JP3904908B2 - シールド掘削機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法に用いられるシールド掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下構造物や坑道を構築する方法の一つであるシールド工法は、円筒状の殻、すなわちシールドを地盤に押し込みながらその中で前面の掘削を行うことにより掘削直後の地盤を保護し、その後部ではただちに覆工を施工しながらトンネルを構築していくという工法である。
覆工は、例えばセグメントと呼ばれる鉄筋コンクリートブロックを円環状に組み立てることにより行われる。このセグメントを長手方向に連続して組み立てることによってトンネルの内壁が形成される。
シールド工法は安全かつ確実に作業を行えるという特徴があり、また、建造物が密集した都心部など、地面を直接上から掘り下げて構造物を造る開削工法を用いることが困難な場合には、ほとんどシールド工法が用いられる。
シールド工法に用いられるシールド掘削機は、多数のビットを前面に設けたヘッドを油圧モータなどの駆動機構を用いて回転させながら押し進むことにより、効率的に地山の切削、取り込みを行う掘削機である。
【0003】
近年は施工環境や経済性、工期短縮の面からシールド工事の長距離化が進められており、これに伴ってシールド掘削機の各部の耐久性の向上が必要となってくる。さらに、長距離化により様々な土質を掘削する必要性が生じることが考えられ、各土質に適したビットを選択して交換することが施工効率に大きく影響する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
シールド掘削機の各部の中で特に劣化が著しいのは、地山に直に接して掘削するビットであり、施工効率を上げる為にはビットを施工途中で交換する必要があった。
そこで従来では、切羽周辺の地山を地盤改良により自立させてから切羽面とシールド掘削機との間に作業員が入り込んでビットを交換したり、あるいは、シールド掘削機の進行先に、作業員が交換作業できる程度の大きさの竪穴(中間立坑)を地表から掘っておき、この中間立坑に到達するまで掘削してから中間立坑内でビットを交換していた。
しかし近年、都市部におけるシールド工法では、地表建造物の密集化などにより用地の取得が困難なことから中間立坑を構築することが難しくなってきている。また、地下空間を有効に利用するためにはシールド工事をより深く大きな断面で施工する必要があるが、このような場合にも中間立坑を構築することは困難であった。
さらに、シールド工事の長距離化に伴い、施工途中で土質が大きく変化する場合が考えられる。このような場合、効率良く施工する為には施工途中で、各土質に適したビットに交換する必要があった。
これらの施工条件において、上述した従来方法を用いてビットを交換すると、多くのコストと長い工期が必要となっていた。
【0005】
また、上記従来方法のほかに、例えば特開平11−350877号公報に、カッタースポークを軸回りに回転させることによって、ビットの交換作業を行う方法も提示されている。
しかし、このビット交換方法によれば、磨耗の激しい、カッタヘッドの外周寄りに設けられたビットも、磨耗の少ない中心寄りに設けられたビットも同時に交換することになるので、経済的でないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、地中内で簡単、安全でかつ効率のよいシールド掘削機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ビットを有して回転するカッタヘッド(2)を備えたシールド掘削機(1)であって、前記カッタヘッドに、カッタヘッドの正面側をほぼ半径方向に沿って移動してカッタヘッドの背面側に回り込み、正面側と逆の方向で背面側をほぼ半径方向沿って移動して正面側に回りこむように周回移動自在に設けられた環状部材(チェーン15a)と、該環状部材に、該環状部材の周方向に沿って列状に、該環状部材のほぼ全周に渡るように設けられたビット(12、14)と、前記環状部材を周回移動するように駆動する環状部材駆動手段(駆動源)とを備え、前記環状部材を回転させることにより、カッタヘッドの正面側に位置するビットと、カッタヘッドの背面側に位置するビットとを交換自在となっていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、掘削途中でビットが摩耗した場合に、前記環状部材を回転させることにより、カッタヘッドの正面側に位置する摩耗したビットと、カッタヘッドの背面側に位置するビットとを容易に交換することができる。
ビットを環状部材の周回移動により、カッタヘッドの半径方向に沿って移動できるので、カッタヘッドの回転による移動距離が長く摩耗しやすいカッタヘッドの外周側のビットを、カッタヘッドの回転による移動距離が短くビットが摩耗しにくいカッタヘッドの中心側に移動したり、逆に、カッタヘッドの中心側のビットをカッタヘッドの外周側に移動させたりすることが可能となる。
これにより、カッタヘッドの外周側のビットだけ大きく摩耗してしまうのを防止することができる。
また、カッタヘッド上に、半径方向に沿って列状にビットを配置すると、カッタヘッドの外周側のビット密度(単位面積あたりのビット数)が、カッタヘッドの中心側より低くなり、カッタヘッドの中心部分に対応する切羽部分の方が掘削されやすい状態となるとともに、上述のようにカッタヘッドの外周側のビットの方が摩耗しやすいので、例えば、カッタヘッドの正面側において、ビットをカッタヘッドの外周側から中心側に移動し、カッタヘッドの背面側において、ビットをカッタヘッドの中心側から外周側に移動するように環状部材を周回移動させることで、例えば、ビット交換時に一個もしくは数個ずつビットを交換するようにすれば、カッタヘッドの外周側のビットが比較的頻繁に交換されることになり、カッタヘッドの外周側部分の掘削能力が低下するのを防止することができる。
なお、環状部材の周回移動によるビットの交換方法は、特に限定されるものではなく、カッタヘッドの正面側において、外周側から中心側に環状部材を回転させてビットを交換しても良いし、その逆回りに環状部材を回転させてビットを交換しても良い。
また、カッタヘッドの正面側のビットと背面側のビットを一回の交換で全て入れ替えても良いし、正面側のビットと背面側のビットとを複数回の交換に分けて順次交換するようにしても良い。
【0009】
また、環状部材を、例えば、幅の狭いチェーン状の部材としても良いし、幅の広い鋼製ベルトとしても良い。なお、環状部材となるチェーン状の部材や鋼製ベルトは、いわゆるチェーンや無限軌道と同様に、多数の鋼製部材を互いに回動可能に連結して環状としたものであり、その幅は任意に決めることができ、環状部材全体の径方向に直交する方向に沿った鋼製部材の幅が狭ければチェーン状となり、幅が広ければベルト状となる。そして、環状部材は、掘削に耐えられる強度を有する必要があり、ゴム等の柔軟な部材よりは、金属等の硬質な部材を連結した構造を有するものの方が好ましい。なお、何らかの方法で強化されて充分な強度を有するものならば、ゴム等の柔軟な部材を環状に成形したものを用いても良い。
また、一つの環状部材に、カッタヘッドにその半径方向に沿って取り付けた状態でカッタヘッドの略半径方向に沿って一列にビットが設けられていても良いし、カッタヘッドの略半径方向に沿って複数列にビットが設けられていても良い。
また、カッタヘッドに複数の環状部材が設けられていることが好ましく、この際には、各環状部材が周方向に沿って等角度の間隔を開けて配置されていることが好ましい。
【0010】
また、環状部材は、カッタヘッドの中心の近傍からカッタヘッドの外周縁もしくは外周縁の近傍まで設けられているものとしても良いし、上述のビットの摩耗が少ないカッタヘッドの中心側にはビットを固定的に配置し、カッタヘッドの外周部分(例えば、カッタヘッドの半径の1/2より外周側)に、案内部材を半径方向に沿って配置するものとしてもよい。
また、後述するように掘削中、すなわち、カッタヘッドの回転中に、環状部材を回転させておくものとしても良い。この場合には、ビットがカッタヘッドの正面側と背面側とを複数回に渡って行き来するものとしても良い。
また、ビットの摩耗の状態を検知する検知手段を設けて、ビットが摩耗した際にビットを交換するものとしても良い。
【0011】
請求項1に記載の発明は、さらに、前記環状部材に設けられたビットが交換自在に前記環状部材に設けられ、カッタヘッドの背面側に位置するビットをシールド掘削機本体内部から交換自在とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、上記構成においては、基本的に、環状部材のカッタヘッドの正面側にあるビットと、該ビットとほぼ同数の背面側にあるビットとを全て入れ替えてしまえば、それ以上、ビットの交換を行うことができず、基本的に一回のビット交換で掘削できる程度の距離より長く掘削距離を延ばすことが難しいが、環状部材のビットを取り外し、交換するようにすれば、さらに掘進可能な距離を延ばすことができる。
また、上述のように掘削している間、環状部材を回転する構成とすれば、各ビットは、背面側にある間、摩耗が抑制されるので、その耐用期間が長くなるとともに均等に摩耗するが、この場合も一回のビット交換で掘削できる程度の距離より長く掘削距離を延ばすことが難しい。しかし、上述のように環状部材のビットを取り外して交換することで、掘進可能な距離を延ばすことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のシールド掘削機において、前記カッタヘッドの後方にチャンバー(掘削チャンバー36)が設けられ、該チャンバー内に進入してカッタヘッドの背面に密着することにより、内部を密閉した状態に保持するロック室(33)を備え、
該ロック室からカッタヘッドの背面側のビットが交換可能となっていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、チャンバー内に土砂、泥水等を加圧した状態に保持して、切羽の土留めを行う方式のシールド掘削機においても、ロック室をチャンバー内に進入させることで、ビットの交換作業を行うスペースをチャンバー内に確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図5に基づいて詳細に説明する。
図1(A)はシールド掘削機1の正面概略図であり、図1(B)は側面概略図である。シールド掘削機1は、切羽に当接する略円形状のカッタヘッド2と、カッタヘッド2の切羽側と反対側の面に接続され、掘削された土砂が取り込まれる掘削チャンバー36等を備えた胴体4を有している。
カッタヘッド2の後方には、胴体4とカッタヘッド2を隔てる略円形状のバルクヘッド34が位置しており、カッタヘッド2とバルクヘッド34との間には、ビットにより掘削された土砂が溜まる掘削チャンバー36が形成されている。掘削チャンバー36には、切羽の崩壊を防ぐために必要な泥水圧(もしくは土圧、泥土圧)が加えられるようになっている。
図1(B)に示すように胴体4内には、スクリューコンベア32が前傾して配設されており、このスクリューコンベア32の前端部は、バルクヘッド34を貫通して掘削チャンバー36に達している。掘削チャンバー36内に溜まった土砂は、このスクリューコンベア32を通過して、胴体4の後方へ運び出されるようになっている。
バルクヘッド34の上部中央には所定の大きさを有する開口部35aが形成されており、この開口部35aには開閉自在な開閉扉35が形成されている(図1(A)参照)。胴体4内の開閉扉35に対応する位置には、ビットを交換する際に使用するロック室33が設けられている。
ロック室33は、図2に示すように開閉扉35側(図2では左方)が開口した箱形であり、開口部の縁部を取り巻くように止水ゴム33aが取り付けられている。なお、図2はロック室33が開口した開閉扉35を貫通して掘削チャンバー36内に入り、後述するスポーク部17に達するまで移動した状態を示している。
【0016】
カッタヘッド2の中心には、図示しない油圧モータ等により回転駆動される駆動軸3が回転自在に取り付けられている。この駆動軸3の回転に伴ってカッタヘッド2が回転することにより、切羽が掘削される。
カッタヘッド2の外周部には、固定ビット20、20…が周方向に所定間隔をあけて取り付けられている。カッタヘッド2の切羽に対向する面には、半径方向に沿ったスリット2a、2a…がカッタヘッド2の円周方向に沿って90度おきに計4つ形成されている。このスリット2a、2a…には、長尺なスポーク部17、17…が設けられている。
スポーク部17、17…のそれぞれの両脇には、複数のビット14、14…を有するチェーン部15、15…がスポーク部17、17…の軸方向に沿って設けられている。
【0017】
以下、1つのチェーン部15について詳述するが、実際にはチェーン部15はカッタヘッド2に計8つ設けられており、それらは全て同様の構成である。
チェーン部15は、ビット14、14…が表面に取り付けられた環状のチェーン15a(環状部材)、このチェーン15aを回転駆動させるスプロケット30、31等から構成される。
ここで便宜上、前述のビット14、14…のうち、カッタヘッド2の背面側に位置しているものに別符号を付し、ビット12、12…とする。ビット12とビット14は、共にチェーン15aに同様に取り付けられたビットであり、チェーン15aは回転可能である為、ビット12とビット14の位置は相互に交換可能である。なお、ビット14,14…(12、12,…)は、例えば、ボルト等の締結手段やその他の接合部材により、着脱可能にチェーン15aを構成する互いに連結された鋼製部材に接合されている。
【0018】
スプロケット30、31は図示しない駆動源(環状部材駆動手段)に接続されており、互いに連動して回転する。スプロケット30、31に掛け渡されたチェーン15aは、スプロケット30、31の回転に伴って回転する。
なお、スプロケット30、31は、左右どちらにも回転可能である。
【0019】
次に、シールド掘削機1におけるビット交換方法について説明する。
シールド掘削機1は従来のシールド掘削機と同様の方法により、地山を掘削していく。まず始めに、固定ビット20、20…、ビット14、14…により掘削を行う。ある程度の掘削を行うと、固定ビット20、20…、ビット14、14…の磨耗や土質の変化によりシールド掘削機1の掘削効率が低下する。
そこで、スプロケット30、31を駆動させることによりチェーン15aを回転させ、カッタヘッド2の裏面に位置していた未使用のビット12、12…をカッタヘッド2の表面(切羽側)へ移動させる。この際、ビット14、14…をすべてビット12、12…に入れ替えなくてもよく、損傷の激しいカッタヘッド2の外周寄りのビット14、14…だけを交換するように、例えば外周から1/4や1/2量のビット14、14…を入れ替えるようにチェーン15aを回転させて止めてもよい。
【0020】
チェーン15aに取り付けられたビット12、12…、14、14…が全て磨耗した場合には、以下の手順によって、さらに新たなビットに交換する。
まず、バルクヘッド34に設けられた開閉扉35を開いて胴体4内のロック室33を前進させる。次に、開閉扉35を通過したロック室33の縁部に取り付けられた止水ゴム33aを、チェーン部15のチェーン15aを含むスポーク部17に押し付けることにより止水する。さらにロック室33内を圧気することにより、確実に止水する。
止水されたロック室33の中に作業員が入り込み、磨耗したビット12、12…、14、14…を取り外し、新しいビットをチェーン15aに取り付ける。
また、チェーン15aは所定箇所で分割可能な構成であってもよく、この場合、ロック室33内のビット12、12…はチェーン15aの一部分ごと交換することが出来る。
【0021】
ところで、前述のようにビット14、14…を交換する際にチェーン15aを回転させるだけではなく、チェーン15aを回転させながら掘削進行してもよい。この場合、効率よく掘削する為にはチェーン15aの回転を制御する必要がある。
以下、チェーン15aに取り付けられたビット14、14…の軌跡について説明する。
図3は、チェーン15aを回転させずにカッタヘッド2を回転させた場合の、ビット14、14…の軌跡を示している。これは、1本のチェーン15aに取り付けられたビット14、14…の軌跡である。
なお、ビットの軌跡を示す図3と、後述する図4及び図5とにおいては、カッタヘッド2の一定の回転角度毎のビット14の位置を丸、四角、三角等で示し、その間を直線(実線、一点鎖線、二点鎖線、破線等)で結んで簡易的にビット14の軌跡を図示しているが、実際のビット14の軌跡は円弧もしくはそれに近い曲線となる。
図3に示すように、カッタヘッド2の外周側のビット14の軌跡は、カッタヘッド2の内周側のビット14の軌跡に比較して長くなる。
図4は、カッタヘッド2を反時計回りに回転させると同時に、ビット14、14…を備えたチェーン15aをカッタヘッド2の前面において外周から中心方向へ1Hzで回転させたときのビット14、14…の軌跡である(1本のチェーン15aに備えられたビット14、14…の軌跡のみ図示)。なお、1Hzで回転させるとは、カッタヘッド2が1回転する間にチェーン15aも1回転するという意味である。
なお、図4においては、一つのチェーンに設けられた14個のビットのカッタヘッド2の前面に現れた際の軌跡を示している。また、図4は、上述のようにカッタヘッド2の所定角度毎のビット14の位置を示すとともに、ビット14の位置を直線でつないで簡易的にビット14の軌跡を示している。
【0022】
そして、図4に示すように各ビット14、14…の軌跡は、図3に示すビットの円状の軌跡からカッタヘッド2の中心にずれる曲線状の軌跡を描くことになり、カッタヘッド2の外周部に位置するビット14はカッタヘッド2の回転に伴いカッタヘッド2の中心に向かい、カッタヘッド2の中央部の近傍に至ると、カッタヘッド2の裏側に回ることになる。これにより、カッタヘッド2の外周側のビット14の軌跡がカッタヘッド2の内周側のビット14の軌跡より長くなるようなことがなく、チェーン15aに支持された各ビット14の軌跡の長さが均等となり、カッタヘッド2の外周側のビット14だけが先に摩耗してしまうことがなくなる。したがって、各ビット14で効率的に掘削を行うことができ、それに伴い、各ビット14全体としての掘削距離を延ばすことができる。
【0023】
図5は、異なる二本のスポーク部17,17のそれぞれのチェーン15aを0.5Hz(カッタヘッド1が一回転した際にチェーン15aが半回転)で回転させながら掘削を行うとともに、それぞれのチェーン15aに設けられたビット14,14…の軌跡が重ならないように、各チェーン15aの回転を制御した場合のビット14、14…の軌跡を示している。
なお、No.1〜No.7までの軌跡が二つのチェーン15aのうちの一方のチェーン15aに設けられたビット14,14…の軌跡を示し、No.8〜No.14までが他方のチェーン15aに設けられたビット14,14…の軌跡を示している。
このように、カッタヘッド2に設けられた各チェーン15a、15a…の回転を制御する際に、各チェーン15a、15a…に設けられたビット14,14…の軌跡が重ならないように各チェーン15a、15a…で同期を取って制御することで、異なるチェーン15a、15a…のビット14,14…が同じ位置を重なって掘削することがなく、効率的に地盤を掘削することが可能となる。
【0024】
以上の本発明におけるシールド掘削機1およびそのビット交換方法によれば、スポーク部17、17…には、ビット14、14…を備えた回転可能なチェーン部15、15…が設けられている。
切羽に対向したビット14、14…が磨耗した際には、チェーン15aを回転させることにより、カッタヘッド2の裏側に位置していた未使用のビット14、14…をカッタヘッド2の表側に移動させる。
すなわち、中間立坑や切羽周辺の地盤改良などを行う必要がなく、チェーン15a、15a…を回転させてカッタヘッド2の裏面に位置していたビット14、14…を表面に移動させることによりビットの交換を容易に行うことができるので、大幅なコスト削減になる。また、迅速にビット14の交換を行うことが出来るため、工期を短縮することが可能である。
また、磨耗の激しい外周部のビット14、14…のみを交換することも出来る為、無駄がない。
さらに、チェーン15a、15a…を回転させながら掘進してもよい。その場合、ビット14、14…全体が均一に磨耗する為、外周寄りのビット14、14…を交換する必要がない。
【0025】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態におけるシールド掘削機1に、磨耗検知装置を設け、検知された磨耗度合いによりチェーン15aの回転を制御することが可能である。
また、上記実施の形態では、スポーク部17に沿ったビット14、14…は全てチェーン15aに取り付けられているが、カッタヘッド2の外周部寄りの、磨耗の激しいビット14、14…のみをチェーン15aに取り付けてもよい。
つまり、カッタヘッド2の内周部側に固定カッタビットを設け、カッタヘッドの外周から、例えば1/2の長さに相当する部分にチェーン部15を設けてもよい。また、チェーン部15は、カッタヘッド2の外周から1/2の長さより長くても短くてもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、掘削途中でビットが摩耗した場合に、前記環状部材を回転させることにより、カッタヘッドの正面側に位置する摩耗したビットと、カッタヘッドの背面側に位置するビットとを容易に交換することができる。
ビットを環状部材の周回移動により、カッタヘッドの半径方向に沿って移動できるので、カッタヘッドの回転による移動距離が長く摩耗しやすいカッタヘッドの外周側のビットを、カッタヘッドの回転による移動距離が短くビットが摩耗しにくいカッタヘッドの中心側に移動したり、逆に、カッタヘッドの中心側のビットをカッタヘッドの外周側に移動させたりすることが可能となる。
これにより、カッタヘッドの外周側のビットだけ大きく摩耗してしまうのを防止することができる。
【0027】
また、カッタヘッド上に、半径方向に沿って列状にビットを配置すると、カッタヘッドの外周側のビット密度(単位面積あたりのビット数)が、カッタヘッドの中心側より低くなり、カッタヘッドの中心部分に対応する切羽部分の方が掘削されやすい状態となるとともに、上述のようにカッタヘッドの外周側のビットの方が摩耗しやすいので、例えば、カッタヘッドの正面側において、ビットをカッタヘッドの外周側から中心側に移動し、カッタヘッドの背面側において、ビットをカッタヘッドの中心側から外周側に移動するように環状部材を周回移動させることで、例えば、ビット交換時に一個もしくは数個ずつビットを交換するようにすれば、カッタヘッドの外周側のビットが比較的頻繁に交換されることになり、カッタヘッドの外周側部分の掘削能力が低下するのを防止することができる。
【0028】
特に、上記構成においては、基本的に、環状部材のカッタヘッドの正面側にあるビットと、該ビットとほぼ同数の背面側にあるビットとを全て入れ替えてしまえば、それ以上、ビットの交換を行うことができず、基本的に一回のビット交換で掘削できる程度の距離より長く掘削距離を延ばすことが難しいが、環状部材のビットを取り外し、交換するようにすれば、さらに掘進可能な距離を延ばすことができる。
また、上述のように掘削している間、環状部材を回転する構成とすれば、各ビットは、背面側にある間、摩耗が抑制されるので、その耐用期間が長くなるとともに均等に摩耗するが、この場合も一回のビット交換で掘削できる程度の距離より長く掘削距離を延ばすことが難しいが、上述のように環状部材のビットを取り外して交換することで、掘進可能な距離を延ばすことができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、チャンバー内に土砂、泥水等を加圧した状態に保持して、切羽の土留めを行う方式のシールド掘削機においても、ロック室をチャンバー内に進入させることで、ビットの交換作業を行うスペースをチャンバー内に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施例であるシールド掘削機の正面概略図であり、(B)は側面概略図である。
【図2】本発明の一実施例であるシールド掘削機のロック室をチェーン部に押しつけたときの、ロック室の断面図である。
【図3】チェーン部を回転させずに、カッタヘッドを一回転させたときのビットの軌跡である。
【図4】チェーン部を1Hzで中心方向へ一回転させると共に、カッタヘッドを左に一回転させたときのビットの軌跡である。
【図5】2カ所のチェーン部でビットの位置をずらして制御した場合のビットの軌跡である。
【符号の説明】
1 シールド掘削機
2 カッタヘッド
12、14 ビット
15 チェーン部
15a チェーン(環状部材)
17 スポーク部
20 固定ビット
33 ロック室
33a 止水ゴム
34 バルクヘッド
35 開閉扉

Claims (2)

  1. ビットを有して回転するカッタヘッドと、
    前記カッタヘッドに、カッタヘッドの正面側をほぼ半径方向に沿って移動してカッタヘッドの背面側に回り込み、正面側と逆の方向で背面側をほぼ半径方向沿って移動して正面側に回りこむように周回移動自在に設けられた環状部材と、
    該環状部材に、該環状部材の周方向に沿って列状に、該環状部材のほぼ全周に渡るように設けられたビットと、
    前記環状部材を周回移動するように駆動する環状部材駆動手段とを備え、
    前記環状部材を回転させることにより、カッタヘッドの正面側に位置するビットと、カッタヘッドの背面側に位置するビットとが交換自在となっているシールド掘削機であって、
    前記環状部材に設けられたビットが交換自在に前記環状部材に設けられ、
    カッタヘッドの背面側に位置するビットをシールド掘削機本体内部から交換自在とされていることを特徴とするシールド掘削機。
  2. 前記カッタヘッドの後方にチャンバーが設けられ、
    該チャンバー内に進入してカッタヘッドの背面に密着することにより、内部を密閉した状態に保持するロック室を備え、
    該ロック室からカッタヘッドの背面側のビットが交換可能となっていることを特徴とする請求項1記載のシールド掘削機。
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