JP3905160B2 - コウジ酸製造用合成培地 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高濃度コウジ酸製造用合成培地に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、工業的なコウジ酸発酵生産にはコウジ酸生産能を有する菌株の作用によりブドウ糖等の糖質類を炭素源とし、ペプトン、酵母エキス、カツオエキス等のエキス類を窒素源とした富栄養な液体合成培地が製造用培地として一般に用いられている。
【0003】
しかしながら、培地にエキス類を加えることは培地コストの上昇を招き、また、エキス類を含む培養液からコウジ酸を分離、精製する際に得られる結晶コウジ酸が着色するなど、製造上多くの欠点を有している。
【0004】
一方、従来の無機物を窒素源とした合成培地では、コウジ酸発酵は可能であるが、エキス類を含む富栄養培地に比べて収率が悪く、生育促進性が低いために、培養に長期間を必要とするので、コウジ酸の製造用培地としては不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ペプトン、酵母エキス、カツオエキス等のエキス類を含む富栄養培地を使用する従来のコウジ酸製造法よりも効率の良い高濃度コウジ酸製造用の合成培地を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
本発明者等は、前記従来技術の諸欠点を解消すべく鋭意研究を重ねた。その結果、窒素源として硝酸体窒素、アンモニウム体窒素等の無機窒素源及びアミノ酸を含む合成培地でコウジ酸を培養することにより、コウジ酸を高収率で安定して製造し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
しかして、本発明によると、無機窒素源を0.005〜1.0重量%及びアミノ酸を0.00002〜0.1重量%含有し、エキス類を含まないことを特徴とするコウジ酸製造用合成培地が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の培地を構成する培地成分は、窒素源、炭素源、無機物等から成る既知のコウジ酸発酵用培地を基本の培地組成とするが、この培地中の窒素源として硝酸体窒素、アンモニウム体窒素等の無機窒素源及びアミノ酸を含有するものである。
【0009】
本発明の培地に使用する無機窒素源としては、菌株の資化可能なものであれば特に制限されず、具体例としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素等が挙げられる。
【0010】
このうち、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムが好ましく、特に硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムが好適である。
上記の無機窒素源の添加濃度は培地に対して約0.005〜1.0重量%、好ましくは約0.01〜0.4重量%、更に好ましくは約0.02〜0.2重量%の範囲内である。
【0011】
本発明の培地に使用するアミノ酸としては、例えば、タウリン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、メチオニン、システイン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、オルニチン等が挙げられる。このうち、タウリン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、チロシンが好ましく、特にタウリン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、チロシンが好適である。
【0012】
上記のアミノ酸の添加濃度は、コウジ酸の生育及びコウジ酸の生産に適した量である、培地に対して約0.00002〜0.1重量%の範囲内であり、好ましくは約0.00008〜0.05重量%、更に好ましくは約0.0001〜0.02重量%の範囲内である。
【0013】
本発明の培地は、上記の無機窒素源及びアミノ酸の他に、炭素源や無機物等を含有し得る。
【0014】
炭素源としては、菌株の資化可能なものであれば特に制限されず、具体例としては、例えば、キシロース、グルコース、スクロース、フラクトース、マルトース等の糖類;デンプン、デンプン加水分解物;廃糖蜜等が挙げられる。これらの炭素源の添加濃度は培地に対して約5〜15重量%の範囲内である。
【0015】
無機物としては、硫酸マグネシウム等のマグネシウム源を約0.02〜0.07重量%の範囲内;リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム等のリン及びカリウム源を約0.05〜0.3重量%の範囲内;その他必要であれば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸第二鉄等の無機塩を約0.001〜0.005重量%の範囲内で使用する。
【0016】
更に、これらの培地組成には、必要に応じて、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチルアルコール等を添加してもよい。
【0017】
本発明の培地は、殺菌前に硫酸、塩酸等でpH3〜5に調整する。
【0018】
本発明において用いられるコウジ酸生産能を有する菌株としては、例えば、アスペルギルス・アルバス、アスペルギルス・オリーゼ、アスペルギルス・カンジダス、アスペルギルス・ニーデュランス、アスペルギルス・パラシティカス、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・タマリ、アスペルギルス・ニービュース、アスペルギルス・フラバス、アスペルギルス・ウェンチ、アスペルギルス・グラウカス、アスペルギルス・ジガンダス等のアスペルギルス属の菌株;ペニシリウム・ダレー等のペニシリウム属の菌株;エスカリキア・コリ等のエスカリキア属の菌株;アセトバクター・キリシナム等のアセトバクター属の菌株;グルコノバクター・グルコニカス等のグルコノバクター属の菌株等が挙げられる。
【0019】
【発明の効果】
本発明により達成される技術的効果は以下のとうりである。
【0020】
1.通常のコウジ酸製造方法と同様に、培地に菌株を接種培養するだけの極めて簡単な方法により、高濃度のコウジ酸の製造が可能となる。
【0021】
2.エキス類を含んだ従来培地に比べて、得られる結晶コウジ酸の着色度が低く、脱色操作の必要がない。
【0022】
3.エキス類に比べて、使用する窒素源の質のバラツキがなく、安定性が良好である。
【0023】
4.窒素源として無機物を主として用いているので安価である。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。「%」は重量基準である。
【0025】
実施例1
種菌として、アスペルギルス・オリーゼFERM P−15647あるいはFERM P−15646(本発明者等が育種したもの)を用いた。
【0026】
種母培地として、グルコース2%、カツオエキス2.1%、n−プロピルアルコール1%の水溶液をpH4に調整し、これを10L容ジャーファーメンターに5L充填し、120℃で10分間蒸気殺菌して室温まで冷却した後、前記種菌を摂取した。培養は、30℃、通気量0.5v.v.m.及び回転速度100rpmで72時間行ない、種母を調製した。
【0027】
本培養の培地として、グルコース10%、塩化アンモニウム0.05%、タウリン0.005%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム七水和物0.05%の水溶液をpH4に調整し、これを90L容ジャーファーメンターに60L充填し、120℃で10分間蒸気殺菌して室温まで冷却した後、前記種母を摂取した。培養は、30℃、通気量0.8v.v.m.及び回転速度200rpmで7日間行なった。
【0028】
実施例2
本培養の培地中の塩化アンモニウムを除いて、代わりに硝酸ナトリウム0.09%を加えたほかは、実施例1と同様にして培養を行なった。
【0029】
実施例3
本培養の培地中の塩化アンモニウムを除いて、代わりに硫酸アンモニウム0.07%を加えたほかは、実施例1と同様にして培養を行なった。
【0030】
実施例4
本培養の培地中の塩化アンモニウムを除いて、代わりに硝酸アンモニウム0.04%を加えたほかは、実施例1と同様にして培養を行なった。
【0031】
実施例5
本培養の培地中の硝酸アンモニウム濃度を0.02%としたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0032】
実施例6
本培養の培地中のタウリン濃度を0.01%としたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0033】
実施例7
本培養の培地中のタウリン濃度を0.002%としたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0034】
実施例8
本培養の培地中のタウリンを除いて、代わりにグリシン0.003%を加えたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0035】
実施例9
本培養の培地中のタウリンを除いて、代わりにロイシン0.005%を加えたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0036】
実施例10
本培養の培地中のタウリンを除いて、代わりにチロシン0.007%を加えたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0037】
実施例11
本培養の培地中のタウリンを除いて、代わりにイソロイシン0.005%を加えたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0038】
実施例12
本培養の培地中のタウリンを除いて、代わりにセリン0.004%を加えたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0039】
実施例13
本培養の培地中のタウリン濃度を0.002%とし、グリシン0.001%、ロイシン0.0004%、チロシン0.0008%、イソロイシン0.0002%、セリン0.001%を加えたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0040】
実施例14
本培養の培地中のグルコース濃度を11%としたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0041】
実施例15
本培養の培地中のグルコース濃度を12%としたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0042】
実施例16
本培養の培地中のグルコース濃度を13%としたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0043】
比較例1
本培養の培地中の塩化アンモニウム及びタウリンを除いて、代わりにカツオエキス0.42%を加えたほかは、実施例1と同様にして培養を行なった。
【0044】
比較例2
本培養の培地中のグルコース濃度を13%としたほかは、比較例1と同様にして培養を行なった。
【0045】
比較例3
本培養の培地中のタウリンを除いたほかは、実施例4と同様にして培養を行なった。
【0046】
比較例4
本培養の培地中の塩化アンモニウム及びタウリンを除いたほかは、実施例1と同様にして培養を行なった。
【0047】
上記の実施例1〜16及び比較例1〜4の試験結果を表1に示す。
【0048】
表1における試験方法は、以下のとおりである。
【0049】
コウジ酸濃度:コウジ酸による硫酸第二鉄アンモニウムの発色を、分光光度計で500nmにおける吸光度を測定することによって求めた。
【0050】
対糖当たりの収率:次式により求めた。
【0051】
Figure 0003905160
結晶コウジ酸の着色度:培養液から菌体を濾過し、濾液を濃縮した後、晶析・乾燥して、コウジ酸の結晶を得た。2%コウジ酸水溶液を調整し、分光光度計で400nmにおける吸光度を測定することによって求めた。
【0052】
【表1】
Figure 0003905160

Claims (4)

  1. 無機窒素源を0.005〜1.0重量%及びアミノ酸を0.00002〜0.1重量%含有し、エキス類を含まないことを特徴とするコウジ酸製造用合成培地。
  2. 無機窒素源として硝酸体窒素を0.005〜1.0重量%含有する請求項1記載の合成培地。
  3. 無機窒素源としてアンモニウム体窒素を0.005〜1.0重量%含有する請求項1記載の合成培地。
  4. 炭素源を5〜15重量%含有する請求項1記載の合成培地。
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