JP3898841B2 - 冷間加工性、切削加工性及びバリ取り性、並びに高周波焼入れ性に優れた機械構造用鋼材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷間加工性、切削加工性及びバリ取り性に優れ、且つ高周波焼入れ性にも優れた機械構造用鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、機械構造用鋼として知られている鋼材の内、冷間鍛造等のような冷間加工によって成形した後に高周波焼入れ・焼戻しが施される鋼材については、その焼入れ性を確保するために、C含有率を0.35wt.%以上含有する、例えば、JIS S48C鋼が使用されており、この鋼材には球状化焼鈍を施して軟質化し、次いで、冷間鍛造等の冷間加工を行なっている。
【0003】
このような球状化焼鈍が施された鋼材の場合、そのC含有率が高いので、冷間鍛造等冷間加工時の変形抵抗が大きく、その低減には限度がある。そして例えば、冷間鍛造用金型の寿命の低下又は成形荷重の過多によって冷間鍛造が不可能になる場合がある。また、冷間成形後に外周切削やドリル切削加工を行なう場合、これらの球状化焼鈍材では硬過ぎるために切削工具寿命の低下を招いたり、また切り屑の分断性が悪いために、加工を一時中断して切り屑の除去をしなければならず、生産性が悪化する。そのために、球状化焼鈍が施された鋼材よりも、冷間鍛造等の冷間加工性に優れ、且つ、その後の切削加工性に優れた鋼材が強く望まれている。
【0004】
このような背景から、焼鈍によって、金属組織中のパーライトをフェライト及び黒鉛にする黒鉛化鋼を、機械構造用鋼に適用することが提案されている。
例えば、特開平7−3390号公報には、黒鉛化焼鈍をする前に鋼中にZrNを微細に析出させることによって、黒鉛化の促進と黒鉛の微細化を図り、冷間鍛造性を高める方法が開示されている(先行技術1という)。また、窒化物を利用して黒鉛の微細化又は黒鉛化の促進を図る方法として、下記方法が提案されている。例えば特開平6−37685号公報には、鋼中のAlN又はBN等を利用する方法が開示されている(先行技術2という)。特開平6−279849号公報には、熱間圧延前の加熱温度を規定してAlNを析出させ、これを利用する方法が開示されている(先行技術3という)。特開平6−336644号公報には、Ti及びBを複合添加してTiN及びBNを生成させ、これを利用する方法が開示されている(先行技術4という)。
【0005】
また、特開平3−146618号公報には、鋼の化学成分の調整と共に、熱間圧延において低温仕上及び/又は圧延後の加速冷却を施し、圧延後の組織を微細化することによって、黒鉛化の促進と黒鉛の微細化を図り、冷間変形抵抗を低減した冷間鍛造用鋼が開示されている(先行技術5という)。そして、特開平6−212351号公報、及び特公昭54−30366号公報には、黒鉛のサイズとその面積率を特定の範囲に限定し、更に、Pb等の快削性元素を添加することによって、冷間鍛造性を改善すると共に、被削性を改善する方法が開示されている(先行技術6という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼上述した先行技術に開示されている方法は、いずれも、鋼中に黒鉛を生成させ、そのサイズを小さくすることを前提として、黒鉛化鋼の冷間加工性を改善しようとするものである。ところが、本発明者等の研究によれば、このような黒鉛のサイズを調整する方法では、黒鉛化鋼の組織中におけるフェライトの低強度化と局部変形能との改善には限度があり、黒鉛化鋼における冷間鍛造等のような冷間加工性の向上には限界があることがわかった。また、注意を要するのは、切削性についても、黒鉛のサイズが小さいほどそれは低下するということである。従って、切削性と共に厳しい冷間加工性が要求される鋼材の場合には、上述した先行技術の黒鉛化鋼を採用することは不適切である。
【0007】
▲2▼上述した各先行技術には、切削加工における評価事項として重要であるバリ取り性についての記述が見当たらない。この明細書では、切削加工法の代表的形態として旋削加工と穴開け加工とを採り上げて考える。いずれの加工法における切削性も、工具寿命及び切り屑処理性(切り屑分断長さ)で評価する。更に、この発明では穴開け加工におけるドリル穴開け時の「バリ取り性」を重要な評価対象として追加した。
【0008】
こうして、この発明においては、冷間加工性、高周波焼入れ性及び切削加工性の各々が一定の水準以上にあり、且つ、切削加工性の内、特に「切り屑処理性」及び穴開け加工における「バリ取り性」が、冷間加工性及び高周波焼入れ性と共に、バランスよく備わっている鋼材を開発することを課題とする。切り屑処理性及びバリ取り性が良好であることが、所定の機械構造用鋼材を自動車部品その他各種製品の加工工程の効率化を図る上で極めて重要であることは、既に周知のことである。即ち、切り屑処理性及びバリ取り性は機械構造用鋼材の切削加工工程において、生産効率向上のために従来も重要な特性であると認識されていたが、これら両特性を、冷間加工性及び高周波焼入れ性と共に、切削加工性の重点項目として明確に課題に設定した研究・開発は見当たらない。
【0009】
以上より明らかなように、この発明の課題は、冷間加工性、切削加工性、特に切り屑処理性及びバリ取り性、並びに高周波焼入れ性に優れた機械構造用鋼材を開発することにあり、こうして、この発明の目的は、所定の鋼棒線材の加工を効率的に行ない、高品質の機械構造用鋼部品を安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した観点から、冷間加工性、切削加工性、特に、切り屑処理性及びバリ取り性、並びに高周波焼入れ性に優れた黒鉛化鋼からなる機械構造用鋼材を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0011】
(1)先ず、機械構造用鋼としての切削性を確保するために、黒鉛化鋼を採用し、黒鉛粒を微細化しないことが重要であるとした。
(2)次いで、冷間加工性及び高周波焼入れ性に優れていることを重視した研究の結果、黒鉛化鋼の冷間加工性は、金属組織中のフェライトの冷間加工性によってほぼ決定されることを知見した。
【0012】
(3)また、一般に炭素鋼鋼材において、Cu、Ni、Cr及びMoその他のトランプエレメントの混入量は、少ないほど望ましいとされ、鋼溶製時の使用スクラップに対する制限や脱P処理を余儀なくされ、製造コストアップ要因でもある。従来この発明の対象鋼材においても同様に扱われてきた。これに対して、Cu、Ni、Cr及びMoの合計含有率を一定値以下に制限することによって、黒鉛化鋼の冷間加工性を改善し得ることを見い出した。
【0013】
(4)この発明を完成させるに際しては、更に、上記トランプエレメントの合計含有率の制限に加えて、これら4種のトランプエレメントと、切削性向上効果を有するC(炭素)含有率とを所定の関係を満たす範囲内に制限すれば、冷間加工性と切削性との両特性を確保でき、所期の目的を達成し得ることがわかった。
【0014】
即ち、上記4種のトランプエレメントの合計含有率をA、即ちA≡Cu+Ni+Cr+Mo(wt.%)とした。更に、切削性に効果的なC(炭素)含有率をAに加味して設定した指数Bとして、B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)を導入した。Bをこのように設定した根拠は後述する(後記図1とその説明参照)。そして、トランプエレメント合計含有率A(wt.%)と、指数Bとの間に適切な制限を加えることにより、トランプエレメントを一定含有率まで許容しつつ、冷間加工性及び高周波焼入れ性と共に、切削性、特に切り屑処理性及びバリ取り性の向上をバランスよく実現できることを知見した。
【0015】
こうして、上記知見に加えて、C含有率としては、所要の高周波焼入れ硬さを得るに必要な量だけ添加し、鋼材の熱間圧延後の工程における金属組織の黒鉛化のための焼鈍時間を短縮するために所定量のSiを添加し、そして通常の機械構造用鋼に共通的に重要な上記以外の成分を適宜添加した鋼片を、常法の熱間圧延工程及び棒線圧延加工工程により棒線材を製造する。次いで、適切な黒鉛化焼鈍により金属組織をフェライト+パーライトから、フェライト+黒鉛にすることができる。
【0016】
Cu、Ni、Cr及び/又はMoを所定の制限値内で含むこの発明の黒鉛化鋼では、黒鉛化焼鈍時間が従来のAlN等の窒化物の作用による黒鉛化鋼よりも、若干長くかかる傾向がある。しかしながら、その程度は小さく、工業生産上差し支えなく、問題にはならないものであった。
【0017】
この発明は、上記知見に基づきなされたものであって、この発明の構成要件は次の通りである。この発明の冷間加工性、切削加工性及びバリ取り性、並びに高周波焼入れ性に優れた機械構造用鋼材は、C:0.45〜0.70wt.%、Si:1.0〜2.0wt.%、Mn:0.10〜0.30wt.%、P:0.005〜0.020wt.%、S:0.040wt.%以下、sol.Al:0.010〜0.050wt.%、N:0.0080wt.%以下、及び、Cu+Ni+Cr+Mo:0.35wt.%以下を含有していることが必要条件である。そして、注意すべきは、上記C含有率及び上記Cu+Ni+Cr+Mo含有率がとりうる範囲は、上記各範囲内であって、且つ両者間に下記式:0.525≦C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)≦0.565の関係が満たされる範囲内に制限されることである。そして、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材であり、その組織がフェライトと黒鉛とからなっていることに特徴を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の上記構成要件とその限定理由について説明する。
(1)C:Cは、切削性、特に切り屑処理性ならびにバリ取り性向上のために必要である黒鉛を、鋼材の金属組織中に確保するため、及び、高周波焼入れ性確保のために不可欠な成分である。そして、切り屑処理性を向上させ、且つ高周波焼入れ性を確保するためには、Cは0.45wt.%以上含有していることが必要である。しかしながら、C含有率が0.70wt.%を超えると、高周波焼入れ後に焼き割れが発生し易くなる。従って、C含有率は、0.45〜0.70wt.%の範囲内にしなければならない。そして、C含有率は、この範囲内であって、且つ、前述した指数:B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)が、0.525≦B≦0.565を満たすことが必要である。即ち、C含有率は0.45〜0.70wt.%の範囲内にあれば常によいということにはならない。その詳細な内容と理由は指数Bの数値限定理由の項((9)項)で後述する通りである。
【0019】
(2)Si:
Siは、黒鉛化を促進する有効な元素であり、黒鉛化のための焼鈍時間の短縮化のためには、Siを1.0wt.%以上含有させる必要がある。しかしながら、Si含有率が2.0wt.%を超えると、熱間圧延時における鋼材表面の脱炭を助長し、その製品品質を劣化させると共に、黒鉛化鋼中のフェライトに固溶してこれを強化し、冷間変形抵抗及び切削抵抗を高めるという問題を生ずる。従って、Si含有率は、1.0〜2.0wt.%の範囲内に限定する。
【0020】
(3)Mn:
Mnは、鋼の溶製過程で脱酸を目的に添加される元素であり、その含有率が0.30wt.%を超えると、Siと同様にフェライトを固溶強化し、冷間変形抵抗を高める問題が生ずる。一方、S含有率に応じた所要量により、熱間加工割れを防止する効果をもつ。S含有率が0.040wt.%以下の場合にば、Mnを0.10wt.%以上含有させることにより熱間割れは防止される。従って、Mn含有率は、0.10〜0.30wt.%の範囲内に限定する。
【0021】
(4)P:
Pは、鋼中に不可避的に混入して含まれる元素であり、その含有率が0.020wt.%を超えると、著しく黒鉛化を阻害する。但し、P含有率が低過ぎると切削性、バリ取り性が劣化する傾向がある。またP含有率を低下させるほど脱Pコストがかかる。従って、P含有率は0.005〜0.020wt.%の範囲内に制限する。
【0022】
(5)S:
Sも鋼中に不可避的に混入し含まれる元素であり、その含有率が0.040wt.%を超えると、鋼材の靱性を劣化させる。従って、S含有率は0.040wt.%以下に制限する。
【0023】
(6)sol.Al:
Alは溶鋼の脱酸に有効な元素であり、またAlNを析出させて結晶粒を微細化する。また、Siと同様に黒鉛化を促進する元素である。これらの効果を十分に発揮するためにはsol.Al含有率として少なくとも0.010wt.%以上を必要とする。ところが、Alが過剰に添加されるとNと同様、冷間鍛造性を劣化させるので、sol.Al含有率として0.050wt.%以下にする必要がある。従って、sol.Al含有率を0.010〜0.050wt.%の範囲内に限定する。
【0024】
(7)N:
Nも鋼中に不可避的に混入し含まれる元素であり、その含有率が0.0080wt.%を超えると、黒鉛化鋼材の冷間鍛造性を著しく阻害する。従って、N含有率は0.0080wt.%以下に制限する。
【0025】
(8)Cu+Ni+Cr+Mo:
前述した通り、Cu、Ni、Cr及びMoは、鋼の溶製過程で原料のスクラップから不可避的に混入する元素であり、その混入量を制限するために溶解原料のスクラップ品位の制限を要する。このように、製造コスト低減の観点からも、トランプエレメントの合計含有率A≡Cu+Ni+Cr+Mo含有率の許容上限値の決定は重要となる。一方、本発明者等の試験によれば、これらトランプエレメントの合計含有率が0.35wt.%を超えると、この発明で製造対象とする黒鉛化鋼の冷間冷間変形抵抗が増大すると共に、一方、Cu、Ni、Cr及びMoは、黒鉛化鋼の局部変形能が著しく低下させるため、切屑処理性及びバリ取り性を向上させる作用効果も有することがわかった。従って、A≡Cu+Ni+Cr+Moの含有率を、0.35wt.%以下に制限しなければならない。
【0026】
(9)C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo):
ところで、この発明では、冷間加工性及び高周波焼入れ性と共に、切削性、特に切り屑処理性及びバリ取り性をバランスよく向上させた機械構造用鋼材の製造を目標としている。そこで、本発明者等は、Cが黒鉛化鋼材の切削加工性及びバリ取り性を向上させる作用効果を有することに着眼した。その際、上記トランプエレメントの合計含有率A≡Cu+Ni+Cr+Moの含有率に応じて、C含有率の適正範囲を、一層精度よく確定することにした。この課題を解決するために、多数の試験結果を解析した。その結果、切削性に効果的なC(炭素)含有率をAに加味した指数をBとして、B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)を要因とし、一方、冷間加工性及び高周波焼入れ性と共に、切削性もバランスよく向上した鋼材の総合評価指数として、
鋼材の総合評価指数:ΣQ≡Q1 +Q2 +Q3 +Q4
但し、
Q1 :冷間加工性を示す特性値として限界圧縮率(%)、
Q2 :高周波焼入れ性を示す特性値として高周波焼割れなし率(%)、
Q3 :切削性を示す特性値として、旋削加工における切り屑処理性を示す3mm以下の切り屑の発生率(%)、
Q4 :バリ取り性を示す特性値としてバリ発生なし率(%)
を設定し、これを特性とすると、両者間の関係が明確に整理されることがわかった。
【0027】
図1に、上記関係を示す。同図には、成分組成が本発明の範囲内にある場合(記号●)と本発明の範囲外にある場合(記号□)とに層別して表記した。同図によれば、指数Bが0.525〜0.565の範囲内において、本発明の範囲内に該当する記号●は、総合評価指数ΣQが高値を示す。これに対して、本発明の範囲外に該当する記号□は、指数Bの値のいかんにかかわらず総合評価指数ΣQは高値を示さないことがわかる。ここで、総合評価指数ΣQは大きいほど望ましい。従って、指数B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)を、0.525〜0.565の範囲内に限定するのがよい。
【0028】
ここで、上記(9)項及び(8)項の要件を共に満たす条件は、下記(1)及び(2)式からなる連立不等式:
0.525≦C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)≦0.565 ------------(1)
0≦Cu+Ni+Cr+Mo≦0.35 ----------------(2)
を、CとCu+Ni+Cr+Moとについて解くことにより求められる。図2は、上記連立不等式を解き、そのC含有率及びCu+Ni+Cr+Moの含有率を図示したものである。同図の斜線部領域がその解である。即ち、本発明鋼材では、C含有率とCu+Ni+Cr+Moの含有率との組み合わせが、図2の斜線部領域内にあることが必要である。従って、下記点に注意する必要がある。
(イ)Cu+Ni+Cr+Mo=0.30超え〜0.35wt.%の場合には、C含有率の上限値は、Cu+Ni+Cr+Mo含有率によって定まる0.70wt.%未満の所定値以下に制限される。例えば、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.31wt.%のとき、C=0.45〜0.52wt.%、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.32wt.%のとき、C=0.45〜0.50wt.%、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.33wt.%のとき、C=0.45〜0.48wt.%、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.34wt.%のとき、C=0.45〜0.46wt.%の範囲内に制限される。また、
(ロ)Cu+Ni+Cr+Mo=0超え〜0.075wt.%の場合には、C含有率の下限値は、Cu+Ni+Cr+Mo含有率によって定まる0.45wt.%超えの所定値以上に制限される。例えば、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.18wt.%のとき、C=0.68〜0.70wt.%、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.19wt.%のとき、C=0.66〜0.70wt.%、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.20wt.%のとき、C=0.64〜0.70wt.%、
Cu+Ni+Cr+Mo=0.21wt.%のとき、C=0.62〜0.70wt.%の範囲内に制限されるといった具合である。
【0029】
次に、本発明の機械構造用鋼材の製造工程の代表例を説明する。
上述した化学成分組成を有する鋼片を、電気炉又は転炉等製鋼精錬後の連続鋳造又は造塊で鋳造後、適宜分塊圧延して製造する。上記鋼片を熱間圧延工程及び適宜、棒線圧延加工工程を付加して棒線材を製造する。こうして得られた棒線材を黒鉛化焼鈍して、金属組織がフェライトと黒鉛とからなる黒鉛化鋼材としての棒線材を製造する。ここにおける金属組織は、フェライトと黒鉛とが全体を主体的に占めているものであり、その他の組織が僅かに形成していてもよい。
【0030】
このように、鋼材の金属組織をフェライトと黒鉛とからなるものにすることにより、鋼材の低強度化及び局部変形能特性と、切削性とを確保することが必要である。
【0031】
こうして得られた棒線材は、冷間鍛造等における冷間加工性、旋削加工や穴開け加工等における切削性、更にはバリ取り性に優れており、しかも高周波焼入れ性に優れた機械構造用鋼材となっている。この鋼材は更に冷間加工、切削加工、及び熱処理を経て機械構造用鋼部品に製造される。なお、本発明により製造される鋼材の特徴は、棒線材の他に鋼板、鋼管、形鋼等の鋼材に対しても適用することができる。
【0032】
【実施例】
次に、この発明の機械構造用鋼を、実施例によって更に詳細に説明する。
表1及び2に、この試験で使用した鋼片の成分組成を示す。
【0033】
表1及び2で、鋼片No.2、5、7、8、12〜14は、本発明の範囲内の成分組成をもち、鋼片No.15〜30は、本発明の範囲外の成分組成をもつ。上記鋼片を電気炉及び連続鋳造により製造し、次いで熱間圧延により直径40mmφの棒鋼に加工した。そして、得られた棒鋼を700℃×(5〜20)時間焼鈍した。鋼片No. 2、5、7、8、12〜14についてはすべて、フェライトと黒鉛とからなる組織をもつ黒鉛化鋼の棒鋼に製造した(以下、それぞれを実施例2、5、7、8、12〜14と呼ぶ)。これに対して、鋼片No.15〜29については、フェライトと黒鉛とからなる組織をもつ黒鉛化鋼、又はフェライトと黒鉛とセメンタイトとからなる組織をもつ黒鉛化鋼のいずれかの棒鋼を製造した(以下、それぞれを比較例15〜29と呼ぶ)。なお、鋼片No.30の成分組成は、従来公知の成分組成のJIS S48Cに相当するものであり、その熱間圧延棒鋼のみは、730℃×8時間の加熱・保持後、冷却してフェライトと球状化セメンタイトとからなる従来組織の棒鋼に製造した(以下、比較例30と呼ぶ)。
【0034】
上記のようにして製造された実施例及び比較例の直径40mmφの棒鋼のそれぞれについて下記の試験片を調製し、次の試験を行なった。
【0035】
▲1▼引張試験:JIS4号引張試験片を用いて引張試験を行なった。
▲2▼冷間据込み試験:冷間加工性試験として、下記試験を行なった。
(イ)直径14mmφ×高さ21mmの試験片で、高さ方向に深さ0.8mmのV状ノッチを試験片外周面に中心軸に平行に入れ、端面の拘束下で冷間据込み試験を行ない、限界圧縮率を測定した。また、
(ロ)直径8mmφ×高さ12mmの試験片で、端面の拘束下で冷間据込み試験を行ない、真歪み0.8での変形抵抗を測定した。更に、
▲3▼切削試験:前記直径40mmφの棒鋼を、直径34mmに冷間引抜き加工後、切削試験を行なった。試験は、外周旋削試験とドリル穴開け試験である。各切削試験の条件及び評価方法を、表3に示す。
【0036】
(イ)外周旋削試験においては、超硬工具(材質P20)及びハイス工具(材質SKH4)の2種類を用いて行なった。切削性の評価については、超硬工具による外周旋削において、横逃げ面磨耗量VBが0.2mmになる切削時間で工具寿命を評価し、切り屑の分断性として全切り屑量の内、長さ3mm以下の切り屑が占める重量比で切り屑処理性を評価した。また、切削後の表面粗さを測定した。ハイス工具による外周旋削においては、切削不能になるまでの時間で工具寿命を評価した。
【0037】
(ロ)ドリル穴開け試験においては、ハイスドリル(材質SKH4)を用いて行なった。切削性の評価について、40mm深さの穴を25個(総深さ1000mm)開けることを1作業単位とし、この作業を繰り返していき、25個目の穴開け時に切削不能となるような切削速度を求め、工具寿命の指標とした。また、バリ取り性を試験するために、別途、図3に示すドリルによる貫通穴開けを行なった。穴開け総個数中のバリが発生した穴の個数割合を求めてバリ発生率とし、バリ取り性を評価した。
【0038】
▲4▼高周波焼入れ試験:上記直径40mmφの棒鋼から、直径30mmφ×長さ200mmの試験片を調製し、周波数:30kHz、電力:18.5kW、コイル移動速度:3mm/分で、高周波焼入れをし、次いで、150℃×2時間の焼戻しを行なった。そして、表層焼入れ硬さHVを測定すると共に、表面を磁粉探傷試験して焼割れの有無を調べた。
以上の試験結果を表4及び5に示す。なお、同表には、前記鋼材の総合評価指数:ΣQ≡Q1 +Q2 +Q3 +Q4 を併記した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
試験結果より下記事項がわかる。
(1)実施例2、5、7、8、12〜14、比較例30について
本発明の機械構造用鋼材である実施例2、5、7、8、12〜14はいずれも、冷間加工性、切削性、バリ取り性、及び高周波焼入れ性のすべてが本発明の目標を達成した機械構造用鋼材であり、且つ、総合評価も良好である。即ち、(1)実施例2、5、7、8、12〜14では、引張強さが424MPa以下の低い値であり、また変形抵抗も721MPa以下の低い値であり、球状化焼鈍をした現行材の比較例30の変形抵抗872MPaよりも低くなっている。更に、冷間加工時の局部的変形能を表わす限界圧縮率は、56%以上であり、球状化焼鈍をした現行材の比較例30の限界圧縮率37%よりも優れている。
【0045】
(2)実施例2、5、7、8、12〜14では、外周旋削試験で、超硬工具(P20)を用いた切削での工具寿命をみると、VB=0.2mmに達するまでの時間が43分以上、またハイス工具での工具寿命をみると、切削不能までの時間が43分以上、そしてドリル穴開け試験での1000mm長さで切削不能になる切削速度は93mm/min以上となった(実施例5)。これらの値はいずれも、球状化焼鈍した現行材の比較例30の各値よりも高く、良好である。
【0046】
(3)実施例2、5、7、8、12〜14では、外周旋削試験での3mm以下の切屑率は68%以上で、実施例8が79%と優れている。球状化焼鈍した現行材の比較例30の32%より高く、切屑処理性に優れていた。切削材の表面粗さについては、何れの実施例も30μm以下であり、球状化焼鈍した現行材の比較例30と同等ないし若干良好な水準にある。
【0047】
(4)実施例2、5、7、8、12〜14の内、実施例8、12では、ドリル貫通穴開けでのバリは全く発生せず、その他いずれの実施例においてもバリなし率は、98%以上であり、現行材の比較例30の78%より優れている。
(5)実施例2、5、7、8、12〜14では、高周波焼入れ後の表面硬さはビッカース硬さ672以上であり(実施例7)、球状化焼鈍した現行材の比較例30と比べて同等以上となっている。
【0048】
以上のように、本発明の範囲内にある黒鉛化鋼の機械構造用鋼である実施例2、5、7、8、12〜14はいずれも、現行の機械構造用鋼であるS48Cよりも優れた冷間加工性、切削性及びバリ取り性を有し、また高周波焼入れ性にも優れている。そして、機械構造用鋼としての総合評価も高い。
【0049】
(2)比較例15〜29について
これに対して、本発明の範囲外にある黒鉛化鋼の機械構造用鋼である比較例15〜29はいずれも、上記特性の少なくとも一つにおいて、本発明の目標を達成していない。そして、総合評価も実施例1〜14に比べると若干劣っている。
【0050】
(1)比較例15は、指数B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)が本発明の範囲を超えている。この場合、A≡Cu+Ni+Cr+Mo=0.34wt.%であるから、Aは本発明の範囲内にある。しかし、図2よりわかるように、C含有率が本発明の範囲内となるためには、C≦0.46wt.%でなければならない。ところが、比較例15ではC=0.65wt.%とそれよりも高い。即ち、見方を変えると、C=0.65wt.%であるために、指数Bが本発明の上限値を超えている。このため、総合評価指数がよくないと共に、高周波焼入れ後の焼き割れ発生が認められる。
【0051】
▲2▼比較例16は、C含有率が本発明の下限値よりも大幅に低いので、冷間加工性は良好であるが、切削性、バリ取り性及び焼入れ性に劣り、表層硬さも低い。また、組織中にセメンタイトが残存していることも切削性を劣化させている一因であり、総合評価指数を悪くしている。
【0052】
▲3▼比較例17は、P含有率が低いので冷間加工性は良好であるが、本発明の下限値よりも低いので、バリ取り性が劣っている。比較例18は、逆にP含有率が本発明の上限値を超えているので、黒鉛化が阻害されて、組織中にセメンタイトが残留している。そのために、冷間加工性に劣り、またバリ取り性も良くない。
【0053】
▲4▼比較例19は、C含有率が本発明の下限値よりも低いので、高周波焼入れによる表層硬さが不十分である。比較例20は、逆にC含有率が本発明の上限値よりも高いので、高周波焼入れ後に焼き割れが発生している。また、黒鉛粒が粗大で組織中に占める割合が多過ぎるために、切削試験後の表面粗さが大きい。
【0054】
▲5▼比較例21は、Si含有率が本発明の下限値よりも低いので、完全に黒鉛化されておらず、組織中にセメンタイトが多く残存しているために、引張強さが530MPaと高い値であり、変形抵抗は高く、限界圧縮率が27%と低く、更に工具寿命が短い。また、黒鉛粒が組織中に占める割合が少な過ぎることに加え、黒鉛粒が微細なために切屑処理性も悪く、バリ取り性も劣っている。比較例22は逆に、Si含有率が本発明の上限値よりも高いので、限界圧縮率が34%と低くなっている。
また、比較例23は、Mn含有率が本発明の上限値よりも高いので、限界圧縮率が低下している。
【0055】
▲6▼比較例24、25及び26はいずれも、Cu+Ni+Cr+Mo含有率が本発明の上限値よりも高いので、限界圧縮率が低く、局部変形能が劣化している。また、指数B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)の値も本発明の上限値を超えているので、総合評価指数もよくない。
【0056】
(7)比較例27は、指数B≡C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)が本発明の範囲を超えている。Cu+Ni+Cr+Mo=0.32wt.%であるから、C含有率が本発明の範囲内となるためには、図2より、C≦0.50wt.%でなければならないが、比較例27ではC=0.69wt.%とそれよりも高い。そのために指数Bが本発明の上限値を超えたということができる。このため、総合評価指数がよくないと共に、高周波焼入れ後の焼き割れ発生が認められる。
【0057】
▲8▼比較例28は、N含有率が本発明の上限値よりも高く、また、比較例29は、sol.Al含有率が本発明の上限値よりも高いのでいずれも、限界圧縮率が低下している。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、冷間鍛造のような冷間加工時において、変形抵抗が小さく、局部変形能が大きいので冷間加工性に優れており、また、上記冷間加工後に行なう切削加工工程での切削性が良好であり、バリ取り性も良好であり、更に、高周波焼入れ性に優れている機械構造用鋼材を提供することがで、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械構造用鋼材中のC/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)の含有率と、鋼材材質の総合評価指数との関係を、実施例及び比較例に層別して示すグラフである。
【図2】この発明の鋼材のC含有率とCu+Ni+Cr+Moの合計含有率とが、当該両者間で満たさなければならない関係の領域を斜線で示すグラフである。
【図3】鋼材の切削加工におけるバリ取り性を試験するために行なった、ドリルによる鋼材の貫通穴開け試験方法を説明する概略斜視図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 ドリル貫通穴
3 バリ
Claims (1)
- C :0.45〜0.70wt.%、
Si:1.0 〜2.0 wt.%、
Mn:0.10〜0.30wt.%、
P :0.005〜0.020wt.%、
S :0.040wt.%以下、
sol.Al:0.010〜0.050wt.%、
N :0.0080wt.%以下、及び、
Cu+Ni+Cr+Mo:0.35wt.%以下
を含有し、且つ、前記C含有率と前記Cu+Ni+Cr+Mo含有率との間には、下記式:
0.525≦C/2+(Cu+Ni+Cr+Mo)≦0.565
の関係が満たされており、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材であり、そして、その組織がフェライトと黒鉛とからなっていることを特徴とする、冷間加工性、切削加工性及びバリ取り性、並びに高周波焼入れ性に優れた機械構造用鋼材。
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