JP3901952B2 - テレビジョン信号送信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CATVシステム等に使用されるテレビジョン信号送信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン信号送信機の変調方式には中間周波搬送波を映像信号によって変調するIF変調方式があるが、IF変調方式を用いた従来のテレビジョン信号送信機を図4によって説明する。
【0003】
前置増幅器11によって増幅された映像信号と局部発振器12から出力された中間周波搬送波とが変調器13に入力される。中間周波搬送波は映像信号によって振幅変調され、変調器13から中間周波信号が出力される。中間周波信号は中間周波増幅器14によって増幅され、次いで群遅延時間補正回路15を経てSAWフィルタ16に入力される。
【0004】
SAWフィルタ16は中間周波数帯における中間周波信号に、テレビジョン信号の伝送に必要な残留側波帯特性を与えるための周波数特性(ナイキストスロープ)と包絡線遅延時間(群遅延時間)を有している。しかし、SAWフィルタ16は中間周波数帯における個々の群遅延時間がばらつくので、それを群遅延時間補正回路15によって補正している。群遅延時間補正回路15は中間周波数帯よりも高い周波数のレベルを減衰するような伝送特性(振幅特性)を有している。
【0005】
SAWフィルタ16を通過した中間周波信号は図示しない周波数変換用の混合器に入力され、そこで送信すべきチャンネルのテレビジョン信号に周波数変換されて送信される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、群遅延時間補正回路はSAWフィルタの群遅延時間のばらつきを補正するので、群遅延時間補正回路の周波数特性が一定ではなくなり、受信機で復調したのちの映像信号の周波数特性もSAWフィルタのばらつきに対応してばらつく。
【0007】
そこで、本発明のテレビジョン信号送信機においては、群遅延時間の補正によって中間周波信号に含まれる映像信号の振幅特性が変化するのを予め変調前の映像信号の段階で振幅特性を補正することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、映像信号によって中間周波搬送波を変調して中間周波信号を出力する変調器と、前記中間周波信号に残留側波帯特性を与えるためのSAWフィルタとを有し、前記変調器と前記SAWフィルタとの間には群遅延時間補正回路を設け、前記変調器の前段には前記映像信号の振幅特性を変える映像振幅特性補正回路を設けた。
【0009】
また、前記映像振幅特性補正回路を第一のトラップ回路によって構成し、前記第一のトラップ回路の減衰極周波数と前記減衰極周波数における減衰量とを変えられるようにした。
【0010】
また、前記群遅時間補正回路をブリッジT型の第二のトラップ回路によって構成し、前記第二のトラップ回路の減衰極周波数と前記減衰極周波数における減衰量とを変えられるようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のテレビジョン信号送信機を図1に示す。先ず、変調信号となる映像信号はその伝送特性に所望の振幅特性を与えるための映像振幅特性補正回路1に入力される。映像振幅特性補正回路1は直並列共振回路からなる第一のトラップ回路等で構成され、映像信号の伝送路とグランドとの間に接続される。そして、第一のインダクタンス素子1aと容量素子1bとによって並列共振回路が構成され、さらに、並列共振回路に直列に第二のインダクタンス素子1cが接続されて直列共振回路が構成される。また、並列共振回路にはダンピング用の抵抗1dが並列に接続される。
【0012】
この構成によって映像振幅特性補正回路1は並列共振周波数とそれよりも周波数が高い直列共振周波数を持ち、例えば、図2に示すようなピーク周波数Fpと減衰極周波数Fsとを有する振幅特性となる、そして、ピーク周波数Fp、減衰極周波数Fs、及び減衰極周波数Fsにおける減衰量を変えられるように、容量素子1b、第二のインダクタンス素子1c、抵抗1d等の各定数が可変となっている。
【0013】
映像振幅特性補正回路1を通過した映像信号は前置増幅器2によって所定レベルまで増幅され、次いで変調器3に入力される。また、局部発振器4から出力された中間周波搬送波も変調器3に入力される。変調器3では中間周波搬送波が映像信号によって振幅変調され、中間周波信号が出力される。中間周波信号は中間周波増幅器5によって増幅され、次いで群遅延時間補正回路6に入力される。
【0014】
群遅延時間補正回路6は、図示のように周知のブリッジT型の第二のトラップ回路で構成され、次段のSAWフィルタ7による群遅延時間のばらつきを、例えば可変容量素子6aによって補正するためのものである。そして、図3に示すように、中間周波数帯(IF1〜IF2)の最高周波数よりも高い領域が減衰するように減衰極周波数fsを有する特性となっている。また、減衰極周波数とその減衰量とが変えられるようになっている。
SAWフィルタ7はテレビジョン信号の伝送に必要な残留側波帯特性を中間周波数帯における中間周波信号に与えるための周波数特性(ナイキストスロープ)を持つ。この周波数特性によって中間周波信号の群遅延時間が変わるので、これを補正するために前述の群遅延時間補正回路6が設けられる。
【0015】
SAWフィルタ7を通過した中間周波信号は図示しない周波数変換用の混合器に入力され、そこで送信すべきチャンネルのテレビジョン信号に周波数変換されて送信される。
【0016】
以上の構成において、SAWフィルタ7による群遅延時間特性の変化を群遅延時間補正回路6の減衰極周波数fsなどの調整によって補正する。その結果、中間周波信号の周波数特性が変わる。従って、中間周波信号に含まれる映像信号の振幅特性が変わる。そこで、この変化を映像振幅特性補正回路1によって変調前の映像信号の振幅特性を変えることによって補正する。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明は映像信号によって中間周波搬送波を変調して中間周波信号を出力する変調器と、中間周波信号に残留側波帯特性を与えるためのSAWフィルタとを有し、変調器とSAWフィルタとの間には群遅延時間補正回路を設け、変調器の前段には映像信号の振幅特性を変える映像振幅特性補正回路を設けたので、群遅延時間の補正と映像信号の振幅特性の補正とを独立して行うことができる。
【0018】
また、映像振幅特性補正回路を第一のトラップ回路によって構成し、第一のトラップ回路の減衰極周波数と減衰極周波数における減衰量とを変えられるようにしたので、群遅延時間の補正によって変わる映像信号の振幅特性を補正出来る。
【0019】
また、群遅時間補正回路をブリッジT型の第二のトラップ回路によって構成し、第二のトラップ回路の減衰極周波数と減衰極周波数における減衰量とを変えられるようにしたので、簡単に群遅延時間の補正ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテレビジョン信号送信機の構成を示す回路図である。
【図2】本発明のテレビジョン信号送信機における映像振幅特性補正回路の振幅特性図である。
【図3】本発明のテレビジョン信号送信機における群遅延時間補正回路の振幅特性図である。
【図4】従来のテレビジョン信号送信機の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 映像振幅特性補正回路(第一のトラップ回路)
1a 第一のインダクタンス素子
1b 容量素子
1c 第二のインダクタンス素子
1d 抵抗
2 前置増幅器
3 変調器
4 局部発振器
5 中間周波増幅器
6 群遅延時間補正回路(第二のトラップ回路)
6a 可変容量素子
7 SAWフィルタ

Claims (3)

  1. 映像信号によって中間周波搬送波を変調して中間周波信号を出力する変調器と、前記中間周波信号に残留側波帯特性を与えるためのSAWフィルタとを有し、前記変調器と前記SAWフィルタとの間には群遅延時間補正回路を設け、前記変調器の前段には前記映像信号の振幅特性を変える映像振幅特性補正回路を設けたことを特徴とするテレビジョン信号送信機。
  2. 前記映像振幅特性補正回路を第一のトラップ回路によって構成し、前記第一のトラップ回路の減衰極周波数と前記減衰極周波数における減衰量とを変えられるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン信号送信機。
  3. 前記群遅延時間補正回路をブリッジT型の第二のトラップ回路によって構成し、前記第二のトラップ回路の減衰極周波数と前記減衰極周波数における減衰量とを変えられるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のテレビジョン信号送信機。
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