JP3899739B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者のステアリング操作に応じてアクチュエーターにより転舵を行う車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者のステアリング操作力を補助するパワーステアリング装置が知られている(例えば、特開平9−277948号公報参照)。この種の装置では、舵取り機構に機械的に連結されたステアリング軸に、油圧または電動アクチュエーターを連結し、特に大きな操舵力が必要な据え切り時にアクチュエーターにより運転者のステアリング操作力を補助している。
【0003】
また、運転者のステアリング操作に応じてアクチュエーターにより転舵を行う車両用操舵装置が知られている(例えば、特開平10−226352号公報参照)。この種の装置では、ステアリング軸と舵取り機構とが機械的に連結されておらず、ステアリング操作角に応じて転舵用アクチュエーターを制御し、転舵用アクチュエーターにより舵取り機構を駆動して転舵を行っている。なお、操作反力はステアリング軸に連結された反力発生用アクチュエーターにより発生させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した後者の車両用操舵装置では、ステアリング操作角と実際の舵角との関係(以下、操舵ゲインと呼ぶ)を車速などに応じてきめ細かく制御することができるので、車速に応じて操舵ゲインを連続的に変化させ、転舵時のヨーレートを一定にするなどの車両制御を実現することができる。
【0005】
しかしながら、一般の舵取り機構では舵角が大きくなるほど所要転舵トルクが大きくなるので、後者の車両用操舵装置で据え切りを行おうとすると、大きな容量の転舵用アクチュエーターを設置しなければならず、消費エネルギーが増大するとともに、車両重量および設置スペースが増大するという問題がある。
【0006】
また、後者の車両用操舵装置では、転舵用アクチュエーターとその駆動装置に故障が発生した場合には運行を停止しなければならない。
【0007】
本発明の目的は、ステアリング操作角に応じて転舵用アクチュエーターにより舵取り機構を駆動する車両用操舵装置において、転舵用アクチュエーターの小容量化を図り、装置故障時の応急的な操舵を可能にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、運転者が操舵を行うための操作手段と、操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、舵取り機構と操作軸との間に設けられて舵取り機構と操作軸との連結と切り離し(軸連結および軸切り離し)を行う軸断続手段と、転舵駆動手段、反力発生手段および軸断続手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、軸断続手段による軸切り離し時には、舵角検出値が操作角検出値に応じた目標舵角となるように転舵駆動手段を制御するとともに、運転者の前記操作手段の操作に対する操作反力が軸切り離し状態から軸連結状態に至るまで目標操作反力に沿って変化するように、転舵駆動手段と反力発生手段の駆動力を制御する。
(2) 請求項2の車両用操舵装置は、制御手段によって、軸連結した後は反力発生手段の操作反力を0にするようにしたものである。
(3) 請求項3の発明は、運転者が操舵を行うための操作手段と、操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、舵取り機構と操作軸との間に設けられて舵取り機構と操作軸との連結と切り離し(軸連結および軸切り離し)を行う軸断続手段と、転舵駆動手段、反力発生手段および軸断続手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、軸断続手段による軸切り離し時には、舵角検出値が操作角検出値に応じた目標舵角となるように転舵駆動手段を制御し、舵角検出値と目標舵角との偏差が所定値以上の場合に軸断続手段により軸連結を行う。
(4) 請求項4の発明は、運転者が操舵を行うための操作手段と、操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、舵取り機構と操作軸との間に設けられて舵取り機構と操作軸との連結と切り離し(軸連結および軸切り離し)を行う軸断続手段と、転舵駆動手段、反力発生手段および軸断続手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、軸断続手段による軸切り離し時には、舵角検出値が操作角検出値に応じた目標舵角となるように転舵駆動手段を制御し、操作角検出値が据え切り必要トルクが増大する所定の操作角を超える場合に軸断続手段により軸連結を行う。
(5) 請求項5の発明は、運転者が操舵を行うための操作手段と、操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、舵取り機構と操作軸との間に設けられて舵取り機構と操作軸との連結と切り離し(軸連結および軸切り離し)を行う軸断続手段と、転舵駆動手段、反力発生手段および軸断続手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、軸断続手段による軸切り離し時には、舵角検出値が操作角検出値に応じた目標舵角となるように転舵駆動手段を制御するとともに、転舵駆動手段の最大出力を最大舵角まで据え切りを行うために必要な最大転舵力よりも小さい値とする。
(6) 請求項6の発明は、運転者が操舵を行うための操作手段と、操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、舵取り機構と操作軸との間に設けられて舵取り機構と操作軸との連結と切り離し(軸連結および軸切り離し)を行う軸断続手段と、転舵駆動手段、反力発生手段および軸断続手段を制御する制御手段と、走行距離を検出する走行距離検出手段とを備え、制御手段は、軸断続手段による軸切り離し時には、舵角検出値が操作角検出値に応じた目標舵角となるように転舵駆動手段を制御するとともに、車輪を転舵したままで停車している状態から発進する場合に、停車状態からの走行距離検出値が所定値を超えたら軸切り離しを行う。
【0009】
上述した課題を解決するための手段の項では、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、通常走行時には軸を切り離して操舵ゲインを車速に応じて可変する制御などを実現でき、また必要に応じて軸を連結して運転者の操作力を操舵力として用いることができる上に、据え切り時に操作手段を操作しているときに急に”ハンドルが重くなる”ようなことが避けられ、最大舵角まで軽快且つ円滑に操作できる。
(2) 請求項2の発明によれば、据え切り時に操作手段を操作しているときに急に”ハンドルが重くなる”ようなことが避けられ、最大舵角まで軽快且つ円滑に操作できる。
(3) 請求項3の発明によれば、通常走行時には軸を切り離して操舵ゲインを車速に応じて可変する制御などを実現でき、また必要に応じて軸を連結して運転者の操作力を操舵力として用いることができる上に、舵角偏差が所定値を越えるような装置故障時でも運転者による応急的な操舵が可能になり、とりあえず運行を継続することができる。
(4) 請求項4の発明によれば、通常走行時には軸を切り離して操舵ゲインを車速に応じて可変する制御などを実現でき、また必要に応じて軸を連結して運転者の操作力を操舵力として用いることができる上に、大きな操舵力が必要な据え切り時には、運転者のステアリング操作により転舵駆動手段の出力不足分を補助することができ、転舵駆動手段の据え切り転舵時のエネルギー消費を低減できる上に、転舵駆動手段自体が小型軽量になるので設置スペースと車両重量の低減を図ることができる。
(5) 請求項5の発明によれば、通常走行時には軸を切り離して操舵ゲインを車速に応じて可変する制御などを実現でき、また必要に応じて軸を連結して運転者の操作力を操舵力として用いることができる上に、大きな操舵力が必要な据え切り時には、運転者のステアリング操作により転舵駆動手段の出力不足分を補助することができ、転舵駆動手段の据え切り転舵時のエネルギー消費を低減できる上に、転舵駆動手段自体が小型軽量になるので設置スペースと車両重量の低減を図ることができる。
(6) 請求項6の発明によれば、通常走行時には軸を切り離して操舵ゲインを車速に応じて可変する制御などを実現でき、また必要に応じて軸を連結して運転者の操作力を操舵力として用いることができる上に、どのような場合でも一定の操作角で最大舵角が得られ、操作性と安定性を向上させることができる。
(7) 請求項7の発明によれば、通常走行時には軸を切り離して操舵ゲインを車速に応じて可変する制御などを実現でき、また必要に応じて軸を連結して運転者の操作力を操舵力として用いることができる上に、転舵状態で発進したときに、転舵駆動手段のみで転舵可能になると自動的に軸を切り離すことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は一実施の形態の構成を示す。
この一実施の形態では、ラック・ピニオン式の舵取り機構1により車輪2を転舵する例を示す。舵取り機構1のピニオン3が連結される転舵軸4と、ステアリングホイール5が連結されるステアリング軸6との間に電磁クラッチ7を設け、この電磁クラッチ7により転舵軸4とステアリング軸6の連結と切り離し(以下、単に軸連結および軸切り離しと言う)を行う。転舵軸4には、ウォームギア8を介して転舵用モーター9を連結し、この転舵用モーター9により舵取り機構1を駆動して転舵を行う。転舵用モーター9には舵角検出用センサー10を直結し、車輪2の舵角および舵取り機構1のラックストロークを検出する。
【0012】
ステアリング軸6には、ウォームギア11を介して反力発生用モーター12を連結し、この反力発生用モーター12によりステアリング操作に対する反力を発生させる。ステアリング軸6にはまた、バネとダンパーからなる操作抵抗発生装置13が設置されており、ステアリング操作に対して機械的に抵抗力を発生させる。反力発生用モーター12には操作角検出用センサー14を直結し、ステアリングホイール5の操作角を検出する。
【0013】
この実施の形態では、転舵モーター9および舵角検出用センサー10からステアリングホイール5側の機器、すなわち転舵用モーター9、舵角検出用センサー10、電磁クラッチ7、反力発生用モーター12および操作角検出用センサー14を車室内に設置する。これにより、エンジンルーム内にこれらの機器を配置する場合に比べて、エンジンが発する熱の影響を受けることがなく、操舵装置の信頼性を向上させることができる。
【0014】
なお、この実施の形態では転舵用アクチュエーターと反力発生用アクチュエーターに電動モーターを用いた例を示すが、油圧モーターを用いることもできる。また、転舵用モーターおよび反力発生用モーターの種類は特に限定されず、直流モーターや交流モーターを用いることができる。
【0015】
コントローラー15は不図示のマイクロコンピューターとモーター駆動回路などから構成され、後述する操舵制御プログラムを実行して電磁クラッチ7、転舵用モーター9および反力発生用モーター12を制御し、車輪2の転舵を行う。コントローラー15には車速検出用センサー16が接続される。車速検出用センサー16は例えば変速機の出力軸に設けられ、所定の走行距離ごとに車速パルス信号を発生する。コントローラー15は車速検出用センサー16からの車速パルス信号を計数して走行距離を検出するとともに、車速パルス信号のパルス時間間隔および所定時間当たりのパルス数に基づいて車速を検出する。
【0016】
以上の実施の形態の構成において、ステアリングホイール5が操作手段を、操作角検出用センサー14が操作角検出手段を、転舵用モーター9が転舵駆動手段を、舵角検出用センサー10が舵角検出手段を、反力発生用モーター12が反力発生手段を、電磁クラッチ7が軸断続手段を、コントローラー15が制御手段および車両状態判定手段を、車速検出用センサー16が車速検出手段および走行距離検出手段をそれぞれ構成する。
【0017】
この実施の形態では、通常走行時には電磁クラッチ7を開放してステアリング軸6と転舵軸4とを切り離し、転舵用モーター9により舵取り機構1を駆動して車輪2の転舵を行う。一方、据え切り時には電磁クラッチ7を接続してステアリング軸6と転舵軸4とを直結し、転舵用モーター9および反力発生用モーター12の駆動力と、運転者のステアリングホイール5の操作力とにより舵取り機構1を駆動し、車輪2の転舵を行う。
【0018】
上述した従来のパワーステアリング装置では、大きな操舵力が必要な据え切り時に、アクチュエーターの駆動力により運転者のステアリング操作を補助している。これに対しこの実施の形態では、転舵用モーター9の最大出力を、最大舵角まで据え切りを行うために必要な最大転舵力よりも小さい値とし、大きな操舵力が必要な据え切り時には、運転者のステアリング操作により転舵用モーター9の出力不足分を補助する。
【0019】
転舵用モーター9の最大出力を小さくすることにより、転舵用モーター9の据え切り転舵時のエネルギー消費を低減できる上に、モーター自体が小型軽量になるので設置スペースと車両重量の低減を図ることができる。
【0020】
この実施の形態ではまた、通常走行時に実際の舵角が目標舵角から大きく外れた場合には、転舵用モーター9およびコントローラー15を含む操舵装置の故障と判断し、電磁クラッチ7を接続してステアリング軸6と転舵軸4を直結する。これにより、応急的な操舵が可能になり、とりあえず運行を続けることができる。
【0021】
図2は、この実施の形態の操舵装置の車速V[km/h]に対する操舵ゲインGの特性を示す。車速Vが所定値V1以下の場合は、操舵ゲインGを所定値G1一定とする。車速Vが所定値V1を越えたら車速Vの増加に応じて操舵ゲインGを徐々に低減し、車速Vが高くなったら操舵ゲインGを一定にする。車速Vが所定値V1より大きい範囲における操舵ゲインGの低減率は、転舵時のヨーレイトがほぼ一定になるような曲線に沿うものとする。
【0022】
車速Vが所定値V1以下の低車速では、操舵ゲインGに従来の一般的な車両の操舵ゲインよりも大きな値を設定する。例えば、ステアリングホイール5の全操作範囲を1回転以内とし、ステアリングホイール5の操舵中立位置から左右にそれぞれ1/2回転以内で車輪2の舵角が左右でそれぞれ最大となる操舵ゲインとする。これにより、据え切り時にはわずかなステアリング操作角で舵角が大きく変化し、据え切り時にはステアリング5を握り変えることなく最大舵角まで操作することができ、操作性を向上させることができる。
【0023】
通常走行時には電磁クラッチ7を開放してステアリング軸6と転舵軸4を切り離し、車輪2の舵角がステアリング操作角に操舵ゲインGを乗じた目標舵角となるように転舵用モーター9を制御し、転舵用モーター9により舵取り機構1を駆動して車輪2を転舵する。通常走行時には図2に示すように車速Vが高くなるほど操舵ゲインが小さくなるので、高速走行時にはステアリングを大きく操作しても舵角はわずかしか変化せず、繰安性を向上させることができる。
【0024】
据え切り時には電磁クラッチ7を投入してステアリング軸6と転舵軸4を連結するが、このときの操舵ゲインGは図2に示すG2一定とする。この軸連結時の操舵ゲインG2は、従来の一般的な車両の操舵ゲイン程度とする。
【0025】
図3は、舵取り機構1のラックストロークに対する据え切り時に必要なトルクを示す。なお、図3では正のラックストロークに対する正の据え切り必要トルクを示すが、負のラックストロークに対する据え切り必要トルクは極性が負になるだけで同様であり、図示を省略する。
【0026】
舵取り機構1のタイロッドとナックルアーム(不図示)のリンク効率の関係から、ラックストロークが所定値R1を越えると据え切り必要トルクが急に増大し、最大ラックストロークで最大据え切り必要トルクとなる特性がある。この実施の形態では、図3に示すように、転舵用モーター9の最大トルクを最大据え切り必要トルクの半分程度のT1とし、この最大トルクT1で駆動できる最大ラックストロークをR1とする。
【0027】
ここで、転舵用モーター9の最大トルクT1にウォームギア8の減速比で決まるモーター回転速度を乗じたものが、転舵用モーター9の最大出力となるから、出力に換算すると、転舵用モーター9の最大出力は最大舵角まで据え切りを行うために必要な最大転舵力のほぼ半分となる。なお、転舵用モーター9の最大出力は、必ずしも所要最大転舵力の半分とする必要はなく、少なくとも所要最大転舵力よりも小さい値とすればよい。
【0028】
転舵用モーター9の最大出力を所要最大転舵力のほぼ半分としたので、当然、据え切り時には転舵用モーター9でラックストロークR1以上に舵取り機構1を駆動することができなくなる。そこでこの実施の形態では、据え切り時に電磁クラッチ7を接続してステアリング軸6と転舵軸4を連結し、運転者のステアリング操作力により転舵用モーター9の出力不足分を補うことにする。
【0029】
図4は、一実施の形態のステアリング操作角に対するラックストロークを示す。なお、図4では正の操作角に対する正のラックストロークを示すが、負の操作角に対するラックストロークは極性が負になるだけで同様であり、図示を省略する。
【0030】
クラッチ7接続によりステアリング軸6と転舵軸4を連結した場合の操舵ゲインは、クラッチ7開放によりステアリング軸6と転舵軸4を切り離した場合の操舵ゲインに比べて小さいため、軸連結時と軸切り離し時とでステアリング操作角に対するラックストロークが異なり、最大ラックストロークを実現する最大ステアリング操作角も異なる。
【0031】
ステアリングの据え切り操作は車庫入れや駐車時に頻繁に行われ、最大ステアリング操作角まで操作することが多い。このような場合に、最大ステアリング操作角に対する最大ラックストローク、すなわち最大舵角が変化すると、運転者に違和感を与える。そこでこの実施の形態では、最大ステアリング操作角に対する最大ラックストローク、すなわち最大舵角が、軸連結時と軸切り離し時とで同一となるようにする。
【0032】
具体的には、図4に示すように、最大ステアリング操作角で最大ラックストロークの点P1から、ステアリング軸6と転舵軸4の連結時の操舵ゲインG2(図2参照)で決まる傾きの直線(図中の特性2)を引き、転舵用モーター9で駆動可能なラックストロークR1との交点をP2とし、交点P2におけるステアリング操作角をS1とする。そして、この交点P2を電磁クラッチ7の開閉切替点とし、据え切り時にはステアリング操作角S1まで電磁クラッチ7を開放し、ステアリング操作角S1以上で電磁クラッチ7を接続する。
【0033】
軸切り離し時には転舵用モーター9により転舵を行うが、そのときのステアリング操作角に対するラックストロークは図4に示す特性1の曲線に沿って変化させる。この特性1の曲線は、ステアリング操作角が小さい範囲では操作角に対してラックストロークが比例増加するが、操作角がS1に近づくとラックストロークが急に増加する曲線である。
【0034】
したがって、据え切り時にステアリングホイール5を最大操作角まで操作すると、操作角S1付近でラックストロークが急に増加し、操作角S1を越えるとラックストロークが徐々に増加する。つまり、この実施の形態によれば、操作角S1付近で操舵ゲインが急に変化するが、据え切り操舵は車庫入れや駐車時などの停車状態または極低速時に行われるので、途中で操舵ゲインが変わっても運転者にそれほど大きな違和感を与えずにすむと考えられる。むしろ、途中で操舵ゲインを変えることによって、停車状態の据え切り時に途中で軸連結して最大舵角までステアリング操作したときの操作角と、低速走行状態で軸を切り離したまま最大舵角までステアリング操作したときの操作角とを同一にすることができ、どのような場合でも操舵中立位置からステアリングホイール5を左右に約1/2回転すれば左右の最大舵角が得られることになるため、ステアリングの操作性が向上する。
【0035】
図5は、転舵したまま停車している状態から発進したときの転舵に必要なトルクを示す。なお、図5においては正の転舵必要トルクに対する特性を示すが負の転舵必要トルクに対する特性も同様であり、図示を省略する。
【0036】
転舵したまま停車している状態から発進したときの所要転舵トルクは、据え切りでタイヤが変形したことによるトルクと走行中のセルフアライニングトルクとの和になり、停車状態からの走行距離、厳密にはタイヤの転動距離に応じて一般に図5に示す傾向があり、走行距離が長くなるにつれて急激に減少する。
【0037】
最大舵角で停車している状態から発進したときの転舵必要トルクが、転舵用モーター9の最大トルクT1以下になり、転舵用モーター9により転舵が可能になる走行距離をL1とする。この実施の形態では、転舵したまま停車している状態から発進する場合、走行距離がL1になったときに電磁クラッチ7を開放してステアリング軸6と転舵軸4を切り離し、図6に示すように、ステアリング操作角に対するラックストロークが理想特性となるように転舵用モーター9を制御する。なお、図6では正の操作角に対する正のラックストロークを示すが、負の操作角に対するラックストロークも極性が負になるだけで同様であり、図示を省略する。
【0038】
なお、走行距離L1は50mm程度であり、低速の場合には運転者の車両回頭に対する感覚は鈍いこと、また、上述したように据え切りは最大操作角付近での操作が多いことから、操舵ゲインを理想特性のゲインに一致させるように転舵用モーター9で強制的に補正を行っても、運転者に違和感を与えることはないと考えられる。
【0039】
図7は、据え切り時のステアリング操作角に対するステアリングの操作反力の特性を示す。なお、図7では正の操作角に対する正の操作反力を示すが、負の操作角に対する操作反力は極性が負になるだけで同様であり、図示を省略する。
【0040】
ステアリング軸6と転舵軸4の連結、切り離しに拘わらず、ステアリング操作角に対するステアリングの操作反力が図に示す滑らかに変化する目標操作反力となるように、転舵用モーター9および反力発生用モーター12を制御する。
【0041】
ステアリング操作角S1までは、ステアリング軸6と転舵軸4が切り離されているため、操作抵抗発生装置13と反力発生用モーター12により、図7に示す目標操作反力にしたがってステアリング操作角に対する反力を発生させる。
【0042】
一方、軸連結後の操作角S1以上では、タイヤを含む舵取り機構1の抵抗力が図7に示すように急に増加するため、このままではステアリング操作途中で急に”ハンドルが重くなる”というような違和感を与える。そこで、この実施の形態では軸連結後、転舵用モーター9と反力発生用モーター12から目標操作反力と上記抵抗力との差分の駆動力を発生させ、軸連結後もステアリング操作に対する反力を目標操作反力に沿って変化させる。これにより、軸切り離し状態から軸連結状態に至るまで、ステアリング操作に対する反力が目標操作反力に沿って滑らかに変化することになる。
【0043】
なお、ステアリング操作角が所定値S2を越えると、目標操作反力と上記抵抗力との差分が転舵用モーター9の駆動力を越えるので、操作角S2から最大操作角までは反力発生用モーター12からも駆動力を発生させる。換言すれば、反力発生用モーター12から駆動力を発生させる分だけ、さらに転舵用モーター9の出力容量を低減でき、設置スペースと車両重量を軽減できる。
【0044】
図8は、据え切り時のステアリング操作角に対する転舵用モーター9と反力発生用モーター12の駆動トルクの特性を示す。なお、図8では正の操作角に対する駆動トルクと反力トルクを示すが、負の操作角に対する駆動トルクと反力トルクは極性が反対になるだけで同様であり、図示を省略する。
【0045】
ステアリング操作角S1まではステアリング軸6と転舵軸4が切り離されているため、転舵用モーター9から駆動トルクを発生させて舵取り機構1を駆動するとともに、反力発生用モーター12から目標操作反力に相当する反力トルクを発生させる。軸切り離し時は、ステアリング操作角が大きくなるにしたがって転舵用モーター9の駆動トルクが増加し、操作角S1において最大トルクに達する。また、ステアリング操作角が大きくなるにしたがって反力発生用モーター12の反力トルクも増加する。
【0046】
ステアリング操作角がS1からS2までの範囲では、上述したように、転舵用モーター9から舵取り機構1の抵抗力と目標操作反力との差分に相当する駆動トルクを出力させるため、操作角S1においていったん駆動トルクが減少し、その後、上記差分の増加に応じて駆動トルクも増加し、操作角S2において最大トルクに達する。一方、操作反力用モーター12は、操作角S1からS2の範囲では出力トルクを0とする。
【0047】
ステアリング操作角がS2以上では、転舵用モーター9が最大トルクを出力しても、舵取り機構1の抵抗力と目標操作反力との差分を負担しきれないため、反力発生用モーター12からも駆動トルクを出力させ、転舵用モーター9と反力発生用モーター12とで上記差分に相当する駆動トルクを出力する。
【0048】
図9〜図11は操舵制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。コントローラー15のマイクロコンピューターは、イグニッションキースイッチ(不図示)がオンするとこの操舵制御プログラムの実行を開始する。
【0049】
ステップ1において、車速センサー16により車速がほぼ0かどうか、つまり停車状態かどうかを確認する。停車状態の場合はステップ2へ進み、操作角センサー14によりステアリング操作角が−S1以上、+S1以下の範囲にあるか否かを確認する。操作角が−S1以上、+S1以下の範囲にある場合はステップ3へ進み、そうでなければステップ6へ進む。
【0050】
停車状態であって、且つステアリング操作角が−S1以上、+S1以下の場合は、ステップ3で電磁クラッチ7を開放してステアリング軸6と転舵軸4を切り離す。続くステップ4で、ステアリング操作角に応じてラックストロークが図4に示す特性1となるように転舵用モーター9を制御し、転舵用モーター9により舵取り機構1を駆動して転舵を行う。さらにステップ5で、ステアリング操作反力が図7に示す操作角に応じた目標操作反力となるように反力発生用モーター12を制御し、反力発生用モーター12から反力トルクを発生させる。その後、ステップ1へ戻る。
【0051】
停車状態であって、且つステアリング操作角が−S1より小さいか、または+S1より大きい場合は、ステップ6で電磁クラッチ7を接続してステアリング軸6と転舵軸4を連結する。続くステップ7で、転舵用モーター9と反力発生用モーター12を制御し、両モーター9,12から図7に示す舵取り機構1の抵抗力と目標操作反力との差分に相当する駆動力を発生させる。このとき、転舵用モーター9と反力発生用モーター12は図8に示すステアリング操作角に応じた駆動トルクと反力トルクを発生する。その後、ステップ1へ戻る。
【0052】
車速がほぼ0でなく車両が走行状態の場合は、ステップ11において電磁クラッチ7が接続されてステアリング軸6と転舵軸4が連結されているかどうかを確認する。両軸が連結されていればステップ12へ進み、そうでなければステップ21へ進む。
【0053】
車両が走行状態で、且つすでにステアリング軸6と転舵軸4が連結されている場合は、ステップ12で停車状態からの走行距離がL1以内か否かを確認する。なお、車速センサー16は所定の走行距離ごとに車速パルス信号を発生するので、車速パルスをカウントして走行距離を検出する。停車状態からの走行距離がL1以内の場合はステップ7へ進み、そうでなければステップ13へ進む。
【0054】
停車状態からの走行距離がL1以内の場合は、ステップ7で、上述したように、転舵用モーター9と反力発生用モーター12を制御し、両モーター9,12から図7に示す舵取り機構1の抵抗力と目標操作反力との差分に相当する駆動力を発生させる。このとき、転舵用モーター9と反力発生用モーター12は図8に示すステアリング操作角に応じた駆動トルクと反力トルクを発生する。その後、ステップ1へ戻る。
【0055】
一方、停車状態からの走行距離がL1を越える場合は、ステップ13で、転舵用モーター9のみで転舵可能と判断して電磁クラッチ7を開放し、ステアリング軸6と転舵軸4を切り離す。続くステップ14で、ステアリング操作角に応じてラックストロークが図6に示す理想特性となるように転舵用モーター9を制御し、転舵用モーター9により舵取り機構1を駆動して転舵を行う。さらにステップ15で、図7に示すステアリング操作角に応じた目標操作反力となるように反力発生用モーター12を制御し、反力トルクを発生させる。その後、ステップ1へ戻る。
【0056】
車両が走行状態で、且つすでにステアリング軸6と転舵軸4が切り離されている場合には、ステップ21で、ステアリング操作角に図2に示す操舵ゲインを乗じた舵角となるように転舵用モーター9を制御し、転舵用モーター9により舵取り機構1を駆動して転舵を行う。続くステップ22で、ステアリング操作角に応じて図7に示す操作反力となるように反力発生用モーター12を制御し、反力トルクを発生させる。
【0057】
ステップ23で、操作角検出用センサー14により検出されたステアリング操作角に操舵ゲインを乗じた目標舵角と、舵角検出用センサー10により検出された実際の舵角との偏差を求め、舵角偏差が所定値以上か否かを調べる。舵角偏差が所定値以上の場合は操舵装置に何らかの故障があると判断し、ステップ24へ進んで電磁クラッチ7を接続する。すなわち、ステアリング軸6と転舵軸4とを直結して運転者のステアリング操作により直接、操舵を行う。またこのとき、ディスプレイおよびスピーカーにより運転者に操舵装置の故障発生を警告する。一方、舵角偏差が所定値未満の場合はステップ1へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0058】
《発明の一実施の形態の変形例》
上述した一実施の形態では運転者の操作手段にステアリングホイール5を用いた例を示したが、運転者の操作手段にジョイスティックを用いてもよい。
【0059】
図12はジョイスティックを用いた変形例の構成を示す。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
ステアリング軸6にはジョイスティック17が連結され、ジョイスティック17を左右に倒すことにより車輪2を左右に転舵することができる。なお、ジョイスティック17の長さは運転者が操舵可能な長さとする。また、ジョイスティック17の操作可能な範囲は水平面より上で180度以内、すなわちジョイスティック17を垂直にした操舵中立位置に対して±90度以内とする。ジョイスティック17を用いた場合には、反力発生用モーター12と操作角検出用センサー14がステアリング軸6に直結される。
【0060】
ステアリングホイール5の代わりにジョイスティック17を用いても、上述した一実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0061】
《発明の一実施の形態の他の変形例》
転舵用モーターをステアリングラック内に設け、転舵軸の代わりにプッシュ・プルワイヤーを用いた他の変形例を説明する。
【0062】
図13は他の変形例の構成を示す。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
この変形例では、上述した転舵用モーター9と舵角検出用センサー10を舵取り機構18のステアリングラック18a内に設置し、転舵軸4の代わりにプッシュ・プルワイヤー19を用いる。プッシュ・プルワイヤー19は右引き用と左引き用の2本の変形可能な金属製ワイヤーからなり、ワイヤー19の一端を電磁クラッチ7の出力軸に直結された円盤20に接続し、他端をステアリングラック18aに接続する。
【0063】
転舵用モーター9をステアリングラック18a内に設け、転舵軸4の代わりにプッシュ・プルワイヤー19を用いても、上述した一実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。さらにこの変形例では、転舵軸4の代わりに変形可能なプッシュ・プルワイヤー19を用いているので、車室内のレイアウトの自由度を増すことができ、また、ステアリング軸6が舵取り機構18と剛結していないので、衝突時のステアリングの衝撃吸収力を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 車速に対する操舵ゲインを示す図である。
【図3】 ラックストロークに対する据え切り必要トルクを示す図である。
【図4】 据え切り操作時のステアリング操作角に対するラックストロークを示す図である。
【図5】 停車状態からの走行距離に対する転舵必要トルクを示す図である。
【図6】 転舵して停車している状態から発進したときのステアリング操作角に対するラックストロークを示す図である。
【図7】 ステアリング操作角に対するステアリングの操作反力を示す図である。
【図8】 ステアリング操作角に対する転舵用モーターと反力発生用モーターの駆動トルクを示す図である。
【図9】 一実施の形態の操舵制御プログラムを示すフローチャートである。
【図10】 図9に続く、一実施の形態の操舵制御プログラムを示すフローチャートである。
【図11】 図10に続く、一実施の形態の操舵制御プログラムを示すフローチャートである。
【図12】 一実施の形態の変形例の構成を示す図である。
【図13】 一実施の形態の他の変形例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 舵取り機構
2 車輪
3 ピニオン
4 転舵軸
5 ステアリングホイール
6 ステアリング軸
7 電磁クラッチ
8 ウォームギア
9 転舵用モーター
10 舵角検出用センサー
11 ウォームギア
12 反力発生用モーター
13 操作抵抗発生装置
14 操作角検出用センサー
15 コントローラー
16 車速センサー
17 ジョイスティック
18 舵取り機構
18a ステアリングラック
19 プッシュ・プルワイヤー
20 円盤
Claims (6)
- 運転者が操舵を行うための操作手段と、
前記操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、
舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、
車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、
前記操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、
前記舵取り機構と前記操作軸との間に設けられて前記舵取り機構と前記操作軸との連結と切り離し(以下、単に軸連結および軸切り離しと言う)を行う軸断続手段と、
前記転舵駆動手段、前記反力発生手段および前記軸断続手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記軸断続手段による軸切り離し時には、前記舵角検出値が前記操作角検出値に応じた目標舵角となるように前記転舵駆動手段を制御するとともに、運転者の前記操作手段の操作に対する操作反力が軸切り離し状態から軸連結状態に至るまで目標操作反力に沿って変化するように、前記転舵駆動手段と前記反力発生手段の駆動力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記制御手段は、軸連結した後は前記反力発生手段の操作反力を0にすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵を行うための操作手段と、
前記操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、
舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、
車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、
前記操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、
前記舵取り機構と前記操作軸との間に設けられて前記舵取り機構と前記操作軸との連結と切り離し(以下、単に軸連結および軸切り離しと言う)を行う軸断続手段と、
前記転舵駆動手段、前記反力発生手段および前記軸断続手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記軸断続手段による軸切り離し時には、前記舵角検出値が前記操作角検出値に応じた目標舵角となるように前記転舵駆動手段を制御し、前記舵角検出値と前記目標舵角との偏差が所定値以上の場合に前記軸断続手段により軸連結を行うことを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵を行うための操作手段と、
前記操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、
舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、
車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、
前記操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、
前記舵取り機構と前記操作軸との間に設けられて前記舵取り機構と前記操作軸との連結と切り離し(以下、単に軸連結および軸切り離しと言う)を行う軸断続手段と、
前記転舵駆動手段、前記反力発生手段および前記軸断続手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記軸断続手段による軸切り離し時には、前記舵角検出値が前記操作角検出値に応じた目標舵角となるように前記転舵駆動手段を制御し、前記操作角検出値が据え切り必要トルクが増大する所定の操作角を超える場合に前記軸断続手段により軸連結を行うことを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵を行うための操作手段と、
前記操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、
舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、
車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、
前記操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、
前記舵取り機構と前記操作軸との間に設けられて前記舵取り機構と前記操作軸との連結と切り離し(以下、単に軸連結および軸切り離しと言う)を行う軸断続手段と、
前記転舵駆動手段、前記反力発生手段および前記軸断続手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記軸断続手段による軸切り離し時には、前記舵角検出値が前記操作角検出値に応じた目標舵角となるように前記転舵駆動手段を制御するとともに、前記転舵駆動手段の最大出力を最大舵角まで据え切りを行うために必要な最大転舵力よりも小さい値とすることを特徴とする車両用操舵装置。 - 運転者が操舵を行うための操作手段と、
前記操作手段の操作角を検出する操作角検出手段と、
舵取り機構を駆動して車輪を転舵させる転舵駆動手段と、
車輪の舵角を検出する舵角検出手段と、
前記操作手段に連結される操作軸を駆動して操作反力または駆動力を発生する反力発生手段と、
前記舵取り機構と前記操作軸との間に設けられて前記舵取り機構と前記操作軸との連結と切り離し(以下、単に軸連結および軸切り離しと言う)を行う軸断続手段と、
前記転舵駆動手段、前記反力発生手段および前記軸断続手段を制御する制御手段と、
走行距離を検出する走行距離検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記軸断続手段による軸切り離し時には、前記舵角検出値が前記操作角検出値に応じた目標舵角となるように前記転舵駆動手段を制御するとともに、車輪を転舵したままで停車している状態から発進する場合に、停車状態からの前記走行距離検出値が所定値を超えたら軸切り離しを行うことを特徴とする車両用操舵装置。
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