JP3880108B2 - 2,4−オキサゾリジンジオン誘導体、その製造法およびそれを含んでなる医薬組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は血糖および血中脂質低下作用を有する新規オキサゾリジンジオン誘導体、その製造法およびそれを含んでなる糖尿病治療剤に関するものであり、医薬の分野において用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病の治療剤としては、従来から種々のビグアナイド系化合物およびスルホニルウレア系化合物が用いられてきた。しかし、ビグアナイド系化合物は乳酸アシド−シスを引き起こすため現在ほとんど用いられておらず、またスルホニルウレア系化合物は強力な血糖低下作用を有するが、しばしば重篤な低血糖を引き起こし、使用上の注意が必要である。またこのような欠点のない血糖および血中脂質低下作用を有するチアゾリジンジオン誘導体およびオキサゾリジンジオン誘導体が知られている。
たとえば、5位に置換基を有する2,4−オキサゾリジンジオン誘導体として、公開特許公報平3−170478、WO9202520−A1に一連の5−(置換ベンジル)−2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が、特許公報昭62−30993に5位が脂環式炭化水素で置換された2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が、また特許公報昭63−35632に5位が置換芳香環等で置換された2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、2,4−オキサゾリジンジオン誘導体について種々検討を加えた結果、2,4−オキサゾリジンジオン環の5位置換基として、たとえば2−(置換フェニル)エチル基、3−(置換フェニル)プロピル基、4−(置換フェニル)ブチル基、5−(置換フェニル)ペンチル基など、末端に置換フェニルを有する2価の直鎖状または分枝状の炭素鎖を有する新規誘導体が血糖及び血中脂質低下作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は
(1)一般式
【化19】
〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複素環基を、Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−(ただしR3は置換されていてもよいアルキル基を示す。)で示される基を、mは0または1を、nは0,1または2を、Aは炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基をそれぞれ示す。R1は水素原子またはアルキル基を、環Eは1ないし2個の置換基を有するベンゼン環を示す。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかまたはLとMが互いに形成して両者で1個の結合手を形成していてもよい。ただし、部分構造式
【化20】
(式中、R’はアルキル基を示す。)で表される場合を除く。〕で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(ただし、(R)−(+)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを除く。)またはその塩、
(2)一般式(I)で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(ただし、(R)−(+)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを除く。)またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含有してなる医薬組成物、および
(3)一般式(I)で表わされる化合物の製造法、に関する。
【0005】
以下に、
1.一般式
【化21】
〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複素環基を、Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−(ただしR3は置換されていてもよいアルキル基を示す。)で示される基を、mは0または1を、nは0,1または2を、Aは炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基をそれぞれ示す。R1は水素原子またはアルキル基を、環Eは1ないし2個の置換基を有するベンゼン環を示す。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかまたはLとMが互いに形成して両者で1個の結合手を形成していてもよい。ただし、部分構造式
【化22】
(式中、R’はアルキル基を示す。)で表される場合を除く。〕で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩、
2.一般式(I)で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含有してなる医薬組成物、および
3.一般式(I)で表わされる化合物の製造法、について詳述する。
【0006】
上記一般式(I)で表わされる化合物は次の式で表わされる化合物を含む。
【化23】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕
化合物の薬効および毒性などを考慮すると一般式(I−A1),(I−A2)および(I−A3)で表わされる化合物の中でも(I−A1)および(I−A2)で表わされる化合物が好ましく、(I−A1)で表わされる化合物が最も好ましい。
上記一般式(I)中、LとMが互いに結合して両者で1個の結合手を形成する場合、一般式(I)は一般式
【化24】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕を意味し、またLおよびMがそれぞれ水素原子を示すとき、一般式(I)は一般式
【化25】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕を意味する。
前記一般式(I−B1)で表わされる化合物にはオキサゾリジンジオン環の5位の二重結合に関し、(E)体および(Z)体が存在する。
前記一般式(I−B2)で表わされる化合物にはオキサゾリジンジオン環の5位不斉炭素による(R)−体および(S)−体の光学異性体が存在する。前記一般式(I−B2)で表わされる化合物は、これら(R)−体および(S)−体の光学異性体およびラセミ体を含む。
一般式(I−B1)および(I−B2)で表わされる化合物の中でも一般式(I−B2)で表わされる化合物が好ましい。
【0007】
Rで表される置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化水素残基が挙げられ、該脂肪族炭化水素残基としては炭素数1〜8のもの、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキル基等)、たとえばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなど炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルケニル基、アルキニル基等)が、該脂環族炭化水素残基としては炭素数3〜7のもの、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7の飽和脂環族炭化水素残基(例、シクロアルキル基等)および1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニル、2,4−シクロヘプタジエニルなど炭素数5〜7の不飽和脂環族炭化水素残基(例、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基等)が、該脂環族−脂肪族炭化水素残基としては上記脂環族炭化水素残基と脂肪族炭化水素残基とが結合したもの(例、シクロアルキル−アルキル基、シクロアルケニル−アルキル基、シクロアルキニル−アルキル基等)のうち、炭素数4〜9のもの、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シクロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが、該芳香脂肪族炭化水素残基としては、たとえばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピルなど炭素数7〜9のフェニルアルキル、α−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−ナフチルエチルなど炭素数11〜13のナフチルアルキルが、該芳香族炭化水素残基としては、炭素数6〜14のもの、たとえばフェニル、ナフチル(α−ナフチル,β−ナフチル)などが挙げられる。
【0008】
前記一般式(I)中、Rで表される置換されていてもよい複素環基における複素環基としては、たとえば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が挙げられ、これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合していてもよい。このような複素環基の具体例としては、例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾ−ル−3−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル、テトラゾ−ル−5−イル、ベンズイミダゾ−ル−2−イル、インド−ル−3−イル、1H−インダゾ−ル−3−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−2−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−6−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−2−イル等が挙げられる。これらの中でもオキサゾリル、チアゾリルおよびトリアゾリルが好ましい。
一般式(I)中、Rは好ましくは置換されていてもよい複素環基である。Rはさらに好ましくは置換されていてもよいオキサゾリル基である。
【0009】
前記一般式(I)中、Rで表される炭化水素残基および複素環基は、それぞれ置換可能な位置に置換基を1〜3個有していてもよい。かかる置換基としては、例えば脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基、エステル化されていてもよいカルボキシル基が挙げられる。
かかる脂肪族鎖式炭化水素基としては、炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えばアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基、アルキニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
アルケニル基の好適な例としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
アルキニル基の好適な例としては、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
該脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の好適な例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルなどが挙げられる。
シクロアルケニル基の好適な例としては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルカジエニル基の好適な例としては、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
該アリール基とは、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基を意味し、好適な例としては炭素数6〜14のもの、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0010】
該芳香族複素環基の好適な例としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
【0011】
該非芳香族複素環基の好適な例としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノなどが挙げられる。
該ハロゲン原子の例としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられ、とりわけフッ素および塩素が好ましい。
該置換されていてもよいアミノ基としては、無置換のアミノの他、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基が1または2個アミノ基(−NH2基)に置換したもの(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ等)があげられる。
該置換されていてもよいアシルには無置換のアシルおよび置換されたアシルがあり、無置換のアシルとしては、ホルミルの他たとえば炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基とカルボニル基の結合したもの(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル、クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等)があげられる。置換されたアシルとしては、前記無置換のアシルにたとえば炭素数1〜3のアルキル、たとえば炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン(例、塩素,フッ素,臭素など)、ニトロ、ヒドロキシ、アミノなど置換したものが挙げられる。
【0012】
該置換されていてもよいヒドロキシ基としては、無置換のヒドロキシ基の他に置換されたヒドロキシ基すなわちヒドロキシ基に適宜の置換基を有するものがあり、置換されたヒドロキシ基としては、例えばアルコキシ、アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキシなどに加えてアリールオキシなど水酸基の保護基で保護されたものがあげられる。該アルコキシとしては、炭素数1〜10のアルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ、t.−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなど)が好ましい。アルケニルオキシとしては、アリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメトキシなど炭素数2〜10のものが、アラルキルオキシとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)があげられる。アシルオキシとしては、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシなど)が好ましい。アリールオキシとしてはフェノキシ、4−クロロフェノキシなど炭素数6〜14のものがあげられる。
【0013】
該置換されていてもよいチオール基としては、チオール基の他にこのチオール基に適宜の置換基を有したもの、特にチオール基の保護基で保護されたものが挙げられる。その具体例としては、例えばアルキルチオ、アラルキルチオ、アシルチオなどがあげられる。アルキルチオとしては、炭素数1〜10のアルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec.−ブチルチオ、t.−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなど)が好ましい。アラルキルチオとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチルチオなど)があげられる。アシルチオとしては、炭素数2〜4のアルカノイルチオ(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオなど)が好ましい。
該エステル化されていてもよいカルボキシル基としては、無置換のカルボキシル基の他にたとえばアルコキシカルボニル(たとえばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニルなどの炭素数2〜5のもの),アラルキルオキシカルボニル(たとえばベンジルオキシカルボニルなど炭素数8〜10のもの),アリールオキシカルボニル(たとえばフェノキシカルボニル,p−トリールオキシカルボニルなど炭素数7〜15のもの)などがあげられる。
Rで示される炭化水素残基上および複素環基上の置換基の中でもフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、C1-3アルキルが特に好ましい。
【0014】
前記一般式(I)中、Rで表される炭化水素残基および複素環基上の置換基は、それらが脂環式炭化水素基,アリール基,芳香族複素環基,非芳香族複素環基であるときはさらにそれぞれ適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、該置換基としては、例えば低級アルキル基(炭素数1〜6のもの)、低級アルケニル基(炭素数2〜6のもの)、低級アルキニル基(炭素数2〜6のもの)、シクロアルキル基(炭素数3〜7のもの)、アリール基(フェニル,ナフチルなど)、芳香族複素環基(チエニル,フリル,ピリジル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素環基(テトラヒドロフリル,モルホリノ,ピペリジノ,ピロリジノ,ピペラジノなど)、アラルキル基(炭素数7〜9のもの)、アミノ基、N−モノ(C1-4)アルキルアミノ基、N,N−ジ(C1-4)アルキルアミノ基、炭素数2〜8のアシルアミノ基(アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ベンゾイルアミノなど)、アミジノ基、炭素数2〜8のアシル基、カルバモイル基、N−モノ(C1-4)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1-4)アルキルカルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ(C1-4)アルキルスルファモイル基、N,N−ジ(C1-4)アルキルスルファモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(炭素数2〜8のもの)、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基(炭素数1〜4のもの)、低級アルケニルオキシ基(炭素数2〜5のもの)、シクロアルキルオキシ基(炭素数3〜7のもの)、アラルキルオキシ基(炭素数7〜9のもの)、アリールオキシ基(フェニルオキシ,ナフチルオキシなど)、メルカプト基、低級アルキルチオ基(炭素数1〜4のもの)、アラルキルチオ基(炭素数7〜9のもの)、アリールチオ基(フェニルチオ,ナフチルチオなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)などが挙げられる。
一般式(I)中、Rは特に好ましくはフェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基またはC1-3アルキル基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいオキサゾリル,チアゾリルまたはトリアゾリル基である。
【0015】
前記一般式(I)中、R1で示されるアルキル基としてはたとえばメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec.−ブチル,t.−ブチルなどの炭素数1〜4のものがあげられる。R1としては水素原子が好ましい。mは0または1を示すが0が好ましい。nは0,1または2を示すが0または1が好ましく0が最も好ましい。
mが0、かつnが0のときはR1が置換している炭素とRとが直接結合していることを示す。mが0でnが1または2のときはRと−(CH2)n−が直接結合していることを、またmが1でnが0のときはR1が置換している炭素とYが直接結合していることを示す。
Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−を示すが、−CH(OH)−または−NR3−が好ましい。ここにおいて、R3で示される置換されていてもよいアルキル基におけるアルキル基としては、たとえばメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec.−ブチル,t.−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられ、置換基としては、たとえばハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),炭素数1〜4のアルコキシ基(たとえばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,sec.−ブトキシ,t.−ブトキシなど),ヒドロキシ基,ニトロ基,炭素数1〜4のアシル基(たとえばホルミル,アセチル,プロピオニルなど)などがあげられる。
【0016】
Aで示される炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基は直鎖状、分枝状のいずれでもよく、また飽和不飽和のいずれでもよい。その具体例としては、たとえば−CH2−,−CH(CH3)−,−(CH2)2−,−CH(C2H5)−,−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−,−(CH2)6−,−(CH2)7−の飽和のもの、たとえば−CH=CH−,−C(CH3)=CH−,−CH=CH−CH2−,−C(C2H5)=CH−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH=CH−CH2−などの不飽和のものがあげられる。なかでも炭素数1〜4の飽和のものが好ましく、−CH2−または−CH2CH2−がさらに好ましい。Aは特に好ましくは−CH2CH2−である。
【0017】
一般式(I)中、環Eは置換可能な任意の位置に1ないし2個の置換基を有する。このような置換基としては、アルキル基、置換されていてもよいヒドロキシ基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,および置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。これらは、いずれもRで示される炭化水素残基および複素環基の置換基として述べたものと同様のものが用いられる。
環Eすなわち部分構造式
【化26】
〔式中、R2は置換されていてもよいヒドロキシ基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,ニトロ基または置換されていてもよいアミノ基を示す。〕を示す。
R2で示される置換されていてもよいヒドロキシ基,ハロゲン原子,置換されていてもよいアシル基,および置換されていてもよいアミノ基としては、いずれもRで示される炭化水素残基および複素環基の置換基として述べたものと同様のものがあげられる。R2は、好ましくは置換されていてもよいヒドロキシ基またはハロゲン原子である。R2は、さらに好ましくは置換されていてもよいヒドロキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
【0018】
一般式(I)中、部分構造式
【化27】
〔式中、R’はアルキル基を示す。〕で表される化合物は、本発明化合物から除かれるが、R’で示されるアルキル基としては、Rで示される炭化水素残基および複素環基の置換基として述べたものと同様のものがあげられる。
【0019】
一般式(I)で表される化合物の好ましい例としては、例えば、Rがフェニル,ナフチル,フリル,チエニルおよびC1-3アルキルから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいオキサゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリル;mが0;nが0または1;R1が水素原子;環Eすなわち部分構造式
【化28】
かつR2がC1-4アルコキシ基;Aが−CH2CH2−;LおよびMが水素原子である化合物があげられる。
【0020】
一般式(I)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えば(R)−(+)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン,
(S)−(−)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン,
5−〔3−〔3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン,
5−〔5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン,
5−〔3−〔3,5−ジメトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンなどが挙げられ、なかでも、(R)−(+)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンが特に好ましい。
【0021】
本発明の化合物(I)の塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。これらの塩の中でもナトリウム塩、カリウム塩が最も好ましい。
【0022】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容しうる塩は毒性が低く血糖および血中脂質低下作用およびインスリン感受性増強作用を有し、そのままもしくは自体公知の薬理学的に許容しうる担体、賦形剤、増量剤などと混合して哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して糖尿病治療剤、血圧降下剤として用いることができる。
さらに、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容しうる塩は癌細胞増殖抑制作用を有し、抗癌剤としても用いることができる。
本発明化合物(I)は低毒性で、例えば、実施例22の化合物を1日当たり10mg/kgの割合で14日間マウスに経口投与した場合、死亡例はなく、また体重および肝臓重量には、コントロールに対し何等変化は認められなかった。
さらに、後述の実施例13および実施例24で得られた化合物を、それぞれ1日当たり30mg/kgの割合で4週間ラットに経口投与した場合、死亡例は認められなかった。
投与方法は通常例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤などとして経口的に用いられるが、場合によっては注射剤、坐剤、ペレットなどとして非経口的に投与できる。投与量は成人に経口投与する場合1日0.05〜10mg/kgであり、この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
本発明の化合物(I)は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤;またはシロップ剤、注射剤などの液状製剤として経口または非経口的に投与することができる。
【0023】
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0024】
以下に本発明の化合物(I)の製造法について述べる。
A法
【化29】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
化合物(I−B1)は、化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの縮合により製造される。この反応は塩基の存在下溶媒中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸が挙げられる。該塩基としては、ナトリウムアルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウムやピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の2級アミン類が用いられる。2,4−オキサゾリジンジオンの使用量は、化合物(II)に対して1〜10モル当量、好ましくは1〜5モル当量である。塩基の使用量は、化合物(II)に対して0.01〜5モル当量、好ましくは0.05〜2モル当量である。本反応は0〜150℃、好ましくは20〜100℃で0.5〜30時間かけて行われる。
本法により製造される化合物(I−B1)は、2,4−オキサゾリジンジオン環5位の二重結合に関し、(E)体および(Z)体の混合物として得られることもある。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B1)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0025】
B法
【化30】
〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
前記一般式(III)中、Zで表わされる低級アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチルなど)が挙げられる。Zで表わされるアラルキル基としては、アリール基を置換基として有するアルキル基(アリールアルキル基)を意味する。該アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらは前記低級アルキル基(炭素数1〜4のもの)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ヒドロキシ基、ニトロ基等の置換基を有していてもよい。該アルキル基としてはメチル、エチル、プロピルなど炭素数1〜4のものがあげられる。該アラルキル基の好適な例としては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチルなどが挙げられ、なかでもベンジル、フェネチルなどが好ましい。
化合物(III)をシアン酸アルカリ金属、例えばシアン酸カリウムまたはシアン酸ナトリウムと反応させることにより化合物(I−B2)のアルカリ金属塩が得られ、これを酸で処理することにより化合物(I−B2)を製造することができる。化合物 (III) とシアン酸アルカリ金属の反応は適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては、通常メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、ブタノール等のアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が用いられる。シアン酸アルカリ金属の使用量は、化合物(III)に対し、1〜10モル当量、好ましくは1〜5モル当量である。反応温度は、0〜180℃、好ましくは30〜150℃、反応時間は0.5〜100時間である。このようにして得た化合物(I−B2)のアルカリ金属塩は、常法により酸で処理して化合物(I−B2)を製造する。本酸処理は、適宜の溶媒あるいは溶媒なしで行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸を過剰に用いることが好ましいが、酢酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸も用いることができる。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0026】
C法
【化31】
〔式中、A1は炭素数1〜7の直鎖状または分枝状の2価の飽和脂肪族炭化水素残基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕
A1で示される炭素数1〜7の直鎖状または分枝状の2価の飽和脂肪族炭化水素残基としてはAで示される2価の脂肪族炭化水素残基のうち飽和のものが挙げられる。
化合物(I−B1)を還元反応に付すことにより化合物(I−B2a)を製造することができる。本還元反応は、常法に従い溶媒中、触媒の存在下、1〜150気圧の水素雰囲気中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。触媒としては、ニッケル化合物などの金属、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒等を用いることにより有利に行われる。反応温度は、0〜150℃、好ましくは10〜120℃、反応時間は0.5〜100時間である。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2a)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0027】
D法
【化32】
〔式中、Bは低級アルコキシ、低級アルキルチオまたは低級アシルオキシを、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Bで表わされる低級アルコキシとしてはたとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなど炭素数1〜4のものが、低級アルキルチオ基としてはたとえばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオなど炭素数1〜4のものが、低級アシルオキシとしてはたとえばアセチルオキシ、プロピオニルオキシなど炭素数1〜4のものが挙げられる。2つのBが互いに結合してエチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ジチオトリメチレン等を形成していてもよい。すなわち、式(IV)の−CH(B)2 は保護されたアルデヒド基を意味する。
化合物(IV)と2,4−オキサゾリジンジオンとを縮合して化合物(I−B1)を製造する。本縮合反応は、A法における化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの反応と同様にして行なわれる。
本法により製造される化合物(I−B1)は、2,4−オキサゾリジンジオン環5位の二重結合に関し(E)体および(Z)体の混合物として得られることもある。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B1)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0028】
E法
【化33】
〔式中、Qは脱離基を、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Qで表わされる脱離基としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
化合物(V)と化合物(VI)とを縮合して化合物(I−C1)を製造する。
この反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンおよびこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウム t.-ブトキシドなどがあげられる。これら塩基の使用量は化合物(V)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本反応は通常−50℃〜150℃好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜50時間である。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−C1)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
また、E法で製造した化合物(I−C1)のうちRが不飽和結合(炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合)を含む化合物は、C法と同様の還元反応に付すことによりRの不飽和結合(炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合)が還元された化合物を製造することができる。
【0029】
E法で製造した化合物のうち(I−C2)は、さらに還元することにより、化合物(I−C3)を製造することができる。
F法
【化34】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法では、E法で製造した化合物(I−C2)を還元して化合物(I−C3)を製造する。本還元反応はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元、接触水素添加等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(I−C2)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化リチウムアルミニウムなどの金属水素錯化合物、水素化ナトリウムなどの金属水素化物、有機スズ化合物(水素トリフェニルスズ等)、ニッケル化合物、亜鉛化合物などの金属および金属塩、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒と水素とを用いる接触還元剤およびジボランなどが挙げられるが、なかでも水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)を用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150℃,とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
このようにして得られる化合物(I−C3)は、公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0030】
A法の原料化合物(II)は、例えばG法によって製造される。
G法
【化35】
〔式中、R5およびR6は同一または異なって低級アルキル基を、R4は水素原子または低級アルキル基を、qは0、1または2を表し、他の記号は前記と同意義を有する。〕
R4、R5およびR6で表わされる低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど炭素数1〜4のものが挙げられる。この方法では、まずカルボニル誘導体(VII−1)をホスホノカルボン酸誘導体(VIII−1)と反応させて不飽和エステル誘導体(IX−1)を製造する。(VII−1)と(VIII−1)の反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウム t.-ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(VIII−1)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。化合物(VIII−1)の使用量は、化合物(VII−1)に対し1〜5モル当量、好ましくは1〜3モル当量程度である。本反応は通常−50℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0031】
ついで化合物(IX−1)を還元反応に付し、アルコール誘導体(X−1)を製造する。本還元反応は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(IX−1)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化リチウムアルミニウムなどの金属水素錯化合物およびジボランなどが挙げられるが、水素化ジイソブチルアルミニウムを用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150℃、とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
【0032】
ついで化合物(X−1)を酸化反応に付し、不飽和アルデヒド誘導体(II−1)を製造する。本酸化反応は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、二酸化マンガンによる酸化、クロム酸による酸化、ジメチルスルホキシドによる酸化等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(X−1)を酸化剤で処理することにより行われる。酸化剤としては、二酸化マンガン、無水クロム酸等が用いられるが、二酸化マンガンを用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシドあるいはこれらの混合溶媒などが酸化剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150℃、とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。 ついで化合物(II−1)を還元反応に付し、化合物(II−2)を製造する。本還元反応はC法と同様に行なわれる。
このようにして得られるアルデヒド誘導体(II−1),(II−2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0033】
G法で製造される化合物のうち(II−3)は、例えばH法に従い炭素鎖を延長した化合物(II−4)および化合物(II−5)とすることができる。
H法
【化36】
本法では、G法と同様にして行われる。すなわち、化合物(II−3)と化合物(VIII−2)との反応は、G法における化合物(VII−1)と化合物(VIII−1)との反応と同様に、化合物(IX−2)の還元反応はG法における化合物(IX−1)の還元反応と同様にして行われる。さらに化合物(X−2)の酸化反応は、G法における化合物(X−1)の酸化反応と同様にして化合物(II−4)に、さらにG法における化合物(II−1)の還元反応と同様にして化合物(II−5)とすることができる。
このようにして得られるアルデヒド誘導体(II−4)および(II−5)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0034】
B法に用いられる化合物 (III) は、例えばI法に従って製造される。
I法
【化37】
〔式中、A2は結合手または炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素残基を、A3は結合手または炭素数1〜6の2価の飽和脂肪族炭化水素残基を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
A2で示される炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素残基はAで示される2価の脂肪族炭化水素残基のうち炭素数1〜6のものを、A3で示される炭素数1〜6の2価の飽和脂肪族炭化水素残基はA2で示されるもののうち飽和のものをいう。
【0035】
本法では、まず化合物(VII−2)とピルビン酸を縮合して化合物(XI)を製造する。化合物(VII−2)とピルビン酸を縮合反応は、A法における化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの反応と同様にして行われる。ついで化合物(XI)をエステル化反応に付し、化合物(XII)を製造する。本エステル化反応はそれ自体公知の方法で行うことができ、例えば化合物(XI)とアルコール(R6OH)を酸の存在下に直接反応させてエステル化する方法あるいは化合物(XI)の反応性誘導体、例えば酸無水物、酸ハライド(酸クロリド、酸ブロミド)、イミダゾリドあるいは混合酸無水物(例、メチル炭酸との無水物、エチル炭酸との無水物、イソブチル炭酸との無水物など)などをアルコール(R6OH)と適宜反応させる方法などが用いられる。ついで化合物(XII)を接触還元反応に付し、化合物(XIII)を製造する。本接触還元反応はC法と同様に行われる。ついで化合物(XIII)を還元反応に付し、化合物(III−1)を製造する。本還元反応は、F法と同様にして行うことができる。
このようにして得られる化合物(III−1)は、公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0036】
D法に用いられる化合物(IV)は、例えばJ法に従って製造される。
J法
【化38】
〔式中、Wはハロゲン原子を、tは1から6の整数を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
Wで示されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本法では、まず化合物(VII−1)と化合物(XIV)との反応で化合物(IV−1)を製造する。本反応は、G法における化合物(VII−1)と化合物(VIII−1)の反応と同様にして行われる。ついで、化合物(IV−1)を還元反応に付し、(IV−2)を製造する。本還元反応は、C法と同様にして行われる。
このようにして得られる化合物(IV−1)および(IV−2)は、公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。また化合物(IV−1)および(IV−2)は、それぞれを含水溶媒中酸で処理することにより脱保護基を行い、アルデヒド誘導体(II−6)および(II−7)とすることができる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、アセトン、2−ブタノン、酢酸等と水との混合溶媒が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸の他、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
【化39】
【0037】
A法に用いられるアルデヒド誘導体(II)は、K法に従っても製造される。
K法
【化40】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法ではまず、たとえば化合物(IX−1)や化合物(IX−2)の接触還元反応によって製造される化合物(IX−3)を還元することにより化合物(X−3)を製造する。本還元反応は、G法における化合物(IX−1)の還元反応と同様にして行われる。ついで、化合物(X−3)を酸化反応に付し、(II−8)を製造する。化合物(X−3)から(II−8)への酸化反応は、自体公知の酸化反応に従って行われる。例えば、酸化クロム−硫酸−ピリジンからなるジョーンズ(Jones)酸化、酸化クロム−ピリジン錯体を用いるコリンズ(Collins)酸化、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)による酸化、二クロム酸ピリジニウム(PDC)による酸化等のクロム酸酸化、活性化DMSOによる酸化、オキソアンモニウム塩による酸化等が用いられるが、活性化DMSOによる酸化により有利に行われる。活性化ジメチルスルホキシド(DMSO)酸化は、DMSOと親電子試薬の共存下溶媒中で行われる。該溶媒としては、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、親電子試薬の種類により適宜選択されて使用される。
このようにして得られる化合物(II−8)は、公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。なお、化合物(II−8)は、常法によりアルデヒド基をアセタール化、ジチオアセタール化等を行ってD法に用いることができる。
【0038】
G法の中間体(IX−1)やK法の原料化合物(IX−3)の一部は、例えばL法によっても製造される。
L法
【化41】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法では、まず化合物(XV)と化合物(XVI)との反応により化合物(XVII)を製造する。本反応は、E法と同様にして行われる。ついで化合物(XVII)を還元反応に付し、化合物(XVIII)を製造する。本還元反応は、自体公知の方法で行うことができるが、C法に従うことにより有利に行われる。
【0039】
ついで化合物(XVIII)を自体公知のメールワイン アリレーション(Meerwein Arylation)反応に付し(XIX)を製造する。本反応では、まず化合物(XVIII)を溶媒中ハロゲン化水素酸(HCl, HBr, HI 等)の存在下亜硝酸ナトリウム(NaNO2)水溶液を滴下することによりジアゾ化し、ついで銅触媒(例、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅など)の存在下アクリル酸エステル(CH2=CHCOOR6)と反応させ化合物(XIX)を製造する。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、2−ブタノンあるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応温度は、−50〜100℃、好ましくは−20〜60℃,反応時間は0.5〜20時間である。ついで化合物(XIX)を脱ハロゲン化水素反応に付し(IX−4)を製造する。本反応は、適宜の溶媒中、塩基の存在下に行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、アセトン、2−ブタノン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては、たとえばアルカリ金属水酸化物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(たとえば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属炭酸塩(たとえば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、アルカリ金属重炭酸塩(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなど)、アルカリ金属酢酸塩(たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)などの無機塩基、トリアルキルアミン(たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンなどの有機塩基が挙げられる。これら塩基の使用量は化合物(XIX)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本反応は通常−20℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。化合物(IX−4)は、C法に従って(IX−5)とすることができる。
このようにして得られる化合物(IX−4)および(IX−5)は、公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0040】
G法の原料化合物(VII−1)は、例えばM法によって製造される。
M法
【化42】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法では、化合物(XX)と化合物(XXI)との反応により化合物(VII−1)を製造する。本反応は、E法と同様にして行われる。
このようにして得られる化合物(VII−1)は、公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0041】
化合物(I−B2)は、以下に記載するN法に従って製造することもできる。本製造法は、特に2,4−オキサゾリジンジオン環5位の不斉炭素に関する光学活性体の製造に有利である。
N法
【化43】
〔一般式 (XXIII) 中、R7は低級アルキル基または置換フェニル基を示し、他の記号は前記と同意義を有する。〕
上記一般式(XXII),(III),(XXIII)および(XXIV)で表される化合物は、エステル残基α−位の不斉炭素による、また一般式(I−B2)で表される化合物は2,4−オキサゾリジンジオン環5位の不斉炭素による光学活性体を含む。
一般式(XXIII)中、R7で表される低級アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなど)が挙げられる。R7で表される置換フェニル基における置換基としては、前記低級アルキル基(炭素数1〜4のもの)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、ニトロ基等が挙げられる。
【0042】
本法は、一般式(XXII)で表されるα−アセトキシエステルを出発化合物とする2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2)の製造法を提供する。
本法ではまず化合物(XXII)より、α−ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体(III)を製造する。本反応は自体公知の方法に従いアルコール(Z-OH)中、酸の存在下に行われる。アルコール(Z-OH)および酸の使用量は、通常大過剰である。本反応は通常−80℃〜100℃、好ましくは約−50℃〜30℃で行われる。反応時間は、0.5〜100時間である。
ついで化合物(III)とクロル炭酸エステル(ClCOOR7)との反応後アンモニアとの反応により化合物(XXIV)を製造する。化合物(III)とクロル炭酸エステル(ClCOOR7)との反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン等のアミン類等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(III)に対し2〜5モル当量程度が好ましい。ピリジン、トリエチルアミン等の塩基を溶媒として使用することもできる。クロル炭酸エステル(ClCOOR7)の使用量は、化合物(III)に対し1〜5モル当量、好ましくは1〜3モル当量程度である。本反応は通常−80℃〜100℃、好ましくは約−50℃〜50℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0043】
ついで生成物(XXIII)をアンモニアとの反応に付し、化合物(XXIV)を製造する。本反応は通常適宜の溶媒中でアンモニアの存在下に行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、酢酸エチル及びこれらの混合溶媒があげられる。アンモニアとしては、アンモニアガスの導入またはアンモニア水を使用し−100℃〜50℃、好ましくは約−80℃〜30℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
このようにして得られる化合物(XXIV)を閉環反応に付すことにより 2,4-オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2)を製造する。該閉環反応は、常法に従い適宜の溶媒中化合物(XXIV)を塩基で処理することにより行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、アセトニトリル及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン-5-エン(DBN)等のアミン類、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウム t.-ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(XXIV)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本反応は通常−80℃〜50℃、好ましくは約−50℃〜30℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0044】
N法に用いられる光学活性体を含む化合物(XXII)および(III)は、例えばO法に従って製造することができる。
O法
【化44】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法では化合物(IX-6)を塩基の存在下シュウ酸エステル (COOR6)2 との反応に付す。化合物(IX-6)とシュウ酸エステル (COOR6)2 との反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2-メトキシエタノール等のアルコ−ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミドおよびこれらの混合溶媒が挙げられる。該塩基としてはナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウム t.-ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(IX-6)に対し1〜5モル当量程度が、(COOR6)2 の使用量は化合物(IX-6)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本反応は通常−50℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜50時間である。
【0045】
得られた縮合生成物は脱炭酸反応に付し、α−ケトエステル(XIII-1)を製造する。本脱炭酸反応は、含水ジメチルスルホキシド中塩化ナトリウムまたは塩化リチウム等の存在下加熱することにより行われる。塩化ナトリウムまたは塩化リチウムの使用量は1〜5モル当量である。反応温度は、50℃〜150℃、好ましくは約80℃〜120℃である。反応時間は、0.5〜50時間である。ついで得られたα−ケトエステル(XIII-1)を還元反応に付すことにより化合物(III-2)を製造する。本還元反応はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元、接触水素添加等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(XIII-1)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化リチウムアルミニウムなどの金属水素錯化合物、水素化ナトリウムなどの金属水素化物、有機スズ化合物(水素トリフェニルスズ等)、ニッケル化合物、亜鉛化合物などの金属および金属塩、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒と水素とを用いる接触還元剤およびジボランなどが挙げられるが、なかでも水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)を用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2-メトキシエタノールなどのアルコ−ル類、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150℃,とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
【0046】
化合物(III-2)の光学活性体は、自体公知の不斉還元反応に従い化合物(XIII-1)より製造することができる。例えば、パン酵母によるケトンのアルコールへの不斉還元、光学活性−DIOP/〔Rh(COD)Cl2〕2,Ph2SiH2 によるケトンのアルコールへの不斉還元、キラル触媒〔(Cinchonidine, Pt-Al2O3)、 (Quinidine, Pt-Al2O3)、 (Cinchonidine, Pt-Al2O3)、 (光学活性-BINAP, RuCl2) 等〕を用いる不斉水素添加によるケトンのアルコールへの不斉還元等が挙げられる。化合物(XXII)の光学活性体は、自体公知の酵素反応による速度論的光学分割により製造することができる。例えば、化合物(III-2)のラセミ体をトルエン中、酢酸ビニル、リパーゼの存在下反応させ化合物(XXII)の光学活性体を得ることができる。
【0047】
O法に挙げられる一般式(IX-6)で表される化合物のうち、化合物(IX-9)はP法に従ってカルボニル誘導体(VII-3)から誘導することができる。
P法
【化45】
【化46】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
【0048】
本法では、まずカルボニル誘導体(VII-3)をホスホノ酢酸誘導体(VIII-2)と反応させて不飽和エステル誘導体(IX-7)を製造する。(VII-3)と(VIII-2)との反応は、G法における化合物(VII-1)と化合物(VIII-1)との反応と同様にして行われる。ついで化合物(IX-7)をG法における化合物(II-1)の接触還元反応と同様に処理することにより化合物(IX-8)を製造する。さらに化合物(IX-8)はG法における化合物(IX-1)の還元反応と同様に処理することによりアルコール誘導体(X-4)を製造する。アルコール誘導体(X-4)は、自体公知の方法、例えば塩化チオニルによるクロル化、三臭化リンによるブロム化または塩化メタンスルホニルによるメシル化によりそれぞれ一般式(XXV)のQが Cl, Brまたは OSO2CH3 の化合物を製造することができる。化合物(XXV)は、適宜の溶媒中シアン化カリウムまたはシアン化ナトリウムとの反応で一般式(XXVI)で表される化合物とする。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、アセトン、2-ブタノン及びこれらの混合溶媒があげられる。シアン化カリウムまたはシアン化ナトリウムの使用量は化合物(XXV)に対し1〜5モル当量程度が好ましい。本反応は通常0℃〜150℃、好ましくは約20℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。ついで化合物(XXVI)を加水分解反応に付すことによりカルボン酸誘導体(XXVII)を製造する。本加水分解反応は、好ましくは含水溶媒中水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの存在下に行われる。カルボン酸誘導体(XXVII)は、I法における化合物(XI)のエステル化反応と同様に処理することにより化合物(IX-9)を製造する。
このようにして得られるエステル誘導体(IX-9)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0049】
A法の原料化合物 (II)、D法の原料化合物 (IV)、G法およびJ法の原料化合物 (VII-1)、I法の原料化合物 (VII-2)、化合物 (XIII)、K法の原料化合物 (IX-3)、O法の原料化合物 (IX-6)、P法の原料化合物 (VII-3)等は、Q法によっても製造することができる。
Q法
【化47】
[式中、Fは -A-CHO、-A-CH(B)2、-C(R4)=O、-A2-CHO、-A3-CH2CH2COOR6、-A1-COOR6 または -A-CH2COOR5 を示し、他の記号は前記と同意義を有する。]本法では、化合物 (XXVIII) と化合物 (XXIX) との反応により化合物 (XXX) を製造する。本法は自体公知のミツノブ反応に従って行われる。
本反応は、好ましくはトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルエステルの存在下溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類およびこれらの混合溶媒が挙げられる。トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルエステルの使用量は、それぞれ化合物 (XXVIII) に対し1〜5モル当量程度が、化合物 (XXIX) の使用量は化合物 (XXVIII) に対し1〜2モル当量程度が好ましい。本反応は通常−50゜C〜100゜C、好ましくは約−30゜C〜80゜Cで行われる。反応時間は、0.5〜50時間である。
このようにして得られる化合物 (XXX) は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0050】
E法の原料化合物 (V) は、例えば以下に示すR法,S法およびT法によって製造される。
R法
【化48】
[式中、各記号は前記と同意義を有する。]
本法では、A法、B法、D法、またはN法に従って製造されるベンジル体 (I-C4) を脱ベンジル基反応に付すことにより化合物 (V-1) を製造する。本法はC法と同様にして行われる。
このようにして得られる化合物 (V-1) は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0051】
S法
【化49】
[式中、各記号は前記と同意義を有する。]
本法では、A法、B法、C法、D法、またはN法に従って製造されるイソプロピル体 (I-C5) を脱イソプロピル基反応に付すことにより化合物 (V) を製造する。
本反応は、溶媒中四塩化チタン、三塩化チタン、三塩化ホウ素、または四塩化ケイ素等で処理することにより行われる。該溶媒としては、例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリルおよびこれらの混合溶媒が挙げられる。四塩化チタン、三塩化チタン、三塩化ホウ素、または四塩化ケイ素等の使用量は、化合物 (I-C5) に含まれるイソプロポキシ基1個に対し1〜6モル当量程度が好ましい。本反応は通常−80゜C〜100゜C、好ましくは約−50゜C〜80゜Cで行われる。反応時間は、0.5〜50時間である。C法と同様にして行われる。
このようにして得られる化合物 (V) は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0052】
T法
本法では、A法、B法、C法、D法、E法、F法またはN法に従って製造される化合物が環Eの置換基としてメトキシ基を含む場合、脱メチル反応に付すことによりフェノール誘導体を製造する。
本反応は、溶媒中塩化アルミニウムの存在下アルキルメルカプタン(例、エチルメルカプタン、ドデカメルカプタン等)との反応により行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類およびこれらの混合溶媒が挙げられる。塩化アルミニウムの使用量は、メトキシ誘導体に対し5〜20モル当量程度が、四塩化チタンの使用量は、メトキシ誘導体に対し5〜20モル当量程度が好ましい。本反応は通常−80゜C〜100゜C、好ましくは約−50゜C〜50゜Cで行われる。反応時間は、0.5〜50時間である。
このようにして得られるフェノール誘導体は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明にかかる化合物(I)またはその塩はすぐれた血糖および血中脂質低下作用を有する。
実験例
マウスにおける血糖および脂質低下作用
被検化合物を粉末飼料(CE−2,日本クレア)に0.005%混合し、KKAy−マウス(9〜14週令)に自由に4日間与えた。この間、水は自由に与えた。血液を眼窩静脈そうから採取し、血漿を用いてグルコースとトリグリセリドを酵素法により、それぞれイアトロケム−GLU(A)およびイアトロ−MA701TGキット(ヤトロン社)を用いて定量した。それぞれの値は、薬物非投与群に対する低下率(%)で表し、〔表1〕に示した。
【表1】
このように本発明に係るオキサゾリジンジオン誘導体(I)は、インスリン非依存性糖尿病モデルマウスにおいて優れた血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤、高血圧症治療剤など医薬品として有用である。
【0054】
【実施例】
実施例1
3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒド(5.5g)、2,4−オキサゾリジンジオン(6.7g)、ピペリジン(1.4g)および酢酸(120ml)の混合物を還流下に3日間かきまぜた。反応混合物を冷却後、析出する結晶をろ取、水、エタノール、イソプロピルエーテルの順に洗浄し5−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(2.9g,43%)を得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。黄色針状晶。融点 227〜228℃。
【0055】
実施例2〜実施例4
実施例1と同様にして、〔表2〕の化合物を得た。
【表2】
【0056】
実施例5
5−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.0g)、二酸化白金(PtO2)(0.2g)およびテトラヒドロフラン(THF)−酢酸(4:1,190ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をクロロホルムに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗浄、乾燥(MgSO4)した。クロロホルム層は、減圧下に濃縮し残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム−酢酸エチル(4:1)で溶出する部分より5−〔3−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.19g,19%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 134〜135℃。
【0057】
実施例6
5−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−チアゾリルメトキシ)シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.76g)、パラジウム−炭素(5%,1.0g)およびテトラヒドロフラン(THF)(100ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エチル(4:1)で溶出する部分より5−〔3−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−チアゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.25g,32%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 96〜97℃。
実施例7
実施例6と同様にして、5−〔3−エトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔3−〔3−エトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−エーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 129〜130℃。
【0058】
実施例8
5−(4−イソプロポキシ−3−メトキシシンナミリデン)−2,4−オキサゾリジンジオン(7.1g)、パラジウム−炭素(5%,7.1g)およびテトラヒドロフラン(THF)(150ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エチル(4:1)で溶出する部分より5−〔3−(4−イソプロポキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(4.3g,60%)を油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.35(6H,d,J=6Hz), 1.79-2.05(4H,m), 2.62(2H,t,J=7Hz), 3.84(3H,s), 4.47(1H,m), 4.84(1H,dd,J=7&5Hz), 6.67(1H,dd,J=8&2Hz), 6.69(1H,s), 6.82(1H,d,J=8Hz), 8.33(1H,s)。
実施例9
油性水素化ナトリウム(60%,0.32g)を5−〔3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(20ml)溶液に0℃で加え、室温で1時間かきまぜた。ついで4−クロロメチル−2−〔(E)−スチリル〕オキサゾ−ル(0.87g)を加え90℃で3.5時間かきまぜた。反応混合物を水に注ぎ2N HClで酸性化後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に濃縮し、5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.1g,66%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 178〜179℃。
【0059】
実施例10
実施例9と同様にして、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−2−〔(E)−スチリル〕チアゾ−ルとの反応により、5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−チアゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 202〜203℃。
実施例11
3−エトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒド(3.0g)、2,4−オキサゾリジンジオン(1.7g)、ピペリジン(0.73g)および酢酸(50ml)の混合物を還流下に24時間かきまぜた。反応混合物は、減圧下に濃縮し析出結晶をろ取した。ろ液は、酢酸エチルに溶解し、飽和炭素水素ナトリウム水溶液、水、1N HCl、水の順に洗浄し乾燥(MgSO4)した。酢酸エチル層を減圧下に濃縮し、残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分よりさらに結晶を得た。この結晶と先に得た結晶を合わせてテトラヒドロフラン(THF)(100ml)に溶解、パラジウム−炭素(5%,1.0g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分より5−〔3−〔3−エトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−エーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 119〜120℃。
【0060】
実施例12
実施例11と同様にして、4−〔5−メチル−2−(2−ナフチル)−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシシンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔4−〔5−メチル−2−(2−ナフチル)−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノール−エーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 173〜174℃。
実施例13
実施例11と同様にして、4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシシンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−エーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 127〜129℃。
実施例14
実施例11と同様にして、3−イソプロポキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔3−イソプロポキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 120〜121℃。
【0061】
実施例15
実施例11と同様にして、(E,E)−5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−ア−ルと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−エーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 114〜115℃。
実施例16
実施例11と同様にして、4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−3−プロポキシシンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−3−プロポキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 119〜120℃。
実施例17
実施例11と同様にして、3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 161〜162℃。
【0062】
実施例18
2−〔5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−1,3−ジオキソラン(3.6g)、2,4−オキサゾリジンジオン(1.7g)、ピペリジン(0.72g)および酢酸(50ml)の混合物を還流下に16時間かきまぜた。反応混合物は減圧下に濃縮、残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和炭素水素ナトリウム水溶液、水、1N HCl、水の順に洗浄し乾燥(MgSO4)した。酢酸エチル層を減圧下に濃縮し、残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分より5−〔6−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘキシリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。この油状物をテトラヒドロフラン(THF)(80ml)に溶解、パラジウム−炭素(5%,1.0g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分より5−〔6−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘキシル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 113〜117℃。
実施例19
実施例18と同様にして、2−〔6−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘキシル〕−1,3−ジオキソランと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 109〜111℃。
【0063】
実施例20
実施例18と同様にして、2−〔3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−1,3−ジオキソランと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔4−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点
135〜136℃。
実施例21
四塩化チタン(TiCl4)(1.1g)のジクロロメタン(5ml)溶液を5−〔3−〔3−イソプロポキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.7g)のジクロロメタン(25ml)溶液に0℃で滴下した。室温で1時間かきまぜた後、反応混合物を2N HClに注ぎ、室温で15分間かきまぜた後有機層を分取し、水層はクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、水、2N HCl、水の順に洗浄し乾燥(MgSO4)後濃縮、残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分より5−〔3−〔3−ヒドロキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.22g,34%)を得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 162〜164℃。
【0064】
実施例22
実施例11と同様にして、3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 180〜181℃。
実施例23
実施例11と同様にして、4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 185〜187℃。
【0065】
実施例24
(R)−(+)−2−カルバモイルオキシ−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ペンタン酸メチル(2.92g)のクロロホルム(100ml)溶液に、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン(DBU)(1.54g)を−5〜0℃で滴下し同温度で1時間かきまぜた。反応混合物は、2N HClおよび水で洗浄、乾燥(MgSO4)後濃縮し、(R)−(+)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(2.46g,91%)を得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 122−123℃。〔α〕D +39.4°(c=0.495,CHCl3)。
実施例25
実施例24と同様にして、(S)−(−)−2−カルバモイルオキシ−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ペンタン酸メチルより(S)−(−)−5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 122−123℃。〔α〕D −39.8°(c=0.500,CHCl3)。
【0066】
実施例26
実施例9と同様にして、5−〔2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールとの反応により5−〔2−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−3−メトキシフェニル〕エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−クロロホルムから再結晶した。無色プリズム晶。融点 194−195℃。
実施例27
実施例9と同様にして、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−ブロモアセチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールとの反応により5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.7-2.15(4H,m), 2.63(2H,t,J=7Hz), 2.73(3H,s), 3.91(3H,s), 4.85(1H,dd,J=6.5&5Hz), 5.43(2H,s), 6.65(1H,dd,J=8&2Hz), 6.73(1H,d,J=2Hz), 6.79(1H,d,J=8Hz), 7.45-7.55(3H,m), 7.95(1H,br s), 8.0-8.1(2H,m)。
実施例28
水素化ホウ素ナトリウム(0.045g)を5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.37g)のテトラヒドロフラン(THF)(5ml)−エタノール(5ml)の溶液に室温で少量づつ加えた。さらに室温で2時間かきまぜた後、反応混合物を水に注いで2NHClで酸性化、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(100:1,v/v)で溶出する部分より、5−〔3−〔4−〔2−ヒドロキシ−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.31g,83%)を得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 151〜152℃。
【0067】
実施例29
実施例11と同様にして、3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕シンアムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.73(3H,d,J=6.5Hz), 1.7-2.1(4H,m), 2.28(3H,s), 2.59(2H,t,J=7Hz), 3.85(3H,s), 4.82(1H,dd,J=7&4.5Hz), 5.32(1H,q,J=6.5Hz), 6.59(1H,dd,J=8&2Hz), 6.68(1H,d,J=2Hz), 6.78(1H,d,J=8Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.95-8.1(2H,m), 8.66(1H,br s)。
実施例30
5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.64g)、パラジウム-炭素(5%,1.3g)およびテトラヒドロフラン(THF)(35ml)の混合物を室温、1気圧で接触水素添加に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮、5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−(2−フェニルエチル)−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.43g,67%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 122〜123℃。
実施例31
実施例30と同様にして、5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−チアゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを室温、1気圧で接触水素添加に付し、5−〔3−〔3−メトキシ−4−〔2−(2−フェニルエチル)−4−チアゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 136〜137℃。
【0068】
実施例32
実施例9と同様にして、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルチアゾールとの反応により、5−〔3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 128〜129℃。
実施例33
実施例9と同様にして、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと5−クロロメチル−3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾールとの反応により、5−〔3−〔3−メトキシ−4−(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 110〜111℃。
実施例34
6−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシヘキサン酸エチル(15.22g)、シアン酸カリウム(KCNO)(13.26g)およびブタノール(180ml)の混合物を還流下に72時間かきまぜた。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物は水に注いで2NHClで酸性とした後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗後乾燥(MgSO4)、溶媒を留去、残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出する部分より、5−〔4−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(11.22g,74%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 92〜93℃。
【0069】
実施例35
実施例9と同様にして、5−〔4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−5−メチル−2−〔(E)−スチリル〕オキサゾールとの反応により、5−〔4−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 171〜172℃。
実施例36
実施例9と同様にして、5−〔4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−5−メチル−2−〔(E)−スチリル〕チアゾールとの反応により、5−〔4−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−チアゾリルメトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 167〜168℃。
実施例37
実施例34と同様にして、4−(4−ベンジルオキシ−3−エトキシフェニル)−2−ヒドロキシブタン酸エチルとシアン酸カリウム(KCNO)との反応により、5−〔2−(4−ベンジルオキシ−3−エトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 143〜144℃。
【0070】
実施例38
実施例34と同様にして、4−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシブタン酸エチルとシアン酸カリウム(KCNO)との反応により、5−〔2−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.95-2.25(2H,m), 2.59-2.84(2H,m), 3.87(3H,s), 4.58(1H,dd,J=8.2&4.8Hz), 5.15(2H,s), 6.72-6.86(3H,m), 7.26-7.45(5H,m), 8.52(1H,br s)。
実施例39
実施例9と同様にして、5−〔4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−2−〔(E)−2−(2−ナフチル)エテニル〕オキサゾールとの反応により、5−〔4−〔3−メトキシ−4−〔2−〔(E)−2−(2−ナフチル)エテニル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 169〜170℃。
実施例40
実施例1と同様にして、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシシンアムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合により、5−〔3−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ)シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点 181〜182℃。
【0071】
実施例41
実施例9と同様にして、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンと4−クロロメチル−5−メチル−2−〔(E)−スチリル〕オキサゾールとの反応により、5−〔3−〔3,5−ジメトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 94〜95℃。
実施例42
1−ドデカンチオール(2.37g)を塩化アルミニウム(1.56g)のジクロロメタン(30ml)縣濁液に0℃で加え10分間かきまぜた後、5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.5g)のジクロロメタン(10ml)溶液を同温度で滴下した。反応混合物は、室温で2時間かきまぜた後氷水に注いでジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層は水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−クロロホルム(1:3,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−ヒドロキシフェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.21g,43%)を得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 152〜153℃。
実施例43
実施例11と同様にして、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕シンナムアルデヒドと2,4−オキサゾリジンジオンを縮合後、生成物を接触還元反応に付し、5−〔3−〔3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。 酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 124〜125℃。
【0072】
製剤例1(錠剤の製造例)
(1),(2),(3)の全量および30gの(4)を水で練合し、真空乾燥後製粒を行う。この製粒末に14gの(4)及び1gの(5)を混合し、打錠機で錠剤とすることにより、一錠当たり(1)10mgを含有する錠剤1000錠を製造する。
【0073】
製剤例2(錠剤の製造例)
(1),(2),(3)の全量および30gの(4)を水で練合し、真空乾燥後製粒を行う。この製粒末に14gの(4)及び1gの(5)を混合し、打錠機で錠剤とすることにより、一錠当たり(1)30mgを含有する錠剤1000錠を製造する。
【0074】
参考例1
シンナムアミド(25.3g)および1,3−ジクロロアセトン(20.9g)の混合物を130℃で1時間加熱した。反応混合物に水を注ぎ炭酸カリウムで中和後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。エーテル−ヘキサン(1:5,v/v)で溶出する部分より、4−クロロメチル−2−〔(E)−スチリル〕オキサゾール(16.9g,47%)を得た。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 72〜73℃。
参考例2
チオシンナムアミド(11.7g)、1,3−ジクロロアセトン(9.1g)およびエタノール(145ml)の混合物を還流下に1時間かきまぜた。反応混合物を氷−水に注ぎ炭酸カリウムで中和後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。エーテル−ヘキサン(1:6,v/v)で溶出する部分より、4−クロロメチル−2−〔(E)−スチリル〕チアゾール(9.4g,56%)を得た。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色板状晶。融点 88〜89℃。
【0075】
参考例3
4−クロロメチル−2−フェニルオキサゾール(10.0g)、バニリン(7.9g)、炭酸カリウム(8.6g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(90ml)の混合物を100℃で2時間かきまぜた後、氷−水に注いで析出結晶をろ取した。この結晶をクロロホルム(400ml)に溶かし、クロロホルム層は、水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留する結晶をろ取し、3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(15.4g,97%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色柱状晶。融点 119〜120℃。
参考例4〜参考例12
参考例3と同様にして、〔表3〕の化合物を得た。
【0076】
【表3】
【0077】
参考例13
水素化ナトリウム(油性、60%、1.93g)をホスホノ酢酸トリエチル(10.81g)および3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(14.62g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(230ml)の溶液に0℃で少量づつ加え、室温で1時間かきまぜた。反応混合物は、氷−水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸エチル(17.24g,96%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 128〜129℃。
参考例14〜参考例15
参考例13と同様にして、〔表4〕の化合物を得た。
【表4】
【0078】
参考例16
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28%、3.4g)をホスホノ酢酸トリメチル(3.2g)および3−エトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(5.1g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(30ml)の氷冷溶液に滴下し、氷冷下に5分間ついで室温で4時間かきまぜた。反応混合物は、氷−水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、3−エトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸メチル(5.5g,91%)を得た。クロロホルム−エーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 125〜126℃。
参考例17〜参考例22
参考例16と同様にして、〔表5〕の化合物を得た。
【0079】
【表5】
【0080】
参考例23
参考例16と同様にして、3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドとホスホノ酢酸トリメチルとの反応により、(E,E)−5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2,4−ペンタジエン酸メチルを得た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 166〜167℃。
参考例24
水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5M,72.2ml)を3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸エチル(16.4g)のテトラヒドロフラン(THF)(240ml)溶液に0℃で滴下した。室温で2時間かきまぜた後氷冷下にメタノール(7ml)を加え、反応混合物を2NHCl(600ml)に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、(E)−3−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オール(14.4g,98%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 113〜114℃。
参考例25〜参考例32
参考例24と同様にして、〔表6〕の化合物を得た。
【0081】
【表6】
【0082】
参考例33
参考例24と同様にして、(E,E)−5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2,4−ペンタジエン酸メチルを水素化ジイソブチルアルミニウムによる還元反応に付し、(E,E)−5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−オールを得た。酢酸エチルから再結晶した。無色針状晶。融点 149〜151℃。
参考例34
塩化アルミニウム(AlCl3)(6.1g)のエーテル(70ml)溶液を水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)(6.4g)のエーテル(270ml)懸濁液に0℃で滴下し、室温で10分間かきまぜた。ついで4−イソプロポキシ−3−メトキシけい皮酸エチル(35.4g)のエーテル−テトラヒドロフラン(THF)(3:1,220ml)溶液を室温で滴下した。室温で2時間かきまぜた後氷冷下に水(170ml)および6N H2SO4(230ml)を滴下、有機層を分取し、水層はエーテルで抽出した。有機層を合わせ、水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2,v/v)で溶出する部分より、(E)−3−(4−イソプロポキシ−3−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール(27.0g,91%)を得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.37(6H,d,J=6Hz), 1.52(1H,s), 3.87(3H,s), 4.30(2H,dd,J=6&1Hz), 4.52(1H,m), 6.24(1H,dt,J=16&6Hz), 6.55(1H,d,J=16Hz), 6.83(1H,d,J=8Hz), 6.90(1H,dd,J=8&2Hz), 6.94(1H,d,J=2Hz)。
【0083】
参考例35
活性化二酸化マンガン(28.0g)を(E)−3−〔3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オール(13.6g)のクロロホルム(250ml)溶液に加え、室温で8時間かきまぜた後、セライト層を通してろ過した。ろ液を濃縮し、3−メトキシ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒド(11.8g,88%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 144〜145℃。
参考例36〜参考例44
参考例35と同様にして、〔表7〕の化合物を得た。
【0084】
【表7】
【0085】
参考例45
参考例35と同様にして、(E,E)−5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−オールを活性化二酸化マンガンによる酸化反応に付し、(E,E)−5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−ア−ルを得た。酢酸エチルから再結晶した。無色針状晶。融点 133〜134℃。
参考例46
四塩化チタン(TiCl4)(10.6g)のジクロロメタン(10ml)溶液を5−〔3−(4−イソプロポキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(4.3g)のジクロロメタン(130ml)溶液に0℃で滴下した。0℃で1時間かきまぜた後、反応混合物を2N HClに注ぎ、室温で15分間かきまぜた後有機層を分取し、水層はクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、水、2N HCl、水の順に洗浄し乾燥(MgSO4)後濃縮、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(2.8g,76%)を得た。エタノール−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 147〜148℃。
【0086】
参考例47
3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒド(5.6g)、パラジウム−炭素(5%,0.5g)およびテトラヒドロフラン(THF)(160ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出する部分より、3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピオンアルデヒドを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 80〜81℃。
参考例48
〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(6.7g)のテトラヒドロフラン(THF)(60ml)懸濁液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,9.4ml)を窒素気流下、−30℃で滴下した。混合物を同温度で1時間かきまぜた後、3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピオンアルデヒド(4.1g)のテトラヒドロフラン(THF)(10ml)溶液を−30℃で滴下した。冷却浴を除去し、さらに室温で1時間かきまぜた後、水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶出する部分より、2−〔5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−3−ペンテニル〕−1,3−ジオキソラン(4.5g)を油状物として得た。この油状物をメタノール(50ml)−テトラヒドロフラン(THF)(30ml)に溶解し、パラジウム−炭素(5%,0.5g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮、2−〔5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−1,3−ジオキソラン(3.8g,75%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 81〜82℃。
【0087】
参考例49
参考例48と同様にして、〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミドと3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒドとの反応生成物を接触還元反応に付すことにより、2−〔3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−1,3−ジオキソランを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 74〜75℃。
参考例50
(5−エトキシカルボニルペンチル)トリフェニルホスホニウム ブロミド(3.0g)のテトラヒドロフラン(THF)(70ml)懸濁液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,3.9ml)を窒素気流下、−30℃で滴下した。混合物を同温度で30分間かきまぜた後、3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(1.0g)のテトラヒドロフラン(THF)(10ml)溶液を−30℃で滴下した。50−60℃で4時間かきまぜた後、反応混合物を水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4)で溶出する部分より、7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプタン酸エチル(9.7g,85%)を油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.25-1.75(11H,m), 2.29(2H,t,J=7.5Hz), 2.40(3H,s), 2.55(2H,t,J=7.6Hz), 3.86(3H,s), 4.12(2H,q,J=7.1Hz), 5.03(2H,s), 6.65-6.75(2H,m), 6.95(1H,d,J=8Hz), 7.38-7.51(3H,m), 7.95-8.08(2H,m)。
【0088】
参考例51
7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプタン酸エチル(9.6g)のテトラヒドロフラン(THF)(50ml)溶液を水素化リチウムアルミニウム(0.96g)のテトラヒドロフラン(THF)(50ml)懸濁液に室温で滴下した。混合物を室温で30分間かきまぜた後、氷冷下に水(6ml)を滴下した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(2:3)で溶出する部分より、7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプタノールを得た。クロロホルム−エーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 78〜79℃。
参考例52
ジメチルスルホキシド(DMSO)(4g)のジクロロメタン(10ml)溶液を塩化オキサリル〔(COCl)2〕(2.9g)のジクロロメタン(100ml)溶液に−60〜−50℃で滴下し、同温度で10分間かきまぜた後、7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプタノール(4.3g)のジクロロメタン(15ml)溶液を滴下した。混合物を0℃で30分間かきまぜた後、トリエチルアミン(10.6g)を−20℃で滴下し、同温度でさらに30分間かきまぜた。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3)で溶出する部分より、7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプタナールを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 64〜65℃。
【0089】
参考例53
7−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘプタナール(3.8g)、エチレングリコール(1g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物およびトルエン(50ml)の混合物を還流下に4時間かきまぜた。冷却後反応混合物は、水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3)で溶出する部分より、2−〔6−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ヘキシル〕−1,3−ジオキソラン(3.9g,94%)を油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.20-1.74(10H,m), 2.40(3H,s), 2.54(2H,t,J=7.6Hz), 3.72-4.01(4H,m), 3.86(3H,s), 4.84(1H,t,J=4.7Hz), 5.02(2H,s), 6.62-6.76(2H,m), 6.95(1H,d,J=7.8Hz), 7.36-7.52(3H,m), 7.95-8.08(2H,m)。参考例54
水素化ナトリウム(油性、60%、2.2g)を3,4−ジフルオロニトロベンゼン(8.8g)および5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメタノール(10.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100ml)の溶液に0℃で少量づつ加え、室温で3時間かきまぜた。反応混合物は、氷−水に注ぎ2N HClで酸性化し析出結晶をろ取、ジクロロメタン−メタノールから再結晶して、3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ニトロベンゼン(14.0g,81%)を得た。無色プリズム晶。融点
155〜156℃。
【0090】
参考例55
3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ニトロベンゼン(13.6g)、パラジウム−炭素(5%,2.0g)およびテトラヒドロフラン(THF)(200ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮、3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)アニリンを油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 2.38(3H,s), 3.53(2H,broad s), 4.96(2H,s), 6.35(1H,ddd,J=8.5&3&1.5Hz), 6.46(1H,dd,J=12.5&3Hz), 6.91(1H,t,J=9Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.95-8.1(2H,m)。
参考例56
亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(3.1g)の水(5ml)溶液を3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)アニリン(12.3g)、HBr水(47%,28.4g)およびアセトン(150ml)−メタノール(50ml)の混合物に0〜5℃で滴下した。同温度で25分間かきまぜた後、アクリル酸メチル(21.3g)を加え30〜35℃に加熱、同温度で酸化銅(Cu2O)(0.05g)を加え激しくかきまぜた。反応混合物は、さらに30分間かきまぜた後減圧下に濃縮、残留物にアンモニア水を加え酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4)で溶出する部分より、2−ブロモ−3−〔3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピオン酸メチル(14.2g)を油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 2.42(3H,s), 3.16(1H,dd,J=14&7Hz), 3.39(1H,dd,J=14&8.5Hz), 3.73(3H,s), 4.34(1H,dd,J=8.5&7Hz), 5.05(2H,s), 6.85-7.0(2H,m), 7.07(1H,t,J=8.5Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.95-8.05(2H,m)。
【0091】
参考例57
2−ブロモ−3−〔3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピオン酸メチル(14.1g)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデ−7−セン(DBU)(4.8g)およびトルエン(150ml)の混合物を80−90℃で2時間かきまぜた。反応混合物は、2N HClに注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去し、3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸メチル(10.0g)を得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 167〜168℃。
参考例58
水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5M,37.2ml)を3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸メチル(9.3g)のジクロロメタン(200ml)溶液に0℃で滴下した。室温で2時間かきまぜた後氷冷下に2NHCl(200ml)を滴下しジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物は、シリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−クロロホルム(1:5)で溶出する部分より、(E)−3−〔3−フルオロ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オール(6.9g,80%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 134〜135℃。
【0092】
参考例59
参考例35と同様にして、(E)−3−〔3−フルオロ−4−(2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オールを活性化二酸化マンガンによる酸化反応に付し、3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドを得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 133〜134℃。
参考例60
参考例3と同様にして、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールとイソバニリンとの反応により、4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒドを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 121〜122℃。
参考例61
参考例16と同様にして、4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリメチルとの反応により、4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸メチルを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 135〜136℃。
【0093】
参考例62
参考例24と同様にして、4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸メチルを水素化ジイソブチルアルミニウムによる還元反応に付し、(E)−3−〔4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オールを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 137〜138℃。
参考例63
参考例35と同様にして、(E)−3−〔4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オールを活性化二酸化マンガンによる酸化反応に付し、4−メトキシ−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 136〜137℃。
【0094】
参考例64
参考例13と同様にして、4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシけい皮酸エチルを得た。酢酸エチルから再結晶した。融点 142−143℃。
参考例65
参考例47と同様にして、4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシけい皮酸エチルを接触水素添加反応に付し、3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピオン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。融点 88−89℃。
参考例66
3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピオン酸エチル(20g)、水素化ホウ素ナトリウム(9.8g)およびテトラヒドロフラン(THF)(200ml)の混合物にメタノール(50ml)を還流下に2時間で滴下した。反応混合物は水に注ぎ酢酸エチルで抽出、酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロパノール(15.5g,87%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 99−100℃。
【0095】
参考例67
3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロパノール(14.5g),トリエチルアミン(5.16g)および酢酸エチル(150ml)の混合物に氷冷下、塩化メタンスルホニル(5.8g)の酢酸エチル(10ml)溶液を滴下した。反応混合物は同温度で30分間かきまぜた後、水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮し、メタンスルホン酸〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕(16.6g,94%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 100−101℃。
参考例68
メタンスルホン酸〔3−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕プロピル〕(16.3g),シアン化ナトリウム(3.9g)およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(100ml)の混合物を80℃で2時間かきまぜた後、水に注ぎ析出する結晶をろ取、4−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ブチロニトリル(12.5g,91%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 94−95℃。
参考例69
4−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ブチロニトリル(30.0g),4NKOH(150ml)および 2-メトキシエタノール(150ml)の混合物を還流下に2時間かきまぜた後、氷水に注ぎ濃塩酸で酸性化して析出する結晶をろ取、4−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ブタン酸(31.0g,98%)を得た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 129−130℃。
【0096】
参考例70
4−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ブタン酸(106g),ヨウ化イソプロピル(58.2g)、炭酸カリウム(47.3g)および N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(100ml)の混合物を65−70℃で4時間かきまぜた後、氷水に注ぎ酢酸エチルで抽出、酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶出する部分より、4−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ブタン酸イソプロピル(107g,91%)を得た。アセトン−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 45−46℃。
参考例71
4−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ブタン酸イソプロピル(100g)のトルエン(300ml)−N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(30ml)溶液を、シュウ酸ジイソプロピル(84.3g)、油性水素化ナトリウム(60%,11.6g)およびトルエン(300ml)−N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(30ml)の混合物に100℃で滴下した。同温度で1時間かきまぜた後反応混合物を氷水−2N HClと酢酸エチルに分配、酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物をジメチルスルホキシド(DMSO)(400ml)−水(40ml)に溶解し、塩化ナトリウム(14.1g)を加え120℃で10時間かきまぜた。反応混合物を水に注ぎ酢酸エチルで抽出、酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(100ml)−イソプロパノール(200ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)(1.83g)を少量ずつ氷冷下に加えた。反応混合物を0℃で90分間かきまぜた後氷−水に注ぎ、2NHClで酸性化後酢酸エチルで抽出、酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶出する部分より、(±)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸イソプロピル(35.1g,33%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 75−76℃。
【0097】
参考例72
3Lフラスコに(±)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸イソプロピル(33.0g)、LIP-301〔シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.)由来固定化リパーゼ,TOYOBO CO., LTD〕(16.5g)、モレキュラー シーブ4A(33g)、トルエン(1650ml)および酢酸ビニル(158ml)を順次加え23℃で4時間かきまぜた。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、イソプロピルエーテルで溶出する部分より、(R)−(+)−2−アセトキシ−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ペンタン酸イソプロピル(15.9g)を得た。本化合物は、HPLC によるキラル分析で96%eeであった。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.22(3H,d,J=6Hz), 1.26(3H,d,J=6Hz), 1.6-1.95(4H,m), 2.13(3H,s), 2.40(3H,s), 2.59(2H,t,J=8Hz), 3.86(3H,s), 4.95(1H,t,J=6Hz), 4.95-5.15(2H,m), 5.03(2H,s), 6.52(1H,dd,J=3.5&2Hz), 6.65-6.75(2H,m), 6.9-7.0(2H,m), 7.53(1H,dd,J=2&1Hz)。〔α〕D +12.4°(c=2.0,2-propanol)。
ついで溶出する部分より、(S)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸イソプロピル(19.7g)を得た。本化合物は、HPLC によるキラル分析で89%eeであった。
参考例73
3Lフラスコに参考例72で得た(S)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸イソプロピル(19.7g)、LIP-301〔シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.)由来固定化リパーゼ,TOYOBO CO., LTD〕(16.5g)、モレキュラー シーブ4A(33g)、トルエン(1650ml)および酢酸ビニル(158ml)を順次加え23℃で4時間かきまぜた。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、イソプロピルエーテルで溶出する部分より、(S)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸イソプロピル(13.9g)を得た。本化合物は、HPLC によるキラル分析で98%eeであった。2−プロパノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 90−91℃。〔α〕D −2.35°(c=2.0,2-propanol)。
【0098】
参考例74
(R)−(+)−2−アセトキシ−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ペンタン酸イソプロピル(4.87g)をメタノール性塩酸(5%,100ml)に溶解し室温で12時間かきまぜた後、水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出する部分より、(R)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸メチル(3.2g,77%)を得た。酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 83−84℃。〔α〕D −3.08°(c=1.0,CHCl3)。
参考例75
(S)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸イソプロピル(3.55g)をメタノール性塩酸(5%,100ml)に溶解し室温で10時間かきまぜた後、水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出する部分より、(S)−(+)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸メチル(3.03g,91%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点
80−81℃。〔α〕D +3.03°(c=1.0,CHCl3)。
【0099】
参考例76
(R)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸メチル(3.15g)のピリジン(50ml)溶液に、クロロ炭酸(4−ニトロフェニル)(2.3g)を室温で少量づつ加え1時間かきまぜた。反応混合物は、水に注ぎ2NHClで酸性化後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶出する部分より、(R)−(+)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシ)ペンタン酸メチル(4.3g,98%)を得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.7-2.05(4H,m), 2.41(3H,s), 2.63(2H,t,J=7Hz), 3.81(3H,s), 3.87(3H,s), 5.03(2H,s), 5.06(1H,t,J=6Hz), 6.53(1H,dd,J=3.5&2Hz), 6.65-6.75(2H,m), 6.9-7.0(2H,m), 7.41(2H,d,J=9Hz), 7.54(1H,dd,J=2&1Hz), 8.29(2H,d,J=9Hz)。〔α〕D +8.06°(c=1.0,CHCl3)。
参考例77
参考例76と同様にして、(S)−(+)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−ヒドロキシペンタン酸メチルより(S)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシ)ペンタン酸メチルを得た。〔α〕D−8.09°(c=1.0,CHCl3)。
【0100】
参考例78
(R)−(+)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシ)ペンタン酸メチル(4.25g)のテトラヒドロフラン(THF)(80ml)溶液にアンモニア(ガス)を−65〜−70℃で10分間通じた。反応混合物は、水−6NHClに注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後濃縮した。残留物はシリカゲル カラムクロマトグラフィ−に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出する部分より、(R)−(+)−2−カルバモイルオキシ−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ペンタン酸メチル(3.0g,89%)を得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 110−111℃。〔α〕D +5.30°(c=1.0,CH3OH)。
参考例79
参考例78と同様にして、(S)−(−)−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕−2−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシ)ペンタン酸メチルより(S)−(−)−2−カルバモイルオキシ−5−〔4−〔2−(2−フリル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕−3−メトキシフェニル〕ペンタン酸メチルを得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 110−111℃。〔α〕D −5.41°(c=1.0,CH3OH)。
【0101】
参考例80
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,15.6ml)を(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)トリフェニルホスホニウム ブロミド(10.74g)およびテトラヒドロフラン(110ml)の混合物に−15℃で滴下した。この混合物を同温度で1時間かきまぜた後、3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(6.74g)を加え50℃で4時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、0.1NHCl、水及び飽和食塩水の順に洗浄後乾燥(MgSO4)、溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2,v/v)で溶出する部分より、2−〔2−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ビニル〕−1,3−ジオキソラン(4.84g)を油状物として得た。この油状物(4.84g)をテトラヒドロフラン(90ml)に溶解し、パラジウム-炭素(5%,50% wet,1.8g)を加え室温、1気圧で接触還元反応に付した。触媒をろ別後、ろ液を濃縮し残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より、2−〔2−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕エチル〕−1,3−ジオキソラン(3.03g,37%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 90〜91℃。
参考例81
2−〔2−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕エチル〕−1,3−ジオキソラン(2.73g)および酢酸水溶液(50%,75ml)の混合物を80℃で3時間かきまぜた。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物は水に注いで炭酸カリウムで塩基性とした後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗後乾燥(MgSO4)、溶媒を留去し、3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピオンアルデヒド(2.09g,86%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 85〜86℃。
【0102】
参考例82
3−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピオンアルデヒド(1.79g)、シアン化ナトリウム(0.3g)、無水酢酸(0.62g)、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム(0.79g)、水(12ml)およびジクロロメタン(35ml)の混合物を室温で15時間かきまぜた。有機層を分取し水洗後乾燥(MgSO4)、溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より、2−アセトキシ−4−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチロニトリル(2.0g,94%)を得た。NMR(δ ppm in CDCl3) : 2.14(3H,s), 2.12-2.31(2H,m), 2.41(3H,s), 2.78(2H,t,J=8Hz), 3.87(3H,s), 5.04(2H,s), 5.27(1H,t,J=7Hz), 6.70(1H,dd,J=8&2Hz), 6.71(1H,d,J=2Hz), 7.00(1H,d,J=9Hz), 7.42-7.47(3H,m), 7.99-8.04(2H,m)。
参考例83
2−アセトキシ−4−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチロニトリル(2.0g)、6NHCl(24ml)およびジオキサン(12ml)の混合物を還流下に4時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物にエタノール性塩酸(10%,24ml)を加え、還流下に1.5時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2,v/v)で溶出する部分より、2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブタン酸エチル(0.73g,60%)を得た。NMR(δ ppm in CDCl3) : 1.29(3H,t,J=7Hz), 1.81-2.17(2H,m), 2.70(2H,t,J=8Hz), 2.84(1H,d,J=5Hz), 3.88(3H,s), 4.13-4.19(1H,m), 4.22(2H,q,J=7Hz), 5.50(1H,s), 6.70(1H,dd,J=7&2Hz), 6.72(1H,s), 6.84(1H,d,J=9Hz)。
【0103】
参考例84
2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブタン酸エチル(0.73g)、シアン酸カリウム(KCNO)(0.7g)およびブタノール(25ml)の混合物を還流下に18時間かきまぜた。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物は水に注いで2NHClで酸性とした後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗後乾燥(MgSO4)、溶媒を留去、残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−クロロホルム(1:4,v/v)で溶出する部分より、5−〔2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.2g,28%)を得た。NMR(δ ppm in CDCl3) : 2.12-2.16(2H,m), 2.73-2.83(2H,m), 3.89(3H,s), 4.80(1H,dd,J=8&5Hz), 5.53(1H,s), 6.70(1H,d,J=2Hz), 6.72(1H,dd,J=7&2Hz), 6.86(1H,d,J=9Hz), 8.21(1H,br s)。
参考例85
水素化ホウ素ナトリウム(1.41g)を4−アセチルー5−メチル−2−フェニルオキサゾール(15.0g)のエタノール(100ml)溶液に0℃で少量づつ加えた。さらに同温度で1時間、室温で1時間かきまぜた後、反応混合物を水に注いで2NHClで中和し1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノール(13.0g,86%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 101〜102℃。
参考例86
1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノール(5.0g)、バニリン(3.75g)、トリフェニルホスフィン(Ph3P)(7.1g)およびテトラヒドロフラン(THF)(80ml)の混合物に氷冷下アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)(4.71g)を滴下した。室温で8時間かきまぜた後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分より、3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンズアルデヒド(4.48g,54%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 104〜105℃。
【0104】
参考例87
参考例13と同様にして、3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕けい皮酸エチルを得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 121−122℃。
参考例88
参考例24と同様にして、3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕けい皮酸エチルを水素化ジイソブチルアルミニウムによる還元反応に付し、(E)−3−〔3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オールを得た。NMR(δ ppm in CDCl3) : 1.44(1H,br t,J=6.5Hz), 1.75(3H,d,J=6.5Hz), 2.28(3H,s), 3.88(3H,s), 4.25-4.35(2H,m), 5.37(1H,q,J=6.5Hz), 6.23(1H,dt,J=16&6Hz), 6.52(1H,dt,J=16&1.5Hz), 6.8-6.95(3H,m), 7.35-7.5(3H,m), 7.95-8.05(2H,m)。
参考例89
参考例35と同様にして、(E)−3−〔3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オールを活性二酸化マンガンによる酸化反応に付し、3−メトキシ−4−〔1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕シンナムアルデヒドを得た。アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 152−153℃。
【0105】
参考例90
水素化ナトリウム(油性、60%、8.43g)を4−ベンジルオキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(46.4g)およびホスホノクロトン酸トリエチル(50.3g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(190ml)の溶液0℃で少量づつ加えた。この混合物を室温で15時間かきまぜた後、1NHCl(1L)に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より、(E,E)−5−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(38.3g,59%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 85〜86℃。
参考例91
参考例47と同様にして、(E,E)−5−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチルを接触還元反応に付し、5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ペンタン酸エチルを得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.25(3H,t,J=7Hz), 1.61-1.66(4H,m), 2.32(2H,t,J=7Hz), 2.56(2H,t,J=7Hz), 3.88(3H,s), 4.12(2H,q,J=7Hz), 5.46(1H,s), 6.66(1H,dd,J=8&2Hz), 6.83(1H,d,J=9Hz)。
【0106】
参考例92
5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル(27.92g)、臭化ベンジル(20.82g)、炭酸カリウム(22.9g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(140ml)の混合物を90℃で15時間かきまぜた後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:6,v/v)で溶出する部分より、5−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル(31.64g,84%)を得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.25(3H,t,J=7Hz), 1.61-1.66(4H,m), 2.32(2H,t,J=7Hz), 2.56(2H,t,J=7Hz), 3.88(3H,s), 4.12(2H,q,J=7Hz), 5.12(2H,s), 6.64(1H,dd,J=8&2Hz), 6.72(1H,d,J=2Hz), 6.80(1H,d,J=8Hz), 7.28-7.47(5H,m)。
参考例93
参考例71と同様にして、5−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ペンタン酸エチルをシュウ酸ジエチルと縮合後生成物を脱炭酸反応に付し、さらに水素化ホウ素ナトリウムによる還元により、6−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシヘキサン酸エチルを得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.27(3H,t,J=7Hz), 1.43-1.79(6H,m), 2.55(2H,t,J=8Hz), 2.73(1H,d,J=6Hz), 3.88(3H,s), 4.12-4.17(1H,m), 4.23(2H,q,J=7Hz), 5.12(2H,s), 6.63(1H,dd,J=8&2Hz), 6.72(1H,d,J=2Hz), 6.79(1H,d,J=8Hz), 7.26-7.46(5H,m)。
【0107】
参考例94
参考例47と同様にして、5−〔4−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 115〜116℃。
参考例95
参考例13と同様にして、4−ベンジルオキシ−3−エトキシベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、4−ベンジルオキシ−3−エトキシけい皮酸エチルを得た。イソプロピルエーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 74.5−75℃。
参考例96
参考例47と同様にして、4−ベンジルオキシ−3−エトキシけい皮酸エチルを接触還元反応に付し、3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルを得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.24(3H,t,J=7Hz), 1.44(3H,t,J=7Hz), 2.57(2H,t,J=7.7Hz), 2.87(2H,t,J=7.7Hz), 4.09(2H,q,J=7Hz), 4.13(2H,q,J=7Hz), 5.54(1H,s), 6.69(1H,d,J=8.4Hz), 6.70(1H,s), 6.84(1H,d,J=8.4Hz)。
【0108】
参考例97
参考例92と同様にして、3−(3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルと臭化ベンジルとの反応により、3−(4−ベンジルオキシ−3−エトキシフェニル)プロピオン酸エチルを得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.23(3H,t,J=7Hz), 1.45(3H,t,J=7Hz), 2.58(2H,t,J=7.6Hz), 2.87(2H,t,J=7.6Hz), 4.09(2H,q,J=7Hz), 4.12(2H,q,J=7Hz), 5.11(2H,s), 6.66(1H,dd,J=8.3&1.9Hz), 6.76(1H,d,J=1.9Hz), 6.82(1H,d,J=8.3Hz), 7.23-7.61(5H,m)。
参考例98
参考例93と同様にして、3−(4−ベンジルオキシ−3−エトキシフェニル)プロピオン酸エチルより、4−(4−ベンジルオキシ−3−エトキシフェニル)−2−ヒドロキシブタン酸エチルを得た。酢酸エチル−イソプロピルエーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 62−63℃。
参考例99
参考例47と同様にして、5−〔2−(4−ベンジルオキシ−3−エトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔2−(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 154.5〜155℃。
【0109】
参考例100
参考例13と同様にして、3−ベンジルオキシ−4−メトキシベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、4−ベンジルオキシ−3−メトキシけい皮酸エチルを得た。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 95−96℃。
参考例101
参考例47と同様にして、4−ベンジルオキシ−3−メトキシけい皮酸エチルを接触還元反応に付し、3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルを得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 1.24(3H,t,J=7Hz), 2.57(2H,t,J=7.6Hz), 2.86(2H,t,J=7.6Hz), 3.86(3H,s), 4.13(2H,q,J=7.2Hz), 5.58(1H,s), 6.68(1H,dd,J=8.2&2Hz), 6.77(1H,d,J=8.2Hz), 6.78(1H,d,J=2Hz)。
【0110】
参考例102
参考例92と同様にして、3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルと臭化ベンジルとの反応により、3−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルを得た。ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 49.5−50.5℃。
参考例103
参考例93と同様にして、3−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルより、4−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシブタン酸エチルを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 93−94℃。
参考例104
参考例47と同様にして、5−〔2−(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。イソプロピルエーテル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 121〜122℃。
【0111】
参考例105
参考例92と同様にして、シリングアルデヒドと臭化ベンジルとの反応により、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒドを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色柱状晶。融点 65−66℃。
参考例106
参考例13と同様にして、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシけい皮酸エチルを得た。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色板状晶。融点 68−69℃。
参考例107
参考例34と同様にして、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシけい皮酸エチルを還元反応に付し、(E)−3−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オールを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 72−73℃。
【0112】
参考例108
参考例35と同様にして、(E)−3−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オールを活性二酸化マンガンによる酸化反応に付し、4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシシンナムアルデヒドを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色板状晶。融点 114−115℃。
参考例109
参考例47と同様にして、5−〔3−(4−ベンジルオキシ−3,5−ジメトキシ)シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。エタノール−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 155〜156℃。
【0113】
参考例110
参考例54と同様にして、3,4−ジフルオロニトロベンゼンと2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エタノールとの反応により、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕ニトロベンゼンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点 95−96℃。
参考例111
参考例55と同様にして、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕ニトロベンゼンを接触水素添加反応に付し、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕アニリンを油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): 3.15(3H, s), 3.40-3.55(2H, brs), 3.96(2H, t, J=5.4Hz), 4.16(2H, t, J=5.4Hz), 6.30-6.37(1H, m), 6.41-6.58(3H, m), 6.73-6.83(1H, m), 7.40-7.50(1H, m), 8.12-8.17(1H, m)。
参考例112
参考例56と同様にして、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕アニリンより2−ブロモ−3−〔3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕プロピオン酸メチルを油状物として得た。NMR(δ ppm in CDCl3): : 3.14(1H, dd, J=7.0Hz, 14.0Hz), 3.15(3H, s), 3.37(1H, dd, J=8.2Hz, 14.0Hz), 3.73(3H, s), 4.00(2H, t, J=5.4Hz), 4.23(2H, t, J=5.4Hz), 4.32(1H, dd, J=7.0Hz, 8.2Hz), 6.49-6.58(2H, m), 6.86-6.96(3H, m), 7.45(1H, ddd, J=1.8Hz, 6.8Hz, 8.8Hz), 8.12-8.16(1H, m)。
【0114】
参考例113
参考例57と同様にして、2−ブロモ−3−〔3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕プロピオン酸メチルより3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕けい皮酸メチルを得た。 酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 110−111℃。
参考例114
参考例58と同様にして、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕けい皮酸メチルを水素化ジイソブチルアルミニウムによる還元反応に付し、(E)−3−〔3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オールを得た。 酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 80−81℃。
参考例115
参考例35と同様にして、(E)−3−〔3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オールを活性化二酸化マンガンによる酸化反応に付し、3−フルオロ−4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕シンナムアルデヒドを得た。 酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 93−94℃。
Claims (24)
- 一般式
- nが0または1、Aが炭素数1〜4の2価の飽和脂肪族炭化水素残基、LおよびMがそれぞれ水素原子であり、R2がハロゲン原子または炭素数1〜4のアルコキシ基である請求項3記載の化合物。
- Aが−CH2CH2−である請求項4記載の化合物。
- Rがそれぞれ置換されていてもよいオキサゾリル基,チアゾリル基,オキサジアゾリル基またはピリジル基である請求項4記載の化合物。
- Rが置換されていてもよいオキサゾリル基である請求項4記載の化合物。
- Rがフェニル基,ナフチル基,フリル基,チエニル基またはC1−3アルキル基で置換されていてもよいオキサゾリル基である請求項4記載の化合物。
- Yが−CO−、nが0、Aが炭素数1〜4の2価の飽和脂肪族炭化水素残基であり、LおよびMがそれぞれ水素原子である請求項2記載の化合物。
- Aが−CH2−または−CH2CH2−である請求項9記載の化合物。
- R2が置換されていてもよいヒドロキシ基である請求項3記載の化合物。
- R2が炭素数1〜4のアルコキシ基である請求項11記載の化合物。
- 5−〔3−〔3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンである請求項1記載の化合物。
- 5−〔5−〔3−メトキシ−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンである請求項1記載の化合物。
- 5−〔3−〔3,5−ジメトキシ−4−〔2−〔(E)−スチリル〕−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンである請求項1記載の化合物。
- 血糖低下作用剤である請求項16記載の医薬組成物。
- 血中脂質低下作用剤である請求項16記載の医薬組成物。
- 糖尿病治療剤である請求項16記載の医薬組成物。
- 高脂血症治療剤である請求項16記載の医薬組成物。
- 一般式
- 一般式
- 一般式
R−(CO)m−CH2−Q
〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基,フェニル基,オキサゾリル基,チアゾリル基,オキサジアゾリル基またはピリジル基を、mは0または1を、Qは脱離基を示す。〕で表される化合物とを反応させることを特徴とする一般式
- 一般式
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