JP3899136B2 - 心血管系に活性を有する新規17−(3−イミノ−2−アルキルプロペニル)−5β,14β−アンドロスタン誘導体、その製法およびこれを含有する医薬組成物 - Google Patents
心血管系に活性を有する新規17−(3−イミノ−2−アルキルプロペニル)−5β,14β−アンドロスタン誘導体、その製法およびこれを含有する医薬組成物 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は心血管系に活性を示す新規17-(3-イミノ-2-アルキルプロペニル)-14β-ヒドロキシ-5β-アンドロスタン誘導体、その製法およびこれを含有する医薬組成物であって心不全や高血圧等の心血管系の不全の治療に有用なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
既知の17β-グアニジノイミノメチル-5β-アンドロスタン-3β,14βジオールおよび17-グアニジノイミノ-5β-アンドロスタン-3β,14βジオールが弱いNa+,K+-ATPアーゼの阻害剤であり、弱い陽性筋変力剤であることが報告されている(Gelbart A.とThomas R.、J.Med.Chem.,1978,21,284;Schoenfeld WとRepke K、Quant.Strut.-Act. Relat.,1988,7,160)。他の17-ヒドロキシイミノメチル-5β,14β-アンドロスタン誘導体(DE4227626;出願日20.08.92)がNa+,K+-ATPアーゼを阻害することも報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、心血管系に活性を有する新規化合物、その製法およびこれを含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物は一般式(I):
【0005】
【化8】
(式中、記号
【化9】
【0006】
はαまたはβ配置を意味する;
二重結合はE配置である;
R1は水素、未置換またはNR5R6で置換されたC2-C4アルキルを示す
(式中、R5とR6は同一でも異なっていてもよく、水素、C1-C4アルキル、またはR5とR6は窒素原子と共に、所望により酸素および窒素から選択されるさらなるヘテロ原子を含有していてもよい5員または6員の飽和ヘテロ環を形成している);
R2は水素またはヒドロキシを示す;
R3はメチル、エチルまたはn-プロピルを示す;
R4は
【0007】
【化10】
【0008】
またはOR10を示す
(式中、R7は水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換またはNR5R6で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;R8およびR9は同一でも異なっていてもよく、水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換またはNR5R6で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;
R10は水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換または1以上のNR5R6またはNHC(=NH)NH2で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;
記号
【0009】
【化11】
はZまたはE配置を意味する);
【0010】
R7、R8、R9は2個ずつで、ヘテロ原子と共に5員、6員または7員のヘテロ環を形成していてもよい)
で示される化合物を提供する。
式(I)の化合物が互変異性体として存在し得る場合には、この式にはすべての互変異性体を包含することが意図される;本願の範囲には式(I)の許す範囲でのすべての立体異性体、ZおよびE異性体を含有し、これらの混合物、光学異性体およびその混合体、および式(I)の化合物の代謝物と代謝前駆体を包含する。
【0011】
本発明の範囲内には、薬学的に許容されるその塩も含有する。薬学的に許容される塩とは、塩基の生理活性を保持しており、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、メタンスルホン酸または安息香酸および他の酸のごとき当業者に常用されている、薬学的に許容される既知の酸と共に作成されるものである。
【0012】
本発明の化合物には溶液(例えば水溶液)も含む。
窒素原子が水素原子で置換されていないN-酸化物もまた本発明に包含される。
アルキル基は、分岐鎖、直鎖または環状基である。
C2-C4アルキルは好ましくはエチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルまたは第3ブチルである。
R1基は好ましくは水素、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-ジエチルアミノエチル、3-ジエチルアミノプロピル、2-(1-ピロリジニル)エチル、3-(1-ピロリジニル)プロピルである。
【0013】
R7基は好ましくは水素、メチル、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-(1-ピロロジニル)エチル、3-(1-ピロロジニル)プロピルである。
【0014】
NR8R9基は好ましくはアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルアミノ、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリノ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル、2-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ジエチルアミノエチルアミノ、(2-ジメチルアミノエチル)メチルアミノ、(2-ジエチルアミノエチル)メチルアミノ、3-ジメチルアミノプロピルアミノ、(3-ジメチルアミノプロピル)メチルアミノ、2-(1-ピロリジニル)エチルアミノ、3-(1-ピロリジニル)プロピルアミノ、(2-(1-ピロリジニル)エチル)メチルアミノである。
【0015】
R10基は好ましくは2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-ジエチルアミノエチル、3-ジエチルアミノプロピル、2-(1-ピロリジニル)エチル、3-(1-ピロリジニル)プロピル、2-グアニジノエチル、3-グアニジノプロピルである。
【0016】
R7およびR8基はこれらの結合しているヘテロ原子と共に、好ましくは2-イミダゾリン-2-イル、1-メチル-2-イミダゾリン-2-イル、2-イミダゾリル、2-(1-メチル)イミダゾリル、1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル、1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニルを形成している。
【0017】
本発明の化合物の特定の好ましい例は以下の通りである:
(E,E)-17β-(3-グアニジノイミノ-2-メチル-1-プロペニル)-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリン-2-イル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-[3-(2-ジメチルアミノエチル)グアニジノイミノ]-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-アミノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-ジメチルアミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-ジメチルアミノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-グアニジノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-グアニジノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-(3-グアニジノイミノ-2-エチル-1-プロペニル)-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリン-2-イル)-ヒドラゾノ-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)-ヒドラゾノ-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-アミノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-ジメチルアミノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-ジメチルアミノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-グアニジノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-グアニジノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール;
【0018】
および上記化合物の、3β-(2-アミノエチル)、3β-(2-ジメチルアミノエチル)、3β-(2-(1-ピロリジニル)エチル)、3β-(3-アミノプロピル)、3β-(3-ジメチルアミノプロピル)および3β-(3-(1-ピロリジニル)プロピル)エーテルに相当する化合物;
および3β-ヒドロキシ誘導体と対応する3α-ヒドロキシ化合物;
および上記化合物の3α-(2-アミノエチル)、3α-(2-ジメチルアミノエチル)、3α-(2-(1-ピロリジニル)エチル)、3α-(3-アミノプロピル)、3α-(3-ジメチルアミノプロピルおよび3α-(3-(1-ピロリジニル)プロピル)エーテルに相当する化合物;
および上記化合物に対応する17α-ヒドロキシ化合物。
本発明はさらに一般式(I)の化合物の製法を提供する。本発明の製造法には式(II)の化合物:
【0019】
【化12】
[式中、R1、R2、R3および記号
【化13】
は上記と同意である]
【0020】
と式(III)および(IV)の化合物:
【化14】
【0021】
H2NOR10 (IV)
との縮合反応を経て一般式(I)の化合物を得る工程を含む。式(III)および(IV)は遊離の塩基または、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、炭酸、シュウ酸または硫酸のごとき酸の塩として用いればよい。反応はエタノール、メタノール、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、水またはこれらの溶媒の混合物のごとき溶媒中、0℃から上述の溶媒またはその混合物の沸点の間の温度で行う。反応混合物には、例えばNaH2PO4、Na2HPO4、NaOAcのごとき塩をさらに添加してもよく、またさらに例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、リン酸のごとき酸類および例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのとき塩基類を添加して所望のpHを維持するようにしてもよい。
【0022】
必要であればR1および/またはR2にある基を公知の方法にて保護するようにしてもよく、保護基がある場合には、公知の方法により保護基を除いた後に他の一般式(I)の化合物に変換することのできる一般式(I)の化合物を得ることができるようなものとする。
【0023】
一般式(I)の化合物のうち、R1、R2、R3および記号
【化15】
が上記と同意であり、R4がOR10を示す(式中、R10はグアニジノ基を含む)ものは、一般式(I)の他の化合物であってR1、R2、R3および記号
【化16】
が上記と同意であり、R4がOR10である(式中、R10は1級アミノ基を含む)から、例えば1-アミジノ-3,5-ジメチルピラゾールニトレートまたはS-メチルイソチオウレアとの反応により得ることができる。
【0024】
一般式(II)の化合物は当業者によく知られた方法で調製できる。
例えば、一般式(II)の化合物のうちでR1とR2が水素であり、R3と記号
【化17】
が上記と同意である化合物は公知の3β,14β-ジヒドロキシ-5β-アンドロスタン-17β-カルボキシアルデヒド(Boutagy J.とThomas R.、 Aust. J. Chem.,1971,24,2723)または未知の3α,4β-ジヒドロキシ-5β-アンドロスタン-17β-カルボキシアルデヒドと、トリメチル2-ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノプロピネート、トリメチル2−ホスホノブチラートまたはトリエチル2-ホスホノブチラートとを、リチウムクロライドの存在下で塩基、例えば水素化ナトリウムまたはジ-イソ-プロピルエチルアミンとで反応させ、その後エステル官能基を対応するアルコール、例えばジ-イソ-ブチルアルミニウムヒドライドと共に還元し、次いでアリル基を例えば二酸化マンガンの存在下で酸化させて不飽和アルデヒドを得ることによって合成できる。
【0025】
例えば一般式(II)の化合物であって、式中R1が水素、R2がヒドロキシ、R3と記号
が上記と同意であるものは、既知のエチル(E)-3β,14β-ジヒドロキシ-21-メチルー5β-プレグン-20-エン-カルボキシレート(Boutagy J.と Thomas R., Aust.J.Pharm.Sci.,1972, NS1,67)または未知のエチル(E)-3β,14β-ジヒドロキシ-21-エチル-5β-プレグン-20-エン-21-カルボキシレート、エチル(E)-3α,14β-ジヒドロキシ-21-メチル-5β-プレグン-20-エン-21-カルボキシレートまたはエチル(E)-3α,14β-ジヒドロキシ-21-エチル-5β-プレグン-20-エン-21-カルボキシレートから、例えば二酸化セレンによるアリル酸化、次いで例えばジ-イソ-ブチルアルミニウムハイドライドによってエステル基を対応するアルコールへと還元し、続いて例えば二酸化マグネシウムによって不飽和アルデヒドへとアリル酸化することによって合成できる。
【0026】
例えば未知の3α-ヒドロキシ化合物は、対応する公知の3-ケト化合物から水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムまたはトリ第三ブトキシ水素化アルミニウムリチウム(lithium alminium-tri-tert-butoxyhydride)によって還元して調製される。対応する未知の3-ケト化合物は、3β-ヒドロキシ誘導体からジョーンズ試薬、無水クロム酸のピリジンまたは過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム溶液、およびN酸化N-メチルモルホリンのごとき公知の方法による酸化によって得られる。
【0027】
R2、R3および記号
【化19】
が上記の通りであり、R1が水素ではない化合物(II)は、R1が水素である対応する化合物(II)から、式(V)の化合物:
R11W (V)
(式中、R11は上記R1について規定したもののうちの水素以外のもの、またはR1に変換し得る基である、およびWはハロゲン、メシルオキシ(mesyloxy)またはトシルオキシ(tosyloxy)基のごとき電子吸引性基であって、結合炭素原子を求電子性にするものである、そしてR1は上記の通りである。この反応はテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは純粋R11Wのごとき不活性なアプロチック溶媒(aprotic solvent)中で、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのごとき塩基の存在下、0℃から110℃の温度範囲で行う。
【0028】
上述のすべての変換において、R2のヒドロキシ基(任意)、およびアルデヒド基が必要な場合には、保護基を公知の方法で除いた後に一般式(II)の化合物が得られるよう、保護されている。
【0029】
上記変換はオーガニック・ケミストリー(例えばJ. March アドバンスド・オーガニック・ケミストリー(Advanced Organic Chemistry), J. Wiley & Sons 1985;D Barton とW.D. Ollis、コンプレヘンシブ・オーガニック・ケミストリー("Comprehensive Organic Chemistry"), Pergamon Press, 1979参照)に記載されており、当業者に良く知られている。
一般式(III)、(IV)および(V)は公知の化合物であり、一般に市販されているかまたは公知化合物から公知の方法にて製造し得る。
【0030】
以下の実施例により、本発明を制限することなく、さらに詳しく説明する。
【0031】
実施例1
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−aa)
水10ml中のアミノグアニジンハイドロゲンカーボネート0.50gおよびジオキサン30mlの混合物を3N HClでpH3に酸性化した。(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)0.95gのジオキサン10ml溶液を室温で添加した。3日後、その混合物を減圧下でエバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム80/20/3を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をジエチルエーテルおよびエタノールで処理し、表題化合物(I−aa)0.75gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);4.05(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0032】
実施例2
(E , E)−17β−[3−(2−イミダゾリン−2−イル)ヒドラゾノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ab)
2−ヒドラジノ−2−イミダゾリンハイドロブロミド0.55gの水10mlおよびジオキサン30ml溶液を0.1N HBrでpH3に酸性化した。(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)1.00gのジオキサン10ml溶液を室温で添加した。3日後、その溶液を減圧下でエバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム90/10/1を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をエチルアセテートおよびエタノールで処理し、表題化合物(I−ab)0.85gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.50(4H、s);4.05(1H、s);5.92(1H、dq);7.61(1H、s)。
【0033】
実施例3
(E , E)−17β−[3−(1−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)ヒ ドラゾノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ac)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.84g)(製造例1)および1−メチル−2−ヒドラジノ−2−イミダゾリンハイドロヨーダイド(ホイベン−バイル(Houben-Weil)、メトデン・デア・オーガニッシェン・ケミー(Metoden der Organischen Chemie)、バンドVIII(Band VIII)、ページ183に記載の手順により、2−メチルチオ−1−メチル−2−イミダゾリンハイドロヨーダイドおよびヒドラジンから製造)から出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ac)(0.52g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.99(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.00(3H、s);3.50(4H、s);4.05(1H、s);5.90(1H、dq);7.60(1H、q)。
【0034】
実施例4
(E , E)−17β−[3−(1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジニル)ヒドラゾノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ad)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.90g)(製造例1)および2−ヒドラジノ−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンハイドロヨーダイド(ホイベン−バイル(Houben-Weil)、メトデン・デア・オーガニッシェン・ケミー(Metoden der Organischen Chemie)、バンドVIII(Band VIII)、ページ183に記載の手順により、2−メチルチオ−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンハイドロヨーダイドおよびヒドラジンから製造)から出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ad)(0.65g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.15(4H、m);4.05(1H、s);5.90(1H、dd);7.60(1H、s)。
【0035】
実施例5
(E , E)−17β−{3−[3−(2−ジメチルアミノエチル)グアニジノイミノ]−2−メチル−1−プロペニル}−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ae)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.78g)(製造例1)および1−アミノ−3−(2−ジメチルアミノエチル)グアニジンハイドロヨーダイド(ホイベン−バイル(Houben-Weil)、メトデン・デア・オーガニッシェン・ケミー(Metoden der Organischen Chemie)、バンドVIII(Band VIII)、ページ183に記載の手順により、製造)から出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ae)(0.50g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.98(3H、s);1.67(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.40(6H、s);2.70(2H、t);3.50(2H、t);4.05(1H、s);6.90(1H、dq);7.60(1H、s)。
【0036】
実施例6
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−af)
2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライド0.36gおよび酢酸ナトリウム0.82gの水20mlおよびジオキサン40ml溶液を、3N HClを添加してpH4.5にした。(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)0.72gのジオキサン16mlおよび水8ml溶液を室温で滴下した。4時間後、その溶液を減圧下で濃縮し、その混合物を10%Na2CO3でpH9.0にして、メチレンクロライドで抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下でエバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム90/10/1を用いて精製した。表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をエチルアセテートに溶解し、その溶液に理論量のフマル酸エタノール溶液を添加した。結晶を採取し、表題化合物(I−af)0.82gをフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.22(2H、m);4.05(1H、m);4.22(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0037】
実施例7
(E , E)−17β−[3−(3−アミノプロポキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ag)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.42g)(製造例1)および3−アミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ag)(0.45g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.15(2H、m);4.05(1H、m);4.15(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0038】
実施例8
(E , E)−17β−[3−(2−ジメチルアミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ah)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.60g)(製造例1)および2−ジメチルアミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ah)(0.64g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.90(6H、s);3.42(2H、m);4.05(1H、m);4.35(2H、m);6.06(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0039】
実施例9
(E , E)−17β−[3−(3−ジメチルアミノプロポキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ai)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.39g)(製造例1)および3−ジメチルアミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ai)(0.42g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.85(6H、s);3.30(2H、m);4.05(1H、m);4.25(2H、t);6.06(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0040】
実施例10
(E , E)−17β−[3−(2−グアニジノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−aj)
(E,E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−21−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール(I−af)0.50gおよび1−アミジノ−3,5−ジメチルピラゾールニトレート0.55gのエタノール10ml溶液を還流条件下で10時間加熱した。その溶液を減圧下でエバポレートして乾燥させ、粗生成物を水、その次にジエチルエーテル/エタノールで処理し、表題化合物(I−aj)0.35gをニトレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.40(2H、m);4.05(1H、s);4.30(2H、m);6.05(1H、dq);7.77(1H、s)。
【0041】
実施例11
(E , E)−17β−[3−(3−グアニジノプロポキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ak)
(E,E)−17β−[3−(3−アミノプロポキシイミノ)−21−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール(I−ag)(0.45g)および1−アミジノ−3,5−ジメチルピラゾールニトレートから出発し、実施例10記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ak)(0.31g)をニトレート塩の白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.35(2H、m);4.05(1H、m);4.25(2H、t);6.05(1H、dq);7.78(1H、s)。
【0042】
実施例12
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−エチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−al)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.35g)(製造例2)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−al)(0.32g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);4.05(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0043】
実施例13
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−エチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−am)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.42g)(製造例2)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−am)(0.33g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);3.22(2H、m);4.05(1H、m);4.22(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0044】
実施例14
(E , E)−17β−[3−(3−アミノプロポキシイミノ)−2−エチル− 1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−an)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.27g)(製造例2)および3−アミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−an)(0.29g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);3.15(2H、m);4.05(1H、m);4.15(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0045】
実施例15
(E , E)−17β−[3−(2−ジメチルアミノエトキシイミノ)−2−エチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ao)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.30g)(製造例2)および2−ジメチルアミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ao)(0.34g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);2.90(6H、s);3.40(2H、m);4.05(1H、m);4.35(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0046】
実施例16
(E , E)−17β−[3−(3−ジメチルアミノプロポキシイミノ)−2− エチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ap)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.30g)(製造例2)および3−ジメチルアミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ap)(0.31g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);2.85(6H、s);3.30(2H、m);4.05(1H、m);4.25(2H、t);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0047】
実施例17
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3β , 14β , 17α−トリオール(I−aq)
(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例3)(0.30g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−aq)(0.23g)を白色固体として得た。1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.96(3H、s);1.67(3H、d);4.05(1H、s);5.90(1H、m);7.63(1H、s)。
【0048】
実施例18
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β , 17α−トリオール(I−ar)
(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.42g)(製造例3)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ar)(0.33g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);3.20(2H、m);4.05(1H、m);4.20(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0049】
実施例19
(E , E)−17β−[3−(2−ジメチルアミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β , 17α−トリオール(I−as)
(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例3)(0.30g)および2−ジメチルアミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−as)(0.32g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.90(6H、s);3.40(2H、m);4.05(1H、m);4.35(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.77(1H、s)。
【0050】
実施例20
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−at)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル(dioxolanyl))]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例4)0.50gおよび0.1M塩酸15mlのジオキサン40ml溶液を室温で維持した。1日後、アミノグアニジンハイドロゲンカーボネート0.15gを添加した。3日後その溶液を減圧下でエバポレートして乾燥させた。その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム80/20/3を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をジエチルエーテル/エタノールで処理し、表題化合物(I−at)0.30gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.80−2.95(6H、m);3.65(3H、m);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0051】
実施例21
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−au)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例4)(0.43g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−au)(0.34g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.80−3.00(8H、m);3.60−3.75(3H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0052】
実施例22
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−17β−[3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−4β−オール(I−av)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例5)(0.34g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−av
)(0.27g)をオキサレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.60−2.80(7H、m);3.45−3.70(3H、m);5.90(1H、dq);7.60(1H、s)。
【0053】
実施例23
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−aw)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例5)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にし、その後理論量のシュウ酸で処理して、表題化合物(I−aw)(0.23g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.60−2.80(7H、m);2.90(2H、t);3.45−3.70(3H、m);4.06(2H、t);5.97(1H、m);7.70(1H、s)。
【0054】
実施例24
(E , E)−(3β−(2−アミノエトキシ)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−4β−オール(I−ax)
(E)−3β−(3−アミノエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例6)(0.40g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ax)(0.24g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.00(2H、m);3.40(2H、m);3.70(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0055】
実施例25
(E , E)−3β−(2−アミノエトキシ)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−ay)
(E)−3β−(2−アミノエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例6)(0.36g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ay)(0.25g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.90−3.00(4H、m);3.40(2H、t);3.65(1H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0056】
実施例26
(E , E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−4β−オール(I−az)
(E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例7)(0.34g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−az)(0.26g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.67(3H、d);2.60−2.80(3H、m);3.30−3.40(2H、m);3.60(1H、m);5.90(1H、dq);7.60(1H、s)。
【0057】
実施例27
(E , E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−ba)
(E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例7)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ba)(0.23g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.60−2.80(3H、m);2.90(2H、t);3.30−3.40(2H、m);3.60(1H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0058】
実施例28
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3α , 14β−ジオール(I−bb)
(E)−3α,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例8)(0.40g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−bb)(0.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.75(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0059】
実施例29
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3α , 14β−ジオール(I−bc)
(E)−3α,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例8)(0.40g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−bc)(0.30g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.67(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.22(2H、m);3.75(1H、m);4.23(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.77(1H、s)。
【0060】
実施例30
(E , E)−3α−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−17β−[3− (2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−bd)
(E)−3α−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例9)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−bd)(0.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.80−3.00(8H、m);3.50−3.75(3H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0061】
実施例31
(E , E)−3α−(3−アミノプロポキシ)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−be)
(E)−3α−(2−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例10)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−be)(0.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.67(3H、d);2.60−2.80(3H、m);2.90(2H、t);3.30−3.40(2H、m);3.50(1H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0062】
製造例1
(E)−3β , 14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−a)
エチル(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ファーム・ケム(Aust.J.Pharm.Chem.)、1972、NS1、67)9.60gの乾燥テトラヒドロフラン370ml溶液に、ヘキサン中の1M i-Bu2AlH104mlを窒素雰囲気下、−78℃にて滴下した。2時間後、その反応を硫酸ナトリウム46.0gの水350ml溶液で急冷し、室温で2時間撹拌した。その後その混合物をセライトで濾過し、メチレンクロライドで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させて、(E)−21−ヒドロキシメチル−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール8.30gをオフホワイト固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.97(3H、s);1.65(3H、d);2.45−2.55(1H、m);4.00(2H、s);4.13(1H、m);5.60(1H、dq)。
【0063】
(E)−21−ヒドロキシメチル−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール8.40gのクロロホルム200ml溶液に、MnO284.0gを室温で添加した。その混合物を一晩中撹拌し、セライトで濾過した。有機溶液をエバポレートして乾燥させ、表題化合物(II−a)7.50gをオフホワイト固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.98(3H、s);1.70(3H、d);2.75−2.85(1H、m);4.15(1H、m);6.80(1H、dq);9.40(1H、s)。
【0064】
製造例2
(E)−3β , 14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−b)
撹拌した乾燥THF100ml中のNaH(鉱油中55%分散液)1.20gの混合物にトリエチル2−ホスホノブチラート(triethyl 2-phosphonobutirrate)6.9mlを氷浴で冷却しながら滴下した。30分後、室温にて3β,14β−ジヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ケム(Aust.J.Chem.)、1971、24、2723)4.80gのTHF50ml溶液を滴下した。2時間後その混合物を5%NaH2PO4水溶液200mlで希釈した;有機層を分離し、水性相をエチルアセテートで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてシクロヘキサン/エチルアセテート1/1を用いて精製した。純粋な化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させ、エチル(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート4.70gをオフホワイト固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);2.55−2.65(1H、m);4.10(1H、s);4.15(2H、q);6.98(1H、m)。
【0065】
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート4.50gから、製造例1記載の反応順序と同様にして、表題化合物(II−b)3.10gをオフホワイト固体として得た。1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.98(3H、s);2.75−2.85(1H、m);4.15(1H、m);6.80(1H、m);9.40(1H、s)。
【0066】
製造例3
(E)−3β , 14β , 17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグ ン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−c)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ファーム・サイ(Aust.J.Pharm.Sci.)、1972、NS1、67)1.35gのジオキサン20ml溶液に、二酸化セレン1.10gを窒素雰囲気下で添加した。その混合物を4時間還流させ、一晩中室温で維持し、その後濾過した。減圧下で溶媒を留去した。その粗生成物に水を添加し、その混合物を濾過して、エチル(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート1.10gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.80(3H、s);0.92(3H、s);1.80(3H、d);4.10(1H、s);4.15(2H、q);5.95(1H、m)。
【0067】
製造例1記載の手順に従い、メチル(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート1.05gを最初にi-Bu2AlHと反応させ、次にMnO2と反応させて、表題化合物(II−c)0.80gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.70(3H、s);0.90(3H、s);1.70(3H、d);3.90(1H、m);7.60(1H、m);9.50(1H、d)。
【0068】
製造例4
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−d)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)2.50g、エチレングリコール11.0ml、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン50mlおよびシュウ酸0.06gの混合物を40℃で3日間加熱した。冷却後、その混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させて、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール2.60gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);3.85−4.05(4H、m);4.12(1H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、dd)。
【0069】
乾燥テトラヒドロフラン280ml中、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール2.55g、1−(2−クロロエチル)ピロリジン15.0gおよび水素化ナトリウム(鉱油中55%分散液)5.00gの混合物を12時間還流させた。冷却後、水を添加し、混合物をエチルアセテートで抽出した;有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール95/5を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして表題化合物(II−d)1.60gを不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);2.85(6H、m);3.65(3H、m);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0070】
製造例5
(E)−3β−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−e)
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール(製造例4を見よ)2.10gおよび1−(3−クロロプロピル)ピロリジン8.00gから出発し、製造例4記載の手順と同様にして、表題化合物(II−e)(1.10g)を不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);2.55(6H、m);3.42(2H、t);3.62(1H、m);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、dd)。
【0071】
製造例6
(E)−3β−(2−アミノエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−f)
NaH(鉱油中60%分散液)7.05gの乾燥テトラヒドロフラン500ml懸濁液に、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール(製造例4を見よ)8.05gを窒素雰囲気下室温にて添加した。その混合物を撹拌しながら7時間還流させ、次に、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール35mlを添加し、その懸濁液を撹拌しながら4時間還流させた。冷却後、室温で水80mlを注意して添加し、テトラヒドロフランを減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート75/25を用いて精製し、(E)−3β−(2,2−ジエトキシエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール9.05gを不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.23(6H、t);1.65(3H、s);3.45−3.50(2H、m);3.50−3.80(5H、m);3.85−4.05(4H、m);4.63(1H、t);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0072】
3β−(2,2−ジエトキシエトキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール9.00gのジオキサン720mlおよび酒石酸飽和水溶液550ml溶液を窒素雰囲気下70℃にて2時間加熱した。室温まで冷却後、水300mlを添加し、その混合物をメチレンクロライドで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート65/35を用いて精製し、(E)−3β−ホルミルメトキシ−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール6.05gを白色蝋状固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.02(3H、s);1.65(3H、s);3.70(1H、bs);3.85−4.05(4H、m);4.10(2H、d);5.15(1H、m);5.40(1H、m);9.75(1H、t)。
【0073】
(E)−3β−ホルミルメトキシ−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.00gのメタノール300ml溶液に、水素化ホウ素ナトリウム1.00gを0℃にてゆっくり添加した。30分後、混合物温度を25℃まで温めた。2時間後、水60mlを添加し、メタノールを減圧下で留去し、残渣をメチレンクロライドで抽出した;有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート75/25を用いて精製し、(E)−3β−(2−ヒドロキシエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール2.25gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);3.50(2H、t);3.60(1H、bs);3.70(2H、t);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0074】
ジエチルアゾジカルボキシレート0.85ml溶液を、撹拌した(E)−3β−(2−ヒドロキシエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール2.20g、フタルイミド0.90gおよびトリフェニルホスフィン1.50gのテトラヒドロフラン23ml溶液に窒素雰囲気下室温にて滴下した。2時間後、溶媒をエバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート75/25を用いて精製し、(E)−3β−(2−フタルイミドエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール2.40gを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);3.60−3.70(3H、m);3.85−4.20(6H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m);7.70−7.75(2H、m);7.80−7.90(2H、m)。
【0075】
3β−(2−フタルイミドエトキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−アンドロスタン−14β−オール2.30gのエタノール(96%)80ml溶液に、ヒドラジン水和物0.75mlを室温にて添加した。混合物を撹拌しながら4時間還流させ、次に水20mlを添加し、エタノールを減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出した;有機溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下でエバポレートして乾燥させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてメチレンクロライド/メタノール90/10を用いて精製し、表題化合物(II−f)1.05gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);2.85(2H、t);3.40(2H、m);3.65(1H、bs);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0076】
製造例7
(E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−g)
3β,14β−ジヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ケム(Aust.J.Chem.)、1971、24、2723)6.00g、シュウ酸1.20gおよびエチレングリコール20.0mlのアセトニトリル140ml溶液を室温で24時間撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性化した後、その混合物をエチルアセテート抽出した;有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させて、17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール6.10gを不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.98(3H、s);1.05(3H、s);3.80−4.20(5H、m);4.98(1H、d)。
【0077】
17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール6.05gの乾燥テトラヒドロフラン80ml溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)5.80gを窒素雰囲気下室温で添加し、その結果生じた混合物を撹拌しながら6時間還流させた。冷却後、臭化アリル18.0gを添加し、さらに20時間還流を続けた。その混合物を水で急冷し、有機溶媒を減圧下で留去した。残渣をエチルアセテートで抽出した;有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート80/20を用いて精製し、3β−プロプ−(2−エン)オキシ−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール5.20gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.97(3H、s);1.04(3H、s);3.69(1H、bs);3.80−4.20(6H、m);4.99(1H、d);5.12−5.18(1H、m);5.22−5.32(1H、m);5.87−6.01(1H、m)。
【0078】
9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン5.10gの乾燥テトラヒドロフラン350ml溶液に、テトラヒドロフラン140ml中の3β−プロプ−(2−エン)オキシ−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール6.80gを窒素雰囲気下室温で添加した。6時間撹拌後、エタノール12ml、6N水酸化ナトリウム4.0mlおよび30%過酸化水素7mlを添加した。混合物を50℃にて1時間撹拌し、炭酸カリウム9.05gの水200ml溶液で急冷し、有機溶媒を減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出し、有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート70/30を用いて精製し、3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール4.35gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.96(3H、s);1.05(3H、s);3.57−3.67(3H、m);3.80−4.20(6H、m);4.98(1H、d)。
【0079】
3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール4.30gのジオキサン100ml溶液を、0.1N塩酸でpH2.0に酸性化し、2時間撹拌した。その溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させ、3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド3.50gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.96(3H、s);1.05(3H、s);3.55−3.65(3H、m);3.80−4.20(2H、m);9.25(1H、d)。
【0080】
3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド3.45gを、製造例2記載の手順と同様にして、水素化ナトリウム存在下にてトリエチル2−ホスホノプロピオネートと反応させ、エチル(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート3.05gを白色泡として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、s);3.55−3.65(3H、m);4.15(2H、t);4.00−4.20(4H、m);7.00(1H、dd)。
【0081】
エチル(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート3.00gを、製造例1記載のようにして、i-Bu2AlH、続いてMnO2と反応させ、(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ジヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド2.85gを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);3.55−3.65(3H、m);4.00−4.20(2H、m);5.80(1H、m);9.40(1H、d)。
【0082】
(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ジヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド2.80gを、製造例4記載のようにして、エチレングリコールと反応させ、(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.10gを白色泡として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.90(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);3.55−3.65(3H、m);4.00−4.20(2H、m);5.20(1H、d);5.60(1H、m)。
【0083】
(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.00g、フタルイミド1.55gおよびトリフェニルホスフィン3.60gのテトラヒドロフラン55ml溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート0.35mlを窒素雰囲気下室温にて滴下した。2時間後溶媒を真空中で除去し、粗生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート80/20を用いて精製し、(E)−3β−(3−フタルイミドプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.50gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);3.40−3.55(3H、m);3.80−4.20(6H、m);5.20(1H、d);5.60(1H、m);7.68−7.75(2H、m);7.80−7.90(2H、m)。
【0084】
(E)−3β−(3−フタルイミドプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.40gのエタノール(96%)350ml溶液に、ヒドラジン水和物2.30gを室温で添加した。混合物を撹拌しながら4時間還流させた。冷却後、水10mlを添加し、エタノールを減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出し、有機溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてメチレンクロライド/メタノール90/10を用いて精製し、表題化合物(II−g)1.20gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.70(3H、d);2.60−2.80(2H、m);3.30−3.40(2H、m);3.60(1H、bs);3.85−4.05(4H、m);5.20(1H、d);5.60(1H、m)。
【0085】
製造例8
(E)−3α , 14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−h)
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール(製造例4を見よ)1.55gのメチレンクロライド20ml溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド0.95g、テトラプロピルアンモニウムペルルテネート0.15gおよび粉末4オングストロームモレキュラーシーブ1.20gを室温で添加した。3時間後、溶媒をエバポレートして乾燥させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート60/40を用いて精製し、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−プレグン−20−エン−14β−オール−3−オン1.35gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);2.70(1H、t);2.80(1H、dd);3.85−4.05(4H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、m)。
【0086】
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール−3−オン1.30gの−78℃乾燥テトラヒドロフラン15ml溶液に、トリ−tert−ブトキシアルミニウムハイドライド3.10gの乾燥テトラヒドロフラン30ml溶液を滴下した。混合物を20時間撹拌し、次に水15mlを添加し、温度を25℃に上げた。混合物をセライトで濾過し、不溶物をメタノールで洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し、メチレンクロライドで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートし、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3α,14β−ジオール1.40gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);3.70(1H、m);3.85−4.05(4H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、m)。
【0087】
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3α,14β−ジオール1.35gのジオキサン15ml溶液を0.1N塩酸でpH2.0に酸性化し、2時間撹拌した。溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させ、(E)−3α,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−h)1.10gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);2.80(1H、m);3.75(1H、m);6.80(1H、dq);9.40(1H、d)。
【0088】
製造例9
(E)−3α−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−i)
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3α,14β−ジオール(製造例8を見よ)0.60gから出発し、製造例4記載の手順と同様にして、表題化合物(II−i)(0.50g)を白色泡として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);2.85(6H、m);3.60(3H、m);3.85−4.05(4H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、dd)。
【0089】
製造例10
( E )- 3α -( 2 - アミノエトキシ )- 21 -[ 2 -( 1 , 3 - ジオキソラニル )]- 21 - メチル - 5β - プレグン - 20 - エン - 14β - オール (II- j )
表題化合物(II-j)(0.80g)を、4.50gの(E)-21-[2-1,3-ジオキソラニル)]-21-メチル-5β-プレグン-20-エン-14β-ジオール(製造例8参照)から出発し、製造例6に記載したのと同一の方法にて調製して白色泡状物質として得た。
1H NMR:(300MHz,CDCl3,TMSからのppm):0.85(3H,s);1,00(3H,s);1.65(3H,s);2.85’2H,t);3.40(2H,m);3.55(1H,bs);3.85-4.05(4H,m);5.15(1H,m);5.40(1H,m)。
【0090】
請求項の化合物の毒性データ
本願発明の化合物の毒性は低く、安全な治療薬として用いることができる。9時間絶食したマウスに、一回の経口投与で増加する用量を投与し、その後ゲージに入れ、通常の食餌を与えた。急性毒性(LD50)を投与の7日後に評価した。結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
有用な用量、投与方法、および医薬組成物の例
本願発明の化合物はさまざまな投与形態、例えば経口投与では錠剤、カプセル、糖衣錠またはフィルム被覆錠、液体溶液または懸濁液の剤形で:腸内投与には座薬で:非経口投与、例えば筋肉内、または静脈内注射もしくは点滴:埋め込み(implantation)(例えば皮下または筋肉内へ)または筋肉内投与によって投与される徐放製剤としてもよい。
【0093】
用量は、患者の年齢、体重、症状および投与経路に依存して決定される。例えば成人(体重約70kg)に適用される用量は、0.01から10mgの1回用量(pro dose)の1日1から3回経口投与、および0.01から50mgの1回用量の1日1から3回非経口投与である。
【0094】
この化合物を投与するのが必要となる全ての症状に対して一般には経口投与が選ばれる。急性高血圧症には例えば静脈注射または点滴のごとき非経口投与が有利となる。もちろん、用量管理は最適な治療応答が得られるよう調節すればよい。
【0095】
本発明の範囲には本発明の化合物と製剤的に許容される賦形剤(担体または希釈剤であってもよい)とを含む医薬組成物を含む。
本発明の医薬組成物は通常従来技術によって調製され、製剤的に適当な形態で投与される。例えば、固形経口投与剤には、活性化合物と共に例えばラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチおよびポテトスターチのごとき希釈剤、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムのごとき流動化剤および/またはポリエチレングリコール類;例えば澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結着剤、例えば澱粉、アルギン酸、アルギン酸塩、澱粉グリコレートナトリウム等の抗凝集剤;沸騰性混合物(effervescing mixtures);染料;甘味料;湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェート等;および一般に無毒性で薬学的に不活性な物質が、医薬組成物に用いられる。
【0096】
本発明の医薬組成物は既知の方法で、例えば混合、顆粒化、錠剤化、糖被覆またはフィルム被覆方法を用いて製造すればよい。
経口投与のための液体分散液としては、例えば シロップ、エマルション、懸濁液および溶液であってよい。シロップには、担体として例えばサッカロース、またはグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールと共にサッカロースを用いればよい:特に糖尿病患者に投与するシロップには担体としてグルコースへと代謝されない生成物もしくはほんのすこしのグルコース量へと代謝される、ソルビトールのごときものを用いなくてはならない。
懸濁液およびエマルションには担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを用いればよい。
【0097】
経口投与用の溶液には担体として、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、サッカロースおよび薬学的に許容されるであろう塩を用いればよい。
筋肉内注射のための溶液には活性化合物と共に薬学的に許容され得る担体、例えば滅菌水、オリーブオイル、オレイン酸エチル、グリコール類例えばプロピレングリコール、および所望により、適当な量の塩酸リドカインを含有していてもよい。
静脈内注射または点滴用の溶液には担体として、例えば滅菌水、エタノール、プロピレングリコール、および薬学的に許容され得る塩を滅菌等張塩水を調製するために用いてもよい。
座薬には活性化合物と共に薬学的に許容される担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤またはレシチンを用いてもよい。
【0098】
実施例32
1mgの活性物質を有する重量100mgの錠剤を、以下の通り製造した:
【0099】
活性成分を適当なふるいでふるい、ラクトースおよびコーンスターチと混合した。適当な量の精製水を添加し、この粉末を顆粒化した。乾燥した後、顆粒をふるい分けし、タルクおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。得られた顆粒を直径7mmのパンチを用いて錠剤に圧縮した。他の強度の錠剤は、活性成分のラクトースに対する量あるいは圧縮重量を変え、適当なパンチを用いることによって調製し得る。
【0100】
実施例33
5mgの活性成分を含有する経口投与用の溶液は5mgの(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオールフマレート(I-af)を10mlの70%エタノールに溶解して得られる。この溶液は適当な量を水で希釈して投与すればよい。
【0101】
実施例34
0.1mgの活性物質を含む筋肉内投与用アンプルを、以下の通り製造した。
活性成分を滅菌水中へ溶解した。溶液は適当なフィルターを通して滅菌し、アンプルに詰めた。
【0102】
本願発明の方法によって調製される一般式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、心血管系の不全、例えば心不全および高血圧の治療に有用である。
本願発明の方法によって調製される一般式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、ウーアバインやジギトキシンのごとき既知の筋変力作用剤より毒性が低い。
さらに本発明の化合物(I)はNa+,K+ATPアーゼの受容体部位に良好な親和性を示し、この酵素の良好な阻害剤となる。
【0103】
Na+,K+ATPアーゼの受容体部位に対する親和性およびこの酵素に対するアゴニストまたはアンタゴニスト活性を調べるため、以下の試験を行った:
a)Na+,K+ATPアーゼ受容体(ジョーグハンセン (Jorghensen P., BBA, 1974, 356, 36)とエルドマン(Erdman E.ら、 Arzneim. Forsh., 1984, 34, 1314))の方法により精製した)に特異的結合している3H-ウーアバインの、該受容体からの置換
b)被験化合物の存在下および不存在下における32P-ATPの加水分解%で測定される精製Na+,K+ATPアーゼ活性の抑制(Doucet A.ら, Am.J.Physiol., 1986, 251, F851)。
【0104】
心臓収縮血圧(systolic blood pressure(SBP))および心拍数(HR)をテイル・カフ法(tail cuff method)によって、高血圧誘導幼若オスラット(MHSまたはSHR)種を用いて測定した。高血圧を発症する前のもの(4週令)を用いてSBPの基底値を求めた。7匹のラッで1群とし、コントロール群と処置群を設けた。化合物はメソセル(Methocel)0.5%(w/v)に懸濁して、投与群に対しては少なくとも5週間毎日経口投与した。コントロール群にはメソセルのみを投与した。
SBPおよびHRを毎週投与後6および24時間後に測定した。5週間の処置の後、コントロール群には高血圧が完全に発現している(9週令)時に、ウオッシュアウトを始め、少なくとも1週間続けて、処置群で血圧が低いまま保たれるか、または再び基底値を確立するかについて確認した。
【0105】
血圧低下活性を検出するためのこの方法の効力は、すでにβブロッカーにおいて確かめられている。βブロッカーを高血圧ラット(SHR)に急性に投与した場合、血圧低下作用は発現されない。しかしながら、離乳期から投与を始め、5週間以上投与を続けると高血圧の発症が抑制される(タケダら、Japan J. Pharmacol., 1979, 29, 171;タケダら、Japan J. Pharmacol., 1982, 32, 283;Richer C.ら、Eur. J. Pharmacol., 1978, 47,393)。
いくつかの化合物の2種類の試験における親和性および抑制活性を以下の表に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
高血圧症の発症を予防する新規化合物を以下の表にまとめた:
【表3】
【発明の属する技術分野】
本発明は心血管系に活性を示す新規17-(3-イミノ-2-アルキルプロペニル)-14β-ヒドロキシ-5β-アンドロスタン誘導体、その製法およびこれを含有する医薬組成物であって心不全や高血圧等の心血管系の不全の治療に有用なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
既知の17β-グアニジノイミノメチル-5β-アンドロスタン-3β,14βジオールおよび17-グアニジノイミノ-5β-アンドロスタン-3β,14βジオールが弱いNa+,K+-ATPアーゼの阻害剤であり、弱い陽性筋変力剤であることが報告されている(Gelbart A.とThomas R.、J.Med.Chem.,1978,21,284;Schoenfeld WとRepke K、Quant.Strut.-Act. Relat.,1988,7,160)。他の17-ヒドロキシイミノメチル-5β,14β-アンドロスタン誘導体(DE4227626;出願日20.08.92)がNa+,K+-ATPアーゼを阻害することも報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、心血管系に活性を有する新規化合物、その製法およびこれを含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物は一般式(I):
【0005】
【化8】
(式中、記号
【化9】
【0006】
はαまたはβ配置を意味する;
二重結合はE配置である;
R1は水素、未置換またはNR5R6で置換されたC2-C4アルキルを示す
(式中、R5とR6は同一でも異なっていてもよく、水素、C1-C4アルキル、またはR5とR6は窒素原子と共に、所望により酸素および窒素から選択されるさらなるヘテロ原子を含有していてもよい5員または6員の飽和ヘテロ環を形成している);
R2は水素またはヒドロキシを示す;
R3はメチル、エチルまたはn-プロピルを示す;
R4は
【0007】
【化10】
【0008】
またはOR10を示す
(式中、R7は水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換またはNR5R6で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;R8およびR9は同一でも異なっていてもよく、水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換またはNR5R6で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;
R10は水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換または1以上のNR5R6またはNHC(=NH)NH2で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;
記号
【0009】
【化11】
はZまたはE配置を意味する);
【0010】
R7、R8、R9は2個ずつで、ヘテロ原子と共に5員、6員または7員のヘテロ環を形成していてもよい)
で示される化合物を提供する。
式(I)の化合物が互変異性体として存在し得る場合には、この式にはすべての互変異性体を包含することが意図される;本願の範囲には式(I)の許す範囲でのすべての立体異性体、ZおよびE異性体を含有し、これらの混合物、光学異性体およびその混合体、および式(I)の化合物の代謝物と代謝前駆体を包含する。
【0011】
本発明の範囲内には、薬学的に許容されるその塩も含有する。薬学的に許容される塩とは、塩基の生理活性を保持しており、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、メタンスルホン酸または安息香酸および他の酸のごとき当業者に常用されている、薬学的に許容される既知の酸と共に作成されるものである。
【0012】
本発明の化合物には溶液(例えば水溶液)も含む。
窒素原子が水素原子で置換されていないN-酸化物もまた本発明に包含される。
アルキル基は、分岐鎖、直鎖または環状基である。
C2-C4アルキルは好ましくはエチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルまたは第3ブチルである。
R1基は好ましくは水素、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-ジエチルアミノエチル、3-ジエチルアミノプロピル、2-(1-ピロリジニル)エチル、3-(1-ピロリジニル)プロピルである。
【0013】
R7基は好ましくは水素、メチル、2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-(1-ピロロジニル)エチル、3-(1-ピロロジニル)プロピルである。
【0014】
NR8R9基は好ましくはアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、イソプロピルアミノ、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリノ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン-1-イル、2-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ジエチルアミノエチルアミノ、(2-ジメチルアミノエチル)メチルアミノ、(2-ジエチルアミノエチル)メチルアミノ、3-ジメチルアミノプロピルアミノ、(3-ジメチルアミノプロピル)メチルアミノ、2-(1-ピロリジニル)エチルアミノ、3-(1-ピロリジニル)プロピルアミノ、(2-(1-ピロリジニル)エチル)メチルアミノである。
【0015】
R10基は好ましくは2-アミノエチル、3-アミノプロピル、2-ジメチルアミノエチル、3-ジメチルアミノプロピル、2-ジエチルアミノエチル、3-ジエチルアミノプロピル、2-(1-ピロリジニル)エチル、3-(1-ピロリジニル)プロピル、2-グアニジノエチル、3-グアニジノプロピルである。
【0016】
R7およびR8基はこれらの結合しているヘテロ原子と共に、好ましくは2-イミダゾリン-2-イル、1-メチル-2-イミダゾリン-2-イル、2-イミダゾリル、2-(1-メチル)イミダゾリル、1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル、1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニルを形成している。
【0017】
本発明の化合物の特定の好ましい例は以下の通りである:
(E,E)-17β-(3-グアニジノイミノ-2-メチル-1-プロペニル)-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリン-2-イル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-[3-(2-ジメチルアミノエチル)グアニジノイミノ]-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-アミノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-ジメチルアミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-ジメチルアミノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-グアニジノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-グアニジノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-(3-グアニジノイミノ-2-エチル-1-プロペニル)-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリン-2-イル)-ヒドラゾノ-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)-ヒドラゾノ-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-アミノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-ジメチルアミノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-ジメチルアミノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-グアニジノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-グアニジノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール;
【0018】
および上記化合物の、3β-(2-アミノエチル)、3β-(2-ジメチルアミノエチル)、3β-(2-(1-ピロリジニル)エチル)、3β-(3-アミノプロピル)、3β-(3-ジメチルアミノプロピル)および3β-(3-(1-ピロリジニル)プロピル)エーテルに相当する化合物;
および3β-ヒドロキシ誘導体と対応する3α-ヒドロキシ化合物;
および上記化合物の3α-(2-アミノエチル)、3α-(2-ジメチルアミノエチル)、3α-(2-(1-ピロリジニル)エチル)、3α-(3-アミノプロピル)、3α-(3-ジメチルアミノプロピルおよび3α-(3-(1-ピロリジニル)プロピル)エーテルに相当する化合物;
および上記化合物に対応する17α-ヒドロキシ化合物。
本発明はさらに一般式(I)の化合物の製法を提供する。本発明の製造法には式(II)の化合物:
【0019】
【化12】
[式中、R1、R2、R3および記号
【化13】
は上記と同意である]
【0020】
と式(III)および(IV)の化合物:
【化14】
【0021】
H2NOR10 (IV)
との縮合反応を経て一般式(I)の化合物を得る工程を含む。式(III)および(IV)は遊離の塩基または、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、炭酸、シュウ酸または硫酸のごとき酸の塩として用いればよい。反応はエタノール、メタノール、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、水またはこれらの溶媒の混合物のごとき溶媒中、0℃から上述の溶媒またはその混合物の沸点の間の温度で行う。反応混合物には、例えばNaH2PO4、Na2HPO4、NaOAcのごとき塩をさらに添加してもよく、またさらに例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、リン酸のごとき酸類および例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのとき塩基類を添加して所望のpHを維持するようにしてもよい。
【0022】
必要であればR1および/またはR2にある基を公知の方法にて保護するようにしてもよく、保護基がある場合には、公知の方法により保護基を除いた後に他の一般式(I)の化合物に変換することのできる一般式(I)の化合物を得ることができるようなものとする。
【0023】
一般式(I)の化合物のうち、R1、R2、R3および記号
【化15】
が上記と同意であり、R4がOR10を示す(式中、R10はグアニジノ基を含む)ものは、一般式(I)の他の化合物であってR1、R2、R3および記号
【化16】
が上記と同意であり、R4がOR10である(式中、R10は1級アミノ基を含む)から、例えば1-アミジノ-3,5-ジメチルピラゾールニトレートまたはS-メチルイソチオウレアとの反応により得ることができる。
【0024】
一般式(II)の化合物は当業者によく知られた方法で調製できる。
例えば、一般式(II)の化合物のうちでR1とR2が水素であり、R3と記号
【化17】
が上記と同意である化合物は公知の3β,14β-ジヒドロキシ-5β-アンドロスタン-17β-カルボキシアルデヒド(Boutagy J.とThomas R.、 Aust. J. Chem.,1971,24,2723)または未知の3α,4β-ジヒドロキシ-5β-アンドロスタン-17β-カルボキシアルデヒドと、トリメチル2-ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノプロピネート、トリメチル2−ホスホノブチラートまたはトリエチル2-ホスホノブチラートとを、リチウムクロライドの存在下で塩基、例えば水素化ナトリウムまたはジ-イソ-プロピルエチルアミンとで反応させ、その後エステル官能基を対応するアルコール、例えばジ-イソ-ブチルアルミニウムヒドライドと共に還元し、次いでアリル基を例えば二酸化マンガンの存在下で酸化させて不飽和アルデヒドを得ることによって合成できる。
【0025】
例えば一般式(II)の化合物であって、式中R1が水素、R2がヒドロキシ、R3と記号
が上記と同意であるものは、既知のエチル(E)-3β,14β-ジヒドロキシ-21-メチルー5β-プレグン-20-エン-カルボキシレート(Boutagy J.と Thomas R., Aust.J.Pharm.Sci.,1972, NS1,67)または未知のエチル(E)-3β,14β-ジヒドロキシ-21-エチル-5β-プレグン-20-エン-21-カルボキシレート、エチル(E)-3α,14β-ジヒドロキシ-21-メチル-5β-プレグン-20-エン-21-カルボキシレートまたはエチル(E)-3α,14β-ジヒドロキシ-21-エチル-5β-プレグン-20-エン-21-カルボキシレートから、例えば二酸化セレンによるアリル酸化、次いで例えばジ-イソ-ブチルアルミニウムハイドライドによってエステル基を対応するアルコールへと還元し、続いて例えば二酸化マグネシウムによって不飽和アルデヒドへとアリル酸化することによって合成できる。
【0026】
例えば未知の3α-ヒドロキシ化合物は、対応する公知の3-ケト化合物から水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムまたはトリ第三ブトキシ水素化アルミニウムリチウム(lithium alminium-tri-tert-butoxyhydride)によって還元して調製される。対応する未知の3-ケト化合物は、3β-ヒドロキシ誘導体からジョーンズ試薬、無水クロム酸のピリジンまたは過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム溶液、およびN酸化N-メチルモルホリンのごとき公知の方法による酸化によって得られる。
【0027】
R2、R3および記号
【化19】
が上記の通りであり、R1が水素ではない化合物(II)は、R1が水素である対応する化合物(II)から、式(V)の化合物:
R11W (V)
(式中、R11は上記R1について規定したもののうちの水素以外のもの、またはR1に変換し得る基である、およびWはハロゲン、メシルオキシ(mesyloxy)またはトシルオキシ(tosyloxy)基のごとき電子吸引性基であって、結合炭素原子を求電子性にするものである、そしてR1は上記の通りである。この反応はテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは純粋R11Wのごとき不活性なアプロチック溶媒(aprotic solvent)中で、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのごとき塩基の存在下、0℃から110℃の温度範囲で行う。
【0028】
上述のすべての変換において、R2のヒドロキシ基(任意)、およびアルデヒド基が必要な場合には、保護基を公知の方法で除いた後に一般式(II)の化合物が得られるよう、保護されている。
【0029】
上記変換はオーガニック・ケミストリー(例えばJ. March アドバンスド・オーガニック・ケミストリー(Advanced Organic Chemistry), J. Wiley & Sons 1985;D Barton とW.D. Ollis、コンプレヘンシブ・オーガニック・ケミストリー("Comprehensive Organic Chemistry"), Pergamon Press, 1979参照)に記載されており、当業者に良く知られている。
一般式(III)、(IV)および(V)は公知の化合物であり、一般に市販されているかまたは公知化合物から公知の方法にて製造し得る。
【0030】
以下の実施例により、本発明を制限することなく、さらに詳しく説明する。
【0031】
実施例1
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−aa)
水10ml中のアミノグアニジンハイドロゲンカーボネート0.50gおよびジオキサン30mlの混合物を3N HClでpH3に酸性化した。(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)0.95gのジオキサン10ml溶液を室温で添加した。3日後、その混合物を減圧下でエバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム80/20/3を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をジエチルエーテルおよびエタノールで処理し、表題化合物(I−aa)0.75gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);4.05(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0032】
実施例2
(E , E)−17β−[3−(2−イミダゾリン−2−イル)ヒドラゾノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ab)
2−ヒドラジノ−2−イミダゾリンハイドロブロミド0.55gの水10mlおよびジオキサン30ml溶液を0.1N HBrでpH3に酸性化した。(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)1.00gのジオキサン10ml溶液を室温で添加した。3日後、その溶液を減圧下でエバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム90/10/1を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をエチルアセテートおよびエタノールで処理し、表題化合物(I−ab)0.85gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.50(4H、s);4.05(1H、s);5.92(1H、dq);7.61(1H、s)。
【0033】
実施例3
(E , E)−17β−[3−(1−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)ヒ ドラゾノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ac)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.84g)(製造例1)および1−メチル−2−ヒドラジノ−2−イミダゾリンハイドロヨーダイド(ホイベン−バイル(Houben-Weil)、メトデン・デア・オーガニッシェン・ケミー(Metoden der Organischen Chemie)、バンドVIII(Band VIII)、ページ183に記載の手順により、2−メチルチオ−1−メチル−2−イミダゾリンハイドロヨーダイドおよびヒドラジンから製造)から出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ac)(0.52g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.99(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.00(3H、s);3.50(4H、s);4.05(1H、s);5.90(1H、dq);7.60(1H、q)。
【0034】
実施例4
(E , E)−17β−[3−(1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジニル)ヒドラゾノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ad)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.90g)(製造例1)および2−ヒドラジノ−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンハイドロヨーダイド(ホイベン−バイル(Houben-Weil)、メトデン・デア・オーガニッシェン・ケミー(Metoden der Organischen Chemie)、バンドVIII(Band VIII)、ページ183に記載の手順により、2−メチルチオ−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンハイドロヨーダイドおよびヒドラジンから製造)から出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ad)(0.65g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.15(4H、m);4.05(1H、s);5.90(1H、dd);7.60(1H、s)。
【0035】
実施例5
(E , E)−17β−{3−[3−(2−ジメチルアミノエチル)グアニジノイミノ]−2−メチル−1−プロペニル}−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ae)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.78g)(製造例1)および1−アミノ−3−(2−ジメチルアミノエチル)グアニジンハイドロヨーダイド(ホイベン−バイル(Houben-Weil)、メトデン・デア・オーガニッシェン・ケミー(Metoden der Organischen Chemie)、バンドVIII(Band VIII)、ページ183に記載の手順により、製造)から出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ae)(0.50g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.98(3H、s);1.67(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.40(6H、s);2.70(2H、t);3.50(2H、t);4.05(1H、s);6.90(1H、dq);7.60(1H、s)。
【0036】
実施例6
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−af)
2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライド0.36gおよび酢酸ナトリウム0.82gの水20mlおよびジオキサン40ml溶液を、3N HClを添加してpH4.5にした。(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)0.72gのジオキサン16mlおよび水8ml溶液を室温で滴下した。4時間後、その溶液を減圧下で濃縮し、その混合物を10%Na2CO3でpH9.0にして、メチレンクロライドで抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下でエバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム90/10/1を用いて精製した。表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をエチルアセテートに溶解し、その溶液に理論量のフマル酸エタノール溶液を添加した。結晶を採取し、表題化合物(I−af)0.82gをフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.22(2H、m);4.05(1H、m);4.22(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0037】
実施例7
(E , E)−17β−[3−(3−アミノプロポキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ag)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.42g)(製造例1)および3−アミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ag)(0.45g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.15(2H、m);4.05(1H、m);4.15(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0038】
実施例8
(E , E)−17β−[3−(2−ジメチルアミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ah)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.60g)(製造例1)および2−ジメチルアミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ah)(0.64g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.90(6H、s);3.42(2H、m);4.05(1H、m);4.35(2H、m);6.06(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0039】
実施例9
(E , E)−17β−[3−(3−ジメチルアミノプロポキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ai)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.39g)(製造例1)および3−ジメチルアミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ai)(0.42g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.85(6H、s);3.30(2H、m);4.05(1H、m);4.25(2H、t);6.06(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0040】
実施例10
(E , E)−17β−[3−(2−グアニジノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−aj)
(E,E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−21−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール(I−af)0.50gおよび1−アミジノ−3,5−ジメチルピラゾールニトレート0.55gのエタノール10ml溶液を還流条件下で10時間加熱した。その溶液を減圧下でエバポレートして乾燥させ、粗生成物を水、その次にジエチルエーテル/エタノールで処理し、表題化合物(I−aj)0.35gをニトレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.40(2H、m);4.05(1H、s);4.30(2H、m);6.05(1H、dq);7.77(1H、s)。
【0041】
実施例11
(E , E)−17β−[3−(3−グアニジノプロポキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ak)
(E,E)−17β−[3−(3−アミノプロポキシイミノ)−21−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール(I−ag)(0.45g)および1−アミジノ−3,5−ジメチルピラゾールニトレートから出発し、実施例10記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ak)(0.31g)をニトレート塩の白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.35(2H、m);4.05(1H、m);4.25(2H、t);6.05(1H、dq);7.78(1H、s)。
【0042】
実施例12
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−エチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−al)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.35g)(製造例2)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−al)(0.32g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);4.05(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0043】
実施例13
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−エチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−am)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.42g)(製造例2)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−am)(0.33g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);3.22(2H、m);4.05(1H、m);4.22(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0044】
実施例14
(E , E)−17β−[3−(3−アミノプロポキシイミノ)−2−エチル− 1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−an)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.27g)(製造例2)および3−アミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−an)(0.29g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);3.15(2H、m);4.05(1H、m);4.15(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0045】
実施例15
(E , E)−17β−[3−(2−ジメチルアミノエトキシイミノ)−2−エチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ao)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.30g)(製造例2)および2−ジメチルアミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ao)(0.34g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);2.90(6H、s);3.40(2H、m);4.05(1H、m);4.35(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0046】
実施例16
(E , E)−17β−[3−(3−ジメチルアミノプロポキシイミノ)−2− エチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β−ジオール(I−ap)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.30g)(製造例2)および3−ジメチルアミノプロポキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ap)(0.31g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);2.65−2.75(1H、m);2.85(6H、s);3.30(2H、m);4.05(1H、m);4.25(2H、t);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0047】
実施例17
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3β , 14β , 17α−トリオール(I−aq)
(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例3)(0.30g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−aq)(0.23g)を白色固体として得た。1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.96(3H、s);1.67(3H、d);4.05(1H、s);5.90(1H、m);7.63(1H、s)。
【0048】
実施例18
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β , 17α−トリオール(I−ar)
(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(0.42g)(製造例3)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ar)(0.33g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);3.20(2H、m);4.05(1H、m);4.20(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.78(1H、s)。
【0049】
実施例19
(E , E)−17β−[3−(2−ジメチルアミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3β , 14β , 17α−トリオール(I−as)
(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例3)(0.30g)および2−ジメチルアミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−as)(0.32g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.90(6H、s);3.40(2H、m);4.05(1H、m);4.35(2H、m);6.05(1H、dq);6.70(2H、s);7.77(1H、s)。
【0050】
実施例20
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−at)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル(dioxolanyl))]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例4)0.50gおよび0.1M塩酸15mlのジオキサン40ml溶液を室温で維持した。1日後、アミノグアニジンハイドロゲンカーボネート0.15gを添加した。3日後その溶液を減圧下でエバポレートして乾燥させた。その粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール/28%水酸化アンモニウム80/20/3を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させた。残渣をジエチルエーテル/エタノールで処理し、表題化合物(I−at)0.30gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.80−2.95(6H、m);3.65(3H、m);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0051】
実施例21
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−au)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例4)(0.43g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−au)(0.34g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.80−3.00(8H、m);3.60−3.75(3H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0052】
実施例22
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−17β−[3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−4β−オール(I−av)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例5)(0.34g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−av
)(0.27g)をオキサレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.60−2.80(7H、m);3.45−3.70(3H、m);5.90(1H、dq);7.60(1H、s)。
【0053】
実施例23
(E , E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−aw)
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例5)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にし、その後理論量のシュウ酸で処理して、表題化合物(I−aw)(0.23g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.60−2.80(7H、m);2.90(2H、t);3.45−3.70(3H、m);4.06(2H、t);5.97(1H、m);7.70(1H、s)。
【0054】
実施例24
(E , E)−(3β−(2−アミノエトキシ)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−4β−オール(I−ax)
(E)−3β−(3−アミノエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例6)(0.40g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ax)(0.24g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.00(2H、m);3.40(2H、m);3.70(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0055】
実施例25
(E , E)−3β−(2−アミノエトキシ)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−ay)
(E)−3β−(2−アミノエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例6)(0.36g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ay)(0.25g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.90−3.00(4H、m);3.40(2H、t);3.65(1H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0056】
実施例26
(E , E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−4β−オール(I−az)
(E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例7)(0.34g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−az)(0.26g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.67(3H、d);2.60−2.80(3H、m);3.30−3.40(2H、m);3.60(1H、m);5.90(1H、dq);7.60(1H、s)。
【0057】
実施例27
(E , E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−ba)
(E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例7)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−ba)(0.23g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.60−2.80(3H、m);2.90(2H、t);3.30−3.40(2H、m);3.60(1H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0058】
実施例28
(E , E)−17β−(3−グアニジノイミノ−2−メチル−1−プロペニル)−5β−アンドロスタン−3α , 14β−ジオール(I−bb)
(E)−3α,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例8)(0.40g)およびアミノグアニジンハイドロゲンカーボネートから出発し、実施例1記載の手順と同様にして、表題化合物(I−bb)(0.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.75(1H、s);5.90(1H、dq);7.62(1H、s)。
【0059】
実施例29
(E , E)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−3α , 14β−ジオール(I−bc)
(E)−3α,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例8)(0.40g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例6記載の手順と同様にして、表題化合物(I−bc)(0.30g)をフマレートの白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.98(3H、s);1.67(3H、d);2.65−2.75(1H、m);3.22(2H、m);3.75(1H、m);4.23(2H、m);6.04(1H、dq);6.70(2H、s);7.77(1H、s)。
【0060】
実施例30
(E , E)−3α−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−17β−[3− (2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−bd)
(E)−3α−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例9)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−bd)(0.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.68(3H、d);2.65−2.75(1H、m);2.80−3.00(8H、m);3.50−3.75(3H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0061】
実施例31
(E , E)−3α−(3−アミノプロポキシ)−17β−[3−(2−アミノエトキシイミノ)−2−メチル−1−プロペニル]−5β−アンドロスタン−14β−オール(I−be)
(E)−3α−(2−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(製造例10)(0.35g)および2−アミノエトキシアミンジヒドロクロライドから出発し、実施例20記載の手順と同様にして、表題化合物(I−be)(0.28g)を白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CD3OD、TMSからのppm):0.86(3H、s);0.97(3H、s);1.67(3H、d);2.60−2.80(3H、m);2.90(2H、t);3.30−3.40(2H、m);3.50(1H、m);4.05(2H、t);5.98(1H、m);7.70(1H、s)。
【0062】
製造例1
(E)−3β , 14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−a)
エチル(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ファーム・ケム(Aust.J.Pharm.Chem.)、1972、NS1、67)9.60gの乾燥テトラヒドロフラン370ml溶液に、ヘキサン中の1M i-Bu2AlH104mlを窒素雰囲気下、−78℃にて滴下した。2時間後、その反応を硫酸ナトリウム46.0gの水350ml溶液で急冷し、室温で2時間撹拌した。その後その混合物をセライトで濾過し、メチレンクロライドで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させて、(E)−21−ヒドロキシメチル−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール8.30gをオフホワイト固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.97(3H、s);1.65(3H、d);2.45−2.55(1H、m);4.00(2H、s);4.13(1H、m);5.60(1H、dq)。
【0063】
(E)−21−ヒドロキシメチル−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール8.40gのクロロホルム200ml溶液に、MnO284.0gを室温で添加した。その混合物を一晩中撹拌し、セライトで濾過した。有機溶液をエバポレートして乾燥させ、表題化合物(II−a)7.50gをオフホワイト固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.98(3H、s);1.70(3H、d);2.75−2.85(1H、m);4.15(1H、m);6.80(1H、dq);9.40(1H、s)。
【0064】
製造例2
(E)−3β , 14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−b)
撹拌した乾燥THF100ml中のNaH(鉱油中55%分散液)1.20gの混合物にトリエチル2−ホスホノブチラート(triethyl 2-phosphonobutirrate)6.9mlを氷浴で冷却しながら滴下した。30分後、室温にて3β,14β−ジヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ケム(Aust.J.Chem.)、1971、24、2723)4.80gのTHF50ml溶液を滴下した。2時間後その混合物を5%NaH2PO4水溶液200mlで希釈した;有機層を分離し、水性相をエチルアセテートで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてシクロヘキサン/エチルアセテート1/1を用いて精製した。純粋な化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして乾燥させ、エチル(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート4.70gをオフホワイト固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);2.55−2.65(1H、m);4.10(1H、s);4.15(2H、q);6.98(1H、m)。
【0065】
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−エチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート4.50gから、製造例1記載の反応順序と同様にして、表題化合物(II−b)3.10gをオフホワイト固体として得た。1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.87(3H、s);0.98(3H、s);2.75−2.85(1H、m);4.15(1H、m);6.80(1H、m);9.40(1H、s)。
【0066】
製造例3
(E)−3β , 14β , 17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグ ン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−c)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ファーム・サイ(Aust.J.Pharm.Sci.)、1972、NS1、67)1.35gのジオキサン20ml溶液に、二酸化セレン1.10gを窒素雰囲気下で添加した。その混合物を4時間還流させ、一晩中室温で維持し、その後濾過した。減圧下で溶媒を留去した。その粗生成物に水を添加し、その混合物を濾過して、エチル(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート1.10gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.80(3H、s);0.92(3H、s);1.80(3H、d);4.10(1H、s);4.15(2H、q);5.95(1H、m)。
【0067】
製造例1記載の手順に従い、メチル(E)−3β,14β,17α−トリヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート1.05gを最初にi-Bu2AlHと反応させ、次にMnO2と反応させて、表題化合物(II−c)0.80gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.70(3H、s);0.90(3H、s);1.70(3H、d);3.90(1H、m);7.60(1H、m);9.50(1H、d)。
【0068】
製造例4
(E)−3β−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−d)
(E)−3β,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(製造例1)2.50g、エチレングリコール11.0ml、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン50mlおよびシュウ酸0.06gの混合物を40℃で3日間加熱した。冷却後、その混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させて、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール2.60gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);3.85−4.05(4H、m);4.12(1H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、dd)。
【0069】
乾燥テトラヒドロフラン280ml中、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール2.55g、1−(2−クロロエチル)ピロリジン15.0gおよび水素化ナトリウム(鉱油中55%分散液)5.00gの混合物を12時間還流させた。冷却後、水を添加し、混合物をエチルアセテートで抽出した;有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてクロロホルム/メタノール95/5を用いて精製した;表題化合物含有のフラクションを収集し、エバポレートして表題化合物(II−d)1.60gを不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);2.85(6H、m);3.65(3H、m);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0070】
製造例5
(E)−3β−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−e)
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール(製造例4を見よ)2.10gおよび1−(3−クロロプロピル)ピロリジン8.00gから出発し、製造例4記載の手順と同様にして、表題化合物(II−e)(1.10g)を不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);2.55(6H、m);3.42(2H、t);3.62(1H、m);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、dd)。
【0071】
製造例6
(E)−3β−(2−アミノエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−f)
NaH(鉱油中60%分散液)7.05gの乾燥テトラヒドロフラン500ml懸濁液に、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール(製造例4を見よ)8.05gを窒素雰囲気下室温にて添加した。その混合物を撹拌しながら7時間還流させ、次に、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール35mlを添加し、その懸濁液を撹拌しながら4時間還流させた。冷却後、室温で水80mlを注意して添加し、テトラヒドロフランを減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート75/25を用いて精製し、(E)−3β−(2,2−ジエトキシエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール9.05gを不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.23(6H、t);1.65(3H、s);3.45−3.50(2H、m);3.50−3.80(5H、m);3.85−4.05(4H、m);4.63(1H、t);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0072】
3β−(2,2−ジエトキシエトキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール9.00gのジオキサン720mlおよび酒石酸飽和水溶液550ml溶液を窒素雰囲気下70℃にて2時間加熱した。室温まで冷却後、水300mlを添加し、その混合物をメチレンクロライドで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート65/35を用いて精製し、(E)−3β−ホルミルメトキシ−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール6.05gを白色蝋状固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.02(3H、s);1.65(3H、s);3.70(1H、bs);3.85−4.05(4H、m);4.10(2H、d);5.15(1H、m);5.40(1H、m);9.75(1H、t)。
【0073】
(E)−3β−ホルミルメトキシ−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.00gのメタノール300ml溶液に、水素化ホウ素ナトリウム1.00gを0℃にてゆっくり添加した。30分後、混合物温度を25℃まで温めた。2時間後、水60mlを添加し、メタノールを減圧下で留去し、残渣をメチレンクロライドで抽出した;有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート75/25を用いて精製し、(E)−3β−(2−ヒドロキシエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール2.25gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);3.50(2H、t);3.60(1H、bs);3.70(2H、t);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0074】
ジエチルアゾジカルボキシレート0.85ml溶液を、撹拌した(E)−3β−(2−ヒドロキシエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール2.20g、フタルイミド0.90gおよびトリフェニルホスフィン1.50gのテトラヒドロフラン23ml溶液に窒素雰囲気下室温にて滴下した。2時間後、溶媒をエバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート75/25を用いて精製し、(E)−3β−(2−フタルイミドエトキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール2.40gを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);3.60−3.70(3H、m);3.85−4.20(6H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m);7.70−7.75(2H、m);7.80−7.90(2H、m)。
【0075】
3β−(2−フタルイミドエトキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−アンドロスタン−14β−オール2.30gのエタノール(96%)80ml溶液に、ヒドラジン水和物0.75mlを室温にて添加した。混合物を撹拌しながら4時間還流させ、次に水20mlを添加し、エタノールを減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出した;有機溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下でエバポレートして乾燥させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてメチレンクロライド/メタノール90/10を用いて精製し、表題化合物(II−f)1.05gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.65(3H、s);2.85(2H、t);3.40(2H、m);3.65(1H、bs);3.85−4.05(4H、m);5.15(1H、m);5.40(1H、m)。
【0076】
製造例7
(E)−3β−(3−アミノプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−g)
3β,14β−ジヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド(ボウタジー・ジェイ(Boutagy J.)およびトーマス・アール(Thomas R.)、オースト・ジェイ・ケム(Aust.J.Chem.)、1971、24、2723)6.00g、シュウ酸1.20gおよびエチレングリコール20.0mlのアセトニトリル140ml溶液を室温で24時間撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性化した後、その混合物をエチルアセテート抽出した;有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させて、17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール6.10gを不透明オイルとして得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.98(3H、s);1.05(3H、s);3.80−4.20(5H、m);4.98(1H、d)。
【0077】
17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−3β,14β−ジオール6.05gの乾燥テトラヒドロフラン80ml溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)5.80gを窒素雰囲気下室温で添加し、その結果生じた混合物を撹拌しながら6時間還流させた。冷却後、臭化アリル18.0gを添加し、さらに20時間還流を続けた。その混合物を水で急冷し、有機溶媒を減圧下で留去した。残渣をエチルアセテートで抽出した;有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート80/20を用いて精製し、3β−プロプ−(2−エン)オキシ−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール5.20gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.97(3H、s);1.04(3H、s);3.69(1H、bs);3.80−4.20(6H、m);4.99(1H、d);5.12−5.18(1H、m);5.22−5.32(1H、m);5.87−6.01(1H、m)。
【0078】
9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン5.10gの乾燥テトラヒドロフラン350ml溶液に、テトラヒドロフラン140ml中の3β−プロプ−(2−エン)オキシ−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール6.80gを窒素雰囲気下室温で添加した。6時間撹拌後、エタノール12ml、6N水酸化ナトリウム4.0mlおよび30%過酸化水素7mlを添加した。混合物を50℃にて1時間撹拌し、炭酸カリウム9.05gの水200ml溶液で急冷し、有機溶媒を減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出し、有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート70/30を用いて精製し、3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール4.35gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.96(3H、s);1.05(3H、s);3.57−3.67(3H、m);3.80−4.20(6H、m);4.98(1H、d)。
【0079】
3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−17β−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−アンドロスタン−14β−オール4.30gのジオキサン100ml溶液を、0.1N塩酸でpH2.0に酸性化し、2時間撹拌した。その溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させ、3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド3.50gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.96(3H、s);1.05(3H、s);3.55−3.65(3H、m);3.80−4.20(2H、m);9.25(1H、d)。
【0080】
3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ヒドロキシ−5β−アンドロスタン−17β−カルボキシアルデヒド3.45gを、製造例2記載の手順と同様にして、水素化ナトリウム存在下にてトリエチル2−ホスホノプロピオネートと反応させ、エチル(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート3.05gを白色泡として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、s);3.55−3.65(3H、m);4.15(2H、t);4.00−4.20(4H、m);7.00(1H、dd)。
【0081】
エチル(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシレート3.00gを、製造例1記載のようにして、i-Bu2AlH、続いてMnO2と反応させ、(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ジヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド2.85gを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);3.55−3.65(3H、m);4.00−4.20(2H、m);5.80(1H、m);9.40(1H、d)。
【0082】
(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−14β−ジヒドロキシ−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド2.80gを、製造例4記載のようにして、エチレングリコールと反応させ、(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.10gを白色泡として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.90(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);3.55−3.65(3H、m);4.00−4.20(2H、m);5.20(1H、d);5.60(1H、m)。
【0083】
(E)−3β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.00g、フタルイミド1.55gおよびトリフェニルホスフィン3.60gのテトラヒドロフラン55ml溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート0.35mlを窒素雰囲気下室温にて滴下した。2時間後溶媒を真空中で除去し、粗生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート80/20を用いて精製し、(E)−3β−(3−フタルイミドプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.50gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);3.40−3.55(3H、m);3.80−4.20(6H、m);5.20(1H、d);5.60(1H、m);7.68−7.75(2H、m);7.80−7.90(2H、m)。
【0084】
(E)−3β−(3−フタルイミドプロポキシ)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール3.40gのエタノール(96%)350ml溶液に、ヒドラジン水和物2.30gを室温で添加した。混合物を撹拌しながら4時間還流させた。冷却後、水10mlを添加し、エタノールを減圧下で留去した。残渣をメチレンクロライドで抽出し、有機溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてメチレンクロライド/メタノール90/10を用いて精製し、表題化合物(II−g)1.20gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);1.00(3H、s);1.70(3H、d);2.60−2.80(2H、m);3.30−3.40(2H、m);3.60(1H、bs);3.85−4.05(4H、m);5.20(1H、d);5.60(1H、m)。
【0085】
製造例8
(E)−3α , 14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−h)
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3β,14β−ジオール(製造例4を見よ)1.55gのメチレンクロライド20ml溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド0.95g、テトラプロピルアンモニウムペルルテネート0.15gおよび粉末4オングストロームモレキュラーシーブ1.20gを室温で添加した。3時間後、溶媒をエバポレートして乾燥させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2)により、溶離剤としてn−ヘキサン/エチルアセテート60/40を用いて精製し、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−5β−プレグン−20−エン−14β−オール−3−オン1.35gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);2.70(1H、t);2.80(1H、dd);3.85−4.05(4H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、m)。
【0086】
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール−3−オン1.30gの−78℃乾燥テトラヒドロフラン15ml溶液に、トリ−tert−ブトキシアルミニウムハイドライド3.10gの乾燥テトラヒドロフラン30ml溶液を滴下した。混合物を20時間撹拌し、次に水15mlを添加し、温度を25℃に上げた。混合物をセライトで濾過し、不溶物をメタノールで洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し、メチレンクロライドで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートし、(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3α,14β−ジオール1.40gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);3.70(1H、m);3.85−4.05(4H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、m)。
【0087】
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3α,14β−ジオール1.35gのジオキサン15ml溶液を0.1N塩酸でpH2.0に酸性化し、2時間撹拌した。溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、エチルアセテートで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートして乾燥させ、(E)−3α,14β−ジヒドロキシ−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−21−カルボキシアルデヒド(II−h)1.10gを白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.70(3H、d);2.80(1H、m);3.75(1H、m);6.80(1H、dq);9.40(1H、d)。
【0088】
製造例9
(E)−3α−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−14β−オール(II−i)
(E)−21−[2−(1,3−ジオキソラニル)]−21−メチル−5β−プレグン−20−エン−3α,14β−ジオール(製造例8を見よ)0.60gから出発し、製造例4記載の手順と同様にして、表題化合物(II−i)(0.50g)を白色泡として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMSからのppm):0.85(3H、s);0.95(3H、s);1.65(3H、s);2.85(6H、m);3.60(3H、m);3.85−4.05(4H、m);5.10(1H、m);5.40(1H、dd)。
【0089】
製造例10
( E )- 3α -( 2 - アミノエトキシ )- 21 -[ 2 -( 1 , 3 - ジオキソラニル )]- 21 - メチル - 5β - プレグン - 20 - エン - 14β - オール (II- j )
表題化合物(II-j)(0.80g)を、4.50gの(E)-21-[2-1,3-ジオキソラニル)]-21-メチル-5β-プレグン-20-エン-14β-ジオール(製造例8参照)から出発し、製造例6に記載したのと同一の方法にて調製して白色泡状物質として得た。
1H NMR:(300MHz,CDCl3,TMSからのppm):0.85(3H,s);1,00(3H,s);1.65(3H,s);2.85’2H,t);3.40(2H,m);3.55(1H,bs);3.85-4.05(4H,m);5.15(1H,m);5.40(1H,m)。
【0090】
請求項の化合物の毒性データ
本願発明の化合物の毒性は低く、安全な治療薬として用いることができる。9時間絶食したマウスに、一回の経口投与で増加する用量を投与し、その後ゲージに入れ、通常の食餌を与えた。急性毒性(LD50)を投与の7日後に評価した。結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
有用な用量、投与方法、および医薬組成物の例
本願発明の化合物はさまざまな投与形態、例えば経口投与では錠剤、カプセル、糖衣錠またはフィルム被覆錠、液体溶液または懸濁液の剤形で:腸内投与には座薬で:非経口投与、例えば筋肉内、または静脈内注射もしくは点滴:埋め込み(implantation)(例えば皮下または筋肉内へ)または筋肉内投与によって投与される徐放製剤としてもよい。
【0093】
用量は、患者の年齢、体重、症状および投与経路に依存して決定される。例えば成人(体重約70kg)に適用される用量は、0.01から10mgの1回用量(pro dose)の1日1から3回経口投与、および0.01から50mgの1回用量の1日1から3回非経口投与である。
【0094】
この化合物を投与するのが必要となる全ての症状に対して一般には経口投与が選ばれる。急性高血圧症には例えば静脈注射または点滴のごとき非経口投与が有利となる。もちろん、用量管理は最適な治療応答が得られるよう調節すればよい。
【0095】
本発明の範囲には本発明の化合物と製剤的に許容される賦形剤(担体または希釈剤であってもよい)とを含む医薬組成物を含む。
本発明の医薬組成物は通常従来技術によって調製され、製剤的に適当な形態で投与される。例えば、固形経口投与剤には、活性化合物と共に例えばラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチおよびポテトスターチのごとき希釈剤、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムのごとき流動化剤および/またはポリエチレングリコール類;例えば澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結着剤、例えば澱粉、アルギン酸、アルギン酸塩、澱粉グリコレートナトリウム等の抗凝集剤;沸騰性混合物(effervescing mixtures);染料;甘味料;湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェート等;および一般に無毒性で薬学的に不活性な物質が、医薬組成物に用いられる。
【0096】
本発明の医薬組成物は既知の方法で、例えば混合、顆粒化、錠剤化、糖被覆またはフィルム被覆方法を用いて製造すればよい。
経口投与のための液体分散液としては、例えば シロップ、エマルション、懸濁液および溶液であってよい。シロップには、担体として例えばサッカロース、またはグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールと共にサッカロースを用いればよい:特に糖尿病患者に投与するシロップには担体としてグルコースへと代謝されない生成物もしくはほんのすこしのグルコース量へと代謝される、ソルビトールのごときものを用いなくてはならない。
懸濁液およびエマルションには担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを用いればよい。
【0097】
経口投与用の溶液には担体として、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、サッカロースおよび薬学的に許容されるであろう塩を用いればよい。
筋肉内注射のための溶液には活性化合物と共に薬学的に許容され得る担体、例えば滅菌水、オリーブオイル、オレイン酸エチル、グリコール類例えばプロピレングリコール、および所望により、適当な量の塩酸リドカインを含有していてもよい。
静脈内注射または点滴用の溶液には担体として、例えば滅菌水、エタノール、プロピレングリコール、および薬学的に許容され得る塩を滅菌等張塩水を調製するために用いてもよい。
座薬には活性化合物と共に薬学的に許容される担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤またはレシチンを用いてもよい。
【0098】
実施例32
1mgの活性物質を有する重量100mgの錠剤を、以下の通り製造した:
【0099】
活性成分を適当なふるいでふるい、ラクトースおよびコーンスターチと混合した。適当な量の精製水を添加し、この粉末を顆粒化した。乾燥した後、顆粒をふるい分けし、タルクおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。得られた顆粒を直径7mmのパンチを用いて錠剤に圧縮した。他の強度の錠剤は、活性成分のラクトースに対する量あるいは圧縮重量を変え、適当なパンチを用いることによって調製し得る。
【0100】
実施例33
5mgの活性成分を含有する経口投与用の溶液は5mgの(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオールフマレート(I-af)を10mlの70%エタノールに溶解して得られる。この溶液は適当な量を水で希釈して投与すればよい。
【0101】
実施例34
0.1mgの活性物質を含む筋肉内投与用アンプルを、以下の通り製造した。
活性成分を滅菌水中へ溶解した。溶液は適当なフィルターを通して滅菌し、アンプルに詰めた。
【0102】
本願発明の方法によって調製される一般式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、心血管系の不全、例えば心不全および高血圧の治療に有用である。
本願発明の方法によって調製される一般式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、ウーアバインやジギトキシンのごとき既知の筋変力作用剤より毒性が低い。
さらに本発明の化合物(I)はNa+,K+ATPアーゼの受容体部位に良好な親和性を示し、この酵素の良好な阻害剤となる。
【0103】
Na+,K+ATPアーゼの受容体部位に対する親和性およびこの酵素に対するアゴニストまたはアンタゴニスト活性を調べるため、以下の試験を行った:
a)Na+,K+ATPアーゼ受容体(ジョーグハンセン (Jorghensen P., BBA, 1974, 356, 36)とエルドマン(Erdman E.ら、 Arzneim. Forsh., 1984, 34, 1314))の方法により精製した)に特異的結合している3H-ウーアバインの、該受容体からの置換
b)被験化合物の存在下および不存在下における32P-ATPの加水分解%で測定される精製Na+,K+ATPアーゼ活性の抑制(Doucet A.ら, Am.J.Physiol., 1986, 251, F851)。
【0104】
心臓収縮血圧(systolic blood pressure(SBP))および心拍数(HR)をテイル・カフ法(tail cuff method)によって、高血圧誘導幼若オスラット(MHSまたはSHR)種を用いて測定した。高血圧を発症する前のもの(4週令)を用いてSBPの基底値を求めた。7匹のラッで1群とし、コントロール群と処置群を設けた。化合物はメソセル(Methocel)0.5%(w/v)に懸濁して、投与群に対しては少なくとも5週間毎日経口投与した。コントロール群にはメソセルのみを投与した。
SBPおよびHRを毎週投与後6および24時間後に測定した。5週間の処置の後、コントロール群には高血圧が完全に発現している(9週令)時に、ウオッシュアウトを始め、少なくとも1週間続けて、処置群で血圧が低いまま保たれるか、または再び基底値を確立するかについて確認した。
【0105】
血圧低下活性を検出するためのこの方法の効力は、すでにβブロッカーにおいて確かめられている。βブロッカーを高血圧ラット(SHR)に急性に投与した場合、血圧低下作用は発現されない。しかしながら、離乳期から投与を始め、5週間以上投与を続けると高血圧の発症が抑制される(タケダら、Japan J. Pharmacol., 1979, 29, 171;タケダら、Japan J. Pharmacol., 1982, 32, 283;Richer C.ら、Eur. J. Pharmacol., 1978, 47,393)。
いくつかの化合物の2種類の試験における親和性および抑制活性を以下の表に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
高血圧症の発症を予防する新規化合物を以下の表にまとめた:
【表3】
Claims (5)
- 一般式(I):
二重結合はE配置である:
R1は水素、未置換の、またはNR5R6で置換されたC2-C4アルキルを示す
(式中、R5とR6は同一でも異なっていてもよく、水素、C1-C4アルキル、またはR5とR6は窒素原子と共に、所望により酸素および窒素から選択されるさらなるヘテロ原子を含有していてもよい5員または6員の飽和ヘテロ環を形成している);
R2は水素またはヒドロキシを示す;
R3はメチル、エチルまたはn-プロピルを示す;
R4は
(式中、R7は水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換またはNR5R6で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;R8およびR9は同一でも異なっていてもよく、水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換またはNR5R6で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;
R10は水素、メチルまたはC2-C4アルキルを示し、C2-C4アルキルは未置換または1以上のNR5R6またはNHC(=NH)NH2で置換されており、R5およびR6は上記と同意である;
記号
R7、R8、R9は2個ずつで、ヘテロ原子と共に5員、6員または7員のヘテロ環を形成していてもよい)
で示される17-(3-イミノ-2-アルキルプロペニル)-14β-ヒドロキシ-5β-アンドロスタン誘導体。 - 一般式(I)で示される化合物の立体異性体、ZおよびE異性体およびその混合物、光学異性体およびその混合物、および薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される化合物。
- 以下の群:
(E,E)-17β-(3-グアニジノイミノ-2-メチル-1-プロペニル)-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリン-2-イル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)ヒドラゾノ-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-[3-(2-ジメチルアミノエチル)グアニジノイミノ]-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-アミノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-ジメチルアミノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-ジメチルアミノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-グアニジノエトキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-グアニジノプロポキシイミノ)-2-メチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-(3-グアニジノイミノ-2-エチル-1-プロペニル)-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-イミダゾリン-2-イル)-ヒドラゾノ-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)-ヒドラゾノ-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-アミノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-アミノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-ジメチルアミノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-ジメチルアミノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(2-グアニジノエトキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール、
(E,E)-17β-[3-(3-グアニジノプロポキシイミノ)-2-エチル-1-プロペニル]-5β-アンドロスタン-3β,14β-ジオール;
および上記化合物の3β-(2-アミノエチル)、3β-(2-ジメチルアミノエチル)、3β-(2-(1-ピロリジニル)エチル)、3β-(3-アミノプロピル)、3β-(3-ジメチルアミノプロピル)および3β-(3-(1-ピロリジニル)プロピル)エーテルに相当する化合物;
および3β-ヒドロキシ誘導体と対応する3α-ヒドロキシ化合物;
および上記化合物の3α-(2-アミノエチル)、3α-(2-ジメチルアミノエチル)、3α-(2-(1-ピロリジニル)エチル)、3α-(3-アミノプロピル)、3α-(3-ジメチルアミノプロピル)および3α-(3-(1-ピロリジニル)プロピル)エーテルに相当する化合物;
および上記化合物に対応する17αヒドロキシ化合物
からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。 - 一般式Iの化合物を、薬学的に許容される担体および/または希釈剤と共に含有する医薬組成物。
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