JP3905030B2 - 抵抗器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抵抗器の製造方法に関するものであり、特に微細な抵抗器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の抵抗器としては、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
以下、従来の抵抗器およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図12は従来の抵抗器の断面図である。
【0005】
図12において、1はアルミナ等の磁器からなる絶縁性を有する個片状基板である。2は前記個片状基板1の上面の左右両端部に設けられた一対の第1の上面電極層である。3は前記一対の第1の上面電極層2に両端部が重なるように前記個片状基板1の上面に設けられた抵抗層である。4は前記抵抗層3の全体を覆うように設けられた第1の保護層である。5は抵抗値を修正するために前記抵抗層3および第1の保護層4に設けられたトリミング溝である。6は前記第1の保護層4の上面に設けられた第2の保護層である。7は前記一対の第1の上面電極層2の上面に位置して前記個片状基板1の幅一杯まで延びるように設けられた一対の第2の上面電極層である。8は前記個片状基板1の両側面に設けられた一対の側面電極層である。9,10は前記一対の第2の上面電極層7および一対の側面電極層8の表面に設けられた一対のニッケルめっき層および一対のはんだめっき層である。この場合、はんだめっき層10は第2の保護層6よりも低く設けられているものである。
【0006】
以上のように構成された従来の抵抗器について、次にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0007】
図13(a)〜(f)は従来の抵抗器の製造方法を示す工程図である。
【0008】
まず、図13(a)に示すように、絶縁性を有する個片状基板1の上面の左右両端部に、一対の第1の上面電極層2を塗着形成する。
【0009】
次に、図13(b)に示すように、一対の第1の上面電極層2に一部が重なるように前記個片状基板1の上面に抵抗層3を塗着形成する。
【0010】
次に、図13(c)に示すように、抵抗層3の全体を覆うように第1の保護層4を塗着形成した後、抵抗層3における全抵抗値が所定の抵抗値の範囲内に入るようにレーザー等により第1の保護層4および抵抗層3にトリミング溝5を施す。
【0011】
次に、図13(d)に示すように、第1の保護層4の上面に第2の保護層6を塗着形成する。
【0012】
次に、図13(e)に示すように、一対の第1の上面電極層2の上面に位置して前記個片状基板1の幅一杯まで延びるように一対の第2の上面電極層7を塗着形成する。
【0013】
次に、図13(f)に示すように、一対の第1、第2の上面電極層2,7と電気的に接続されるように個片状基板1の左右両端の側面に一対の側面電極層8を塗着形成する。
【0014】
最後に、一対の第2の上面電極層7および一対の側面電極層8の表面にニッケルめっきを施した後、はんだめっきを施すことにより、一対のニッケルめっき層9と、一対のはんだめっき層10を形成して従来の抵抗器を製造していた。
【0015】
また、上記した抵抗器は非常に小形化されてきており、近年では長さ0.6mm×幅0.3mm×厚み0.25mmという非常に小形の抵抗器も製造されるようになってきた。
【0016】
【特許文献1】
特開平4−102302号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の構成および製造方法で長さ0.6mm×幅0.3mm×厚み0.25mmという非常に小形の抵抗器を製造しようとした場合の課題について説明する。
【0018】
従来におけるアルミナ等の磁器からなるシート状の絶縁基板は、基板分割溝をシート状の絶縁基板の焼成前にあらかじめ形成し、そしてこの絶縁基板を焼成することにより製造している。このため、シート状の絶縁基板にあらかじめ形成された基板分割溝は、シート状の絶縁基板の微妙な組成ばらつきや、シート状の絶縁基板の焼成時の微妙な温度ばらつきにより寸法ばらつきが発生するものである(この寸法ばらつきは、約100mm×100mmのシート状の絶縁基板では約0.5mmにも達する。)。
【0019】
このような寸法ばらつきを有するシート状の絶縁基板を用いて、非常に微細な抵抗器を製造する場合には、個片状基板の寸法を縦方向と横方向のそれぞれに非常に細かい寸法ランクに分類し、そしてそれぞれの寸法ランクに相当する第1の上面電極層2、抵抗層3、第1の保護層4等のスクリーン印刷マスクを揃える必要があるとともに、個片状基板1の寸法ランクに応じてマスクを交換する必要があるものであり、その結果、非常に工程が煩雑になるという課題を有していた(例えば、寸法ランクを0.05mm刻みで分類する場合には縦方向と横方向合わせて、それぞれ25ランクで縦横合計約600ランク以上の寸法分類が必要となる。)。
【0020】
上記従来の課題を解決するために、本発明者らは、シート状の絶縁基板の上面に複数対の上面電極層を形成する工程と、前記複数対の上面電極層に一部が重なるように複数の抵抗層を形成する工程と、前記複数の抵抗層における前記複数対の上面電極層間の抵抗値を調整するためにトリミングを行う工程と、少なくとも前記複数の抵抗層を覆うように複数の保護層を形成する工程とを実施したシート状の絶縁基板に、前記複数対の上面電極層を分離して複数の短冊状基板に分割するためのスリット状の第1の分割部を複数形成し、その後、このスリット状の第1の分割部が複数形成された状態のシート状の絶縁基板における前記複数のスリット状の第1の分割部の内面にニッケルまたはニッケル系合金による複数対の側面電極層を形成し、その後、複数対の側面電極層を覆うように複数対のはんだ層を形成し、その後、前記シート状の絶縁基板における複数の短冊状基板に、前記複数の抵抗層が個々に分離されて個片状基板に分割されるように前記スリット状の第1の分割部と直交する方向に複数の第2の分割部を形成した抵抗器の製造方法を開発した。この製造方法の開発ポイントは、シート状の絶縁基板の状態で一括して側面電極層を形成することができるようにするために、シート状の絶縁基板に、複数対の上面電極層を分離して複数の短冊状基板に分割するためのスリット状の第1の分割部を複数形成するようにした点である。
【0021】
しかしながら、上記開発内容においては、ダイシング工法で第1の分割部を形成した場合に、上面電極層のダイシングされた部分において、大きなバリが発生し、これにより、抵抗器上面が平滑にならずに実装効率が高められないという課題を有していた。
【0022】
本発明は上記開発内容の課題を解決するもので、シート状の絶縁基板にスリット状の第1の分割部を形成する場合、バリが発生することはなく、これにより、抵抗器上面を平滑にできて実装効率を高めることができる抵抗器の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の抵抗器の製造方法は、シート状の絶縁基板の上面に金を主成分とする複数対の層をスクリーン印刷および焼成により形成する工程と、前記金を主成分とする複数対の層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に銀を主成分とする複数対の上面電極層を形成する工程と、前記複数対の上面電極層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に複数の抵抗層を形成する工程とを有し、前記絶縁基板において前記金を主成分とする複数対の層の部分を前記上面電極層は切断しないようにダイシング工法により切断して複数の短冊状基板に分割する工程を含むようにしたもので、この製造方法によれば、シート状の絶縁基板にスリット状の第1の分割部を形成する場合、バリが発生することはなく、これにより、抵抗器上面を平滑にできて実装効率を高めることができるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、シート状の絶縁基板の上面に金を主成分とする複数対の層をスクリーン印刷および焼成により形成する工程と、前記金を主成分とする複数対の層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に銀を主成分とする複数対の上面電極層を形成する工程と、前記複数対の上面電極層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に複数の抵抗層を形成する工程とを有し、前記絶縁基板において前記金を主成分とする複数対の層の部分を前記上面電極層は切断しないようにダイシング工法により切断して複数の短冊状基板に分割する工程を含むものである。
【0025】
請求項2に記載の発明は、シート状の絶縁基板の上面に金を主成分とする複数対の層をスクリーン印刷および焼成により形成する工程と、前記絶縁基板の上面に複数の抵抗層を形成する工程と、前記金を主成分とする複数対の層および前記複数の抵抗層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に銀を主成分とする複数対の上面電極層を形成する工程とを有し、前記絶縁基板において前記金を主成分とする複数対の層の部分を前記上面電極層は切断しないようにダイシング工法により切断して複数の短冊状基板に分割する工程を含むものである。
【0026】
以下、本発明の一実施の形態における抵抗器の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施の形態における抵抗器の断面図である。
【0028】
図1において、11は焼成済みの96%純度のアルミナからなるシート状の絶縁基板をスリット状の第1の分割部とこの第1の分割部と直交関係にある第2の分割部で分割することにより個片化された個片状基板である。12は個片状基板11の上面に形成された金を主成分とする金属からなる一対の層である。13は金を主成分とする金属からなる一対の層12に一部が重なるように個片状基板11の上面に形成された銀を主成分とする一対の上面電極層である。14は一対の上面電極層13に両端部が重なるように個片状基板11の上面に形成された酸化ルテニウム系の抵抗層である。15は抵抗層14の上面に形成されたプリコートガラス層からなる第1の保護層である。16は一対の上面電極層13間の抵抗層14の抵抗値を修正するために設けられたトリミング溝である。17はプリコートガラス層からなる第1の保護層15を覆うように形成された樹脂を主成分とする第2の保護層である。18は一対の上面電極層13の一部に重なるとともに、個片状基板11の両側面および裏面の両端部を覆うように形成されたニッケルからなる一対の側面電極層である。19は一対の側面電極層18および一対の上面電極層13の一部を覆うように形成されたスズからなるはんだ層である。
【0029】
以上のように構成された本発明の一実施の形態における抵抗器について、次にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0030】
図2は本発明の一実施の形態における抵抗器を製造する場合に用いられるシート状の絶縁基板の全周囲の端部に不要領域部を形成した状態を示す上面図、図3(a)〜(f)、図4(a)〜(f)、図5(a)〜(d)、図6(a)〜(d)、図7(a)〜(c)および図8(a)〜(c)は本発明の一実施の形態における抵抗器の製造方法を示す工程図である。
【0031】
まず、図2、図3(a)、図4(a)に示すように、焼成済みの96%純度のアルミナからなる厚み0.2mmの絶縁性を有するシート状の絶縁基板21を準備する。この場合、シート状の絶縁基板21は、図2に示すように、全周囲の端部に最終的には製品とならない不要領域部21aを有しているもので、そしてこの不要領域部21aは略ロ字状に構成されているものである。
【0032】
次に、図2、図3(b)、図4(b)に示すように、シート状の絶縁基板21の上面に後述する複数の第1の分割部を跨ぐようにしてスクリーン印刷工法により金を主成分とする金属からなる複数対の層22を形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、金を主成分とする金属からなる層22を安定な膜とする。
【0033】
次に、図2、図3(c)、図4(c)に示すように、シート状の絶縁基板21の上面に前記金を主成分とする金属からなる複数対の層22と電気的に接続されるようにスクリーン印刷工法により銀を主成分とする複数対の上面電極層23を形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、上面電極層23を安定な膜とする。
【0034】
次に、図2、図3(d)、図4(d)に示すように、複数対の上面電極層23と電気的に接続されるように、スクリーン印刷工法により酸化ルテニウム系の複数の抵抗層24をその両端部が上面電極層23に重なるように形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、抵抗層24を安定な膜とする。
【0035】
次に、図2、図3(e)、図4(e)に示すように、複数の抵抗層24を覆うように、スクリーン印刷工法により複数のプリコートガラス層からなる第1の保護層25を形成し、ピーク温度600℃の焼成プロファイルで焼成することにより、プリコートガラス層からなる第1の保護層25を安定な膜とする。
【0036】
次に、図3(f)、図4(f)に示すように、複数対の上面電極層23間の抵抗層24の抵抗値を一定の値に調整するために、レーザートリミング工法によりトリミングを行い、複数のトリミング溝26を形成する。
【0037】
次に、図5(a)、図6(a)に示すように、図面上の縦方向に並ぶ複数のプリコートガラス層からなる第1の保護層25を覆うように、スクリーン印刷工法により樹脂を主成分とする複数の第2の保護層27を形成し、ピーク温度200℃の硬化プロファイルで硬化することにより、第2の保護層27を安定な膜とする。
【0038】
次に、図5(b)、図6(b)に示すように、複数の第2の保護層27を覆うように、スクリーン印刷工法により複数の第1レジスト層28を形成し、紫外線硬化により第1レジスト層28を安定な膜とする。その後、さらにスクリーン印刷工法により、シート状の絶縁基板21の裏面上に複数の第2レジスト層29を形成し、紫外線硬化により第2レジスト層29を安定な膜とする。
【0039】
次に、図2、図5(c)、図6(c)に示すように、第1レジスト層28および第2レジスト層29を形成したシート状の絶縁基板21の全周囲の端部に形成された不要領域部21aを除いて、金を主成分とする金属からなる複数対の層22のみを分離して複数の短冊状基板21bに分割するためのスリット状の第1の分割部30をダイシング工法により複数形成する。この場合、複数のスリット状の第1の分割部30は700μmピッチで形成されており、かつこのスリット状の第1の分割部30の幅は120μm幅となっている。また前記複数のスリット状の第1の分割部30は、シート状の絶縁基板21を上下方向に貫通する貫通孔で形成されているものである。そしてまた前記シート状の絶縁基板21は、不要領域部21aを除いてダイシング工法により複数のスリット状の第1の分割部30を形成しているため、このスリット状の第1の分割部30を形成した後も複数の短冊状基板21bは不要領域部21aにつながっているため、シート状態を呈しているものである。
【0040】
次に、図5(d)、図6(d)に示すように、めっき浴に浸漬してめっきを行う無電解めっき工法を用いて、シート状の絶縁基板21の全面にニッケルめっきを施し、厚みが約4〜6μmの側面電極層31を形成する。この場合、複数のスリット状の第1の分割部30が、シート状の絶縁基板21を上下方向に貫通する貫通孔で形成されているため、シート状の絶縁基板21の全面に無電解めっき工法でニッケルめっきを施すことにより側面電極層31を形成した場合、側面電極層31はシート状の絶縁基板21の上面側から貫通孔となっているスリット状の第1の分割部30の内面全体を経てシート状の絶縁基板21の裏面側まで形成されるものである。またこの側面電極層31は、シート状の絶縁基板21の上面側では、露出している上面電極層23の一部と第1レジスト層28を覆うように形成され、かつシート状の絶縁基板21の裏面側では第2レジスト層29を覆うように形成されるものである。
【0041】
次に、図7(a)、図8(a)に示すように、複数の第1レジスト層(図示せず)および複数の第2レジスト層(図示せず)を剥離し、複数対の側面電極層31をパターニングする。
【0042】
次に、図7(b)、図8(b)に示すように、電気めっき工法を用いて、露出している複数対の側面電極層31および複数の第1レジスト層(図示せず)を剥離したことにより露出した上面電極層23の一部を覆うように、厚みが約4〜6μmのスズからなる複数対のはんだ層32を形成する。
【0043】
上記側面電極層31の厚みは約4〜6μmとなっているが、この範囲に限定されるものではなく、その厚みは1〜15μmが妥当であり、このような構成にした場合は、非常に寸法精度の高いものが得られるものである。
【0044】
また、上記はんだ層32はスズで構成しているが、これに限定されるものではなく、スズ合金系の材料でもよく、これらの材料で構成した場合は、リフローはんだ付け時に安定したはんだ付けができるものである。
【0045】
そしてまた上記金属からなる層22は金を主成分とする材料で構成するとともに、上面電極層23は銀を主成分とする材料で構成し、さらに抵抗層24は酸化ルテニウム系の材料で構成しているため、耐熱性および耐久性に優れた抵抗特性を確保できるものである。
【0046】
さらに上記抵抗層24等を覆う保護層は、抵抗層24を覆うプリコートガラス層からなる第1の保護層25と、この第1の保護層25を覆うとともに、トリミング溝26を覆う樹脂を主成分とする第2の保護層27の2層で構成しているため、前記第1の保護層25でレーザートリミング時のクラックの発生を防止して電流雑音を小さくできるとともに、前記樹脂を主成分とする第2の保護層27で抵抗層24全体が覆われることにより、耐湿性に優れた抵抗特性を確保できるものである。
【0047】
最後に、図2、図7(c)、図8(c)に示すように、シート状の絶縁基板21の全周囲の端部に形成された不要領域部21aを除いて、シート状の絶縁基板21における複数の短冊状基板21bに、複数の抵抗層24が個々に分離されて個片状基板21cに分割されるようにスリット状の第1の分割部30と直交する方向にダイシング工法を用いて複数の第2の分割部33を形成する。この場合、複数の第2の分割部33は400μmピッチで形成されており、かつこの第2の分割部33の幅は100μm幅となっている。そしてこの複数の第2の分割部33は不要領域部21aを除いて複数の短冊状基板21bにダイシング工法により形成しているため、この複数の第2の分割部33を形成する毎に個片状基板21cに切断分割され、そして個片化された製品は不要領域部21aから分離されるものである。
【0048】
以上のような工程により、本発明の一実施の形態における抵抗器は製造されるものである。
【0049】
上記工程により製造した抵抗器の長さ寸法および幅寸法は、ダイシング工法により形成されたスリット状の第1の分割部30および第2の分割部33の間隔が正確(±0.005mm以内)であるとともに、側面電極層31およびはんだ層32の厚みも正確であるため、製品である抵抗器の全長および全幅は、正確に長さ0.6mm×幅0.3mmとなるものである。また金を主成分とする金属からなる層22、上面電極層23および抵抗層24のパターン精度も、個片状基板の寸法ランク分類が不要であるとともに、同一の個片状基板の寸法ランク内での寸法ばらつきを考慮する必要がないため、抵抗層24の有効面積も従来品に比べて大きくとることができるものである。すなわち、従来品における抵抗層は長さ約0.20mm×幅0.19mmであったのに対し、本発明の一実施の形態における抵抗器の抵抗層24は長さ約0.25mm×幅約0.24mmとなって、面積が約1.6倍以上となるものである。
【0050】
上記複数のスリット状の第1の分割部30および複数の第2の分割部33はダイシング工法を用いて形成しているもので、個片状基板の寸法分類が不要なシート状の絶縁基板21を用いているため、従来のような個片状基板の寸法分類は不要となり、これにより、従来のようなマスク交換による工程の煩雑さをなくすることができるとともに、ダイシングも半導体等で一般的なダイシング設備を用いて容易に行うことができるものである。
【0051】
また上記シート状の絶縁基板21は全周囲の端部に最終的には製品とならない不要領域部21aを形成し、かつ複数のスリット状の第1の分割部30および複数の第2の分割部33は前記不要領域部21aには形成しないようにしているため、複数のスリット状の第1の分割部30を形成した後も複数の短冊状基板21bは不要領域部21aにつながっており、そのため、シート状の絶縁基板21が複数の短冊状基板21bに細かく分離されるということはなく、したがって、複数のスリット状の第1の分割部30を形成した後も、不要領域部21aを有するシート状の絶縁基板21の状態で後工程を行うことができるため、工程設計が簡略化できるものである。また複数の第2の分割部33を形成すると、この複数の第2の分割部33を形成する毎に個片状基板21cに切断分割され、そして個片化された製品は不要領域部21aから分離されるため、不要領域部21aと製品とを後で選別するという工程は不要となるものである。
【0052】
そしてまた複数対の側面電極層31および複数対のはんだ層32はシート状の絶縁基板21の状態で形成するようにしているため、側面電極層31をシート状の絶縁基板21に形成することができるとともに、電気めっき工法によりはんだ層32を形成する際には電位差を小さくすることができ、これにより、安定したはんだ層32を形成できるものである。
【0053】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、最終的には製品とならない不要領域部21aをシート状の絶縁基板21の全周囲の端部に形成して略ロ字状に構成したものについて説明したが、この不要領域部21aはシート状の絶縁基板21の全周囲の端部に必ずしも形成する必要はなく、例えば、図9に示すようにシート状の絶縁基板21の一端部に不要領域部21dを形成した場合、図10に示すようにシート状の絶縁基板21の両端部に不要領域部21eを形成した場合、図11に示すようにシート状の絶縁基板21の3つの端部に不要領域部21fを形成した場合においても、上記本発明の一実施の形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0054】
また上記本発明の一実施の形態においては、複数の第2の分割部33をダイシング工法により形成したものについて説明したが、これ以外に、例えば、この複数の第2の分割部33をシート状の絶縁基板21の裏面側、上面側、中央部のいずれかに薄肉部を残してシート状の絶縁基板21の上面側、裏面側、中央部のいずれかをレーザー工法、ダイシング工法等で切断することにより形成してもよく、これらの場合は、第2の分割部33を形成する毎に個片化されるのではなく、2段階で個片化されるものである。
【0055】
そしてまた上記本発明の一実施の形態においては、第1レジスト層28および第2レジスト層29を形成した後に、スリット状の第1の分割部30を形成したが、前記第1レジスト層28および第2レジスト層29は、スリット状の第1の分割部30を形成した後に形成してもよいものである。但し、スリット状の第1の分割部30を形成した後に第1レジスト層28および第2レジスト層29をスクリーン印刷する場合には、シート状の絶縁基板21の強度が弱くなるため、スクリーン印刷時の印圧を弱くする必要がある。
【0056】
さらに第2レジスト層29はプリコートガラス層からなる第1の保護層25を形成した直後に形成しても上記本発明の一実施の形態と同様の効果が得られるものである。
【0057】
さらにまた上記本発明の一実施の形態においては、第1レジスト層28および第2レジスト層29の剥離は、はんだ層32の形成前に行ったが、これははんだ層32の形成後でも可能である。
【0058】
また上記本発明の一実施の形態においては、シート状の絶縁基板21の上面に複数対の上面電極層23を形成した後、この複数対の上面電極層23を跨ぐように複数の抵抗層24を形成するようにしているが、シート状の絶縁基板21の上面に複数の抵抗層24を形成した後、この複数の抵抗層24に一部が重なるように複数対の上面電極層23を形成するようにしても、上記本発明の一実施の形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0059】
そしてまた上記本発明の一実施の形態においては、複数の短冊状基板21bに分割するためのスリット状の第1の分割部30を複数形成する場合、複数対の金を主成分とする金属からなる層22、複数対の上面電極層23、複数の抵抗層24、複数の第1の保護層25、複数のトリミング溝26、複数の第2の保護層27、複数の第1レジスト層28、複数の第2レジスト層29を形成したシート状の絶縁基板21における前記複数対の金を主成分とする金属からなる層22のみに、この複数対の金を主成分とする金属からなる層22を分離してシート状の絶縁基板21を複数の短冊状基板21bに分割するためのスリット状の第1の分割部30を複数形成するようにしたものについて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、これ以外に、シート状の絶縁基板21に複数対の金を主成分とする金属からなる層22、複数対の上面電極層23、複数の抵抗層24を形成し、そしてこの複数の抵抗層24における前記複数対の上面電極層23間の抵抗値を調整するためにトリミングを行った後、このシート状の絶縁基板21における前記複数対の金を主成分とする金属からなる層22のみに、この複数対の金を主成分とする金属からなる層22を分離してシート状の絶縁基板21を複数の短冊状基板21bに分割するためのスリット状の第1の分割部30を複数形成するようにした場合においても、上記本発明の一実施の形態と同様の効果を奏するものである。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明の抵抗器の製造方法によれば、シート状の絶縁基板の上面に形成された複数対の金を主成分とする層と複数対の上面電極層が電気的に接続されるように構成しているため、一対の上面電極層間の抵抗値を調整するためのトリミング時の抵抗値測定においては、当該の上面電極層の他に隣接する金を主成分とする層も使用でき、これにより、特に微細な抵抗器の場合にはトリミング用の検針を上面電極に容易に接触させることができ、また、シート状の絶縁基板にスリット状の第1の分割部を形成する場合、金を主成分とする層のみが切断されて上面電極層は切断されないため、バリが発生することはなく、これにより、抵抗器上面を平滑にできるため、実装効率を高めることができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における抵抗器の製造方法により得られた抵抗器の断面図
【図2】 同抵抗器を製造する場合に用いられるシート状の絶縁基板の全周囲の端部に不要領域部を形成した状態を示す上面図
【図3】 (a)〜(f)同抵抗器の製造工程を示す断面図
【図4】 (a)〜(f)同抵抗器の製造工程を示す平面図
【図5】 (a)〜(d)同抵抗器の製造工程を示す断面図
【図6】 (a)〜(d)同抵抗器の製造工程を示す平面図
【図7】 (a)〜(c)同抵抗器の製造工程を示す断面図
【図8】 (a)〜(c)同抵抗器の製造工程を示す平面図
【図9】 同抵抗器を製造する場合に用いられるシート状の絶縁基板の一端部に不要領域部を形成した状態を示す上面図
【図10】 同抵抗器を製造する場合に用いられるシート状の3つの端部に不要領域部を形成した状態を示す上面図
【図11】 同抵抗器を製造する場合に用いられるシート状の3つの端部に不要領域部を形成した状態を示す上面図
【図12】 従来の抵抗器の断面図
【図13】 (a)〜(f)従来の抵抗器の製造工程を示す斜視図
【符号の説明】
12,22 金を主成分とする層
13,23 上面電極層
14,24 抵抗層
21 シート状の絶縁基板
21b 短冊状基板
30 スリット状の第1の分割部

Claims (2)

  1. シート状の絶縁基板の上面に金を主成分とする複数対の層をスクリーン印刷および焼成により形成する工程と、前記金を主成分とする複数対の層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に銀を主成分とする複数対の上面電極層を形成する工程と、前記複数対の上面電極層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に複数の抵抗層を形成する工程とを有し、前記絶縁基板において前記金を主成分とする複数対の層の部分を前記上面電極層は切断しないようにダイシング工法により切断して複数の短冊状基板に分割する工程を含む抵抗器の製造方法。
  2. シート状の絶縁基板の上面に金を主成分とする複数対の層をスクリーン印刷および焼成により形成する工程と、前記絶縁基板の上面に複数の抵抗層を形成する工程と、前記金を主成分とする複数対の層および前記複数の抵抗層に電気的に接続されるように前記絶縁基板の上面に銀を主成分とする複数対の上面電極層を形成する工程とを有し、前記絶縁基板において前記金を主成分とする複数対の層の部分を前記上面電極層は切断しないようにダイシング工法により切断して複数の短冊状基板に分割する工程を含む抵抗器の製造方法。
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