JP3901261B2 - 音再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンピュータにより読み出すことが可能な記録媒体に予め記録しておいた複数の音データを必要に応じて選択して再生することができる音再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータで構成されるCG等の画像データと音データの両者を再生する装置、例えばビデオゲーム装置により再現される、複数の場面からなる仮想空間において、場面毎にそれに調和するような音楽又は効果音等の音データを再生することにより、その場面の現実感を高める表現手法がある。技術的には、ある場面から他の場面へ移行するときにこれを検知し、予め音データを記録してある記録媒体から移行する場面に対応付けられた音データを読み出し、これをその先頭アドレスから再生していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
複数の場面からなり、その各場面毎に序列を定めることにより各場面間の位置を関係付けた仮想空間において、聴取者が前記場面間を自由に行き来するとき、仮想空間における時間経過を各場面に対応して再生すべき音データに反映させることにより聴取者にその仮想空間を自然な存在に感じさせることができる。
【0004】
このような事情にも関わらず従来の手法による場合、移行した場面の開始に際し先頭アドレスから音データを再生するので毎回同じ旋律から開始される音が発せられ、それを聴く聴取者に仮想空間及び移行した場面のそれぞれの時間経過の不調和を感じさせる不具合がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、仮想空間の時間経過と各場面に対応する音が有する時間成分とを調和させることにより現実感のさらなる向上を図ることができる音再生装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る音再生装置は、記録してある音データを再生する音再生装置において、
前記音データが仮想空間の場面毎に対応付けられて記録してある音データ保存部と、前記音データの再生期間を前記仮想空間の時間軸に対応させた音発生時刻を設定する手段と、前記仮想空間における場面の移行を指示するイベントであり、移行する場面に対応付けられた音データを再生することを指令するイベントを受け付ける手段と、仮想空間内における現在時刻を計測する計時部と、前記イベントを受け付けたときの受付時刻を前記計時部により特定する手段と、前記音発生時刻に対応する音データのアドレス、及び該音発生時刻から前記受付時刻迄の経過時間に基づき、前記仮想空間の時間軸に対応する前記音データの再生開始アドレスを求める手段と、前記音データを前記再生開始アドレスから再生する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
発明に係る音再生装置は、記録してある音データを再生する音再生装置において、前記音データが仮想空間の場面毎に対応付けられて記録してある音データ保存部と、音データの再生開始アドレスの候補である再生開始候補アドレスを複数設定する手段と、前記音データの音発生時刻を設定する手段と、前記仮想空間における場面の移行を指示するイベントであり、移行する場面に対応付けられた音データを再生することを指令するイベントを受け付ける手段と、仮想空間内における現在時刻を計測する計時部と、前記イベントを受け付けたときの受付時刻を前記計時部により特定する手段と、前記音発生時刻に対応する音データのアドレス、及び該音発生時刻から前記受付時刻迄の経過時間に基づき、前記仮想空間の時間軸に対応する前記音データのアドレスを求めて、これに最も近い前記再生開始候補アドレスを選択する手段と、前記音データの再生期間を前記仮想空間の時間軸に対応させた音データとして前記選択した再生開始候補アドレスから再生する手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
発明に係る音再生装置は、さらに前記音データ毎に音の大きさが所定値より小さい音データのアドレスを検出する手段と、前記アドレスを前記音データの再生開始候補アドレスに設定する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明はコンピュータ内に形成された仮想空間において時間経過による音の変化の概念を導入するものである。
【0011】
,第発明の音再生装置は、音データの先頭アドレスの音発生時刻を予め定めておいて、音データを再生する指令を受け付けた時の時刻を特定し、その時刻及び前記音データの音発生時刻から特定した時刻と対応する音データのアドレスを求めて、このアドレスから音データを再生する。もし音データがエンドレスに繰り返して再生されるものである場合は、特定した時刻及び音データの音発生時刻並びに前記音データのデータ長から、特定した時刻と対応する音データのアドレスを求めて、このアドレスから音データを再生する。
【0012】
例えば聴取者は最初コンサートホールの客席においてその場面に対応する音として音楽の演奏を聴いており、その演奏中にコンサートホールを一度抜け出し、しばらく経って戻ってきたとする。このとき戻ってきたコンサートホールの場面においては先程の演奏の続きであって、しかもコンサートホールから離れていた時間分だけ進めた音を再生する。このように仮想空間の時間経過を移行した場面の音に反映することによって、その現実感を高めることができる。
【0013】
また、音データの再生開始アドレスをその音の区間を考慮せずに無作為に定めたとき、音の途中から再生されることがあり、その音の印象を変化させてしまう不具合が生じる。そこで第2発明の音再生装置は所望の音の開始位置と対応するアドレスに音データの再生開始候補アドレスを予め複数定めておき、その再生開始候補アドレスを選択して、このアドレスから音データを再生することにより音の途中から再生する不具合を解消する。
また、音データの再生開始アドレスをその音の大きさを考慮せずに無作為に定めたとき、突然大きな音から再生されることがある。このような再生音は人間にとって耳障りであって、不快感を与えてしまう。
【0014】
そこで第発明の音再生装置は再生開始候補アドレス(以下ラベルという)を、その音の大きさが所定値より小さい音データのアドレスに設定する。そして前記ラベルから音データを再生することにより、突然に大きな音から再生されることを抑止して、耳障りな音を再生させない。
【0015】
図6は音の大きさ及びその音データのラベルを示す説明図である。図において横軸及び縦軸はそれぞれ時間(アドレス)及び音の大きさを表す。時間軸上には音の大きさがその周辺領域において極小となる位置(L1 〜L5 ) にラベルを付してある。無作為に定めた音データのアドレスが、図面に示すようにラベルL2 及びラベルL3 の間のラベルL3 寄りにあるとき、音データを最も近いラベルL3 が示すアドレスから再生する。こうすることにより突然大きな音から再生される不具合を解消する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る音再生装置を説明する為の音再生装置の構成例を示すブロック図である。図において1は、外部のボタン等の入力デバイス(図示せず)から場面の移行を指示するイベントを受け付け、移行する場面に対応付けられた音データを再生することを指令する音再生イベントを発生させて出力するイベント処理部である。
【0017】
イベント処理部1から出力された音再生イベントは、マイクロプロセッサを用いてなる音データ読出し部21のイベント入力端子へ入力される。音データ読出し部21は音再生イベントを受け付けることにより音データ保存部3から音データを読出して、これを出力する。音データ保存部3はメモリ装置を用いてなり、これには場面毎に対応付けた適宜のデータ長を有する音データ及びそのデータ長情報並びに先頭アドレス情報を記録してある。音データ読出し部21は全ての音データのデータ長情報及び先頭アドレス情報を予め読出して記憶しておき、音データ保存部3から音再生イベントが指定する場面に対応付けられた音データを前記先頭アドレス情報及びデータ長情報に基づきその先頭アドレスから末尾アドレスまで読出して、メモリ装置を備える音データ出力制御部22へ出力し、これに記憶させる。また音データ読出し部21は再生開始アドレス要求イベントを発生させてこれを出力し、またこれに記憶してある前記音データのデータ長情報を出力する。
【0018】
再生開始アドレス要求イベント及び音データのデータ長情報は無作為に値を発生させて出力するランダム値発生部4のトリガ入力端子及び再生開始アドレスを決定して出力する再生開始アドレス決定部5のデータ長入力端子へそれぞれ入力される。
【0019】
ランダム値発生部4はトリガ入力端子を通じて再生開始アドレス要求イベントを受け付けることによりランダム値を発生させてこれを再生開始アドレス決定部5のランダム値入力端子へ出力する。再生開始アドレス決定部5は、これに入力されたランダム値を例えば音データのデータ長で割って、その余りの値を前記音データの先頭アドレスからのオフセットアドレスとして求め、これを前記音データの再生開始アドレスとして音データ出力制御部22のアドレス入力端子へ出力する。音データ出力制御部22はこれに記憶した音データを、これに入力された再生開始アドレスからスピーカ, ヘッドホン等のサウンドデバイス24を駆動する音出力部23の音データ入力端子へ出力する。音出力部23はこれに入力された音データを音声信号に変換してこれをサウンドデバイス24の音声信号入力端子へ出力する。
【0020】
次にこの音再生装置の動作を説明する。まず入力デバイスから発せられた場面の移行を指示するイベントをイベント処理部1が受け付ける。前記イベントは例えば場面を正順に移行することを対応付けておいたボタンを押下することにより発せられるイベントである。イベント処理部1は受け付けたイベントから移行する場面を特定して音再生イベントを発生し、これを音データ読出し部21へ出力する。
【0021】
音データ読出し部21は受け付けた音再生イベントに基づき音データ保存部3から移行する場面と対応付けてある音データを選択して読出し、これを音データ出力制御部22へ出力すると共に、前記音データの再生開始アドレスの決定を指令する再生開始アドレス要求イベントを発生して、これをランダム値発生部4へ出力する。また前記音データのデータ長情報を再生開始アドレス決定部5へ出力する。
【0022】
ランダム値発生部4は、前記再生開始アドレス要求イベントを受け付けることによりランダム値を発生させてこれを再生開始アドレス決定部5へ出力する。再生開始アドレス決定部5は音データの先頭アドレスからの長さが前記音データのデータ長より短いアドレスに再生開始アドレスを決定するために、前記ランダム値を前記音データのデータ長で割った余りの値を求めて、これを再生開始アドレスとして音データ出力制御部22へ出力する。
【0023】
音データ出力制御部22は、これに入力された音データをそのメモリ装置に記録しておき、入力された再生開始アドレスから前記音データを音出力部23へ送出する。音出力部23はこれに入力された音データを逐次音声信号に変換してサウンドデバイス24へ出力する。サウンドデバイス24はこれに入力された音声信号を音声に変換する。
【0024】
(実施の形態)
図2は前述したコンサートホールにおける音データのタイムチャートである。図において時間軸は仮想空間であるコンサートホールにおける時間経過を表す。図2(a) はアプリケーションの実行開始を基準とする聴取者のボタン操作によって発生したイベントの発生時刻を表している。この例においてイベントはその発生順にコンサートホールの客席への着席, 売店への移動, 客席への戻り及び退席があるとする。図2(b) 及び図2(c) は客席の場面に対応付けられた音データの再生期間及び売店の場面に対応付けられた音データの再生期間をその仮想空間の時間軸に対応付けてそれぞれ表している。このような対応付けのための情報が音発生時刻情報である。
【0025】
客席の場面の音データ(b) 及び売店の場面の音データ(c) の音発生時刻はアプリケーションの実行開始から5分後、即ち00:05とする。客席の場面の音データ(b) は開演前のざわめきの音が最初の40分間にあり、引き続き音楽の演奏が2時間あって、次に閉演後のざわめきの音が40分間ある。また売店の場面の音データ(c) は3時間20分の長さを有する売子の声である。
【0026】
図中斜線領域は、音データの再生すべき期間を表す。聴取者がコンサートホールの客席に着席した時刻(t1)から売店へ移動する時刻(t2)までの間は客席の場面の音データ(b) をその期間だけ再生する。即ち、時刻(t1)が00:25であって時刻(t2)が01:25であるとき、最初の20分間はざわめきの音が再生され、引き続き音楽の演奏が40分間再生される。
【0027】
聴取者が売店へ移動した時刻(t2)からコンサートホールの客席に戻る時刻(t3)までの間は売店の場面の音データ(c) をその期間だけ再生する。そして聴取者がコンサートホール客席に戻った時刻(t3)には客席の場面の音データを前回の再生時 (t1〜t2) の最終アドレスから売店にいた (t2〜t3) 時間分だけ後方のアドレスから再生する。即ち、時刻(t3)が01:45であるとき、演奏開始の00:45から1時間後の時刻に対応するアドレスから音楽の演奏を再生するのである。
【0028】
このように、音データの再生期間を仮想空間の時間軸に対応付けるための音発生時刻情報は、音再生イベントの発生に先立ち、図示しない音発生時刻設定部によって音データ毎に設定され、メモリ装置を用いてなる音データ保存部に記憶される。また、前記処理の開始後に必要に応じて設定し直すことも可能である。
【0029】
図3は前述の如き規則に基づき音データを再生する音再生装置の実施の形態例を示すブロック図である。図において30は前記音発生時刻情報の他に場面毎に対応付けた、適宜のデータ長を有する音データ、そのデータ長情報及び先頭アドレス情報を記録してある。1は前述の音再生イベントを発生させて出力するイベント処理部であって、イベント処理部1から出力された音再生イベントはマイクロプロセッサを用いてなる音データ読出し部210 のイベント入力端子へ入力される。
【0030】
音データ読出し部210 は全ての音データのデータ長情報及び先頭アドレス情報を予め読出して記憶しておき、音再生イベントが指定する場面に対応付けられた音データを音データ保存部30から読出し、これをメモリ装置を備える音データ出力制御部22の音データ入力端子へ入力して、そのメモリ装置に記憶させる。このとき、読出すべき音データの先頭アドレス及び末尾アドレスは、前記先頭アドレス情報及びデータ長情報に基づき決定する。また前記音データの音発生時刻情報を音データ保存部30から読出して、これを再生開始アドレスを決定して出力する再生開始アドレス決定部50の音発生時刻入力端子へ入力する。また音データ読出し部210 は再生開始アドレス要求イベントを発生してこれを図1に示すランダム値発生部4に代えて設けた、トリガ入力時の時刻を出力する計時部40のトリガ入力端子へ入力する。また音データ読出し部210 はこれに記憶してある前記音データのデータ長情報を再生開始アドレス決定部50のデータ長入力端子へ入力する。
【0031】
計時部40はトリガ入力端子を通じて再生開始アドレス要求イベントを受け付けた時の時刻を再生開始アドレス決定部50の時刻入力端子へ入力する。再生開始アドレス決定部50はこれに入力された音発生時刻情報及び入力された時刻情報に基づき、音データの音発生時刻からの経過時間を算出する。そしてこの経過時間分のデータ長が前記データ長情報のデータ長を超過しない場合は経過時間分のデータ長を前記音データの先頭アドレスからのオフセットアドレス即ち再生開始アドレスとして、音データ出力制御部22のアドレス入力端子へ入力する。音データ出力制御部22はこれに記憶してある音データを、入力された再生開始アドレス情報のアドレスから音出力部23へ送出する。その他の図1と対応する部分については同符号を付して説明を省略する。
【0032】
次にこの音再生装置の動作を説明する。音データ読出し部210 はイベント処理部1から受け付けた音再生イベントに基づき音データ保存部30から移行する場面と対応付けてある音データ及びその音発生時刻情報を選択して読出し、これらを音データ出力制御部22及び再生開始アドレス決定部50へ出力すると共に、前記音データの再生開始アドレスの決定を指令する再生開始アドレス要求イベントを発生して、これを計時部40へ出力する。また前記音データのデータ長情報を再生開始アドレス決定部50へ出力する。
【0033】
計時部40は音再生イベントを発生させるアプリケーションの実行開始時にカウンタをリセットしてカウントを開始する。そして前記再生開始アドレス要求イベントを受け付けた時の時刻を再生開始アドレス決定部50へ出力する。再生開始アドレス決定部50は前記音発生時刻から入力された時刻までの経過時間を算出し、この経過時間分のデータ長をオフセットアドレスに変換し、これを再生開始アドレスとして音データ出力制御部22へ出力する。即ち、前述の図3において音再生イベントが生じた時刻がt1のとき、その場面に対応付けられた音データ(b) の時刻t1に一致するアドレスAを再生開始アドレスとして出力する。また、音再生イベントが生じた時刻がt3のときには音データ(b) の時刻t3に一致するアドレスBを再生開始アドレスとして出力する。
【0034】
音データ出力制御部22は、音データ保存部30から読出した音データをそのメモリ措置に記憶しておき、それに入力された再生開始アドレスから前記音データを音出力部23へ送出する。音出力部23はこれに入力された音データを逐次音声信号に変換してサウンドデバイス24へ出力する。サウンドデバイス24はこれに入力された音声信号を音声に変換する。
【0035】
(実施の形態)
図4は本発明に係る他の実施の形態を示すブロック図である。図において6はラベル設定部であって、メモリ装置を用いてなる音データ保存部31に記憶してある、適宜のデータ長を有する音データを読出して、この音データ毎にその音データの音の大きさが所定の大きさより小さいアドレスに前述のラベルを設定し、このラベル情報を、メモリ装置を用いてなる音データ保存部31に記録させる。音データ保存部31には場面毎に対応付けられた音データ及びそのラベル情報の他に前記音データ毎のデータ長情報及び先頭アドレス情報を記録してある。
【0036】
1は前述の音再生イベントを発生させて出力するイベント処理部であって、イベント処理部1から出力された音再生イベントはマイクロプロセッサを用いてなる音データ読出し部211 のイベント入力端子へ入力される。音データ読出し部211 は、全ての音データのデータ長情報及び先頭アドレス情報を予め読出して記憶しておき、音再生イベントが指定する場面に対応付けられた音データを音データ保存部31から読出し、これをメモリ装置を備える音データ出力制御部22の音データ入力端子へ入力して、そのメモリ装置に記憶させる。このとき、読出すべき音データの先頭アドレス及び末尾アドレスは、前記先頭アドレス情報及びデータ長情報に基づき決定する。また前記音データのラベル情報を音データ保存部31から読出して、これを再生開始アドレスを決定して出力する再生開始アドレス決定部51のラベル入力端子へ入力する。また音データ読出し部211 は再生開始アドレス要求イベントを発生してこれをランダム値発生部4のトリガ入力端子へ入力する。また音データ読出し部211 はこれに記憶してある前記音データのデータ長情報を再生開始アドレス決定部51のデータ長入力端子へ入力する。
【0037】
ランダム値発生部4はトリガ入力端子を通じて再生開始要求イベントを受け付けることによりランダム値を発生させてこれを再生開始アドレス決定部51のランダム値入力端子へ入力する。再生開始アドレス決定部51はこれに入力されたランダム値を例えば音データのデータ長で割って、その余りの値を前記音データの先頭アドレスからのオフセットアドレスとして求め、これに最も近接しているラベルを選択して、そのアドレスを前記音データの再生開始アドレスとして音データ出力制御部22のアドレス入力端子へ入力する。音データ出力制御部22は、これに記憶してある音データを入力された再生開始アドレス情報のアドレスから音出力部23へ送出する。その他の図1と対応する部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0038】
図5はラベル設定部6において音の大きさがしきい値Tより小さい音データのアドレスにラベルを設定する処理手順を示すフローチャートである。まず音データ保存部31に記録してある音データを作業領域に読出す(S1)。次にラベルに登録するアドレスを選別するための音の大きさのしきい値Tを設定する(S2)。またラベルに登録するアドレスを規定する算出区間幅を設定する(S3)。そして新たな算出区間内の音データの大きさの2乗平均Sを求める(S4)。2乗平均Sがしきい値Tの2乗より小さい場合(S5)、その算出区間の中心のアドレスをラベルとして音データ保存部31に登録する(S6)。S5において2乗平均Sがしきい値Tの2乗以上である場合はラベルへの登録を行わない。その後、作業領域に読出した音データの全ての算出区間にラベル登録の可否を判別した場合はこの処理手順を終了し、未判別の算出区間がある場合は、S4へ手順を戻し前述したところの処理を行う(S7)。
【0039】
以上の処理手順に基づき予め音データの大きさが所定の大きさより小さい複数のアドレスにラベルを設定しておき、図1に示す再生開始アドレスをランダム値に基づくオフセットアドレスに最も近接するラベルのアドレスに定めて音データを再生することにより、耳障りで不快な音が再生されることを防止することができる。
また、音データが楽曲である場合は前述したラベルを4小節毎の先頭アドレスに設定しておき、再生開始アドレスを最も近接するラベルのアドレスに定めて音データを再生することにより、旋律のまとまりを崩すことを防止することができる。
【0040】
次にこの音再生装置の動作を説明する。音発生イベントの発生に先立ち、ラベル設定部6によって前述の如くラベルを設定し、そのラベル情報を音データ保存部31に記録させておく。音データ読出し部211 はイベント処理部1から受け付けた音再生イベントに基づき音データ保存部31から移行する場面と対応付けてある音データ及びそのラベル情報を選択して読出し、これらを音データ出力制御部22及び再生開始アドレス決定部51へ出力すると共に、前記音データの再生開始アドレスの決定を指令する再生開始アドレス要求イベントを発生して、これをランダム値発生部4へ出力する。また前記音データのデータ長情報を再生開始アドレス決定部51へ出力する。
【0041】
ランダム値発生部4は、前記再生開始アドレス要求イベントを受け付けることによりランダム値を発生させてこれを再生開始アドレス決定部51へ出力する。再生開始アドレス決定部51は音データの先頭アドレスからの長さが前記音データのデータ長より短いアドレスに再生開始アドレスを決定するために、前記ランダム値を前記音データのデータ長で割った余りの値を算出し、この値をデータ長と見なしてオフセットアドレスに変換し、このオフセットアドレスに最も近接しているラベルのアドレスを再生開始アドレスとして音データ出力制御部22へ出力する。
【0042】
音データ出力制御部22は、音データ保存部31から読出した音データをそのメモリ装置に記憶しておき、それに入力された再生開始アドレスから前記音データを音出力部23へ送出する。音出力部23はこれに入力された音データを逐次音声信号に変換してサウンドデバイス24へ出力する。サウンドデバイス24はこれに入力された音声信号を音声に変換する。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明による場合は、複数の場面からなる仮想空間において、1つの場面に時間をおいて複数回移行したとき、毎回異なる旋律から開始される音が発せられ、それを聞く聴取者にその仮想空間を自然な存在に感じさせることができる。
また第1発明による場合は再生すべき音データが音楽のように時間経過が明らかに感じられる音であるときに有効であって、複数の場面間の時間経過を調和させることができる。
【0044】
た第2発明による場合は、音データの再生開始候補アドレスを所望の位置に複数定めることができるため、各場面における音の効果をより大きくすることが可能となる。
また、第発明による場合は、その再生音により不快感を与えないために、音データの音の大きさが小さいアドレスを、再生開始候補アドレスとして簡単に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 再生装置のブロック図である。
【図2】音データのタイムチャートである。
【図3】本発明に係る他の音再生装置のブロック図である。
【図4】本発明に係る他の音再生装置のブロック図である。
【図5】ラベル設定処理手順を示すフローチャートである。
【図6】音の大きさ及びラベルを示す説明図である。
【符号の説明】
21, 210, 211 音データ読出し部
22 音データ出力制御部
23 音出力部
4 ランダム値発生部
40 計時部
5, 50, 51 再生開始アドレス決定部
6 ラベル設定部

Claims (3)

  1. 記録してある音データを再生する音再生装置において、
    前記音データが仮想空間の場面毎に対応付けられて記録してある音データ保存部と、
    前記音データの再生期間を前記仮想空間の時間軸に対応させた音発生時刻を設定する手段と、
    前記仮想空間における場面の移行を指示するイベントであり、移行する場面に対応付けられた音データを再生することを指令するイベントを受け付ける手段と、
    仮想空間内における現在時刻を計測する計時部と、
    前記イベントを受け付けたときの受付時刻を前記計時部により特定する手段と、
    前記音発生時刻に対応する音データのアドレス、及び該音発生時刻から前記受付時刻迄の経過時間に基づき、前記仮想空間の時間軸に対応する前記音データの再生開始アドレスを求める手段と、
    前記音データを前記再生開始アドレスから再生する手段と
    を備えることを特徴とする音再生装置。
  2. 記録してある音データを再生する音再生装置において、
    前記音データが仮想空間の場面毎に対応付けられて記録してある音データ保存部と、
    音データの再生開始アドレスの候補である再生開始候補アドレスを複数設定する手段と、
    前記音データの音発生時刻を設定する手段と、
    前記仮想空間における場面の移行を指示するイベントであり、移行する場面に対応付けられた音データを再生することを指令するイベントを受け付ける手段と、
    仮想空間内における現在時刻を計測する計時部と、
    前記イベントを受け付けたときの受付時刻を前記計時部により特定する手段と、
    前記音発生時刻に対応する音データのアドレス、及び該音発生時刻から前記受付時刻迄の経過時間に基づき、前記仮想空間の時間軸に対応する前記音データのアドレスを求めて、これに最も近い前記再生開始候補アドレスを選択する手段と、
    前記音データの再生期間を前記仮想空間の時間軸に対応させた音データとして前記選択した再生開始候補アドレスから再生する手段と
    を備えることを特徴とする音再生装置。
  3. さらに前記音データ毎に音の大きさが所定値より小さい音データのアドレスを検出する手段と、
    前記アドレスを前記音データの再生開始候補アドレスに設定する手段と
    を備えることを特徴とする請求項記載の音再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20230008627A (ko) 2021-07-07 2023-01-16 주식회사 제넥신 히알루론산-지질 유도체, 이를 포함하는 지질나노입자 및 그 용도

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KR20230008627A (ko) 2021-07-07 2023-01-16 주식회사 제넥신 히알루론산-지질 유도체, 이를 포함하는 지질나노입자 및 그 용도

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