JP3904347B2 - 監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物などの監視物件を監視し、侵入異常があったときは、侵入者に対して音声にて威嚇を行う監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、監視物件内に威嚇用スピーカを配置し、侵入異常を検知したときは、音声にて侵入者に対して威嚇を行うようにした監視装置がある。また、一般に、監視装置は、停電に備えてバッテリを使用したバックアップ電源を具備している。このバックアップ電源を備える監視装置においては、停電時には、威嚇用スピーカに対しても、その他の機能と区別することなくバックアップ電源から電力を供給していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スピーカは、音声出力時の消費電力が大きい。したがって、停電時に通報手段などの他の機能と一律にバッテリによるバックアップをし、長時間に渡って威嚇音声を出力し続けると、バッテリが早く消費されることとなり、監視装置全体に対するバックアップ可能な時間が短くなるという問題が生じる。
【0004】
本発明は、監視装置において、威嚇用スピーカのバックアップ時間を適切にコントロールすることにより、警備上重要なその他の機能に対する電源のバックアップを長時間維持できるようにすることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。本発明は、監視物件に配置した侵入者検知手段と威嚇用スピーカとに接続され、停電時のバックアップ電源を有する監視装置において、停電時における前記スピーカの動作時間を累積する累積手段と、前記累積手段が累積した時間が所定値を超えると、以後、前記バックアップ電源による前記スピーカの動作を禁止する手段とを設ける。
【0006】
一般に、監視物件に侵入した侵入者に対する音声による威嚇は、長時間に渡って行う必要はない。つまり、通信機能、センサへの給電などのその他の機能のように長時間に渡って機能を維持する必要がない。本発明の監視装置は、停電時のバックアップ電源による威嚇用スピーカの動作を時間的に制限することにより、監視装置全体に対する電源のバックアップ時間を長時間に渡って維持する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明を適用した警備システムの全体構成を示す。
建物などの監視物件にコントローラ(監視装置)1が設置され、このコントローラ1に、監視物件内に配置された画像センサ2、威嚇用スピーカ3、非常ボタン4、侵入センサ5、モード設定器8が接続される。
【0008】
コントローラ1は、通信回線としての電話回線6を介して、遠隔地の警備センタ7と接続される。
画像センサ2は、監視物件内に複数設置され、窓、ドアなどの監視対象を含む監視領域を撮影し、得られた画像から侵入などの異常の有無を判定する。
威嚇用スピーカ3は、画像センサ2及び侵入センサ5が検出した侵入者に対して威嚇音声を出す場所に配置される。
【0009】
モード設定器8は、ユーザの操作により、監視物件の警戒セットモード、警戒解除モードが設定される。
警戒セットモード中に、画像センサ2、非常ボタン4又は侵入センサ5により異常が検知されると、コントローラ1は、警備センタ7に対して、異常通報を行い、異常状態にある監視領域の画像を送出する。警備センタ7においては、管制員が、送られてきた画像から監視物件の状態を観察し、警備員の派遣などの必要な措置をとる。
【0010】
また、管制員は侵入を認識したときは、侵入行為に及ぶ前に侵入者を監視物件から退去させるため威嚇のアナウンスを行う。威嚇音声は、コントローラ1を経由して威嚇用スピーカ3から侵入者に対して発せられる。なお、威嚇音声は、管制員の肉声に限らず、警備センタ7又はコントローラ1に録音してあるものを使用することもできる。
【0011】
図2は、画像センサ2の構成を示す。
画像センサ2には、CPUなどにより構成される制御手段11と電源12が設けられる。センサ内の各部分は、制御手段11により制御され、電源12から電力の供給を受ける。電源12は、バッテリ、又は、外部AC電源とバッテリとの組み合わせ、又は、コントローラ1からの給電などのいずれのものでも良い。
【0012】
制御手段11に記憶手段13が接続される。記憶手段13には、画像センサ2を動作させるためのプログラムなどの他、撮像手段14が撮影した画像、警戒セットモード又は警戒解除モードなどの警備モード、監視物件の正常又は異常の状態が記憶される。
監視領域を撮影する撮像手段14は、CCDカメラにより構成される。赤外線投光手段15が設けられ、暗くなった時に監視領域に赤外線が投光される。
【0013】
画像処理手段16は、記憶手段13に記憶された画像に基づいて、異常が発生したか否かを判定する。なお、この異常の発生の有無の判定の方法については、本発明の要旨と直接関係がないのでここでの説明は省略するが、任意の方法を採用することができる。
表示手段17は、異常検出時に点灯し、非検出時には消灯して、異常検出の有無を画像センサ2の外部に表示する。
【0014】
通信手段18は、コントローラ1と信号の送受信を行うインターフェースで、コントローラ1の画像センサ通信制御部35と接続される。
画像出力手段19は、記憶手段13に記憶していた異常画像を出力するためのインターフェースで、コントローラ1の映像/音声入出力制御部38と接続される。
【0015】
アドレス設定部20は、コントローラ1が各画像センサ2を特定するためのアドレスが設定される。操作手段21により電源がオンオフされる。
なお、画像センサ2の代わりに、異常検出用のセンサと監視カメラとを組み合わせて使用することもできる。本明細書では、このセンサと監視カメラを組み合わせたものも、画像センサ2に含めて説明する。
【0016】
図3は、コントローラ1の構成を示す。
コントローラ1には、CPUなどにより構成される制御部31と電源回路32が設けられる。コントローラ1内の各部分は、制御部31により制御され、電源回路32から電力の供給を受ける。
図4は、電源回路32の構成を示す。
【0017】
電源回路32は、外部からのAC電圧をDC電圧に変換するAC−DC変換部41と、外部AC電源の停電を検出する停電検出部42と、バックアップ電源となるバッテリ44と、バッテリ44を充電するための充電回路43と、外部電源とバックアップ電源を切替える切替スイッチ45を有する。
図3に戻ると、非常ボタン4、侵入センサ5が、インターフェースであるセンサ監視回路33を介して制御部31に接続され、モード設定器8が直接制御部31に接続される。モデムである通信インタフェース34が電話回線6との間に設けられる。
【0018】
画像センサ2は、画像センサ通信制御部35及び映像/音声入出力制御部36と接続される。威嚇用スピーカ3は、スピーカアンプ部39を介して映像/音声入出力制御部36と接続される。
表示部37は、監視領域の監視状態を画面上に表示し、異常が検出されたときは、ブザーを鳴動させ、画面上に異常の種類、異常発生箇所などを表示する。また、表示部37は、画像センサ2の設定作業時にも使用される。操作手段38は、画像センサ2の初期設定又は設定変更時に使用される。
【0019】
図5、6のフローチャートを用いて、コントローラ1の動作を説明する。図5は、全体のフローを示し、図6は、図5中の停電処理の詳細を示す。
以下に、監視物件の状態ごとに説明する。
(1)停電がなく、異常の検知もない場合
コントローラ1は、運用を開始すると、異常検知があったか否かを判定する(ステップS11)。コントローラ1は、各画像センサ2に、順次、状態呼出し信号を送る(ポーリング)。これに対し画像センサ2は、記憶手段13に記憶してあった状態信号を返送する。今は正常信号が返送されて異常が検知されないので、ステップS14へ進む。
【0020】
ステップS14では停電が検出されたか否かが判定されるが、今は停電が検出されないので、ステップS16へ進む。
ステップS16では、復電となったか否か(停電から復旧したか否か)が判定されるが、今は復電したのではないので、ステップS19へ進む。
ステップS19では、警備センタ7から威嚇音声を受信したか否かが判定される。今は、監視物件で異常が検知されず、警備センタ7から音声を受信しないので、ステップS21へ進む。
【0021】
ステップS21では、異常が復旧したか否かが判定される。今は、元々異常がなく復旧状態であるので、ステップS22を経由して、ステップS11へ戻る。以後、同じ動作が繰り返される。なお、ステップS22については後述する。
(2)停電でない状態で異常が検知された場合
ステップS11で異常が検知されると、ステップS12へ進み、異常の状態を記憶し、警備センタ7へ異常通報がされる。記憶する異常の状態としては、異常の種類、異常の発生場所などがある。
【0022】
続いて、ステップS13で、画像送出処理が行われる。画像送出処理は、コントローラ1が、異常を検知した画像センサ2に対して、異常発生時の監視領域の画像の送出を要求し、画像を受信すると、警備センタ7へ転送する。なお、警備センタ7へ送信する画像としては、異常発生時の画像のほか、その前後の時点の画像、現状態画像などを含ませることができる。
【0023】
次いで、ステップS14で、停電が検出されたか否かが判定される。今は停電は検出されないので、ステップS16へ進む。ステップS16で復電か否かが判定されるが、今は復電したのではないので、ステップS19へ進む。
ステップS19では、警備センタ7から威嚇用音声を受信したか否かが判定される。警備センタ7では、管制員が送られてきた画像を見て監視物件の状態を観察し、必要な場合には、侵入者に対して威嚇のアナウンスをする。このアナウンスは、電話回線6を経由してコントローラ1へ送出される。
【0024】
ステップS19で、警備センタ7からの音声を受信すると、ステップS20で、この音声を威嚇用スピーカ3から出力し、ステップS21へ進む。このとき、電源として外部電源を使用しているので、威嚇用スピーカ3による音声出力に制限はかからない。また、音声の受信がなければ、直接ステップS21へ進む。
ステップS21で、異常が復旧したか否かが判定される。ここでは、警備センタ7から復旧信号を受信したとき、又は、監視物件に派遣された警備員によりコントローラ1に対して復旧操作がされたときに、異常が復旧したと判定して、ステップS22へ進む。また、異常復旧がないと判定されたときは、ステップS11へ戻り、同様の処理を繰り返し、異常が復旧すればステップS21からステップS22へ進む。
【0025】
ステップS22では、ステップS12で記憶した異常記憶のクリア、警備センタ7への画像送出処理などを終了してステップS11へ戻る。
(3)異常がない状態で停電があった場合、
ステップS11で異常の検知がされないので、ステップS14へ進み、停電であるか否かが判定される。今は、停電検出部42が停電を検出するので、ステップS15へ進む。
【0026】
図5により、ステップS15の停電処理を説明する。
停電処理では、切替スイッチ45をAC電源側からバッテリ44側へ切替え(ステップS31)、警備センタ7から威嚇音声の受信があったか否かを判定する(ステップS32)。今は異常検知がされていないため、警備センタ7から威嚇音声が送られないので、図5のステップS21へ進む。ステップS21以降の処理は、前述の(1)と同様である。
【0027】
以後、バッテリ44を電源として、コントローラ1などが動作をするが、異常が検知されていない場合は威嚇用スピーカ3が使用されないため、大きな電力消費はなく、バッテリ44により長時間の動作が可能である。
(4)停電時に、異常が発生した場合
ステップS11で異常が検知されて、ステップS12で異常記憶、通報処理が行われ、ステップS13で画像送出処理が行われる。その後、ステップS14で停電が検出されるので、ステップS15(図5)の停電処理へ進む。
【0028】
図5に示す停電処理では、最初に切替スイッチ45をAC電源側からバッテリ44側へ切替え(ステップS31)、ステップS32で警備センタ7から威嚇音声の受信があったか否かを判定する。威嚇音声が受信されると、ステップS33で、音声出力の時間累積処理を行う。次いで、ステップS34で累積時間が5分を超えたか否かを判定する。
【0029】
ここで、累積時間が5分以下であれば、ステップS32で受信した音声を威嚇用スピーカ3から出力して(ステップS35)、ステップS21へ進む。累積時間が5分を超えていれば、直接ステップS21へ進む。ステップS21以降の処理は前述と同様である。以後、ステップS21以降の処理が繰り返され、この間に音声が出力されると、出力時間が累積されて行く。
【0030】
これにより、停電時であっても、警備センタ7から威嚇音声が送られたときは、最大5分の間、威嚇用スピーカ3から、威嚇音声が出力される。また、音声出力の累積時間が5分を超えていると、映像/音声入出力制御部36から音声信号を出力しないので、スピーカアンプ部39を介してスピーカ3にて威嚇音声が出力されることがない。換言すれば、音声出力が禁止される。これにより、音声出力によるスピーカアンプ部39及びスピーカ3での電力消費がなくなるので、通信処理、センサへの電力供給など、警備上重要な機能は、バッテリ44により長時間継続することができる。
【0031】
本実施の形態では、威嚇音声を警備センタ7から送信することとしたが、予めコントローラ1に記憶させておき、音声再生をすることにしても良い。この場合は、音声再生を停止させることにより、音声出力を禁止することとなる。
なお、威嚇音声の出力は、実際上、長時間に渡って出し続ける必要はないので、音声出力の継続時間を制限することは、警備上の問題とはならない。
【0032】
また、ステップS33の音声出力の時間累積の具体的方法としては、威嚇音声がアナログ信号で送られてくる場合は、音声帯域信号が存在する時間を累積すれば良く、ISDNによりパケットで送られてくる場合は、パケットの数を時間に換算すれば良い。
(5)復電をした場合
停電の状態から外部電源が回復して復電をした場合は、ステップS14で停電検出部42が停電を検出しないのでステップS16へ進み、復電であるか否かが判定される。今は、復電したことを検出するので、ステップS17へ進む。
【0033】
ステップS17で、切替スイッチ45をバッテリ44側からAC電源側へ切替える。以後は、AC電源から給電がされる。また、充電回路43によりバッテリ44が充電される。次いで、ステップS18で、ステップS33で累積処理した威嚇用スピーカ3の音声出力の累積時間をクリアする。そして、ステップS19へ進む。以後の処理は、前述のものと同様である。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、監視装置において、威嚇用スピーカのバックアップ時間を適切にコントロールすることにより、警備上重要なその他の機能に対する電源のバックアップを長時間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される警備システムの構成を示す図。
【図2】図1の画像センサの構成を示す図。
【図3】図1のコントローラの構成を示す図。
【図4】図3の電源回路の構成を示す図。
【図5】図1のコントローラの動作を示すフローチャート。
【図6】図5の画像送出処理の詳細を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…コントローラ
2…画像センサ
3…威嚇用スピーカ
4…非常ボタン
5…侵入センサ
6…電話回線
7…警備センタ
8…モード設定器
11…制御手段
12…電源
13…記憶手段
14…撮像手段
15…赤外線投光手段
16…画像出力手段
17…表示手段
18…通信手段
19…画像出力手段
20…アドレス設定部
21…操作手段
31…制御部
32…電源回路
33…センサ監視回路
34…通信インタフェース
35…画像センサ通信制御部
36…映像/音声出力制御部
37…表示部
38…操作部
39…スピーカアンプ部
41…AC−DC変換部
42…停電検出部
43…充電回路
44…バッテリ
45…切替スイッチ
Claims (1)
- 監視物件に配置した侵入者検知手段と遠隔のセンタから受信した威嚇音声を出力する威嚇用スピーカとに接続され、停電時のバックアップ電源を有する監視装置において、
停電を検出すると前記バックアップ電源による給電に切り換える電源切換手段と、
前記バックアップ電源により給電されているときに前記センタから威嚇音声を受信すると、該威嚇音声の音声出力時間を累積する処理を実行し、前記バックアップ電源により給電されていないときは前記音声出力時間を累積する処理を実行しない累積手段と、
前記累積手段が累積した時間が所定値を超えていると、以後、前記バックアップ電源による前記威嚇用スピーカの動作を禁止する手段と、
前記停電が復電すると前記累積手段が累積した時間をクリアする手段と、
を具備することを特徴とする監視装置。
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