JP3902366B2 - プラスチックフィルム液晶素子用シール剤及び表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム基板を使用する液晶表示素子に用いられるシール剤及びそれを用いた液晶表示素子に関するものである。
本発明のシール剤は、1液型または2液型であっても良い。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子の基板としては、従来から主としてガラス基板が用いられたが、近年、軽量化、大型化、強度の改善あるいは曲面表示などの観点から、可撓性を有するプラスチックフィルムを基板とした液晶表示素子が注目されている。
プラスチックフィルム基板液晶表示素子においては、通常のガラス基板液晶表示素子と同様に、極めて高度な物性が要求される。すなわち、セルを構成している材料同士が強固に結合され、高い気密性能を保有していなければならず、また、水分、熱等に対する物理的・化学的安定性にも優れたものでなくてはならない。このような接着においてガラス基板を用いた液晶表示素子の場合、潜在性硬化剤を用いたエポキシ系シール剤、低融点ガラス等の無機系シール剤が使用されており、満足のいくシール特性が得られている。
しかし、これらのシール剤は硬化温度150〜180℃という高温処理を必要とするため、プラスチックフィルム基板に適用した場合には、基板が処理温度に耐えることができず変形してしまうという問題がある。また、硬化物がプラスチックフィルムに対して十分な接着強度が得られないという問題もある。
また、プラスチックフィルム基板に適用した低温硬化を目指したシール剤は、単純に従来の液晶シール材に促進剤を増量したものが多く、保存安定性及び電気的信頼性に劣るものが多く、未だ優れた特性を持つシール剤は得られていない。例えば、プラスチックフィルム基板液晶表示素子用のシール剤として、付加重合タイプのシリコーン系シール剤が提案されている。このシリコーン系シール剤は、プラスチックフィルムに対する接着性に優れ、フレキシビリティーの高い液晶パネルを実現できる。しかしながら、シリコーン系材料は、ガスや水蒸気をよく通す性質があるため、高蒸気圧の液晶成分を透過し、特に高温信頼性に問題がある。
【0003】
また、特開昭60−26081号公報には、ウレタン結合を有するエポキシ樹脂、分子中に水酸基を有するエポキシ樹脂、イソシアネート化合物、極性溶媒および吸湿性の少ない溶媒の混合溶媒とからなるプラスチック液晶表示素子用シール剤が提案されているが、極性溶媒の吸湿性のためにイソシアネート化合物を使用する際の作業環境に制約があり、また、溶媒を蒸発させてから貼合せる必要があることから工程数が増加するという問題がある。
他にもプラスチックフィルム基板液晶表示素子用のシール剤としては、例えば、特開昭57−32669号公報には熱可塑性樹脂ワニスで基材表面を溶解して、熱圧着するタイプ、特開昭60−69634号公報には内側がシリコーン系樹脂で外側がエポキシ系樹脂という二重接着構造にしたタイプ、特開平1−129232号公報には光と熱を併用硬化させるタイプなどが提案されているが、未だ上市されていない。また、ゴム変性エポキシ樹脂を添加することで、可撓性を与え、プラスチックフィルム基板への接着強度を増加させる試みもあるが、シール剤粘度が高くなり、充填剤の添加量が少なくなり、スクリーン印刷性を損ない、更に加熱硬化時に滲みを生じるという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良好な作業性、プラスチックフィルム基板に対する優れた接着強度、基板の熱変化に対する追従性、液晶、水分、熱等に対する良好な物理的・化学的安定性、および硬化時の滲みを防止することが可能等の優れた特性を有するプラスチックフィルム液晶素子用シール剤、及びそれを用いた液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するため鋭意検討した結果、エポキシ樹脂、硬化剤、添加剤及び充填剤のうち少なくとも2つの成分がカルボニル基を持つ化合物であることにより、プラスチックフィルム基板に対する接着強度が優れ、更に基板の熱変化に対する追従性、液晶、水分、熱等に対する物理的・化学的安定性が良好で、かつ硬化時の滲みを防止したシール剤が得られることを見出し、本発明に到達することができた。
【0006】
本発明の第1は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤及び添加剤よりなる群から選ばれた少なくとも2つの成分がカルボニル基を持つ化合物であるプラスチックフィルム液晶素子用シール剤において、充填剤として、少なくともカルボニル基を含有するポリアクリレート系粒子を用い、硬化剤として、ヒドラジド系化合物およびイソシアヌル酸骨格をもつ化合物よりなる群から選ばれたカルボニル基をもつ化合物を用いることを特徴とするプラスチックフィルム液晶素子用シール剤に関する。
本発明の第2は、カルボニル基を持つ硬化剤が、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインである請求項1記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤に関する。
本発明の第3は、エポキシ樹脂が少なくともカルボン酸基を持つ可撓性エポキシ樹脂を含有するものである請求項1または2記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤に関する。
本発明の第4は、添加剤が少なくともイソシアヌル酸骨格を持つ化合物を含有するものである請求項1〜3いずれか記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤に関する。
本発明の第5は、シール剤が、1液型シール剤または2液型シール剤である請求項1〜4いずれか記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤に関する。
本発明の第6は、1液型シール剤が溶媒を含むものである請求項5記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤に関する。
本発明の第7は、請求項1〜6いずれか記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤を用いたことを特徴とする液晶表示素子に関する。
【0007】
以下に本発明の実施態様を具体的に説明する。
本発明に使用されるエポキシ樹脂としては、一般的に、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。特にこれらに限定されるわけではない。
【0008】
また、エポキシ樹脂が両末端にグリシジル基を有し、かつ下記式(1)で表される基を少なくとも1つ以上有するエポキシ化ポリエーテルグリコールを含有するものであると、硬化物の可撓性が増加し、プラスチックフィルム基板への接着強度を向上させることが出来る。この樹脂は単独あるいは上記エポキシ樹脂と混合して使用してもよい。
【化1】
(前式中、Rはアルキレン基を示す。該アルキレン基の炭素数の数は、1〜5が好ましい。また、繰返し数nは好ましく1〜25、より好ましくは2〜7
である。)
前式(1)において、nが25を越える樹脂は柔軟性が大きくなりすぎ、剥離強度が弱くなり、プラスチックフィルム液晶表示素子強度保持に必要な強度が不足し、好ましくない。
【0009】
また、エポキシ樹脂が少なくともカルボン酸基を含有する可撓性エポキシ樹脂である場合、可撓性を有する上に、分子中のカルボン酸基によるプラスチックフィルム基板表面への水素結合などの効果が出て、接着強度を向上させることが出来る。このカルボン酸基含有可撓性エポキシ樹脂は単独で使用しても、上記エポキシ樹脂と混合して使用しても良い。なお、カルボン酸基含有エポキシ樹脂は具体的には、例えば下記式(2)〜(4)のような構造のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
【化2】
【0011】
本発明に使用される硬化剤としては、ポリアミドアミン、メタキシレンジアミン、イミダゾール、ピリジン等、2級アミン基をもつもの等が使用される。また、一般によく用いられる脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンを使用してもよい。更に酸無水物や第3級アミン、イミダゾールアダクト、アミンアダクトなども使用可能であるが、硬化剤はこれらに限定されるものではない。但し、酸無水物は高温硬化型が主であり、プラスチックフィルム基板接着用にはあまり好ましくない。また、これらの中で、特にカルボニル基を持つ化合物としては、以下のようなヒドラジド系化合物やイソシアヌル酸骨格を持つ化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
具体的にはヒドラジド系化合物としては以下のモノヒドラジド化合物及びジヒドラジド化合物等が挙げられる。例えば、モノヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、カルボヒドラジド、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ヒドラジド等を挙げることができる。
ジヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン−2−酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の2塩基酸ジヒドラジド等を挙げることができる。
上記以外のヒドラジド化合物としては、ポリアクリル酸ヒドラジド、2,4−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−sym−トリアジン等を挙げることができる。なお、ヒドラジド化合物はこれらに限定されるものではない。
また、特にジヒドラジド化合物を用いた場合、基板への接着強度が増加する。確認はできていないが、基板の表面とジヒドラジドのカルボニル基が水素結合することにより、接着強度が増加していると思われる。
【0013】
本発明使用のヒドラジド化合物は、好ましくは平均粒子径が0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜5μmの固体ヒドラジドとして用いられる。0.5μm未満では、保存安定性が低下する可能性があり、更に粒子同士の凝集により、取扱が困難となり好ましくない。一方20μmを越えると、得られるエポキシ樹脂の耐熱性、耐湿性、耐水性、電気絶縁性等が低下し、好ましくない。なお、これら固体ヒドラジドを用いることにより、液状硬化剤に比べ保存特性も良好となり、工程簡略化などのコストダウンにも寄与することが出来る。
特にヒドラジド化合物として、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(以下VDHと略す)を使用する場合、低温硬化性が発現し、プラスチックフィルム基板に対して歪みの生じない硬化温度でシールできるので好適である。
VDHで前記のような低温硬化性が発現するのは、ジヒドラジドのカルボニル基とヒダントイン環のカルボニル基があり、1分子当たりのカルボニル基が多く、水素結合する部位が多いことと、分子鎖が大きいことによるエポキシ樹脂との架橋間がある程度長くなり、可撓性が付与され、更に接着強度が増加したのではないかと思われる。
【0014】
また、イソシアヌル酸骨格を持つ化合物の具体例としては、2,4−ジアミノ−6−{2′−メチルイミダゾリル−(1′)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物等や下式(5)のようなイソシアヌル酸骨格を持つ3官能チオール系化合物、例えば2,4,6−トチオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メルカプトプロピオナート)(以下、THEIC−BMPAと略す)等を挙げることが出来るがこれらに限定されるものではない。
【化3】
(前式中、Rはエステル基またはカルボニル基)
【0015】
前記のようなイソシアヌル酸化合物も分子内にカルボニル基を多く、プラスチックフィルム基板表面と水素結合する部位が多いことにより、接着強度が増加したと考えられる。更に2,4−ジアミノ−6−{2′−メチルイミダゾリル−(1′)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物においては、1液型硬化剤としてポットライフも長く、耐液晶性が高く、有用である。また、2液型硬化剤として、THEIC−BMPAは分子内にカルボニル基を多く含み、プラスチックフィルム基板表面と水素結合する部位が多いことに加え、3官能ではあるが、分子鎖が大きいことによるエポキシ樹脂との架橋間がある程度長くなり、硬化物の可撓性が付与され、更に接着強度が増加したのではないかと思われる。
【0016】
充填剤としてのポリマー粒子としては、例えば具体的にはシリコーンゴム粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、ポリn−ブチルアクリレート粒子などのポリアクリレート系粒子、架橋ポリスチレン粒子、ナイロン12粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、メラミン−グアナミン樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ポリ酢酸ビニル粉、ポリスチレン−酢酸ビニル共重合体粒子、ポリエステル粒子、尿素樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等などが挙げられるが、特にこれら樹脂に限定されるものではない。ポリマー粒子を使用することで、膨潤ゲル化し、染み出しを防止することができる。
【0017】
本発明において充填剤として使用するカルボニル基を含有するポリマー粒子としては、例えばポリアクリレート系粒子(ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、ポリn−ブチルアクリレート粒子等)があげられる。該ポリアクリレート系粒子は、該粒子を形成するカルボニル基がプラスチックフィルム基板の表面と水素結合することにより、接着強度が増加していると思われる。また、エポキシ樹脂の硬化の際、液状化し、流動性の増したエポキシ樹脂を膨潤し、ゲル化し、染み出し防止に寄与するだけでなく、柔軟性を硬化物に付与することもでき、プラスチックフィルム基板に対して、接着強度を増加させる効果もあるし、また、ゴム変性エポキシ樹脂のようにシール剤自体の粘度を高くしないので、スクリーン印刷性にも優れる。更に理由は不明だが、ポリアクリレート系粒子の添加がエポキシ樹脂の硬化を促進する効果もあり、より低温硬化、短時間シールを可能にしている。特にコアシェル型(アクリル系あるいはジエン系重合体のコア)にアクリレート系重合体をシェル成分としたポリメタクリレート粒子、更にはシェル最外側にイオン層を形成させたものはさらに接着強度が強く、染み出し防止に効果があり、好ましい。
【0018】
前記のようなポリマー粒子の添加量としては、染み出し防止の点などからエポキシ樹脂100重量部に対して3〜40重量部が好ましい。3重量部未満であると、染み出し防止に効果が見られず、シール性が悪くなる。また、40重量部を越えると、粘度が高くなり、スクリーン印刷性を損なってしまう。などの問題が出てくる。
なお、前記ポリマー粒子は混合の際、スクリーン印刷時のスクリーンの目詰まり防止等のため三本ロール等で混練し、微細化して使用することが望ましい。
【0019】
本発明における添加剤としては、具体的にはイソシアヌル酸、2,4−ジアミノ−6−メタクリロオキシ−1,3,5−トリアジン イソシアヌル酸付加物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。イソシアヌル酸骨格を持つ化合物であることにより、分子内にカルボニル基を多く持ち、プラスチックフィルム基板表面と水素結合する部位が多いことにより、接着強度が増加したと考えられる。この添加剤系は耐液晶性を低下させることがなく、シール剤中のエポキシ樹脂等の含有量を減ずることが出来、コストダウンにも有用である。これら添加剤はカルボニル基含有化合物が他のシール剤混合物組成中で使用されていれば、必ずしも使用しなくてもよく、接着力向上やコストダウン等の必要に応じて使用することができる。
なお、本発明においては、必要に応じて他の公知の添加剤を使用することも可能である。。本発明の効果を損なわない範囲であれば、何ら差し支えない。例えば、アエロジルのような揺変剤、顔料、染料、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、反応性希釈剤などが挙げられる。
【0020】
他のシール剤組成物として以下のようなものが挙げられる。
本発明で使用される硬化促進剤としては種類及び量は特に限定されていないが、具体的には例えば、3級アミン化合物や尿素化合物や通常潜在性硬化剤として使用されている硬化剤例えばジシアンジアミド、アミンアダクト化合物や尿素アダクト化合物などが挙げられる。
3級アミン化合物としては、2−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−{2′−メチルイミドゾリル−(1′)}−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2′−メチルイミドゾリル−(1′)}−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物などが挙げられる。
尿素化合物としては、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素及び又は、3−p−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素などが挙げられる。
更に他の硬化促進剤潜在性硬化剤として使用されているものも使用できる、例えばジシアンジアミド、アミンアダクト化合物、尿素アダクト化合物、ポリアミン変性化合物なども挙げられる。他にトリス−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール、トリス−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールとトリス2−エチルヘソエートの塩、トリフェニルフォスフィン等も挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0021】
硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂100重量部に対して5重量部以下が好ましい。この量が5重量部を越えると、硬化性はよいものの、プラスチックフィルム基板への接着強度不足及び耐湿性、耐液晶性等の信頼性に悪影響を及ぼすことになる。硬化促進剤を添加することで、硬化温度の低減、硬化時間の短縮を行うことが出来、コストダウン、セル作製工程の簡素化(セル作製時における省エネ)へも寄与することも出来る。
【0022】
無機充填材としては、例えば、各種金属の炭酸塩、アルミナ、シリカ、酸化チタン、チタン酸カリウム等が挙げられこれらの中で種々の点から酸化チタン、シリカを一種または二種以上併用して使用されることが好ましい。
本発明で用いる無機充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の酸化物、カオリン、タルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等が挙げられる。
これら充填剤の添加量は、本発明に用いるシール剤組成、特に充填剤そのもの種類により大きく変化するが、エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜100重量部が望ましい。更に硬化物の耐液晶性の面からもこの範囲内が好ましい。1重量部未満では、塗布作業性が悪く、塗布されたパターンの保持性も劣る等の欠陥を生じやすい。その上、耐液晶性が劣化する。100重量部を越えると、粘度上昇などによりスクリーン印刷性を損なう。その上、接着性が劣化する傾向にある。なお、充填剤の混合に当たっては、スクリーン印刷時のスクリーンの目詰まり防止等のため三本ロール等で混練し、微細化して使用することが望ましい。
【0023】
無機充填剤を使用する際にシランカップリング剤及びチタンカップリング剤などを使用することが望ましい。具体的にはシランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランカップリング剤、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシランカップリング剤、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等の下記一般式(6)で表されるアルキルトリアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0024】
【化4】
RSi(OR′)3 …(6)
(前式中、Rは1個又は2個以上のハロゲン原子が置換してもよい炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、R′は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示す。)
で表されるアルキルトリアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0025】
チタンカップリング剤の具体例としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス−イソデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス−n−デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル−ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチル−ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)−ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
前記カップリング剤の添加量は、本発明に用いるシール剤組成により大きく変化するが、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填剤等混合組成物の合計量を100重量部とした際、5重量部以下が好ましい。また、5重量部を越えると、樹脂の凝集力が低下し、結果として接着力や信頼性の低下する。
【0026】
本発明で用いる溶剤としては、具体的には、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、トルエン、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルアセタール、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、メチルカルビトール等が挙げられる。これらの溶剤は、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせて使用しても差し支えない。
本発明で溶剤を添加する理由は、シール剤に適度な流動性と塗布性を与えるためであり、塗布機の特性に適合するのであれば、必ずしも添加しなくてもよい。溶剤の添加量はこれらの条件を満たすことが必要であり、一般的にはエポキシ樹脂100重量部に対し0〜50重量部、好ましくは5〜30重量部が好適である。
【0027】
本発明のシール剤を用いるプラスチックフィルム液晶素子の製造法を説明する。本発明で用いるプラスチックフィルム基板樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶性ポリエステル(LCP)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンオキシド(変性PPO)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミノビスマレイミド、トリアジン樹脂などが挙げられる。また、基板表面は、透明電極(ITO電極)や配向膜(ポリイミド系配向膜)を付けたものでも、問題はない。
【0028】
前記シール剤を、スクリーン印刷、ディスペンサー等の手法により、プラスチックフィルム基板の上に、適当な膜厚に塗布し、乾燥炉等でプレキュアーさせる。その上で、スペーサーとしてギャップ剤を散布したプラスチックフィルム基板を貼り合わせ、エアバッグ等で加圧しながら、乾燥炉、送風恒温槽等の手段により加熱硬化させる。
なお、シール剤中の固形物最大粒径が5μm未満であるときに特に良好なギャップ保持特性を示す。固形物最大粒径が5μm以上であるときはスクリーン印刷性が低下する場合があり、更に固形物どうしが二次凝集をおこすことによりギャップ保持が困難になる場合があり好ましくない。
【0029】
本発明におけるプレキュアーとは、シール剤中に含有する溶剤や水分を揮発及びシール剤中の脱泡をさせ、かつその後をプラスチックフィルム基板をあわせ、加熱硬化させる際にシール剤が対向プラスチックフィルム基板の接着部分になじむようレベリングを行なうことである。プレキュアーの条件としては、本発明における1液型シール剤の場合、気流中、室温から130℃2分〜2時間の範囲であり、生産性や経済性及び硬化剤特性を考慮すると、60〜110℃で2〜30分の範囲が好適である。また、2液型シール剤の場合、気流中、室温から100℃2分〜2時間の範囲であり、生産性や経済性及び硬化剤特性を考慮すると、60〜95℃で2〜30分の範囲が好適である。
【0030】
本発明における加熱硬化は、シール剤中のエポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を充分行なわせ、かつプラスチックフィルム基板を接着させることを意味する。硬化条件としては、本発明における1液型シール剤の場合、気流中、90〜130℃で30〜480分であり、好ましくは100〜120℃で60〜240分の範囲が好適である。なお、硬化条件はステップキュアを行っても良い。例えば、100℃で圧着仮硬化し、圧力フリーで120℃で本硬化するなどの多段階硬化接着も行うことも可能である。このようなアフターキュアすることで、水分や被着有機物をエージングし、液晶注入前のプレ処理になるという効果も出る。また、2液型シール剤の場合、気流中、40〜130℃で30〜480分であり、好ましくは60〜120℃で60〜240分の範囲が好適である。なお、硬化条件はステップキュアを行っても良い。例えば、60℃で圧着仮硬化し、圧力フリーで120℃で本硬化するなどの多段階硬化接着も行うことも可能である。このようなアフターキュアすることで、水分や被着有機物をエージングし、液晶注入前のプレ処理になるという効果も出る。
【0031】
以下に、合成例、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は、重量基準である。
【0032】
シール剤混練方法と液晶セル作製方法は、以下の通りである。
各成分をヘンシェルミキサーで混合し、セラミックス製三本ロールにて充填剤及び硬化剤の粒径が5μm以下になるまで混練し、脱泡し、シール剤を得た。なお、2液型シール剤は硬化剤と主剤を別途上記のように組成物混合し、混練した。その後、シール直前にその両混合物をエポキシ当量比で良く攪拌し、脱泡し、シール剤を得た。
ITO透明電極の形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基板を、ポリイミド系配向剤を用いて配向処理し、その外周部にシール剤をシール部パターンに印刷し、所定温度、所定時間プレキュアーし、室温まで冷却した。ついで、この基板に同様に配向処理したPETフィルム基板をギャップ剤を介して重ね合わせ、エアバッグにて圧着した後、所定温度、所定時間加熱してシール剤を硬化せしめて両基板を接着し、液晶としてLixon 6220〔チッソ(株)製〕およびZLI−1565(メルク社製)(カイラルネマチック液晶C−15,0.5wt%含有)あるいは液晶としてLixon 6200〔チッソ(株)製〕およびZLI−1800,000(メルク社製)(カイラルネマチック液晶C−15,0.5wt%含有)を封入して液晶セルを作製した。
【0033】
実施例1
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:130℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0034】
比較例1
硬化剤としてポリアミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハードナーEH−4070S)60重量部を使用し、添加剤を使用しない以外は実施例1と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0035】
実施例2
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:120℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0036】
比較例2
硬化剤としてポリアミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハードナーEH−3615S)30重量部を使用し、ポリマー粒子を使用しない以外は実施例2と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0037】
実施例3
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:130℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0038】
比較例3
硬化剤として尿素アダクト(富士化成社製:フジキュアFXE−1000)25重量部を使用し、添加剤を使用しない以外は実施例3と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0039】
実施例4
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。
このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:130℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0040】
比較例4
ポリマー粒子としてメラミン樹脂粒子(日本触媒社製:エポスターS6)を使用し、添加剤を使用しない以外は実施例4と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0041】
実施例5
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:130℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0042】
比較例5
エポキシ樹脂としてカルボン酸基含有エポキシ樹脂を使用しないで、ビスフェノールA型エポキシ樹脂単独で使用し、硬化剤としてはポリアミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハードナーEH−4070S)60重量部を使用し、添加剤を使用しない以外は実施例5と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0043】
実施例6
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:120℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0044】
比較例6
添加剤を使用せず、硬化剤としてアミンアダクト化合物(味の素社製:アミキュアPN−23)25重量部を使用する以外は実施例6と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0045】
実施例7
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練した。
この主剤/硬化剤を100/69の重量比で混合し、2液型シール剤を得た。
このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:75℃2分、硬化条件:120℃2時間で空液晶セルを作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0046】
比較例7
硬化剤として脂肪族アミン(サンテクノケミカル社製:ジェファーミンT−403)を使用し、添加剤を使用しない以外は実施例7と同じ組成でシール剤を作製した。この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0047】
実施例8
上記組成を攪拌混合し、更に3本ロールミルにて、前記方法で混練し、シール剤を得た。
このシール剤を用い、前記セル作製方法にしたがい、プリベーク条件:90℃2分、硬化条件:120℃2時間で空液晶セルを作製した。
この空液晶セルに対して、前記シール剤評価方法に従い、評価した結果を下表1に示した。
【0048】
【表1】
1)硬化温度が低い反面、ポットライフが非常に短いので工程上取り扱いが困難であった。
【0049】
実施例9
前記実施例1〜8で作製した空液晶セルに、液晶〔Lixon 6200 チッソ(株)製〕およびZLI−1,800,000(メルク社製)(カイラルネマチック液晶C−15、0.5wt%含有)封入して、液晶セルを作製した。また、これらの液晶セルに対して、85℃および60℃−90%RHの環境保存テストを500時間行ったところ、その経過後も耐液晶性、接着信頼性は良好であった。その結果を表2に示す。
【0050】
比較例8
前記比較例1−8で作製した空液晶セルに、実施例9と同様にして液晶セルを作製し、環境保存テストも行った(表2)。なお、シール剤が硬化及び接着しないものがあり、空液晶セルが作製できないものもあった。更に85℃で500時間放置及び60℃で90%RHの環境下に500時間放置した後の液晶パネルには、剥離が生じたり、電流を測定することはできないものもあった。
【0051】
【表2】
【0052】
なお、得られたプラスチックフィルム液晶素子用シール剤及び液晶表示素子は、以下のような試験で評価した。
(シール剤評価方法)
(i)接着性:
100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを、7μm厚でシール剤により接着し、20mm/minの速度でピール強度を測定した。
○:200g/cm以上
△:100〜200g/cm
×:100g/cm以下
(ii)接着信頼性:
上記接着したサンプルを60℃−90%RH及び85℃の環境保存テストを100時間実施後、剥離試験(ピール強度測定)を行った。
○:200g/cm以上
△:100〜200g/cm
×:100g/cm以下
(iii)耐液晶性:
膨潤度、消費電流値が全て下記の条件を満足するものを○とし、いずれか1つでも満足しないものを×とした。
膨潤度:
液晶中の浸漬テストでシール剤の重量変化が10wt%以内。
消費電流値:
60℃−90%RHの環境保存テストを100時間実施後、消費電流値が初期間の1.5倍以内。
(iv)印刷性:
連続印刷性が良好なものを○とする。
(v)染み出し(滲み):
接着硬化後、シールパターン直進性の良好なものを○とする。
(vi)硬化温度:
硬化温度が130℃以下のものを○とする(1液型シール剤)。
硬化温度が120℃以下、2時間以内のものを○とする(2液型シール剤)。
【0053】
【効果】
1.請求項1の効果
プラスチックフィルム基板への密着性を高め、剥離強度の向上したシール剤が提供される。
2.請求項2の効果
プラスチックフィルム基板への接着性を高め、剥離強度を向上させたシール剤が提供される。
3.請求項3の効果
プラスチックフィルム基板への接着性を高め、剥離強度の向上させ、プラスチックフィルム液晶表示素子作製時の染み出しを防止したシール剤が提供される。
4.請求項4の効果
可撓性付与によるプラスチックフィルム基板への接着性向上ばかりではなく、更にカルボン酸基による高い接着性を付与したシール剤が提供される。
5.請求項5の効果
プラスチックフィルム基板への接着性をさらに高め、剥離強度が向上し、耐液晶性の高いシール剤が提供される。
6.請求項6の効果
ポットライフを向上させ、プラスチックフィルム基板への接着性を高め、剥離強度を向上させたシール剤が提供される。
7.請求項7の効果
シール印刷性向上、硬化剤、硬化促進剤の反応性を高め、硬化時のエポキシ樹脂等の染み出し防止に効果があるシール剤が提供される。
8.請求項8の効果
生産性の高い工程で作成が可能で、かつ安価でシール性の良好なプラスチックフィルム液晶表示素子が提供される。
Claims (7)
- エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤及び添加剤よりなる群から選ばれた少なくとも2つの成分がカルボニル基を持つ化合物であるプラスチックフィルム液晶素子用シール剤において、充填剤として、少なくともカルボニル基を含有するポリアクリレート系粒子を用い、硬化剤として、ヒドラジド系化合物およびイソシアヌル酸骨格をもつ化合物よりなる群から選ばれたカルボニル基をもつ化合物を用いることを特徴とするプラスチックフィルム液晶素子用シール剤。
- カルボニル基を持つ硬化剤が、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインである請求項1記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤。
- エポキシ樹脂が少なくともカルボン酸基を持つ可撓性エポキシ樹脂を含有するものである請求項1または2記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤。
- 添加剤が少なくともイソシアヌル酸骨格を持つ化合物を含有するものである請求項1〜3いずれか記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤。
- シール剤が、1液型シール剤または2液型シール剤である請求項1〜4いずれか記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤。
- 1液型シール剤が溶媒を含むものである請求項5記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤。
- 請求項1〜6いずれか記載のプラスチックフィルム液晶素子用シール剤を用いたことを特徴とする液晶表示素子。
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