JP3762607B2 - 2,4−オキサゾリジンジオン誘導体、その製造法およびそれを含んでなる医薬組成物 - Google Patents
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は血糖および血中脂質低下作用を有する新規オキサゾリジンジオン誘導体、その製造法およびそれを含んでなる糖尿病治療剤に関するものであり、医薬の分野において用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病の治療剤としては、従来から種々のビグアナイド系化合物およびスルホニルウレア系化合物が用いられてきた。しかし、ビグアナイド系化合物は乳酸アシド−シスを引き起こすため現在ほとんど用いられておらず、またスルホニルウレア系化合物は強力な血糖低下作用を有するが、しばしば重篤な低血糖を引き起こし、使用上の注意が必要である。またこのような欠点のない血糖および血中脂質低下作用を有するチアゾリジンジオン誘導体およびオキサゾリジンジオン誘導体が知られている。
たとえば、5位に置換基を有する2,4−オキサゾリジンジオン誘導体として、公開特許公報平3−170478、WO9202520−A1に一連の5−(置換ベンジル)−2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が、特許公報昭62−30993に5位が脂環式炭化水素で置換された2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が、また特許公報昭63−35632に5位が置換芳香環等で置換された2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、2,4−オキサゾリジンジオン誘導体について種々検討を加えた結果、2,4−オキサゾリジンジオン環の5位置換基として、たとえば2−(置換フェニルまたは置換ピリジル)エチル基、3−(置換フェニルまたは置換ピリジル)プロピル基、4−(置換フェニルまたは置換ピリジル)ブチル基、5−(置換フェニルまたは置換ピリジル)ペンチル基など、末端に置換フェニルまたは置換ピリジルを有する2価の直鎖状または分枝状の炭素鎖を有する新規誘導体が血糖及び血中脂質低下作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は
1.一般式
【化10】
〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複素環基を、Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−(ただしR3は置換されていてもよいアルキル基を示す。)で示される基を、mは0または1を、nは0,1または2を、XはCHまたはNを、Aは炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基をそれぞれ示す。R1およびR2はそれぞれ水素原子またはアルキル基を示すかまたはR1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成していることを示す。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかまたはLとMが互いに結合して両者で1個の結合手を形成するものとする。〕で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその薬理学的に許容しうる塩、
2.一般式(I)で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含有してなる医薬組成物、および
3.一般式(I)で表わされる化合物の製造法、
である。
【0005】
上記一般式(I)で表わされる化合物はつぎの式で表わされる化合物を含む。
【化11】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕
化合物の薬効の強さおよび毒性などを考慮すると一般式(I−A1),(I−A2)および(I−A3)で表わされる化合物の中でも(I−A1)および(I−A2)で表わされる化合物が好ましく、(I−A1)で表わされる化合物が最も好ましい。
上記一般式(I)中、LとMが互いに結合して両者で1個の結合手を形成する場合、一般式(I)は一般式
【化12】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕を意味し、またLおよびMがそれぞれ水素原子を示すとき、一般式(I)は一般式
【化13】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕を意味する。
前記一般式(I−B1)で表わされる化合物にはオキサゾリジンジオン環の5位の二重結合に関し、(E)体および(Z)体が存在する。
一般式(I−B1)および(I−B2)で表わされる化合物の中でも一般式(I−B1)で表わされる化合物が好ましい。
上記一般式(I)において、R1,R2で示されるアルキル基としては、たとえばメチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,t−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられる。R1,R2としてはそれぞれ水素原子であるかまたはR1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成する場合が好ましいが、R1,R2がそれぞれ水素原子であるのが最も好ましい。
【0006】
上記一般式(I)において、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成する場合、具体的には、たとえばつぎの一般式で表わされる化合物が含まれる。
(1)R1とR2が互いに結合して5員の複素環を形成している。
【化14】
(2)R1とR2が互いに結合して6員の複素環を形成している。
【化15】
(3)R1とR2が互いに結合して窒素原子を含んで5員の複素環を形成している。
【化16】
(4)R1とR2が互いに結合して窒素原子を含んで6員の複素環を形成している。
【化17】
【化18】
〔式中、Dは水素原子または低級アルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。〕
上記化合物(I−C1)〜(I−C8)の中でも(I−C1),(I−C2),(I−C3)および(I−C6)で表わされる化合物が好ましい。
【0007】
前記一般式(I)中、Rとしては置換されていてもよい複素環基が好ましい。Rで表される置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化水素残基が挙げられ、該脂肪族炭化水素残基としては炭素数1〜8のもの、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基、たとえばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなど炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素残基が、該脂環族炭化水素残基としては炭素数3〜7のもの、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7の飽和脂環族炭化水素残基および1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニル、2,4−シクロヘプタジエニルなど炭素数5〜7の不飽和脂環族炭化水素残基が、該脂環族−脂肪族炭化水素残基としては上記脂環族炭化水素残基と脂肪族炭化水素残基とが結合したもののうち、炭素数4〜9のもの、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シクロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが、該芳香脂肪族炭化水素残基としては、たとえばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピルなど炭素数7〜9のフェニルアルキル、α−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−ナフチルエチルなど炭素数11〜13のナフチルアルキルが、該芳香族炭化水素残基としては、たとえばフェニル、ナフチル(α−ナフチル,β−ナフチル)などが挙げられる。
【0008】
前記一般式(I)中、Rで表される置換されていてもよい複素環基における複素環基としては、たとえば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が挙げられ、これらの複素環基は2個以下の窒素原子をふくむ6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合していてもよい。このような複素環基の具体例としては、例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1,2,4−トリアゾ−ル−3−イル、1,3,4−トリアゾ−ル−2−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル、テトラゾ−ル−5−イル、ベンズイミダゾ−ル−2−イル、インド−ル−3−イル、ベンズピラゾ−ル−3−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−2−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−6−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−2−イル等が挙げられる。これらの中でもオキサゾリルが好ましい。
【0009】
前記一般式(I)中、Rで表される炭化水素残基および複素環基は、それぞれ置換可能な位置に置換基を1〜3個有していてもよい。かかる置換基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシル基、置換されていてもよいチオール基、エステル化されていてもよいカルボキシル基が挙げられる。かかる脂肪族鎖式炭化水素基としては、炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えばアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基、アルキニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。アルケニル基の好適な例としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。アルキニル基の好適な例としては、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。該脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。シクロアルキル基の好適な例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルなどが挙げられる。シクロアルケニル基の好適な例としては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。シクロアルカジエニル基の好適な例としては、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。該アリール基とは、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基を意味し、好適な例としては炭素数6〜14のもの、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0010】
該芳香族複素環基の好適な例としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
【0011】
該非芳香族複素環基の好適な例としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノなどが挙げられる。該ハロゲンの例としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられ、とりわけフッ素および塩素が好ましい。該置換されていてもよいアミノ基としては、無置換のアミノの他、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基が1または2個アミノ基(−NH2基)に置換したもの(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ等)があげられる。該置換されていてもよいアシルには無置換のアシルおよび置換されたアシルがあり、無置換のアシルとしては、ホルミルの他たとえば炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基とカルボニル基の結合したもの(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタノイル、シクロペンタノイル、シクロヘキサノイル、シクロヘプタノイル、クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等)があげられる。置換されたアシルとしては、前記無置換のアシルにたとえば炭素数1〜3のアルキル、たとえば炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン(例、塩素,臭素など)、ニトロ、ヒドロキシ、アミノなど置換したものが挙げられる。
【0012】
該置換されていてもよいヒドロキシル基としては、無置換のヒドロキシル基の他に置換されたヒドロキシル基すなわちヒドロキシル基に適宜の置換基を有するものがあり、置換されたヒドロキシル基としては、例えばアルコキシ、アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキシなどに加えてアリールオキシなど水酸基の保護基で保護されたものがあげられる。該アルコキシとしては、炭素数1〜10のアルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシルオキシなど)が好ましい。アルケニルオキシとしては、アリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメトキシなど炭素数1〜10のものが、アラルキルオキシとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)があげられる。アシルオキシとしては、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−ブチリルオキシ、iso−ブチリルオキシなど)が好ましい。アリールオキシとしてはフェノキシ、4−クロロフェノキシなどがあげられる。
【0013】
該置換されていてもよいチオール基としては、チオール基の他にこのチオール基に適宜の置換基を有したもの、特にチオール基の保護基で保護されたものが挙げられる。その具体例としては、例えばアルキルチオ、アラルキルチオ、アシルチオなどがあげられる。アルキルチオとしては、炭素数1〜10のアルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなど)が好ましい。アラルキルチオとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチルチオなど)があげられる。アシルチオとしては、炭素数2〜4のアルカノイルチオ(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、n−ブチリルチオ、iso−ブチリルチオなど)が好ましい。
該エステル化されていてもよいカルボキシル基としては、たとえばアルコキシカルボニル(たとえばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニルなどの炭素数2〜5のもの),アラルキルオキシカルボニル(たとえばベンジルオキシカルボニルなど),アリールオキシカルボニル(たとえばフェノキシカルボニル,p−トリールオキシカルボニルなど)などがあげられる。
Rで示される炭化水素残基上および複素環基上の置換基の中でもフェニル、ナフチル、フリール、チエニル、C1-3アルキルが特に好ましい。
【0014】
前記一般式(I)中、Rで表される炭化水素残基および複素環基上の置換基は、それらが脂環式炭化水素基,アリール基,芳香族複素環基,非芳香族複素環基であるときはさらにそれぞれ適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、該置換基としては、例えば低級アルキル基(炭素数1〜4のもの)、低級アルケニル基(炭素数2〜5のもの)、低級アルキニル基(炭素数2〜5のもの)、シクロアルキル基(炭素数3〜7のもの)、アリール基(フェニル,ナフチルなど)、芳香族複素環基(チエニル,フリル,ピリジル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素環基(テトラヒドロフリル,モルホリノ,ピペリジノ,ピロリジノ,ピペラジノなど)、アラルキル基(炭素数7〜9のもの)、アミノ基、N−モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、N,N−ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アミジノ基、炭素数2〜5のアシル基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C4)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1−C4)アルキルカルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ(C1−C4)アルキルスルファモイル基、N,N−ジ(C1−C4)アルキルスルファモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(炭素数2〜5のもの)、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基(炭素数1〜4のもの)、低級アルケニルオキシ基(炭素数2〜5のもの)、シクロアルキルオキシ基(炭素数3〜7のもの)、アラルキルオキシ基(炭素数7〜9のもの)、アリールオキシ基(フェニルオキシ,ナフチルオキシなど)、メルカプト基、低級アルキルチオ基(炭素数1〜4のもの)、アラルキルチオ基(炭素数7〜9のもの)、アリールチオ基(フェニルチオ,ナフチルチオなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)などが挙げられる。
【0015】
mは0または1を示すが0が好ましい。nは0,1または2を示すが1が好ましく0が最も好ましい。
mが0、かつnが0のときはR1が置換している炭素とRとが直接結合していることを示す。mが0でnが1または2のときはRと−(CH2)n−が直接結合していることを、またmが1でnが0のときはR1が置換している炭素とYが直接結合していることを示す。
Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−を示すが、−CH(OH)−,−N(R3)−が好ましい。
R3で示される置換されていてもよいアルキル基のアルキル基としては、たとえばメチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,t−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられ、置換基としては、たとえばハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),炭素数1〜4のアルコキシ基(たとえばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,n−ブトキシ,t−ブトキシなど),ヒドロキシ基,ニトロ基,炭素数1〜4のアシル基(たとえばホルミル,アセチル,プロピオニルなど)などがあげられる。
Aで示される炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基は直鎖状、分枝状のいずれでもよく、また飽和不飽和のいずれでもよい。その具体例としては、たとえば−CH2−,−CH(CH3)−,−(CH2)2−,−CH(C2H5)−,−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−,−(CH2)6−,−(CH2)7−の飽和のもの、たとえば−CH=CH−,−C(CH3)=CH−,−CH=CH−CH2−,−C(C2H5)=CH−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH=CH−CH2−などの不飽和のものでもよい。中でも炭素数1〜4の飽和のものが好ましく、−CH2CH2−が最も好ましい。一般式(I−8)中、Dで示される低級アルキル基としては、たとえばメチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられる。
【0016】
本発明の化合物(I)の塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。これらの塩の中でもナトリウム塩、カリウム塩が最も好ましい。
【0017】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容しうる塩は毒性が低く血糖および血中脂質低下作用およびインスリン感受性増強作用を有し、そのままもしくは自体公知の薬理学的に許容しうる担体、賦形剤、増量剤などと混合して人を含む哺乳動物に対して糖尿病治療剤、血圧降下剤として用いることができる。
本発明化合物(I)は低毒性で、例えば、実施例18の化合物を1日当たり15mg/kgの割合で4日間マウスに経口投与した場合、体重および肝臓重量には、コントロールに対し何等変化は認められなかった。また 実施例18で製造した化合物を、100mg/kgの割合で経口投与または50mg/kgの割合で腹腔内投与しても死亡例は認められなかった。
投与方法は通常例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤などとして経口的に用いられるが、場合によっては注射剤、坐剤、ペレットなどとして非経口的に投与できる。投与量は成人に経口投与する場合1日0.05〜10mg/kgであり、この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
本発明の化合物(I)は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤;またはシロップ剤、注射剤などの液状製剤として経口または非経口的に投与することができる。
【0018】
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0019】
以下に本発明の化合物(I)の製造法について述べる。
A法
【化19】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
化合物(I−B1)は、化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの縮合により製造される。この反応は塩基の存在下溶媒中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸が挙げられる。該塩基としては、ナトリウムアルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウムやピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の2級アミン類が用いられる。2,4−オキサゾリジンジオンの使用量は、化合物(II)に対して1〜10モル当量、好ましくは1〜5モル等量である。塩基の使用量は、化合物(II)に対して0.01〜5モル当量、好ましくは0.05〜2モル等量である。本反応は0〜150℃、好ましくは20〜100℃で0.5〜30時間かけて行われる。
本法により製造される化合物(I−B1)は、2,4−オキサゾリジンジオン環5位の二重結合に関し、(E)体および(Z)体の混合物として得られることもある。
【0020】
B法
【化20】
〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
前記一般式(III)中、Zで表わされる低級アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。Zで表わされるアラルキル基としては、アリール基を置換基として有するアルキル基(アリールアルキル基)を意味する。該アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらは前記低級アルキル基(炭素数1〜4のもの)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、ニトロ基等の置換基を有していてもよい。該アルキル基としてはメチル、エチル、プロピルなど炭素数1〜4のものがあげられる。該アラルキル基の好適な例としては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチルなどが挙げられ、なかでもベンジル、フェネチルなどが好ましい。
化合物(III)をシアン酸アルカリ金属、例えばシアン酸カリウムまたはシアン酸ナトリウムと反応させることにより化合物(I−B2)のアルカリ金属塩が得られ、これを酸で処理することにより化合物(I−B2)を製造することができる。化合物 (III) とシアン酸アルカリ金属の反応は適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては、通常メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、ブタノール等のアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が用いられる。シアン酸アルカリ金属の使用量は、化合物(III)に対し、1〜10モル等量、好ましくは1〜5モル等量である。反応温度は、0〜150℃、好ましくは10〜120℃、反応時間は0.5〜50時間である。このようにして得た化合物(I−B2)のアルカリ金属塩は、常法により酸で処理して化合物(I−B2)を製造する。本酸処理は、適宜の溶媒あるいは溶媒なしで行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸を過剰に用いることが好ましいが、酢酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸も用いることができる。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0021】
C法
【化21】
〔式中、A1は炭素数1〜7の直鎖状または分枝状の2価の飽和脂肪族炭化水素残基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕
A1で示される炭素数1〜7の直鎖状または分枝状の2価の飽和脂肪族炭化水素残基としてはAで示される2価の脂肪族炭化水素残基のうち飽和のものをいう。
化合物(I−B1)を還元反応に付すことにより化合物(I−B2a)を製造することができる。本還元反応は、常法に従い溶媒中、触媒の存在下、1〜150気圧の水素雰囲気中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。触媒としては、ニッケル化合物、などの金属、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒等を用いることにより有利に行われる。反応温度は、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、反応時間は0.5〜50時間である。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2a)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0022】
D法
【化22】
〔式中、Bは低級アルコキシ、低級アルキルチオまたは低級アシルオキシを、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Bで表わされる低級アルコキシとしてはたとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなど炭素数1〜4のものが、低級アルキルチオ基としてはたとえばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオなど炭素数1〜4のものが、低級アシルオキシとしてはたとえばアセチルオキシ、プロピオニルオキシなど炭素数1〜4のものが挙げられる。2つのBが互いに結合してエチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ジチオトリメチレン等を形成していてもよい。すなわち、式(IV)の−CH(B)2 は保護されたアルデヒド基を意味する。
化合物(IV)と2,4−オキサゾリジンジオンとを縮合して化合物(I−B1)を製造する。本縮合反応は、A法における化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの反応と同様にして行なわれる。
【0023】
E法
【化23】
〔式中、Qは脱離基を、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Qで表わされる脱離基としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
化合物(V)と化合物(VI)とを縮合して化合物(I−D1)を製造する。
この反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンおよびこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどがあげられる。これら塩基の使用量は化合物(V)に対し1〜5モル程度が好ましい。本反応は通常−50℃〜150℃好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0024】
A法の原料化合物(II)は、例えばF法によって製造される。
F法
【化24】
〔式中、R4およびR5は同一または異なって低級アルキル基を、R6は水素原子または低級アルキル基を、qは0、1または2を表し、他の記号は前記と同意義を有する。〕
R4、R5およびR6で表わされる低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど炭素数1〜4のものが挙げられる。この方法では、まずカルボニル誘導体(VII)をホスホノ酢酸誘導体またはω−ホスホノカルボン酸誘導体(VIII)と反応させて不飽和エステル誘導体(IX)を製造する。(VII)と(VIII)の反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(VIII)に対し1〜5モル程度が好ましい。化合物(VIII)の使用量は、化合物(VII)に対し1〜5モル、好ましくは1〜3モル程度である。本反応は通常−50℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0025】
ついで化合物(IX)を還元反応に付し、アルコール誘導体(X)を製造する。本還元反応は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(IX)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化アルミニウムリチウムなどの金属水素錯化合物およびジボランなどが挙げられるが、水素化ジイソブチルアルミニウムを用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150〜、とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
ついで化合物(X)を酸化反応に付し、不飽和カルボニル誘導体(II−1)を製造する。本酸化反応は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、二酸化マンガンによる酸化、クロム酸による酸化、ジメチルスルホキシドによる酸化等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(X)を酸化剤で処理することにより行われる。酸化剤としては、二酸化マンガン、無水クロム酸等が用いられるが、二酸化マンガンを用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシドあるいはこれらの混合溶媒などが酸化剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150〜、とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
ついで化合物(II−1)を還元反応に付し、化合物(II−2)を製造する。本還元反応はC法と同様に行なわれる。
【0026】
このようにして得られるアルデヒド誘導体(II−1),(II−2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
F法の原料化合物(VII)は、例えばケミカル ファーマシューチカル ビューレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、39巻、1440頁(1990年)、公開特許公報 平4−225978号、公開特許公報 昭61−85372号、公開特許公報 昭61−271287号、公開特許公報 昭63−139182号、公開特許公報 平3−170478号、WO9119496−A1、EP−428312−A、公開特許公報 平1−299289号、公開特許公報昭63−230689号等に記載の方法に従って合成できる。
ピリジンアルデヒド誘導体(VII−1)は、例えばG法に従って製造することができる。
【0027】
G法
【化25】
〔式中、Q′はハロゲン原子を示し、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Q′で表わされるハロゲン原子としては、例えば塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本法では、まず2−クロロ−5−ニトロピリジンをアルコール誘導体(XI)と反応させて化合物(XII)を製造する。2−クロロ−5−ニトロピリジンと化合物(XI)は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(XI)に対し1〜5モル程度が好ましい。本反応は通常−50℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0028】
ついで化合物(XII)を還元反応に付し、アミン誘導体(XIII)を製造する。
本還元反応は、自体公知の方法で行うことができるが、金属触媒を用いる接触還元により有利に行われる。本接触還元は、常法に従い溶媒中、触媒の存在下、1〜150気圧の水素雰囲気中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。触媒としては、ニッケル化合物、などの金属、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒等を用いることにより有利に行われる。反応温度は、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、反応時間は0.5〜50時間である。
ついで化合物(XIII)を自体公知のサンドマイヤー反応に付し、ハロゲン誘導体(XIV)を製造する。本反応では、まず化合物(XIII)を溶媒中塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸の存在下、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)水溶液を滴下することによりジアゾ化し、ついでハロゲン化ナトリウムまたはハロゲン化カリウム水溶液と反応させ、化合物(XIV)を製造する。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応温度は、−50℃〜100℃、好ましくは−20〜60℃、反応時間は0.5〜50時間である。
ついで化合物(XIV)をブチルリチウム、sec.−ブチルリチウム、tert.−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、フェニルマグネシウムブロミド等で処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と反応させて化合物(VII−1)を製造する。
【0029】
F法における中間化合物(IX)の一部は、例えばH法によっても製造される。H法
【化26】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本反応は、適宜の溶媒中、塩基の存在下に行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、アセトン、2−ブタノン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては、たとえばアルカリ金属水酸化物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(たとえば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属炭酸塩(たとえば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、アルカリ金属重炭酸塩(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなど)、アルカリ金属酢酸塩(たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)などの無機塩基、トリアルキルアミン(たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン、1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセンなどの有機塩基が挙げられる。これら塩基の使用量は化合物(XV)に対し1〜5モル程度が好ましい。本反応は通常−20℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。
【0030】
H法の原料化合物(XV)の合成法は、例えばケミカル アンド ファーマシューチカル ビュレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、30巻、3563頁(1982年);ケミカル アンド ファーマシューチカル ビュレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、30巻、3580頁(1982 年);ケミカル アンド ファーマシューチカル ビュレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、32巻、2267頁(1984年);アルツナイミッテル−フォルシュング/ドラッグ リサーチ(Arzneimittel−Forschung/Drug Research)、40巻、37頁(1990年);ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、35巻、2617頁(1992年)、公開特許公報昭61−267580号、公開特許公報昭61−286376号、公開特許公報昭61−85372号、特許公報平2−31079号、公開特許公報昭62−5981号等に記載されている。
B法に用いられる化合物(III)は、例えばI法に従って製造される。
I法
【化27】
〔式中、A2は結合手または炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素残基を、A3は結合手または炭素数1〜5の2価の飽和脂肪族炭化水素残基を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
A2で示される炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素残基はAで示される2価の脂肪族炭化水素残基のうち炭素数1〜5のものをいう。A3で示される2価の飽和脂肪族炭化水素残基はA2で示されるもののうち飽和のものをいう。
【0031】
本法では、まず化合物(II−3)とピルビン酸を縮合して化合物(XVI)を製造する。化合物(II−3)とピルビン酸を縮合反応は、A法における化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの反応と同様の塩基の存在下、含水アルコール中で行われる。ついで化合物(XVI)をエステル化反応に付し、化合物(XVII)を製造する。本エステル化反応はそれ自体公知の方法で行うことができ、例えば化合物(XVII)とアルコール(R4OH)を酸の存在下に直接反応させてエステル化する方法あるいは化合物(XVI)の反応性誘導体、例えば酸無水物、酸ハライド(酸クロリド、酸ブロミド)、イミダゾリドあるいは混合酸無水物(例、炭酸ジメチルとの無水物、炭酸ジエチルとの無水物、炭酸ジイソブチルとの無水物など)などをアルコール(R4OH)と適宜反応させる方法などが用いられる。ついで化合物(XVII)を接触還元反応に付し、化合物(XVIII)を製造する。本接触還元反応はC法と同様に行われる。ついで化合物(XVIII)を還元反応に付し、化合物(III−1)を製造する。本還元反応はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元、接触水素添加等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(XVIII)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化リチウムアルミニウムなどの金属水素錯化合物、水素化ナトリウムなどの金属水素化物、有機スズ化合物(水素化トリフェニルスズ等)、ニッケル化合物、亜鉛化合物などの金属および金属塩、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒と水素とを用いる接触還元剤およびジボランなどが挙げられるが、なかでも水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)を用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、などのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150℃,とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
【0032】
D法の原料化合物(IV)およびA法の原料化合物(II)は、例えばJ法によっても製造される。
J法
【化28】
本法では、まず化合物(VII)と化合物(XIX)とを縮合して化合物(IV−1)を製造する。本縮合反応は、F法における化合物(VII)と化合物(VIII)の反応と同様にして行われる。ついで化合物(IV−1)を還元反応に付し、(IV−2)とする。本還元反応は、C法における化合物(I−B1)の接触還元反応と同様にして行われる。化合物(IV−2)は、さらに含水溶媒中、酸で処理することにより脱保護基を行い、アルデヒド誘導体(II−4)に導くことができる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、アセトン、2−ブタノン、酢酸等と水との混合溶媒が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸の他、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
化合物(II)および(IV)の一部は、例えばK法によっても製造される。
【0033】
K法
【化29】
本反応は、E法と同様にして行なわれる。
E法で製造した化合物のうち一部は、さらに還元することにより、化合物(I−B2a2)を製造することができる。
L法
【化30】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法では、E法で製造した化合物(I−B2a1)を還元して化合物(I−B2a2)を製造する。本反応は、I法の(XVIII)から(III−1)への還元反応と同様にして行なわれる。
化合物(II−2),(II−4)は、M法を用いることによっても製造される。M法
【化31】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
たとえば、化合物(IX)の接触還元反応によって製造される化合物(XXII)は、F法の(IX)から(X)への反応と同様にして化合物(XXIII)を製造する。ついで化合物(XXIII)を酸化反応に付すことにより、化合物(II−2),(II−4)を製造する。
【0034】
(XXIII)から(II−2),(II−4)への酸化反応は、自体公知の酸化反応に従って行われる。例えば、酸化クロム−硫酸−ピリジンからなるジョーンズ(Jones)酸化、酸化クロム−ピリジン錯体を用いるコリンズ(Collins)酸化、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)による酸化、二クロム酸ピリジニウム(PDC)による酸化等のクロム酸酸化、活性化DMSOによる酸化、オキソアンモニウム塩による酸化等が用いられる。
光学活性体の場合は活性化ジメチルスルホキシド(DMSO)酸化により有利に行われる。活性化DMSO酸化は、DMSOと親電子試薬の共存下溶媒中で行われる。該溶媒としては、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、親電子試薬の種類により適宜選択されて使用される。活性化DMSO酸化には、用いられる親電子試薬により、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)法、無水酢酸法、五酸化リン法、塩素法、三酸化硫黄−ピリジン法、ケテンイミン−エナミン法、酢酸水銀(II)法等と呼ばれるものが存在する。本酸化反応は、三酸化硫黄−ピリジン法により有利に行われる。すなわちトリエチルアミンの存在下、三酸化硫黄−ピリジン錯体をDMSOの活性化試薬として用いる酸化反応である。本反応は、ジメチルスルホキシドを溶媒として用いても行われる。トリエチルアミンおよび三酸化硫黄−ピリジン錯体の使用量は、化合物(XXIII)に対し1〜10モル等量、好ましくは2〜5モル等量であり、−70℃〜80℃、好ましくは−20℃〜40℃で行われる。反応時間は、0.5〜10時間である。
【0035】
このようにして得られるアルデヒド誘導体(II−2),(II−4)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
なお、化合物(II−2),(II−4)は、常法によりアルデヒド基を、アセタール化、ジチオアセタール化等を行って、化合物(IV−2)を製造し、化合物(I)の製造に用いることもできる。
化合物(XXII)のうち、ベンゾオキサゾール誘導体(XXII−1)は、例えばN法にしたがって製造することができる。
N法
【化32】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばキシレン、トルエン,ベンゼン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、ジクロロベンゼン,クロロベンゼン,メチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒は1種または2種以上適当な割合で混合して用いてもよい。
本反応は、通常化合物(XXIV)および(XXV)と上記溶媒との混合液を加熱することにより行われる。加熱温度は通常約30〜200℃、好ましくは約50〜約180℃である。
【0036】
本反応は、脱水剤の存在下におこなってもよい。脱水剤としては、例えば五酸化リン,オキシ塩化リンなどの脱水作用を有するリン化合物が用いられる。
脱水剤の使用量は、化合物(XXIV)に対し約1〜約10モル当量、好ましくは約1〜約4モル当量である。オキシ塩化リンを用いる場合、大過剰量のオキシ塩化リンを溶媒として用いることもできる。五酸化リンを用いる場合、ヘキサメチルジシロキサン{〔(CH3)3Si〕2O}などを添加することにより、本反応はさらに有利に行われる。この際、ヘキサメチルジシロキサンは、五酸化リンに対し約2〜約4モル当量用いるのが好ましい。反応時間は、約1〜約30時間、好ましくは約1〜約10時間である。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる化合物(I)はすぐれた血糖および血中脂質低下作用を有する。
実験例
マウスにおける血糖および脂質低下作用
被検化合物を粉末飼料(CE−2,日本クレア)に0.005%混合し、KKAy−マウス(9〜14週令)に自由に4日間与えた。この間、水は自由に与えた。血液を眼窩静脈そうから採取し、血漿を用いてグルコースとトリグリセライドを酵素法によりそれぞれイアトロケム−GLU(A)およびイアトロ−MA701 TG キット(ヤトロン社)を用いて定量した。それぞれの薬物投与群の値は、薬物非投与群に対する低下率(%)で表し、〔表1〕に示した。
【表1】
このように本発明に係る2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I)は優れた血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤、高血圧治療剤など医薬品として有用である。
【0038】
【実施例】
実施例1
(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナムアルデヒド(1.20g)、2,4−オキサゾリジンジオン(0.525g)、ピペリジン(0.09g)およびエタノール(20ml)の混合物を還流下に5時間加熱した。反応混合物は、水に注ぎ2N塩酸で酸性化後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分より、5−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.51,34%)を得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 213〜214℃。
【0039】
実施例2〜実施例7
実施例1と同様にして、〔表2〕の化合物を得た。
【表2】
【0040】
実施例8
実施例1と同様にして、5−〔3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ピリジル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。エタノール−クロロホルム−イソプロピルエーテルから再結晶した。淡黄色結晶。融点 204〜205℃。
実施例9
2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−1,3−ジオキサン(2.0g)、2,4−オキサゾリジンジオン(0.99g)、ピペリジン(0.21g)および酢酸(50ml)の混合物を還流下に24時間加熱した。反応混合物は、減圧下に濃縮し残留物に酢酸エチルを加えた。酢酸エチル層は、炭酸水素ナトリウム水溶液、2N塩酸、水の順に洗浄し、乾燥(MgSO4)した。濃縮後残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−酢酸エチル(5:1)で溶出する部分より、5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ブチリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.55g,26%)を得た。エチルエーテル−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 152〜153℃。
【0041】
実施例10〜実施例13
実施例1と同様にして〔表3〕の化合物を得た。
【表3】
【0042】
実施例14
実施例1と同様に、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕アクロレインと2,4−オキサゾリジンジオンとの反応により5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率44%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 237−239℃。
実施例15
実施例1と同様に、(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−アールと2,4−オキサゾリジンジオンとの反応により5−〔5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率31%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。黄色針状晶。
融点 209−211℃。
【0043】
実施例16
5−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.29g)、パラジウム−炭素(10%,0.1g)およびジオキサン(50ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−メタノ−ル(100:3)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.28g,96%)を得た。ジクロロメタン−メタノ−ルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 149〜150℃。
元素分析値 C25H26N2O5 として
計算値:C,69.11; H,6.03; N,6.45
実験値:C,69.18; H,6.01; N,6.46
【0044】
実施例17〜実施例22
実施例16と同様にして、〔表4〕の化合物を得た。
【表4】
【0045】
実施例23
実施例16と同様に、5−〔3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ピリジル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ピリジル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノ−ル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色結晶。融点 169〜171℃。
元素分析値 C23H23N3O5・1/2H2O として
計算値:C,64.18; H,5.62; N,9.76
実験値:C,64.31; H,5.70; N,9.48
実施例24
2−ヒドロキシ−4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕酪酸 エチルエステル(0.45g)、粉末シアン酸カリウム(0.24g)およびブタノ−ル(20ml)の混合物を4日間還流下に加熱した。減圧下に溶媒を留去し、残留物を2N塩酸で酸性化して酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−メタノ−ル(100:3)で溶出する部分より5−〔2−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.28g,63%)を得た。ジクロロメタン−エタノ−ルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 193〜194℃。
元素分析値 C23H22N2O5 として
計算値:C,67.97; H,5.46; N,6.89
実験値:C,67.92; H,5.61; N,6.64
実施例25
5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ブチリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.38g)、パラジウム−炭素(10%,0.2g)およびテトラヒドロフラン(40ml)の混合物を、3気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−メタノール(100:3)で溶出する部分より、5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.25g,65%)を得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点136−137℃。
【0046】
実施例26〜実施例29
実施例16と同様にして〔表5〕の化合物を得た。
【表5】
【0047】
実施例30
実施例16と同様にして、5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率80% ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 184−185℃。
実施例31
実施例16と同様にして、5−〔5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率77%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 157−158℃。
実施例32
実施例24と同様にして5−〔2−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率35%。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 158−159℃。
実施例33
5−〔5−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.9g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(40ml)溶液に油性水素化ナトリウム(60%,0.28g)を加え室温で15分間かきまぜた。ついで4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(0.85g)を加え、70℃で2時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで2NHClで酸性化後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−クロロホルム(1:5,v/v)で溶出する部分より5−〔5−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.86g,58%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 120−121℃。
【0048】
実施例34
実施例33と同様にして5−〔4−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率32%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 186−187℃。
実施例35
4−〔4−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕フエノキシアセチル〕−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(1.8g)、2,4−オキサゾリジンジオン(0.925g)、ピペリジン(0.12g)および酢酸(30ml)の混合物を還流下に15時間加熱した。反応混合物は減圧下に濃縮し、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出した。クロロホルム層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタノール−クロロホルム(1:30,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。この5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンをテトラヒドロフラン(THF)(30ml)に溶かし、パラジウム−炭素(5%,0.3g)を加え、接触還元反応に付した。触媒を濾別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.32g,16%)を油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.7-2.1(4H,m), 2.63(2H,t,J=7Hz), 2.74(3H,s), 4.84(1H,dd,J=7&4.5Hz), 5.37(2H,s), 6.92(2H,d,J=9Hz), 7.09(2H,d,J=9Hz), 7.45-7.55(3H,m), 7.95-8.1(3H,m).
【0049】
実施例36
5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.2g)のテトラヒドロフラン(THF)(5ml)−エタノール(5ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.03g)を加え室温で1時間かきまぜた。反応混合物に2NHClおよび水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(50:1,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−ヒドロキシ−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.16g,80%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 146−147℃。
【0050】
実施例37〜実施例50
実施例33と同様にして〔表6〕,〔表7〕の化合物を得た。
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
実施例51
4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕シンナムアルデヒド(4.00g)、2,4−オキサゾリジンジオン(2.86g)、ピペリジン(0.60g)およびエタノール(50ml)の混合物を還流下に2時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。酢酸エチル−クロロホルム(1:4)で溶出する部分より得られる結晶をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、パラジウム−炭素(5%,1.40g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−メタノール(100:2)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.10g,21%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 126−127℃。
実施例52
実施例51と同様にして、5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。収率22%。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.7-2.15(4H,m), 2.48(3H,s), 2.61(2H,t,J=7Hz), 4.84(1H,dd,J=6.5&4.5Hz), 5.27(2H,s), 6.76(1H,d,J=8.5Hz), 7.3-7.5(4H,m),
7.95-8.1(3H,m), 8.84(1H,br s).
実施例53
実施例35と同様にして、5−〔4−〔4−〔5−メチル−2−(2−ナフチル)−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率22%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 163−164℃。
【0053】
実施例54
実施例35と同様にして、5−〔3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率13%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 151−152℃。
実施例55
実施例1と同様にして、5−〔3−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 229−230℃。
実施例56
実施例16と同様にして、5−〔3−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 134−135℃。
実施例57
実施例51と同様にして、5−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.32(6H,d,J=6Hz), 1.65-2.15(4H,m), 2.62(2H,t,J=7Hz), 4.4-4.6(1H,m), 4.84(1H,dd,J=7&4.5Hz), 6.81(2H,d,J=8.5Hz), 7.06(2H,d,J=8.5Hz), 8.00(1H,broad s).
【0054】
実施例58
実施例51と同様にして、5−〔5−(4−イソプロポキシフェニル)ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.32(6H,d,J=6Hz), 1.3-2.1(8H,m), 2.54(2H,t,J=7.5Hz), 4.4-4.6(1H,m), 4.84(1H,dd,J=7.5&4.5Hz), 6.80(2H,d,J=8.5Hz), 7.05(2H,d,J=8.5Hz), 7.98(1H,broad s).
実施例59
実施例35と同様にして、2−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−1,3−ジオキソランと2,4−オキサゾリジンジオンとの反応につづく接触還元反応により、5−〔4−(4−イソプロポキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 81−82℃。
実施例60
実施例51と同様にして、5−〔3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを淡黄色非晶質粉末として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.25(3H,d,J=6.8Hz), 1.30-2.00(4H,m), 2.43(3H,s), 2.55-2.80(1H,m), 4.67-4.83(1H,m), 4.97(2H,s), 6.95(2H,d,J=8.8Hz), 7.09(2H,d,J=8.8Hz), 7.35-7.53(3H,m), 7.92-8.10(2H,m).
【0055】
実施例61
実施例33と同様にして、5−〔3−〔4−(2−ベンゾ〔b〕チエニル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率76%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 154−155℃。
実施例62
実施例33と同様にして、5−〔3−〔4−(2−ベンゾ〔b〕フラニル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率70%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色針状晶。融点 165−166℃。
【0056】
(1),(2),(3)の全量および30gの(4)を水で練合し、真空乾燥後製粒を行う。この製粒末に14gの(4)及び1gの(5)を混合し、打錠機で錠剤とすることにより、一錠当たり(1)10mgを含有する錠剤1000錠を製造する。
(1),(2),(3)の全量および30gの(4)を水で練合し、真空乾燥後製粒を行う。この製粒末に14gの(4)及び1gの(5)を混合し、打錠機で錠剤とすることにより、一錠当たり(1)30mgを含有する錠剤1000錠を製造する。
【0057】
参考例1
水素化ナトリウム(油性、60%、0.32g)をホスホノ酢酸トリエチル(1.79g)のN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)の溶液に0℃で少量づつ加え、15分同温度でかきまぜた。ついで、4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕ベンズアルデヒド(2.44g)を加え、室温で1時間かきまぜた。反応混合物を氷−水に注いで2N塩酸で中和し、析出結晶をろ取した。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕けい皮酸エチル(2.52g,85%)を得た。無色針状晶。融点
90〜91℃。
参考例2〜参考例6
参考例1と同様にして、〔表8〕の化合物を得た。
【表8】
【0058】
参考例7
水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5M,9.3ml)を(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕けい皮酸エチル(2.48g)のジクロロメタン(50ml)縣濁液に0℃で滴下した。室温で2時間かきまぜた後、氷冷下にメタノ−ル(3ml)ついで水(30ml)を加えた。混合物はセライト層を通してろ過した。有機層は、水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出する部分より(E)−3−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オ−ル(1.44g,65%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 116〜117℃。
【0059】
参考例8〜参考例13
参考例7と同様にして、〔表9〕の化合物を得た。
【表9】
【0060】
参考例14
活性化二酸化マンガン(2.8g)を(E)−3−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オ−ル(1.4g)のジクロロメタン(50ml)溶液に加え、室温で2時間かきまぜた後、セライト層を通してろ過した。ろ液を濃縮し、(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナムアルデヒド(1.27g,91%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 110〜111℃。
参考例15〜参考例20
参考例14と同様にして、〔表10〕の化合物を得た。
【表10】
【0061】
参考例21
4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンズアルデヒド(3.0g)およびピルビン酸(3.44g)のメタノ−ル(80ml)溶液に炭酸ナトリウム(4.14g)の水(80ml)溶液を滴下した。混合物を70−80℃で24時間かきまぜた後水に注いで、酢酸エチルで洗浄した。水層を濃塩酸で酸性下して析出結晶をろ取した。この結晶を含塩化水素エタノ−ル(5%,15ml)に加え、混合物を30分還流下に加熱した。減圧下に溶媒を留去し、残留物はクロロホルムに溶かして水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。酢酸エチル−クロロホルム(1:9)で溶出する部分より(E)−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンジリデンピルビン酸エチル(1.0g,25%)を得た。ジクロロメタン−エタノ−ルから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 99〜100℃。
参考例22
(E)−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンジリデンピルビン酸エチル(0.85g)、パラジウム−炭素(10%,0.1g)およびジオキサン(80ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をエタノ−ル(20ml)に溶かし、氷冷下に水素化ホウ素ナトリウム(0.08g)を加え、室温で1時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで1N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−酢酸エチル(9:1)で溶出する部分より、2−ヒドロキシ−4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕酪酸エチル(0.55g,64%)を得た。エチルエーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 67〜68℃。
【0062】
参考例23
2−クロロ−5−ニトロピリジン(25g)、2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノ−ル(32.1g)のTHF(250ml)溶液に、氷冷下油性水素化ナトリウム(60%,6.92g)を少量づつ加えかきまぜた。反応混合物は、室温でさらに15時間かきまぜた後、水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留する結晶をろ取、エタノ−ルから再結晶して2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ニトロピリジン(25.4g,49%)を得た。黄褐色結晶。融点 110.5〜111.5℃。
元素分析値 C17H15N3O4 として
計算値:C,62.76; H,4.65; N,12.92
実験値:C,62.80; H,4.58; N,12.96
参考例24
2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ニトロピリジン(13.4g)、パラジウム炭素(5%,1.5g)および酢酸エチル(200ml)−メタノ−ル(150ml)の混合物を室温、1気圧で接触還元を行った。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮、残留結晶をろ取し5−アミノ−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(11.4g,93%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。褐色結晶。融点 107.0〜108.0℃。
元素分析値 C17H17N3O2 として
計算値:C,69.14; H,5.80; N,14.23
実験値:C,69.01; H,5.94; N,13.99
【0063】
参考例25
5−アミノ−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(10.0g)、conc.HCl(8.47ml)およびアセトン(100ml)の混合物に、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(2.46g)の水(10ml)溶液を10℃以下の温度で滴下した。10℃で30分かきまぜた後、ヨウ化カリウム(KI)(2.46g)の水(10ml)溶液を滴下した。反応混合物は、さらに30〜35℃で1時間、35〜40℃で1時間かきまぜた後減圧下に濃縮した。残留物を水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去し、残留油状物をシリカゲルクロマトグラフィ−に付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より、5−ヨ−ド−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(7.22g,52%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 105〜106℃。
元素分析値 C17H15N2O2I として
計算値:C,50.26; H,3.72; N,6.90
実験値:C,50.22; H,3.89; N,6.78
参考例26
5−ヨ−ド−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(2.5g)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,4.61ml)を窒素気流下、−65℃で滴下した。混合物を同温度で15分間かきまぜた後、N,N−ジメチルホルムアミド(0.71ml)を滴下した。冷却浴を除去し、さらに30分かきまぜた後、塩化アンモニウム飽和水溶液(6ml)を加えた。反応混合物は、水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去し、5−ホルミル−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(1.5g,79%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 99〜100℃。
元素分析値 C18H16N2O3 として
計算値:C,70.12; H,5.23; N,9.09
実験値:C,69.94; H,5.38; N,8.94
【0064】
参考例27
参考例1と同様にして、(E)−3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル〕エトキシ〕−5−ピリジル〕アクリル酸メチルを得た。酢酸エチルから再結晶した。無色結晶。融点 138〜139℃。
参考例28
参考例7と同様にして、(E)−3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル〕エトキシ〕−5−ピリジル〕−2−プロペン−1−オ−ルを得た。酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色結晶。融点
115〜116℃。
参考例29
参考例14と同様にして、(E)−3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル〕エトキシ〕−5−ピリジル〕アクロレインを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 138〜139℃。
参考例30
2−ブロモ−3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピオン酸メチル(15.0g)、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)(6.2g)およびトルエン(200ml)の混合物を70℃で2時間かきまぜた。反応混合物は、酢酸エチル(200ml)に注いで、2NHClおよび飽和食塩水で洗浄、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去、4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕けい皮酸メチル(10.8g,88%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 114〜115℃。
【0065】
参考例31
水素化ナトリウム(油性、60%、0.78g)を〔2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(8.9g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)の溶液に室温で少量ずつ加え、30分同温度でかきまぜた。ついで、4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンズアルデヒド(5.0g)を加え、室温で15時間、ついで70℃で5時間かきまぜた。反応混合物を氷−水に注いで2N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。ヘキサン−酢酸エチル(3:1)で溶出する部分より、(Z)−2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2−プロペニル〕−1,3−ジオキサン(5.1g,77%)を油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.25-1.4(1H,m), 1.95-2.25(1H,m), 2.37(3H,s), 2.66(1H,ddd,J=7&5&2Hz), 2.98(2H,t,J=6.5Hz), 3.7-3.85(2H,m), 4.0-4.3(4H,m), 4.63(1H,t,J=5Hz), 5.64(1H,dt,J=11.5&7Hz), 6.48(1H,br d,J=11.5Hz), 6.85(2H,d,J=9Hz), 7.22(2H,d,J=9Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.9-8.0(2H,m).
【0066】
参考例32
(Z)−2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2−プロペニル〕−1,3−ジオキサン(5.0g)、パラジウム−炭素(5%,0.1g)およびエタノール(100ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で溶出する部分より、2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−1,3−ジオキサン(4.8g,96%)を得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.25-1.4(1H,m), 1.5-1.8(4H,m), 1.9-2.2(1H,m), 2.37(3H,s), 2.54(2H,t,J=7Hz), 2.96(2H,t,J=6.5Hz), 3.65-3.85(2H,m), 4.0-4.15(2H,m), 4.21(2H,t,J=6.5Hz), 4.50(1H,t,J=5Hz), 6.80(2H,d,J=9Hz), 7.06(2H,d,J=9Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.9-8.0(2H,m).参考例33〜参考例36
参考例1と同様にして〔表11〕の化合物を得た。
【表11】
【0067】
参考例37
参考例1と同様に、5−ホルミル−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフランとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕アクリル酸エチルを得た。収率74%。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 150−151℃。
参考例38
参考例1と同様に、(E)−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕シンナムアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン酸エチルを得た。収率56%。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点102−103℃。
参考例39
4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(2.9g)、ピルビン酸ナトリウム(3.3g)、炭酸ナトリウム(3.2g)、水(80ml)およびメタノール(80ml)の混合物を還流下に6時間かきまぜた。反応混合物を減圧下に約1/3に濃縮し酢酸エチルで抽出した。水層を濃塩酸で酸性化し、析出結晶をろ取、(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸(1.6g,44%)を得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点197−198℃。
【0068】
参考例40
(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸(1.3g)およびエタノール(50ml)の混合物に濃硫酸(0.1ml)を加え還流下に8時間加熱後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、残留油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸エチル(1.2g,86%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 110−111℃。
参考例41
参考例22と同様にして、(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸エチルより2−ヒドロキシ−4−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕酪酸エチルを油状物として得た。収率89%。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.28(3H,t,J=7Hz), 1.8-2.2(2H,m), 2.43(3H,s), 2.71(2H,t,J=7Hz), 2.84(1H,d,J=5.2Hz), 4.1-4.3(1H,m), 4.21(2H,q,J=7Hz), 4.97(2H,s), 6.94(2H,d,J=9Hz), 7.13(2H,d,J=9Hz), 7.4-7.5(3H,m), 7.95-8.1(2H,m).
【0069】
参考例42〜参考例45
参考例7と同様にして〔表12〕の化合物を得た。
【表12】
参考例46
参考例7と同様に、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕アクリル酸エチルを還元して(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕−2−プロペン−1−オールを得た。収率57%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 156−157℃。
参考例47
参考例7と同様に、(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン酸エチルを還元して(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−オールを得た。収率63%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。無色鱗片状晶。融点
132−133℃。
【0070】
参考例48〜参考例51
参考例14と同様にして〔表13〕の化合物を得た。
【表13】
参考例52
参考例14と同様に、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕−2−プロペン−1−オールより(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)−ベンゾフラン−5−イル〕アクロレインを得た。収率93%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 136−137℃。
【0071】
参考例53
参考例14と同様に、(E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−オールより(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−アールを得た。収率82%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点 133−134℃。
参考例54
4−ブロモアセチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(2.60g)、4−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕フェノール(1.82g)、炭酸カリウム(1.28g)および2−ブタノン(60ml)の混合物を70〜80℃で20時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで析出する結晶を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−メタノール(100:1,v/v)で溶出する部分より4−〔4−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕フェノキシアセチル〕−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(2.08,57%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 119−120℃。
【0072】
参考例55
参考例1と同様にして、4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕けい皮酸エチルを得た。収率97%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 80−81℃。
参考例56
参考例1と同様にして、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕アクリル酸エチルを得た。収率86%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点
109−110℃。
参考例57
参考例7と同様にして、(E)−3−〔4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オールを油状物として得た。収率87%。
NMR(δ ppm in CDCl3):3.14(3H,s), 3.98(2H,t,J=5.5Hz), 4.19(2H,t,J=5.5Hz), 4.29(2H,br,d,J=5.5Hz), 6.22(1H,dt,J=16&6Hz), 6.45-6.6(3H,m), 6.85(2H,d,J=9Hz), 7.30(2H,d,J=9Hz), 7.45(1H,ddd,J=8.5&7&2Hz), 8.1-8.2(1H,m).参考例58
参考例7と同様にして、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕−2−プロペン−1−オールを得た。収率57%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 116−117℃。
【0073】
参考例59
参考例14と同様にして、4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕シンナムアルデヒドを油状物として得た。収率100%。
NMR(δ ppm in CDCl3):3.15(3H,s), 4.01(2H,t,J=5.5Hz), 4.25(2H,t,J=5.5Hz), 6.5-6.7(3H,m), 6.95(2H,d,J=9Hz), 7.41(1H,d,J=16Hz), 7.4-7.55(3H,m), 8.16(1H,ddd,J=5&2&1Hz), 9.65(1H,d,J=8Hz).
参考例60
参考例14と同様にして、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕アクロレインを得た。収率92%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 147−148℃。
参考例61
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.62M,25.9ml)を〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(18.6g)のテトラヒドロフラン(180ml)懸濁液に−20℃で滴下し、2時間かきまぜた。4−〔2−(2−ナフチル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕ベンズアルデヒド(12.0g)を加え、50−55℃で4時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、0.1N塩酸、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、クロロホルム−メタノール(100:5)で溶出する部分より結晶(14.8g)を得た。この結晶をテトラヒドロフラン(250ml)に溶解し、パラジウム−炭素(5%,3.0g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮して4−〔4−〔3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)プロピル〕フェノキシメチル〕−5−メチル−2−(2−ナフチル)オキサゾール(12.1g,81%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 141−142℃。
【0074】
参考例62
参考例1と同様にして、4−ヒドロキシ−3−ニトロベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、(E)−4−ヒドロキシ−3−ニトロけい皮酸エチルを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 114−115℃。
参考例63
参考例24と同様にして、(E)−4−ヒドロキシ−3−ニトロけい皮酸エチルを接触還元反応に付し、3−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.24(3H,t,J=7Hz), 2.5-2.9(4H,m), 4.12(2H,q,J=7Hz), 6.49(1H,dd,J=8&2Hz), 6.60(1H,d,J=2Hz), 6.64(1H,d,J=8Hz).参考例64
五酸化リン(P2O5)(12.9g)、ヘキサメチルジシロキサン〔(CH3)3SiOSi(CH3)3〕(29.5g)および1,2−ジクロロベンゼン(60ml)の混合物を10分間還流下に加熱した。この混合物に3−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル(4.75g)および2−ナフチル酢酸(4.23g)を加え、3時間還流下に加熱した。反応混合物を水にそそいで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分から、3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオン酸エチル(5.95g,73%)を得た。エーテル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 81−82℃。
参考例65
3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオン酸エチル(5.8g)のエーテル(100ml)−テトラヒドロフラン(100ml)溶液に水素化リチウムアルミニウム(0.73g)を室温で加え1時間かきまぜた。水(4ml)を滴下した後、不溶の固体をろ別した。ろ液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出する部分から、3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロパノール(2.1g,41%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 102−103℃。
【0075】
参考例66
オキサリルクロリド〔(COCl)2〕(0.88g)をジメチルスルホキシド(DMSO)(1.08g)のジクロロメタン(30ml)溶液に−30℃で滴下した。ついで3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロパノール(2.0g)を加えて同温度で30分間かきまぜた。さらにトリエチルアミン(3.19g)を加え30分間かきまぜた後、0℃まで加温し2NHClに注いだ。有機層を分取し、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2,v/v)で溶出する部分から、3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオンアルデヒド(1.54g,77%)を得た。エーテル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 81−82℃。
参考例67
3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオンアルデヒド(2.9g)、エチレングリコール(0.685g)、p−トルエンスルホン酸1水和物(0.175g)およびベンゼン(50ml)の混合物を還流下に3時間かきまぜた。反応混合物は、炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄、乾燥(MgSO4)した。溶媒を留去し、5−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕−2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール(2.95g,89%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 85−86℃。
【0076】
参考例68
2−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(20.8g)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(12.2g),炭酸カリウム(27.6g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)の混合物を90℃で2時間かきまぜた。反応混合物を水にそそいで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(26.5g,90%)を得た。エタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 67−68℃。参考例69
参考例1と同様にして、(E)−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸エチルを得た。メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 91−92℃。
参考例70
(E)−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸エチル(14.0g)のジクロロメタン(200ml)溶液に氷冷下水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5M,51ml)を滴下した。同温度で30分間かきまぜた後、2N HCl(150ml)を滴下し1時間かきまぜた。有機層を分取し、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、(E)−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オール(11.5g,92%)を得た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 120−121℃。
参考例71
参考例14と同様にして、(E)−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色柱状晶。融点 103−104℃。
【0077】
参考例72
参考例23と同様にして、2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ニトロピリジンを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 142−143℃。
参考例73
参考例24と同様にして、5−アミノ−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンを得た。メタノール−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 106−107℃。
参考例74
参考例25と同様にして、5−ヨード−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 129−130℃。
参考例75
参考例26と同様にして、5−ホルミル−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 116−117℃。
【0078】
参考例76
4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(4.5g)、(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)トリフェニルホスホニウム ブロミド(10.0g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(50ml)の混合物に、油性水素化ナトリウム(60%,0.935g)を加え60℃で3時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ2N HCl で中和後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルムで溶出する部分から、2−ビニル−1,3−ジオキソラン誘導体(5.7g)を油状物として得た。
この油状物をエタノール(150ml)に溶かし、パラジウム−炭素(5%,2.0g)を加えて室温、1気圧で接触還元反応に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エチル(50:1,v/v)で溶出する部分から、2−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−1,3−ジオキソランを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.85-2.0(2H,m), 2.6-2.75(2H,m), 3.8-4.15(4H,m), 4.82(1H,broad s), 4.88(1H,t,J=4.5Hz), 6.75(2H,d,J=8.5Hz), 7.07(2H,d,J=8.5Hz).
【0079】
参考例77
参考例1と同様にして、(E)−4−イソプロポキシけい皮酸エチルの粗油状物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した〔エーテル−ヘキサン(1:5,v/v)溶出〕。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.33(3H,t,J=7Hz), 1.35(6H,d,J=6Hz), 4.25(2H,q,J=7Hz), 4.5-4.7(1H,m), 6.30(1H,d,J=16Hz), 6.87(2H,d,J=9Hz), 7.46(2H,d,J=9Hz), 7.63(1H,d,J=16Hz).
参考例78
参考例7と同様にして、(E)−3−(4−イソプロポキシフェニル)−2−プロペン−1−オールの粗油状物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した〔酢酸エーテル−ヘキサン(1:4,v/v)溶出〕。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.33(6H,d,J=6Hz), 1.38(1H,t,J=6Hz), 4.30(2H,dt,J=6&1.5Hz), 4.45-4.65(1H,m), 6.23(1H,dt,J=16&6Hz), 6.56(1H,d,J=16Hz), 6.84(2H,d,J=8.5Hz), 7.31(2H,d,J=8.5Hz).
参考例79
参考例14と同様にして、(E)−4−イソプロポキシシンナムアルデヒドを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.37(6H,d,J=6Hz), 4.5-4.7(1H,m), 6.61(1H,dd,J=16&8Hz), 6.92(2H,d,J=9Hz), 7.42(1H,d,J=16Hz), 7.51(2H,d,J=9Hz).
【0080】
参考例80
5−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.5g)のジクロロメタン(70ml)溶液に、四塩化チタン(TiCl4)(4.1g)を0℃で滴下し同温度で1時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分から、5−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.755g,59%)を得た。アセトン−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 132−133℃。
参考例81
4−イソプロポキシベンズアルデヒド(15.0g)、4−ホスホノクロトン酸 トリエチルエステル(27.3g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100ml)の混合物に、油性水素化ナトリウム(60%,4.38g)を加え、室温で16時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ2N HClで中和後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。エーテル−ヘキサンで溶出する部分から、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン酸エチルエステル(13.7g,58%)を得た。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 64−65℃。
【0081】
参考例82
参考例7と同様に、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン酸エチルエステルを水素化ジイソブチルアルミニウムで還元し、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン−1−オールを得た。イソプロピルエーテルら再結晶した。無色針状晶。融点
91−92℃。
参考例83
参考例14と同様に、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン−1−オールを二酸化マンガンで酸化し、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン−1−アールを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.36(6H,d,J=6Hz), 4.5-4.7(1H,m), 6.22(1H,dd,J=15&8Hz), 6.8-7.05(4H,m), 7.26(1H,dd,J=15&10Hz), 7.44(2H,d,J=9Hz), 9.59(1H,d,J=8Hz).
参考例84
参考例80と同様にして、5−〔5−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。エーテル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 96−97℃。
【0082】
参考例85
〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(51.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)氷冷溶液に、油性水素化ナトリウム(60%,4.6g)を少量づつ加え15分間かきまぜた。ついで4−イソプロポキシベンズアルデヒド(18.0g)を加え、80〜85℃で5時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ2N HCl で中和後エーテルで抽出した。エーテル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分から、1,3−ジオキソラン誘導体(14.5g)を油状物として得た。
この油状物をエタノール(250ml)に溶かし、パラジウム−炭素(5%,5.0g)を加えて室温、1気圧で接触還元反応に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5,v/v)で溶出する部分から、2−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−1,3−ジオキソラン(6.7g,24%)を油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.32(6H,d,J=6Hz), 1.6-1.8(4H,m), 2.5-2.65(2H,m), 3.8-4.0(4H,m), 4.4-4.6(1H,m), 4.8-4.9(1H,m), 6.8(2H,d,J=8.5Hz), 7.07(2H,d,J=8.5Hz).
【0083】
参考例86
参考例80と同様にして、5−〔4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 151−152℃。
参考例87
参考例68と同様にして、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールとp−ヒドロキシアセトフェノンを反応させることにより、4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)アセトフェノンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して無色結晶を得た。融点 126−127℃。参考例88
参考例1と同様にして、4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)アセトフェノンとホスホノ酢酸トリメチルを反応させることによりメチル (E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテノエートを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶して無色結晶を得た。融点 125−126℃。
参考例89
参考例7と同様にして、メチル(E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテノエートと水素化ジイソブチルアルミニウムを反応させることにより、メチル (E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテン−1−オールを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶して無色結晶を得た。融点 126−127℃。
参考例90
参考例14と同様にして、(E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテン−1−オールを二酸化マンガンで酸化することにより、(E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテン−1−アールを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶して無色結晶を得た。融点 94−95℃。
【産業上の利用分野】
本発明は血糖および血中脂質低下作用を有する新規オキサゾリジンジオン誘導体、その製造法およびそれを含んでなる糖尿病治療剤に関するものであり、医薬の分野において用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病の治療剤としては、従来から種々のビグアナイド系化合物およびスルホニルウレア系化合物が用いられてきた。しかし、ビグアナイド系化合物は乳酸アシド−シスを引き起こすため現在ほとんど用いられておらず、またスルホニルウレア系化合物は強力な血糖低下作用を有するが、しばしば重篤な低血糖を引き起こし、使用上の注意が必要である。またこのような欠点のない血糖および血中脂質低下作用を有するチアゾリジンジオン誘導体およびオキサゾリジンジオン誘導体が知られている。
たとえば、5位に置換基を有する2,4−オキサゾリジンジオン誘導体として、公開特許公報平3−170478、WO9202520−A1に一連の5−(置換ベンジル)−2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が、特許公報昭62−30993に5位が脂環式炭化水素で置換された2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が、また特許公報昭63−35632に5位が置換芳香環等で置換された2,4−オキサゾリジンジオン誘導体が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、2,4−オキサゾリジンジオン誘導体について種々検討を加えた結果、2,4−オキサゾリジンジオン環の5位置換基として、たとえば2−(置換フェニルまたは置換ピリジル)エチル基、3−(置換フェニルまたは置換ピリジル)プロピル基、4−(置換フェニルまたは置換ピリジル)ブチル基、5−(置換フェニルまたは置換ピリジル)ペンチル基など、末端に置換フェニルまたは置換ピリジルを有する2価の直鎖状または分枝状の炭素鎖を有する新規誘導体が血糖及び血中脂質低下作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は
1.一般式
【化10】
〔式中、Rはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複素環基を、Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−(ただしR3は置換されていてもよいアルキル基を示す。)で示される基を、mは0または1を、nは0,1または2を、XはCHまたはNを、Aは炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基をそれぞれ示す。R1およびR2はそれぞれ水素原子またはアルキル基を示すかまたはR1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成していることを示す。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかまたはLとMが互いに結合して両者で1個の結合手を形成するものとする。〕で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその薬理学的に許容しうる塩、
2.一般式(I)で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含有してなる医薬組成物、および
3.一般式(I)で表わされる化合物の製造法、
である。
【0005】
上記一般式(I)で表わされる化合物はつぎの式で表わされる化合物を含む。
【化11】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕
化合物の薬効の強さおよび毒性などを考慮すると一般式(I−A1),(I−A2)および(I−A3)で表わされる化合物の中でも(I−A1)および(I−A2)で表わされる化合物が好ましく、(I−A1)で表わされる化合物が最も好ましい。
上記一般式(I)中、LとMが互いに結合して両者で1個の結合手を形成する場合、一般式(I)は一般式
【化12】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕を意味し、またLおよびMがそれぞれ水素原子を示すとき、一般式(I)は一般式
【化13】
〔式中、各記号は前記と同意義である。〕を意味する。
前記一般式(I−B1)で表わされる化合物にはオキサゾリジンジオン環の5位の二重結合に関し、(E)体および(Z)体が存在する。
一般式(I−B1)および(I−B2)で表わされる化合物の中でも一般式(I−B1)で表わされる化合物が好ましい。
上記一般式(I)において、R1,R2で示されるアルキル基としては、たとえばメチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,t−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられる。R1,R2としてはそれぞれ水素原子であるかまたはR1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成する場合が好ましいが、R1,R2がそれぞれ水素原子であるのが最も好ましい。
【0006】
上記一般式(I)において、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成する場合、具体的には、たとえばつぎの一般式で表わされる化合物が含まれる。
(1)R1とR2が互いに結合して5員の複素環を形成している。
【化14】
(2)R1とR2が互いに結合して6員の複素環を形成している。
【化15】
(3)R1とR2が互いに結合して窒素原子を含んで5員の複素環を形成している。
【化16】
(4)R1とR2が互いに結合して窒素原子を含んで6員の複素環を形成している。
【化17】
【化18】
〔式中、Dは水素原子または低級アルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。〕
上記化合物(I−C1)〜(I−C8)の中でも(I−C1),(I−C2),(I−C3)および(I−C6)で表わされる化合物が好ましい。
【0007】
前記一般式(I)中、Rとしては置換されていてもよい複素環基が好ましい。Rで表される置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化水素残基が挙げられ、該脂肪族炭化水素残基としては炭素数1〜8のもの、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t.−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基、たとえばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなど炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素残基が、該脂環族炭化水素残基としては炭素数3〜7のもの、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7の飽和脂環族炭化水素残基および1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニル、2,4−シクロヘプタジエニルなど炭素数5〜7の不飽和脂環族炭化水素残基が、該脂環族−脂肪族炭化水素残基としては上記脂環族炭化水素残基と脂肪族炭化水素残基とが結合したもののうち、炭素数4〜9のもの、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シクロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが、該芳香脂肪族炭化水素残基としては、たとえばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピルなど炭素数7〜9のフェニルアルキル、α−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−ナフチルエチルなど炭素数11〜13のナフチルアルキルが、該芳香族炭化水素残基としては、たとえばフェニル、ナフチル(α−ナフチル,β−ナフチル)などが挙げられる。
【0008】
前記一般式(I)中、Rで表される置換されていてもよい複素環基における複素環基としては、たとえば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が挙げられ、これらの複素環基は2個以下の窒素原子をふくむ6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合していてもよい。このような複素環基の具体例としては、例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1,2,4−トリアゾ−ル−3−イル、1,3,4−トリアゾ−ル−2−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル、テトラゾ−ル−5−イル、ベンズイミダゾ−ル−2−イル、インド−ル−3−イル、ベンズピラゾ−ル−3−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン−2−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−6−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−2−イル等が挙げられる。これらの中でもオキサゾリルが好ましい。
【0009】
前記一般式(I)中、Rで表される炭化水素残基および複素環基は、それぞれ置換可能な位置に置換基を1〜3個有していてもよい。かかる置換基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいヒドロキシル基、置換されていてもよいチオール基、エステル化されていてもよいカルボキシル基が挙げられる。かかる脂肪族鎖式炭化水素基としては、炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例えばアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基、アルキニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。アルケニル基の好適な例としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。アルキニル基の好適な例としては、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。該脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。シクロアルキル基の好適な例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル、ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、ビシクロ〔3.2.2〕ノニル、ビシクロ〔3.3.1〕ノニル、ビシクロ〔4.2.1〕ノニル、ビシクロ〔4.3.1〕デシルなどが挙げられる。シクロアルケニル基の好適な例としては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。シクロアルカジエニル基の好適な例としては、例えば2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。該アリール基とは、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基を意味し、好適な例としては炭素数6〜14のもの、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
【0010】
該芳香族複素環基の好適な例としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
【0011】
該非芳香族複素環基の好適な例としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノなどが挙げられる。該ハロゲンの例としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられ、とりわけフッ素および塩素が好ましい。該置換されていてもよいアミノ基としては、無置換のアミノの他、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基が1または2個アミノ基(−NH2基)に置換したもの(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ等)があげられる。該置換されていてもよいアシルには無置換のアシルおよび置換されたアシルがあり、無置換のアシルとしては、ホルミルの他たとえば炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基とカルボニル基の結合したもの(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタノイル、シクロペンタノイル、シクロヘキサノイル、シクロヘプタノイル、クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイル等)があげられる。置換されたアシルとしては、前記無置換のアシルにたとえば炭素数1〜3のアルキル、たとえば炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン(例、塩素,臭素など)、ニトロ、ヒドロキシ、アミノなど置換したものが挙げられる。
【0012】
該置換されていてもよいヒドロキシル基としては、無置換のヒドロキシル基の他に置換されたヒドロキシル基すなわちヒドロキシル基に適宜の置換基を有するものがあり、置換されたヒドロキシル基としては、例えばアルコキシ、アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキシなどに加えてアリールオキシなど水酸基の保護基で保護されたものがあげられる。該アルコキシとしては、炭素数1〜10のアルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシルオキシなど)が好ましい。アルケニルオキシとしては、アリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメトキシなど炭素数1〜10のものが、アラルキルオキシとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)があげられる。アシルオキシとしては、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−ブチリルオキシ、iso−ブチリルオキシなど)が好ましい。アリールオキシとしてはフェノキシ、4−クロロフェノキシなどがあげられる。
【0013】
該置換されていてもよいチオール基としては、チオール基の他にこのチオール基に適宜の置換基を有したもの、特にチオール基の保護基で保護されたものが挙げられる。その具体例としては、例えばアルキルチオ、アラルキルチオ、アシルチオなどがあげられる。アルキルチオとしては、炭素数1〜10のアルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなど)が好ましい。アラルキルチオとしては、例えばフェニル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチルチオなど)があげられる。アシルチオとしては、炭素数2〜4のアルカノイルチオ(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、n−ブチリルチオ、iso−ブチリルチオなど)が好ましい。
該エステル化されていてもよいカルボキシル基としては、たとえばアルコキシカルボニル(たとえばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニルなどの炭素数2〜5のもの),アラルキルオキシカルボニル(たとえばベンジルオキシカルボニルなど),アリールオキシカルボニル(たとえばフェノキシカルボニル,p−トリールオキシカルボニルなど)などがあげられる。
Rで示される炭化水素残基上および複素環基上の置換基の中でもフェニル、ナフチル、フリール、チエニル、C1-3アルキルが特に好ましい。
【0014】
前記一般式(I)中、Rで表される炭化水素残基および複素環基上の置換基は、それらが脂環式炭化水素基,アリール基,芳香族複素環基,非芳香族複素環基であるときはさらにそれぞれ適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、該置換基としては、例えば低級アルキル基(炭素数1〜4のもの)、低級アルケニル基(炭素数2〜5のもの)、低級アルキニル基(炭素数2〜5のもの)、シクロアルキル基(炭素数3〜7のもの)、アリール基(フェニル,ナフチルなど)、芳香族複素環基(チエニル,フリル,ピリジル,オキサゾリル,チアゾリルなど)、非芳香族複素環基(テトラヒドロフリル,モルホリノ,ピペリジノ,ピロリジノ,ピペラジノなど)、アラルキル基(炭素数7〜9のもの)、アミノ基、N−モノ(C1−C4)アルキルアミノ基、N,N−ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アミジノ基、炭素数2〜5のアシル基、カルバモイル基、N−モノ(C1−C4)アルキルカルバモイル基、N,N−ジ(C1−C4)アルキルカルバモイル基、スルファモイル基、N−モノ(C1−C4)アルキルスルファモイル基、N,N−ジ(C1−C4)アルキルスルファモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(炭素数2〜5のもの)、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基(炭素数1〜4のもの)、低級アルケニルオキシ基(炭素数2〜5のもの)、シクロアルキルオキシ基(炭素数3〜7のもの)、アラルキルオキシ基(炭素数7〜9のもの)、アリールオキシ基(フェニルオキシ,ナフチルオキシなど)、メルカプト基、低級アルキルチオ基(炭素数1〜4のもの)、アラルキルチオ基(炭素数7〜9のもの)、アリールチオ基(フェニルチオ,ナフチルチオなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)などが挙げられる。
【0015】
mは0または1を示すが0が好ましい。nは0,1または2を示すが1が好ましく0が最も好ましい。
mが0、かつnが0のときはR1が置換している炭素とRとが直接結合していることを示す。mが0でnが1または2のときはRと−(CH2)n−が直接結合していることを、またmが1でnが0のときはR1が置換している炭素とYが直接結合していることを示す。
Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−を示すが、−CH(OH)−,−N(R3)−が好ましい。
R3で示される置換されていてもよいアルキル基のアルキル基としては、たとえばメチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,t−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられ、置換基としては、たとえばハロゲン(フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),炭素数1〜4のアルコキシ基(たとえばメトキシ,エトキシ,プロポキシ,n−ブトキシ,t−ブトキシなど),ヒドロキシ基,ニトロ基,炭素数1〜4のアシル基(たとえばホルミル,アセチル,プロピオニルなど)などがあげられる。
Aで示される炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基は直鎖状、分枝状のいずれでもよく、また飽和不飽和のいずれでもよい。その具体例としては、たとえば−CH2−,−CH(CH3)−,−(CH2)2−,−CH(C2H5)−,−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−,−(CH2)6−,−(CH2)7−の飽和のもの、たとえば−CH=CH−,−C(CH3)=CH−,−CH=CH−CH2−,−C(C2H5)=CH−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH2−,−CH=CH−CH=CH−CH=CH−CH2−などの不飽和のものでもよい。中でも炭素数1〜4の飽和のものが好ましく、−CH2CH2−が最も好ましい。一般式(I−8)中、Dで示される低級アルキル基としては、たとえばメチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチルなど炭素数1〜4のものがあげられる。
【0016】
本発明の化合物(I)の塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。これらの塩の中でもナトリウム塩、カリウム塩が最も好ましい。
【0017】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容しうる塩は毒性が低く血糖および血中脂質低下作用およびインスリン感受性増強作用を有し、そのままもしくは自体公知の薬理学的に許容しうる担体、賦形剤、増量剤などと混合して人を含む哺乳動物に対して糖尿病治療剤、血圧降下剤として用いることができる。
本発明化合物(I)は低毒性で、例えば、実施例18の化合物を1日当たり15mg/kgの割合で4日間マウスに経口投与した場合、体重および肝臓重量には、コントロールに対し何等変化は認められなかった。また 実施例18で製造した化合物を、100mg/kgの割合で経口投与または50mg/kgの割合で腹腔内投与しても死亡例は認められなかった。
投与方法は通常例えば錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤などとして経口的に用いられるが、場合によっては注射剤、坐剤、ペレットなどとして非経口的に投与できる。投与量は成人に経口投与する場合1日0.05〜10mg/kgであり、この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
本発明の化合物(I)は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤;またはシロップ剤、注射剤などの液状製剤として経口または非経口的に投与することができる。
【0018】
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0019】
以下に本発明の化合物(I)の製造法について述べる。
A法
【化19】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
化合物(I−B1)は、化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの縮合により製造される。この反応は塩基の存在下溶媒中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸が挙げられる。該塩基としては、ナトリウムアルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、酢酸ナトリウムやピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の2級アミン類が用いられる。2,4−オキサゾリジンジオンの使用量は、化合物(II)に対して1〜10モル当量、好ましくは1〜5モル等量である。塩基の使用量は、化合物(II)に対して0.01〜5モル当量、好ましくは0.05〜2モル等量である。本反応は0〜150℃、好ましくは20〜100℃で0.5〜30時間かけて行われる。
本法により製造される化合物(I−B1)は、2,4−オキサゾリジンジオン環5位の二重結合に関し、(E)体および(Z)体の混合物として得られることもある。
【0020】
B法
【化20】
〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
前記一般式(III)中、Zで表わされる低級アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。Zで表わされるアラルキル基としては、アリール基を置換基として有するアルキル基(アリールアルキル基)を意味する。該アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらは前記低級アルキル基(炭素数1〜4のもの)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、ニトロ基等の置換基を有していてもよい。該アルキル基としてはメチル、エチル、プロピルなど炭素数1〜4のものがあげられる。該アラルキル基の好適な例としては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチルなどが挙げられ、なかでもベンジル、フェネチルなどが好ましい。
化合物(III)をシアン酸アルカリ金属、例えばシアン酸カリウムまたはシアン酸ナトリウムと反応させることにより化合物(I−B2)のアルカリ金属塩が得られ、これを酸で処理することにより化合物(I−B2)を製造することができる。化合物 (III) とシアン酸アルカリ金属の反応は適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては、通常メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、ブタノール等のアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が用いられる。シアン酸アルカリ金属の使用量は、化合物(III)に対し、1〜10モル等量、好ましくは1〜5モル等量である。反応温度は、0〜150℃、好ましくは10〜120℃、反応時間は0.5〜50時間である。このようにして得た化合物(I−B2)のアルカリ金属塩は、常法により酸で処理して化合物(I−B2)を製造する。本酸処理は、適宜の溶媒あるいは溶媒なしで行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸を過剰に用いることが好ましいが、酢酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸も用いることができる。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0021】
C法
【化21】
〔式中、A1は炭素数1〜7の直鎖状または分枝状の2価の飽和脂肪族炭化水素残基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕
A1で示される炭素数1〜7の直鎖状または分枝状の2価の飽和脂肪族炭化水素残基としてはAで示される2価の脂肪族炭化水素残基のうち飽和のものをいう。
化合物(I−B1)を還元反応に付すことにより化合物(I−B2a)を製造することができる。本還元反応は、常法に従い溶媒中、触媒の存在下、1〜150気圧の水素雰囲気中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。触媒としては、ニッケル化合物、などの金属、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒等を用いることにより有利に行われる。反応温度は、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、反応時間は0.5〜50時間である。
このようにして得られる2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I−B2a)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0022】
D法
【化22】
〔式中、Bは低級アルコキシ、低級アルキルチオまたは低級アシルオキシを、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Bで表わされる低級アルコキシとしてはたとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなど炭素数1〜4のものが、低級アルキルチオ基としてはたとえばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオなど炭素数1〜4のものが、低級アシルオキシとしてはたとえばアセチルオキシ、プロピオニルオキシなど炭素数1〜4のものが挙げられる。2つのBが互いに結合してエチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、ジチオトリメチレン等を形成していてもよい。すなわち、式(IV)の−CH(B)2 は保護されたアルデヒド基を意味する。
化合物(IV)と2,4−オキサゾリジンジオンとを縮合して化合物(I−B1)を製造する。本縮合反応は、A法における化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの反応と同様にして行なわれる。
【0023】
E法
【化23】
〔式中、Qは脱離基を、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Qで表わされる脱離基としては、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
化合物(V)と化合物(VI)とを縮合して化合物(I−D1)を製造する。
この反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンおよびこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどがあげられる。これら塩基の使用量は化合物(V)に対し1〜5モル程度が好ましい。本反応は通常−50℃〜150℃好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0024】
A法の原料化合物(II)は、例えばF法によって製造される。
F法
【化24】
〔式中、R4およびR5は同一または異なって低級アルキル基を、R6は水素原子または低級アルキル基を、qは0、1または2を表し、他の記号は前記と同意義を有する。〕
R4、R5およびR6で表わされる低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど炭素数1〜4のものが挙げられる。この方法では、まずカルボニル誘導体(VII)をホスホノ酢酸誘導体またはω−ホスホノカルボン酸誘導体(VIII)と反応させて不飽和エステル誘導体(IX)を製造する。(VII)と(VIII)の反応は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(VIII)に対し1〜5モル程度が好ましい。化合物(VIII)の使用量は、化合物(VII)に対し1〜5モル、好ましくは1〜3モル程度である。本反応は通常−50℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0025】
ついで化合物(IX)を還元反応に付し、アルコール誘導体(X)を製造する。本還元反応は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(IX)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化アルミニウムリチウムなどの金属水素錯化合物およびジボランなどが挙げられるが、水素化ジイソブチルアルミニウムを用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150〜、とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
ついで化合物(X)を酸化反応に付し、不飽和カルボニル誘導体(II−1)を製造する。本酸化反応は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、二酸化マンガンによる酸化、クロム酸による酸化、ジメチルスルホキシドによる酸化等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(X)を酸化剤で処理することにより行われる。酸化剤としては、二酸化マンガン、無水クロム酸等が用いられるが、二酸化マンガンを用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシドあるいはこれらの混合溶媒などが酸化剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150〜、とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
ついで化合物(II−1)を還元反応に付し、化合物(II−2)を製造する。本還元反応はC法と同様に行なわれる。
【0026】
このようにして得られるアルデヒド誘導体(II−1),(II−2)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
F法の原料化合物(VII)は、例えばケミカル ファーマシューチカル ビューレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、39巻、1440頁(1990年)、公開特許公報 平4−225978号、公開特許公報 昭61−85372号、公開特許公報 昭61−271287号、公開特許公報 昭63−139182号、公開特許公報 平3−170478号、WO9119496−A1、EP−428312−A、公開特許公報 平1−299289号、公開特許公報昭63−230689号等に記載の方法に従って合成できる。
ピリジンアルデヒド誘導体(VII−1)は、例えばG法に従って製造することができる。
【0027】
G法
【化25】
〔式中、Q′はハロゲン原子を示し、他の記号は前記と同意義を有する。〕
Q′で表わされるハロゲン原子としては、例えば塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本法では、まず2−クロロ−5−ニトロピリジンをアルコール誘導体(XI)と反応させて化合物(XII)を製造する。2−クロロ−5−ニトロピリジンと化合物(XI)は、常法に従い塩基の存在下適宜の溶媒中で行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられ、これら塩基の使用量は化合物(XI)に対し1〜5モル程度が好ましい。本反応は通常−50℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。反応時間は、0.5〜30時間である。
【0028】
ついで化合物(XII)を還元反応に付し、アミン誘導体(XIII)を製造する。
本還元反応は、自体公知の方法で行うことができるが、金属触媒を用いる接触還元により有利に行われる。本接触還元は、常法に従い溶媒中、触媒の存在下、1〜150気圧の水素雰囲気中で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。触媒としては、ニッケル化合物、などの金属、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒等を用いることにより有利に行われる。反応温度は、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、反応時間は0.5〜50時間である。
ついで化合物(XIII)を自体公知のサンドマイヤー反応に付し、ハロゲン誘導体(XIV)を製造する。本反応では、まず化合物(XIII)を溶媒中塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸の存在下、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)水溶液を滴下することによりジアゾ化し、ついでハロゲン化ナトリウムまたはハロゲン化カリウム水溶液と反応させ、化合物(XIV)を製造する。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応温度は、−50℃〜100℃、好ましくは−20〜60℃、反応時間は0.5〜50時間である。
ついで化合物(XIV)をブチルリチウム、sec.−ブチルリチウム、tert.−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、フェニルマグネシウムブロミド等で処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と反応させて化合物(VII−1)を製造する。
【0029】
F法における中間化合物(IX)の一部は、例えばH法によっても製造される。H法
【化26】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本反応は、適宜の溶媒中、塩基の存在下に行われる。該溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、アセトン、2−ブタノン及びこれらの混合溶媒があげられる。該塩基としては、たとえばアルカリ金属水酸化物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(たとえば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属炭酸塩(たとえば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、アルカリ金属重炭酸塩(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなど)、アルカリ金属酢酸塩(たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)などの無機塩基、トリアルキルアミン(たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノン−5−エン、1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕ノン−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセンなどの有機塩基が挙げられる。これら塩基の使用量は化合物(XV)に対し1〜5モル程度が好ましい。本反応は通常−20℃〜150℃、好ましくは約−10℃〜100℃で行われる。
【0030】
H法の原料化合物(XV)の合成法は、例えばケミカル アンド ファーマシューチカル ビュレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、30巻、3563頁(1982年);ケミカル アンド ファーマシューチカル ビュレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、30巻、3580頁(1982 年);ケミカル アンド ファーマシューチカル ビュレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)、32巻、2267頁(1984年);アルツナイミッテル−フォルシュング/ドラッグ リサーチ(Arzneimittel−Forschung/Drug Research)、40巻、37頁(1990年);ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、35巻、2617頁(1992年)、公開特許公報昭61−267580号、公開特許公報昭61−286376号、公開特許公報昭61−85372号、特許公報平2−31079号、公開特許公報昭62−5981号等に記載されている。
B法に用いられる化合物(III)は、例えばI法に従って製造される。
I法
【化27】
〔式中、A2は結合手または炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素残基を、A3は結合手または炭素数1〜5の2価の飽和脂肪族炭化水素残基を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
A2で示される炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素残基はAで示される2価の脂肪族炭化水素残基のうち炭素数1〜5のものをいう。A3で示される2価の飽和脂肪族炭化水素残基はA2で示されるもののうち飽和のものをいう。
【0031】
本法では、まず化合物(II−3)とピルビン酸を縮合して化合物(XVI)を製造する。化合物(II−3)とピルビン酸を縮合反応は、A法における化合物(II)と2,4−オキサゾリジンジオンの反応と同様の塩基の存在下、含水アルコール中で行われる。ついで化合物(XVI)をエステル化反応に付し、化合物(XVII)を製造する。本エステル化反応はそれ自体公知の方法で行うことができ、例えば化合物(XVII)とアルコール(R4OH)を酸の存在下に直接反応させてエステル化する方法あるいは化合物(XVI)の反応性誘導体、例えば酸無水物、酸ハライド(酸クロリド、酸ブロミド)、イミダゾリドあるいは混合酸無水物(例、炭酸ジメチルとの無水物、炭酸ジエチルとの無水物、炭酸ジイソブチルとの無水物など)などをアルコール(R4OH)と適宜反応させる方法などが用いられる。ついで化合物(XVII)を接触還元反応に付し、化合物(XVIII)を製造する。本接触還元反応はC法と同様に行われる。ついで化合物(XVIII)を還元反応に付し、化合物(III−1)を製造する。本還元反応はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、金属水素化物による還元、金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボランによる還元、接触水素添加等が用いられる。すなわち、この反応は化合物(XVIII)を還元剤で処理することにより行われる。還元剤としては、水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)、水素化リチウムアルミニウムなどの金属水素錯化合物、水素化ナトリウムなどの金属水素化物、有機スズ化合物(水素化トリフェニルスズ等)、ニッケル化合物、亜鉛化合物などの金属および金属塩、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属触媒と水素とを用いる接触還元剤およびジボランなどが挙げられるが、なかでも水素化ホウ素アルカリ金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等)を用いることにより有利に行われる。この反応は、反応に影響を及ぼさない有機溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、などのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、あるいはこれらの混合溶媒などが還元剤の種類により適宜選択して用いられる。反応温度は−20℃〜150℃,とくに0℃〜100℃が好適であり、反応時間は、約1〜24時間程度である。
【0032】
D法の原料化合物(IV)およびA法の原料化合物(II)は、例えばJ法によっても製造される。
J法
【化28】
本法では、まず化合物(VII)と化合物(XIX)とを縮合して化合物(IV−1)を製造する。本縮合反応は、F法における化合物(VII)と化合物(VIII)の反応と同様にして行われる。ついで化合物(IV−1)を還元反応に付し、(IV−2)とする。本還元反応は、C法における化合物(I−B1)の接触還元反応と同様にして行われる。化合物(IV−2)は、さらに含水溶媒中、酸で処理することにより脱保護基を行い、アルデヒド誘導体(II−4)に導くことができる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、アセトン、2−ブタノン、酢酸等と水との混合溶媒が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸の他、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
化合物(II)および(IV)の一部は、例えばK法によっても製造される。
【0033】
K法
【化29】
本反応は、E法と同様にして行なわれる。
E法で製造した化合物のうち一部は、さらに還元することにより、化合物(I−B2a2)を製造することができる。
L法
【化30】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本法では、E法で製造した化合物(I−B2a1)を還元して化合物(I−B2a2)を製造する。本反応は、I法の(XVIII)から(III−1)への還元反応と同様にして行なわれる。
化合物(II−2),(II−4)は、M法を用いることによっても製造される。M法
【化31】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
たとえば、化合物(IX)の接触還元反応によって製造される化合物(XXII)は、F法の(IX)から(X)への反応と同様にして化合物(XXIII)を製造する。ついで化合物(XXIII)を酸化反応に付すことにより、化合物(II−2),(II−4)を製造する。
【0034】
(XXIII)から(II−2),(II−4)への酸化反応は、自体公知の酸化反応に従って行われる。例えば、酸化クロム−硫酸−ピリジンからなるジョーンズ(Jones)酸化、酸化クロム−ピリジン錯体を用いるコリンズ(Collins)酸化、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)による酸化、二クロム酸ピリジニウム(PDC)による酸化等のクロム酸酸化、活性化DMSOによる酸化、オキソアンモニウム塩による酸化等が用いられる。
光学活性体の場合は活性化ジメチルスルホキシド(DMSO)酸化により有利に行われる。活性化DMSO酸化は、DMSOと親電子試薬の共存下溶媒中で行われる。該溶媒としては、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、親電子試薬の種類により適宜選択されて使用される。活性化DMSO酸化には、用いられる親電子試薬により、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)法、無水酢酸法、五酸化リン法、塩素法、三酸化硫黄−ピリジン法、ケテンイミン−エナミン法、酢酸水銀(II)法等と呼ばれるものが存在する。本酸化反応は、三酸化硫黄−ピリジン法により有利に行われる。すなわちトリエチルアミンの存在下、三酸化硫黄−ピリジン錯体をDMSOの活性化試薬として用いる酸化反応である。本反応は、ジメチルスルホキシドを溶媒として用いても行われる。トリエチルアミンおよび三酸化硫黄−ピリジン錯体の使用量は、化合物(XXIII)に対し1〜10モル等量、好ましくは2〜5モル等量であり、−70℃〜80℃、好ましくは−20℃〜40℃で行われる。反応時間は、0.5〜10時間である。
【0035】
このようにして得られるアルデヒド誘導体(II−2),(II−4)は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
なお、化合物(II−2),(II−4)は、常法によりアルデヒド基を、アセタール化、ジチオアセタール化等を行って、化合物(IV−2)を製造し、化合物(I)の製造に用いることもできる。
化合物(XXII)のうち、ベンゾオキサゾール誘導体(XXII−1)は、例えばN法にしたがって製造することができる。
N法
【化32】
〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
本反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばキシレン、トルエン,ベンゼン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、ジクロロベンゼン,クロロベンゼン,メチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒は1種または2種以上適当な割合で混合して用いてもよい。
本反応は、通常化合物(XXIV)および(XXV)と上記溶媒との混合液を加熱することにより行われる。加熱温度は通常約30〜200℃、好ましくは約50〜約180℃である。
【0036】
本反応は、脱水剤の存在下におこなってもよい。脱水剤としては、例えば五酸化リン,オキシ塩化リンなどの脱水作用を有するリン化合物が用いられる。
脱水剤の使用量は、化合物(XXIV)に対し約1〜約10モル当量、好ましくは約1〜約4モル当量である。オキシ塩化リンを用いる場合、大過剰量のオキシ塩化リンを溶媒として用いることもできる。五酸化リンを用いる場合、ヘキサメチルジシロキサン{〔(CH3)3Si〕2O}などを添加することにより、本反応はさらに有利に行われる。この際、ヘキサメチルジシロキサンは、五酸化リンに対し約2〜約4モル当量用いるのが好ましい。反応時間は、約1〜約30時間、好ましくは約1〜約10時間である。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる化合物(I)はすぐれた血糖および血中脂質低下作用を有する。
実験例
マウスにおける血糖および脂質低下作用
被検化合物を粉末飼料(CE−2,日本クレア)に0.005%混合し、KKAy−マウス(9〜14週令)に自由に4日間与えた。この間、水は自由に与えた。血液を眼窩静脈そうから採取し、血漿を用いてグルコースとトリグリセライドを酵素法によりそれぞれイアトロケム−GLU(A)およびイアトロ−MA701 TG キット(ヤトロン社)を用いて定量した。それぞれの薬物投与群の値は、薬物非投与群に対する低下率(%)で表し、〔表1〕に示した。
【表1】
このように本発明に係る2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(I)は優れた血糖および血中脂質低下作用を有し、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤、高血圧治療剤など医薬品として有用である。
【0038】
【実施例】
実施例1
(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナムアルデヒド(1.20g)、2,4−オキサゾリジンジオン(0.525g)、ピペリジン(0.09g)およびエタノール(20ml)の混合物を還流下に5時間加熱した。反応混合物は、水に注ぎ2N塩酸で酸性化後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−メタノール(50:1)で溶出する部分より、5−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.51,34%)を得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 213〜214℃。
【0039】
実施例2〜実施例7
実施例1と同様にして、〔表2〕の化合物を得た。
【表2】
【0040】
実施例8
実施例1と同様にして、5−〔3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ピリジル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。エタノール−クロロホルム−イソプロピルエーテルから再結晶した。淡黄色結晶。融点 204〜205℃。
実施例9
2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−1,3−ジオキサン(2.0g)、2,4−オキサゾリジンジオン(0.99g)、ピペリジン(0.21g)および酢酸(50ml)の混合物を還流下に24時間加熱した。反応混合物は、減圧下に濃縮し残留物に酢酸エチルを加えた。酢酸エチル層は、炭酸水素ナトリウム水溶液、2N塩酸、水の順に洗浄し、乾燥(MgSO4)した。濃縮後残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−酢酸エチル(5:1)で溶出する部分より、5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ブチリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.55g,26%)を得た。エチルエーテル−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 152〜153℃。
【0041】
実施例10〜実施例13
実施例1と同様にして〔表3〕の化合物を得た。
【表3】
【0042】
実施例14
実施例1と同様に、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕アクロレインと2,4−オキサゾリジンジオンとの反応により5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率44%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 237−239℃。
実施例15
実施例1と同様に、(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−アールと2,4−オキサゾリジンジオンとの反応により5−〔5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率31%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。黄色針状晶。
融点 209−211℃。
【0043】
実施例16
5−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナミリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.29g)、パラジウム−炭素(10%,0.1g)およびジオキサン(50ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−メタノ−ル(100:3)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.28g,96%)を得た。ジクロロメタン−メタノ−ルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 149〜150℃。
元素分析値 C25H26N2O5 として
計算値:C,69.11; H,6.03; N,6.45
実験値:C,69.18; H,6.01; N,6.46
【0044】
実施例17〜実施例22
実施例16と同様にして、〔表4〕の化合物を得た。
【表4】
【0045】
実施例23
実施例16と同様に、5−〔3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ピリジル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ピリジル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノ−ル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色結晶。融点 169〜171℃。
元素分析値 C23H23N3O5・1/2H2O として
計算値:C,64.18; H,5.62; N,9.76
実験値:C,64.31; H,5.70; N,9.48
実施例24
2−ヒドロキシ−4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕酪酸 エチルエステル(0.45g)、粉末シアン酸カリウム(0.24g)およびブタノ−ル(20ml)の混合物を4日間還流下に加熱した。減圧下に溶媒を留去し、残留物を2N塩酸で酸性化して酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−メタノ−ル(100:3)で溶出する部分より5−〔2−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.28g,63%)を得た。ジクロロメタン−エタノ−ルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 193〜194℃。
元素分析値 C23H22N2O5 として
計算値:C,67.97; H,5.46; N,6.89
実験値:C,67.92; H,5.61; N,6.64
実施例25
5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ブチリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.38g)、パラジウム−炭素(10%,0.2g)およびテトラヒドロフラン(40ml)の混合物を、3気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−メタノール(100:3)で溶出する部分より、5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.25g,65%)を得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点136−137℃。
【0046】
実施例26〜実施例29
実施例16と同様にして〔表5〕の化合物を得た。
【表5】
【0047】
実施例30
実施例16と同様にして、5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率80% ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 184−185℃。
実施例31
実施例16と同様にして、5−〔5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを接触還元反応に付し、5−〔5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率77%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 157−158℃。
実施例32
実施例24と同様にして5−〔2−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕エチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率35%。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 158−159℃。
実施例33
5−〔5−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.9g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(40ml)溶液に油性水素化ナトリウム(60%,0.28g)を加え室温で15分間かきまぜた。ついで4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(0.85g)を加え、70℃で2時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで2NHClで酸性化後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−クロロホルム(1:5,v/v)で溶出する部分より5−〔5−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.86g,58%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 120−121℃。
【0048】
実施例34
実施例33と同様にして5−〔4−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率32%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 186−187℃。
実施例35
4−〔4−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕フエノキシアセチル〕−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(1.8g)、2,4−オキサゾリジンジオン(0.925g)、ピペリジン(0.12g)および酢酸(30ml)の混合物を還流下に15時間加熱した。反応混合物は減圧下に濃縮し、残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出した。クロロホルム層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタノール−クロロホルム(1:30,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。この5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンをテトラヒドロフラン(THF)(30ml)に溶かし、パラジウム−炭素(5%,0.3g)を加え、接触還元反応に付した。触媒を濾別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.32g,16%)を油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.7-2.1(4H,m), 2.63(2H,t,J=7Hz), 2.74(3H,s), 4.84(1H,dd,J=7&4.5Hz), 5.37(2H,s), 6.92(2H,d,J=9Hz), 7.09(2H,d,J=9Hz), 7.45-7.55(3H,m), 7.95-8.1(3H,m).
【0049】
実施例36
5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−オキソエトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.2g)のテトラヒドロフラン(THF)(5ml)−エタノール(5ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.03g)を加え室温で1時間かきまぜた。反応混合物に2NHClおよび水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留油状物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(50:1,v/v)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−ヒドロキシ−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.16g,80%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 146−147℃。
【0050】
実施例37〜実施例50
実施例33と同様にして〔表6〕,〔表7〕の化合物を得た。
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
実施例51
4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕シンナムアルデヒド(4.00g)、2,4−オキサゾリジンジオン(2.86g)、ピペリジン(0.60g)およびエタノール(50ml)の混合物を還流下に2時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。酢酸エチル−クロロホルム(1:4)で溶出する部分より得られる結晶をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、パラジウム−炭素(5%,1.40g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−メタノール(100:2)で溶出する部分より5−〔3−〔4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.10g,21%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 126−127℃。
実施例52
実施例51と同様にして、5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。収率22%。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.7-2.15(4H,m), 2.48(3H,s), 2.61(2H,t,J=7Hz), 4.84(1H,dd,J=6.5&4.5Hz), 5.27(2H,s), 6.76(1H,d,J=8.5Hz), 7.3-7.5(4H,m),
7.95-8.1(3H,m), 8.84(1H,br s).
実施例53
実施例35と同様にして、5−〔4−〔4−〔5−メチル−2−(2−ナフチル)−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率22%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 163−164℃。
【0053】
実施例54
実施例35と同様にして、5−〔3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率13%。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。
融点 151−152℃。
実施例55
実施例1と同様にして、5−〔3−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペニリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点 229−230℃。
実施例56
実施例16と同様にして、5−〔3−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 134−135℃。
実施例57
実施例51と同様にして、5−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.32(6H,d,J=6Hz), 1.65-2.15(4H,m), 2.62(2H,t,J=7Hz), 4.4-4.6(1H,m), 4.84(1H,dd,J=7&4.5Hz), 6.81(2H,d,J=8.5Hz), 7.06(2H,d,J=8.5Hz), 8.00(1H,broad s).
【0054】
実施例58
実施例51と同様にして、5−〔5−(4−イソプロポキシフェニル)ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.32(6H,d,J=6Hz), 1.3-2.1(8H,m), 2.54(2H,t,J=7.5Hz), 4.4-4.6(1H,m), 4.84(1H,dd,J=7.5&4.5Hz), 6.80(2H,d,J=8.5Hz), 7.05(2H,d,J=8.5Hz), 7.98(1H,broad s).
実施例59
実施例35と同様にして、2−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−1,3−ジオキソランと2,4−オキサゾリジンジオンとの反応につづく接触還元反応により、5−〔4−(4−イソプロポキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 81−82℃。
実施例60
実施例51と同様にして、5−〔3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを淡黄色非晶質粉末として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.25(3H,d,J=6.8Hz), 1.30-2.00(4H,m), 2.43(3H,s), 2.55-2.80(1H,m), 4.67-4.83(1H,m), 4.97(2H,s), 6.95(2H,d,J=8.8Hz), 7.09(2H,d,J=8.8Hz), 7.35-7.53(3H,m), 7.92-8.10(2H,m).
【0055】
実施例61
実施例33と同様にして、5−〔3−〔4−(2−ベンゾ〔b〕チエニル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率76%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 154−155℃。
実施例62
実施例33と同様にして、5−〔3−〔4−(2−ベンゾ〔b〕フラニル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。収率70%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色針状晶。融点 165−166℃。
【0056】
(1),(2),(3)の全量および30gの(4)を水で練合し、真空乾燥後製粒を行う。この製粒末に14gの(4)及び1gの(5)を混合し、打錠機で錠剤とすることにより、一錠当たり(1)10mgを含有する錠剤1000錠を製造する。
(1),(2),(3)の全量および30gの(4)を水で練合し、真空乾燥後製粒を行う。この製粒末に14gの(4)及び1gの(5)を混合し、打錠機で錠剤とすることにより、一錠当たり(1)30mgを含有する錠剤1000錠を製造する。
【0057】
参考例1
水素化ナトリウム(油性、60%、0.32g)をホスホノ酢酸トリエチル(1.79g)のN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)の溶液に0℃で少量づつ加え、15分同温度でかきまぜた。ついで、4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕ベンズアルデヒド(2.44g)を加え、室温で1時間かきまぜた。反応混合物を氷−水に注いで2N塩酸で中和し、析出結晶をろ取した。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕けい皮酸エチル(2.52g,85%)を得た。無色針状晶。融点
90〜91℃。
参考例2〜参考例6
参考例1と同様にして、〔表8〕の化合物を得た。
【表8】
【0058】
参考例7
水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5M,9.3ml)を(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕けい皮酸エチル(2.48g)のジクロロメタン(50ml)縣濁液に0℃で滴下した。室温で2時間かきまぜた後、氷冷下にメタノ−ル(3ml)ついで水(30ml)を加えた。混合物はセライト層を通してろ過した。有機層は、水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出する部分より(E)−3−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オ−ル(1.44g,65%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 116〜117℃。
【0059】
参考例8〜参考例13
参考例7と同様にして、〔表9〕の化合物を得た。
【表9】
【0060】
参考例14
活性化二酸化マンガン(2.8g)を(E)−3−〔4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オ−ル(1.4g)のジクロロメタン(50ml)溶液に加え、室温で2時間かきまぜた後、セライト層を通してろ過した。ろ液を濃縮し、(E)−4−〔2−〔5−メチル−2−(3−メチルフェニル)−4−オキサゾリル〕エトキシ〕シンナムアルデヒド(1.27g,91%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 110〜111℃。
参考例15〜参考例20
参考例14と同様にして、〔表10〕の化合物を得た。
【表10】
【0061】
参考例21
4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンズアルデヒド(3.0g)およびピルビン酸(3.44g)のメタノ−ル(80ml)溶液に炭酸ナトリウム(4.14g)の水(80ml)溶液を滴下した。混合物を70−80℃で24時間かきまぜた後水に注いで、酢酸エチルで洗浄した。水層を濃塩酸で酸性下して析出結晶をろ取した。この結晶を含塩化水素エタノ−ル(5%,15ml)に加え、混合物を30分還流下に加熱した。減圧下に溶媒を留去し、残留物はクロロホルムに溶かして水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。酢酸エチル−クロロホルム(1:9)で溶出する部分より(E)−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンジリデンピルビン酸エチル(1.0g,25%)を得た。ジクロロメタン−エタノ−ルから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 99〜100℃。
参考例22
(E)−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンジリデンピルビン酸エチル(0.85g)、パラジウム−炭素(10%,0.1g)およびジオキサン(80ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をエタノ−ル(20ml)に溶かし、氷冷下に水素化ホウ素ナトリウム(0.08g)を加え、室温で1時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで1N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィ−で精製した。クロロホルム−酢酸エチル(9:1)で溶出する部分より、2−ヒドロキシ−4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕酪酸エチル(0.55g,64%)を得た。エチルエーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 67〜68℃。
【0062】
参考例23
2−クロロ−5−ニトロピリジン(25g)、2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノ−ル(32.1g)のTHF(250ml)溶液に、氷冷下油性水素化ナトリウム(60%,6.92g)を少量づつ加えかきまぜた。反応混合物は、室温でさらに15時間かきまぜた後、水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。残留する結晶をろ取、エタノ−ルから再結晶して2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ニトロピリジン(25.4g,49%)を得た。黄褐色結晶。融点 110.5〜111.5℃。
元素分析値 C17H15N3O4 として
計算値:C,62.76; H,4.65; N,12.92
実験値:C,62.80; H,4.58; N,12.96
参考例24
2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕−5−ニトロピリジン(13.4g)、パラジウム炭素(5%,1.5g)および酢酸エチル(200ml)−メタノ−ル(150ml)の混合物を室温、1気圧で接触還元を行った。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮、残留結晶をろ取し5−アミノ−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(11.4g,93%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。褐色結晶。融点 107.0〜108.0℃。
元素分析値 C17H17N3O2 として
計算値:C,69.14; H,5.80; N,14.23
実験値:C,69.01; H,5.94; N,13.99
【0063】
参考例25
5−アミノ−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(10.0g)、conc.HCl(8.47ml)およびアセトン(100ml)の混合物に、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(2.46g)の水(10ml)溶液を10℃以下の温度で滴下した。10℃で30分かきまぜた後、ヨウ化カリウム(KI)(2.46g)の水(10ml)溶液を滴下した。反応混合物は、さらに30〜35℃で1時間、35〜40℃で1時間かきまぜた後減圧下に濃縮した。残留物を水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去し、残留油状物をシリカゲルクロマトグラフィ−に付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より、5−ヨ−ド−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(7.22g,52%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 105〜106℃。
元素分析値 C17H15N2O2I として
計算値:C,50.26; H,3.72; N,6.90
実験値:C,50.22; H,3.89; N,6.78
参考例26
5−ヨ−ド−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(2.5g)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,4.61ml)を窒素気流下、−65℃で滴下した。混合物を同温度で15分間かきまぜた後、N,N−ジメチルホルムアミド(0.71ml)を滴下した。冷却浴を除去し、さらに30分かきまぜた後、塩化アンモニウム飽和水溶液(6ml)を加えた。反応混合物は、水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去し、5−ホルミル−2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ピリジン(1.5g,79%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 99〜100℃。
元素分析値 C18H16N2O3 として
計算値:C,70.12; H,5.23; N,9.09
実験値:C,69.94; H,5.38; N,8.94
【0064】
参考例27
参考例1と同様にして、(E)−3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル〕エトキシ〕−5−ピリジル〕アクリル酸メチルを得た。酢酸エチルから再結晶した。無色結晶。融点 138〜139℃。
参考例28
参考例7と同様にして、(E)−3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル〕エトキシ〕−5−ピリジル〕−2−プロペン−1−オ−ルを得た。酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色結晶。融点
115〜116℃。
参考例29
参考例14と同様にして、(E)−3−〔2−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル〕エトキシ〕−5−ピリジル〕アクロレインを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色結晶。融点 138〜139℃。
参考例30
2−ブロモ−3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピオン酸メチル(15.0g)、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)(6.2g)およびトルエン(200ml)の混合物を70℃で2時間かきまぜた。反応混合物は、酢酸エチル(200ml)に注いで、2NHClおよび飽和食塩水で洗浄、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去、4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕けい皮酸メチル(10.8g,88%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 114〜115℃。
【0065】
参考例31
水素化ナトリウム(油性、60%、0.78g)を〔2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(8.9g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)の溶液に室温で少量ずつ加え、30分同温度でかきまぜた。ついで、4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕ベンズアルデヒド(5.0g)を加え、室温で15時間、ついで70℃で5時間かきまぜた。反応混合物を氷−水に注いで2N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。ヘキサン−酢酸エチル(3:1)で溶出する部分より、(Z)−2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2−プロペニル〕−1,3−ジオキサン(5.1g,77%)を油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.25-1.4(1H,m), 1.95-2.25(1H,m), 2.37(3H,s), 2.66(1H,ddd,J=7&5&2Hz), 2.98(2H,t,J=6.5Hz), 3.7-3.85(2H,m), 4.0-4.3(4H,m), 4.63(1H,t,J=5Hz), 5.64(1H,dt,J=11.5&7Hz), 6.48(1H,br d,J=11.5Hz), 6.85(2H,d,J=9Hz), 7.22(2H,d,J=9Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.9-8.0(2H,m).
【0066】
参考例32
(Z)−2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2−プロペニル〕−1,3−ジオキサン(5.0g)、パラジウム−炭素(5%,0.1g)およびエタノール(100ml)の混合物を、1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル カラムクロマトグラフィーで精製した。ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で溶出する部分より、2−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−1,3−ジオキサン(4.8g,96%)を得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.25-1.4(1H,m), 1.5-1.8(4H,m), 1.9-2.2(1H,m), 2.37(3H,s), 2.54(2H,t,J=7Hz), 2.96(2H,t,J=6.5Hz), 3.65-3.85(2H,m), 4.0-4.15(2H,m), 4.21(2H,t,J=6.5Hz), 4.50(1H,t,J=5Hz), 6.80(2H,d,J=9Hz), 7.06(2H,d,J=9Hz), 7.35-7.5(3H,m), 7.9-8.0(2H,m).参考例33〜参考例36
参考例1と同様にして〔表11〕の化合物を得た。
【表11】
【0067】
参考例37
参考例1と同様に、5−ホルミル−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフランとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕アクリル酸エチルを得た。収率74%。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 150−151℃。
参考例38
参考例1と同様に、(E)−4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕シンナムアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン酸エチルを得た。収率56%。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点102−103℃。
参考例39
4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(2.9g)、ピルビン酸ナトリウム(3.3g)、炭酸ナトリウム(3.2g)、水(80ml)およびメタノール(80ml)の混合物を還流下に6時間かきまぜた。反応混合物を減圧下に約1/3に濃縮し酢酸エチルで抽出した。水層を濃塩酸で酸性化し、析出結晶をろ取、(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸(1.6g,44%)を得た。クロロホルム−メタノールから再結晶した。無色針状晶。融点197−198℃。
【0068】
参考例40
(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸(1.3g)およびエタノール(50ml)の混合物に濃硫酸(0.1ml)を加え還流下に8時間加熱後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、残留油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)で溶出する部分より(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸エチル(1.2g,86%)を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 110−111℃。
参考例41
参考例22と同様にして、(E)−4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンジリデンピルビン酸エチルより2−ヒドロキシ−4−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕酪酸エチルを油状物として得た。収率89%。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.28(3H,t,J=7Hz), 1.8-2.2(2H,m), 2.43(3H,s), 2.71(2H,t,J=7Hz), 2.84(1H,d,J=5.2Hz), 4.1-4.3(1H,m), 4.21(2H,q,J=7Hz), 4.97(2H,s), 6.94(2H,d,J=9Hz), 7.13(2H,d,J=9Hz), 7.4-7.5(3H,m), 7.95-8.1(2H,m).
【0069】
参考例42〜参考例45
参考例7と同様にして〔表12〕の化合物を得た。
【表12】
参考例46
参考例7と同様に、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕アクリル酸エチルを還元して(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕−2−プロペン−1−オールを得た。収率57%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 156−157℃。
参考例47
参考例7と同様に、(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン酸エチルを還元して(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−オールを得た。収率63%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。無色鱗片状晶。融点
132−133℃。
【0070】
参考例48〜参考例51
参考例14と同様にして〔表13〕の化合物を得た。
【表13】
参考例52
参考例14と同様に、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕−2−プロペン−1−オールより(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)−ベンゾフラン−5−イル〕アクロレインを得た。収率93%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点 136−137℃。
【0071】
参考例53
参考例14と同様に、(E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−オールより(E,E)−5−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕−2,4−ペンタジエン−1−アールを得た。収率82%。ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点 133−134℃。
参考例54
4−ブロモアセチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(2.60g)、4−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕フェノール(1.82g)、炭酸カリウム(1.28g)および2−ブタノン(60ml)の混合物を70〜80℃で20時間かきまぜた。反応混合物を水に注いで析出する結晶を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム−メタノール(100:1,v/v)で溶出する部分より4−〔4−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕フェノキシアセチル〕−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(2.08,57%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 119−120℃。
【0072】
参考例55
参考例1と同様にして、4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕けい皮酸エチルを得た。収率97%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 80−81℃。
参考例56
参考例1と同様にして、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕アクリル酸エチルを得た。収率86%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点
109−110℃。
参考例57
参考例7と同様にして、(E)−3−〔4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕−2−プロペン−1−オールを油状物として得た。収率87%。
NMR(δ ppm in CDCl3):3.14(3H,s), 3.98(2H,t,J=5.5Hz), 4.19(2H,t,J=5.5Hz), 4.29(2H,br,d,J=5.5Hz), 6.22(1H,dt,J=16&6Hz), 6.45-6.6(3H,m), 6.85(2H,d,J=9Hz), 7.30(2H,d,J=9Hz), 7.45(1H,ddd,J=8.5&7&2Hz), 8.1-8.2(1H,m).参考例58
参考例7と同様にして、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕−2−プロペン−1−オールを得た。収率57%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 116−117℃。
【0073】
参考例59
参考例14と同様にして、4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕シンナムアルデヒドを油状物として得た。収率100%。
NMR(δ ppm in CDCl3):3.15(3H,s), 4.01(2H,t,J=5.5Hz), 4.25(2H,t,J=5.5Hz), 6.5-6.7(3H,m), 6.95(2H,d,J=9Hz), 7.41(1H,d,J=16Hz), 7.4-7.55(3H,m), 8.16(1H,ddd,J=5&2&1Hz), 9.65(1H,d,J=8Hz).
参考例60
参考例14と同様にして、(E)−3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕アクロレインを得た。収率92%。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶。無色プリズム晶。融点 147−148℃。
参考例61
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.62M,25.9ml)を〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(18.6g)のテトラヒドロフラン(180ml)懸濁液に−20℃で滴下し、2時間かきまぜた。4−〔2−(2−ナフチル)−5−メチル−4−オキサゾリルメトキシ〕ベンズアルデヒド(12.0g)を加え、50−55℃で4時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、0.1N塩酸、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、クロロホルム−メタノール(100:5)で溶出する部分より結晶(14.8g)を得た。この結晶をテトラヒドロフラン(250ml)に溶解し、パラジウム−炭素(5%,3.0g)を加えて1気圧、室温で接触還元に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮して4−〔4−〔3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)プロピル〕フェノキシメチル〕−5−メチル−2−(2−ナフチル)オキサゾール(12.1g,81%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 141−142℃。
【0074】
参考例62
参考例1と同様にして、4−ヒドロキシ−3−ニトロベンズアルデヒドとホスホノ酢酸トリエチルとの反応により、(E)−4−ヒドロキシ−3−ニトロけい皮酸エチルを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。淡黄色針状晶。融点 114−115℃。
参考例63
参考例24と同様にして、(E)−4−ヒドロキシ−3−ニトロけい皮酸エチルを接触還元反応に付し、3−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.24(3H,t,J=7Hz), 2.5-2.9(4H,m), 4.12(2H,q,J=7Hz), 6.49(1H,dd,J=8&2Hz), 6.60(1H,d,J=2Hz), 6.64(1H,d,J=8Hz).参考例64
五酸化リン(P2O5)(12.9g)、ヘキサメチルジシロキサン〔(CH3)3SiOSi(CH3)3〕(29.5g)および1,2−ジクロロベンゼン(60ml)の混合物を10分間還流下に加熱した。この混合物に3−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル(4.75g)および2−ナフチル酢酸(4.23g)を加え、3時間還流下に加熱した。反応混合物を水にそそいで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分から、3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオン酸エチル(5.95g,73%)を得た。エーテル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 81−82℃。
参考例65
3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオン酸エチル(5.8g)のエーテル(100ml)−テトラヒドロフラン(100ml)溶液に水素化リチウムアルミニウム(0.73g)を室温で加え1時間かきまぜた。水(4ml)を滴下した後、不溶の固体をろ別した。ろ液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:1,v/v)で溶出する部分から、3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロパノール(2.1g,41%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 102−103℃。
【0075】
参考例66
オキサリルクロリド〔(COCl)2〕(0.88g)をジメチルスルホキシド(DMSO)(1.08g)のジクロロメタン(30ml)溶液に−30℃で滴下した。ついで3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロパノール(2.0g)を加えて同温度で30分間かきまぜた。さらにトリエチルアミン(3.19g)を加え30分間かきまぜた後、0℃まで加温し2NHClに注いだ。有機層を分取し、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去した。残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2,v/v)で溶出する部分から、3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオンアルデヒド(1.54g,77%)を得た。エーテル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色針状晶。融点 81−82℃。
参考例67
3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピオンアルデヒド(2.9g)、エチレングリコール(0.685g)、p−トルエンスルホン酸1水和物(0.175g)およびベンゼン(50ml)の混合物を還流下に3時間かきまぜた。反応混合物は、炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄、乾燥(MgSO4)した。溶媒を留去し、5−〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕−2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール(2.95g,89%)を得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 85−86℃。
【0076】
参考例68
2−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾール(20.8g)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(12.2g),炭酸カリウム(27.6g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)の混合物を90℃で2時間かきまぜた。反応混合物を水にそそいで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去し、3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ベンズアルデヒド(26.5g,90%)を得た。エタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 67−68℃。参考例69
参考例1と同様にして、(E)−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸エチルを得た。メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 91−92℃。
参考例70
(E)−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)けい皮酸エチル(14.0g)のジクロロメタン(200ml)溶液に氷冷下水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5M,51ml)を滴下した。同温度で30分間かきまぜた後、2N HCl(150ml)を滴下し1時間かきまぜた。有機層を分取し、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、(E)−〔3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−プロペン−1−オール(11.5g,92%)を得た。酢酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 120−121℃。
参考例71
参考例14と同様にして、(E)−3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)シンナムアルデヒドを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色柱状晶。融点 103−104℃。
【0077】
参考例72
参考例23と同様にして、2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ニトロピリジンを得た。ジクロロメタン−イソプロピルエーテルから再結晶した。淡黄色プリズム晶。融点 142−143℃。
参考例73
参考例24と同様にして、5−アミノ−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンを得た。メタノール−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 106−107℃。
参考例74
参考例25と同様にして、5−ヨード−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 129−130℃。
参考例75
参考例26と同様にして、5−ホルミル−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 116−117℃。
【0078】
参考例76
4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(4.5g)、(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)トリフェニルホスホニウム ブロミド(10.0g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(50ml)の混合物に、油性水素化ナトリウム(60%,0.935g)を加え60℃で3時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ2N HCl で中和後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルムで溶出する部分から、2−ビニル−1,3−ジオキソラン誘導体(5.7g)を油状物として得た。
この油状物をエタノール(150ml)に溶かし、パラジウム−炭素(5%,2.0g)を加えて室温、1気圧で接触還元反応に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エチル(50:1,v/v)で溶出する部分から、2−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−1,3−ジオキソランを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.85-2.0(2H,m), 2.6-2.75(2H,m), 3.8-4.15(4H,m), 4.82(1H,broad s), 4.88(1H,t,J=4.5Hz), 6.75(2H,d,J=8.5Hz), 7.07(2H,d,J=8.5Hz).
【0079】
参考例77
参考例1と同様にして、(E)−4−イソプロポキシけい皮酸エチルの粗油状物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した〔エーテル−ヘキサン(1:5,v/v)溶出〕。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.33(3H,t,J=7Hz), 1.35(6H,d,J=6Hz), 4.25(2H,q,J=7Hz), 4.5-4.7(1H,m), 6.30(1H,d,J=16Hz), 6.87(2H,d,J=9Hz), 7.46(2H,d,J=9Hz), 7.63(1H,d,J=16Hz).
参考例78
参考例7と同様にして、(E)−3−(4−イソプロポキシフェニル)−2−プロペン−1−オールの粗油状物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した〔酢酸エーテル−ヘキサン(1:4,v/v)溶出〕。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.33(6H,d,J=6Hz), 1.38(1H,t,J=6Hz), 4.30(2H,dt,J=6&1.5Hz), 4.45-4.65(1H,m), 6.23(1H,dt,J=16&6Hz), 6.56(1H,d,J=16Hz), 6.84(2H,d,J=8.5Hz), 7.31(2H,d,J=8.5Hz).
参考例79
参考例14と同様にして、(E)−4−イソプロポキシシンナムアルデヒドを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.37(6H,d,J=6Hz), 4.5-4.7(1H,m), 6.61(1H,dd,J=16&8Hz), 6.92(2H,d,J=9Hz), 7.42(1H,d,J=16Hz), 7.51(2H,d,J=9Hz).
【0080】
参考例80
5−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(1.5g)のジクロロメタン(70ml)溶液に、四塩化チタン(TiCl4)(4.1g)を0℃で滴下し同温度で1時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分から、5−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオン(0.755g,59%)を得た。アセトン−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 132−133℃。
参考例81
4−イソプロポキシベンズアルデヒド(15.0g)、4−ホスホノクロトン酸 トリエチルエステル(27.3g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100ml)の混合物に、油性水素化ナトリウム(60%,4.38g)を加え、室温で16時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ2N HClで中和後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。エーテル−ヘキサンで溶出する部分から、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン酸エチルエステル(13.7g,58%)を得た。エーテル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点 64−65℃。
【0081】
参考例82
参考例7と同様に、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン酸エチルエステルを水素化ジイソブチルアルミニウムで還元し、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン−1−オールを得た。イソプロピルエーテルら再結晶した。無色針状晶。融点
91−92℃。
参考例83
参考例14と同様に、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン−1−オールを二酸化マンガンで酸化し、(E,E)−5−(4−イソプロポキシフェニル)−2,4−ペンタンジエン−1−アールを油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.36(6H,d,J=6Hz), 4.5-4.7(1H,m), 6.22(1H,dd,J=15&8Hz), 6.8-7.05(4H,m), 7.26(1H,dd,J=15&10Hz), 7.44(2H,d,J=9Hz), 9.59(1H,d,J=8Hz).
参考例84
参考例80と同様にして、5−〔5−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。エーテル−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色プリズム晶。融点 96−97℃。
【0082】
参考例85
〔2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド(51.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200ml)氷冷溶液に、油性水素化ナトリウム(60%,4.6g)を少量づつ加え15分間かきまぜた。ついで4−イソプロポキシベンズアルデヒド(18.0g)を加え、80〜85℃で5時間かきまぜた。反応混合物を氷水に注ぎ2N HCl で中和後エーテルで抽出した。エーテル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後溶媒を留去、残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v/v)で溶出する部分から、1,3−ジオキソラン誘導体(14.5g)を油状物として得た。
この油状物をエタノール(250ml)に溶かし、パラジウム−炭素(5%,5.0g)を加えて室温、1気圧で接触還元反応に付した。触媒をろ別し、ろ液を減圧下に濃縮し、残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:5,v/v)で溶出する部分から、2−〔3−(4−イソプロポキシフェニル)プロピル〕−1,3−ジオキソラン(6.7g,24%)を油状物として得た。
NMR(δ ppm in CDCl3):1.32(6H,d,J=6Hz), 1.6-1.8(4H,m), 2.5-2.65(2H,m), 3.8-4.0(4H,m), 4.4-4.6(1H,m), 4.8-4.9(1H,m), 6.8(2H,d,J=8.5Hz), 7.07(2H,d,J=8.5Hz).
【0083】
参考例86
参考例80と同様にして、5−〔4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを得た。ジクロロメタン−メタノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点 151−152℃。
参考例87
参考例68と同様にして、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールとp−ヒドロキシアセトフェノンを反応させることにより、4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)アセトフェノンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して無色結晶を得た。融点 126−127℃。参考例88
参考例1と同様にして、4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)アセトフェノンとホスホノ酢酸トリメチルを反応させることによりメチル (E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテノエートを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶して無色結晶を得た。融点 125−126℃。
参考例89
参考例7と同様にして、メチル(E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテノエートと水素化ジイソブチルアルミニウムを反応させることにより、メチル (E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテン−1−オールを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶して無色結晶を得た。融点 126−127℃。
参考例90
参考例14と同様にして、(E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテン−1−オールを二酸化マンガンで酸化することにより、(E)−3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕−2−ブテン−1−アールを得た。酢酸エチル−エーテルから再結晶して無色結晶を得た。融点 94−95℃。
Claims (23)
- 一般式
(1)炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基;
(2)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基;
(3)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基;
(4)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、 6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1 , 2 , 3−オキサジアゾリル、1 , 2 , 4−オキサジアゾリル、1 , 3 , 4−オキサジアゾリル、フラザニル、1 , 2 , 3−チアジアゾリル、1 , 2 , 4 - チアジアゾリル、1 , 3 , 4−チアジアゾリル、1 , 2 , 3−トリアゾリル、1 , 2 , 4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔 b 〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1 , 2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1 , 2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1 , 2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1 , 5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1 , 2−a〕ピリミジニル、1 , 2 , 4−トリアゾロ〔4 , 3−a〕ピリジル、1 , 2 , 4−トリアゾロ〔4 , 3−b〕ピリダジニルから選ばれる芳香族複素環基;
(5)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロ フリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノから選ばれる非芳香族複素環基;
(6)ハロゲン原子;
(7)ニトロ基;
(8)炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基で1または2個置換されていてもよいアミノ基;
(9)炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
ホルミル、または炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基とカルボニル基の結合した基;
(10)ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数1〜10のアルケニルオキシ、フェニル−C 1−4 アルキルオキシ、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ、フェノキシ、4−クロロフェノキシ;
(11)チオール基、炭素数1〜10のアルキルチオ、フェニル−C 1−4 アルキルチオ、炭素数2〜4のアルカノイルチオ;および
(12)カルボキシル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p−トリールオキシカルボニル;
から選ばれる1〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、
(A)炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数3〜7の脂環族炭化水素残基、炭素数4〜9の脂環族−脂肪族炭化水素残基、炭素数7〜9のフェニルアルキル、炭素数11〜13のナフチルアルキル、フェニル、ナフチル;または
(B)1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基;2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環基;1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基;これらの複素環基と2個以下の窒素原子をふくむ6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環との縮合環基を、
Yは−CO−,−CH(OH)−または−NR3−(ただしR3はハロゲン、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基または炭素数1〜4のアシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される基を、mは0または1を、nは0,1または2を、XはCHまたはNを、Aは炭素数1〜7の2価の脂肪族炭化水素残基をそれぞれ示す。R1およびR2はそれぞれ水素原子またはアルキル基を示すかまたはR1とR2が互いに結合して窒素原子を含んでいてもよい5または6員の複素環を形成していることを示す。LおよびMはそれぞれ水素原子を示すかまたはLとMが互いに結合して両者で1個の結合手を形成するものとする。〕で表される2,4−オキサゾリジンジオン誘導体(ただし、5−〔3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンを除く)またはその塩。 - nが0または1、Aが炭素数1〜4の2価の飽和脂肪族炭化水素残基、LおよびMがそれぞれ水素原子であり、R1,R2がそれぞれ水素原子であるかまたはR1とR2が互いに結合して窒素原子を含む5員環を形成している請求項2記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- Aが−CH2CH2−である請求項3記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- Rが以下の(1)〜(12)から選ばれる1〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、
1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員複素環基;2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複素環基;1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基;またはこれらの複素環基と2個以下の窒素原子をふくむ6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環との縮合環基である請求項3記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
(1)炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基;
(2)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基;
(3)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基;
(4)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環 基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1 , 2 , 3−オキサジアゾリル、1 , 2 , 4−オキサジアゾリル、1 , 3 , 4−オキサジアゾリル、フラザニル、1 , 2 , 3−チアジアゾリル、1 , 2 , 4 - チアジアゾリル、1 , 3 , 4−チアジアゾリル、1 , 2 , 3−トリアゾリル、1 , 2 , 4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔 b 〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1 , 2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1 , 2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1 , 2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1 , 5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1 , 2−a〕ピリミジニル、1 , 2 , 4−トリアゾロ〔4 , 3−a〕ピリジル、1 , 2 , 4−トリアゾロ〔4 , 3−b〕ピリダジニルから選ばれる芳香族複素環基;
(5)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリ ニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノから選ばれる非芳香族複素環基;
(6)ハロゲン原子;
(7)ニトロ基;
(8)炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基で1または2個置換されていてもよいアミノ基;
(9)炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
ホルミル、または炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基とカルボニル基の結合した基;
(10)ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数1〜10のアルケニルオキシ、フェニル−C 1−4 アルキルオキシ、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ、フェノキシ、4−クロロフェノキシ;
(11)チオール基、炭素数1〜10のアルキルチオ、フェニル−C 1−4 アルキルチオ、炭素数2〜4のアルカノイルチオ;および
(12)カルボキシル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p−トリールオキシカルボニル。 - Rが以下の(1)〜(12)から選ばれる1〜2個の置換基を有していてもよいオキサゾリル基である請求項3記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
(1)炭素数1〜15の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基;
(2)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数3〜12の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基;
(3)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基 、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基;
(4)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1 , 2 , 3−オキサジアゾリル、1 , 2 , 4−オキサジアゾリル、1 , 3 , 4−オキサジアゾリル、フラザニル、1 , 2 , 3−チアジアゾリル、1 , 2 , 4 - チアジアゾリル、1 , 3 , 4−チアジアゾリル、1 , 2 , 3−トリアゾリル、1 , 2 , 4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔 b 〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1 , 2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1 , 2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1 , 2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1 , 5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1 , 2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1 , 2−a〕ピリミジニル、1 , 2 , 4−トリアゾロ〔4 , 3−a〕ピリジル、1 , 2 , 4−トリアゾロ〔4 , 3−b〕ピリダジニルから選ばれる芳香族複素環基;
(5)1)炭素数1〜4のアルキル基、2)炭素数2〜5のアルケニル基、3)炭素数2〜5のアルキニル基、4)炭素数3〜7のシクロアルキル基、5)フェニル、ナフチル、6)チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルから選ばれる芳香族複素環基、7)テトラヒドロフリル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペラジノから選ばれる非芳香族複素環基、8)炭素数7〜9のアラルキル基、9)アミノ基、10)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、11)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルアミノ基、12)アミジノ基、13)炭素数2〜5のアシル基、14)カルバモイル基、15)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、16)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルカルバモイル基、17)スルファモイル基、18)N−モノ(C 1 −C 4 )アルキル スルファモイル基、19)N,N−ジ(C 1 −C 4 )アルキルスルファモイル基、20)カルボキシル基、21)炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、22)ヒドロキシル基、23)炭素数1〜4のアルコキシ基、24)炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、25)炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、26)炭素数7〜9のアラルキルオキシ基、27)フェニルオキシ、ナフチルオキシ、28)メルカプト基、29)炭素数1〜4のアルキルチオ基、30)炭素数7〜9のアラルキルチオ基、31)フェニルチオ、ナフチルチオ、32)スルホ基、33)シアノ基、34)アジド基、35)ニトロ基、36)ニトロソ基、37)ハロゲンから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノから選ばれる非芳香族複素環基;
(6)ハロゲン原子;
(7)ニトロ基;
(8)炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアシルまたは芳香族基で1または2個置換されていてもよいアミノ基;
(9)炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
ホルミル、または炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルケニルまたは炭素数6〜12の芳香族基とカルボニル基の結合した基;
(10)ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数1〜10のアルケニルオキシ、フェニル−C 1−4 アルキルオキシ、炭素数2〜4のアルカノイルオキシ、フェノキシ、4−クロロフェノキシ;
(11)チオール基、炭素数1〜10のアルキルチオ、フェニル−C 1−4 アルキルチオ、炭素数2〜4のアルカノイルチオ;および
(12)カルボキシル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p−トリールオキシカルボニル。 - Rがフェニル基,ナフチル基,フリール基,チエニル基または(C1−C3)アルキル基で置換されていてもよいオキサゾリル基である請求項3記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- Yが−CO−、nが0、Aが炭素数1〜4の飽和炭化水素残基であり、LおよびMがそれぞれ水素原子である請求項2記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- R1およびR2がいずれも水素原子である請求項8記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- Aが−CH2−または−CH2CH2−である請求項8記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- XがCHである請求項8記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- XがNである請求項8記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔4−〔2−(5−メチル−2−ナフチル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−5−ピリジル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメチル)ベンゾフラン−5−イル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔2−(2−ナフチルメチル)ベンゾオキサゾール−5−イル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔4−(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリルメトキシ)フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔5−〔4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)フェニル〕ペンチル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ)フェニル〕ブチリデン〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔4−〔2−ヒドロキシ−2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
- 5−〔3−〔4−〔2−〔N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ〕エトキシ〕フェニル〕プロピル〕−2,4−オキサゾリジンジオンまたはその塩である請求項1記載の2,4−オキサゾリジンジオン誘導体またはその塩。
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