JP3903031B2 - 近接場露光方法 - Google Patents

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Description

本発明は、近接場露光方法に関し、特に集積回路や液晶ディスプレイ(LCD)などの製造工程におけるフォトマスクの弾性劣化を軽減させる、近接場露光方法に関する。
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求はますます高くなっている。
例えば、マスクまたはレチクルのパターンに対するデザインルールはライン・アンド・スペース(L&S)130nmを量産工程で達成しようとし、今後益々小さくなることが予想される。近年主流である投影露光装置は、一般に、光源から出射された光束を利用してマスクを照明する照明光学系とマスクと被露光物との間に配置される投影光学系とを有する。
投影露光装置では一般に解像度は使用する光源の波長が略限界であると言われ、エキシマレーザーを使用しても投影露光装置は0.10μm以下のパタ−ンを形成することが困難である。加えて、仮に、より短い波長を有する光源が存在しても、かかる短波長の露光光を投影光学系に使用される光学材料(即ち、レンズの硝材)が透過できずに(その結果被露光物に投影できずに)露光ができなくなるという問題もある。
かかる問題に対して、近年、0.1μm以下の微細加工を可能にする手段として近接場光学顕微鏡(Scanning Near Field Optical Microscope:SNOM)の原理を用いた露光装置が提案されている。このような露光装置として、例えば、特許文献1あるいは特許文献2では、マスク面の法線方向に弾性変形可能なマスクをレジストに密着させ、マスク面に形成した100nm以下の大きさの微小開口パターンから滲み出す近接場光を用いて被露光物に光の波長限界を越える局所的な露光を行う装置を提案している。この方式の特徴として、微小な開口からにじみ出る近接場光は、その開口に入射した光の波長程度の距離までに局在するため、被処理体と開口との距離を、光の波長以下、望ましくは100nm以下の距離にまで近づける必要がある。そのため、露光マスクとして弾性変形が可能なマスクとし、基板のうねりなどに対しても露光マスクを撓ませることで基板に対してならわせている。
特開平11−145051号公報 特開平11−184094号公報
上記したとおり、近接場光を用いた露光方法では、露光マスクをレジストと密着させるため、露光マスクとレジストの間に吸着力が働くことがある。また、この方法で用いている露光マスクは、基板に倣うように弾性体のマスクとしているため、露光マスクとレジストの間に吸着力が働くと、レジストから露光マスクを剥離する時点で、露光マスクに力が加わってしまい、この吸着力が原因となりマスクの破壊が起こる危険があった。
このようなことから、従来においては、必然的に同一の露光マスクの製作枚数を増やすことが必要となり、経費増大を招く原因となっていた。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、密着状態にある基板間の吸着力を軽減して剥離できるようにすることにより、特に露光中における近接場露光用マスクを破壊に到らせる弾性劣化を軽減し、使用耐久回数を増やすことが可能となる近接場露光方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成した近接場露光方法を提供するものである。
すなわち、本発明の近接場露光方法は、
微小開口を有する遮光膜を備えた弾性変形可能な露光マスクと、被露光基板と、を離間させて配置した後、前記露光マスクを変形させて該露光マスクと前記被露光基板と密着させた状態で、前記露光マスクに露光光を照射し、前記微小開口からにじみ出る近接場光を用いて前記被露光基板を露光し、該露光後、前記露光マスクを前記被露光基板から剥離する近接場露光方法であって、
前記露光後に光学式センサを用いて前記露光マスクの変形量を測定することで前記露光マスクの前記被露光基板への吸着状態を検知し、該検知した吸着状態に基づいて、微振動印加手段により微振動を前記露光マスクに印加し、
該マスクの前記被露光基板への吸着力を弱めて該マスクを前記被露光基板から剥離することを特徴とする。
また、本発明の近接場露光方法は、前記光学式センサが、レーザと受光部を備えることを特徴とする。
また、本発明の近接場露光方法は、前記微振動印加手段が、振動子であることを特徴とする。
また、本発明の近接場露光方法は、前記微振動印加手段が、超音波ホーンであることを特徴とする。
本発明によれば、密着状態にある基板間の吸着力を軽減して剥離できるようにすることにより、特に露光中における近接場露光用マスクを破壊に到らせる弾性劣化を軽減し、使用耐久回数を増やすことが可能となる近接場露光方法を実現することができる。また、これにより、露光マスクをレジストから剥離する時点での露光マスクとレジストの間に働く吸着力を軽減させることで、露光マスクの弾性劣化を軽減して、露光マスクが破壊に至るまでの寿命を延命させ、1枚当たりの露光マスクの使用回数を増大させることができ、これにより大幅な経費の削減が可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態の近接場露光方法に用いる密着状態にある露光マスクと被露光物間の吸着力を軽減して剥離できるように構成した剥離補助方法及び手段の一例について説明する。
図1は、本実施の形態における剥離補助方法及び手段に用いる近接場露光用マスクの構成を示す図であり、また、図2は、本実施の形態における剥離補助方法及び手段を用いて露光マスクの弾性劣化を軽減するようにした近接場露光装置の構成を示す図である。
まず、図1により本実施の形態における露光マスク100について説明する。図1は、図2に示す近接場露光装置に用いられる露光マスクの図であり、(a)はおもて面側、(b)は断面図である。ここで、「おもて面」とは、遮光膜が設けられた面をいい、「裏面」とは、その反対側をいう。
図1における露光マスク100は、マスク支持体104、マスク母材101、遮光膜102から構成されている。遮光膜102は、マスク母材101の上に成膜されており、その遮光膜102に微小開口103が所望のパターンに形成されている。また、マスク母材101は弾性体で構成されており、薄膜として存在している。
この露光マスク100は、図2に示される近接場露光装置の圧力調整容器内に、露光マスクの裏面が面するように配置して圧力調整を加えマスクのたわみを調整する。
次に、図2に示される近接場露光装置により、上記したような露光マスクを用いて、どのようにして近接場光によって露光を行うかについて説明する。
図2において、被露光物としては、基板203の表面にレジスト202を形成する(以下、これをレジスト202/基板203と記す)。レジスト202/基板203をステージ204上に取り付け、ステージ204を駆動することにより、露光マスク201に対する基板203のマスク面内2次元方向の相対位置合わせを行う。次に、マスク面法線方向にステージ204を駆動し、露光マスク201のおもて面と基板203上のレジスト202面との間隔が全面にわたって100nm以下になるように両者を密着させる。
この後、露光光源209から出射される露光光210をコリメータレンズ211で平行光にした後、ガラス窓212を通し、圧力調整容器205内に導入し、露光マスク201に対して裏面(図2では上側)から照射し、露光マスク201おもて面のマスク母材206上の遮光膜207に形成された微小開口パターンから滲み出す近接場でレジスト202の露光を行う。
次に、露光マスクとレジスト/基板の密着、剥離と剥離補助方法と剥離補助手段動作の詳細について図2を用いて説明する。
露光マスク201のおもて面と基板203上のレジスト202面がともに完全に平坦であれば、全面にわたって両者を密着させることが可能である。しかしながら、実際には、マスク面やレジスト/基板面に凹凸やうねりが存在するので、両者を近づけ、接触させただけでは、密着している部分と非密着部分が混在する状態になってしまう。
そこで、露光マスク201の裏面からおもて面方向に向かって圧力を印加することにより、露光マスク201に弾性変形による撓みを生じさせ、レジスト202/基板203へ押し付けるようにすることにより、薄膜部が全面にわたって密着させることができる。
このような圧力を印加する方法の一例として、図2に示したように、露光マスク201のおもて面を圧力調整容器205外側に面するように、裏面を圧力調整容器205内側に面するように配置させ、ポンプ等の圧力調整手段213を用いて、圧力調整容器205内に高圧ガスを導入し、圧力調整容器205内が外気圧より高い圧力になるようにする。
ここで、圧力調整手段213から圧力調整容器205内に高圧ガスを導入し、圧力調整容器205内の圧力を増大させ、露光マスク201のおもて面と基板203上のレジスト202面とを全面にわたって均一な圧力で密着させる。
このような方法で圧力の印加を行うと、パスカルの原理により、近接場マスク201のおもて面と基板203上のレジスト202面との間に作用する斥力が均一になる。このため、露光マスク201や基板203上のレジスト202面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、露光マスク201や基板203、レジスト202が局所的に破壊されたりするようなことが生じない。
ここでは、露光マスク201とレジスト202/基板203を密着させるために、露光マスクの裏面を圧力調整容器205内に配置し、圧力調整容器205内より低い外気圧との圧力差により、露光マスク201の裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにした例を示したが、逆の構成として、近接場マスクのおもて面およびレジスト/基板を減圧容器内に配置し、減圧容器内より高い外気圧との圧力差により、近接場マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにしても良い。いずれにしても、近接場マスクのおもて面側に比べ、裏面側が高い圧力となるような圧力差を設けるようにすれば良い。
次に、図2に示した、光源215と受光部216とから成る光学式変位センサを用いて露光マスク上の反射光の所定スポットが被露光物と密着しているかを確認する。光源215から射出された光は、被検知物である露光マスク201の薄膜部に照射される。照射された光の反射光が受光部216に当たるように光源215で光を射出する。被検知物である露光マスク201に変位が生じると、それに伴って受光部216上の反射光のスポット位置が変化し、それをマスクの変位として読み取ることができる。
図3は、露光マスクのレジストへの密着時の変形の様子を説明する図である。以下に、図3を参照して、露光マスクの変形に伴って変化する反射光のスポット位置について、詳細に説明する。
図3において、(3−*)に露光マスクの変化の様子を示す。
図3の(3−1)は、まだ露光マスクを撓ませていない状態である。その後、露光マスクを撓ませ始めると図3の(3−2)、(3−3)、(3−4)、(3−5)と変化する。
図3の(3−2)では、被露光物に密着する直前であり図3の(3−3)では、露光マスクの中心部が被露光物に密着し始めている。このとき更に、露光マスクの傾きが大きくなり照射スポット位置Pからの反射光の受光部302(a)でのスポット位置が下にずれる。さらに露光マスクを撓ませ密着部分を広げると、図3の(3−4)のように照射スポット位置Pでの露光マスクの傾きが次第に小さくなり反射スポット位置が上にずれてくる。さらに密着部分を広げ、図3の(3−5)では、照射スポット位置Pで露光マスクが被露光物に所定領域まで密着すると、露光マスクの傾きは被露光物の傾きと同一になり、露光マスクの初期位置時と同じ傾きとなり反射スポット位置もほぼ同一の位置まで上にずれる。
このように、露光マスクが撓み始めて照射スポット位置Pまで密着する間に、照射スポット位置Pからの反射光の受光部302(a)でのスポット位置が1往復し、照射スポット位置Pからの反射光の受光部302(a)でのスポット位置が初期位置とほぼ同じ位置に戻ることによって、露光マスクと被露光物の密着を検知することが可能となる。
図4は、露光マスクのレジストからの剥離時の変形の様子を説明する図である。以下に、図4を参照して、露光マスクを被露光物に密着させて露光を行った後における、露光マスクとレジストの剥離を行う際の、この露光マスクの剥離時の反射光スポットの位置について、詳細に説明する。
近接場露光においては、密着後露光を行い、露光後に露光マスクとレジストの剥離を行うが、この剥離時に露光マスクとレジストとの間に吸着力が働く場合、密着時における露光マスクの変化の様子と違いが生じる。露光マスクとレジストとの間に吸着力が全く存在していない場合は、密着時の薄膜の軌跡をたどって元に戻るが、吸着力がある場合は図4のようになる。
これを、図4の(4−5)から(4−1)に順を追って説明する。図4の(4−5)では、薄膜とレジストが密着している状態である。このとき、薄膜とレジストの間に吸着力が働いているとする。その後、図4の(4−4)に示すように、薄膜をレジストから剥離させるため、圧力を低くするが薄膜とレジストとの間に吸着力が働いており、その吸着力に打ち勝つだけの圧力ではないため、薄膜の密着していない領域のみが変化し、照射スポット位置P4では薄膜は変化しない。ここで、照射スポット位置P4には、薄膜とレジストが密着している部分を選んでいる。そのため反射スポット位置は変化しない。その後さらに減圧をすると、照射スポット位置P4部は剥離し始める。このとき、まだ中心部は剥離していないため照射スポット位置P4の薄膜の傾きが変化する速度が速くなり図4の(4−3)となり、反射光スポット下側に大きく下がる。その後、さらに減圧をすすめると薄膜が剥がれようとする力が吸着力よりも強くなり薄膜部全面が剥離し、図3の(3−2)と同じ変形量を持つ図4の(4−2)となる。さらに、減圧し薄膜のおもて面、裏面の間の圧力差を無くすことで撓ませる前の状態である図4の(4−1)の状態にもどる。
以上順を追って説明したように、薄膜とレジストとの間に吸着力が存在することで、図3の密着時にたどる薄膜の変形の軌跡と、図4の剥離時にたどる薄膜の変形の軌跡が異なる。
ここで、薄膜とレジスト間の吸着力が大きいと薄膜とレジストを剥離するのに必要な力が大きくなり露光マスクへの負担が大きくなり、露光マスクの変形量も大きくなる。その結果、露光マスクがその負荷に耐え切れなくなり破壊に至る。
このように、薄膜で形成した露光マスクとレジストとの間の吸着状態は、薄膜の角度変化から読み取ることが可能である。また、それに限らず密着するために要する物理量と、剥離するために要する物理量の差異から読み取るようにすることも可能であり、あるいはこの物理量の差異と薄膜の角度変化から読み取る手法等を併用することによっても可能である。
図5は、剥離補助手段を用いた場合の露光マスクのレジストからの剥離時の変形の様子を説明する図である。以下に、図5を参照して、剥離補助手段を作用させた場合について説明する。
本実施の形態における剥離補助手段においては、以上の説明から明らかなように、薄膜が剥がれ始める際の圧力値や、あるいは角度変化をモニターすることで、露光マスクの吸着状態を検知することが可能となることから、これらにより検知した吸着状態に基づいて、剥離補助手段により微振動を印加することで、吸着力を弱め剥離を進行させるようにしたものである。
これを、図5の(5−5)から(5−1)に順を追って説明する。
(5−5)では、薄膜とレジストが密着している状態である。このとき、薄膜とレジストの間に吸着力が働いているとする。その後、図5の(5−4)に示すように、薄膜をレジストから剥離させるため、圧力を低くするが薄膜とレジストとの間に吸着力が働いており、その吸着力に打ち勝つだけの圧力ではないため、薄膜の密着していない領域のみが変化し、照射スポット位置P5では薄膜は変化しない。ここで、照射スポット位置P5には、薄膜とレジストが密着している部分を選んでいる。そのため反射スポット位置は変化しない。
ここで、本実施の形態である剥離補助手段514を動作させる。具体的には、剥離補助手段514として微振動を発生することのできる振動子を設け、露光マスクが撓み始めた付け根の部分に微振動を印加する。すると微振動が露光マスク全体に広がることで吸着力は弱まり吸着していた部分に剥離が始まり、剥離補助手段514を露光マスクから引き離すと、図3の(3−4)とほぼ同様な状態である図5の(5−4’)となる。その後さらに減圧をしたとき、前記振動印加により薄膜が剥がれようとする力が吸着力よりも強い場合は、図3の(3−3)とほぼ同様な状態である図5の(5−3)となる。その後さらに減圧をすると、図3の(3−2)と同じ変形量を持つ状態である図5の(5−2)となる。さらに、減圧し薄膜のおもて面、裏面の間の圧力差を無くすことで撓ませる前の状態である図5の(5−1)の状態にもどる。
以上順を追って説明したように、薄膜とレジストとの間に吸着力が存在しても、剥離補助手段514により剥離補助を行うことで、図3の密着時にたどる薄膜の変形の軌跡と、剥離時にたどる薄膜の変形の軌跡図5をほぼ等しくさせることができる。また、図5の(5−3)において、図3の(3−3)とほぼ同様な状態にならない場合、すなわち薄膜が剥がれようとする力が吸着力よりも弱い場合は、再度露光マスクが撓み始めた付け根の部分に剥離補助手段514から微振動を印加することで、吸着力を弱め剥離を進行させ図3の(3−3)とほぼ同様な状態にもたらすことができる。さらなる減圧時には薄膜が剥がれようとする力が吸着力より一段と強くなっていることが推測されることから、図3の(3−2)と同じ変形量を持つ状態である図5の(5−2)になる。
また、上述の形態においては、剥離補助手段514として露光マスクにマスクの裏面から直接振動を印加する手段として振動子を用いたが、剥離補助手段としては当然のことながらこれに限定したものではない。露光マスクに振動を与える他の例として、露光マスクと被露光物との密着剥離を行う目的であるポンプ等の圧力調整手段に微振動を発生させる手段である機械的振動子を備え、圧力媒体(気体または液体)に脈動を与えることで露光マスクに振動を与える方法も考えられる。
また、熱伝導性の高い液体に熱による対流を発生させ、対流による露光マスクに温度変化を与え熱膨張収縮を繰り返させる方法も考えられる。
露光マスクに振動を与える方法としては、露光マスクの遮光膜に磁性体を含有させ、露光マスクの近傍に備えた電磁石による磁界の正反転を繰り返し行うことで、露光マスクに振動を発生させる方法も考えられる。
また、その他に露光マスクと被露光物との間に生じている吸着力を軽減させる方法としては、被露光物を載せているステージに剥離補助手段として微振動を露光マスクへ伝達させる手段、例えば、ステージのチルト機構に微振動を発生させる機能を付加させたり、ステージのXY方向に駆動する機構に微振動を発生させる機能を付加させることが考えられる。
また、露光マスクと被露光物との間に生じている吸着力が静電気力による場合は、イオナイザーを外部から照射させて静電気力を弱める方法も考えられる。このときイオンを送り込むための気体を脈動させて、複合的に効果を出す方法も考えられるし、この送り込む気体の湿度制御を施すことで、更に効果を向上させることも考えられる。以上のような剥離補助手段や、これら複数の手段を複合させて剥離補助を行うものも、本発明の範疇である。
以下に、本発明の実施例について説明する。
図6に、本発明の実施例の近接場露光方法に用いる近接場露光装置の構成を示す。
本実施例は、上記した実施の形態で説明した露光マスクの剥離補助手段を近接場露光装置に適用した構成例である。
図6に示すように、露光マスクは密閉容器内に裏面を面するようにして設けられ、該露光マスクの表面と、被露光物であるフォトレジスト602を塗布した基板603のフォトレジスト表面の間隔を固定し、約100μmとした。この時、使用した露光マスク601の薄膜となっている部分は、10mm×10mmの大きさで、1μmの厚さであった。露光マスク601とフォトレジスト間の間隔を固定したまま、露光マスク601を撓ませることにより、露光マスク601とフォトレジスト602を密着させる。そこで、密閉容器605内に窒素を流し圧力を密閉容器外に比べ高くするため、電磁弁606を開き密閉容器605内に窒素ガスを流し入れた。このとき、密閉容器605内に設置した圧力センサ608をモニターし、100Pa/秒の加圧速度で流し入れるよう窒素の流量を流量調節装置609により制御した。
次に、密閉容器外から波長630nmの半導体レーザ612でビーム径100μmにコリメートしたレーザ光LDを露光マスクの薄膜部の中心から3mm離れた部分に照射し、そこからの反射光を密閉容器外に設置した受光部である半導体位置検出器(以下、PSDと記す)613で受けた。この時ビームの光軸は、薄膜を形成している10mm×10mmの四角の枠に平行な向きでレーザを照射した。
密閉容器605内の圧力が100Pa/秒で変化する間、露光マスク601の薄膜部分が次第に撓んで行った。露光マスク601が撓むことにより、反射光を受けるPSD613上のスポットの位置が変化し、それにしたがってPSD613からの電圧の出力が変化する。PSD613の出力が大きいと受光部のより下に反射光スポットが位置していることを示している。
密閉容器605内に圧力が印加され始めると、PSD613の出力値が小さくなっていき、ある圧力値を境に再び大きくなり0Pa時の出力とほぼ同じになり、さらに圧力を印加してもPSD613の出力は変化しなくなる。これは、露光マスクとフォトレジストが密着したことを示している。圧力センサ608とPSD613からの出力から、圧力を印加してもPSD613の出力が変化しなくなることを、密着判断制御PCが露光マスク601とフォトレジスト602が密着したと判断し、電磁弁606を閉じ圧力を印加するため流し入れている窒素を止める。
その後、水銀ランプ604のg線(波長436nm)の光を照射しフォトレジストを露光する。露光後、電磁弁610を開き密閉容器605内の窒素を排出し、密閉容器605内の圧力を大気圧まで減圧し露光マスク601の撓みを解消する。
ここで、密着し始めた最初の圧力値から、さらに100Pa減圧させたところで一旦減圧を停止させる。このときのPSD613の出力値を計測し、密着過程の同じ圧力でのPSD613の出力値と比較する。このときのPSD613の出力値が密着過程の同じ圧力でのPSD613の出力値に比べて小さい場合、すなわち露光マスク601がフォトレジスト602から剥がれようとする力よりも吸着力が大きい場合は、剥離補助のための超音波ホーン615を露光マスク601が撓みはじめる付け根の部分に接触させ超音波ホーン615を動作させる。超音波ホーン615からの振動が露光マスク601の薄膜の部分全体に行き渡ったころを見計らって、超音波ホーン615を露光マスク601から引き離し、再度PSD613の出力値を確認する。このときのPSD613の出力値が密着過程の同じ圧力でのPSD613の出力値に比べてほぼ等しい値となったことが確認できた場合、すなわち露光マスク601がフォトレジスト602から剥がれ始めたことが確認できた場合、大気圧まで一定の加速度で減圧を行い、露光マスク601の撓みを解消する。
ここで、PSD613の出力値が密着過程の同じ圧力でのPSD613の出力値に比べて以前小さい値であった場合は、再度超音波ホーン615を動作させた後、PSD613の出力値を確認する。この動作を数回繰り返すことで、露光マスク601がフォトレジスト602から剥がれ始めを確認する。そして、大気圧まで一定の加速度で減圧を行い、露光マスク601の撓みを解消する。このときPSD613の出力電圧値が初期値に戻ることで露光マスクの撓みが解消されたことを検知する。
以上のように、本実施例においては剥離補助のための超音波ホーン615を用いることにより、露光マスクとフォトレジストの剥離時に、受光部PSD613の出力をモニターし、剥離が始まるべき減圧値で剥離が始まらない場合、剥離補助手段を用いて剥離を促し、露光マスクにかかる過大な負荷による弾性劣化を軽減することができた。
本発明の実施の形態の近接場露光方法に用いる露光マスクの構成を示す概略図であり、(a)は露光マスクのおもて面側、(b)はその断面図である。 本発明の実施の形態の近接場露光方法における剥離補助手段を用いた近接場露光装置の構成を示す図。 本発明の実施の形態の近接場露光方法における露光マスクのレジストへの密着時の変形の様子を説明する図。 本発明の実施の形態の近接場露光方法における露光マスクのレジストからの剥離時の変形の様子を説明する図。 本発明の実施の形態の近接場露光方法における剥離補助手段を用いた場合の露光マスクのレジストからの剥離時の変形の様子を説明する図。 本発明の実施例の近接場露光方法に用いる近接場露光装置の構成を示す図。
符号の説明
100:露光マスク
101:マスク母材
102:遮光膜
103:微小開口
104:マスク支持体
201、301、401、601:露光マスク
202、602:レジスト
203、603:基板
204、607:ステージ
205、605:圧力調整容器
206:マスク母材
207:遮光膜
208、608:圧力センサ
209、604:露光光源
210:露光光
211、611:コリメータレンズ
212、614:ガラス窓
213:圧力調整手段
214、514:剥離補助手段
215:光源
216:受光部
302(a):受光部
402(a):受光部
502(a):受光部
606、610:電磁弁
609:流量調整手段
612:半導体レーザ
613:PSD(半導体位置検出器)
615:超音波ホーン

Claims (4)

  1. 微小開口を有する遮光膜を備えた弾性変形可能な露光マスクと、被露光基板と、を離間させて配置した後、前記露光マスクを変形させて該露光マスクと前記被露光基板と密着させた状態で、前記露光マスクに露光光を照射し、前記微小開口からにじみ出る近接場光を用いて前記被露光基板を露光し、該露光後、前記露光マスクを前記被露光基板から剥離する近接場露光方法であって、
    前記露光後に光学式センサを用いて前記露光マスクの変形量を測定することで前記露光マスクの前記被露光基板への吸着状態を検知し、該検知した吸着状態に基づいて、微振動印加手段により微振動を前記露光マスクに印加し、
    該マスクの前記被露光基板への吸着力を弱めて該マスクを前記被露光基板から剥離することを特徴とする近接場露光方法。
  2. 前記光学式センサは、レーザと受光部を備えることを特徴とする請求項1に記載の近接場露光方法。
  3. 前記微振動印加手段は、振動子であることを特徴とする請求項1に記載の近接場露光方法。
  4. 前記微振動印加手段は、超音波ホーンであることを特徴とする請求項1に記載の近接場露光方法。
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