JP3901631B2 - 時計バンド用中留め並びにそれに用いる係止部 - Google Patents

時計バンド用中留め並びにそれに用いる係止部 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計バンド用中留め並びにそれに用いる係止部に係り、より詳しくは、時計バンド用観音開き形中留め並びにそれに用いる係止部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、時計バンドの中留としては、高級感を高めるという目的のもとで観音開き形のものが使用されており、本出願人は過去において、バネで保持されたセラミック製の保持部を有する時計バンド用観音開き形中留めを開示している(特許第3359537号)。
【0003】
図15はこの本出願人が過去に提案した従来の時計バンド用観音開き形中留め(以下単に「従来の中留め」という。)を説明するための斜視図であり、図において31が従来の中留めである。
【0004】
そして、この従来の中留め31では、保持窓3201及び係止窓3202を有する下板32に、第1の上板33及び第2の上板34が折りたたみ自在に連結されており、第1の上板33には、時計バンドの一方35が連結されるとともに、第1の上板33を前記下板32側に折りたたんだ際に下板32の前記保持窓3201に対応する位置に突起部3301が設けられ、この突起3301内には保持部36が挿入固定されている。
【0005】
一方、第2の上板34には表蓋37が折りたたみ自在に連結され、この表蓋37には時計バンドの他方40が連結されている。また、表蓋37には係止部が備えられており、この係止部は、第2の上板34及び表蓋37を下板32側に折りたたんだ際に下板32の係止窓3202に係止される係止片を備えている。
【0006】
そしてこの構成において、第1の上板33を下板32側に折りたたみ、次いで第2の上板34及び表蓋37を下板32側に折りたたむと、保持部36が保持窓3201に保持されるとともに、係止片が下板32の係止窓3202内に係止され、これにより時計バンドの中留が完了する。なお図において38は、係止窓3202に係止される係止片を一体に備えたプッシュボタンである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(1)係止部に関する課題
図16及び図17は、従来の中留めにおいて、表蓋37に備えられて用いられている係止部(以下「従来の係止部」という。)を説明するための図であり、従来の係止部は、下面に溝4101が形成されたハウジング41と、このハウジング41の上面に装着される蓋42とを有しており、蓋42には、嵌合突起4202が折り曲げ自在に突出された小窓4201が形成されている。
【0008】
一方、前記ハウジング41内には、それぞれに係止爪3801を備えた一対の係止片38が、係止爪3801が前記溝4101より突出するような配置で、及び時計バンドの長手方向に直交する方向に移動自在に収容されているとともに、この一対の係止片38間にはバネ39が介在されており、このバネ39の作用により、前記一対の係止片38は、ハウジング41の内部側に移動可能なようにして、ハウジング41の外側に付勢されている。
【0009】
また、前記係止片38の一方には嵌合溝3802が形成されており、この嵌合溝3802内に、ハウジング41側に折り曲げた前記嵌合突起4202が嵌合され、これにより係止片38はハウジング41内に保持されている。
【0010】
そしてこの従来の係止部をセットする際には、ハウジング41に蓋42を装着した後に、バネ39を介在させた状態の一対の係止片38を、溝4101を介してハウジング41内に収容し、その後に嵌合突起4202を折り曲げるとともにこの折り曲げた嵌合突起4202を前記嵌合溝3801内に嵌合させ、この状態で前記表蓋37内に装着する。
【0011】
しかしながら、この従来の係止部では、これを表蓋37に装着した際に、下面において前記溝4101が露出してしまい、見栄えが悪いという問題点が指摘されている。
【0012】
そこで、本発明は、特に係止部の下面において見栄えの良い時計バンド用中留めを提供することを課題としている。
【0013】
(2)係止片に関する課題
前述のように、係止片38は、バネ39によりハウジング41の外側に付勢されており、係止片38のそれぞれをハウジング41内に押すことによって係止爪3801と係止窓3202との係止が解除されるが、このとき、係止片38の可動をスムーズにするために、従来の中留めでは、有機溶剤で希釈した潤滑油を係止片38に塗布していた。
【0014】
一方、長期間の使用の後に中留めの洗浄を行なうことでこの潤滑油は洗い流されてしまうが、このとき、一般の時計店では有機溶剤を準備していないことが多いために、希釈していない潤滑油を塗布することになる。そうすると、余分な油が係止部の表面側に染み出てしまいシミになってしまうという問題点がある。
【0015】
そこで、本発明は、洗浄を行なった場合でも係止片の可動をスムーズにすることが可能な時計バンド用中留めを提供することも課題としている。
【0016】
(3)下板に関する課題
図18は、従来の中留めにおいて係止窓3202に係止爪3801を係止させた状態における係止窓3202の近傍の構造を時計バンドの長手方向に向けて示した図であり、このように従来の中留めでは、係止窓3202に係止爪3801を係止させた状態においては、係止爪3801が下板32より突出してしまい、これにより、肌触りが悪いとともに、突出した係止爪3801で肌に傷みを感じることがあり、更に係止爪3801の跡が肌に残ってしまうこともあった。
【0017】
そこで、本発明は、係止爪による悪影響を防止可能な時計バンド用中留めを提供することも課題としている。
【0018】
(4)下板の連結構造に関する課題
図19及び図20は従来の中留めにおいて下板を第1の上板あるいは第2の上板に折りたたみ自在に連結する方法を説明した図であり、従来の中留めでは、第1の上板33及び第2の上板34における下板32との連結側端部を二股にするとともにこの二股にした部分を略円筒形状に丸めて連結部3203を形成し、一方、下板32の端部を、前記二股間に挿入可能なように略円筒形状に丸めて連結部を形成し(図示せず)、第1の上板33及び第2の上板34に形成した二股の連結部3203間に下板32に形成した連結部を配置した後にこれらを連結ピン43で貫通するとともに、図20に示すようにして、連結部3203の先端部を第1の上板33あるいは第2の上板34側に変形させ、及び下板32の端部に形成した連結部の先端部を下板側に変形させ、その後に、連結ピンの両端を潰して連結ピン43の位置を固定し、これにより、下板32と第1の上板33を、及び下板32と第2の上板34とを折りたたみ自在に連結していた。
【0019】
しかしながら、このような連結方法では、連結ピンの両端を潰す際に摩擦熱が発生してしまい、この摩擦熱の影響で作業がスムーズにいかないという問題点が指摘されている。また、連結ピン43を挿入した後に連結部3203を更に変形させる工程が必要であるという問題点も指摘されている。
【0020】
そこで、本発明は、下板と第1又は第2の上板との連結に際して、作業効率を向上させることをも課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の時計バンド用中留めは、保持窓及び係止窓を有する下板と、一端が時計バンドの一方に回動自在に連結されるとともに他端が前記下板に折りたたみ自在に連結され、更に、これを下板側に折りたたんだ際に前記下板の前記保持窓に挿入可能な、空洞部を有する突起部を具備する第1の上板と、前記空洞部内に挿入固定された、前記第1の上板を前記下板側に折りたたんだ際に前記下板の前記保持窓に保持される保持部と、一端が前記下板に折りたたみ自在に連結された第2の上板と、一端が時計バンドの他方に回動自在に連結されるとともに他端が前記第2の上板の他端に折りたたみ自在に連結され、更に、これを前記第2の上板とともに前記下板側に折りたたんだ際に前記下板の係止窓に挿入係止される係止片を備える係止部を具備する表蓋部と、を備えた時計バンド用中留めであって、前記係止部は、下面に窓部を有するハウジングと、係止爪を具備するとともに、この係止爪が前記窓部から突出する配置で、及び時計バンドの長手方向に直交する方向に移動自在に前記ハウジング内に収容された一対の係止片と、該一対の係止片間に備えられ、これにより前記一対の係止片をそれぞれ、時計バンドの長手方向に直交する外側に付勢するバネと、を備え、
前記下板は、前記係止片の反挿入側において、時計バンドの長手方向に沿った両端から中央に向けてわずかに丸みを帯びさせて肉厚を多くし、
前記下板と前記第1の上板は、下板又は第1の上板における第1の上板又は下板との連結側端部に略円筒状の内側連結部を形成し、第1の上板又は下板における下板又は第1の上板との連結側端部に、第1の上板と下板とを連結させた際に前記内側連結部の両端側にそれぞれ位置する配置で略円筒状の一対の外側連結部を形成し、前記内側連結部の両端側に前記一対の外側連結部を配置するとともに、内側連結部及び外側連結部内に、長手方向に向けた中央部近傍に凹部を有する連結ピンを挿入し、その後、前記内側連結部における前記凹部に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起を形成するとともにこの嵌合突起を前記凹部内に嵌合させ、これにより折りたたみ自在に連結し、
前記下板と前記第2の上板は、下板又は第2の上板における第2の上板又は下板との連結側端部に略円筒状の内側連結部を形成し、第2の上板又は下板における下板又は第2の上板との連結側端部に、第2の上板と下板とを連結させた際に前記内側連結部の両端側にそれぞれ位置する配置で略円筒状の一対の外側連結部を形成し、前記内側連結部の両端側に前記一対の外側連結部を配置するとともに、内側連結部及び外側連結部内に、長手方向に向けた中央部近傍に凹部を有する連結ピンを挿入し、その後、前記内側連結部における前記凹部に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起を形成するとともにこの嵌合突起を前記凹部内に嵌合させ、これにより折りたたみ自在に連結した、ことを特徴としている。
【0022】
【発明の効果】
(1)係止部の効果
本発明の時計バンド用中留めにおける係止部では、下面に窓部を有するハウジングと、係止爪を具備するとともに、この係止爪が前記窓部から突出する配置で、及び時計バンドの長手方向に直交する方向に移動自在に前記ハウジング内に収容された一対の係止片と、該一対の係止片間に備えられ、これにより前記一対の係止片をそれぞれ、時計バンドの長手方向に直交する外側に付勢するバネと、を備えた構成としており、従来の中留めにおいてハウジングに形成されていた溝を無くした。そのため、係止部の下面における見栄えの悪さを解消することが可能となった。
【0023】
また、このとき、係止片における摺動面に樹脂を塗布することによって、中留めの洗浄した場合でも、係止片の可動をスムーズにすることが可能である。
【0024】
(2)下板の効果
本発明の時計バンド用中留めでは、下板の形成にあたって、その係止片の反挿入側において、時計バンドの長手方向に沿った両端から中央に向けてわずかに丸みを帯びさせて肉厚を多くしている。そのため、係止爪が下板より突出することが無く、係止爪による悪影響を防止することが可能である。
【0025】
(3)下板の連結構造の効果
本発明における下板と第1の上板との連結は、下板又は第1の上板における第1の上板又は下板との連結側端部に略円筒状の内側連結部を形成し、第1の上板又は下板における下板又は第1の上板との連結側端部に、第1の上板と下板とを連結させた際に前記内側連結部の両端側にそれぞれ位置する配置で略円筒状の一対の外側連結部を形成し、前記内側連結部の両端側に前記一対の外側連結部を配置するとともに、内側連結部及び外側連結部内に、長手方向に向けた中央部近傍に凹部を有する連結ピンを挿入し、その後、前記内側連結部における前記凹部に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起を形成するとともにこの嵌合突起を前記凹部内に嵌合させることにより行なっており、また、本発明における下板と第2の上板との連結は、下板又は第2の上板における第2の上板又は下板との連結側端部に略円筒状の内側連結部を形成し、第2の上板又は下板における下板又は第2の上板との連結側端部に、第2の上板と下板とを連結させた際に前記内側連結部の両端側にそれぞれ位置する配置で略円筒状の一対の外側連結部を形成し、前記内側連結部の両端側に前記一対の外側連結部を配置するとともに、内側連結部及び外側連結部内に、長手方向に向けた中央部近傍に凹部を有する連結ピンを挿入し、その後、前記内側連結部における前記凹部に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起を形成するとともにこの嵌合突起を前記凹部内に嵌合させることにより行なっている。
【0026】
そのため、従来の中留めと異なり連結ピンの両端を潰す工程が不要であり、それにより連結ピンが摩擦熱を帯びることが無いために、作業効率を向上させることが可能である。また、略円筒状の連結部を用いているために、連結ピンを挿入した後に連結部を更に変形させる必要が無くなった。
【0027】
【実施例】
(1)全体の構成
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例の時計バンド用中留め(以下単に「中留め」という。)を示す図であり、図において1が本実施例の時計バンド用中留めである。
【0028】
そして、本実施例における時計バンド用中留め1では、保持窓201及び係止窓202を有する下板2に、第1の上板3及び第2の上板4が折りたたみ自在に連結され、第1の上板3には、図示しない時計バンドの一方が連結される。
【0029】
また、第1の上板3には、これを前記下板2側に折りたたんだ際に下板2の前記保持窓201に対応する位置に、保持窓201に挿入可能な大きさに調整された突起部301が設けられているとともに、この突起301内には保持部6が挿入固定されている。
【0030】
(2)保持部の構成
ここで図11乃至図14を用いて前記保持部6を説明すると、図12に示されるように、本実施例における保持部6は、略円筒形状の筐体601内に、バネ603を介して、球状のセラミック製の可動保持部602が、通常の状態においてはその先端部分が筐体601の外側へ突出するような配置で、筐体601の長手方向へ可動自在に装着されており、これにより、可動保持部602の先端を筐体601側に押すと可動保持部602が筐体601内へ入り込むようにしてある。そして、保持部6は、突起部301を保持窓201に挿入した際に保持窓201の縁と可動保持部602の先端部分が接触するようにして、突起部301に形成した空洞302内に挿入固定されている。そしてこれにより、図13に示すように、第1の上板3を下板2に保持可能としている。
【0031】
なお、図14は下板2における保持窓201の近傍の肉厚を薄くした形態を示しており、これにより、第1の上板3を下板2に折りたたんだ際にも、全体の厚み(図14におけるL)を薄くすることができ、高級感を高めることができるようになった。
【0032】
(3)係止部の構成
次に、第2の上板4には、図示しない時計バンドの他方が連結される表蓋部5が折りたたみ自在に連結されており、この表蓋部5には、前記係止窓202に係止される係止部8が備えられる。
【0033】
ここで、図2は、前記表蓋部5を説明するための分解図であり、本実施例において、前記表蓋部5は表蓋7を備えており、この表蓋7は、ピン孔704を介して、ピン等により連結部705が連結されており、この連結部705は、ピン孔706を介して、図示しないピン等により時計バンドの他方に連結される。また、この表蓋7内にはピン孔703を介して図示しないピン等により係止部8が収容されるとともに、第2の上板4に形成したピン孔402、係止部8に形成したピン孔901、及び表蓋7に形成したピン孔702を介して、図示しないピン等により、前記第2の上板4に、係止部8を備えた表蓋部5が連結されている。なお、図において701は、後述する係止片10の先端部が貫通する貫通用窓部である。
【0034】
次に、前記係止部8は、図3の分解図で示すように、窓901を下面に有したハウジング9と、このハウジング9の上面を閉塞する蓋部11を備え、前記蓋部11には一対の小窓1101が形成されている。
【0035】
また、前記ハウジング9内には一対の係止片10が、その先端部がそれぞれハウジング9の外側に突出するような配置で、及び、時計バンドの長手方向に直交する方向に移動自在に収容されているとともに、この一対の係止片10間にはバネ12が介在され(図5参照)、これにより、前記一対の係止片10は、それぞれ、バネ12によりハウジング9の外側に付勢されている。
【0036】
更に、前記一対の係止片10はそれぞれ、前記係止窓202に係止可能な係止爪1001を備えており、それぞれの係止爪1001が前記窓901を貫通するような配置で、前記ハウジング9内に収容されている。
【0037】
そして、このように構成される係止部8のセットに際しては、ハウジング9内に係止片10を収容した後に蓋部11をハウジング9にスポットする。そしてその後に、前記小窓1101を介して、前記一対の係止片10間にバネ12を挿入する。
【0038】
そうすると、前記一対の係止片10はハウジング9内を時計バンドの長手方向に直交する方向に向けて可動自在であるとともに、その移動は係止爪1001が窓901内を移動する範囲に制限され、更に、バネ12によりハウジング9の外側に付勢された状態となり、係止片10の先端部を押すことにより係止爪1001を可動させ、それにより、係止部8を前記係止窓202へ係止させ、及びその係止を解除することが可能となる。
【0039】
即ち、図6は係止部8の作用を説明するための断面図であり、(A)は係止部8を係止窓202に係止する前の状態を示している。
【0040】
そして、この状態で、係止片10の先端部をハウジング9側に押すとともに、表蓋部5を第2の上板4とともに下板2側に折りたたんでいくと、第2の上板4に形成した貫通窓401を貫通した係止爪部1001は、(B)(C)(D)に示されるように、係止窓202の縁に押されるようにして近接しながら係止窓202を通過し、その後(E)に示されるように係止爪部1001は係止窓202に係止される。
【0041】
このように、本実施例における係止部8では、ハウジング9に窓902を形成して、この窓901を係止爪1001が貫通するような配置でハウジング9内に係止片10を収容しているため、従来の中留めと異なりハウジングに溝を形成することが無く、従ってこの溝の存在により見栄えが悪くなることを防止することができる。
【0042】
(4)係止片の構成
次に、本実施例においては、前記係止片10における蓋部11との摺動部に樹脂を、より詳しくはフッ素樹脂を塗布し、これにより係止片10の可動をスムーズにしている。
【0043】
即ち、前述したように、係止片10の先端部をハウジング9側に押すとともに、表蓋部5を第2の上板4とともに下板2側に折りたたんでいくと、図6(B)(C)(D)に示されるように、係止爪部1001が係止窓202の縁に押されるようにして近接しながら係止窓202を通過するが、このとき、(C)、(D)に示されるように、係止爪1001の基端部分近傍が係止部8の蓋部11の下面に接触する。そのため、係止片10の可動をスムーズにするためには、特に係止片10と蓋部11との摺動箇所に何らかの処理を施す必要があり、従来は有機溶剤で希釈した潤滑油を塗布していた。しかしながら、前述したように、長期間の使用の後に中留めの洗浄を行なった際にこの潤滑油が洗い流されてしまうために、かかる場合には再び有機溶剤で希釈した潤滑油等を塗布しなければならないところ、一般の時計店では有機溶剤を準備していない場合が多く、そのために希釈しない潤滑油を塗布することになり、これにより油が係止部の表面に染み出てしまうという問題点が指摘されていた。
【0044】
そこで、本実施例においては、特に前記係止片10における蓋部11との摺動部にフッ素樹脂を塗布して、これにより、係止片10の可動をスムーズにするための潤滑油を不要にすることで中留め等の洗浄の後にも恒久的な潤滑を維持可能にするとともに、潤滑油等を使用した場合の前記問題点を解決した。なお、本実施例において前記フッ素樹脂としては、テフロン(登録商標)を使用した。
【0045】
(5)下板の構成
次に、図8は、係止片10を係止窓202に係止した状態における係止窓202の近傍の構造を時計バンドの長手方向に向けて示した図であり、図において、下板2は、前記係止片10の反挿入側において、即ち下面において、時計バンドの長手方向に沿った両端から中央に向けて、わずかに丸みを帯びさせて肉厚を多くしている。
【0046】
そしてこれにより、係止爪1001が下板2から大きく突出することを防止するとともに、時計バンドの長手方向に沿った両端から中央に向けてわずかに丸みを帯びさせているために、これにより長手方向に沿った両端部の肉厚を従来と同様にし、デザイン上の美感を損なうことを防止している。
【0047】
(6)下板の連結構造
次に、図9及び図10は、本実施例における下板2と第1の上板3、及び下板2と第2の上板4との連結構造を説明するための図であり、本実施例においては、下板2の長手方向に向けた両端部において、その、時計バンドの長手方向に直交する方向における略中央部近傍に、円筒状の内側連結部13A、13Bを一体に形成し、一方、第1の上板3及び第2の上板4における下板2との連結側端部にはそれぞれ、第1の上板3及び第2の上板4を下板2に連結させた際に前記内側連結部13A、13Bの両端側にそれぞれ位置する配置で、円筒状の一対の外側連結部14A、14Bを一体に形成している。
【0048】
そして、内側連結部13A、13B及び外側連結部14A、14Bを貫通するようにして、長手方向に向けた略中央部近傍に凹部1501が形成された連結ピン15を、円筒状の内側連結部13A、13B及び外側連結部14A、14Bにおける空洞部内に挿入し、これにより第1の上板3及び第2の上板4を下板2に対して折りたたみ自在に連結させている。
【0049】
そして更に、前記内側連結部13A、13Bにおける前記凹部1501に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起1302を形成するとともに、この嵌合突起1302を前記凹部1501内に嵌合させ、これにより連結ピン15の位置を固定している。この状態を時計バンドの長手方向に向けて示した図が図10である。
【0050】
そのため、本実施例においては、連結ピンを挿入した後に連結部を更に変形させるとともに連結ピンの両端を潰してその位置を固定する従来の中留めとは異なり、連結ピンが摩擦熱を帯びることが無く、また作業工程を少なくすることもでき、作業効率の向上を達成することが可能である。
【0051】
なお、本実施例においては、下板2に内側連結部13A、13Bを形成し、第1の上板3及び第2の上板4に外側連結部14A、14Bを形成した場合について説明したが、必ずしもこの形態に限定されることは無く、第1の上板3及び第2の上板4に内側連結部13A、13Bを形成し、下板2に外側連結部14A、14Bを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】時計バンド用中留めの実施例を示す図である。
【図2】時計バンド用中留めの実施例における表蓋部を説明するための図である。
【図3】時計バンド用中留めの実施例における係止部を説明するための図である。
【図4】時計バンド用中留めの実施例における係止部を説明するための図である。
【図5】時計バンド用中留めの実施例における係止部を説明するための図である。
【図6】時計バンド用中留めの実施例における係止片の作用を説明するための図である。
【図7】時計バンド用中留めの実施例における係止片を説明するための図である。
【図8】時計バンド用中留めの実施例における下板を説明するための図である。
【図9】時計バンド用中留めの実施例における下板と第1の上板、及び下板と第2の上板との連結構造を説明するための図である。
【図10】時計バンド用中留めの実施例における下板と第1の上板、及び下板と第2の上板との連結構造を説明するための図である。
【図11】時計バンド用中留めの実施例における第1の上板と保持部との関係を示す図である。
【図12】時計バンド用中留めの実施例における保持部の構造を示す図である。
【図13】時計バンド用中留めの実施例における保持部の作用を示す図である。
【図14】時計バンド用中留めの実施例における保持部の作用を示す図である。
【図15】従来の時計バンド用中留めを説明するための図である。
【図16】従来の時計バンド用中留めにおける係止部を説明するための図である。
【図17】従来の時計バンド用中留めにおける係止部を説明するための図である。
【図18】従来の時計バンド用中留めにおける下板を説明するための図である。
【図19】従来の時計バンド用中留めにおける下板と第1の上板、及び下板と第2の上板との連結構造を説明するための図である。
【図20】従来の時計バンド用中留めにおける下板と第1の上板、及び下板と第2の上板との連結構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 時計バンド用中留
2 下板
201 保持窓
202 係止窓
3 第1の上板
301 突起部
302 空洞部
4 第2の上板
5 表蓋部
6 保持部
601 筐体
602 可動保持部
603 バネ
7 表蓋
8 係止部
9 ハウジング
901 窓
10 係止片
1001 係止爪
1002 摺動部
11 蓋部
1101 小窓
12 スプリング
13A、13B 内側連結部
1302 嵌合突起
14A,14B 外側連結部
15 連結ピン
1501 凹部

Claims (3)

  1. 保持窓(201)及び係止窓(202)を有する下板(2)と、
    一端が時計バンドの一方に回動自在に連結されるとともに他端が前記下板(2)に折りたたみ自在に連結され、更に、これを下板(2)側に折りたたんだ際に前記下板(2)の前記保持窓(201)に挿入可能な、空洞部(302)を有する突起部(301)を具備する第1の上板(3)と、
    前記空洞部(302)内に挿入固定された、前記第1の上板(3)を前記下板(2)側に折りたたんだ際に前記下板(2)の前記保持窓(201)に保持される保持部(6)と、
    一端が前記下板(2)に折りたたみ自在に連結された第2の上板(4)と、
    一端が時計バンドの他方に回動自在に連結されるとともに他端が前記第2の上板(4)の他端に折りたたみ自在に連結され、更に、これを前記第2の上板(4)とともに前記下板(2)側に折りたたんだ際に前記下板(2)の係止窓(202)に挿入係止される係止片(10)を備える係止部(8)を具備する表蓋部(5)と、を備えた時計バンド用中留めであって、
    前記係止部(8)は、
    下面に窓部(901)を有するハウジング(9)と、
    係止爪(1001)を具備するとともに、この係止爪(1001)が前記窓部(901)から突出する配置で、及び時計バンドの長手方向に直交する方向に移動自在に前記ハウジング(9)内に収容された一対の係止片(10)と、
    該一対の係止片(10)間に備えられ、これにより前記一対の係止片(10)をそれぞれ、時計バンドの長手方向に直交する外側に付勢するバネ(12)と、を備え、
    前記下板(2)は、前記係止片(10)の反挿入側において、時計バンドの長手方向に沿った両端から中央に向けてわずかに丸みを帯びさせて肉厚を多くし、
    前記下板(2)と前記第1の上板(3)は、
    下板(2)又は第1の上板(3)における第1の上板(3)又は下板(2)との連結側端部に略円筒状の内側連結部(13A)を形成し、
    第1の上板(3)又は下板(2)における下板(2)又は第1の上板(3)との連結側端部に、第1の上板(3)と下板(2)とを連結させた際に前記内側連結部(13A)の両端側にそれぞれ位置する配置で略円筒状の一対の外側連結部(14A)を形成し、
    前記内側連結部(13A)の両端側に前記一対の外側連結部(14A)を配置するとともに、内側連結部(13A)及び外側連結部(14A)内に、長手方向に向けた中央部近傍に凹部(1501)を有する連結ピン(15)を挿入し、
    その後、前記内側連結部(13A)における前記凹部(1501)に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起(1302)を形成するとともにこの嵌合突起(1302)を前記凹部(1501)内に嵌合させ、これにより折りたたみ自在に連結し、
    前記下板(2)と前記第2の上板(4)は、
    下板(2)又は第2の上板(4)における第2の上板(4)又は下板(2)との連結側端部に略円筒状の内側連結部(13B)を形成し、
    第2の上板(3)又は下板(2)における下板(2)又は第2の上板(4)との連結側端部に、第2の上板(4)と下板(2)とを連結させた際に前記内側連結部(13B)の両端側にそれぞれ位置する配置で略円筒状の一対の外側連結部(14B)を形成し、
    前記内側連結部(13B)の両端側に前記一対の外側連結部(14B)を配置するとともに、内側連結部(13B)及び外側連結部(14B)内に、長手方向に向けた中央部近傍に凹部(1501)を有する連結ピン(15)を挿入し、
    その後、前記内側連結部(13B)における前記凹部(1501)に対応する箇所を内周側に突出させて嵌合突起(1302)を形成するとともにこの嵌合突起(1302)を前記凹部(1501)内に嵌合させ、これにより折りたたみ自在に連結した、
    ことを特徴とする時計バンド用中留め。
  2. 保持窓(201)及び係止窓(202)を有する下板(2)と、
    一端が時計バンドの一方に回動自在に連結されるとともに他端が前記下板(2)に折りたたみ自在に連結され、更に、これを下板(2)側に折りたたんだ際に前記下板(2)の前記保持窓(201)に挿入可能な、空洞部(302)を有する突起部(301)を具備する第1の上板(3)と、
    前記空洞部(302)内に挿入固定された、前記第1の上板(3)を前記下板(2)側に折りたたんだ際に前記下板(2)の前記保持窓(201)に保持される保持部(6)と、
    一端が前記下板(2)に折りたたみ自在に連結された第2の上板(4)と、
    一端が時計バンドの他方に回動自在に連結されるとともに他端が前記第2の上板(4)の他端に折りたたみ自在に連結される表蓋部(5)と、を備えた時計バンド用中留において、前記表蓋部(5)内に装着される係止部(8)であって、
    下面に窓部(901)を有するハウジング(9)と、
    係止爪(1001)を具備するとともに、この係止爪(1001)が前記窓部(901)から突出する配置で、及び時計バンドの長手方向に直交する方向に移動自在に前記ハウジング(9)内に収容された、前記表蓋部(7)を前記第2の上板(4)とともに前記下板(2)側に折りたたんだ際に前記下板(2)の係止窓(202)に挿入係止される一対の係止片(10)と、
    該一対の係止片(10)間に備えられ、これにより前記一対の係止片(10)をそれぞれ、時計バンドの長手方向に直交する外側に付勢するバネ(12)と、を備えたことを特徴とする時計バンド用中留めに用いる係止部。
  3. 前記係止片(10)における摺動部に樹脂を塗布したことを特徴とする請求項2に記載の時計バンド用中留めに用いる係止部。
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