JP3900197B2 - 印画方法及びプリンタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は印画方法及びプリンタ装置に関し、詳しくは、従来のインクの色数に加え色空間上で位相の異なるインクを加えることにより、色再現範囲を広くすることが可能な印画方法及びプリンタ装置に関するものである。
近年、特にオフィス等においてデスクトップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近では文字や図形だけでなく、写真のようなカラーの自然画像やコンピュータグラフィックスを文字,図形とともに出力するといった要求も増加してきている。このため、高品位な自然画像やコンピュータグラフィックスをプリントすることが要求され、その際モニターの色をそのまま印画したいという要求が高まっている。
この要求に対して、例えば従来のプリンタ装置として、濃度の薄い(以下、低濃度という。)シアン及び濃度の濃い(以下、高濃度という。)シアン、低濃度マゼンタ及び高濃度マゼンタ、及び高濃度イエロー(比視感度が低いためイエローに関しては低濃度インクを省くことができる。)のインクを用いたものにおいては、階調表現をする場合に、同じ色(色相)の高濃度インクと低濃度インクとを用いて重ね打ちを行っていた。すなわち、従来のプリンタ装置では、図11に示すように、例えばシアンの階調表現については、低濃度のシアンのインクC’及び高濃度のシアンのインクCを用い、これらの吐出量,吐出比等を調整することによって行っていた。なお、ここでは、図11左側のインクC’を1滴吐出した場合が最も階調が低い状態を表し、図11右側のインクC’を4滴及びインクCを3滴吐出した場合が最も階調が高い状態を表している。
特開平7−125262号公報 特開平2−238990号公報 特開平6−246909号公報 特開平3−84567号公報
しかしながら、従来のプリンタ装置では、上述のように同じ色の低濃度インクと高濃度インクを用いて重ね打ちをすることにより階調表現は出来るものの、インクの持つ色域の狭さから色再現範囲が広がらないという問題点があった。例えば、上述した低濃度シアン及び高濃度シアン、低濃度マゼンタ及び高濃度マゼンタ、及び高濃度イエローのインクを用いた従来のプリンタ装置は、これら各インクを組み合わせて重ね打ちした場合であっても、図12にL表色系色度図で示すように、モニターで表現出来る色再現範囲をカバーしきれないという問題点があった。このため、従来のプリンタ装置では、モニターの色をそのまま印画するという要求に応えることができず、高品位な自然画像やコンピュータグラフィックスをプリントアウトした場合に満足な結果が得られなかった。
そこで本発明は、上述した従来の実情に鑑みて提案されたものであり、階調表現による色再現域を広げることによりモニターで表示される色を鮮明にプリントアウトできる印画方法及びプリンタ装置を提供することを目的とする。
本発明は、カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちすることで階調表現を行う印画方法において、低濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを用い、上記低濃度インクよりも高濃度な高濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上用い、所定の閾値を基準値として上記基準値に対し低階調側は、上記低濃度インクで表現し、上記基準値に対し高階調側は、上記低濃度インクに上記高濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより表現することで、全階調領域の色表現を行うことを特徴とする。
また、本発明は、カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちすることで階調表現を行う印画方法において、高濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを用い、低濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上用い、所定の閾値を基準値として上記基準値に対し高階調側は、上記高濃度インクで表現し、上記基準値に対し低階調側は、上記高濃度インクに上記低濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより表現することで、全階調領域の色表現を行うことを特徴とする。
また、本発明は、カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちをすることで階調表現を行うプリンタ装置において、印画データを入力する信号入力部と、低濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを有し、上記低濃度インクよりも高濃度な高濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上有し、上記信号入力部に入力された上記印画データが、所定の閾値を基準に低階調側にある場合、上記低濃度インクを用いて階調表現を行い、上記印画データが、上記所定の閾値を基準に高階調側にある場合、上記低濃度インクに加え、上記高濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより階調表現を行うことで、全階調領域の色表現を行うことを特徴とする。
さらに、本発明は、カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちをすることで階調表現を行うプリンタ装置において、印画データを入力する信号入力部と、高濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを有し、上記高濃度インクよりも低濃度な低濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上有し、上記信号入力部に入力された上記印画データが、所定の閾値を基準に高階調側にある場合、上記高濃度インクを用いて階調表現を行い、上記印画データが、上記所定の閾値を基準に低階調側にある場合、上記高濃度インクに加え、上記低濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより階調表現を行うことで、全階調領域の色表現を行うことを特徴とする。
本発明では、カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちすることで階調表現を行うにあたり、低濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを用い、上記低濃度インクよりも高濃度な高濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上用い、所定の閾値を基準値として上記基準値に対し低階調側は、上記低濃度インクで表現し、上記基準値に対し高階調側は、上記低濃度インクに上記高濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより表現することで、全階調領域の色表現を行い、表現できる色空間を広げることができる。
また、本発明では、カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちすることで階調表現を行うにあたり、高濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを用い、上記高濃度インクよりも低濃度な低濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上用い、所定の閾値を基準値として上記基準値に対し高階調側は、上記高濃度インクで表現し、上記基準値に対し低階調側は、上記高濃度インクに上記低濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより表現することで、全階調領域の色表現を行い、表現できる色空間を広げることができる。
すなわち、本発明によれば、高濃度インクと低濃度インクとを組み合わせて重ね打ちすることにより、階調表現による色再現域が広げられ、モニターで表示される色を鮮明にプリントアウトすることが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本例のプリンタ装置は、いわゆるシリアル型のプリンタ装置であり、図1に示すように、被印刷物であるプリント紙1が支持されるドラム2、このプリント紙1に記録を行うプリントヘッド部3、このプリントヘッド部3を移動させるための図示しないネジ溝が形成された送りネジ5、上記ドラム2を回転させるためのモータ9、上記ドラム2の回転制御や上記ヘッド部3の送り制御及び上記プリント紙1への印字又は印画(以下、単に印画という。)の制御等を行うための制御部20等により構成される。
上記プリント紙1は、ドラム2の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ4により、ドラム2に圧着保持されるようになっている。また、上記ドラム2の外周近傍には、送りネジ5がドラム2の軸方向に平行に設けられている。そして、この送りネジ5には、プリントヘッド部3が保持されている。すなわち、かかるプリントヘッド部3は、送りネジ5の回転によって、図中矢印Mで示すようにドラム2の軸方向に移動するようになっている。なお、プリントヘッド部3のドラム2の軸方向への移動は、送りネジ5の代わりにタイミングベルトとステップモータ等を使用して行ってもよい。
プリントヘッド部3には、この実施の形態では、低濃度インクとしてシアン、マゼンタが、高濃度インクとしてイエロー、グリーン、レッド、ブルーが備えられており、これら各インクを様々な比率で吐出することにより、プリント紙1に文字、図形、及びカラーの自然画像やモニタに表示されたグラフィック画像を印画するようになっている。そして、プリントヘッド部3には、これら各インクをプリント紙1に吐出して印画するための後述する印画ヘッド28が内蔵されている。
一方、ドラム2は、プーリ6、ベルト7、プーリ8を介してモータ9により図中矢印mで示すように回転駆動される。なお、送りネジ5及びモータ9の回転とプリントヘッド部3は、詳細を後述する制御部20からの印画データ及び制御信号に基づいて制御される。これにより、プリンタ装置においては、ヘッドドライブ、ヘッド送り、ドラム回転等の各種制御が実行される。具体的には、プリントヘッド部3が移動して1行分の印画を行うと、ドラム2を1行分だけ回転させて次の印画を行うようになっている。なお、印画するにあたっては、プリントヘッド部3が一方向に移動する場合と往復方向に移動する場合とがある。
このようなプリンタ装置における印画及び制御系のブロック図を図2に示す。上記プリンタ装置は、図2に示すように、信号処理制御回路22、第1のドライバ23、第2のドライバ24、メモリ25、補正回路26、駆動制御部27等を備えた制御部20と、外部ブロックから供給される入力信号を制御部20に供給する信号入力部21と、上記プリントヘッド部3に内蔵された印画ヘッド28とを備えている。
信号処理制御回路22は、各ブロックを制御するためのCPU及びDSP(Digital Signal Processor)等を備えてなり、信号入力部21を介して入力される図示しないパーソナルコンピュータ等の外部ブロックからの入力信号に基づいて作動し、またこの入力信号に所定処理を施すようになっている。この入力信号には、印字データ、印画データ、操作信号及び外部制御信号などが含まれる。
信号処理制御回路22によって処理された入力信号は、駆動制御部27に供給される。駆動制御部27は、この入力信号に基づいて各種制御信号を出力し、図1に示したドラム2及び送りネジ5やタイミングベルトを回転駆動するモータ9の駆動、同期、プリントヘッド部3のヘッドクリーニング、プリント紙1の供給/排出などの制御を行う。
第1のドライバ23及び第2のドライバ24は、印画ヘッド28を駆動するものであり、それぞれ全階調域(低階調部乃至高階調部)の印画及び高階調の印画を受け持つ。
メモリ25は、例えば上記印画ヘッド28の駆動の際に印画の順番等の関係で印画データ等を一時的に記憶させておくためものであり、ラインバッファメモリや1画面メモリなどで構成される。
また、信号処理制御回路22には、図2に示すように、補正回路26が接続されており、この補正回路26により、γ補正、色補正、各ヘッドのばらつき補正などの制御を行う。補正回路26は、予め決められた補正データをROM(read only memory)マップ形式で格納しておき、外部条件、例えばノズル番号、温度、入力信号などに応じてその補正データを取り出すようにするのが一般的である。
次に、上記印画ヘッド28の構成及びその駆動回路を図3に示す。印画ヘッド28には、図3に示すように、全階調域を印画するために設けられた第1の印画駆動素子33と高階調部を印画するために設けられた第2の印画駆動素子34とがそれぞれ複数備えられている。そして、上記第1のドライバ23が上記第1の印画駆動素子33を駆動制御し、第2のドライバ24が第2の印画紙駆動素子34を駆動制御するようになっている。すなわち、この実施の形態においては、各印画駆動素子33,34がいわゆる積層型のものであり、これらの数と同数だけ第1のドライバ23及び第2のドライバ24が設けられている。
これら各ドライバ23,24は、信号処理制御回路22内に設けられたシリアルパラレル変換回路31及びタイミング制御回路32の制御に基づいて、それぞれに対応する第1及び第2の印画駆動素子33,34を駆動制御する。そして、これら各印画駆動素子33,34によってそれぞれ1ドット分の高濃度及び/又は低濃度インクが吐出されるようになっている。
具体的には、このプリンタ装置は、外部ブロックからの上記入力信号が信号入力部21を介して制御部20の信号処理制御回路22に入力され、この信号処理制御回路22において印画データを印画順に揃えてシリアルのデジタル中間調データを生成する。信号処理制御回路22は、生成したデジタル中間調データをシリアルパラレル変換回路31に供給するとともに、印画タイミングになると、タイミング制御回路32に印画トリガを供給する。
シリアルパラレル変換回路31は、入力したシリアルのデジタル中間調データをパラレルデータに変換して、変換後のデジタル中間調データを第1のドライバ23及び第2のドライバ24の各々に供給する。なお、シリアルパラレル変換回路31は、このデジタル中間調データの変換時に、変換したデジタル中間調データが低階調側と高階調側を切り替える所定のしきい値以下の場合は、高階調側を受け持つ第2のドライバ24にはデータを送らないようにする。
タイミング制御回路32は、入力した印画トリガに従い、所定タイミングで第1のドライバ23及び第2ドライバ24の各々を作動させる。これにより、第1のドライバ23及び第2ドライバ24の各々は、対応する各印画駆動素子33,34を駆動制御する。
なお、印画の順序は、印画ヘッド28や印画部の構成で異なり、また印画データの入力順番との関係もあり、必要に応じてメモリ25に一旦記録させてから取り出すようにする。また、マルチヘッドでノズル数が非常に多い場合には、印画ヘッド28にICを搭載してこの印画ヘッド28に接続する配線数を減らすようにすればよい。
次に、図4を参照してこのプリンタ装置による印画方法について説明する。このプリンタ装置において例えばシアンについての階調表現を行う場合は、図4左側に示すように、低濃度のシアンのインクC’で重ね打ちをすることにより低階調部を表現し、図4右側に示すように、これに高濃度のブルーのインクB及び高濃度のグリーンのインクGを加えることによって高階調部を表現する。これにより、従来のプリンタ装置において低濃度のシアンのインクC’及び高濃度のシアンのインクCを用いてシアンについての階調表現を行った図11における場合と同様の効果が得られる。さらに、高階調部の表現においては、高濃度のブルーのインクBと高濃度のグリーンのインクGとの吐出比率を変えることにより、高階調部における色相を微妙に変化させることが可能となり、色再現性が向上する。
なお、図示しないが、マゼンタについての階調表現を行う場合は、同様に低濃度のマゼンタのインクで重ね打ちをすることにより低階調部を表現し、これに高濃度のレッドのインク及び上記ブルーのインクBを加えて高階調部を表現することで、上述の場合と同様の効果が得られる。
さらに、イエローについての階調表現を行う場合は、高濃度のイエローのインクで重ね打ちをすることにより低階調部を表現し、これに高濃度のグリーンのインクG及びレッドのインクを加えることにより高階調部を表現することで、上述の場合と同様の効果が得られる。なお、イエローについては比視感度が低いため、高濃度インクで重ね打ちした場合でも所謂ざらつきなく低階調部を表現できる。
また、ブルーについての階調表現を行う場合は、低濃度のマゼンタのインク及び低濃度のシアンのインクC’を用いて低階調部を表現し、高階調部では高濃度のブルーインクBのみにより或いはこれに低濃度のマゼンタのインク及び上記シアンのインクC’を加えることにより階調を表現する。これにより、高濃度のブルーインクBのみを重ね打ちして低階調部を表現した場合のざらつきの発生を防止することができる。
同様に、グリーンについての階調表現を行う場合は、低濃度のシアンのインクC’及び高濃度のイエローのインクを用いて低階調部を表現し、高階調部では高濃度のグリーンのインクのみにより或いはこれに上記シアンのインクC’及び上記イエローのインクを加えることにより階調を表現すればよい。
また同様に、レッドについての階調表現を行う場合は、高濃度のイエロー色のインク及び低濃度のマゼンタ色のインクを用いて低階調部を表現し、高階調部では高濃度のレッドインクのみにより或いはこれに上記イエロー色及び低濃度のマゼンタ色のインクを加えることにより階調を表現すればよい。
本発明のプリンタ装置では、以上のように色空間において位相の異なるインクを用いて色表現を行うことにより、表現できる色空間が広がることになる。すなわち、低濃度シアン、低濃度マゼンタ、高濃度シアン、高濃度マゼンタ、高濃度イエローを用いた従来のプリンタ装置では、図12に示したように、モニターの色再現域に対して狭い色再現範囲であったが、低濃度シアン、低濃度マゼンタ、高濃度ブルー、高濃度グリーン、高濃度レッド、高濃度イエローを用いた本発明のプリンタ装置により上述のような印画方法を用いれば、図5に示すように、モニターとほぼ同程度の広い色再現域になる。これにより、モニターに表示される高品位な自然画像やコンピュータグラフィック等を鮮明にプリントアウトすることが可能になる。
なお、この実施の形態では、使用するインクを低濃度シアン、低濃度マゼンタ、高濃度ブルー、高濃度グリーン、高濃度レッド、高濃度イエローとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、使用するイエローインクは低濃度のものであってもよい。また、ブルー、グリーン、レッドの各インクについては、図6のL表色系色度図に示すように、それぞれシアン〜マゼンタ間、イエロー〜シアン間、マゼンタ〜イエロー間の位相におけるいずれかの色であればよい。勿論、シアン、マゼンタ、イエローの各インクを、それぞれグリーン〜ブルー間,ブルー〜レッド間、レッド〜グリーン間の位相におけるいずれかの色としても良いことは言うまでもない。
さらに、本発明においては、高濃度インクとしてシアン、マゼンタ、イエローを用い、低濃度インクとしてレッド、グリーン、ブルーを用いても同様の効果が得られる。なお、この場合もシアン、マゼンタ、イエローの各インクについては、それぞれグリーン〜ブルー間、ブルー〜レッド間、レッド〜グリーン間の位相におけるいずれかの色であればよく、上述のようにその逆も同様である。
なお、本発明においては、使用するインクは6種類である必要はなく、少なくとも3種類の高濃度インクとこれら各高濃度インクと色空間において位相の異なる少なくとも一種類の低濃度インクを使用すればよい。以下に示す実験例は、図1乃至図3に示したプリンタ装置において、高濃度インクとしてシアン、マゼンタ、イエローの3種類を用い、低濃度インクとしてレッドのみ、グリーンのみ、ブルーのみを使用した場合、及び低濃度インクとしてレッド、グリーン、ブルーの全てを使用した場合における色再現性を実測したものである。
この実験例では、まず染料としてC.I.アシッドブルー9を使用し、この染料の溶媒としてその成分が、
(1)エチレングリコールモノメチルエーテル 10%
(2)N−メチル−2−ピロリドン 10%
(3)水 残り
によるものを使用して、かかる溶媒に上記染料を種々の割合で溶かしてインクを作り、染料の占める割合(染料%)とOD値との関係を実測した。その結果を図7に示す。
一般に、プリンタ装置においては、OD値が1.6前後の値となるインクが高濃度インクとして用いられ、OD値が0.7前後の値となるインクが低濃度インクとして用いられる。
上記実験の結果、図7に示すように、約0.57染料%の場合にOD値が1.6となり、一方、約0.11染料%の場合にOD値が0.7となった。そして、上記0.57染料%によるインクを高濃度インク、0.11染料%によるインクを低濃度インクとして階調表現の実験を行ったところ、高濃度インクと低濃度インクとの比率が1:2.85の場合にOD値が1.0を示した。また、高濃度インクと低濃度インクとの比率が1:5.18の場合にOD値が0.7を示した。さらに、高濃度インクと低濃度インクとの比率が1:57の場合にOD値が0.2を示した。
図1乃至図3に示したプリンタ装置において、シアン,マゼンタ,イエローの3種類の高濃度インクのみを用いて色再現範囲を実測した結果を図8(A)に示す。また、これに低濃度インクとしてレッドのみを加えて色再現範囲を実測した結果を図8(B)に、低濃度インクとしてグリーンのみを加えて色再現範囲を実測した結果を図8(C)に、低濃度インクとしてブルーのみを加えて色再現範囲を実測した結果を図8(D)にそれぞれ示す。
さらに、低濃度インクとしてレッド、グリーン、ブルーの全てを加えて色再現性を実測した結果を図8(E)に示す。ここで、実線で囲まれた領域がモニターの色再現域であり、斜線で囲まれた領域がプリンタ装置の色再現域である。なお、高濃度インクは上述の0.57染料%のものを、低濃度インクは上述の0.11染料%のものを使用した。
各結果を示した図8から明らかなように、シアン、マゼンタ、イエローの3種類の高濃度インクのみを用いた場合においては、図8(A)に示すように、プリンタ装置の色再現範囲はL表色系色度図における第1象限乃至第4象限のいずれの領域においてもモニターの色再現範囲には及ばなかった。一方、これに低濃度インクとしてレッドを加えると、図8(B)に示すように、L表色系色度図における第1象限の色再現範囲が拡大し、プリンタ装置の色再現範囲がモニターの色再現範囲を大きく超える。また、低濃度インクとしてグリーンを加えると、図8(C)に示すように、L表色系色度図における第2象限の一部及び第3象限の色再現範囲が拡大し、これらの部分でモニターの色再現範囲を超える。さらに、低濃度インクとしてブルーを加えると、図8(D)に示すように、L表色系色度図における第3象限の一部及び第4象限の色再現範囲が拡大し、これらの部分でモニターの色再現範囲を超え或いはそれに近くなる。そして、これらレッド、グリーン、ブルーすべてを加えると、図8(E)に示すように、プリンタ装置の色再現範囲がモニターと同程度の広い色再現範囲になることが明らかとなった。
この実施の形態においては、シリアル型のプリンタ装置の例について述べたが、本発明は、さらにライン型やドラム回転型のプリンタ装置にも適用可能である。 以下、本発明が適用可能なライン型のプリンタ装置の一例を、図9を参照して説明する。なお、図9中においては、図1に示したシリアル型のプリンタ装置との対応部分には同一符号を付して示し、その説明を省略するとともに、制御機構を示す部分の図示を省略する。
このライン型のプリンタ装置は、図示しない多数の印画ヘッドがライン状に配置されてなるラインヘッド90がドラム2の軸方向に固定して設けられている。このライン型のプリンタ装置においては、ラインヘッド90が1行分の印画を同時に行うようになされており、一行分の印画が完了すると図中矢印mで示す方向にドラム2を1行分だけ回転させて次の行の印画を行うようになされている。この場合、全ラインを一括して印画する方法、あるいは複数ブロックに分割して印画する方法、さらには1行おきに交互に印画する方法等があり、いずれの方法を用いてもよい。
次に、本発明が適用可能なドラム回転型プリンタ装置の一例を、図10を参照して説明する。なお、図10中においても、図1に示したシリアル型のプリンタ装置との対応部分には同一符号を付して示し、その節明を省略するとともに、制御機構を示す部分との図示を省略する。
このドラム回転型プリンタ装置においては、ドラム2が回転するとその回転に同期してプリントヘッド部91から高濃度インク及び/又は低濃度インクが吐出され、プリント紙1上に画像が形成される。ドラム2が図中矢印mで示す方向に1回転してプリント紙1上に円周方向に1列の印画が完了すると、送りねじ5が回転してプリントヘッド部91を図中矢印M’で示す方向に1ピッチ分移動させ、次の列の印画を行う。この場合、ドラム2と送りねじ5を同時に回転させ、印画しながらプリントヘッド部91を徐々に移動させることも可能である。
なお、マルチノイズヘッドの場合や同じ場所を何度か印画するような構成の場合は、ドラム2と送りねじ5とを運動して同時に回転させながらスパイラル状の印画を行う。
なお、以上の実施の形態及び実施例では、いわゆるインクジェットプリンターについて本発明を適用した例について説明したが、本発明は、溶融転写プリンター、昇華転写プリンター、電子写真プリンター等のいずれにも適用することが可能である。
また、本発明においては、これまで述べた例を組み合わせて適用することも可能であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは勿論である。
本発明を適用したプリンタ装置の一例を模式的に示す要部概略斜視図である。 同装置の印画及び制御系の構成を示すブロック図である。 同装置の印画ヘッド及びその駆動回路の構成を示すブロック図である。 同装置により高濃度インク及び低濃度インクを用いた階調表現方法を説明するための図である。 同装置によりプリントアウトした場合の色再現域とモニターの色再現域とを比較して表したL表色系色度図である。 同装置において使用されるインクの種類を説明するためのL表色系色度図である。 溶媒に対する染料の占める割合(染料%)とOD値との関係を実測して表した特性図である。 同装置において、高濃度インクとしてシアン、マゼンタ、イエローの3種類を用い、低濃度インクとしてレッドのみ、グリーンのみ、ブルーのみを使用した場合、及び低濃度インクとしてレッド、グリーン、ブルーの全てを使用した場合における色再現性を実測したL表色系色度図である。 本発明を適用したプリンタ装置の他の例を模式的に示す要部概略斜視図である。 本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の例を模式的に示す要部概略斜視図である。 従来のプリンタ装置における階調表現方法を説明するための図である。 従来のプリンタ装置の色再現域とモニターの色再現域とを比較して表したL表色系色度図である。
符号の説明
3 プリントヘッド部、28 印画ヘッド、23 第1のドライバ、24 第2のドライバ、33 第1の印画駆動素子、34 第2の印画駆動素子

Claims (6)

  1. カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちすることで階調表現を行う印画方法において、
    低濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを用い、
    上記低濃度インクよりも高濃度な高濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上用い、
    所定の閾値を基準値として上記基準値に対し低階調側は、上記低濃度インクで表現し、
    上記基準値に対し高階調側は、上記低濃度インクに上記高濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより表現することで、
    全階調領域の色表現を行うことを特徴とする印画方法。
  2. 上記低濃度インクとして少なくともシアン、マゼンタ、イエローのインク、若しくは、レッド、グリーン、ブルーのインクを有することを特徴とする請求項1に記載の印画方法。
  3. カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちすることで階調表現を行う印画方法において、
    高濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを用い、
    上記高濃度インクよりも低濃度な低濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上用い、
    所定の閾値を基準値として上記基準値に対し高階調側は、上記高濃度インクで表現し、
    上記基準値に対し低階調側は、上記高濃度インクに上記低濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより表現することで、
    全階調領域の色表現を行うことを特徴とする印画方法。
  4. カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちをすることで階調表現を行うプリンタ装置において、
    印画データを入力する信号入力部と、
    低濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを有し、
    上記低濃度インクよりも高濃度な高濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上有し、
    上記信号入力部に入力された上記印画データが、所定の閾値を基準に低階調側にある場合、上記低濃度インクを用いて階調表現を行い、
    上記印画データが、上記所定の閾値を基準に高階調側にある場合、上記低濃度インクに加え、上記高濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより階調表現を行うことで、
    全階調領域の色表現を行うことを特徴とするプリンタ装置。
  5. 上記低濃度インクとして少なくともシアン、マゼンタ、イエローのインク、若しくは、レッド、グリーン、ブルーのインクを有することを特徴とする請求項5に記載のプリンタ装置。
  6. カラーインクの色数が濃淡を含め4種類以上のインクを用いて重ね打ちをすることで階調表現を行うプリンタ装置において、
    印画データを入力する信号入力部と、
    高濃度インクとして少なくとも色相の異なる3種類のインクを有し、
    上記高濃度インクよりも低濃度な低濃度インクとして上記各インクと色空間において位相の異なるインクを一つ以上有し、
    上記信号入力部に入力された上記印画データが、所定の閾値を基準に高階調側にある場合、上記高濃度インクを用いて階調表現を行い、
    上記印画データが、上記所定の閾値を基準に低階調側にある場合、上記高濃度インクに加え、上記低濃度インクを組み合わせて重ね打ちすることにより階調表現を行うことで、
    全階調領域の色表現を行うことを特徴とするプリンタ装置。
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