JP3902370B2 - 除電機能付き熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の平板状物品を間隔をあけてほぼ平行に支持し,当該平板状物品の間隙に加熱空気又は冷却空気を送風して熱処理をする熱処理装置に関するもので、詳しくは、同熱処理装置おいて当該平板状物品の静電気を除去する装置(以下、除電装置という)を備えた熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような熱処理装置で処理されるワークは、通常、ロボットハンド等によって装置内へ搬入される時又はその前工程もしくは搬送工程中に、帯電した静電気を保持した状態になっている。そして、特に近年量産されるようになったTFT(薄膜トランジスタ)を有する基板では,これに帯電した電荷の放電時におけるTFTの破壊が問題になっている。
【0003】
従来の除電装置としては、例えば特開平9−213597号公報に記載されているように、コロナ放電によるイオン化気体を帯電体に吹きつけて除電する方法が知られている。しかし、この方法では帯電体が電極から離れていると、折角生成したイオンが帯電体まで到達せず有効な方法とは言えないので、本発明におけるようにに多段に格納された平板状物体を同時に除電することが困難である。
【0004】
そのほか、特開平8ー45695号公報に記載されているように、軟X線を使用した除電装置が提案されている。この装置にあっては、軟X線照射部を覆うような気体流れを形成する手段を有し、軟X線照射部に塵埃等が付着するのを照射部を流れるガスによって吹き飛ばして回避したのち、帯電体と軟X線照射部との間の空間部で生成されたガスイオンが帯電体に移送されるとともに、軟X線照射部から照射された軟X線が帯電体に到達した位置で、正・負のイオン化気体が生成されて帯電体が除電される。同装置の場合、軟X線の直射照射が必要で、帯電体を個別に除電することはできるが、本発明のように多段に格納された平板状物体の除電するのは手間がかかるために、不向きである。また、通常の除電装置の構成では、熱処理装置に適用しようとすると、処理熱によって除電装置(軟X線照射装置)そのものが破壊されるおそれがある。さらに、除電装置の耐熱性に限界があるために、熱処理装置の内部に組み込んで除電することが困難である。すなわち、例えば軟X線照射用ヘッドは常温下では8000時間の寿命があるが,280℃を越える環境では瞬時に使用不能となってしまうという不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したようなTFTを有する基板の生産の高能率や量産化の要請に応えて、それらの部材の生産工程において使用される熱処理装置が多段で同時または順次に熱処理が行われるようになって来たのに対応し、生産部材の除電操作も熱処理と同時に行うことのできる除電装置を備えた熱処理装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係る除電装置付き熱処理装置は、請求項1に記載のように、熱処理室と空調室を備え、前記熱処理室内に多数の平板状物品を間隔をあけてほぼ平行に支持し、前記空調室内に加熱器と送風機とを設けて前記平板状物品の間隙に加熱空気または冷却空気を送風して熱処理を行う熱処理装置であって、前記熱処理室および前記空調室は断熱壁により囲繞されるとともに、前記熱処理室に、シャッターで開閉されるワーク出し入れ用のスリット状の開口を断熱壁の一部分に設け、前記熱処理室に隣接して機械室を配置し、前記熱処理室と機械室とを仕切るとともに、熱処理室と機械室との仕切り壁に開口を設けて軟X線を透過可能で、かつ加熱空気または冷却空気を遮断するとともに断熱効果を有する遮蔽部材を嵌め込み、前記機械室内に軟X線照射装置を設け、この軟X線照射装置により前記遮蔽部材を通して前記熱処理室内の加熱空気流または冷却空気流に対し軟X線を照射するように構成し、加熱空気または冷却空気によってワークを熱処理すると同時に、加熱空気中または冷却空気中にイオンを生成させてワークを除電するようにしたことを特徴としている。
【0007】
上記の構成を有する請求項1に係る除電装置付き熱処理装置によれば、間隔をあけてほぼ平行に支持された多段の平行状物品に加熱空気または冷却空気が吹き付けられ、各平板状物品は熱処理される。この状態で、各平板状物品に対する加熱空気又は冷却空気の流れの上流側に軟X線が軟X線照射装置より照射され、この軟X線の照射作用によって各平板状物品の上流側部分に+(プラス)/−(マイナス)が同量のイオンが熱処理用空気流中に高濃度で生成され、生成された+/−イオンを伴って各平板状物品に熱処理用空気が接触しながら流れ去る。これにより、平板状物品が帯電されている場合には熱処理と同時に除電される。また、熱処理用空気は各平板状物品の間隙を流通し、各平板状物品に満遍なく接触するので、例えばゴンドラなどの枠体に多段で挿入して収納されている場合でも、確実に除電することができる。一方、軟X線照射装置が熱処理室の下方に位置する場合には、熱処理室が高温環境に保たれてもその処理熱の影響を受けにくいうえに、仮に開口の軟X線透過性の遮蔽部材が破損するようなことがあっても、軟X線照射装置への影響は最小限に抑えられる。また、通路を構成する壁の一部に設けた遮蔽部材を介して軟X線照射装置を熱処理用空気の流通路と遮断しているので、軟X線照射装置が著しく加熱されたり、寿命が短くなったりしない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をゴンドラ昇降式熱処理装置に適用した実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1および図2は本発明の一実施例に係るゴンドラ昇降式熱処理装置の概略全体構成を示す。
【0012】
本例の熱処理装置Aは,多数の平板状物品,例えば多数のLCD(液晶画像形成装置)ガラス基板から成るワークWを、上下方向に間隔をあけて平行に多段に支持し、これらのワークWに矢印方向に加熱空気または冷却空気を送風してワークWを熱処理する装置である。そして、図3および図4に詳細構造を示すように熱処理装置A内に配置させた軟X線照射装置をイオナイザ30として備えている。
【0013】
熱処理装置Aは通常の主要構成部分として、図1・図2のように、熱処理室1の上部に空調室2を設け、熱処理室1の下方に機械室3を備えている。熱処理室1および空調室2は共通の断熱壁4により囲繞させるとともに、機械室3も別の共通する断熱壁4により囲繞させている。また、機械室3はケーシングを構成するチャンネル材等から成る構造体5により枠体状に形成されている。熱処理室1の正面には開口部を設けて保守用扉6により開閉可能に構成し、熱処理室1の背面には、シャッター7で開閉される開口部として断熱壁4の一部分にワークWの出し入れ用のスリット状の開口15が開けられている。
【0014】
熱処理室1内には、ワークWを多段で上下に間隔をあけて挿入可能な枠体状のゴンドラ11が昇降可能に配設され、ゴンドラ11から所定の空間10をあけて上流側(図1の右側)に除塵フィルター9が配設されている。除塵フィルター9としてHEPAフィルターと通称される高性能フィルターも使用することができる。除塵フィルター9の入口側に送気ダクト8が上部の空調室2に連通させて設けられ、またゴンドラ11の出口側に排気ダクト12が上部の空調室2に連通させて設けられている。空調室2内の中央部に加熱器13が配設され、その下流側(図1の右側)に一対の送風機14が配設されており、各送風機14の電動部14mは図2のように正面側と背面側とにそれぞれ突出している。一方、機械室3内にはゴンドラ昇降機構20等が配備されている。
【0015】
なお、熱処理室1の背面側には、図示していないが,ワークWが発生するフォトレジスト等の昇華物ガスを連続排出したり、内部温度を降下させるときに使用する給排気ファンやダクト等が適宜設けられる。また、イオナイザ30およびそのコントローラ31は機械室3内に配置されている。
【0016】
ゴンドラ11は,図示していないワーク受けを30段程度有していて,それぞれの段でワークWを支持する。本例のゴンドラ昇降機構20は、下部支持型になっており、詳細な図示は省略しているが、ゴンドラ11を下面側から支持して昇降させる昇降軸21をゴンドラ11の下面から下向きに延設している。昇降軸21の下端部にこれを昇降させるナット22が連結部材を介して連結されている。ナット22の中心ネジ部に螺合するボールネジ24が、上下の軸受25を介して回動自在に支持されている。ボールネジ24は、図示しないモータにプーリ23を介して接続されており、モータが回転されることによってボールネジ24が回転してナット22を昇降させる。また昇降軸21はその下端側が連結部材を介して一対のスライダー26に接続されており、一対のリニアガイドレール27に沿って昇降軸21の昇降がスライダー26とともに案内される。
【0017】
上記のように構成される熱処理装置Aにおいて、ワークWの出し入れは次のようの態様で行われる。すなわち、シャッター7を開放した状態で、スリット状の開口15の位置でワークWの出し入れが行われるから、ゴンドラ11を段階的に上下方向に昇降させることにより、ゴンドラ11内に収納されているワークWを順次出し入れできる。
【0018】
次に、イオナイザ30の取付部分の構造例について詳しく説明する。
【0019】
図3・図4に示すように、イオナイザ30の取付部分は、機械室3を構成する構造体5に固定された環状の支持体32、この支持体32に上端が取り付けられるケース33、中間取付板34および取付ブラケット35を介して所定位置に取り付けられたイオナイザ30、図3に示す矢印方向に空気を吹き出してケース33の内部雰囲気を清掃したり冷却するためのファン36、その排気ダクト37などを備えている。
【0020】
ファン36はケース33の一側面に装着され、ファン36と対向する面に排気ダクト37の一端が接続されている。熱処理室1との間の構造体5の一部に、仕切枠部材38によってイオナイザ30の軟X線の出力窓30aから照射される軟X線が通過する開口(窓)が形成されている。この開口は熱処理室1と機械室3との間に位置し、軟X線透過性の遮蔽材(以下、透過窓材という)39を嵌め込むが、本例では透過窓材39は間隔をあけて二重に設けられている。なお、図4中の符号9aは除塵フィルター9(図1)の多孔板ケーシングである。
【0021】
イオナイザ30は軟X線照射方式の除電装置であって、X線と言っても微弱X線であるので、防御しやすく、普通のX線放射装置に比べて安全性が高い。この軟X線照射によると、被照射全域においてプラス/マイナスの双方のイオンが同時に等量、しかも高濃度で生成されるために、逆帯電効果も無く,帯電物体には逆符号のイオンが吸着され、帯電電荷を中和するので、極めて効果的な除電効果を発揮する。
【0022】
イオナイザ30は、熱処理室1とは一部構造体5等により隔離された機械室3の中に設置され、透過窓材39を通して熱処理室1内へ向けて上向きに軟X線が照射される。この軟X線の照射位置は、熱処理室1内においてゴンドラ11へ向けて送気される加熱空気流または冷却空気流を照射するように設定されている。上記したとおり、透過窓材39は二重構造となっていて加熱空気または冷却空気を遮断するだけでなく、断熱効果も有する。また透過窓材39は,軟X線を透過するものであればよく、ポリイミド材(商品名カプトンフィルム)やベリリューム金属薄板等を使用できる。イオナイザ30からの軟X線は透過窓材39を通過して熱処理室1内の空間10に照射され、そこを通過する加熱空気中または冷却空気中にイオンを生成させる。
【0023】
したがって、その加熱空気または冷却空気によってワークWが熱処理されると同時に、加熱空気中または冷却空気中のイオンの作用によって、ゴンドラ11内にワークWが多段に積み上げられていても効果的に除電が行われる。軟X線の照射角度α・βは本実施例では仕切枠部材38によって幅B方向にα=30°、奥行D方向にβ=60°に設定されている。
【0024】
ところで、イオナイザ30のヘッドは使用時間によって老朽化するために、いずれはヘッドの交換が必要となるが、本例ではイオナイザ30を機械室3の内に配置しているために、熱による寿命の低下が起こらない。言うまでもないが、イオナイザ30が熱風通路内にあると、その交換間隔は極端に短かくなてしまう。
【0025】
上記のようにして構成される熱処理装置Aに適用した本例の除電装置は、以下のような優れた除電効果が発揮される。すなわち、
一般的に、軟X線による除電効果は直接帯電体に軟X線を照射することによって得られるが、そのような構成にすると、本例における熱処理装置Aのようにゴンドラ11の中にワークWを多段で挿入したものを熱処理するときには、熱処理室1内のワークWを除電することができない。このため、例えば先行技術(特開平9ー213597号公報)に記載されているように、搬送中にワークを一枚ずつ除電しなければならず、極めて効率が悪いことになる。これに比べて、上記実施例ではゴンドラ11内に挿入されたワークWの全てを、熱処理と同時に一度に除電できるので、極めて効率的であり、その除電効果も均一でかつ確実である。
【0026】
さて、上記したように、本発明の場合には帯電体(ワークW)対して直接に軟X線を照射せず、貫流する空気に照射し、その空気を介することによって除電するという全く新規な解決手段を用いたので、本発明の実効性を立証するために発明者らは次の実験を行った。
【0027】
図6は軟X線照射装置の除電効果を確認するために行った実験装置の概略配置を示すもので、本図においても、図1〜図4に示した部材と同様の機能をもつ部材には同じ符号を付している。この実験で使用した平板状ワークWは比較的寸法の大きい(550mm×650mm)の素ガラス基板である。ゴンドラ11内の上段、中断および下段のそれぞれのワークW1-1、W2-2およびW3-3を摩擦帯電させ、他のワーク(符号なし)を帯電していないダミー基板とした。それぞれのワークでは▲1▼〜▲9▼で示した9箇所の位置および図6(a)において四角印で示した4箇所の位置の電位を測定した。使用したイオナイザ30は10VAのものである。
【0028】
上記した実験結果として、それぞれのワークW1-1、W2-2およびW3-3における▲1▼〜▲9▼の位置における電位の測定値を、表1〜表3に示す。なお,これらの表1〜3では四角印の位置における測定値を省略しているが、位置によっては多少のばらつきはあったが、四角印の4箇所の位置においても同程度の測定値が得られている。
【0029】
【表1】
(上段の除電効果を示す表)
【0030】
【表2】
(中段の除電効果を示す表)
【0031】
【表3】
(下段の除電効果を示す表)
【0032】
上記の表1〜表3から分かるように、実際の熱処理装置Aにおける帯電電位と同程度又はそれ以上の約−2kV〜−6kVの初期電位のときに、上段、中段、下段のワークW1-1・W2-2・W3-3の電位をほぼ100〜200V程度の除電電位にするための軟X線の照射時間は、それぞれ30秒、120秒、40秒という結果が得られた。なお、A,B,C点では、空気の流速がそれぞれ0.48m/s、0.32m/s、0.47m/sであった。
【0033】
実際の熱処理装置Aでは,1枚のワークWは約30分間で熱処理され、イオナイザ30はこの間に約15分間作動させるので、上記実験結果によれば、実際の装置においては,ワークWへの帯電電荷をほぼ確実に除電できることが判明した。また、図5は軟X線照射装置(イオナイザ30)の照射口からの帯電体の距離と除電に要する照射時間との関係を示すものである。
【0034】
なお、本発明の実施例として熱処理室1の片側に開口15を1箇所のみ設け、ゴンドラ11を上下方向に昇降させることによりワークWを順次出入させて熱処理を行う構造の装置を開示しているが、熱処理装置としては、多数の平板状ワークを間隔をあけてほぼ平行(水平方向に限らない)に支持し、平板状ワークの隙間に加熱空気または冷却空気を送風して熱処理を行う構造の熱処理装置であれば、どのような装置に対してもこの除電装置を適用できることは言う迄もない。
【0035】
具体的には、上記の実施例では、熱処理装置がゴンドラ11の下部支持昇降式である場合の例を示したが、例えば側部に支持昇降機構を備えたゴンドラ昇降式のもの(この場合は、機械室3は熱処理室1の側部に設けられる)、上昇側及び下降側の2列の多段ワーク積載部のそれぞれのワークを昇降軸によって1段づつ支持替えして昇降させると共に列間の積載および搬入/搬出機構を備えた枚葉支持替え昇降式のもの、複数のカセットを循環させると共にカセット内に多段にワークを積載して開口部から出し入れすつカセット搬送式のものなどの種々の形式の熱処理装置に適用可能である。
【0036】
また、上記のような平板状物品自体が熱処理させるワークである場合に限らず、例えばバーンイン装置のように、平板状物品である多段支持されたバーンインボードにIC等のワークを装着し、熱処理によって製品の加速寿命検査をするような装置に対しても本発明を適用することができる。
【0037】
ただし、軟X線といっても、もともと有害なX線の1種であるからその構造、材質は軟X線を漏洩しないものとする必要があり、例えば装置全体を囲繞する壁材は鋼板なら厚さ0.5mm以上、ガラスなら厚さ1mm以上の厚さにする必要がある。さらに、X線の屈折、乱反射等の影響で予想外の所からX線が洩れることもあるので、本装置全体を軟X線を漏洩しないような密閉構造とする必要がある。また、扉やシャッタなどの開閉機構とイオナイザ30の作動とはインタロックを設けるなどして、開口部を開放しているときにはイオナイザ30の作動をさせない等の留意が必要である。
【0038】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、下記のような優れた効果がある。
【0039】
(1) 請求項1に記載の発明では、多数の平板状物品を平行に支持してこれに加熱または冷却空気を供給して熱処理する熱処理装置において、平板状物品に対する空気流れの上流側部分に軟X線を照射するようにしたので、各平板状物品に熱処理用空気が吹き付けられ、平板状物品が帯電されている場合には熱処理と同時に除電される。また、熱処理用空気は各平板状物品の隙間を流通し、各平板状物品に満遍なく接触するので、例えばゴンドラなどの枠体に多段で挿入して収納されている場合でも、確実に除電することができる。
【0040】
一方、軟X線照射装置は機械室に軟X線照射装置を設け、仕切り壁の一部に設けた遮蔽部材を介して軟X線照射装置を熱処理用空気の流通路と遮断しているので、軟X線照射装置が著しく加熱されたり、寿命が短くなったりしない。
【0041】
つまり上記した通り軟X線を照射して平板状物品に対する高温空気流れの上流側にイオンを形成すればよいので、軟X線照射装置自体を高温空気流れの中に設ける必要はないから、軟X線を透過可能な適当な空気遮断部材を用いることにより、照射装置自体を常温又はこれに近い良好な環境部分に配置することができ、その結果、高温雰囲気で熱処理されるべき被処理物(平板状物品)であっても、これに帯電した静電気を熱処理装置内で除電することができ、軟X線照射装置の熱損も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るゴンドラ昇降式熱処理装置の概略全体構成を示すもので、図1(a)は平面視断面図、図1(b)は正面視断面図である。
【図2】図1のゴンドラ昇降式熱処理装置の側面視断面図である。
【図3】図1の熱処理装置A内に配置させた軟X線照射装置(イオナイザ30)の取付構造を拡大して詳細に示す側面視断面図である。
【図4】図3の取付構造と軟X線の照射状態を拡大して詳細に示す正面視断面図である。
【図5】軟X線照射装置の照射口からの帯電体の距離と除電に要する照射時間との関係を示す説明図である。
【図6】軟X線照射装置の除電効果を確認するために行った実験装置の概略配置を示すもので、図6(a)は平面図、図6(b)は側面図、図6(c)は正面図である。
【符号の説明】
1 熱処理室
2 空調室
3 機械室
4 断熱壁
5 構造体
6 保守用扉
7 シャッター
8 送気ダクト
9 除塵フィルター
11 ゴンドラ
12 排気ダクト
13 加熱器
14 送風機
15 スリット状開口
20 ゴンドラ昇降機構
30 イオナイザ(軟X線照射装置)
A 熱処理装置
W ワーク(平板状物品)
Claims (1)
- 熱処理室と空調室を備え、前記熱処理室内に多数の平板状物品を間隔をあけてほぼ平行に支持し、前記空調室内に加熱器と送風機とを設けて前記平板状物品の間隙に加熱空気または冷却空気を送風して熱処理を行う熱処理装置であって、
前記熱処理室および前記空調室は断熱壁により囲繞されるとともに、前記熱処理室に、シャッターで開閉されるワーク出し入れ用のスリット状の開口を断熱壁の一部分に設け、
前記熱処理室に隣接して機械室を配置し、前記熱処理室と機械室とを仕切るとともに、熱処理室と機械室との仕切り壁に開口を設けて軟X線を透過可能で、かつ加熱空気または冷却空気を遮断するとともに断熱効果を有する遮蔽部材を嵌め込み、前記機械室内に軟X線照射装置を設け、この軟X線照射装置により前記遮蔽部材を通して前記熱処理室内の加熱空気流または冷却空気流に対し軟X線を照射するように構成し、加熱空気または冷却空気によってワークを熱処理すると同時に、加熱空気中または冷却空気中にイオンを生成させてワークを除電するようにしたことを特徴とする除電機能付き熱処理装置。
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