JP3899147B2 - 光学活性化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤として有用なオキサゾリジンジオン誘導体の原料化合物として有用な光学活性化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤として有用なオキサゾリジンジオン誘導体としては、例えばEP-A 710659に記載の化合物が知られている。該化合物のなかでも、とりわけ光学活性体のなかに、優れた活性を有するものがある。
EP-A 710659には、該光学活性体を製造する際に原料化合物として用いられる光学活性化合物の製造法として、例えばパン酵母によるケトンのアルコールへの不斉還元、光学活性−DIOP/〔Rh(COD)Cl2〕2,Ph2SiH2によるケトンのアルコールへの不斉還元、キラル触媒〔(Cinchonidine, Pt-Al2O3)、(Quinidine, Pt-Al2O3)、(Cinchonidine, Pt-Al2O3)、(光学活性-BINAP, RuCl2)等〕を用いる不斉水素添加によるケトンのアルコールへの不斉還元等が挙げられる旨記載されている。しかし、EP-A 710659には、一般的な不斉還元法が列挙されているに過ぎず、具体的な実施例や実施態様の記載はない。
一方、例えば特開昭64-68387、特開平2-191289等には、不斉水素化反応において、ルテニウム−ホスフィン錯体を触媒として用いることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
糖尿病治療剤として有用なオキサゾリジンジオン誘導体の原料化合物として用いられる光学活性化合物を製造するにあたり、高収率かつ高純度で目的物を得ることのでき、工業的な大量生産に有利な製造法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)
【化5】
〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素または複素環基を;Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−(R3は置換されていてもよいC1-4アルキル基を示す)で示される基を;mは0または1を;nは0,1または2を;R1およびR4は同一又は異なって水素原子またはC1-4アルキル基を;Aは2価のC1-7脂肪族炭化水素基を;環Eはさらに1ないし2個の置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。〕で表される化合物を、
一般式(II) 〔RuWMClk〕lXh
〔式中、Wは光学活性三級ホスフィンを;MはZn,Al,TiまたはSnを;XはN(C2H5)3、CH3CO2またはハロゲン原子を示し;
XがN(C2H5)3であるとき、lが2、hが1であり、かつ、MがZnであるときkが4、MがAlであるときkが5、MがTiまたはSnであるときkが6であり;
XがCH3CO2またはハロゲン原子であるとき、lが1、hが2であり、かつ、MがZnであるときkが2、MがAlであるときkが3、MがTiまたはSnであるときkが4である。〕で表される化合物の存在下に、還元反応に付すことを特徴とする一般式(III)
【化6】
〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物の光学活性体の製造法に関する。
【0005】
一般式(I)中、Rで表される置換されていてもよい炭化水素基における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、脂環族−脂肪族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜8のもの、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素基(例、アルキル基等)、およびエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなど炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素基(例、アルケニル基、アルキニル基等)が挙げられる。
該脂環族炭化水素基としては、炭素数3〜7のもの、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7の飽和脂環族炭化水素基(例、シクロアルキル基等)および1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニル、2,4−シクロヘプタジエニルなど炭素数5〜7の不飽和脂環族炭化水素基(例、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基等)が挙げられる。
【0006】
該脂環族−脂肪族炭化水素基としては、上記脂環族炭化水素基と脂肪族炭化水素基とが結合したもの(例、シクロアルキル−アルキル基、シクロアルケニル−アルキル基、シクロアルキニル−アルキル基等)のうち、炭素数4〜9のもの、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シクロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが挙げられる。
該芳香脂肪族炭化水素基としては、炭素数7〜13のもの、例えばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−ナフチルエチルなどが挙げられる。
該芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14のもの、例えばフェニル、ナフチル(α−ナフチル,β−ナフチル)などが挙げられる。
【0007】
一般式(I)中、Rで表される置換されていてもよい複素環基における複素環基としては、例えば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が挙げられ、これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合していてもよい。このような複素環基の具体例としては、例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾ−ル−3−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル、テトラゾ−ル−5−イル、ベンズイミダゾ−ル−2−イル、インド−ル−3−イル、1H−インダゾ−ル−3−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−2−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−6−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−2−イル等が挙げられる。これらの中でもオキサゾリル、チアゾリルおよびトリアゾリルが好ましい。
一般式(I)中、Rは好ましくは置換されていてもよい複素環基である。Rはさらに好ましくは置換されていてもよいオキサゾリル基である。
【0008】
一般式(I)中、Rで表される炭化水素基および複素環基は、それぞれ置換可能な位置に置換基を1〜3個有していてもよい。かかる置換基としては、例えば脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシル基、置換されていてもよいチオール基、エステル化されていてもよいカルボキシル基が挙げられる。
該脂肪族鎖式炭化水素基としては、炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
アルケニル基の好適な例としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
アルキニル基の好適な例としては、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
【0009】
該脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の好適な例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルなどが挙げられる。
シクロアルケニル基の好適な例としては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルカジエニル基の好適な例としては、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
該アリール基としては炭素数6〜14のもの、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0010】
該芳香族複素環基の好適な例としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
【0011】
該非芳香族複素環基の好適な例としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノなどが挙げられる。
該ハロゲン原子の例としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、とりわけフッ素および塩素が好ましい。
該置換されていてもよいアミノ基としては、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基によりモノ−もしくはジ−置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。置換されたアミノ基としては、例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ等が挙げられる。
【0012】
該置換されていてもよいアシル基において、アシル基としては、(i)ホルミルの他、(ii)例えば炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基がカルボニル基と結合したもの(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル、クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等)が挙げられる。置換されたアシルとしては、前記アシル基に例えば炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン(例、塩素,フッ素,臭素など)、ニトロ、ヒドロキシル、アミノなどが置換したものが挙げられる。
【0013】
該置換されていてもよいヒドロキシル基において、置換されたヒドロキシル基としては、例えばアルコキシ、アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキシ、アリールオキシなどが挙げられる。
アルコキシの好適な例としては、炭素数1〜10のもの、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ、t.−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
アルケニルオキシの好適な例としては、炭素数2〜10のもの、例えばアリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメトキシなどが挙げられる。
アラルキルオキシの好適な例としては、炭素数7〜10のもの、例えばベンジルオキシ、フェネチルオキシなどが挙げられる。
アシルオキシの好適な例としては、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシなど)などが挙げられる。
アリールオキシの好適な例としては、炭素数6〜14のもの、例えばフェノキシ、4−クロロフェノキシなどが挙げられる。
【0014】
該置換されていてもよいチオール基としては、例えばアルキルチオ、アラルキルチオ、アシルチオなどが挙げられる。
アルキルチオの好適な例としては、炭素数1〜10のアルキルチオ、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec.−ブチルチオ、t.−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなどが挙げられる。
アラルキルチオの好適な例としては、炭素数7〜10のもの、例えばベンジルチオ、フェネチルチオなどが挙げられる。
アシルチオの好適な例としては、炭素数2〜4のアルカノイルチオ、例えばアセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオなどが挙げられる。
【0015】
該エステル化されていてもよいカルボキシル基において、エステル化されたカルボキシル基としては、例えば炭素数2〜5のアルコキシカルボニル(例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニルなど),炭素数8〜10のアラルキルオキシカルボニル(例えばベンジルオキシカルボニルなど),炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル(例えばフェノキシカルボニル,p−トリールオキシカルボニルなど)などが挙げられる。
Rで示される炭化水素基上および複素環基上の置換基の中でもフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、C1-3アルキルが特に好ましい。
【0016】
一般式(I)中、Rで表される炭化水素基および複素環基上の置換基は、それらが脂環式炭化水素基,アリール基,芳香族複素環基,非芳香族複素環基であるときはさらにそれぞれ適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、該置換基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基(例、フェニル,ナフチルなど)、芳香族複素環基(例、チエニル,フリル,ピリジル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル,モルホリノ,ピペリジノ,ピロリジノ,ピペラジノなど)、炭素数7〜9のアラルキル基、アミノ基、N−モノ(C1-4)アルキルアミノ基、N,N−ジ(C1-4)アルキルアミノ基、炭素数2〜8のアシルアミノ基(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ベンゾイルアミノなど)、アミジノ基、炭素数2〜8のアシル基、カルバモイル基、N−モノ(C1-4)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1-4)アルキルカルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ(C1-4)アルキルスルファモイル基、N,N−ジ(C1-4)アルキルスルファモイル基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基(例、フェニルオキシ,ナフチルオキシなど)、メルカプト基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数7〜9のアラルキルチオ基、炭素数6〜14のアリールチオ基(例、フェニルチオ,ナフチルチオなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)などが挙げられる。
一般式(I)中、Rはさらに好ましくはフェニル、ナフチル、フリル、チエニルまたはC1-3アルキル基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいオキサゾリル,チアゾリルまたはトリアゾリル基である。
一般式(I)中、Rは特に好ましくはフェニル、ナフチル、フリル、チエニルまたはC1-3アルキル基で置換されていてもよいオキサゾリル基である。
【0017】
一般式(I)中、R1またはR4で示されるC1-4アルキル基としては、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec.−ブチル,t.−ブチルが挙げられる。
R1としては水素原子が好ましい。R4としては、C1-4アルキル基が好ましい。
mは0または1を示すが0が好ましい。nは0,1または2を示すが0または1が好ましく0が最も好ましい。
Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−を示すが、−CH(OH)−または−NR3−が好ましい。R3で示される置換されていてもよいC1-4アルキル基において、C1-4アルキル基としては、前記したR1またはR4で示されるC1-4アルキル基と同様のものが用いられる。また、その置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),炭素数1〜4のアルコキシ基(例えばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,sec.−ブトキシ,t.−ブトキシなど),ヒドロキシル基,ニトロ基,炭素数1〜4のアシル基(例えばホルミル,アセチル,プロピオニルなど)などが挙げられる。
【0018】
Aで示される2価のC1-7脂肪族炭化水素基は直鎖状、分枝状のいずれでもよく、また飽和不飽和のいずれでもよい。その具体例としては、例えば−CH2−,−CH(CH3)−,−(CH2)2−,−CH(C2H5)−,−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−,−(CH2)6−,−(CH2)7−の飽和のもの、例えば−CH=CH−,−C(CH3)=CH−,−CH=CH−CH2−,−C(C2H5)=CH−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH=CH−CH2−などの不飽和のものが挙げられる。なかでも炭素数1〜4の飽和のものが好ましく、−CH2−または−(CH2)2−がさらに好ましい。Aは特に好ましくは−(CH2)2−である。
【0019】
一般式(I)中、環Eは置換可能な任意の位置に1ないし2個の置換基を有する。このような置換基としては、アルキル基、置換されていてもよいヒドロキシル基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,ニトロ基および置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。これらは、いずれもRで示される炭化水素基および複素環基の置換基として述べたものと同様のものが用いられる。
環Eすなわち部分構造式
【化7】
〔式中、R2は置換されていてもよいヒドロキシル基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,ニトロ基または置換されていてもよいアミノ基を示す。〕を示す。
R2で示される置換されていてもよいヒドロキシル基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,および置換されていてもよいアミノ基としては、いずれもRで示される炭化水素基および複素環基の置換基として述べたものと同様のものが挙げられる。R2は、好ましくは置換されていてもよいヒドロキシル基またはハロゲン原子である。R2は、さらに好ましくは置換されていてもよいヒドロキシル基であり、特に好ましくはC1-4アルコキシ基である。
【0020】
一般式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と略記する)の好ましい例としては、例えば、Rがフェニル,ナフチル,フリル,チエニルまたはC1-3アルキルで置換されていてもよいオキサゾリル基;mが0;nが0または1;R1が水素原子;環Eすなわち部分構造式
【化8】
かつR2がC1-4アルコキシ基;Aが−(CH2)2−である化合物が挙げられる。
【0021】
化合物(I)の好ましい具体例としては、例えば5-[4-[2-(2-フリル)-5-メチル-4-オキサゾリルメトキシ]-3-メトキシフェニル]-2-オキソペンタン酸エチルエステルが挙げられる。
一般式(I)で表される化合物は、EP-A 612743およびEP-A 710659に記載の方法により製造することができる。
【0022】
本発明の製造法において、化合物(I)を、化合物(II)の存在下に、還元反応に付すことにより、化合物(III)が製造される。
一般式(II)において、Wで示される光学活性三級ホスフィンとしては、一般式(IV)
【化9】
〔式中、環Gは水素化されていてもよいベンゼン環を、R5,R6およびR7は同一または異なって水素原子またはC1-4アルキル基を示す。〕で表される化合物の光学活性体が挙げられる。
R5,R6およびR7で示されるC1-4アルキル基としては、前記したR1またはR4で示されるC1-4アルキル基と同様のものが用いられる。
【0023】
一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-(p-トリル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル等が挙げられる。
一般式(IV)で表される化合物は、特に好ましくは環Gがベンゼン環であり、R5,R6およびR7が水素原子である化合物、すなわち2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルである。
光学活性三級ホスフィンには、(R)および(S)の光学異性体が存在するが、目的とする化合物の絶対配置により適宜選択することができる。すなわち、(R)−体の目的化合物を得たい場合には、(R)の光学活性三級ホスフィンを用い、(S)−体の目的化合物を得たい場合には、(S)の光学活性三級ホスフィンを用いればよい。
一般式(II)において、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、なかでも塩素が好ましい。
【0024】
化合物(II)の好ましい例としては、Wが一般式(IV)で示され、かつ、環Gがベンゼン環であり、R5,R6およびR7が水素原子;MがTi;XがN(C2H5)3または塩素であり;XがN(C2H5)3であるとき、lが2、hが1、kが6であり;Xが塩素であるとき、lが1、hが2、kが4である化合物が挙げられる。
化合物(II)は、特に好ましくはビス[ルテニウム[2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ヘキサクロロチタニウム]トリエチルアミンである。
化合物(II)は、例えば特開昭64-68387、特開平3-255090、特開平4-139140等に記載の方法あるいはこれに準ずる方法により製造することができる。
とりわけ、Xがハロゲン原子である化合物(II)は、
一般式(II') 〔RuX1 p(T)qW〕Zr
〔式中、X1はハロゲン原子を;Tは置換基を有していてもよいベンゼン、またはアセトニトリルを;Wは光学活性三級ホスフィンを;Zはハロゲン原子を示し;Tが置換基を有していてもよいベンゼンであるとき、p,qおよびrが1であり;Tがアセトニトリルであるとき、pが1であるときは、qが2、rが1であり;pが0であるとき、qが4、rが2である。〕で表される化合物とルイス酸とを反応させることにより製造することができる。
【0025】
一般式(II')中、X1またはZで示されるハロゲン原子としては、前記したXで示されるハロゲン原子と同様のものが用いられる。
一般式(II')中、Tで示される置換基を有していてもよいベンゼンにおける置換基としては、例えばC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C2-5アルコキシカルボニルおよびハロゲン原子が挙げられる。ここにおいて、C1-4アルキルとしては、前記したR1またはR4で示されるC1-4アルキル基と同様のものが用いられる。また、C1-4アルコキシおよびハロゲン原子としては、前記したR3における置換基と同様のものが用いられる。さらに、C2-5アルコキシカルボニルとしては、Rの置換基として前述したものと同様のものが用いられる。
Tの好適な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、p−シメン、クメン、安息香酸メチルエステル、メチル安息香酸メチルエステル、クロロ安息香酸メチルエステル、アニソール、メチルアニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、フルオロベンゼン等が挙げられる。
【0026】
化合物(II')の好ましい例としては、Tがベンゼン;Wが一般式(IV)で示され、かつ、環Gがベンゼン環であり、R5,R6およびR7が水素原子;p,qおよびrが1である化合物が挙げられる。
化合物(II')は、特に好ましくはルテニウムクロロベンゼン[2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]クロライドである。
化合物(II')は、例えば特開平2-191289、特開平3-255090、特開平4-139140等に記載の方法あるいはこれに準ずる方法により製造することができる。
【0027】
ルイス酸としては、一般式(II)におけるM(Zn,Al,TiまたはSn)を含むルイス酸、例えば四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等が挙げられる。ルイス酸は、好ましくは四塩化チタンである。
【0028】
化合物(II')とルイス酸との反応は、通常有機溶媒中で行われる。該有機溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的には、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,ジオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン,1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
有機溶媒の使用量は、化合物(II')1重量部に対し、通常1〜1000倍容量、好ましくは3〜500倍容量である。
反応温度は、通常−20〜50℃、好ましくは0〜20℃である。
反応時間は、通常5分〜10時間、好ましくは30分〜5時間である。
ルイス酸の使用量は、化合物(II')に対し、0.1〜5倍モル、好ましくは0.5〜2倍モルである。
このようにして得られる、Xがハロゲン原子である化合物(II)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮などにより精製することができる。
また、化合物(II')およびルイス酸を含む反応液を、化合物(II)として化合物(I)の還元反応に用いてもよい。
【0029】
化合物(II)の使用量は、化合物(I)に対し、1/2〜1/1000倍モル、好ましくは1/10〜1/500倍モルである。
【0030】
還元反応は、自体公知の方法により、通常5〜120kg/cm2、好ましくは30〜110kg/cm2の水素圧下、有機溶媒中で行われる。
該有機溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的には、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等のアルコール類;ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,ジオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル類;クロロホルム,ジクロロメタン,1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;酢酸;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。有機溶媒は、好ましくはアルコール類であり、さらに、化合物(I)におけるR4と同一のアルキル基を有するアルコール類が好ましい。
有機溶媒の使用量は、化合物(I)1重量部に対し、通常1〜1000倍容量、好ましくは3〜500倍容量である。
反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは5〜120℃、さらに好ましくは10〜80℃である。
反応時間は、通常0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間、さらに好ましくは5〜20時間である。
このようにして得られる化合物(III)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0031】
本発明の製造法によれば、血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤として有用なオキサゾリジンジオン誘導体、とりわけ(R)-(+)-5-[3-[4-[2-(2-フリル)-5-メチル-4-オキサゾリルメトキシ]-3-メトキシフェニル]プロピル]-2,4-オキサゾリジンジオンの原料化合物として用いられる光学活性化合物を実質的に純粋に得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
実施例中で使用するエタノールは、マグネシウムエトキシド存在下で、還流後、蒸留し、さらに脱気して用いた。
光学活性体の光学純度は、鏡像体過剰率(%e.e.)で評価した。該鏡像体過剰率は、以下に示す条件下での高速液体クロマトグラフィーを用い、次式により求めた。
鏡像体過剰率(%e.e.)=100×[(R)−(S)]/[(R)+(S)]
[式中、(R)および(S)は、鏡像体の絶対配置、および各鏡像体の高速液体クロマトグラフィーにおける面積を示す]
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム:CHIRALPAK AD(ダイセル化学工業株式会社製)(粒径:10μm; カラム径:4.6mm; カラム長:250mm)
移動層:n-ヘキサン/2-プロパノール=80/20(v/v)
流速:0.5ml/min
温度:35℃
検出:UV254nm
【0033】
【実施例】
実施例1
(R)-5-[4-[2-(2- フリル )-5- メチル -4- オキサゾリルメトキシ ]-3- メトキシフェニル ]-2- ヒドロキシペンタン酸エチルエステル(以下、化合物Aと略記する)の製造
ジルテニウムテトラクロロ ビス[(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]トリエチルアミン (Ru2Cl4((R)-BINAP)2NEt3)(以下、化合物Bと略記する)0.567g(0.3mmol)を80mlのシュレンク管に入れ、充分窒素置換を行ってから、塩化メチレン 20mlおよび四塩化チタン 0.114g(0.6mmol)を加え、室温で3時間かき混ぜた。反応終了後、減圧下で塩化メチレンを留去し、乾固したところ、ビス[ルテニウム[2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ヘキサクロロチタニウム]トリエチルアミン ([Ru((R)-BINAP)TiCl6]2NEt3)を濃緑色の固体(0.68g)として得た。
100mlオートクレーブに、上記した濃緑色の固体 0.072g(0.035mmol)および5-[4-[2-(2-フリル)-5-メチル-4-オキサゾリルメトキシ]-3-メトキシフェニル]-2-オキソペンタン酸エチルエステル(以下、化合物A’と略記する)3.0g(7.03mmol)を入れ、充分窒素置換を行ってから、脱気したエタノール 15mlを入れ、水素圧45kg/cm2で10時間接触還元を行った。得られる反応液に、エタノール 11mlを加え、0〜5℃で3時間撹拌晶析して、実質的に純粋な標記化合物 2.6g(収率86.7%)を得た。鏡像体過剰率は、96.0%e.e.であった。
【0034】
実施例2
化合物Aの製造
四塩化チタンのかわりに四塩化スズ 0.16g(0.6mmol)を用いる以外は、実施例1と同様にして、ビス[ルテニウム[2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ヘキサクロロチン]トリエチルアミン ([Ru((R)-BINAP)SnCl6]2NEt3)を濃褐色の固体(0.67g)として得た。
100mlオートクレーブに、上記した濃褐色の固体 0.077g(0.035mmol)および化合物A’3.0g(7.03mmol)を入れ、ついで、実施例1と同様にして、実質的に純粋な標記化合物 2.5g(収率83.0%)を得た。鏡像体過剰率は、95.0%e.e.であった。
実施例3
化合物Aの製造
四塩化チタンのかわりに塩化亜鉛 0.08g(0.6mmol)を用いる以外は、実施例1と同様にして、ビス[ルテニウム[2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]テトラクロロジィインク]トリエチルアミン ([Ru((R)-BINAP)ZnCl4]2NEt3)を濃褐色の固体(0.65g)として得た。
100mlオートクレーブに、上記した濃褐色の固体 0.069g(0.035mmol)および化合物A’3.0g(7.03mmol)を入れ、ついで、実施例1と同様にして、実質的に純粋な標記化合物 2.4g(収率79.6%)を得た。鏡像体過剰率は、95.0%e.e.であった。
【0035】
実施例4
化合物Aの製造
化合物Bのかわりにジルテニウムテトラクロロ ビス[(R)-2,2'-ビス[ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル]トリエチルアミン 0.574g(3mmol)を用いる以外は、実施例1と同様にして、ビス[ルテニウム[2,2-ビス[ジ-(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル]ヘキサクロロチタニウム]トリエチルアミンを濃緑色の固体(0.688g)として得た。
100mlオートクレーブに、上記した濃緑色の固体 0.074g(0.035mmol)および化合物A’3.0g(7.03mmol)を入れ、ついで、実施例1と同様にして、実質的に純粋な標記化合物 2.3g(収率78.0%)を得た。鏡像体過剰率は、95.0%e.e.であった。
実施例5
化合物Aの製造
化合物Bのかわりにジルテニウムテトラクロロ ビス[(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル]トリエチルアミン 0.519g(3mmol)を用いる以外は、実施例1と同様にして、ビス[ルテニウム[2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル]ヘキサクロロチタニウム]トリエチルアミンを濃緑色の固体(0.632g)として得た。
100mlオートクレーブに、上記した濃緑色の固体 0.066g(0.035mmol)および化合物A’3.0g(7.03mmol)を入れ、ついで、実施例1と同様にして、実質的に純粋な標記化合物 2.5g(収率80.8%)を得た。鏡像体過剰率は、95.0%e.e.であった。
【0036】
実施例6
化合物Aの製造
ルテニウムクロロベンゼン[(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]クロライド ([RuCl(benzene)(R)-BINAP)]Cl)0.262g(0.3mmol)を80mlのシュレンク管に入れ、充分窒素置換を行ってから、塩化メチレン 20mlおよび四塩化チタン 0.057g(0.3mmol)を加え、室温で3時間かき混ぜた。反応終了後、減圧下で塩化メチレンを留去し、乾固して、0.31gの固体を得た。
100mlオートクレーブに、上記した固体 0.037g(0.035mmol)および化合物A’3.0g(7.03mmol)を入れ、ついで、実施例1と同様にして、実質的に純粋な標記化合物 2.6g(収率86.7%)を得た。鏡像体過剰率は、96.0%e.e.であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤として有用なオキサゾリジンジオン誘導体の原料化合物として用いられる光学活性化合物を、高収率かつ高純度で得ることができ、工業的な大量生産に有利である。
また、本発明の製造法によれば、光学活性化合物を簡便な操作で、効率よく得ることができる。
Claims (11)
- 一般式(I)
一般式(II) 〔RuWMClk〕lXh
〔式中、Wは一般式
XがN(C2H5)3であるとき、lが2、hが1であり、かつ、MがZnであるときkが4、MがAlであるときkが5、MがTiまたはSnであるときkが6であり;
XがCH3CO2またはハロゲン原子であるとき、lが1、hが2であり、かつ、MがZnであるときkが2、MがAlであるときkが3、MがTiまたはSnであるときkが4である。〕で表される化合物の存在下に、還元反応に付すことを特徴とする一般式(III)
- Rが置換されていてもよい複素環基である請求項1記載の製造法。
- Rがフェニル、ナフチル、フリル、チエニルまたはC1−3アルキル基で置換されていてもよいオキサゾリル基である請求項2記載の製造法。
- R2が置換されていてもよい水酸基である請求項4記載の製造法。
- R2がC1−4アルコキシ基である請求項5記載の製造法。
- mが0である請求項1記載の製造法。
- R1が水素原子である請求項1記載の製造法。
- 一般式(I)で表される化合物が5−[4−[2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ]−3−メトキシフェニル]−2−オキソペンタン酸エチルエステルである請求項1記載の製造法。
- 環Gがベンゼン環であり、R5,R6およびR7が水素原子である請求項1記載の製造法。
- 一般式(II)で表される化合物がビス[ルテニウム[2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]ヘキサクロロチタニウム]トリエチルアミンである請求項1記載の製造法。
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