JP3905223B2 - マイクロホンスタンド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は支持パイプに取り付けられたマイクロホンをその支持パイプを介して角度、方向および高さの全方向にわたって調整可能に支持するマイクロホンスタンドに関し、さらに詳しく言えば、会議場などでの発言台やテーブルなどに恒久的に設置されるマイクロホンスタンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
国際会議場を例にして説明すると、議長席のみならず各出席者のテーブルにもマイクロホンが設置されている。この種の会議場では、見栄えがシンプルであることと、角度や高さ調整の容易性などの点から、いわゆるグースネック型マイクロホンが多用されている。
【0003】
すなわち、話者の口元に容易に近づけられる点ではフレキシブルパイプが好適であるが、反面、全体がフレキシブルパイプではそのパイプ全体が不規則的に折れ曲がるため、特にTV放映などでは雑然とした感となり、見栄えが好ましくない。
【0004】
これに対して、グースネック型マイクロホンは、フレキシブルパイプを有するものの、それは一部分であり、他の部分に折れ曲がらないパイプを用いているため、会議場を見渡した場合、各テーブルに整然として並べられるため、見栄えがよい。また、フレキシブルパイプにてマイクロホンの角度および方向が調整可能であり、この折れ曲がらないパイプに伸縮可能なスライドパイプを用いた場合にはマイクロホンの長さ方向も調節できる。
【0005】
ところで、ユニットマイクロホンは、コンデンサ型、ダイナミック型に関わらず振動雑音を拾いやすい。したがって、会議中に触られたり、擦られたり、また、勝手に移動されると、音声と同時に振動雑音が集音され不具合である。
【0006】
そこで、国際会議場などでは、マイクロホンを勝手に移動できないようにするため、そのマイクロホンスタンドをボルト付けなどにより、テーブルの所定位置に固定するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマイクロホンでは、なおも次のような課題がある。すなわち、高さ調整はスライドパイプの長さの範囲内に制限される。また、そのスライドパイプがマイクロホンスタンドに固定されており、しかもフレキシブルパイプ自体が短いため、角度や方向調整にしても、そのフレキシブルパイプを曲げられる範囲内に限られてしまう。
【0008】
特に、マイクロホンスタンドをテーブルに固定した場合には、調整の自由度がさらに制限されることになり、往々にして、発言のたびに仕方なく話者の方からマイクロホンに近づかなければならない光景を見受ける。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、テーブルに固定されるマイクロホンスタンドにおいて、マイクロホンの角度、方向および高さを任意に調整することができるようにしたマイクロホンスタンドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、先端にマイクロホンが取り付けられた支持パイプを、角度、方向および高さを含めて任意に調整可能としたマイクロホンスタンドにおいて、テーブルなどの基台に設置されるベースフレームと、パイプ挿通孔を有し、同パイプ挿通孔内に上記支持パイプを保持する球体と、上記球体を任意の回転位置に固定した状態で上記ベースフレーム内に支持するマウント部材とを備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明において、上記球体は一対の半球体の組み合わせからなり、その各半球体の接合面には上記パイプ挿通孔を構成する半円溝がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記各半球体の接合面には、凹凸嵌合要素からなる位置決め手段が設けられていることが好ましく、これによれば、2つの半球体を容易に組み合わせすることができる。
【0013】
本発明において、上記マウント部材は、圧縮変形可能な所定の厚さを有するゴム材からなり、周縁部が上記ベースフレーム内に係止されるとともに、中央部に上記球体が収納される開口部を有するダンパープレートと、上記開口部の周辺の表裏両面にそれぞれ配置された一対のロックリングと、同ロックリングを介して上記開口部の周辺を圧縮して同開口部の内縁を上記球体に当接させる緊締手段とを備えている。
【0014】
この場合、上記ダンパープレートに対して、その開口部と同径の開口部を有する第2ダンパープレートが積層されていてもよい。
【0015】
本発明において、上記各ロックリングの内径は、上記球体の直径よりも小径とされていることが好ましく、これによれば、球体の脱落を確実に防止することができる。
【0016】
また、上記各ロックリングには、上記ダンパープレートに食い込み可能な突起が形成されていることが好ましく、これによれば、上記ダンパープレートをより効果的に圧縮変形させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に示されている実施例に基づいて、より詳しく説明する。
【0018】
図1に示されているように、本発明のマイクロホンスタンド1は、マイクロホン本体2を支持した状態で基台としてのテーブル10に固定される。ここで、マイクロホン本体2は、マイクロホンユニット21と、先端に同マイクロホンユニット21が取り付けられたフレキシブルパイプ22およびその後端に接続された支持パイプ23とを備えている。なお、支持パイプ23は金属パイプもしくは合成樹脂パイプのいずれであってもよい。
【0019】
マイクロホン本体2は、その支持パイプ23を介してマイクロホンスタンド1に角度、方向および高さ調整可能に支持されるが、図2には支持パイプ23を特定の位置に固定する前の状態におけるマイクロホンスタンド1の断面が示されている。
【0020】
これによると、マイクロホンスタンド1は、テーブル10上に載置されるベースフレーム4と、支持パイプ23を挿通保持する球体3と、ベースフレーム4内において球体3を支持するマウント部材5とを備えている。なお、テーブル10には、球体3および同球体3に挿通された支持パイプ23のための開口部10aが設けられている。
【0021】
この実施例において、球体3は図3(a)に示されているように、一対の半球体31,31の組み合わせ体からなる。同図(b)にも示されているように、各半球体31,31の合わせ面には、その直径線に沿って半円溝31a,31aがそれぞれ設けられており、この半円溝31a,31aの組み合わせにより、支持パイプ23のパイプ挿通孔33が形成されている。
【0022】
また、半球体31,31の各合わせ面には、互いに嵌合する突起32aと凹部32bとからなる位置決め手段が設けられており、これにより組み合わせ作業を容易にしている。なお、この実施例では突起32aと凹部32bとが2対設けられている。
【0023】
次ぎに、図4(a)を参照すると、この実施例において、ベースフレーム4は、四角形状の枠体からなり、その中央部にはマウント部材5および球体3が配置される円形の開口部4aが設けられている。また、その四隅には、このベースフレーム4をテーブル10に固定するためのネジ9(図1参照)が螺合されるネジ孔4bがそれぞれ設けられている。
【0024】
図4(b)の断面図を参照すると、ベースフレーム4の開口部4aの周縁部には、マウント部材5をテーブル10との間で一体的に保持するための鈎部41が形成されている。
【0025】
再び図2を参照すると、マウント部材5は、球体3を所定の回転位置に固定した状態でベースフレーム4内に支持するダンパー6を備えている。この実施例によると、ダンパー6は互いに積層される第1および第2の2つのダンパープレート60,61から構成されている。
【0026】
図5には、その内の第1ダンパープレート60の平面図およびそのB−B線断面図が示されている。この第1ダンパープレート60は、所定の厚さを有し、ベースフレーム4内にほぼ合致する大きさとされた圧縮変形可能なゴム板から作られている。なお、ゴム材に限らずゴム弾性を呈する材質であれば、それもこのダンパープレート材として適用可能である。
【0027】
第1ダンパープレート60のほぼ中央部には、球体3よりも僅かに大きい直径を有する開口部60aが設けられているとともに、この開口部60aの周りには4つの透孔60bが穿設されている。また、この第1ダンパープレート60の四隅には、ベースフレーム4をテーブル10に固定する際に挿通されるネジ9の挿通孔60cがそれぞれ設けられている。
【0028】
図6には、第2ダンパープレート61の平面図およびそのC−C線断面図が示されている。第2ダンパープレート61も、第1ダンパープレート60と同様に、その材質は所定の厚さを有する圧縮変形可能なゴム板からなるが、その形状は第1ダンパープレート60よりも小さな円板とされている。
【0029】
この第2ダンパープレート61の中央部にも、第1ダンパープレート60の開口部60aと同径の開口部61aが設けられている。また、開口部61aの周りにも、第1ダンパープレート60の透孔60bと同軸関係となるように4つの透孔61bが穿設されている。
【0030】
この実施例によると、ダンパー6は、図7に示されている第3ダンパープレート61をさらに備えている。この第3ダンパープレート62は、図2に示されているように、ベースフレーム4をテーブル10に固定する際、第1ダンパープレート60とテーブル10との間に介装されるもので、この第3ダンパープレート62には、ベースフレーム4の開口部4aとほぼ同径の開口部62aと、ネジ9を挿通するための4つの挿通孔62bとが形成されている。
【0031】
なお、この実施例とは異なり、第2ダンパープレート61は第1ダンパープレート60と同形であってもよい。また、第1、第2および第3ダンパープレート60〜62をそれぞれ別部材として構成することなく、それらを一体に形成するようにしてもよい。
【0032】
再び図2を参照すると、マウント部材5は、上記第1および第2ダンパープレート60,61の表裏両面に配置されて、緊締用ネジ8にて同ダンパープレート60,61をその厚さ方向に圧縮する第1および第2のロックリング70,71を備えている。
【0033】
図8には、その内の第1ダンパープレート60上に配置される第1ロックリング70の平面図とそのE−E線断面が図解されている。この第1ロックリング70は、硬質合成樹脂もしくは金属からなり、その中央部には球体3の直径よりも小径の開口部70aが設けられているとともに、その周囲には緊締用ネジ8が螺合される4つの雌ネジ孔70bが設けられている。
【0034】
また、断面図である図8(b)に示されているように、この第1ロックリング70の第1ダンパープレート60と当接する面には、同第1ダンパープレート60に食い込み可能な突起70cが開口部70aの周縁に沿って環状設けられている。
【0035】
図9に、第2ダンパープレート61側に配置される第2ロックリング71の平面図およびそのF−F線断面を示すが、この第2ロックリング71は第1ロックリング70を上下反転させたものであるため、その各構成要素に第1ロックリング70と同様なサフィックスを付し、その説明に代える。
【0036】
次に、このマイクロホンスタンド1の組立手順の一例について説明する。まず、半球体31,31をそれらの半円溝31a内に支持パイプ23を挟み込むようにして組み合わせて球体3とする。
【0037】
第1および第2ダンパープレート60,61をそれらの開口部60a,61aが同心となるように積層し、それらの開口部60a,61a内に球体3を嵌合する。そして、第1および第2ロックリング70,71をダンパープレート60,61の積層体の表裏両面に配置し、ロックリング70,71の各雌ネジ孔70b,71bに緊締用ネジ8を取り付ける。
【0038】
このようにして組み立てたマウント部材5をベースフレーム4内に組み付けるとともに、第1ダンパープレート60に第3ダンパープレート62を添設して、ベースフレーム4をテーブル10上に載置して、ネジ9にて固定する。
【0039】
そして、図2に示されているように、球体3を締め付けていない状態で、支持パイプ23の角度、方向および長さを所定にセッティングした後、緊締用ネジ8を強固に締め付ける。
【0040】
この緊締用ネジ8の締め付けにより、図10に示されているように、第1および第2ロックリング70,71を介してダンパープレート60,61がその厚さ方向に圧縮され、これに伴なって同ダンパープレート60,61の開口部60a,61aの内縁が球体3に当接する。これにより、球体3がセッティングされた状態で固定されることになる。
【0041】
このようにして、本発明によると、マイクロホン本体2を球体3を介して、その角度、方向および高さを含めて任意に調整することができ、かつ、その調整位置に確実に固定することができる。なお、緊締用ネジ8を例えば蝶ボルトなどの手回し可能なネジとすることにより、誰でもが簡単にマイクロホンの位置を簡単に調整することが可能になる。
【0042】
また、緊締用ネジ8を球体3がマイクロホン本体2の自重により回転しない程度の範囲でゆるめに締め付け、球体3を力を加えれば回転可能な状態としておくことにより、わざわざ緊締用ネジ8を操作するまでもなく、マイクロホンの位置を簡単に調整することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グースネック型マイクロホンにおいて、そのマイクロホンスタンドがテーブルなどの基台に固定されていても、マイクロホンを角度、方向および高さを含む全方向に任意に調整することができる。
【0044】
したがって、多数のマイクロホンを必要とし、かつ、TV放映などが予想される特に国際会議場などにおいて見栄えがよく、しかも主催者側および話者の双方にとって操作性が良好であるマイクロホン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロホンスタンドの一実施例を示した全体斜視図。
【図2】本発明のマイクロホンスタンドの、球体を緊締する前の状態を示した断面図。
【図3】本発明のマイクロホンスタンドに用いられる球体を構成する一対の半球体を示した平面図およびその一方の半球体の組み合わせ面を示した正面図。
【図4】本発明のマイクロホンスタンドのベースフレームの平面図およびそのA−A線断面図。
【図5】本発明のマイクロホンスタンドの第1ダンパープレートの平面図およびそのB−B線断面図。
【図6】本発明のマイクロホンスタンドの第2ダンパープレートの平面図およびそのC−C線断面図。
【図7】本発明のマイクロホンスタンドの第3ダンパープレートの平面図およびそのD−D線断面図。
【図8】本発明のマイクロホンスタンドの第1ロックリングの平面図およびそのE−E線断面図。
【図9】本発明のマイクロホンスタンドの第2ロックリングの平面図およびそのF−F線断面図。
【図10】本発明のマイクロホンスタンドの、ロックリングにて球体を緊締した状態を示した図2と同様の断面図。
【符号の説明】
1 マイクロホンスタンド
2 マイクロホン本体
21 マイクロホンユニット
22 フレキシブルパイプ
23 支持パイプ
3 球体
31 半球体
31a 半円溝
33 パイプ挿通孔
4 ベースフレーム
5 マウント部材
6 ダンパー
60 第1ダンパープレート
61 第2ダンパープレート
62 第3ダンパープレート
70 第1ロックリング
71 第2ロックリング
8 緊締ネジ
10 テーブル
【発明の属する分野】
本発明は支持パイプに取り付けられたマイクロホンをその支持パイプを介して角度、方向および高さの全方向にわたって調整可能に支持するマイクロホンスタンドに関し、さらに詳しく言えば、会議場などでの発言台やテーブルなどに恒久的に設置されるマイクロホンスタンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
国際会議場を例にして説明すると、議長席のみならず各出席者のテーブルにもマイクロホンが設置されている。この種の会議場では、見栄えがシンプルであることと、角度や高さ調整の容易性などの点から、いわゆるグースネック型マイクロホンが多用されている。
【0003】
すなわち、話者の口元に容易に近づけられる点ではフレキシブルパイプが好適であるが、反面、全体がフレキシブルパイプではそのパイプ全体が不規則的に折れ曲がるため、特にTV放映などでは雑然とした感となり、見栄えが好ましくない。
【0004】
これに対して、グースネック型マイクロホンは、フレキシブルパイプを有するものの、それは一部分であり、他の部分に折れ曲がらないパイプを用いているため、会議場を見渡した場合、各テーブルに整然として並べられるため、見栄えがよい。また、フレキシブルパイプにてマイクロホンの角度および方向が調整可能であり、この折れ曲がらないパイプに伸縮可能なスライドパイプを用いた場合にはマイクロホンの長さ方向も調節できる。
【0005】
ところで、ユニットマイクロホンは、コンデンサ型、ダイナミック型に関わらず振動雑音を拾いやすい。したがって、会議中に触られたり、擦られたり、また、勝手に移動されると、音声と同時に振動雑音が集音され不具合である。
【0006】
そこで、国際会議場などでは、マイクロホンを勝手に移動できないようにするため、そのマイクロホンスタンドをボルト付けなどにより、テーブルの所定位置に固定するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマイクロホンでは、なおも次のような課題がある。すなわち、高さ調整はスライドパイプの長さの範囲内に制限される。また、そのスライドパイプがマイクロホンスタンドに固定されており、しかもフレキシブルパイプ自体が短いため、角度や方向調整にしても、そのフレキシブルパイプを曲げられる範囲内に限られてしまう。
【0008】
特に、マイクロホンスタンドをテーブルに固定した場合には、調整の自由度がさらに制限されることになり、往々にして、発言のたびに仕方なく話者の方からマイクロホンに近づかなければならない光景を見受ける。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、テーブルに固定されるマイクロホンスタンドにおいて、マイクロホンの角度、方向および高さを任意に調整することができるようにしたマイクロホンスタンドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、先端にマイクロホンが取り付けられた支持パイプを、角度、方向および高さを含めて任意に調整可能としたマイクロホンスタンドにおいて、テーブルなどの基台に設置されるベースフレームと、パイプ挿通孔を有し、同パイプ挿通孔内に上記支持パイプを保持する球体と、上記球体を任意の回転位置に固定した状態で上記ベースフレーム内に支持するマウント部材とを備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明において、上記球体は一対の半球体の組み合わせからなり、その各半球体の接合面には上記パイプ挿通孔を構成する半円溝がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記各半球体の接合面には、凹凸嵌合要素からなる位置決め手段が設けられていることが好ましく、これによれば、2つの半球体を容易に組み合わせすることができる。
【0013】
本発明において、上記マウント部材は、圧縮変形可能な所定の厚さを有するゴム材からなり、周縁部が上記ベースフレーム内に係止されるとともに、中央部に上記球体が収納される開口部を有するダンパープレートと、上記開口部の周辺の表裏両面にそれぞれ配置された一対のロックリングと、同ロックリングを介して上記開口部の周辺を圧縮して同開口部の内縁を上記球体に当接させる緊締手段とを備えている。
【0014】
この場合、上記ダンパープレートに対して、その開口部と同径の開口部を有する第2ダンパープレートが積層されていてもよい。
【0015】
本発明において、上記各ロックリングの内径は、上記球体の直径よりも小径とされていることが好ましく、これによれば、球体の脱落を確実に防止することができる。
【0016】
また、上記各ロックリングには、上記ダンパープレートに食い込み可能な突起が形成されていることが好ましく、これによれば、上記ダンパープレートをより効果的に圧縮変形させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に示されている実施例に基づいて、より詳しく説明する。
【0018】
図1に示されているように、本発明のマイクロホンスタンド1は、マイクロホン本体2を支持した状態で基台としてのテーブル10に固定される。ここで、マイクロホン本体2は、マイクロホンユニット21と、先端に同マイクロホンユニット21が取り付けられたフレキシブルパイプ22およびその後端に接続された支持パイプ23とを備えている。なお、支持パイプ23は金属パイプもしくは合成樹脂パイプのいずれであってもよい。
【0019】
マイクロホン本体2は、その支持パイプ23を介してマイクロホンスタンド1に角度、方向および高さ調整可能に支持されるが、図2には支持パイプ23を特定の位置に固定する前の状態におけるマイクロホンスタンド1の断面が示されている。
【0020】
これによると、マイクロホンスタンド1は、テーブル10上に載置されるベースフレーム4と、支持パイプ23を挿通保持する球体3と、ベースフレーム4内において球体3を支持するマウント部材5とを備えている。なお、テーブル10には、球体3および同球体3に挿通された支持パイプ23のための開口部10aが設けられている。
【0021】
この実施例において、球体3は図3(a)に示されているように、一対の半球体31,31の組み合わせ体からなる。同図(b)にも示されているように、各半球体31,31の合わせ面には、その直径線に沿って半円溝31a,31aがそれぞれ設けられており、この半円溝31a,31aの組み合わせにより、支持パイプ23のパイプ挿通孔33が形成されている。
【0022】
また、半球体31,31の各合わせ面には、互いに嵌合する突起32aと凹部32bとからなる位置決め手段が設けられており、これにより組み合わせ作業を容易にしている。なお、この実施例では突起32aと凹部32bとが2対設けられている。
【0023】
次ぎに、図4(a)を参照すると、この実施例において、ベースフレーム4は、四角形状の枠体からなり、その中央部にはマウント部材5および球体3が配置される円形の開口部4aが設けられている。また、その四隅には、このベースフレーム4をテーブル10に固定するためのネジ9(図1参照)が螺合されるネジ孔4bがそれぞれ設けられている。
【0024】
図4(b)の断面図を参照すると、ベースフレーム4の開口部4aの周縁部には、マウント部材5をテーブル10との間で一体的に保持するための鈎部41が形成されている。
【0025】
再び図2を参照すると、マウント部材5は、球体3を所定の回転位置に固定した状態でベースフレーム4内に支持するダンパー6を備えている。この実施例によると、ダンパー6は互いに積層される第1および第2の2つのダンパープレート60,61から構成されている。
【0026】
図5には、その内の第1ダンパープレート60の平面図およびそのB−B線断面図が示されている。この第1ダンパープレート60は、所定の厚さを有し、ベースフレーム4内にほぼ合致する大きさとされた圧縮変形可能なゴム板から作られている。なお、ゴム材に限らずゴム弾性を呈する材質であれば、それもこのダンパープレート材として適用可能である。
【0027】
第1ダンパープレート60のほぼ中央部には、球体3よりも僅かに大きい直径を有する開口部60aが設けられているとともに、この開口部60aの周りには4つの透孔60bが穿設されている。また、この第1ダンパープレート60の四隅には、ベースフレーム4をテーブル10に固定する際に挿通されるネジ9の挿通孔60cがそれぞれ設けられている。
【0028】
図6には、第2ダンパープレート61の平面図およびそのC−C線断面図が示されている。第2ダンパープレート61も、第1ダンパープレート60と同様に、その材質は所定の厚さを有する圧縮変形可能なゴム板からなるが、その形状は第1ダンパープレート60よりも小さな円板とされている。
【0029】
この第2ダンパープレート61の中央部にも、第1ダンパープレート60の開口部60aと同径の開口部61aが設けられている。また、開口部61aの周りにも、第1ダンパープレート60の透孔60bと同軸関係となるように4つの透孔61bが穿設されている。
【0030】
この実施例によると、ダンパー6は、図7に示されている第3ダンパープレート61をさらに備えている。この第3ダンパープレート62は、図2に示されているように、ベースフレーム4をテーブル10に固定する際、第1ダンパープレート60とテーブル10との間に介装されるもので、この第3ダンパープレート62には、ベースフレーム4の開口部4aとほぼ同径の開口部62aと、ネジ9を挿通するための4つの挿通孔62bとが形成されている。
【0031】
なお、この実施例とは異なり、第2ダンパープレート61は第1ダンパープレート60と同形であってもよい。また、第1、第2および第3ダンパープレート60〜62をそれぞれ別部材として構成することなく、それらを一体に形成するようにしてもよい。
【0032】
再び図2を参照すると、マウント部材5は、上記第1および第2ダンパープレート60,61の表裏両面に配置されて、緊締用ネジ8にて同ダンパープレート60,61をその厚さ方向に圧縮する第1および第2のロックリング70,71を備えている。
【0033】
図8には、その内の第1ダンパープレート60上に配置される第1ロックリング70の平面図とそのE−E線断面が図解されている。この第1ロックリング70は、硬質合成樹脂もしくは金属からなり、その中央部には球体3の直径よりも小径の開口部70aが設けられているとともに、その周囲には緊締用ネジ8が螺合される4つの雌ネジ孔70bが設けられている。
【0034】
また、断面図である図8(b)に示されているように、この第1ロックリング70の第1ダンパープレート60と当接する面には、同第1ダンパープレート60に食い込み可能な突起70cが開口部70aの周縁に沿って環状設けられている。
【0035】
図9に、第2ダンパープレート61側に配置される第2ロックリング71の平面図およびそのF−F線断面を示すが、この第2ロックリング71は第1ロックリング70を上下反転させたものであるため、その各構成要素に第1ロックリング70と同様なサフィックスを付し、その説明に代える。
【0036】
次に、このマイクロホンスタンド1の組立手順の一例について説明する。まず、半球体31,31をそれらの半円溝31a内に支持パイプ23を挟み込むようにして組み合わせて球体3とする。
【0037】
第1および第2ダンパープレート60,61をそれらの開口部60a,61aが同心となるように積層し、それらの開口部60a,61a内に球体3を嵌合する。そして、第1および第2ロックリング70,71をダンパープレート60,61の積層体の表裏両面に配置し、ロックリング70,71の各雌ネジ孔70b,71bに緊締用ネジ8を取り付ける。
【0038】
このようにして組み立てたマウント部材5をベースフレーム4内に組み付けるとともに、第1ダンパープレート60に第3ダンパープレート62を添設して、ベースフレーム4をテーブル10上に載置して、ネジ9にて固定する。
【0039】
そして、図2に示されているように、球体3を締め付けていない状態で、支持パイプ23の角度、方向および長さを所定にセッティングした後、緊締用ネジ8を強固に締め付ける。
【0040】
この緊締用ネジ8の締め付けにより、図10に示されているように、第1および第2ロックリング70,71を介してダンパープレート60,61がその厚さ方向に圧縮され、これに伴なって同ダンパープレート60,61の開口部60a,61aの内縁が球体3に当接する。これにより、球体3がセッティングされた状態で固定されることになる。
【0041】
このようにして、本発明によると、マイクロホン本体2を球体3を介して、その角度、方向および高さを含めて任意に調整することができ、かつ、その調整位置に確実に固定することができる。なお、緊締用ネジ8を例えば蝶ボルトなどの手回し可能なネジとすることにより、誰でもが簡単にマイクロホンの位置を簡単に調整することが可能になる。
【0042】
また、緊締用ネジ8を球体3がマイクロホン本体2の自重により回転しない程度の範囲でゆるめに締め付け、球体3を力を加えれば回転可能な状態としておくことにより、わざわざ緊締用ネジ8を操作するまでもなく、マイクロホンの位置を簡単に調整することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グースネック型マイクロホンにおいて、そのマイクロホンスタンドがテーブルなどの基台に固定されていても、マイクロホンを角度、方向および高さを含む全方向に任意に調整することができる。
【0044】
したがって、多数のマイクロホンを必要とし、かつ、TV放映などが予想される特に国際会議場などにおいて見栄えがよく、しかも主催者側および話者の双方にとって操作性が良好であるマイクロホン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロホンスタンドの一実施例を示した全体斜視図。
【図2】本発明のマイクロホンスタンドの、球体を緊締する前の状態を示した断面図。
【図3】本発明のマイクロホンスタンドに用いられる球体を構成する一対の半球体を示した平面図およびその一方の半球体の組み合わせ面を示した正面図。
【図4】本発明のマイクロホンスタンドのベースフレームの平面図およびそのA−A線断面図。
【図5】本発明のマイクロホンスタンドの第1ダンパープレートの平面図およびそのB−B線断面図。
【図6】本発明のマイクロホンスタンドの第2ダンパープレートの平面図およびそのC−C線断面図。
【図7】本発明のマイクロホンスタンドの第3ダンパープレートの平面図およびそのD−D線断面図。
【図8】本発明のマイクロホンスタンドの第1ロックリングの平面図およびそのE−E線断面図。
【図9】本発明のマイクロホンスタンドの第2ロックリングの平面図およびそのF−F線断面図。
【図10】本発明のマイクロホンスタンドの、ロックリングにて球体を緊締した状態を示した図2と同様の断面図。
【符号の説明】
1 マイクロホンスタンド
2 マイクロホン本体
21 マイクロホンユニット
22 フレキシブルパイプ
23 支持パイプ
3 球体
31 半球体
31a 半円溝
33 パイプ挿通孔
4 ベースフレーム
5 マウント部材
6 ダンパー
60 第1ダンパープレート
61 第2ダンパープレート
62 第3ダンパープレート
70 第1ロックリング
71 第2ロックリング
8 緊締ネジ
10 テーブル
Claims (7)
- 先端にマイクロホンが取り付けられた支持パイプを、角度、方向および高さを含めて任意に調整可能としたマイクロホンスタンドにおいて、テーブルなどの基台に設置されるベースフレームと、パイプ挿通孔を有し、同パイプ挿通孔内に上記支持パイプを保持する球体と、上記球体を任意の回転位置に固定した状態で上記ベースフレーム内に支持するマウント部材とを備えていることを特徴とするマイクロホンスタンド。
- 上記球体は一対の半球体の組み合わせからなり、その各半球体の接合面には上記パイプ挿通孔を構成する半円溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロホンスタンド。
- 上記各半球体の接合面には、凹凸嵌合要素からなる位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロホンスタンド。
- 上記マウント部材は、圧縮変形可能な所定の厚さを有するゴム材からなり、周縁部が上記ベースフレーム内に係止されるとともに、中央部に上記球体が収納される開口部を有するダンパープレートと、上記開口部の周辺の表裏両面にそれぞれ配置された一対のロックリングと、同ロックリングを介して上記開口部の周辺を圧縮して同開口部の内縁を上記球体に当接させる緊締手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロホンスタンド。
- 上記ダンパープレートに対して、その開口部と同径の開口部を有する第2ダンパープレートが積層されていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロホンスタンド。
- 上記各ロックリングの内径は、上記球体の直径よりも小径とされていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロホンスタンド。
- 上記各ロックリングには、上記ダンパープレートに食い込み可能な突起が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロホンスタンド。
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