JP4478290B2 - 波形補正回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタ回路の通過帯域の遮断周波数付近に生じる通過損失の増大に基づいた波形歪みを補正する波形補正回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、双方向CATVシステムでは、中継器(トランクアンプ)や分岐器にて上り信号(例えば10〜55MHz)と下り信号(例えば70〜770MHz)とに分離する際にフィルタ回路が用いられている。
【0003】
フィルタ回路は、理想的には通過帯域の全域に渡って同じ通過損失となることが望ましいが、実際には、図10(a)に示すように、遮断周波数付近にて通過損失が増大するいわゆる肩落ちが生じる。なお、図ではハイパスフィルタの例を示す。そして、この通過損失特性の肩落ちは、信号波形を歪ませる原因となるため、フィルタ回路に波形補正回路を接続することにより、肩落ちによる通過損失の増大分を補償して波形を補正することが行われている。
【0004】
なお、波形補正回路として、通常、LC共振子からなるピーキング回路が用いられており、このピーキング回路では、図10(b)に示すように、フィルタ回路の通過損失特性の肩落ち部分から遮断周波数にかけて通過損失が減少する特性が得られるように、共振周波数をフィルタ回路のカットオフ周波数に一致させ、更にQ値を調整して、特性の肩落ち部分の通過損失増大分を相殺する特性を実現することにより、図10(c)に示す理想特性に近い特性が得られるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルタ回路のカットオフ周波数付近では、上述した通過損失特性の肩落ちが生じるだけでなく、図11(a)に示すように、通過帯域側からカットオフ周波数に近づくほど遅延量が急激に増大することが知られている。
【0006】
そして、このように周波数毎に遅延量が大きく異なってしまうと、周波数の異なる信号成分の相互関係により所定の情報が表現されている場合に、この情報を正確に再現できなくなるという問題がある。
例えば、CATVシステムにてカラーテレビ信号の伝送に用いられるNTSC方式では、各画素の色に関する情報を伝送するために搬送色信号を用いており、この搬送色信号の復調には、搬送色信号とは別途伝送されるカラーバースト信号から生成される色副搬送波(3.58MHz)が用いられている。そして、搬送色信号の復調には、色副搬送波に対する搬送色信号の位相情報も用いられるため、搬送色信号とカラーバースト信号との遅延量が異なっていると、両信号間の位相が相対的にずれることになり、その結果、色に関する情報を正確に再現できず、色ずれが生じてしまうのである。
【0007】
なお、このような問題は、遅延量の絶対的な大きさには関係なく、相互関係を有する信号成分間の相対的な遅延量の差、即ち使用する周波数帯域(テレビ信号では1チャンネル当たり6MHz幅)内での遅延量のばらつきの大きさが問題となる。
【0008】
特に、双方向CATVシステムの場合、テレビ信号が伝送される下り信号(70〜770MHz)を上り信号(10〜55MHz)から分離抽出するためのハイパスフィルタ(HPF)のカットオフ周波数は60〜70MHzの範囲に設定される。このため、下り信号の中でも最も周波数の低い側のバンドエッジに位置するチャンネルは、その使用帯域(例えば70〜76MHz)がフィルタ回路の通過損失特性の肩落ち部分に含まれてしまい、その結果、チャンネル内での遅延量のばらつきが非常に大きなものとなる。
【0009】
しかも、ピーキング回路を使用した波形補正回路の遅延特性は、図11(b)に示すように、共振周波数にて遅延量が最大となるように変化するため、この波形補正回路がフィルタ回路に接続されている場合、両回路の遅延量が加算され、遮断周波数近くに設定されたチャンネル内での遅延量のばらつきを拡大する方向に作用してしまうという問題があった。
【0010】
また近年では、双方向CATVシステムを用いて高速なデータ伝送を行うことが検討されており、その際の伝送信号として64QAMが考えられている。この64QAMでは、上述の搬送色信号より細かな位相情報を用いるため、群遅延の影響をより受けやすく、遅延量のばらつき低減に対する要求は一層厳しいものとなっている。
【0011】
更に、CATVシステムでは、上述のような群遅延に基づく障害を防止するため、システム全体としての群遅延量の許容量が規定されている。但し、群遅延量は、中継器や分岐器を通過する毎に蓄積加算されるため、波形補正回路を接続することで群遅延量が大きくなると、中継器や分岐器の接続段数が制限されてしまい、大規模なシステムを構築できないという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するために、フィルタ回路の通過損失特性の肩落ちを補償して波形歪みを補正するだけでなく、決められた特定周波数領域内における群遅延量を許容範囲内に抑えることが可能な波形補正回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための発明である請求項1記載の波形補正回路は、双方向CATVシステム用のものであって、フィルタ回路の通過損失増大部分に位置するバンドエッジのチャンネルの周波数領域を特定周波数領域として、該特定周波数領域内では、この特定周波数領域の上限及び下限の境界のうち、フィルタ回路での遅延量が小さい側の境界にて、遅延量が最大となる遅延特性を有している。
【0014】
なお、特定周波数領域の上限及び下限の境界のうち、フィルタ回路での遅延量が小さい側の境界を遅延小側境界、大きい側の境界を遅延大側境界とした場合、フィルタ回路の遮断周波数に近い側の境界が遅延大側境界となり、遮断周波数から遠い側の境界が遅延小側境界となる。
【0015】
つまり、フィルタ回路では、遅延小側境界から遅延大側境界に向けて遅延量が増大するのに対して、本発明の波形補正回路では、遅延小側境界での遅延量が最大となっており、従って、遅延小側境界では遅延量が相対的に小さくなるようにされている。このため、本発明の波形補正回路をフィルタ回路に接続した場合、特定周波数領域における総合的な群遅延量は、フィルタ回路単独の場合より、波形補正回路での群遅延量分だけ小さくなる。
【0016】
このように、本発明の波形補正回路によれば、フィルタ回路の通過帯域の遮断周波数付近における通過損失の増大分を補償して、この通過損失の増大に基づく波形歪みを補正するだけでなく、特定周波数領域内における群遅延量を任意の許容範囲内に抑えることができる。
【0017】
上述のような遅延特性を実現する波形補正回路は、例えば、請求項2記載のように、共振周波数が遅延小側境界の周波数に一致するよう設定された共振回路を有する第1補償回路と、遅延大側境界を越えてフィルタ回路での遅延量が大きくなる側に共振周波数が設定された共振回路を有し、特定周波数領域内では、フィルタ回路にて生じる通過損失の増大分に加え、第1補償回路にて生じる遅延小側境界に対する遅延大側境界での通過損失差分を補償する第2補償回路とをカスケード接続することにより実現できる。
【0018】
つまり、第1補償回路では遅延量の補償を行い、第2補償回路では、特定周波数領域内での遅延量を大きく変化させることなく、フィルタ回路及び第1補償回路での通過損失増大分の補償を行っている。
このように、本発明の波形補正回路によれば、遅延量の補償と通過損失の補償とを分けて考えることができるため、設計を容易に行うことができる。
【0019】
また、上述の請求項1又は請求項2記載の波形補正回路は、請求項3記載のように、双方向CATVシステムにて上り信号と下り信号とを分離するために用いるフィルタ回路に対して好適に用いることができる。
即ち、双方向CATVシステムでは、このようなフィルタ回路を、中継器や分岐器等に備えており、通過する毎に群遅延が蓄積加算されていくため、全てのフィルタ回路にこのような波形補正回路を接続することにより、全体として大きな群遅延量の改善効果が得られ、その結果、大規模なシステムの構成を可能とすると共に、システムの信頼性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された波形補正回路の使用状態を表すブロック図、及び波形補正回路の構成を表す回路図である。
【0021】
本実施例の波形補正回路10は、図1(a)に示すように、フィルタ回路20の後段(前段でも可)に接続して使用されるものであり、図1(b)に示すように、カスケード接続された第1補償回路11、及び第2補償回路12からなる。これら第1及び第2補償回路11,12は、いずれもコンデンサC(C1,C2)及びインダクタL(L1,L2)を並列に接続してなる並列共振型の共振回路を、抵抗R(R1,R2)を介して伝送線路に接続した構成を有している。
【0022】
このように構成された第1及び第2補償回路11,12では、共振回路の共振周波数fm(fm1,fm2)より充分に周波数が大きい信号成分に対しては、コンデンサCのインピーダンスが低くなるため、このコンデンサCを介して抵抗Rが接地され、一方、共振周波数fmより充分に周波数が低い信号成分に対しては、インダクタLのインピーダンスが低くなり、このインダクタLを介して抵抗が接地されるため、これらの場合は、伝送線路を通過する信号は、抵抗Rの大きさに応じたほぼ一定の損失(Rが小さいほど損失大)を受けることになる。一方、共振周波数fm付近の周波数を有する信号成分に対しては、共振回路のインピーダンスが周波数に応じて変化し、共振周波数fmの時に通過損失が最小となるように変化する。
【0023】
また、共振周波数fmの前後にて遅延量が大きく変化し、共振周波数fmの時に遅延量が最大となる。なお、遅延量の周波数特性(以下、遅延特性という)は、通過損失の周波数特性(以下、通過損失特性という)と同様に、共振回路のQによって調整することができ、Qが大きいほど急峻な変化となる。
【0024】
次に、第1及び第2補償回路11,12の特性の設定方法について説明する。但し、ここでは、当該波形補正回路10を接続するフィルタ回路20が、ハイパスフィルタ(HPF)である場合を例にして説明する。図2(a)は、フィルタ回路20の遅延特性、図2(b)は、第1補償回路11の遅延特性、図2(c)は、第2補償回路12の遅延特性を模式的に示したものである。そして、図2(a)に示すように、フィルタ回路20の遮断周波数fcよりわずかに周波数が高く、遅延量が急激に変化している周波数領域fa〜fbを、波形補正回路10にて遅延量を補償すべき特定周波数領域とする。
【0025】
即ち、まず、第1補償回路11では、図2(b)に示すように、その共振波数fm1が、補償すべき特定周波数領域の下限(周波数fa)及び上限(周波数fb)のうち、フィルタ回路20の遮断周波数fcから遠い側、即ち、フィルタ回路20での遅延量が小さい側の境界である上限と一致(fm1=fb)するように設定する。また、第1補償回路11では、上限周波数fbでの遅延量が、下限周波数faでの遅延量より充分に大きなものとなるように、共振回路C1,L1のQ値を大きな値に設定すると共に、通過損失特性のピークが可能な限り小さくなるように抵抗R1を設定する。
【0026】
一方、第2補償回路12では、図2(c)に示すように、フィルタ回路20の遮断周波数fcから通過損失特性の肩落ち部分に渡る比較的広い周波数範囲にて、周波数の高い側に向けて徐々に通過損失が低下し、しかも、補償すべき特定周波数領域fa〜fbの範囲では、遅延量がほぼ一定となるか、少なくとも第2補償回路12での群遅延量D2が、第1補償回路11での群遅延量D1より小となるように、その共振周波数fm1を、補償すべき特定周波数領域の下限周波数faより低い側に設定(fm2<fa)すると共に、共振回路C2,L2のQ値を小さな値に設定する。
【0027】
そして、第2補償回路12での通過損失特性により、フィルタ回路20の通過損失特性の肩落ち部分と、第1補償回路11の通過損失特性とを加算した特性が、第2補償回路12の通過損失特性にて相殺されるように、第2補償回路12の抵抗R2や共振回路のQ値を設定,調整する。
【0028】
ここで、上述の手順に沿って設計され、コンデンサC1=30pF,インダクタL1=145nH,抵抗R1=1.3kΩに設定された第1補償回路11、及びコンデンサC2=27pF,インダクタL2=270nH,抵抗R2=160Ωに設定された第2補償回路12、更にこれらをカスケード接続してなる波形補正回路10の通過損失特性及び遅延特性の測定結果を図3〜図5に示す。
【0029】
但し、本実施形態の波形補正回路10が接続されるフィルタ回路20は、上り信号の帯域が10〜55MHz,下り信号の帯域が70〜770MHzに設定された双方向CATVシステムの中継器や分岐器にて、下り信号を抽出するために用いるハイパスフィルタ(遮断周波数fc=64MHz)からなり、図6及び図7中に点線にて示すような通過損失特性及び遅延特性を有するものとする。また、波形補正回路10は、下り信号の中で最も周波数の低いバンドエッジに位置するチャンネル(70〜76MHz)を、補償すべき特定周波数として、群遅延の補償を行うものとする。
【0030】
図3に示すように、第1補償回路11では、共振周波数がfm1=76MHzとなり、補償すべきチャンネル(以下、単に「補償チャンネル」という)内での群遅延量は、上限周波数(76MHz)の方が下限周波数(70MHz)よりD1(本実施形態では1.9ns)だけ大きく、また補償チャンネル内での通過損失は、上限周波数の方が下限周波数よりG1(本実施形態では0.05dB)だけ小さくなっている。
【0031】
また、図4に示すように、第2補償回路12では、共振周波数がfm2=60MHzとなり、補償チャンネル内での遅延量は、第1補償回路11とは逆に上限周波数の方が下限周波数よりD2(本実施形態では0.6ns)だけ小さく、また補償チャンネル内での通過損失は、上限周波数の方が下限周波数よりG2(=G1+Gf,但し、GFは、通過損失特性の肩落ちに基づく補償チャンネル内での通過損失増大分(本実施形態では0.15dB)である)だけ大きくなっている。
【0032】
従って、これら第1及び第2補償回路11,12をカスケード接続してなる波形補正回路10では、図5に示すように、補償チャンネル内での群遅延量は、フィルタ回路20とは逆に、上限周波数の方が下限周波数よりDh(=D1−D2)だけ大きくなり、また補償チャンネル内での通過損失は、第1補償回路11での損失分が第2補償回路12にて相殺されることにより、上限周波数の方が下限周波数よりフィルタ回路20での通過損失増加分Gfだけ大きなものとなっている。
【0033】
そして、このような特性を有する波形補正回路10をフィルタ回路20に接続することにより、フィルタ回路20の周波数特性は、図6及び図7中に実線にて示すように改善される。
即ち、補償チャンネル内では、図6に示すように、通過損失特性がほぼ平坦なものとなり、また図7に示すように、遅延特性は、補償チャンネルの全域に渡って増大するが、上限周波数では下限周波数より補償量Dhだけ余分に増大することにより、その補償量Dh分だけ補償チャンネル内での群遅延量が減少する。ここでは、フィルタ回路20単体では10.3nsあった群遅延量が、本実施形態の波形補正回路10を接続することにより8.8nsに減少しており、1.5nsの改善効果が見られる。
【0034】
これに伴って、上限周波数側にて隣接するチャンネル(76〜82MHz)では補償前より群遅延量が増大するが、この隣接チャンネルでは、補償前の群遅延量は4.5ns程度と充分に小さいため、波形補正回路10によって群遅延量が増大しても、補償後の群遅延量は6.8ns程度であり、補償チャンネルの補償後の群遅延量8.8nsを越えることはない。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の波形補正回路10によれば、補償チャンネル内において、その上限周波数より下限周波数の方が遅延量が増大するフィルタ回路20とは逆に、上限周波数の方が下限周波数より遅延量が増大する遅延特性を有しているため、フィルタ回路20に接続した場合に、補償チャンネル内での群遅延量を減少させ、所望の許容範囲内に抑えることができる。
【0036】
また、本実施形態の波形補正回路10によれば、双方向CATVシステムの中継器や分岐器を構成するフィルタ回路に接続することにより、最も群遅延量が大きくなるバンドエッジのチャンネルにて、群遅延量を改善できるため、システムに接続可能な中継器や分岐器の段数を増加させることができ、より大規模なCATVシステムを構築することができる。
【0037】
即ち、CATVシステムを利用して高速データ通信を行うため、ケーブルモデム同士が相互に通信するためのインタフェースを規定したDOCSIS(Data Over Service Interface Specifications)によれば、下り伝送路のデータ通信に許容される群遅延量は、システム全体で75ns/6MHzに規定されている。
【0038】
そして、幹線に接続されたトランクアンプでは、下り信号を下流の幹線に流す場合に2つ、下り信号を支線に分岐させる場合に3つのフィルタ回路を通過させ、各フィルタ回路毎に、本実施形態の波形補正回路10が接続される。
そして、本実施形態の波形補正回路10では、下りバンドエッジのチャンネル(70〜76MHz)での群遅延改善量は1つのフィルタ回路20当たり1.5nsである。このため、各場合の群遅延改善量は、幹線側で1.5ns×2=3ns、分岐側で1.5ns×3=4.5nsとなる。
【0039】
従って、本実施形態の波形補正回路10を用いることにより、各トランクアンプを通過する毎に加算される群遅延量は、図8(a)に示すように、下り信号を下流の幹線に通過させる場合、18.4nsであったものが15.4nsに改善され、また、下り信号を分岐させる場合、30.1nsであったものが25.6nsに改善されることになる。
【0040】
但し、図8(a)に示した数値は、トランクアンプ全体の特性であり、上述のフィルタ回路20及び波形補正回路10以外の構成による群遅延補償効果が、幹線通過の場合で2.2ns、支線分岐の場合で0.8ns含まれているものとする。
【0041】
そして、幹線に接続されたトランクアンプ各段の群遅延は単純に加算されるため、図8に示すように、改善前の群遅延加算量は、4段目のトランクアンプの分岐出力において、85.3nsとなり、規格の75nsを越えてしまう。つまり、トランクアンプは3段までしかカスケード接続することができない。
【0042】
しかし、群遅延改善後の群遅延加算量は、4段目のトランクアンプの分岐出力において71.8nsとなり、規格の75ns以内となる。つまり、本実施形態の波形補正回路10を用いることにより、トランクアンプは4段までカスケード接続することが可能となり、この範囲内であれば、群遅延量を考慮に入れず、CN歪み等のみを考慮してシステム設計をすることができ、大規模なCATVシステムを簡単に構築することができるのである。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、第1及び第2補償回路11,12として、並列共振型の共振回路を用いて構成しているが、図9に示すように、インダクタL3及びコンデンサC3を直列接続してなる直列共振型の共振回路に、抵抗R3を並列接続してなる補償回路により、第1及び第2補償回路11,12のいずれか一方、または両方を置き換えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の波形補正回路の使用状態を表す説明図、及び波形補正回路の構成を表す回路図である。
【図2】 第1及び第2補償回路の設計手順の説明を補足するための説明図である。
【図3】 第1補償回路単体についての通過損失特性,及び遅延特性の測定結果を表すグラフである。
【図4】 第2補償回路単体についての通過損失特性,及び遅延特性の測定結果を表すグラフである。
【図5】 実施形態の波形補正回路についての通過損失特性,及び遅延特性の測定結果を表すグラフである。
【図6】 実施形態の波形補正回路が接続されたフィルタ回路の通過損失特性の測定結果を表すグラフである。
【図7】 実施形態の波形補正回路が接続されたフィルタ回路の遅延特性の測定結果を表すグラフである。
【図8】 実施形態の波形補正回路の効果を表す説明図である。
【図9】 実施形態の変形例を表す回路図である。
【図10】 従来技術についての説明を補足するための説明図である。
【図11】 従来技術の問題点を表す説明図である。
【符号の説明】
10…波形補正回路 11…第1補償回路 12…第2補償回路
20…フィルタ回路 C(C1〜C3)…コンデンサ
L(L1〜L3)…インダクタ R(R1〜R3)…抵抗

Claims (3)

  1. フィルタ回路にカスケード接続され、該フィルタ回路の通過帯域の遮断周波数付近に生じる通過損失の増大分を補償して、該通過損失の増大に基づく波形歪みを補正する双方向CATVシステム用の波形補正回路であって、
    前記フィルタ回路の通過損失増大部分に位置するバンドエッジのチャンネルの周波数領域を特定周波数領域として、該特定周波数領域内では、該特定周波数領域の上限及び下限の境界のうち、前記フィルタ回路での遅延量が小さい側の境界にて、遅延量が最大となる遅延特性を有することを特徴とする波形補正回路。
  2. 前記特定周波数領域の上限及び下限の境界のうち、前記フィルタ回路での遅延量が小さい側の境界を遅延小側境界、大きい側の境界を遅延大側境界として、共振周波数が前記遅延小側境界の周波数に一致するよう設定された共振回路を有する第1補償回路と、
    前記遅延大側境界を越えて前記フィルタ回路での遅延量が大きくなる側に共振周波数が設定され共振回路を有し、前記特定周波数領域内では、前記フィルタ回路にて生じる通過損失の増大分に加え、前記第1補償回路にて生じる前記遅延小側境界に対する前記遅延大側境界での通過損失差分を補償する第2補償回路と、
    からなることを特徴とする請求項1記載の波形補正回路。
  3. 双方向CATVシステムにて上り信号と下り信号とを分離するために用いるフィルタ回路に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の波形補正回路。
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