JP3900398B2 - 缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶胴の外面に予め施された印刷デザインに合わせた缶胴の加工(エンボス加工等)を行なうための方法および該方法を実施するための装置に関し、特に、缶胴の外面に予め施された印刷デザインとそれに合わせて行なう缶胴の加工とを正確に一致させるための缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法および該方法を実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2ピース缶や3ピース缶による飲料缶(飲料缶詰)では、商品のイメージアップを図ると共に、商品の特異性を強調して差別化を狙うために、以前から様々なデザインのものが検討されており、その一例として、缶胴の外面に単に印刷による文字や模様等のデザインを施すだけでなく、缶胴の印刷デザインに合わせて更にエンボス加工を施すことが従来から検討されていて、そのように予め缶胴に施されている印刷デザインに合わせてエンボス加工を行うための方法としては、例えば、特開昭50−115163号公報に記載されているような方法が知られている。
【0003】
すなわち、上記の公報中には、「エンボス加工される1端の開いた管状物品の内径と殆ど同じ直径の末端部を有し、その物品より小さい直径のエンボス加工部分を有するロールの上にエンボス加工されるその物品を置くこと、およびそのエンボス加工部分、末端部およびもう1つの他のエンボス加工用ロールを同じ円周線速度で回転させることからなる、1端の開いた管状物品のエンボス加工の方法」について開示されている。
【0004】
また、そのような方法を実施するための装置として、「1対のエンボス加工用ロールを有し、そのロールの1つはロールの1部分が残りの部分より小さい直径を有し、その小さい直径の部分にはエンボス加工のデザインがついており、またその小さい直径の部分とロールの残りの部分とを同じ円周線速度で駆動するための装置がついていることからなる1端の開いた管状物品をエンボス加工する装置」について開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の管状物品のエンボス加工方法については、「(エンボス加工用の機械装置の)駆動軸は印刷装置の駆動に直接連結され、それと同期駆動されて、完全な一致エンボス加工が得られる」と公報中に記載されてはいるものの、印刷デザインとエンボスの位置合わせに関する記載はなく、エンボス加工用の機械装置の駆動と印刷装置の駆動とを単に同期駆動させることだけでは、連続的に処理される多数の物品について、常に安定した状態で印刷デザインとエンボスを完全に一致させることは困難である。
【0006】
そのような問題を解決するための方法として、缶胴の外面に予め印刷デザインが施された製造途中の缶(缶胴と底板を一体成形した2ピース缶用の缶本体や3ピース缶の缶胴となるメガネ缶と言われる円筒体等)について、印刷デザインに合わせたエンボス加工を行なうに先立って、缶胴に施されている位置合わせ用マークをセンサーで検出することにより、印刷デザインとエンボス加工用金型の位置合わせを行うということが考えられる。
【0007】
しかしながら、そのような方法により実際の缶製造工程において多数の缶に連続してエンボス加工を行なうに際して、多数の缶を連続して迅速に処理するために缶胴の位置合わせを高速で行なう場合には、高速処理でもセンサーによるマークの検出を確実に行なうことができるように、位置合わせ用マーク自体をある程度以上の大きさにする必要があって、そのために位置合わせが大まかで精度が低いものとなる。
【0008】
一方、位置合わせを細かく精度の高いものとするために位置合わせ用マークを小さなものにすると、高速処理では、センサーにより瞬間的にマークを確実に検出するのが困難となり、また、瞬間的にマークを検出しても、それに応じた制御が極めて僅かでも遅れると位置合わせにズレが起きるため、各缶毎の位置合わせの処理速度を遅くすることが必要となり、その結果、缶製造工程全体としての処理速度が低下して生産効率が落ちることとなる。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、缶胴の外面に予め施された印刷デザインに合わせて缶胴の加工(エンボス加工等)を行なう場合に、加工に先立つ印刷デザインの位置合わせを迅速に且つ高い精度で行なうことができるようにすることを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、缶胴の外面に予め施された印刷デザインに合わせて缶胴を加工する前に、印刷デザインの位置がランダムな状態で連続的に搬送されている缶のそれぞれについて、先ず缶胴の円周方向に高速で回転させて、缶胴に施された大きいマークをセンサーにより検出した時点で缶の回転速度を低速に落としてから、次いで缶胴に施された小さいマークをセンサーにより検出した時点で缶の回転を停止させることによって、印刷デザインの位置合わせを行なうようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
上記のような缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法によれば、最終的には低速で回転する缶の小さいマークをセンサーで検出することにより印刷デザインの位置合わせを完了させるため、細かく精度の高い状態で位置合わせすることができると共に、位置合わせの開始から大きいマークをセンサーで検出するまで(即ち、小さいマークがセンサーの検出位置に近づくまで)は缶を高速で回転させているため、最初から缶を低速で回転させて小さいマークだけを検出する場合と比べて、小さいマークを検出して位置合わせを完了させるまでに要する時間を短縮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法および該方法を実施するための装置の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1〜図4は、本発明の印刷デザイン位置合わせ方法を実施するための装置の一実施形態である缶胴のエンボス加工装置、すなわち、2ピース缶や3ピース缶の製造工程の途中で缶胴の外面側に施された印刷デザインに合わせてエンボス加工を行なうための装置を示すもので、図1は装置全体の外観を概略的に示すものであり、図2は装置における缶の搬送経路を示すものであり、図3は装置全体の構造を示すものであり、図4は装置の一部(メインターレットの一つのポケットについての部分)について示すものである。
【0014】
缶胴のエンボス加工装置1は、缶胴の外面に印刷デザインが施された製造途中の缶(例えば3ピース缶用の円筒状のメガネ缶等)を、インフィードターレット3を介して、メインターレット4の外縁部に円周方向に沿って等間隔で複数(18個)設けたポケット(缶収容部)4aのそれぞれに連続的に送り込み、図2に示すように、メインターレット4の回転により円周方向に間隔を置いた状態で連続的に搬送しながら、ランダムに供給された缶2の印刷デザインを位置合わせ調整範囲において位置合わせしてから、搬送経路に近接して配設されたエンボス加工部(外金型)5において印刷デザインに合わせて缶2の缶胴にエンボス加工を行なった後、ディスチャージターレット6によって連続的に後の工程に送り出すものである。
【0015】
そのようなエンボス加工装置1の具体的な構造について説明すると、図3および図4に示すように、床面に固定される基台7から回転自在な状態で立設されたメインシャフト8に対して、その中途部にメインターレット4の回転中心部が一体的に取り付けられており、メインシャフト8を回転駆動軸として回転するメインターレット4の外縁部には、各ポケット4a毎に、マンドレル9がメインターレット4に対して回転可能に支持されている。
【0016】
メインターレット4の外縁部に回転可能に支持されている各マンドレル9には、メインターレット4の上面側に突出する上部に(図6に詳しく示すように)エンボス加工用の内金型9aが一体的に装着され、メインターレット4の下面側に突出する下部にギア部分9bが一体的に形成されていて、各マンドレル12の下部のギア部分9bは、メインターレット4の回転によるマンドレル9の移動軌跡に対応する一つの大径のインナーギア10にそれぞれ噛合しており、インナーギア10は基台7の上面に固設されている。
【0017】
また、各マンドレル9毎に、缶を吸着して保持するためのアッパーチャック11が、マンドレル9の軸線方向の上方に配設され、缶2を回転させるためのスピニングチャック12が、内金型9aの下方でマンドレル9を囲むように回転自在に挿着され、スピニングチャック12をギアを介して回転駆動するためのACサーボモーター13が、マンドレル9よりも内側でメインターレット4に取り付けられていると共に、缶胴の外面に施されたマークを検出するためのLED発光タイプのカラーマークセンサー14が、スピニングチャック12の上方でマンドレル9の内金型9aの最下端部近傍に配設されている。
【0018】
なお、マーク検出用のセンサーについては、LED発光タイプのカラーマークセンサーに限られるものではないが、LED発光タイプのカラーマークセンサーを採用することにより、検出するマークの反射光の色成分を赤,緑,青に分解し、且つ、反射受光量の差でもマークを判別することができる。
【0019】
メインターレット4の上方には、基台7から固定的に立設されたアッパーフレーム15が、その中心部にメインシャフト8を回転自在に貫通させた状態で設置されており、アッパーフレーム15の周壁の内側には、カラーマークセンサー14の検出結果に基づいてACサーボモーター13の回転駆動を制御するためのコントロールボックス16が、防振動ゴム17を介してメインシャフト8に一体的に設置されていて、コントロールボックス16の中央部空間内のメインシャフト8の上端部には、回転側(メインシャフト8)にあるコントロールボックス16と固定側にある電源とを接続するためのスリップリング17が取り付けられている。
【0020】
アッパーフレーム15の周壁外面には、アッパーチャックスライドカム18が固着されており、各マンドレル9毎に配設される各アッパーチャック11は、それぞれのアッパーチャックスライドホルダー19により水平方向で回転自在に支持されていて、各アッパーチャックスライドホルダー19は、何れも、マンドレル9の近傍でメインターレット4上に立設されたガイドロッド20に上下動可能に嵌挿され、且つ、アッパーフレーム15に固着されたアッパーチャックスライドカム18のカム溝18aとローラー19aを介して係合している。
【0021】
上記のような構造を備えた缶胴のエンボス加工装置1の作動状態について説明すると、メインターレット4の各ポケット4aに回転可能に支持されたマンドレル9は、その下部のギア部分9bが基台7上に固設されたインナーギア10と噛合していることで、メインターレット4の回転によって円周方向に移動しながらメインターレット4と同期的に自転しており、前工程からコンベアにより連続的に搬送されてきた各缶(缶胴の外面に印刷デザインが施された製造途中の缶体)は、缶胴の印刷デザインの位置がランダムな状態のままで、インフィードターレット3を介して、回転しているメインターレット4の各ポケット4aに送り込まれる。
【0022】
すなわち、インフィードターレット3とメインターレット4が上下に重なった受け渡し位置において、上方に位置するインフィードターレット3からアッパーチャック11により吸着された缶2は、図5に示すような状態からアッパーチャック11が下降することにより下方にスライドされて、アッパーチャック11の下方に位置するマンドレル9に上方から嵌挿される。
【0023】
なお、アッパーチャック11を支持しているアッパーチャックスライドホルダー19が、メインターレット4の回転に連れ、アッパーフレーム15に固着されたアッパーチャックスライドカム18のカム溝18aに案内されて、メインターレット4上に立設されたガイドロッド20に沿って上下方向に移動するようになっていることで、マンドレル9の上方にあるアッパーチャック11は、メインターレット4の回転による移動に連れて所定の位置でマンドレル9に対して上昇したり下降したりするようになっている。
【0024】
印刷デザインの位置がランダムな状態でマンドレル9の内金型9aの部分に上方から嵌挿された缶2は、図6に示すように、アッパーチャック11とスピニングチャック12により挟持された状態で、僅かな間隔を持って内金型9aを囲むように保持されており、ACサーボモーター13の回転にギアを介して連動するスピニングチャック12が回転することで、インナーギア10との噛合によりメインターレット4の回転と同期的に自転しているマンドレル9(内金型9a)の回転に対して、その回転とは関係なくスピニングチャック12の回転に連れて回転させられる。
【0025】
スピニングチャック12により回転されている缶2は、メインターレット4の回転により円周方向に移動しながら、エンボス加工部(外金型)5に至るまでの搬送経路(位置合わせ調整範囲)において、缶胴に施された位置決め用のマークをカラーマークセンサー14により検出し、その検出結果に基づくコントロールボックス16からの指令によりACサーボモーター13の回転を停止してサーボロックすることで、スピニングチャック12の回転を停止固定することにより、缶胴の印刷デザインの位置合わせが行なわれる。
【0026】
スピニングチャック12の回転停止により缶胴の印刷デザインの位置合わせを完了させた缶2は、サーボロックされたままでエンボス加工部5に送り込まれ、図7に示すように、マンドレルの内金型9aとエンボス加工部5の外金型5aとにより缶2の缶胴が挟み込まれた状態で、マンドレル9の回転と共にエンボス加工部5の外金型5aに合わせて缶2が回転することによって、その缶胴にエンボス加工が施される。そして、エンボス加工終了時に(エンボス加工範囲の最後で)ACサーボモーター13のサーボロックが解除されてスピニングチャック12の回転がフリーとなる。
【0027】
エンボス加工部5の箇所を通過して缶胴にエンボス加工が施された缶2は、ディスチャージターレット6とメインターレット4が上下に重なった受け渡し位置において、缶2を吸着しているアッパーチャック11が、アッパーチャックスライドカム18のカム溝18aに案内されて上昇することにより、上方にスライドされてマンドレル9から上方に引き抜かれ、ディスチャージターレット6に受け渡されて後工程に送り出される。
【0028】
上記のような本実施形態の缶胴のエンボス加工装置1によれば、メインターレット4に設置されているACサーボモーター13やカラーマークセンサー14に対して、カラーマークセンサー14の検出結果に基づいてACサーボモーター13の回転駆動を制御するための制御部であるコントロールボックス16が、メインターレット4の回転駆動軸であるメインシャフト8に一体的に設置されていることにより、固定側と回転側の電気配線を接続するためのスリップリング17をコンパクトなものとすることができる。
【0029】
すなわち、図9(B)に示すように、回転側(メインターレット)に設置されたカラーマークセンサーやACサーボモーターと接続する制御部が、回転側(メインシャフトやメインターレット)ではなく、制御盤として固定的に設置されている場合には、固定側と回転側の電気配線を接続するためのスリップリングの部分でカラーマークセンサーやACサーボモーターと制御盤ととを結ぶ多くの配線(複数のポケットの全てについて)を接続させることが必要となるため、スリップリングが複雑で大きなものとなる。
【0030】
これに対して、図9(A)に示すように、回転側(メインターレット)に設置されたカラーマークセンサーやACサーボモーターと接続する制御部が、コントロールボックスとして回転側(メインターレットの回転軸)に設置されている場合には、スリップリングの部分では、コントロールボックスと電源を結ぶ配線を接続させるだけで済むため、スリップリングを簡単でコンパクトなものとすることができる。
【0031】
なお、回転側と固定側の配線を電気的に接続させる場合、1)無線を用いる、2)水銀方式のスリップリングを用いる、3)接触方式のスリップリングを用いる等の方法が考えられ、1)では、スリップリングを必要としないもののmsec単位の信号の授受には不適であり、また、ノイズの影響を受け易い。2)では、水銀を使用しているため、ノイズの発生が少なく、パルス信号の接続には適する。3)では、接触式のため、信号線にノイズが発生する可能性があり、パルス信号の接続には不適である。
【0032】
上記のような各方法の長短から見ると、本実施形態の缶胴のエンボス加工装置1において、回転側と固定側を電気的に接続させる場合には、水銀方式のスリップリングを採用したいところではあるが、食品メーカー向けの容器(缶詰用の缶)の製造に当たっては、水銀を含む製品の使用は極力避ける必要があり、そのため接触方式のスリップリングを採用せざるを得ない。
【0033】
その場合に、スリップリングでの接続点数を多くすると、スリップリングの外形が回転軸方向で長くなり(長くするにも限度がある)、ノイズが発生する可能性が高くなることから、既に述べたようにコントロールボックスを回転側に配置してスリップリングでの接続点数を少なくすることは、スリップリングをコンパクトにしたりノイズの発生を抑えるという点から有効なものとなる。
【0034】
さて、以上に説明したような缶胴のエンボス加工装置1を使用して実施される本発明の缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法について、その実施形態を以下に説明する。
【0035】
上記のようなエンボス加工装置1により缶2の缶胴に施された位置決め用のマークをカラーマークセンサー14により検出してACサーボモーター13の回転駆動を制御することでスピニングチャック12の回転を停止させて缶胴の印刷デザインを位置合わせするに際して、本実施形態の位置合わせ方法では、図8に示すように、缶胴に施される位置決め用のマークとして、缶胴の円周方向に適当な間隔をおいて大きいマークLと小さいマークSをそれぞれ設けている。
【0036】
すなわち、具体的には、位置決め用のマークとして、缶2の缶胴外面の下端部近傍に、幅(缶胴の高さ方向の長さ)が同じ(2.5mm)で長さ(缶胴の円周方向の長さ)が異なる大小のマークL,S(Lが7mm、Sが0.75mm)を、缶胴の円周方向に間隔(10.5mm)を置いて設けている。
【0037】
そして、先ず、ACサーボモーター13によりスピニングチャック12を高速回転させることで缶2を缶胴の円周方向に高速(160rpm)で回転させて、缶胴に施された大きい方のマークLをカラーマークセンサー14により検出し、その検出に応じたコントロールボックス16からの指令によりACサーボモーター13の回転速度を落とすように制御することで、スピニングチャック12の回転による缶2の回転速度を低速(6.4rpm)にしている。
【0038】
次いで、低速(6.4rpm)で回転する缶2の缶胴に施された小さい方のマークSをカラーマークセンサー14により検出し、その検出に応じたコントロールボックス16からの指令によりACサーボモーター13の回転を停止してサーボロックするように制御することで、スピニングチャック12の回転を停止固定して、缶2の印刷デザインの位置合わせを完了する。
【0039】
上記のような本実施形態の缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法によれば、最終的には低速で回転する缶2の小さいマークSをカラーマークセンサー14で検出することで印刷デザインの位置合わせを完了させるため、細かく精度の高い状態で位置合わせすることができると共に、位置合わせの開始から大きいマークLをカラーマークセンサー14で検出するまで(即ち、小さいマークSがカラーマークセンサー14の検出位置に近づくまで)は缶2を高速で回転させているため、最初から缶2を低速で回転させて小さいマークSだけを検出する場合と比べて、小さいマークSを検出して位置合わせを完了させるまでに要する時間を短縮することができる。
【0040】
なお、上記のような位置合わせ方法では、カラーマークセンサー14の感度調整不足や、缶2の回転速度調整不備(速すぎる場合)や、或いは、位置決め用マーク(L,S)の印刷不良等のために、装置1の位置合わせ調整範囲内で位置合わせが完了しなかった時には、印刷デザインとエンボス加工の位置が合わない不良缶となってしまう可能性がある。
【0041】
そこで、本実施形態では、各ポケット4a毎に、エンボス加工の直前で缶2の回転が完全に停止しているかどうか(位置合わせが完了したかどうか)を検知して、回転が停止しなかったポケットの缶については、ディスチャージターレット6を出た所で位置合わせ不良品としてその缶をリジェクト(排除)するようにしており、それによって、印刷デザインとエンボス加工の位置合わせが不良の缶がその後の製造工程に混入することを確実に防止することができる。
【0042】
また、既に説明したエンボス加工装置1ではコントロールボックス16をメインシャフト8に一体的に設置していることと関連して、回転体(メインシャフト8)に付設するコントロールボックス16をよりコンパクトなものとするために、本実施形態では、上記のような位置合わせ方法において、コントロールボックス16での制御を、コントロールボックス16内に納める制御回路をできるだけ簡素化できるようなものとしている。
【0043】
すなわち、印刷デザイン位置合わせのためのコントロールボックス16での制御について、各ポケットのACサーボモータ13を位置決めモードで使用つつも、図10(B)に示すような、各ACサーボモータのドライバー毎に位置決めユニットを設けてそれぞれでパルス量を制御するような位置決め制御を行なわずに、図10(A)に示すように、各ACサーボモータのドライバーに共通の2種類の指令パルス信号(高速パルス・低速パルス)を与えて高速と低速を切り替える速度制御で位置決めを行っている。
【0044】
それによって、図10(B)に示したようなものと比べて位置決めの精度は若干劣るものの、各ACサーボモータのドライバー毎に位置決めユニットを設ける必要がなくなることから、コントロールボックス16内に納める制御回路を簡素化することができてコントロールボックス16自体をコンパクトなものとすることができ、それによって、装置全体をコンパクトにできると共に、装置の回転体(メインシャフト8)を駆動するための負担を軽減することができる。
【0045】
以上、缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法および装置の一実施形態について説明したが、本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の位置合わせ方法については、例えば、缶胴に施される位置決め用のマークとして、上記の実施形態に示したような位置決め専用のマークではなく、缶胴に施された文字や模様のデザインの一部を位置決め用のマークとして利用することにより実施することも可能であり、また、上記の実施形態に示したようなエンボス加工の場合に限らず、缶胴の印刷デザインに合わせて行なう他の加工の場合についても適用可能なものである等、適宜変更可能なものである。
【0046】
また、本発明の位置合わせ方法を実施するための装置についても、例えば、上記の実施形態に示したようなエンボス加工装置に限らず、缶胴の印刷デザインに合わせて加工を行なうための他の装置についても適用可能なものであり、また、使用されるセンサーやサーボモーターについても、カラーマークセンサーやACサーボモーターに限らず、他のセンサーやサーボモーターを使用することにより実施することも可能である等、その具体的な構造について適宜設計変更可能なものであることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法によれば、連続的に製造される2ピース缶や3ピース缶のそれぞれについて、その製造工程の途中で缶胴の外面に予め施された印刷デザインに合わせて缶胴の加工(エンボス加工等)を行なう場合に、加工に先立つ印刷デザインの位置合わせを迅速に且つ高い精度で行なうことができる。
また、そのような方法を実施するための本発明の装置については、位置合わせを制御するためのコントロールボックスを、センサーやサーボモーターが設置されているメインターレットの回転と一体的に回転するように設置していることで、装置の回転側と固定側の電気配線を接続するスリップリングでの接続点数を少なくすることができて、その結果、スリップリングをコンパクトなものとすることができ、また、スリップリングでのノイズの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法を実施するための装置について、その一実施形態である缶胴のエンボス加工装置の全体の外観を概略的に示す斜視説明図。
【図2】図1に示したエンボス加工装置における缶の搬送経路を示す上面説明図。
【図3】図1に示したエンボス加工装置の全体の構造を示す断面説明図。
【図4】図3に示したエンボス加工装置の構造の一部(メインターレットの一つのポケットについての部分)を示す部分断面側面図。
【図5】図1に示したエンボス加工装置において、アッパーチャックにより缶を吸着してマンドレルに上方から嵌挿する前の状態を示す断面図。
【図6】図1に示したエンボス加工装置において、缶をマンドレルに嵌挿してアッパーチャックとスピニングチャックにより挟持した状態を示す断面図。
【図7】図1に示したエンボス加工装置において、マンドレルの内金型とエンボス加工部の外金型とにより缶胴にエンボス加工を行なうときの状態を示す上面図。
【図8】図1に示したエンボス加工装置において、本発明の印刷デザイン位置合わせ方法を実施するために、スピニングチャックにより缶を回転させながらセンサーにより位置決め用マークを検出している状態を示す側面図。
【図9】図1に示すようなエンボス加工装置において、(A)制御部をコントロールボックスとして回転側に設置した場合と、(B)制御部を制御盤として固定側に設置した場合とのそれぞれについて、各配線の接続状態を示すブロック説明図。
【図10】図9(A)に示すコントロールボックスでの制御を、(A)各ACサーボモータのドライバーに共通の2種類の指令パルス信号を与えて高速と低速を切り替えるような速度制御にした場合と、(B)各ACサーボモータのドライバー毎に位置決めユニットを設けてそれぞれでパルス量を制御するような位置決め制御にした場合とのそれぞれについて示すブロック説明図。
【符号の説明】
1 缶胴のエンボス加工装置
2 缶
4 メインターレット
4a (メインターレットの)ポケット
12 スピニングチャック
14 カラーマークセンサー(センサー)
13 サーボモーター
16 コントロールボックス
L (位置決め用の)大きいマーク
S (位置決め用の)小さいマーク
Claims (3)
- 缶胴の外面に予め施された印刷デザインに合わせて缶胴を加工する前に、印刷デザインの位置がランダムな状態で連続的に搬送されている缶のそれぞれについて、先ず缶胴の円周方向に高速で回転させて、缶胴に施された大きいマークをセンサーにより検出した時点で缶の回転速度を低速に落としてから、次いで缶胴に施された小さいマークをセンサーにより検出した時点で缶の回転を停止させることによって、印刷デザインの位置合わせを行なうようにしたことを特徴とする缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法。
- 印刷デザインに合わせた缶胴の加工が、印刷デザインに合わせて缶胴に凹凸を付与するエンボス加工であることを特徴とする請求項1に記載の缶胴の印刷デザイン位置合わせ方法。
- 複数のポケットにより円周方向に間隔を置いて缶を連続的に搬送するためのメインターレットに対して、その搬送経路の途中に缶胴を加工するための装置が配設され、メインターレットの各ポケット毎に、缶胴の円周方向に缶を回転させるためのサーボモーターと、缶胴に施された大きいマークと小さいマークを判別して検出するためのセンサーとがそれぞれ設置されている、請求項1又は2に記載の方法を実施するための装置において、センサーによる大きいマークの検出に基づいてサーボモーターの回転を高速から低速に、また、センサーによる小さいマークの検出に基づいてサーボモーターの回転を停止するようにサーボモーターの回転駆動を制御するためのコントロールボックスが、メインターレットの回転と一体的に回転するように設置されていることを特徴とする缶胴の印刷デザイン位置合わせ装置。
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