JP3901045B2 - センサ装置及び絶縁診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス絶縁開閉装置(GIS)、タンク形遮断器などのガス絶縁電気機器の容器内部で発生する部分放電により二次的に発生する電磁波を検出するセンサ装置に関する。
また、本発明は、前記センサ装置が検出した信号に基づいて、ガス絶縁電気機器の絶縁異常を診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス絶縁電気機器内で絶縁劣化が生ずると、前兆現象として、部分放電が発生することが知られている。また、導体の接触部に接触不良がある場合にも部分放電が生じることがある。このような部分放電を放置すると、やがて絶縁破壊が生じて重大な事故に発展するおそれがある。
したがって、このような電気機器の事故を未然に防ぐために部分放電の発生の有無を測定することにより、電気機器の健全性を診断することが広く行われている。
【0003】
部分放電を検出するために、種々の手法が提案、採用されている。主として、部分放電による振動、音、加速度等の機械的物理現象を捕らえる方法と、電位振動、変動磁界を捕らえる電気的方法の、2種類が採用されている。
この内、電気的な手法は一般的に感度が良く、採用例が多い。特に、高周波の電磁波を捕らえる方法が各種提案されている。この場合、部分放電により2次的に発生する電磁波をアンテナセンサで検出をする。
【0004】
しかしながら、アンテナセンサは、部分放電による電磁波だけでなく、外部コロナ、放送波などの電磁波(外来ノイズ)も拾ってしまう。これに対して、アンテナセンサが検出した電磁波信号から外来ノイズの影響を除去する方法が従来種々提案されている。
【0005】
その1方法として、部分放電検出用センサに加えてノイズ検出用センサを設ける方法が提案されている(特開2000- 346901号公報)。
この方法では、部分放電による電磁波を検出しやすい場所に部分放電検出用センサを配置し、部分放電による電磁波の影響を受けにくい場所にノイズ検出用センサを配置する。そして、部分放電検出用センサの信号とノイズ検出用センサの信号の差をとることにより、部分放電検出用センサが検出した信号から外部ノイズの影響を除去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
部分放電による電磁波を検出しやすい場所は、金属容器でシールドされたガス絶縁電気機器の内部より電磁波が漏れ出る場所である。タンク形遮断器においては、電磁波が内部から漏れ出す場所として碍子下部、又は、構造的に不連続で電磁波が共振し易いCTカバー部などがある。上記従来のセンサ装置はこれらの場所から漏れ出す電磁波を確実に検出することができる。
【0007】
しかしながら、GISの場合は、電磁波が漏れ出る場所が得られない場合が多いため、上記従来のセンサ装置では、確実に絶縁診断をすることができなかった。
本発明は、タンク形遮断器だけでなく、GISなどのガス絶縁電気機器についても絶縁診断が可能な絶縁診断装置を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。
ガス絶縁電気機器内部で部分放電が発生すると、電磁波が発生して容器に沿って進行をしていく。この電磁波は、フランジ絶縁部、ブッシング部、絶縁スペーサで区分された容器フランジ部で、パルス波による電位差を発生させる。本発明の絶縁診断装置では、スロットアンテナセンサを用いることでこの電位差を効率良く検出する。
【0009】
本発明の絶縁診断装置は、センサ装置と判定装置とから構成される。
センサ装置は、保持部材の一端にスロットアンテナセンサが取り付けられ、このスロットアンテナセンサと所定距離をもってコネクタが取り付けられる。コネクタに、アンテナセンサが交換可能に取り付けられる。
【0010】
絶縁診断を行うとき、スロットアンテナセンサをその場所に接触又は接近させ、アンテナセンサが電磁波漏洩場所から遠ざかるようにセンサ装置を配置する。スロットアンテナセンサは、部分放電による電磁波を検出する。このとき、スロットアンテナセンサは、部分放電による電磁波だけでなく、外来ノイズも検出をする。アンテナセンサは、電磁波の影響の少ない位置に配置されるので、主として外来ノイズを検出する。
【0011】
スロットアンテナセンサとアンテナセンサが検出した信号が判定装置に伝達される。判定装置では、スロットアンテナセンサが検出した信号とアンテナセンサが検出した信号の差をとる。この差をとることにより、スロットアンテナセンサが検出した信号から外来ノイズによる影響が除去され、部分放電による電磁波のみを検出することができる。判定装置では、差分の信号が所定の大きさを超えたときは、ガス絶縁電気機器内で部分放電が発生していると判定する。
【0012】
ガス絶縁電気機器によっては、電磁波を検出する場所がないことがある。本発明では、そのような場所でも、GISが備えている接地開閉器、電圧検出部を利用して診断をすることができる。このために、アンテナセンサを取り外し、ワニグチクリップを代わりに取り付けるコネクタが設けられる。
【0013】
GISの電圧検出部と接地開閉器は、それぞれ、容器内の導体に対向する電極を具備している。診断時には、ワニグチクリップを、その電極と接地部との間に接続する。容器内で部分放電による電磁波が発生した場合、電極はこの電磁波を検出するアンテナセンサとして機能する。一方、スロットアンテナセンサは、外来ノイズ検出用のセンサとして機能する。
【0014】
この場合も、判定装置は、ワニグチクリップが検出した信号とスロットアンテナセンサが検出した信号の差をとって、部分放電の有無の判定をする。
以上説明した本発明によれば、診断場所に応じて、最適なセンサを選択して使用できる。したがって、診断場所に応じたセンサを使用することで操作性を改善し、また、電磁波が漏れ出る場所がない場合も、部分放電の有無を検出することができる。
【0015】
スロットアンテナセンサを、診断時の使用場所に応じて最適な状態で使用するために、保持部材に、把持用のグリップに対するスロットアンテナセンサの取り付け角度を変更する回転機構が取り付けることができる。
作業員は、グリップを握りやすい状態で把持した状態で、回転機構を調整して、スロットアンテナセンサを検出に最適な向きにすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明を適用したセンサ装置の外形を示す図である。
センサ装置1は、作業員が片手で操作できる程度の大きさとされる。センサ装置1は、絶縁棒2の中間にハンドル3が設けられ、両端に部分放電検出用回路部4と外部ノイズ検出用回路部5(以下、「回路部4、回路部5」と略称することがある。)が設けられる。絶縁棒2は、円筒状のガラスエポキシチューブにより形成される。
【0017】
回路部4の先端に、スロットアンテナセンサ6が取り付けられる。回路部5の先端に、コネクタ7を介してアンテナセンサ8が取り付けられる。コネクタ7は、ワンタッチでアンテナセンサ8を取り外しできるものとする。例えば、BNC接続をするコネクタが使用できる。
【0018】
図2を用いて、絶縁診断装置の回路構成を説明する。
絶縁診断装置9は、センサ装置1と判定装置14と両者間を接続するケーブル13から構成される。
スロットアンテナセンサ6とアンテナセンサ8が検出した信号は、回路部4、回路部5内に収納した回路により信号処理され、光信号に変換される。光信号は、光ファイバ10、11により、ハンドル3内に収納した光/電変換回路12に伝達され、電気信号に変換される。電気信号は、ケーブル13により判定装置14に伝達される。
【0019】
判定装置14は、スロットアンテナセンサ6が検出した信号とアンテナセンサ8が検出した信号に基づいて、部分放電の有無を判定する。
ハンドル3内には、更にセンサコントローラ15が収納される。センサコントローラ15にはスイッチ16が設けられる。センサコントローラ15と回路部4、回路部5との間は、光ファイバ17、18により接続される。
【0020】
回路部4、回路部5の構成を説明する。
回路部4、回路部5は、ガラスエポキシ製のチューブ内に収納される。
スロットアンテナセンサ6とアンテナセンサ8が検出した信号は、フィルタ19、20に入力され、外部コロナ及び放送波の影響の少ない300kHz〜400kHzの周波数帯域(UHF帯)の電気信号が抽出される。
【0021】
フィルタ19、20を通した電気信号は、増幅回路/検波回路21、22により増幅/検波され、電気/光変換回路23、24により、光信号に変換される。光信号は、光ファイバ10、11により絶縁棒2の内部を通り、ハンドル3内に配置された光/電変換回路12に伝送される。光/電変換回路12は、光信号を電気信号に変換する。この電気信号は、ケーブル13を通して、判定装置14に伝達される。
【0022】
ハンドル3に収納されたセンサコントローラ15は、ユーザが操作するスイッチ16が設けられる。スイッチ16からの操作信号は、光ファイバ17、18を通して回路部4、回路部5のコントロール回路25、26に伝達され、電気/光変換回路23、24と増幅回路/検波回路21、22をオン/オフ制御する。
【0023】
判定装置14はスロットアンテナセンサ6、アンテナセンサ8が検出した信号をディジタル信号に変換するA/D変換器27、ディジタル信号を処理するCPU28などから構成される。
判定部3は、スロットアンテナセンサ6が検出した信号とアンテナセンサ8が検出した信号の差分をとる。スロットアンテナセンサ6が検出した部分放電による電気信号は、外来ノイズに埋もれて、それのみを検出することが困難である。これに対し、両信号の差分をとることにより外来ノイズの影響が除去されて、部分放電による電磁波のみを検出することが可能になる。
判定部は、部分放電による電磁波を所定の基準値と比較し、基準値を超えた場合には、部分放電が発生していると判定をし、判定結果を表示する。
【0024】
図3を用いて、スロットアンテナセンサ6の構成を説明する。図は、左側より、正面図、側面図、背面図が示され、正面図の上下に、上面図と下面図が示されている。
スロットアンテナセンサ6は、1枚の導電板が、前面部33と後面部34を形成するように折り曲げられて形成される。
【0025】
前面部33の中間部にスロット部35が形成され、その上下にプローブ部36、37が形成される。このプローブ部36、37の面積を大きく取れるため、センサヘッドの小型化、センサの軽量化が可能となる。 後面部34に2つの孔部38が形成され、スロット部35の両端の給電部39と回路部4とを接続する導線が通される。後面部34は、前面部33の背面からのノイズに対するシールドとしても機能する。
【0026】
背面側には2つの孔部38が形成され、スロット部35の両端の給電部39と回路部4とを接続する導線が通される。
スロットアンテナセンサ6は、診断時の使用場所に応じて、図示の縦方向から横方向に向けられることがある。このために、図1に示すように、絶縁棒2に、ハンドル3とスロットアンテナセンサ6との間に、回転機構40が設けられる。この回転機構を矢印41のように回転させることにより、スロットアンテナセンサ6を縦又は横方向に変える。
【0027】
図4は、センサ部2を用いて、GISの絶縁スペーサ42から漏れ出る電磁波を検出する状況を示す。
診断時には、図4(A)に示すように、絶縁スペーサ42の中心部にスロットアンテナセンサ6のスロット部35が当たるようにする。また、容器フランジ43と絶縁スペーサ42を締め付けるボルト44の間にスロット部35を適用する。この状態で、スロットアンテナセンサ6を容器フランジ43に接触させる。そして、ハンドル3に設けられたスイッチ16を操作することにより、回路部4、回路部5の電源をオンさせる。
【0028】
容器53内部で部分放電45が発生すると、図4(B)に示すように、電磁波46が容器内壁を伝わって進行する。この結果、電磁波は、2つの容器フランジ43間に電位差を生じさせる。スロットアンテナセンサ6は、容器フランジに接触することによりこの電位差を検出する。この結果、電磁波が回路部4に効率よく取り込まれる。
【0029】
絶縁スペーサ42は、水平に配置されることもあり、垂直に配置されることもある。このため、スロットアンテナセンサ6も、絶縁スペーサ42の向きに合わせる必要がある。このため、回転機構40により、スロットアンテナセンサ6をハンドル3に対して90°の範囲で回転可能とする。この回転機構40としては任意の形式のものが使用可能である。
【0030】
図5は、センサ部2を用いて、ガス遮断器のCTカバーから漏れ出る電磁波を検出する状況を示す。
容器53内で部分放電45が発生すると、電磁波46は図示のように進行する。電磁波46は、碍子47の取り付け基部から外部へ漏れ出す。一部は、CTカバー48の表面を伝って進行する。この状況では、スロットアンテナセンサ6の下部をCTカバー48の下端部に引っ掛けて、スロットアンテナセンサ6の上部は開放して進行してくる電磁波46に向ける。
【0031】
図3に戻り、センサガイド49について説明する。
スロットアンテナセンサ6の一端に、センサガイド49が取り付けられる。センサガイド49は、ほぼ半円形に形成され、点63を中心として回転可能とされている。センサガイド49は、前側にある状態又は後ろ側にある状態で静止する機構で取り付けられる。
【0032】
図3は、センサガイド49が後ろ側に配置された状態を示す。前述の図4の絶縁スペーサ42に適用する場合は、センサガイド49は後ろ側に向けられる。これにより、センサガイド49が絶縁スペーサ42に当たったりすることがない。一方、前述の図5のCTカバー48に適用する場合は、センサガイド49は前側に向けられ、CTカバー48の下端に引っ掛けられる。これにより、ユーザは、センサ装置1を安定した状態で使用することができる。
【0033】
以上説明したセンサ装置1を使用することにより、操作性と安全性を向上することができる。
スロットアンテナセンサ6とユーザが持つハンドル3との間には、絶縁棒2と光ファイバ10、11、17、18が介在するのみで、導体が存在しないので、ユーザを感電から保護することができる。また、充電部近傍の電界を乱すこともない。
【0034】
また、本例のセンサ装置1では、スロットアンテナセンサ6の向きを回転機構40により簡単に変更することができる。したがって、ユーザがハンドル3を持ちやすいように持った状態で、検出場所に最適な方向にスロットアンテナセンサ6を向けることができる。また、センサガイド49を用いて、スロットアンテナセンサ6を検出場所に安定して配置することができる。また、センサガイド49が邪魔な場合は、簡単に引っ込めることができる。
【0035】
(実施形態2)
GISの場合、絶縁スペーサ42がない場所では、部分放電による電磁波が容器外へ漏れ出ることがない。したがって、アンテナを用いたセンサ装置では、電磁波の検出ができない。本発明のセンサ装置によれば、この場合でも、GISの接地開閉器又は電圧検出部にセンサ装置を適用することで、部分放電による電磁波を検出することができる。
【0036】
図6は、接地開閉器又は電圧検出部に適用するセンサ装置を示す図である。
図1のセンサ装置1において、アンテナセンサ8がコネクタ7から取り外され、ワニグチクリップ50がコネクタ7に取り付けられる。
【0037】
図7は、図6のセンサ装置1を接地開閉器に適用した例を示す。
図7(A)に示すように、接地開閉器の可動接触子52は、容器53内の高圧導体58に対向して配置されている。可動接触子52は、密閉端子54を通して外部電極55に接続される。この外部電極55は、常時は、容器53に接続された接地電極56と接地バー57により接続されている。
【0038】
接地開閉器は、高圧導体58が電源から切り離されたときに、外部からの操作により、可動接触子52が固定接触子51と接触させられる。これにより、高圧導体58が接地され、チャージされていた電荷が放電されて、作業の安全が確保される。
【0039】
診断時には、図7(B)に示すように、外部電極55と接地電極56の間の接地バー57が取り外されて、リアクトル成分を持たせた短絡クリップ59により短絡される。ワニグチクリップ50が、外部電極55と接地電極56に接続される。
部分放電45が発生すると、それによる電磁波46が可動接触子52により検出される。この信号は、ワニグチクリップ50により、コネクタ7を通して回路部5に入力される。
【0040】
このとき、電磁波のうち、商用周波数成分は、短絡クリップ59により短絡されて、回路部5には入力されない。
図1の例では、スロットアンテナセンサ6が部分放電による電磁波を検出し、コネクタ7側のアンテナセンサ8が外来ノイズを検出していたが、本例では、コネクタ側のワニグチクリップ50が部分放電による電磁波を検出し、スロットアンテナセンサ6は、外来ノイズを検出するセンサとして機能する。
【0041】
したがって、判定装置14に入力される信号は、部分放電による電磁波の信号とノイズ検出の信号とが、図1の例とは逆になる。これに対しては、ケーブル13を、センサ装置1と判定装置14との接続関係を逆にしたケーブルと交換することにより、容易に対処できる。あるいは、判定装置14においてソフトウエアにより、入力信号を切り替えるようにしても良い。
【0042】
図8は、センサ装置1を電圧検出部に適用した例を示す。
図8に示すように、電圧検出用電極60が容器53内の高圧導体58に対向して配置されている。電圧検出用電極60は、密閉端子61を通して外部電極62に接続される。この外部電極62は、常時は、容器53に接続された接地電極56と接地バー57により接続されている。
【0043】
電圧検出時には、接地バー57が取り外されて、外部電極62と接地電極56との間に電圧検出用機器が接続される。
診断時には、図7の例と同様に、図8(B)に示すように、外部電極62と接地電極56の間の接地バー57が取り外されて、リアクトル成分を持たせた短絡クリップ59により短絡される。ワニグチクリップ50が、外部電極62と接地電極56に接続される。
このほかの点は、前述の図7の場合とほぼ同様であるので、重複する説明は省略する。
【0044】
(実施形態3)
アンテナセンサに代えてコネクタ7に接続するセンサとして、単一指向性のアンテナセンサを使用することができる。
図9に示す例は、コネクタ7に、単一指向性の八木アンテナ64を接続している。
本例は、電磁波が漏れ出る場所にスロットアンテナセンサ6を接触させることができない場合に有効である。
【0045】
診断時には、八木アンテナ64を、部分放電による電磁波が漏れ出る場所に向けて配置する。このとき、スロットアンテナセンサ6は、部分放電による電磁波が漏れ出る場所から遠い位置に配置されることと、指向性がないことから、外来ノイズを主として検出する。したがって、前述の実施形態2と同様に、判定装置14において、部分放電の有無を判定することができる。
【0046】
本例のセンサ装置1によれば、高電圧機器の接地不完全部のコロナ検出装置としての利用、又は、電磁波発生部の探査も可能である。八木アンテナ64を電磁波発生源と思われる場所に向けて、判定装置14にて、電磁波の有無を判定する。八木アンテナ64を向ける方向を種々変更することにより、電磁波の発生源を特定することができる。
【0047】
(実施形態4)
以上説明した実施形態1〜3では、ハンドル3を絶縁棒2の中間に設け、スロットアンテナセンサ6とアンテナセンサ8を絶縁棒2の両端に設けている。しかしながら、本発明のセンサ装置は、このような形態に限定されるものではない。
図10〜図12を用いて、本例のセンサ装置を説明する。
【0048】
図10は第1の例を示し、絶縁棒2の一端にグリップ65を設けている。グリップ65には、スイッチ16が取り付けられる。
絶縁棒2の他端には、回路部66が設けられ、その先端にスロットアンテナセンサ6が設けられる。回路部66の側面に、コネクタ7を介してアンテナセンサ8が取り付けられる。回路部66は、スロットアンテナセンサ用の回路部4とアンテナセンサ用の回路部5の両方の機能が組み込まれる。
【0049】
診断時、スロットアンテナセンサ6を部分放電による電磁波の漏れ出る場所に接触又は接近させると、アンテナセンサ8は、スロットアンテナセンサ6の陰になる。したがって、部分放電による電磁波に対して、スロットアンテナセンサ6がアンテナセンサ8のシールドとして機能する。このため、スロットアンテナセンサ6とアンテナセンサ8との距離を短く設定することができる。
【0050】
図11は第2の例を示し、グリップ65側にコネクタ7とアンテナセンサ8を取り付けている。
この例では、絶縁棒2の先端に回路部4を設け、スロットアンテナセンサ6を設ける。グリップ65側に回路部5を設け、その側面にコネクタ7とアンテナセンサ8を取り付けている。本例も図10の例と同様の機能を発揮する。
【0051】
図12は第3の例を示し、グリップ65と並行に回路部5を設け、回路部5の先端にコネクタ7とアンテナセンサ8を取り付けている。本例も図10の例と同様の機能を発揮する。
図10から図12の例においても、回転機構40により、スイッチ16の位置に対するスロットアンテナセンサ6の向きを調整できる。また、アンテナセンサ8に代えて、コネクタ7にワニグチクリップ50又は八木アンテナ64を取り付けることができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明をしてきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、アンテナセンサ8をコネクタ7を介して取り付けているが、スロットアンテナセンサ6をコネクタ7を介して取り付けるようにすることができる。この場合は、常にスロットアンテナセ6が部分放電検出側となり、アンテナセンサ8が外来ノイズ検出センサとなる。したがって、センサ装置1と判定装置14との接続関係を切り替える必要がなくなる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、タンク形遮断器だけでなく、GISなどのガス絶縁電気機器についても絶縁診断が可能な絶縁診断装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるセンサ装置を示す図である。
【図2】本発明を適用した絶縁診断装置の回路構成を示す図である。
【図3】図1のスロットアンテナセンサの構成を示す図である。
【図4】図1のセンサ装置を絶縁スペーサ部に適用した例を示す図である。
【図5】図1のセンサ装置をCTカバーに適用した例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるセンサ装置を示す図である。
【図7】図6のセンサ装置を接地開閉器に適用した例を示す図である。
【図8】図6のセンサ装置を電圧検出部に適用した例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるセンサ装置を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態(その1)におけるセンサ装置を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施形態(その2)におけるセンサ装置を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態(その3)におけるセンサ装置を示す図である。
【符号の説明】
1…センサ装置
2…絶縁棒
3…ハンドル
4、5…回路部
6…スロットアンテナセンサ
7…コネクタ
8…アンテナセンサ
9…絶縁診断装置
10、11…光ファイバ
12…光/電変換回路
13…ケーブル
14…判定装置
15…センサコントローラ
16…スイッチ
17、18…光ファイバ
19、20…フィルタ
21、22…増幅回路/検波回路
23、24…電気/光変換回路
25、26…コントロール回路
27…A/D変換器
28…CPU
33…前面部
34…後面部
35…スロット部
36、37…プローブ部
38…孔部
39…給電部
40…回転機構
42…絶縁スペーサ
43…容器フランジ
45…部分放電
46…電磁波
48…CTカバー
49…センサガイド
50…ワニグチクリップ
51…固定接触子
52…可動接触子
53…容器
60…電圧検出用電極
64…八木アンテナ
65…グリップ
66…回路部
Claims (5)
- 保持部材と、
この保持部材の一端に取り付けられ、かつ、スロット部の両端にプローブ部を有する前面部および該前面部の一方のプローブ部と接続され前記スロット部を覆う後面部を備えるスロットアンテナセンサと、
このスロットアンテナセンサと所定距離をもって、前記保持部材に取り付けられるコネクタと、
前記コネクタに交換可能に取り付けられるアンテナセンサと、
前記スロットアンテナセンサが検出した信号と、前記アンテナセンサが検出した信号を外部に導出する手段と、
を具備することを特徴とするセンサ装置。 - 前記アンテナセンサに代えて前記コネクタに交換可能に取り付けられる2つのワニグチクリップであって、1つのワニグチクリップは、検出対象機器の外部電極に接続され、かつ、他のワニグチクリップは、検出対象機器の接地電極に接続されるものを具備する請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記アンテナセンサに代えて前記コネクタに接続する単一指向性アンテナセンサを具備する請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記保持部材に取り付けられる把持用のグリップと、
このグリップに対する前記スロットアンテナセンサの取り付け角度を変更するために、前記保持部材に設けられた回転機構と、
を具備する請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ装置。 - 前記スロットアンテナセンサが検出した信号と、前記コネクタ側のセンサが検出した信号との差をとり、その差分の信号に基づいて部分放電の有無を判定する判定部を具備する請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002209977A JP3901045B2 (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | センサ装置及び絶縁診断装置 |
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JP2002209977A JP3901045B2 (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | センサ装置及び絶縁診断装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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