JP3902878B2 - 機能性堆積膜の形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性堆積膜の形成装置に関し、特に、ロール・ツー・ロール方式によって、帯状部材上に大積層素子を形成する堆積膜の形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に光起電力素子等に用いる半導体機能性堆積膜を連続的に形成する方法として、各種半導体層を形成するための独立した成膜室を設け、これらの各成膜室はゲートバルブを介したロードロック方式にて連結され、基板を各成膜室へ順次移動して各種半導体層を形成する方法が知られている。量産性を著しく向上させる方法としては、米国特許第4,400,409号明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD法が開示されている。この方法によれば、長尺の磁性体帯状部材を基板として、複数のグロー放電領域において必要とされる導電型の半導体層を堆積形成しつつ、基板をその長手方向に連続的に搬送することによって、半導体接合を有する素子を連続形成することができるとされている。
【0003】
米国特許第4,462,33号明細書には、ロール・ツー・ロール方式を採用した連続プラズマCVD法において、開口を持つ一組の天板が基板端部を覆う二重チャンバー方式を用いて堆積膜の形成を行う方法の開示がある。
また特開平9−162133号公報「機能性堆積膜の連続的形成方法およびその装置」には放電や活性ガスが漏洩、拡散することを防ぐ手段を有したプラズマCVD法で半導体膜を堆積する方法が示されている。この装置によれば、帯状部材が活性化領域を仕切る部材を成し、帯状部材の幅方向外側の活性化領域を仕切る部材が、前記帯状部材の堆積膜形成面の裏面に接していることで放電や活性ガスが漏洩、拡散を防ぐ事ができるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような、基板上に光起電力素子等に用いる半導体機能性堆積膜を連続的に形成する装置において、光電変換効率、特性安定性または特性均一性の向上、あるいは製造コストの低減等が図られてきているが、これらにおいて、さらなる高速搬送を行おうとすると、帯状部材が活性化領域を仕切る部材を成しているため、帯状部材の幅方向端部での微少な波打ちが、放電漏れの原因となり、特性均一性を損なう事があった。また、高速搬送による帯状部材自体の振動が放電漏れの原因となっていた。さらに、高周波パワーに加えてバイアスを印加して半導体薄膜を形成する際は、帯状部材の幅方向端部での微少な波打ちや、帯状部材自体の振動がスパークの原因となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術における課題を解決し、高速搬送においても放電漏れやスパークを減少させ、放電を安定させることができる機能性堆積膜の形成装置、例えば形成速度を数Å/s以上という高速にしても、電気的、光学的特性に優れ、量産時の素子の歩留りを向上させることのできる非晶質シリコン膜を形成する装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するため、機能性堆積膜の形成装置を、つぎのように構成したことを特徴とするものである。
すなわち、本発明の機能性堆積膜形成装置は、堆積膜を形成するための帯状部材よりなる基板を連続的に搬送する手段と、該帯状部材によってその一面が構成される成膜室を内部に備えた真空気密の可能な反応容器と、前記成膜室内に反応ガスを導入する手段および高周波電源から高周波電力を導入する手段と、前記成膜室内を排気する手段とを、少なくとも有する堆積膜形成装置において、
前記成膜室の一面を構成する帯状部材の上部を導電性の天板で覆い、前記天板の成膜室側の面と前記帯状部材の堆積膜形成面の裏面とを、線接触または面接触させて、前記天板を接地する構成を備え、前記天板は、前記帯状部材との接触面側に階段状の凹部を有し、該凹部において該帯状部材と接触する構成とされていることを特徴としている。
また、本発明の機能性堆積膜形成装置は、前記天板の階段状の形状が、前記帯状部材の幅方向端部より外側において、前記帯状部材の幅方向端部よりも成膜室の底部に近接していることを特徴としている。
また、本発明の機能性堆積膜形成装置は、前記高周波電源は、その周波数が30MHz以上500MHz以下の高周波電力を出力する高周波電源であることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記構成により、放電漏れやスパークを減少させ、放電を安定させることができるようにしたものであるが、それは本発明者らが、前記本発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果によるつぎのような知見に基づくものである。
すなわち、本発明者らは、導入する電磁波の周波数を高く設定することにより、とりわけそれをVHF帯域に設定することにより、ガスの利用効率が高く、同時にある程度の堆積速度が得られることを見いだした。この理由としては、VHF帯域(30MHz以上500MHz以下)の周波数とすることにより、原料ガスの分解性及び/又は分解した後の活性種の種類、割合、数を最適に制御できるためであると推測される。一般に高周波プラズマにおいて、導入する電磁波の周波数に応じてプラズマ中の電子密度、或は該電子のエネルギー、さらに電極に発生するセルフバイアス、基板に入射するイオンエネルギー等が変化する。例えば、周波数が高くなると一般に電子温度は高くなり、高エネルギー電子は増加する。また、入射イオンエネルギーは分布幅が狭くなる(但し分布の中心値は圧力、パワー等によって変化する)。また、電極のセルフバイアスは小さくなる。従って導入する電磁波の周波数によってプラズマ中で生成される電子、イオン、ラジカル等(以後これらを活性種と記す)の種類、割合、或はプラズマ自体の安定性が変化する。これらの変化が、本発明の効果の一助となっているものと考えられる。例えばSiH4ガスが電磁波により分解する場合、前述のようにイオン、ラジカル等の活性種が生成するが、これらの活性種はその種類によって、反応性が異なる。このうち不安定(反応性の高い)な活性種は気相中での2次反応で失活したり、或は基板表面上で比較的短時間で膜として堆積してしまう。
このような場合、堆積膜中のネットワーク形成時の緩和時間が不十分となり、歪みの多い堆積膜となる場合が多いが、これに対して、安定(反応性が低く比較的寿命の長い)な活性種は、堆積膜中のネットワーク形成時の緩和時間が十分得られ、歪みの少ない安定な堆積膜となる。従って、30MHz〜500MHzの周波数は、活性種の種類、割合、数等を比較的好ましい条件に制御できるものと考えられる。
【0008】
また、一方において、放電漏れが起きないように堆積膜を形成する為の原材料ガスを励起分解、または反応させて、または原材料を蒸発させた活性化領域からの放電及び活性種の漏洩を防ぐことが重要であることが判明した。この点について、さらに検討を重ね、量産の検討を行うと、上記構成には、別の問題点が存在することも判明した。即ち、同一条件で成膜しているにも関わらず、基板によっては、放電が不均一になる場合がある。さらに、放電自体も不安定となり、ひどい時には放電切れが起こる場合がある。その結果、堆積膜の特性が不均一になったり、悪化したり、さらには膜剥れが起こる場合があることが判明した。この原因を検討した結果、反応容器内の構造物および帯状部材のアース不良が最も大きなものの1つであることが明らかになった。ここで反応容器内の構造物とは高周波導入手段の電極以外の構造物の全てを指す。反応容器内の構造物が高周波に対してアースが不安定であると、それが一種のアンテナの役割をして放電空間内に導入した高周波電力が構造物を介して放電空間外部へ持ち出される場合がある。この対策の1つとして反応容器内の構造物を高周波に対してアース電位とすることによって高周波の伝播を抑制することが考えられる。
【0009】
一般に、反応容器内の構造物はアース電位とされている場合が多い。しかし高周波の場合、直流的にアース電位とされていても必ずしも充分とはいえない。例えば導電性の長尺の構造物や基板の場合、一カ所でも接地されていれば、直流的には全体がアース電位となっているとみなすことができる。しかし高周波から見ると必ずしもアース電位とはならず、接地箇所から遠ざかるにつれて高周波に対するインピーダンスが増加してしまいアース電位とならない場合がある。その結果、反応容器内に導入した高周波電力は放電空間内に十分蓄積されず、放電が成膜室の外に漏れる場合がある。特に反応容器内を、帯状部材が高速で移動する場合、構造物及び帯状部材が十分アース電位とされていないと、高周波電力が局所的に損失するために放電が不均一なものとなってしまう場合が多い。また、放電が生起した後も、構造物に伝播した電力の一部は構造物の周囲で生起する放電に使われ、残りは構造物を介して損失してしまう。そして導入した高周波電力のロスが大きくなるばかりか、放電の均一性が低下し、放電のマッチングにも影響を与える場合がある。その結果、形成される非晶質シリコン膜の特性及び膜厚も不均一なものとなってしまう場合がある。従って、反応容器内の構造物および帯状部材を、高周波に対して十分アース電位とすること(高周波が乗らない程度まで十分なアースとされること)が重要である。
【0010】
本発明は、このようなことから、成膜室の一面を構成する帯状部材の上部を導電性の天板で覆い、前記天板の成膜室側の面と前記帯状部材の堆積膜形成面の裏面とを、線接触または面接触させ、前記天板をアース電位とすることにより、放電漏れやスパークを減少させ、放電を安定させることができるようにしたものである。
成膜室を帯状部材の上部で覆った天板は、帯状部材と接触させて帯状部材と共にアース電位とするため、材質は導電性であり帯状部材との摩擦に耐える必要から、Fe,Al,Cu,Ni,W等の金属の単体あるいはステンレス等の合金であることが好ましく、導電性という点でCuが、加工が容易という点でAlが、強度や耐久性という点でステンレスが好ましい。
また、その形状は、平板、帯状部材に対して凹となるようにすることを特徴としている
具体的には、成膜室に高周波と共に直流バイアス電圧を印加する際には、凹となる面が階段状になり、帯状部材の幅方向端部より外側において、前記帯状部材の幅方向端部よりも成膜室の底部に近接させることを特徴としている。これは、帯状部材の成膜面に膜が付着している場合、その応力により、帯状基盤の幅方向で若干の反りが発生する事があり、天板と帯状部材の確実な接触を確保する必要があることによる
また、放電圧力は、5〜100mtorrの範囲が好ましく、5mtorrより低圧では、放電の維持が困難となり、100mtorrより高圧では、ポリシラン等の不都合な副生成物が生じる恐れがあることによる
【0011】
堆積膜の原料ガスとしては、例えば、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)等のアモルファスシリコン形成原料ガス、ゲルマン(GeH4)等の他の機能性堆積膜形成原料ガス又は、それらの混合ガスが挙げられる。
希釈ガスとしては水素(H2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、等が挙げられる。又、ドーピングを目的としてジボラン(B26)、フッ化硼素(BF3)、ホスフィン(PH3)等のドーパントガスを同時に放電空間(成膜室)に導入しても本発明は同様に有効である。
帯状部材の材質としては、例えば、ステンレス、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、これらの合金又は表面を導電処理したポリカーボネート等の合成樹脂、ガラス、セラミック、紙等が本発明では通常使用される。
基体の短手方向は、10mm以上が好ましく、特に、20mm以上500mm以下が最適である。基板の長さには特に制限はなく、長手方向に連続的に搬送しながら堆積膜を形成する。
本発明での堆積膜形成時の基板の温度はいずれの温度でも有効だが、特に20℃以上500℃以下が好ましく、50℃以上450℃以下がより良好な効果を示すためより好ましい。
【0012】
本発明での高周波の反応容器までの導入方法として例えば同軸ケーブルによる方法が挙げられ、成膜室内への導入は、室内ヘアンテナまたは平板電極を設置する方法が挙げられるが、より好ましくは多角形、円形いずれでも良いが、電磁波を均一に導入するために、例えば、円、正多角形等の対称形が良い。又、電極の断面積としては、好ましくは1mm2以上800cm2以下、好ましくは3mm2以上500cm2以下、最適には5mm2以上350cm2以下が好ましい。さらに、円筒状の電極とするときには、該電極断面の直径は、好ましくは1mm以上15cm以下、より好ましくは2mm以上12cm以下、最適には3mm以上10cm以下が好ましい。
【0013】
本発明において、電極における高周波電力の電力密度としては、好ましくは0.01〜50W/cm2、より好ましくは、0.1〜30W/cm2、最適には0.5〜10Wcm2である。電力密度が0.01W/cm2より小さいと、本発明の効果が小さくなり、逆に50W/cm2より大きいと、放電が不安定となり、異常放電を起こし易くなる。また電極の長さとしては、基板の長さによって異なるが好ましくは基板の長さに対して5%以上200%以下、より好ましくは10%以上180%以下、最適には20%以上150%以下が好ましい。また、電極の材質としては、電磁波を伝送可能なものであれば特に制限はなく、例えば、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pb、Fe、等の金属、およびこれらの合金、たとえばステンレス(例えばJIS規格SUS300系、400系)等が挙げられる。パワー条件としては、堆積膜形成速度が飽和する際のエネルギーの好ましくは5%以上200%以下であり、より好ましくは15%以上150%以下である。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に本発明を具体的に説明する為にi層反応容器の帯状部材幅方向の断面図の例を示す。帯状部材は反応容器101の内部に形成される成膜室内を同図前後方向に搬送可能に設置し、帯状部材を覆う形で成膜室を形づくる天板と接触させる。成膜室を構成する壁、天板を少なくとも1個所以上で反応容器と電気的に接続し、接地する。帯状部材は天板と線または面で接しているため、堆積膜形成のために帯状部材を搬送させても帯状部材を高周波に対してアース電位にできる。天板はヒーター107により加熱し、更に基板を加熱して所定の温度に加熱される。原料ガス導入管104を通して、反応容器101下部より成膜室109内部に原料ガスが導入される。原料ガスは排気ポンプ(不図示)を使って同図前後方向へと排気される。高周波電力は高周波電源105から、高周波電極103を通して成膜室109内部へ導入され原料ガスを分解・励起しプラズマを発生させる。この例では帯状部材上部を覆う天板が帯状部材の成膜面の裏面で接触することで、長時間の成膜、より高速での帯状部材の搬送が可能となり、装置の生産性を向上させる効果がある。図2にロール・ツー・ロール方式による堆積膜形成装置の例を示す。送り出し用真空容器202、n層反応容器243、n/iバッファ層(i型層)反応容器241、i層反応容器239、p/iバッファ層(i型層)反応容器236、p層反応容234、巻き取り用真空容器231はガスゲート204,209,214,220,225,230で接続され排気口205,210,219,221,226より排気ポンプ(不図示)で真空に排気されている。帯状部材203は送り出し用ボビン201に巻かれておりn層反応容器243、n/iバッファ層(i型層)反応容器241、i層反応容器239、p/iバッファ層(i型層)反応容器236、p層反応容234へ搬送される。そして各真空容器内で成膜等の処理が行なわれた帯状部材203は巻き取り用ボビン232により巻き取られる。ここでガスゲー卜204,209,214,220,225,230より掃気用ガスが流されており各真空容器間でガスが混入するのを防いでいる。
【0015】
帯状部材203は各成膜室上部を通過しながら、各反応容器のヒーターにより所望の温度に加熱されている。n層反応容器243では、高周波電力は高周波電源207から、高周波電極206を通して成膜室内部へ導入され原料ガスを分解・励起しプラズマを発生させる。ここではn型非晶質シリコン膜を形成する。n/iバッファ層(i型層)反応容器241では同様にしてi型非晶質シリコン膜を形成する。p/iバッファ層(i型層)反応容器236では同様にしてi型非晶質シリコン膜を形成する。またp層反応容器234では同様にしてp型非晶質シリコン膜を形成する。図2に示す装置を用いてp,p/i,i,n/i,nの5層からなる光起電力素子を作製し、その光電変換効率を測定することによって評価した。AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定した。p,p/i,i,n/i,n型光起電力素子の構成を図5に示す。まず、ステンレス基板501上に裏面反射層として、銀膜502を7500Å、酸化亜鉛膜503を1μmこの順に堆積した。その後、n型非晶質シリコン膜504を約300Å、n/iバッファ層(i型層)としてi型非晶質シリコン膜505を約100Å、前述のi型層としてa−SiGe膜506を約1000Å、p/iバッファ層(i型層)としてi型非晶質シリコン膜507を約60Å、p型非晶質シリコン膜508を約100Å、この順に堆積した。それぞれの膜の形成条件を表1に示した。帯状部材の搬送速度は635mm/分とし、実施例、比較例共に100メートルの帯状部材上に連続成膜した。
【0016】
【表1】
Figure 0003902878
続いて、反射防止膜兼表面電極として酸化インジウムスズ膜509を700Å堆積し、最後に集電電極510としてCrを2000Å、Agを8000Å、Crを200Åこの順に堆積した。
【0017】
(比較例1−1)
i層成膜室の天板を図3に示した従来の開口を持つ1組の天板309であること以外は実施例1と全く同様に、図2の製造装置を用い、実施例1と同様の手順で表1の条件で基板302上に図5に示したp,p/i,i,n/i,nの5層からなる光起電力素子を作製した。特性均一性、放電切れ回数は比較例1−1の光起電力素子の測定結果を基準1.00にして、特性の比較を行なった。
表2の特性比較表に示すように、比較例1−1の光起電力素子に対して、実施例1の光起電力素子は、変換効率のバラツキにおいて優れており、i層成膜中に発生した放電切れ回数も大幅に優れていた。本発明の作製装置により作製した光起電力素子が優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0018】
【表2】
Figure 0003902878
[実施例2]
本実施例では図2のi層反応容器を図4のi層反応容器に代えて、実施例1と同様の手順で表1の条件でp,p/i,i,n/i,nの5層からなる光起電力素子を作製した。図1との違いは、i層成膜室の高周波電極に、直列バイアス電圧を印加する構成とした点である。印加した電圧は+300Vである以外は実施例1と同様である。
【0019】
(比較例2−1)
i層成膜室の天板は、実施例2と同じ帯状部材を上部で覆うが、帯状部材と天板を接触させないで帯状部材を搬送し成膜する以外は実施例2と同様の手順で表1の条件でp,p/i,i,n/i,nの5層からなる光起電力素子を作製した。実施例1と同様に光電変換効率を測定し、比較例2−1の光起電力素子のバラツキを基準1.00にして、特性バラツキとi型層の成膜中の放電切れの比較を行なった。
表3の特性比較表に示すように、比較例2−1の光起電力素子に対して、実施例2の光起電力素子は、変換効率のバラツキにおいて優れており、i層成膜中に発生したスパーク発生回数も大幅に優れていた。本発明の作製装置により作製した光起電力素子が優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0020】
【表3】
Figure 0003902878
[実施例3]
本実施例では図4のi層反応容器を用い、実施例1と同様の手順で表1の条件でp,p/i,i,n/i,nの5層からなる光起電力素子を作製した。実施例2との違いは、i層成膜室の天板が図6に示す帯状部材側で階段状になった天板を平板の天板に代えた以外は実施例2と同様である。
【0021】
(比較例3−1)
i層成膜室の天板は、実施例1の比較例で用いた図3の従来の開口を持つ1組の天板309である。これ以外は実施例3と全く同様の手順で表1の条件でp,p/i,i,n/i,nの5層からなる光起電力素子を作製した。実施例1と同様に光電変換効率を測定し、比較例3−1の光起電力素子のバラツキを基準1.00にして、特性バラツキとi型層の成膜中の放電切れ回数とスパーク発生回数の比較を行なった。
表4の特性比較表に示すように、比較例3−1の光起電力素子に対して、実施例3の光起電力素子は、変換効率のバラツキにおいて優れており、i層成膜中に発生した放電切れ回数、スパーク発生回数も大幅に優れていた。本発明の作製装置により作製した光起電力素子が優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0022】
【表4】
Figure 0003902878
【0023】
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、前記天板を接触面側で前記帯状部材に対して階段状の凹部とすることで、前記天板と前記帯状部材との接触を確実なものとする事ができ、さらに、前記天板の階段状の形状を、前記帯状部材の幅方向端部より外側において、前記帯状部材の幅方向端部よりも成膜室の底部に近接した構成を採ることで、成膜室にバイアスを印加する際にも帯状部材へのスパークの発生を大幅に削減でき、基板材質や裏面反射層の成膜室への混入を押さえられ、高品質な膜を高速で形成でき、生産時のスループットを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性堆積膜形成装置におけるi層反応容器の一例を示す帯状部材幅方向の断面図である。
【図2】ロール・ツー・ロール方式による堆積膜形成装置の一例を示す図である。
【図3】従来の開口を持つ1組の天板からなるi層反応容器の一例を示す帯状部材幅方向の断面図である。
【図4】典型的なロール・ツー・ロール方式連続成膜装置である。
【図5】本発明のp,p/i,i,n/i,n型光起電力素子の構成を示す図である。
【図6】本発明における階段状の凹部を有する天板の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
101,234,236,239,241,243,301,401:反応容器
102,203,302,402,501,602:帯状部材
103,206,211,218,227,303,403:高周波電極
104,208,213,216,224,229,304,404:原料ガス導入管
105,207,212,217,222,223,228,305,405:高周波電源
106,205,307,407:成膜室側壁
107,233,235,238,240,242,308,408:ヒーター
108,237,309,409,601:天板
109,310,410:成膜室
201:送り出し用ボビン
202:送り出し用真空容器
204,209,214,220,225,230:ガスゲート
205,210,219,221,226:排気管
231:巻き取り用真空容器
232:巻き取り用ボビン
306,406:DC電源
502:銀膜
503:酸化亜鉛膜
504:n型非晶質シリコン膜
505:i型非晶質シリコン膜(n/iバッファ層(i型層))
506:i型非晶質シリコンゲルマニウム膜
507:i型非晶質シリコン膜(p/iバッファ層(i型層))
508:p型非晶質シリコン膜
509:酸化インジウムスズ膜
510:集電電極

Claims (3)

  1. 堆積膜を形成するための帯状部材よりなる基板を連続的に搬送する手段と、該帯状部材によってその一面が構成される成膜室を内部に備えた真空気密の可能な反応容器と、前記成膜室内に反応ガスを導入する手段および高周波電源から高周波電力を導入する手段と、前記成膜室内を排気する手段とを、少なくとも有する堆積膜形成装置において、
    前記成膜室の一面を構成する帯状部材の上部を導電性の天板で覆い、前記天板の成膜室側の面と前記帯状部材の堆積膜形成面の裏面とを、線接触または面接触させて、前記天板を接地する構成を備え、前記天板は、前記帯状部材との接触面側に階段状の凹部を有し、該凹部において該帯状部材と接触する構成とされていることを特徴とする機能性堆積膜の形成装置。
  2. 前記天板の階段状の形状が、前記帯状部材の幅方向端部より外側において、前記帯状部材の幅方向端部よりも成膜室の底部に近接していることを特徴とする請求項に記載の機能性堆積膜の形成装置。
  3. 前記高周波電源は、その周波数が30MHz以上500MHz以下の高周波電力を出力する高周波電源であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能性堆積膜の形成装置。
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