JP3900546B2 - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の入賞装置に関し、特に回転体にパチンコ玉が入賞する開口が設けられているものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機の中には、回転可能に構成された入賞装置を備えているものがある。その入賞装置は、図8に例示するように、遊技面に固着された円筒状の枠体1内に、円盤状の回転体2を配して構成されている。また、この枠体1の上部には打球を通過できる程度の導入口1aが形成されており、かつ回転体2にも打球を収容できる程度の入賞ポケット2aが切り欠き形成されている。さらに、枠体1の後方には駆動モータと減速用のギヤからなる駆動部3が設けられており、その駆動部3の回転軸が回転体2に連結されている。これにより、回転体2は一定の速度で低速回転し、入賞ポケット2aの位置が枠体1の導入口1aと整合する位置に達した際に、導入口1aに打球が流入されるとその打球は入賞ポケット2aに収容される。そして、入賞ポケット2aに収容された打球は、そのまま下方に回転移動され、排出路から入賞検出装置内に送り出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来回転軸と回転体との連結は、回転軸からの回転力を回転体に確実に伝達することのみに主眼をおいて構成されており、回転体から突出する筒状の連結軸に回転軸を嵌め込むだけでなく、回転軸の断面が半円状となるように切り欠かれかつその回転軸の嵌め込みまれる部分もそれに対応して半円状とされている。これにより、回転軸は滑ることなく回転体を確実に回転駆動することができる。
【0004】
ところが、入賞タイミングによっては、導入口に流入した打球が入賞ポケットの開口縁部と導入口の開口縁部とによって噛み込まれてしまうことがあるのが判明し、その場合には上記構成では回転軸にも大きな負荷荷重が作用するから、駆動部が過負荷状態とされ、駆動モータが焼き付いたり、ギヤが欠けてしまう虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転体にパチンコ玉が入賞する開口を有するものにおいて、その回転体に大きな負荷荷重が作用した際に駆動モータの焼き付きやギヤ等の破損を防止できるパチンコ機の入賞装置を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のパチンコ機の入賞装置は、パチンコ玉が入賞する開口を有する回転体と、駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を回転体に伝達する伝達手段とを備えてなるパチンコ機の入賞装置であって、
前記伝達手段は、前記回転体に作用する負荷荷重が一定以上に達すると前記駆動手段の回転軸を前記回転体に対してスリップ回転させるスリップ機構を備え、
前記スリップ機構は、
前記駆動手段の回転軸と、前記回転体の連結軸と、に嵌め込まれる駆動力伝達用のチューブを有し、
前記連結軸の外径を前記チューブの内径よりも径大としつつ前記回転軸の外径を前記チューブの内径とほぼ等しくする構成、前記回転軸の外径を前記チューブの内径よりも径大としつつ前記連結軸の外径を前記チューブの内径とほぼ等しくする構成、前記回転軸及び前記連結軸の両外径を等しくしつつ前記チューブの両端部の内径を異ならせる構成、のいずれかの構成を用いて前記チューブに対する両端の嵌合力を相違させ、前記回転体に一定以上の負荷荷重が作用するとスリップ回転する構成をなすことを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明によれば、駆動手段の回転力は伝達手段を介して回転体に伝達される。そして、回転駆動された回転体に大きな負荷荷重が作用すると、駆動手段の回転軸はスリップ回転する。
【0007】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、回転体に大きな負荷荷重が作用すると駆動手段の回転軸はスリップ回転するため、駆動手段が過負荷状態となることはなく、駆動モータの焼き付きやギヤ等の破損を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
<第一実施形態>
以下、本発明のパチンコ機の入賞装置を具体化した第一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
本実施形態の入賞装置12は、図6に示すように、遊技面11aの正面視右側部中央部分に配されており、大当たり状態でこの入賞装置12へ打球が入賞すると、この入賞装置12の下方に設けられている開閉板33を所定時間継続して開放させるように構成されている。
【0009】
さて、この入賞装置12は、図1及び図2に示すように、遊技面11aに固着される樹脂製の枠体13を備えて構成されている。この枠体13は、固定板14の前面に円筒状の枠壁15を一体に突出させた形状とされ、その固定板14には枠壁15の上部及び下部左右両側に位置する部分に取付孔14aが形成されている。そして、この各取付孔14aには取付ねじ16が挿入され、これを遊技盤11に締め付けることにより枠体13が遊技面11aの所定位置に固定されるようになっている。さらに、図3に示すように、固定板14のうち、枠壁15によって囲まれた部分には、ほぼ中央部分から下方にかけて貫通孔14bが形成されている。この貫通孔14bの開口縁部における下端部は後方に突出しており、打球を図示しない入賞検出装置へ送り出すための排出路32となっている。また、枠壁15の上部は、打球を通過できる程度に切り欠かれており、打球が枠壁15内に導入されるための導入口15aとなっている。
【0010】
一方、枠壁15内には、円盤状であって樹脂製の回転体17が収容されている。この回転体17は、円形の回転板18の周縁部をほぼ枠壁15の深さに等しい寸法だけ裏面側へ延出させることにより形成され、その外径は枠壁15の内径より僅かに径小となるように設定されている。また、その回転板18の裏面中心には、突部19が一体に突出しており、ここには金属製の連結軸20が差し込まれている。差し込みに関して突部19の端面には楕円状の孔が穿孔され、連結軸20を嵌め合んだ後さらに圧接ピン21を圧入することにより連結軸20が回転板18の中心に固定されている。なお、この連結軸20には、後述する駆動力伝達用のチューブ22が圧入されるようになっている。
【0011】
また、回転体17には、外周面の一部に、入賞ポケット23が切り欠き形成されている。この入賞ポケット23の開口幅は打球(入賞玉)より僅かに大きく形成され、上記導入口15aを通過した打球をここに収容できるようになっている。
【0012】
遊技盤11の固定板14に整合する部分は、図4に示すように穿孔されて収容孔24となっており、カバー体25がその収容孔24内に収容されるようにして枠体13の後面に取り付けられている。即ち、枠体13の後面には、ほぼ4隅にボス部26が突設されており、このボス部26を取り囲むようにカバー体25が取り付けられるようになっている。また、各ボス部26の先端は、カバー体25の底面に当接するように設定され、かつカバー体25のボス部26に当接する部分には取付孔25aが形成されている。そして、この各取付孔25aには、取付ねじ27が挿入され、これをボス部26に締め付けることによりカバー体25が枠体13の後面に固定されるのである。
【0013】
さらに、カバー体25の後方には駆動部としてのモータ28が配されている。なお、本実施形態では、減速機付きのモータが使用され、回転軸31が一定速度(5rpm)で低速回転するように構成されている。このモータ28の左右両側には張出部29が形成されており、そこには取付孔29aが形成されている。そして、この各取付孔29aには、取付ねじ30が挿入され、それをカバー体25に締め付けることによりモータ28がカバー体25の後面に固定されるようになっている。また、このモータ28の回転軸31は、カバー体25に形成された貫通孔25bを介してカバー体25内で後述するチューブ22に連結している。
【0014】
また、モータ28と回転体17とは、伝達手段に相当するチューブ22によって接続されている。このチューブ22は、ビニール製であり、その前端部は回転体17の連結軸20に嵌め込まれ、後端部はモータ28の回転軸31に嵌め込まれている。ここで、連結軸20の外径がチューブ22の内径より僅かに径大に設定されているため、チューブ22は押し広げられるようにして連結軸20に圧入されている。これに対し、回転軸31の外径はチューブ22の内径とほぼ等しく設定されている。このようにチューブ22に対する両端の嵌合力の相違により、回転体17に一定以上の負荷荷重が作用すると回転軸31側がチューブ22に対してスリップ回転するように構成される。このチューブ22等を備えた機構が本発明にいうスリップ機構に相当する。なお、回転軸31は、断面が半円状となるように切り欠かれているが、これはモータ28に汎用部品を用いるためであり、断面が半円状に切り欠かれていないものであってもよい。
【0015】
次に、本実施形態の作用について述べる。モータ28の回転軸31は、常に一定速度で低速回転しており、その回転はチューブ22及び連結軸20を介して回転体17に伝達される。これにより、回転体17は回転軸31に連動して一定速度で時計回り方向に回転し、入賞ポケット23も連結軸20を中心に一定速度で時計回り方向に回転する。そして、入賞ポケット23が上方に回転移動し、入賞ポケット23の開口と導入口15aとが整合した際に、導入口15aに打球が流入すると、その打球は入賞ポケット23に収容される。その後、入賞ポケット23に収容された打球はそのまま入賞ポケット23とともに時計回り方向に回転移動し、下方に達すると排出路32を介して入賞検出装置に送り出される。
【0016】
ここで、導入口15aに入賞ポケット23が整合する状態を詳しく観察してみると、入賞ポケット23の回転移動により、まず、導入口15aに対して図3中左方向から入賞ポケット23が整合し始める。これにより、導入口15aと入賞ポケット23の開口とが重なり合う開口面積は、入賞ポケット23の回転移動に伴って徐々に拡大され、導入口15aの開口縁部と入賞ポケット23の開口縁部とが丁度整合する位置となると打球を通すことができる程度の広さとなる(図3参照)。そして、その後、入賞ポケット23の回転移動に従って、今度は導入口15aと入賞ポケット23とが重なり合う開口面積は、徐々に狭められて行く。
【0017】
従って、導入口15aと入賞ポケット23とが重なり合う部分が狭められ始める際に、ここに打球が流入すると、図5に示すように、その打球Bは導入口15aの開口縁部と入賞ポケット23の開口縁部とによって噛み込まれてしまう場合がある。
【0018】
この場合、回転体17の強制停止に伴ってモータ28の回転軸31には、大きな負荷荷重が作用することになる。しかし、回転軸31はチューブ22に対してスリップ回転するためモータ28に過負荷を生じさせず、これによってモータ28の焼き付きや内蔵ギヤ等の破損を防止できる。
【0019】
<参考例>
図7は参考例を示している。第一実施形態では、スリップ機構は、チューブに嵌め込まれる回転軸の外径をチューブの内径とほぼ等しく設定することにより構成されていたが、参考例では、樹脂製の回転体に一体成形された連結軸に直接金属製の回転軸を嵌めることにより構成される。その他の構成部分は、第一実施形態と同様であるため、ここでは同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施態様も本発明の技術的範囲に属する。
(1) 上記第一実施形態では、チューブ22の内径に対して回転軸31の外径をほぼ等しく設定することにより回転軸31をチューブ22に対してスリップ回転させるように構成されていたが、回転軸の外径をチューブの内径より僅かに径大に設定するとともに連結軸の外径をチューブの内径とほぼ等しく設定することによりチューブを連結軸に対してスリップ回転させるようにしてもよい。
【0023】
(2) また、回転軸と連結軸との外径を等しく設定し、チューブの両端部の内径を異ならせることにより、回転軸がチューブに対してスリップ回転又はチューブが連結軸に対してスリップ回転するように構成してもよい。
【0024】
(3) さらに、チューブ22はビニール製であったが、樹脂製や金属製等であってもよく、要するに回転体に大きな負荷荷重が作用した際に、回転軸がチューブに対してスリップ回転又はチューブが回転体に対してスリップ回転するように構成できるものであればよい。
【0025】
(4)その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の全体を示す分解斜視図である。
【図2】 同実施形態の縦断面図である。
【図3】 同実施形態の正面図である。
【図4】 同実施形態のカバー体内を示す断面図である。
【図5】同実施形態において打球が噛み込まれた状態を示す断面図である。
【図6】同実施形態における遊技面を示す正面図である。
【図7】 参考例を示す縦断面図である。
【図8】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
17,41…回転体
22…チューブ( 伝達手段)
23…入賞ポケット(開口)
28…モータ(駆動手段)
31…回転軸
43a…嵌合凹部(伝達手段)
Claims (1)
- パチンコ玉が入賞する開口を有する回転体と、駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を回転体に伝達する伝達手段とを備えてなるパチンコ機の入賞装置であって、
前記伝達手段は、前記回転体に作用する負荷荷重が一定以上に達すると前記駆動手段の回転軸を前記回転体に対してスリップ回転させるスリップ機構を備え、
前記スリップ機構は、
前記駆動手段の回転軸と、前記回転体の連結軸と、に嵌め込まれる駆動力伝達用のチューブを有し、
前記連結軸の外径を前記チューブの内径よりも径大としつつ前記回転軸の外径を前記チューブの内径とほぼ等しくする構成、前記回転軸の外径を前記チューブの内径よりも径大としつつ前記連結軸の外径を前記チューブの内径とほぼ等しくする構成、前記回転軸及び前記連結軸の両外径を等しくしつつ前記チューブの両端部の内径を異ならせる構成、のいずれかの構成を用いて前記チューブに対する両端の嵌合力を相違させ、前記回転体に一定以上の負荷荷重が作用するとスリップ回転する構成をなすことを特徴とするパチンコ機の入賞装置。
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JP32926895A JP3900546B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | パチンコ機の入賞装置 |
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JP4963856B2 (ja) * | 2006-04-05 | 2012-06-27 | 株式会社浅間製作所 | 遊技機の球入賞装置 |
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1995
- 1995-12-18 JP JP32926895A patent/JP3900546B2/ja not_active Expired - Fee Related
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