JP3902711B2 - 複合型監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複合型監視装置に関し、特に監視領域内に侵入した人体を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
人体を検出する監視装置においては各種のセンサが利用される。そのセンサには大別してアクティブ型及びパッシブ型がある。後者のパッシブ型のセンサとしては、例えば赤外線センサ(PIRセンサ)、CMOSやCCDなどの撮像素子を利用した画像センサが知られている。
【0003】
ところで、防犯用の監視装置の場合、赤外線センサなどのセンサが部屋の天井の隅などに設置され、その地点から斜め方向に室内が監視される。ここで、センサの前面には、通常、センサを保護するため及び意匠的な観点からカバー(監視窓)が設けられる。監視装置の設置後、長期間を経過すると、そのカバー表面上に、たばこの脂、埃、塵などが付着する。そのようなカバーが汚れた状態では、カバーの透光度が変動し、すなわち赤外線の透過割合が低下し、その結果、人体の検出精度が低下するおそれがある。
【0004】
このため、赤外線センサを利用した監視装置に対しては、定期点検時などにおいてカバーの汚れを目視判断し、汚れていれば清浄を行うという作業が不可欠である。
【0005】
しかしながら、信頼性の高いシステムを構築するためには、人為的な判断だけに委ねるだけでなく、自動的な検査・確認が要望され、また必要に応じて汚れに対して自動対処することが望まれる。
【0006】
上記問題は、人体以外の物体の検出を行う場合にも指摘される問題である。なお、特開平6−223276号公報、特開昭62−147391号公報には関連する技術が開示されているが、以下の本発明の目的を達成できるものではない。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、カバーの汚れに自動的に対処できる監視装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、カバーの汚れに応じて動作条件を適宜調整して精度の高い検出を実現できる監視装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、カバーの汚れの自動判定を行える監視装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、監視領域に向けて赤外線センサ及び撮像センサが配置され、それらのセンサがカバーで覆われた検出部と、前記赤外線センサからの検出信号及び前記撮像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記赤外線センサの感度あるいは前記検出信号の処理条件を補正する補正手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、画像情報を利用して赤外線センサの感度あるいは検出信号の処理条件を変えることができるので、例えばカバーの透光度(赤外線透過度)が劣化したような場合にそれに対応して的確な監視を行える。すなわち、監視精度を常に良好に維持して信頼性の高い監視装置を提供できる。
【0012】
赤外線センサの感度は、センサの動作条件、信号増幅度などを可変することにより直接的に調整可能であり、また、検出信号の処理条件(例えば判定閾値や乗算係数)を変更しても、結果として感度調整と同様の結果を得られる。
【0013】
望ましくは、前記検出部には光源が設けられ、少なくとも前記補正手段による補正実行時に、前記光源が点灯される。この構成によれば、カバーを内側から照明して再現性よくカバーの透光度をチェックできる利点がある。ここで、光源として近赤外光源を用いることができる。
【0014】
望ましくは、前記画像情報に基づいて前記カバーの透光度変動を判定する手段を含む。その判定された透光度変動を利用して感度補正を含む各種の制御を行うことができ、例えば、それを利用して画策の判定を行うようにしてもよい。また、メンテナンスの要求が自動発行されるようにしてもよい。ここで、望ましくは、前記カバーの透光度変動が所定値を超える場合にアラームを出力する手段を含む。
【0015】
望ましくは、前記補正手段は、前記画像情報に基づいて前記監視領域についての平均輝度を演算し、その平均輝度に基づいて補正を実行する。この構成によれば、カバー全体の透光度変動を考慮できる。
【0016】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、監視領域に向けて赤外線センサ及び画像センサが配置され、それらのセンサがカバーで覆われた検出部と、前記赤外線センサからの検出信号及び前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域内における人体の存否を判定する判定手段と、前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記判定手段における判定条件を補正する補正手段と、を含むことを特徴とする。ここで、判定条件の補正の概念には、感度補正、信号処理条件の補正も含まれる。
【0017】
(3)図1を利用して、本発明の好適な実施形態の概念について説明する。図1において、赤外線センサ及び画像センサの双方がカバー内に収容された状態において、画像センサからの画像情報を利用して平均輝度が演算され、それがS101において所定値Aと比較される。平均輝度が所定値Aよりも大きければ、監視領域が明るく適正な補正処理を行えないとして、この処理は終了する。その一方、平均輝度が所定値A以下であれば、S102において照明が点灯され、S103において撮像が行われる。S104では、その状態で取得された画像情報に基づいてフレーム内平均輝度(カバーの汚れに相当)が演算され、S105ではその平均輝度に応じて赤外線センサの感度が直接的又は間接的に補正される。S106では、平均輝度が所定値B以下であるか否かが判定され、平均輝度が所定値B以下であればS107で外部に汚れ検出信号が出力される。
【0018】
上記構成によれば、赤外線センサの感度調整を自動的に行って常に監視条件を適正にでき、しかも一定以上の透光度変動が発生した場合には自動的に外部にアラームを出力できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図2には、本発明の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示す概念図である。
【0021】
図2において、本実施形態にかかる複合型監視装置はたとえば防犯用途として用いられるものである。その複合型監視装置はたとえば部屋の天井の隅などに設置される。その場合、部屋全体が監視領域とされる。
【0022】
カバー10は、たとえばドーム型の形状を有し、そのカバー10内には画像センサ12、照明用LED16、及び赤外線センサ14が設けられ、それらによって検出部が構成されている。図示のように、カバー10は、共用のカバーであり、つまり各センサ共通の監視窓として機能する。ちなみに、それらのセンサは固定設置されていてもよいが、可動型であってもよい。画像センサ12は、たとえば近赤外領域の光を検出するCCD撮像素子などで構成されるものである。もちろん、その画像センサ12としてはCCD撮像素子以外にもCMOS撮像素子などの装置を利用してもよい。画像センサにはカメラであってもよい。画像センサ12の前方側にはレンズ18が設けられ、そのレンズ18によって監視領域全体からの光が集光され、画像センサ12上に結像されている。
【0023】
赤外線センサ14は、監視領域内からの赤外線を検出するセンサであり、本実施形態においては、PIRセンサとしての焦電素子が利用されている。もちろん、他のタイプの赤外線センサを利用することも可能である。赤外線センサ14の前方にはフレネルレンズ20が設けられ、これによって監視領域内における複数のゾーンからの赤外線が赤外線センサ14によって受光される。ちなみに、本実施形態においては、監視領域内における物体の移動に伴う赤外線信号に基づいて後述する信号波形処理が実行されている。
【0024】
照明用LED16は、たとえば夜間などにおいて監視領域を画像センサ12によって撮像するための近赤外光源として機能するものである。後述する感度補正は、照明用LED16の夜間点灯時に行ってもよいが、状況によっては照明用LED16を日中点灯して感度補正を実行することもできる。あるいは、タイマーを利用して夜間に感度補正を行うようにしてもよい。
【0025】
画像センサ12からの信号はA/D変換器22においてデジタル信号に変換され、そのデジタル信号としての画像情報が演算処理部30に出力されている。また、赤外線センサ14からの受光信号はアンプ24によって増幅された後、それがA/D変換器26においてデジタル信号に変換され、そのデジタル信号としての受光信号が演算処理部30に出力されている。
【0026】
演算処理部30はたとえばMPUなどで構成されるものであり、図2にはその演算処理部30の主要な機能がブロック図として示されている。具体的には、演算処理部30は画像解析部32、受光波形解析部34及び総合判定部36を有する。それらの各手段全体として監視部が構成されている。
【0027】
受光波形解析部34は、赤外線の受光信号に対して波形解析を行って、人体の存在可能性の大きさを示す第1評価値E1を演算する手段である。また、画像解析部32は、画像情報を解析することによって、人体の存在可能性の大きさを示す第2評価値E2を演算する手段である。総合判定部36は、第1評価値E1及び第2評価値E2に基づいて人体の有無および画策の有無の判定を行なう手段である。その判定結果は出力部38を介して外部に出力されている。たとえば、その出力信号は通信回線を介して監視センタなどに送られている。
【0028】
演算処理部30には電源部40が接続されており、この電源部40を介して商用電源から電力が供給され、あるいはバッテリーから電力が供給される。また、演算処理部30にはEEPROMなどからなる外部メモリ42が接続されており、その外部メモリ42内には演算処理部30の演算にあたって必要な情報が適宜格納される。
【0029】
ちなみに、図2に示す複合型監視装置はそれ全体としてカバー10内に収納可能であり、当該装置は上述のように部屋の天井などに下向きで設置される。次に、図3〜図6を用いて、演算処理部30の動作について説明する。
【0030】
図3には、メインルーチンを示すフローチャートが示されている。ここで、このメインルーチンはたとえば25msごとに実行されるものである。
【0031】
まず、S200に示す汚れ補正処理は、演算処理部30によって実行されるものであり、その処理内容は図10に示されている。
【0032】
S201に示す受光波形解析処理は、図2に示した受光波形解析部34によって実行されるものであり、その具体的な処理内容は図4に示されている。また、S202に示す画像解析処理は、図2に示した画像解析部32によって行われるものであり、その具体的な処理内容は図5に示されている。また、S203に示す判断処理は、図2に示した総合判定部36によって実行されるものであり、その具体的な処理内容が図6に示されている。以下、図4〜図6及び図10に示す各処理を説明した上で、図3に示すS204〜S216の各処理について説明することにする。
【0033】
図10には、汚れ補正処理のフロ−チャートが示されている。S601では、所定の撮像カウンタ2が1つインクリメントされる。S602では、その撮像カウンタ2の値が所定値(例えば288000(2時間に相当))と比較される。これは一定間隔で後述のS604の判定を行うためである。S602において、撮像カウンタ2が所定値を超えたと判定された場合、S603において撮像カウンタ2がリセットされる。そして、S604では、画像情報に基づくフレーム内の平均輝度値と所定値(例えば50)とが比較され、平均輝度値が所定値よりも小さい場合のみ以下の補正処理が実行される。これは、室内が十分に暗い状態において補正処理を行うためであり、それとは逆に室内が明るい状態で補正処理を行うと、室内照明や室内に存在する物体の像などの影響を受け、汚れ補正処理に不適当な平均輝度となる可能性があるためである。
【0034】
S605では、まず撮像カウンタがリセットされ、S606では照明用LED16が点灯される。その状態で、S607で画像センサ12によって撮像が行われ、画像情報が取り込まれる。照明用LEDの点灯状態で画像情報を取得するのは、自ら投光した安定した光による反射光に基づいてカバーの透光度(汚れ)を直接的にモニタするためですなわち、カバーの汚れが増大すると、カバーの透光度が低下し、その結果、画像情報の輝度が全体として低下することになる。S608では、照明用LED16が消灯される。
【0035】
S609では、取得された画像情報に従って、フレーム内の平均輝度Xが算出され、順次記憶される。そして、S610において所定の補正カウンタが1つインクリメントされる。その後、S611において、その補正カウンタの値と所定値(例えば168(2週間に相当))とが比較される。これは、一定期間ごとに感度補正を行うためであり、その補正間隔は設置環境などに応じて適宜設定すればよい。
【0036】
S611の条件が満たされると、S612において、上記の平均輝度値(空間平均値)に基づいて一定期間内における時間平均値Xaveが算出される。S613において、最初(第1回目)の平均値演算であると判断された場合、基準値Xinitを作成するために、平均値Xaveが基準値Xinitに代入される。この作業は本実施形態では最初の1回のみ実行されているが、必要に応じて所定タイミング(例えばカバー清掃直後のタイミング)で基準値Xinitが取得されるようにしてもよい。
【0037】
S615では、基準値Xinitから現在の平均値Xaveが減算され、これにより差分値が求められる。この差分値は、過去のある時点で取得された平均値からの現在の平均値のずれを表すものであり、具体的には相対的な汚れ度合いを示すものである。カバーの汚れが大きくなると、その差分値は増大する。S615では、その差分値と所定値(第1閾値、例えば20)とが比較されており、差分値が所定値よりも小さければ補正不要であるとしてS619へ処理が移行し、一方、差分値が所定値よりも大きければ補正必要であるとして、S616において、補正係数dが演算される。後述する図7の(C)には差分値と補正係数gとの関係の一例が示されている。図示されるように、本実施形態において補正係数gは1.00から2.00までの範囲で設定される。ここで、差分値が大きくなった場合、すなわちカバーの汚れが大きくなったような場合、補正係数gとしてより大きな値が設定される。
【0038】
また、S617では、差分値と所定値(第2閾値、例えば61)とが比較されており、差分値がその所定値よりも小さければ処理がS619に移行し、その一方、差分値が所定値よりも大きければ処理がS618に移行し、汚れ異常フラグがセットされる。その後、S619において補正カウンタがリセットされ、また、S620において平均値Xaveがリセットされる。
【0039】
以上の処理によれば、室内が十分に暗い状態を利用して比較条件を一致させ、これによりカバーの汚れを精度良く検出できるという利点がある。
【0040】
図4には、受光波形解析処理が示されている。まずS301では、赤外線の受光信号の電圧値と所定の閾値とが比較され、閾値を超える信号が発生したか否かが判断される。ここで、所定の閾値とは、赤外線の受光信号が人体に起因したものでないことが明らかな場合における電圧値の上限及び下限である。閾値を超える電圧値の存在が判定されると、S302において所定のPIRカウンタが1つインクリメントされ、S303において、ピーク値a、ピーク回数b及び極性変化回数cに関する処理が実行される。それらのパラメータは受光信号波形の特徴を示すものであり、後述するPIRデータ(第1評価値)E1を算出するための要素となるものである。従って、波形の特徴を指標できる限りにおいて、各種の特徴量を利用可能である。
【0041】
本実施形態において、ピーク値aは一定期間内における電圧値のピークの値を示しており、S303では、過去に求められたピーク値よりも大きなピーク値が得られた場合、変数aが新しい値に更新される。また、ピーク回数bは後述するリセットがなされるまでのピークの発生回数を示すものであり、また極性変化回数cは後述するリセットまでの期間において基準電圧とゼロクロスを生じた回数に相当している。もちろん、そのような各パラメータの定義及びその利用方法については各種のものがあり、図4に示されたものに限られない。
【0042】
S304では、本実施形態において、ピーク値a,ピーク回数b及び極性変化回数cを利用して、PIRデータとしての第1評価値E1が算出される。ここで、その算出方法について説明すると、そのようなPIRデータE1は、図7の(E)に示す式によって算出されており、また各パラメータa,b,c,dはそれぞれ(A)〜(D)に示すテーブルによってその値が決定される。なお、パラメータaは、ピーク値の電圧によって定義されている。
【0043】
パラメータgは、上述した補正係数であり、その補正係数gが乗算されることにより、評価値の補正が実行される。上述のように、補正係数gは1から2までの範囲をとり、カバーの汚れが増大すると、受光量の低下からパラメータaなどの値が低下するが、補正係数gの値が大きくなるため、結果として、汚れ寄与分が排除される。つまり、汚れによって受光量が低下した状態でも人体が検出され易くなる。
【0044】
図7(E)に示す計算式によって第1評価値E1を定義した場合、その値は基本的に0〜150までをとり得る。もちろん、この計算式は一例であって、各種の状況に応じて各種の計算式を採用し得る。例えば、補正係数gをパラメータaに作用させてもよい。
【0045】
図4に戻って、S301で赤外線の受光信号の電圧値が所定の閾値を超えていないと判断された場合、S305で所定のPIRカウンタの値が0を超えるか否かが判断され、PIRカウンタの値が0を超えると判断された場合、S306においてPIRカウンタが1つインクリメントされ、S307でPIRカウンタの値が400(10秒に相当)を超えるか否かが判断される。すなわち、このS307は、リセットまでの猶予期間を設定するための条件として機能する。PIRカウンタの値が400を超えなければS303が実行され、PIRカウンタの値が400を超えればS308において、各パラメータa、b、c及びPIRカウンタがゼロにリセットされる。
【0046】
上記の補正処理では、第1評価値E1の計算結果を補正することにより間接的に感度調整を図るものであったが、当然、赤外線の受光信号の増幅幅を制御するなど感度を直接的に制御するようにしてもよい。また、人体や画策の判定基準を操作することにより、結果として、感度調整と同様の結果を得てもよい。
【0047】
図5には、画像解析処理がフローチャートとして示されている。
【0048】
S401では、所定の撮像カウンタが1つインクリメントされる。そして、S402では、その撮像カウンタの値が4になったか否かが判断されている。すなわち、S403以降のステップを0.1秒ごとに実行させるために、この撮像カウンタが機能している。
【0049】
S402の条件が満たされた場合、S403で撮像カウンタがリセットされる。そして、S404において所定の基準画像からの変化があったか否かが判断される。ここで、基準画像は現在の画像に対して対比される画像であり、たとえば装置立ち上げ時における人体が存在していない状態でのデフォルト画像である。もちろん、基準画像としては各種のものを採用できる。また、その基準画像を用いることなくたとえばフレーム間差分などを利用して画像変化を検出してもよい。
【0050】
S404の条件が満たされた場合、S405において所定の画像カウンタが1つインクリメントされる。S406では、現画像における変化領域の大きさdが算出される。そして、S407では、その変化領域の大きさdが全画像の50%を超えるか否かが判断される。すなわち、変化領域がかなり大きい場合、図2に示したカバー10に対して何らかの画策が施された可能性が高いため、そのような状況をこのS407によって判定するものである。したがって、そのような判定が行なえる限りにおいて各種の条件を採用可能である。
【0051】
S408では所定のカバーカウンタが1つインクリメントされ、S409ではそのカバーカウンタの値が600を超えたか否かが判断される。ここで、そのようなS409の条件が設けられているのは、たとえば図2に示したカバー10の清掃などによって一時的に変化領域が発生している可能性があるためである。たとえば1分以上にわたって変化領域が存在するような場合には画策の可能性が高いので、S410において画策検出フラグ1がセットされる。
【0052】
S407に戻って、変化領域の大きさdが全画面の50%以下であれば、S411において変化領域の位置e及び連続性fが算出される。それらについては後に詳述する。
【0053】
S412においては、カバーカウンタがリセットされ、S413において第2評価値としての画像データE2が算出される。これについて図8及び図9を用いて説明する。
【0054】
図8(C)には、S413における第2評価値E2の算出式の一例が示されている。このような算出式を採用した場合、第2評価値E2は0〜150までの値をとり得る。ここで、(A)には、連続性に相当する連続回数とパラメータfとの関係が示されており、たとえば変化領域が連続して存在するフレームの個数すなわち連続回数としてfが定義される。また、(B)に示すように変化領域の大きさdは、その変化領域を定義している画素数によって決定されている。もちろん、このようなパラメータの定義は一例であって、第2評価値の算出要素としては各種のものを採用可能である。
【0055】
図9(A)には部屋100内の天井に設置される複合型監視装置102の概念が示されている。このような状態において部屋100内を撮像すると(B)に示すような画像200を得ることができる。ここで、部屋100内に人体が存在すれば符号202で示すような変化領域が発生する。ちなみに、符号102Aは複合型監視装置の位置を示している。上述した変化領域の大きさdはこの変化領域202を構成する画素の個数によって定義される。また、本実施形態においては、複合型監視装置から撮像位置までの距離を考慮するため、画像200が複合型監視装置の位置に近い側と遠い側とで2分割されており、近い領域に変化領域が存在している場合には位置のパラメータeに1が設定され、遠い領域の場合にはそのパラメータeに2が設定される。実際に画像200を画面表示する場合には、通常、画面上側が遠い領域で画面下側が近い領域となるように表示される。
【0056】
図5における上述のS406及びS411においては、上記のパラメータe,f,dのそれぞれについて値が決定され、そしてS413においては図8(C)に示す計算式が実行され、その結果、第2評価値E2が決定される。本実施形態においては、複合型監視装置からの距離に応じて変化するパラメータeを計算式内に取り込んでいるので、人体の見方の相違にしたがって的確な判定を行なえるという利点がある。
【0057】
図5におけるS404で基準画像からの変化がないと判断された場合、S414で画像カウンタの値が0よりも大きいか否かが判断され、画像カウンタの値が0よりも大きい場合にはS415において画像カウンタが1つインクリメントされ、S416において画像カウンタの値が20(2秒に相当)よりも大きいか否かが判断される。ここで、S416はリセットまでの猶予期間を設定するための条件に相当する。S416で画像カウンタの値が20よりも大きいと判断された場合には、S417において各パラメータd,e,f及び画像カウンタがゼロにリセットされる。
【0058】
図6には、総合判断処理の内容がフローチャートとして示されている。
【0059】
S501では、第1評価値(PIRデータ)E1が100以上であるか否かが判断される。100(第1閾値)以上であれば、S502において上記の画像カウンタがリセットされ、またS503において上記の画策フラグ1がリセットされる。そして、S504において人体検出フラグがセットされる。
【0060】
S501において、第1評価値E1が100未満である場合には、S505において第2評価値(画像データ)E2が100(第2及び第5閾値)以上であるか否かが判断される。ここで、E2が100以上であれば、S506において、第1評価値E1が0(第4閾値以下)であるか否かが判断される。ここで、第1評価値E1が0であれば、S507において、所定の画策カウンタが1つインクリメントされ、S508においてその画策カウンタが10以上であるか否かが判断される。ここで、画策カウンタが10以上であれば、S509において所定の画策フラグ2がセットされ、その後、S512において上記の画策カウンタがリセットされる。
【0061】
その一方、上記のS506において、第1評価値E1が0でなければ、また、S508において画策カウンタが10未満であれば、S510において所定の人体検出フラグがセットされる。他方、S505において第2評価値E2が100未満であれば、S511が実行される。
【0062】
S511では、第1評価値E1と第2評価値E2が加算され、その加算値が100(第3閾値)以上であるか否かが判断される。すなわち、各評価値は相互に規格化されており、このような線形加算によって両方の評価値を総合評価することが可能となる。ここで、その加算値が100未満であれば本ルーチンが終了し、一方、100以上であればS510において人体検出フラグがセットされる。
【0063】
この図6の処理について補足説明すると、図6に示すA1は、赤外線解析を優先させた単独判定に相当する。すなわち、第1評価値E1のみによって人体が判定される場合である。図6に示すA2は、画像解析結果を優先させた単独判定に相当するものである。また、図6に示すB1は総合判定の結果として人体が判定された場合に相当している。更に、図6に示すB2は、総合判定の結果として画策が判定された場合に相当している。すなわち、その場合においては第2指標値と第1指標値とに矛盾が生じており、その結果、赤外線の検出に対する妨害工作つまり画策行為がなされたことが有力視されるのである。
【0064】
ちなみに、S508において画策カウンタと一定値とを比較するのは、一定時間にわたって上記の矛盾状態が生じた場合において初めて画策判定を行なうためである。すなわち外乱などによって突発的に矛盾が生じた場合に誤報が発生してしまうことを防止するものである。
【0065】
ここで図3に戻って、以上のように各処理においてフラグが設定された結果、S204において人体検出フラグがセットされていると判断された場合、S205において外部に人体検出信号が出力される。そして、S206では上記の人体検出フラグがリセットされる。
【0066】
また、S212において、汚れ異常フラグがセットされていると判断された場合には、S214において汚れ異常検出信号が出力され、そして、S216において、その汚れ異常フラグがリセットされる。
【0067】
また、S207において、画策検出フラグ1がセットされていると判断された場合またはS208において画策検出フラグ2がセットされていると判断された場合には、S209において画策検出信号が外部に出力され、S210において2つの画策検出フラグがそれぞれリセットされる。ちなみに、S204,S212,S207,S208の各工程において何れのフラグもセットされていないと判断された場合には、上述のS201からの各工程が所定のサイクルで実行される。
【0068】
以上説明したように、上記実施形態によれば、目的物体すなわち人体の存否及び画策の有無を総合判定できる。特に、画像情報に基づいて、赤外線センサの感度、信号処理条件あるいは人体等の判定条件を補正することができるので、カバーの汚れによらずに正確性の高い判定を行える。また、特にカバーの汚れが顕著である場合にはアラームを外部に出力できるという利点がある。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カバーの汚れに自動的に対処できる監視装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる補正方式の概念を示すフローチャートである。
【図2】 本実施形態にかかる複合型監視装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】 演算処理部によって実行されるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 受光波形解析部によって実行される受光波形解析処理を示すフローチャートである。
【図5】 画像解析部によって実行される画像解析処理を示すフローチャートである。
【図6】 総合判定部によって実行される総合判断処理を示すフローチャートである。
【図7】 第1評価値を算出するための各パラメータの定義及び算出式を示す図である。
【図8】 第2評価値を算出するための各パラメータの定義及び算出式を示す図である。
【図9】 複合型監視装置の設置状態とそれにより取得される画像とを示す概念図である。
【図10】 汚れ補正処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 カバー、12 画像センサ、14 赤外線センサ、18 レンズ、20フレネルレンズ、30 演算処理部、32 画像解析部、34 受光波形解析部、36 総合判定部、38 出力部。
Claims (6)
- 監視領域に向けて赤外線センサ及び撮像センサが配置され、それらのセンサが共用のカバーで覆われた検出部と、
前記赤外線センサからの検出信号及び前記撮像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像センサからの画像情報に基づいて前記カバーの汚れ度合いを求め、前記赤外線センサの感度あるいは前記検出信号の処理条件を、当該求められた汚れ度合いが大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように補正する補正手段と、
を含むことを特徴とする複合型監視装置。 - 監視領域に向けて赤外線センサ及び撮像センサが配置され、それらのセンサがカバーで覆われた検出部と、
前記赤外線センサからの検出信号及び前記撮像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記赤外線センサの感度あるいは前記検出信号の処理条件を補正する補正手段と、
を含み、
更に光源が設けられ、少なくとも前記補正手段による補正実行時に、前記光源が点灯されることを特徴とする複合型監視装置。 - 監視領域に向けて赤外線センサ及び撮像センサが配置され、それらのセンサがカバーで覆われた検出部と、
前記赤外線センサからの検出信号及び前記撮像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記赤外線センサの感度あるいは前記検出信号の処理条件を補正する補正手段と、
を含み、
更に前記画像情報に基づいて前記カバーの透光度変動を判定する手段を含むことを特徴とする複合型監視装置。 - 請求項3記載の装置において、
前記カバーの透光度変動が所定値を超える場合にアラームを出力する手段を含むことを特徴とする複合型監視装置。 - 監視領域に向けて赤外線センサ及び撮像センサが配置され、それらのセンサがカバーで覆われた検出部と、
前記赤外線センサからの検出信号及び前記撮像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記赤外線センサの感度あるいは前記検出信号の処理条件を補正する補正手段と、
を含み、
前記補正手段は、前記画像情報に基づいて前記監視領域についての平均輝度を演算し、その平均輝度に基づいて補正を実行することを特徴とする複合型監視装置。 - 監視領域に向けて赤外線センサ及び画像センサが配置され、それらのセンサが共用のカバーで覆われた検出部と、
前記赤外線センサからの検出信号及び前記画像センサからの画像情報に基づいて、前記監視領域内における人体の存否を判定する判定手段と、
前記画像センサからの画像情報に基づいて前記カバーの汚れ度合いを求め、前記判定手段における判定条件を、当該求められた汚れ度合いが大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように補正する補正手段と、
を含むことを特徴とする複合型監視装置。
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