体トナー供給口1gを封止部材3で封止してトナー供給容器1は完成する。
【0063】
ここで、このようにトナー供給容器1を組立てる際、揺動部材8は容器本体1Aに支持固定する必要はなく、また従来のような軸受け機構も無いため組立は極めて簡便であり、組立工数も非常に少なくて済む。
【0064】
次に、トナー供給容器の交換方法について説明する。
【0065】
画像形成のプロセスに伴い、トナー供給容器1内のトナーが略全量消費されると、トナー供給容器空検知手段(不図示)による検知を経て、液晶等(不図示)の表示手段によりユーザーはトナー供給容器1の空を知らされる。
【0066】
本実施の形態に於てはトナー供給容器1の交換はユーザー自身が行ない、その手順は以下の通りである。
【0067】
まず、図2に示すように、閉じられた状態の交換用カバー15を開く。そして、この交換用カバー15を開く動作に連動してそれまで容器本体1Aと離間して粉体トナー供給口1gを開放する状態にあった封止部材3が、粉体トナー供給部1aに圧入嵌合され、粉体トナー供給口1gが閉口される。
【0068】
次に、ユーザーは、装置本体100に装着されている空のトナー供給容器1をに引き出して装置本体100より取り外す。この後、ユーザーは図3に示すように新しいトナー供給容器1を装置本体100へと挿入した後、交換用カバー15を閉じる。そして、この交換用カバー15を閉める動作に連動して封止部材3が容器本体1Aから離間され、粉体トナー供給口1gが開封される。以上が、トナー供給容器交換ステップである。
【0069】
次に、この交換用カバー15の開閉動作に連動する粉体トナー供給口1gの開閉動作について説明する。
【0070】
トナー供給容器1を装置本体100に挿入して交換用カバー15を閉じると、装置本体100に設けられた粉体トナー供給口開閉手段(不図示)により、係止部材6が封止部材3の係止突起3eを係止し、さらに交換用カバー15を所定の位置まで閉じると、粉体トナー供給口開閉手段によりトナー供給容器1が封止部材3を外す方向にスライドする。ここで、この時、封止部材3は係止部材6により係止されているため、容器本体1Aは封止部材3から離間し、粉体トナー供給口1gは開口される。
【0071】
またこのとき、粉体トナー供給口1aは、図4に示すように装置本体100のホルダー5に、円環状をなすシール部材7により外周囲を密閉した状態で保持されるので、外部へのトナー漏れや飛散は防止される。
【0072】
なお、本実施の形態においては、封止部材3が粉体トナー供給口1gを出たところに保持されているが、これはトナーの凝集性に応じトナーの排出を妨げないために必要なだけ離しておくことができる。これにより、粉体トナー供給口1g付近での閉塞及びこれに起因する種々の問題が発生しないようにすることができる。
【0073】
また、トナー供給容器1は軸受けシール機構を持たないため、トナー供給容器1の構成は非常に単純となり、製造コストを安くできる。また、軸受けシール機構を持たないため、軸受けシール機構で従来発生していたトナー漏れ、トルク上昇、粗大粒子の発生といった問題を回避できる。
【0074】
なお、封止部材3とシール部材9とが接触する部分に回転摺動部は存在するが、粉体トナー供給口1gから離れた位置にあり、直接トナーが接触する部分ではないので、上記種々の問題が発生することはない。また、この回転摺動部の位置は、トナーの流動性や搬送部材2の搬送能力、トナーの排出速度等に応じて必要なだけ粉体トナー供給口1gから離すことができる。
【0075】
一方、トナー供給容器1のトナーが略全量消費された後、ユーザーが交換用カバー15を開くと、粉体トナー供給口開閉手段によりトナー供給容器1は粉体トナー供給口1gが封止部材3の鍔部3fに当接するまでスライドし、これにより粉体トナー供給口1gは閉口される。
【0076】
さらに、交換用カバー15を開くと、それに伴い粉体トナー供給口開閉手段により係止部材6が封止部材3から外れ、この状態に於いてトナー供給容器1は装置本体100に対して取り外し可能な状態となり、トナー供給容器1を引き出せば取り外すことができる。
【0077】
ところで、トナー供給容器1を装置本体100へ装着した場合、上述したように封止部材3の係止突起3eは係止部材6にて係止され、トナー供給容器1の粉体トナー供給口1aから離脱して保持される。このとき搬送部材2と封止部材3との回転方向の係合関係はそのまま保たれている。
【0078】
一方、トナー供給容器1の装着時、封止部材3のカップリング係合部3cは、図4に示すように装置本体100側のカップリング部材4と係合するようになっている。ここで、このカップリング部材4は、装置本体100側に設けられた駆動装置(不図示)の駆動力を封止部材3に伝達するためのものである。
【0079】
図6は、このカップリング部材の詳細形状を示す図であり、同図の(A)はカップリング部材の正面図、(B)は背面図、(C)は側面断面図である。図6において、4aはカップリング部材4の外周面に形成されたギア部であり、このギア部4aにより装置本体100側からの駆動を受けるようになっている。
【0080】
また、4bはカップリング部材4の中心に形成された、封止部材3を受け入れるための受入れ孔である。そして、この受入れ孔4bの内周面には、既述した封止部材3のスプライン突起3dと係合するための係合溝4cが形成されると共に、受入れ孔4bのトナー供給容器1と対向する側の端部には、テーパー状の案内部4dを設けてある。
【0081】
ここで、本実施の形態においては、封止部材3のスプライン突起3dを4本形成すると共に、カップリング部材4の係合溝4cを12本形成するようにしている。そして、このように係合溝4cの数を突起3dよりも多く形成すると共に案内部4dを設けることにより、トナー供給容器装着時、仮にスプライン突起3dと係合溝4cの位相がずれていても、両者を確実に係合させることができるようになっている。なお、この封止部材3の突起3dの数は、4本に限る訳ではなく、適宜選択できる。また、係合溝4cの数も、12本に限る訳ではなく、適宜選択できる。
【0082】
次に、トナーの排出動作を説明する。
【0083】
カップリング部材4は、装置本体100側のモーター等の駆動源(不図示)からギア等の駆動伝達手段(不図示)を介して回転駆動を受け、これが係合溝4cとスプライン突起3dとの係合にて封止部材3へ伝達され、さらにH字状の係合孔3aとHカット先端2aとの係合にて搬送部材2へと伝達される。なお、本実施の形態においては、搬送部材2の回転速度は25回転/分となるように設定した。
【0084】
そして、このように搬送部材2が回転すると、これに当接している攪拌部材8の先端部は、搬送部材2の搬送羽根2Bに押圧されて粉体トナー供給口1gへ向かって撓みながら揺動するようになり、この攪拌部材8の揺動によりトナーは攪拌される。なお、搬送部材2の回転により、攪拌部材8がさらに揺動すると、やがて搬送羽根2Bの押圧が解除され、攪拌部材8はその弾性によって元の位置に復帰する。
【0085】
そして、このような往復運動を繰り返すことにより、輸送中の振動や長期間の保管によって空気が抜けて凝集したトナーを崩すことができ、ブリッジングの発生を防止することができる。
【0086】
ところで、極めて高密度にトナーが凝集しているような場合には、攪拌部材8はトナーに強く拘束されているため先端の極く一部のみが揺動し、トナーが解されるのに従って徐々に攪拌部材8全体が揺動するようになる。このような動きをすることで、従来例と異なって搬送部材2の初期起動トルクが極端に上昇するようなことが防止される。
【0087】
ところで、図4に示すように攪拌部材8の設置間隔Pは、搬送部材2の搬送羽根2BのピッチP1の整数倍に設定するのが好ましい。このようにすると、各攪拌部材8の動きを揃えることができ、効果的にブリッジを解消し、かつ搬送部材2の回転トルクを低減することができる。ここで、設置間隔をランダムにすると、各攪拌部材8の動き方はばらばらとなり、トナーの状態によってはお互いの揺動を邪魔し合うことになり、好ましくない。
【0088】
一方、本実施の形態においては、攪拌部材8を図4に示すように搬送部材2の搬送羽根2BのピッチP1毎に設置したが、本発明はこれに限らず、図7に示す本発明の第2の実施の形態に係るトナー供給容器1のように攪拌部材8を搬送部材2の搬送羽根2BのピッチP1の整数倍、同図においては1倍又は2倍となるように離間して設置するようにしても良い。
【0089】
そして、このように構成して攪拌部材8の数を減らすことにより、搬送部材2の起動トルクを低く抑えることができる。ここで、トナーのブリッジングは長手方向に関してもやはり容器本体1Aの側面壁の近傍に発生しやすく、同図に示すように容器本体1Aの前後端近傍を充分に解砕してやれば、中央部付近は攪拌部材8がまばらでも残り無くトナーを排出させることが可能である。
【0090】
さらに、攪拌部材8の形状も、容器本体1Aの断面形状に対応して種々のものが適応可能であり、図8はその例を示すものである。
【0091】
ここで、同図の(A)に示す攪拌部材8は単純な短冊状であり、容器本体1Aの側面壁近傍のブリッジングには効果が少ない。また、(B)に示す攪拌部材8は逆に容器本体1Aの側面壁近傍に作用する構成で、搬送部材2の回転トルクを低減させるため中央部には窓8aを設けている。さらに(C)に示す攪拌部材8は横方向にスリット8cを入れた形状であり、攪拌部材8の弾性を容易にコントロールすることができ、かつ容器断面形状内のほぼ全域をカバーすることができる。
【0092】
なお、トナーのブリッジングは長手方向の側面壁近傍をきっかけにして発生する場合が多く、この長手方向の側面壁近傍のブリッジを解消すれば中央部のブリッジングもおのずと解消されることから、(B)に示す形状は極めて好ましい形状のひとつである。また、攪拌部材8を複数設ける場合には、全てを同一形状にしても、あるいは異なる形状のものを適宜組み合わせても良い。
【0093】
さらに、攪拌部材8の先端と搬送部材2との位置関係は、図4又は図7に示す実施例に限定されず、必要に応じて種々の設計が可能である。
【0094】
ここで、攪拌部材8は搬送部材2からの作用で揺動するものであるから、最低限、攪拌部材8の先端部は搬送羽根2Bの外径よりも内側に侵入していなければならない。この侵入量Dを大きくするほど、攪拌部材8の変位量は大きくなるので、所望の変位量が得られるように侵入量Dを適宜設定することができる。
【0095】
なお、侵入量Dを大きくしていって、軸部2Aの外径よりも内側にまで侵入するようにすると、攪拌部材8が軸部2Aに常に摺動することになり、トナーの粗大粒子発生のおそれがあり、好ましくない。このような場合には、図8の(B)に示すように軸部2Aをまたいでこれを回避するようにするのが好ましい。
【0096】
ところで、これまでの説明において搬送部材2の搬送体を螺旋状の搬送羽根2Bとしたが、本発明はこれに限らず搬送部材2が作動することで攪拌部材8を揺動させることができるならば、例えば図9に示す本発明の第3に実施の形態に係るトナー供給容器1のように、搬送部材の軸部2Aに円形又は楕円形の部材よりなる搬送羽根2B’を独立させて複数個設けるようにしてもよい。
【0097】
なお、この搬送羽根2B’は軸部2Aに対して直角ではなく、適当な角度を付けて設けられており、これにより軸部2Aの回転に伴い搬送羽根2B’が回転すると、トナーを軸線方向に搬送することができると共に、攪拌部材8を揺動させることができるようになる。
【0098】
図10は、本発明の第4に実施の形態に係るトナー供給容器1の搬送部材を示すものであり、本実施の形態においては、搬送部材2の軸部2Aに可撓性の翼部2Dを軸部2Aに対して交互に千鳥状に、かつ軸線に対して平行に設けたものである。なお、このような構成の搬送部材2の回転に伴って攪拌部材8が揺動するよう攪拌部材8は搬送部材2の軸線に対して直角ではなく、適当な角度を付けて設けられている。
【0099】
これにより、搬送部材2が回転することで攪拌部材8が、搬送部材2の翼部2Dに押圧されて軸線方向に揺動するようになり、トナーのブリッジングを崩すと共に、トナーを粉体トナー供給口1aに向かって搬送することができるようになっている。また、翼部2Dを可撓性とすることにより、回転の際、翼部2Dは軸部2Aと容器本体1Aの内周下面との間で形成される空間にもぐり込む形で湾曲するようになり、該空間のトナーも搬送することができるようになる。これにより、残トナー量を低減することができ、トナーを効果的に搬送することができる。
【0100】
ところで、本発明は、既述した各実施の形態に限定されるものではない。
【0101】
封止部材3の離脱方法は上記のように封止部材3を係止固定して容器本体1Aを移動しても、逆に容器本体1Aを固定して封止部材3を移動するようにしても構わない。ただし封止部材3には前記のとおり装置本体100側から回転駆動力が与えられるため、もし封止部材3を移動するとその部分の機構が複雑となり、安定性にも欠けるおそれがあり、封止部材3を固定するほうがより好ましい。
【0102】
さらに、搬送部材2の回転速度も必要とされるトナーの搬送量に応じて任意に設定して良いのはもちろんだが、速すぎると画像形成装置側の駆動源や駆動伝達機構の負荷が増大し、遅すぎるとトナーを充分に搬送することができない。好ましくは3〜100回転/分、より好ましくは5〜50回転/分、最も好ましくは8〜20回転/分に設定するのが良い。
【0103】
また、容器本体1Aの形状もスペースを有効に使うことができるならばどのような形状であってもよく、さらにトナー供給容器1の大きさ、容量も任意に設定でき、数10gの小容量から2Kg程度の大容量まで幅広く対応可能である。またさらに、封止部材3は粉体トナー供給口1gに圧入嵌合するようにしたが、シール部材を用いて封止するようにしてもよく、容器本体1Aと封止部材3に対応するネジ部を設けてネジ込んで密閉するようにしても良い。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、粉体トナー収納部内に吊着した攪拌部材を、搬送部材の回転に伴って粉体トナー供給口に向って揺動させることにより、トナーを崩して確実に残りなくトナーを供給することができる。
【0105】
また本発明のように、攪拌部材を粉体トナー収納部に一体的に設けることにより、組み立てを容易とすると共に、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトナー供給容器が装着される電子写真画像形成装置の一例である電子写真複写装置の構成を示す図。
【図2】上記電子写真複写装置の斜視図。
【図3】上記電子写真複写装置のトナー供給容器交換用カバーを開いてトナー供給容器を電子写真複写装置に装着する様子を示す図。
【図4】上記電子写真複写装置に装着された本発明の第1の実施の形態に係るトナー供給容器の正面断面図。
【図5】上記トナー供給容器の封止部材の、(A)は正面図、(B)は(A)のA矢示図、(C)は(A)のB矢示図、(D)はX−X断面図、(E)はY−Y断面図。
【図6】上記電子写真複写装置のカップリング部材の、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は側面断面図。
【図7】上記電子写真複写装置に装着された本発明の第2の実施の形態に係るトナー供給容器の正面断面図。
【図8】上記第1又は第2の実施の形態に係るトナー供給容器の攪拌部材の形状を示す図。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るトナー供給容器の搬送部材の要部斜視図。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るトナー供給容器の部分断面斜視図。
【符号の説明】
1 トナー供給容器
1a 粉体トナー供給部
1g 粉体トナー供給口
1A 容器本体
2 搬送部材
2A 軸部
2B,2B’ 搬送羽根
2C 延在部分
2D 翼部
3 封止部材
4 カップリング部材
6 係止部材
8 攪拌部材
9 トナー受け入れ口
15 交換用カバー
100 装置本体
201 現像器
Claims (3)
- 電子写真画像形成装置に装着された状態で前記電子写真画像形成装置の被供給部にトナーを供給するトナー供給容器において、
前記トナーを収容し、長手方向一端側にトナー供給部が突設された容器本体と、
前記トナー供給部の一端部に形成されたトナー供給口と、
前記容器本体の長手方向に沿って設けられた回転部材と、
前記容器本体内にて前記回転部材と当接自在に設けられた可撓性部材と、
を有し、
前記回転部材が回転に伴って前記可撓性部材を前記回転部材の軸方向へ揺動させ、前記トナー供給口に向けてトナーを搬送するように構成したことを特徴とするトナー供給容器。 - 前記回転部材はトナーを搬送する螺旋状の搬送羽根を有し、前記可撓性部材は前記螺旋状の搬送羽根との当接により揺動自在であることを特徴とする請求項1記載のトナー供給容器。
- 前記回転部材は回転軸に対し交互に千鳥状に且つ平行に設けられた可撓性の翼部を有し、前記可撓性部材は前記可撓性の翼部に押圧されて揺動することを特徴とする請求項1記載のトナー供給容器。
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