JP2002088450A - 熱間工具鋼 - Google Patents

熱間工具鋼

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JP2002088450A
JP2002088450A JP2000280290A JP2000280290A JP2002088450A JP 2002088450 A JP2002088450 A JP 2002088450A JP 2000280290 A JP2000280290 A JP 2000280290A JP 2000280290 A JP2000280290 A JP 2000280290A JP 2002088450 A JP2002088450 A JP 2002088450A
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hot
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tool steel
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English (en)
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Toshimitsu Fujii
利光 藤井
Yukinori Matsuda
幸紀 松田
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間加工用、代表的には熱間鍛造用およびダ
イカスト用の金型を製造する材料であって、焼なまし状
態でも、焼入れ焼戻し状態でも被削性が高く、耐ヒート
チェック性および靭性の低下は従来品にくらべて僅かで
あり、従って、従来品より切削に要する時間の短縮と費
用の低減ができ、金型寿命の低下が少ないものを提供す
ること。 【解決手段】 重量%で、C:0.25〜0.55%,
Si:0.10〜0.70%,Mn:0.10〜2.0
%,S:0.010〜0.030%,Cr:3.0〜
6.0%,Mo:0.3〜5.0%,V:0.01〜
2.0%,Al:0.005〜0.050%およびZ
r:0.005〜0.050%を含有し、残部がFeお
よび不可避の不純物からなる合金組成の熱間工具鋼。さ
らに、Ca:0.005%以下を含有することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間加工のための
工具、すなわち熱間鍛造金型、熱間プレス型、ダイカス
ト用金型、熱間押出しダイスなどの材料として使用する
熱間工具鋼に関する.本発明により、被削性と金型寿命
とのバランスがとれた熱間工具鋼が提供される。
【0002】
【従来の技術】上記した熱間加工に使用する工具類を製
造するには、多くの場合、SKD61に代表されるJI
S鋼種や、その改良鋼が用いられている。これらの鋼
は、一般に、焼なまし状態で供給され、荒加工ののち所
定の硬さに焼入れ焼戻しをし、金型に仕上げられてい
る。金型の試作をする場合や、製品のロットが小さい場
合は、SKD61の快削グレードを使用して、HRC4
0前後の焼入れ焼戻し状態で供給される、いわゆる「プ
リハードン鋼」を直接荒加工−仕上げ加工して金型を製
作することもある。最近では、製品納期を短縮するた
め、JIS鋼などの焼きなまし状態で供給された材料
を、金型メーカー自身が焼入れ焼戻しして荒加工−仕上
げ加工を連続して行なう、「直彫り加工」も普及しつつ
ある。
【0003】上記の最も一般的な金型製造手順は、金型
コストの低減という見地からも、納期の短縮や無人加工
の拡大が求められるようになってきた現在、時代遅れな
ものと感じられる。プリハードン鋼の利用は、金型製作
に要する時間が少なくて済むという利点はあるが、金型
寿命が短く、ロット数の少ない用途にしか適用できない
という問題がある。これは、従来のプリハードン熱間工
具鋼としては、SKD61の合金組成を基本として、そ
れに被削性改善のためSを約0.1%添加したものが主
に使われていることに起因する。合金組成から当然のこ
とであるが、この鋼の中にはMnSが多量に生成してお
り、耐ヒートチェック性や靱性、とくに鍛造や圧延の方
向に直角の方向、いわゆるT方向の靭性が低い。直彫り
加工は、金型製作の所要時間は確かに短縮できるが、こ
れも切削加工を焼入れ焼戻し後に行なうものであるか
ら、高硬度域切削であるなどの理由で、どうしても切削
工具の寿命が短く、工具の費用が増加するという悩みが
ある。
【0004】このようなわけで、焼なまし状態はもちろ
ん、焼入れ焼戻しの状態でも被削性が改善されており、
かつ耐ヒートチェック性や靭性が高い、熱間加工用の工
具鋼の実現が望まれていた。
【0005】この要望に応えることを意図して研究した
発明者らは、SKD61への添加元素の作用、および添
加量の影響を調べ、つぎの事実を知った。すなわち、S
の添加量を0.010〜0.030%という低い範囲で
コントロールすることによって、十分な被削性の改善が
図れること、Sに対してZrを複合添加することによ
り、硫化物の微細化と球状化が実現し、それにより、同
じS量でも耐ヒートチェック性やT方向の靭性の低下が
抑制されることである。さらに、Caをも添加すること
により、硫化物のいっそうの微細化が行なわれ、特性の
維持に有効であることもわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、このような新知見を総合して、焼なまし状態でも、
焼入れ焼戻し状態でも被削性が高く、しかも被削性と引
き換えに生じる耐ヒートチェック性および靭性の低下は
僅かであり、従って、従来品より切削に要する時間の短
縮と費用の低減ができ、金型寿命の維持が可能な熱間工
具鋼を提供することにある。また、すでにプリハードン
鋼が使用されている成分系については、プリハードン状
態で切削が比較的容易であり、既存のプリハードン鋼よ
りは製品金型の寿命が長い熱間工具鋼を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の熱間工具鋼は、重量%で、C:0.25〜0.5
5%,Si:0.10〜0.70%,Mn:0.10〜
2.0%,S:0.010〜0.030%,Cr:3.
0〜6.0%,Mo:0.3〜5.0%,V:0.01
〜2.50%,Al:0.005〜0.050%および
Zr:0.005〜0.50%を含有し、残部Feおよ
び不可避の不純物からなる合金組成を有する。
【0008】
【発明の実施形態】本発明の熱間工具鋼は、上に規定し
た基本的な合金成分に加えて、下記のグループに属する
任意添加元素の一つまたは二つ以上を含有することがで
きる。 I)Ca:0.005%以下 II)Ni:2.0%以下、B:0.010%以下、C
o:5.0%以下、およびCu:1.0%以下の1種ま
たは2種以上 III)Ti,NbおよびTaの1種または2種以上を、
つぎの式を満たす範囲でTi%+(48/93)Nb%
+(48/181)Ta%≦0.05% IV)V)W:0.6〜10.0%、ただし、Mo+0.
5W:0.3〜5.0%となるように。
【0009】以下に、基本的な合金組成を構成する成分
の作用および組成範囲の限定理由を述べる。
【0010】C:0.25〜0.55% Cは硬さと耐摩耗性とを得るために必須の成分であっ
て、熱間工具鋼に要求される十分な値を確保するには、
0.25%以上の存在が必要である。過大な添加は、熱
間強度を低下させるため、0.55%を上限とする。
【0011】Si:0.10〜0.70% Siは脱酸剤として必要であり、あまり少量であると被
削性も悪くなるから、少なくとも0.10%は添加す
る。一方、Si量の増加は耐ヒートチェック性と靭性を
低下させるから、0.70%までの添加に止める。
【0012】Mn:0.10〜2.0% Mnも脱酸剤として必要であるばかりか、焼入れ性およ
び硬さの確保のために必要である。この効果を得るため
に、0.10%は必要な最低量である。一方、過度に添
加すると加工性の低下を招く。この意味で、2.0%が
上限である。
【0013】S:0.010〜0.030% MnとともにMnSを形成し、切削時の応力集中源とな
って被削性を高める働きをする。十分な被削性を得るた
めには、0.010%以上のSの添加が必要である。し
かし、Sが多量に存在すると、耐ヒートチェック性と靭
性とが損なわれるから、上限として0.030%を設け
た。
【0014】Cr:3.0〜6.0% Crは炭化物を形成して、マトリクスを強化するととも
に耐摩耗性を向上させること、および焼入れ性を確保す
る上でも重要な成分である。この効果は、3.0%以上
の添加で得られる。あまり多量に添加すると、焼戻し軟
化抵抗や熱間強度が低下するから、そのおそれのない限
界である6.0%を上限に設定した。
【0015】Mo:0.3〜5.0% Moも炭化物を形成して、マトリクスを強化するととも
に耐摩耗性を向上させること、および焼入れ性を確保す
る上でも重要な成分であることは、Crと同じである。
この効果を得るには、0.3%以上の添加を要し、一
方、多量のMoは靭性を低下させるから、5.0%を上
限とした。
【0016】V:0.01〜2.0% Vもまた炭化物を形成して、マトリクスの強化と耐摩耗
性の向上に役立つ。これに加えて、生成する炭化物が微
細なために結晶粒の微細化をもたらし、靭性を高める作
用もある。こうした効果は、0.01%以上の添加で認
められる。過大な添加は、むしろ靭性をそこなうので、
2.50%以内の添加量を選ぶ。
【0017】Al:0.005〜0.050% Alもまた、脱酸元素として必要である。加えて、微細
な窒化物を形成して、結晶粒の微細化、ひいては靭性の
向上に役立つ点は、Vと同様である。このような効果が
認められるのは、0.005%という低い添加量からで
ある。しかし、ある程度以上は添加量を増しても効果は
飽和するので、その点を捉えて、0.050%を上限と
定めた。
【0018】Zr:0.005〜0.050% 前述したように、ZrをSと複合添加すると、硫化物系
介在物が球状化し、それによって、Sの添加が引き起こ
す耐ヒートチェック性やT方向の靭性の低下が効果的に
抑制される。この効果は少なくとも0.005%という
少量の添加から認められるが、添加量の増大に伴って効
果が飽和し、0.050%を超える添加は意義が乏しく
なるので、これを上限とした。
【0019】本発明の塑性加工用熱間工具鋼の好ましい
態様で添加する、Caの働きと組成範囲の限定理由は、
つぎのとおりである。
【0020】Ca:0.005%以下 Caは微細な酸化物を形成し、硫化物の核となる。これ
が、S+Zrの複合添加の作用であるところの、硫化物
系介在物の微細化を助長するため、耐ヒートチェック性
および靭性の低下を抑制するという効果が、いっそう高
められる。従って、このような特性をさらに向上させた
い場合は、添加することが推奨される。Ca添加の効果
は少量で認められ、かつ、量を増しても飽和するから、
上限として定めた0.005%までの範囲で、適切な添
加量を選択するとよい。
【0021】本発明の熱間工具鋼の変更態様で利用す
る、各種の任意添加元素の働きと組成範囲の限定理由
は、つぎのとおりである。
【0022】Ni:2.0%以下、B:0.010%以
下、Co:5.0%以下およびCu:1.0%以下の1
種または2種以上 NiおよびBは、ともに焼入れ性の向上に役立つ。Ni
は、マトリクスの強化にも役立つ。ただし、あまり多量
になると、Niは加工性を低下させ、Bは熱間加工性や
靭性を損なうので、それぞれの上限として上記した、N
iは2.0%、Bは0.010%までの範囲で、適量を
選択すべきである。CoおよびCuは、マトリクスの強
化に有効である。過大な添加は、Coの場合は加工性を
低下させ、Cuの場合は靭性を低下させるので、それぞ
れ上記した限度、すなわちCo:5.0%、Cu:1.
0%以内の添加量を選ぶ。
【0023】Ti,NbおよびTaの1種または2種以
上を、下記の式を満たす範囲で Ti%+(48/93)Nb%+(48/181)Ta
%≦0.05% これらの元素はいずれも微細な炭化物を形成し、結晶粒
の微細化を通じて靭性の向上に寄与する。大量に添加し
ても効果が飽和するから、「Ti相当量」として上式で
表される値が0.05%を超えない限度で添加する。
【0024】W:0.6〜10.0%、ただし、Mo+
0.5W:0.3〜5.0% Wには、Moと同様に炭化物を形成してマトリクスを強
化するとともに耐摩耗性を向上させ、かつ、焼入れ性を
高めるという作用がある.従って、Moの一部をWで置
き換えることができる。全部置き換えることも可能であ
るが、重量にして、WはMoの約2倍の量が必要になる
から、得策でない。いずれにせよ、十分な強度および耐
摩耗性の向上効果を確保するには、Mo+0.5Wが
0.3%以上となるように添加しなければならない。過
度の添加は靭性にとって有害であるから、5.0%まで
の添加に止める。
【0025】
【実施例】SKD61系鋼(実施例1)、5%Cr−3
%Mo系鋼(実施例2)およびSKD8系鋼(実施例
3)を対象に、下記する共通の操作を行なった。
【0026】まず、各表に記載の合金組成の鋼を真空誘
導炉で溶製し、150kgインゴットに鋳造した。各鋼の
インゴットを1200℃に加熱して鍛造し、厚さ60m
m、幅65mmの角棒とした。870℃に加熱して焼なま
しし、粗加工により、 シャルピー試験片(鍛造方向に直角な方向であるT方
向から採取)、 ヒートチェック試験片、および 被削性試験片(焼入れ焼戻し材用および焼なまし材
用)を製造した。上記の試験片のうち、、および
のうちで焼入れ焼戻し材用の 3種類については、表1に掲げる条件で焼入れ焼戻し
し、それぞれ記載の硬さに調整した。
【0027】 表1 (焼入れ焼戻し条件と硬さ)実施例 焼入れ焼戻し条件 硬さ(HRC) 1 1030℃×30分間−油冷→590〜650℃×1時間−空冷、2回 40〜48 2 1030℃×30分間−油冷→ 635℃×1時間−空冷、2回 45 3 1140℃×30分間−油冷→ 620℃×1時間−空冷、2回 48
【0028】粗加工して得た試験片を精加工して、つぎ
の寸法の試験片とした。 シャルピー試験片(T方向):JIS3号 ヒートチェック試験片:径15mm×厚さ5mm 被削性試験片(焼入れ焼戻し材用および焼なまし材
用):55mm×60mm×200mm これらの試験片を用いた試験を、それぞれつぎのとおり
行なった。 (シャルピー試験) 常温における靭性を評価。 (ヒートチェック試験) 高周波加熱および水冷を繰り
返すことにより、室温と700℃の高温との間を往復す
る加熱・冷却を1200回繰り返し、試験片外周部に生
じるクラックの平均深さで評価。 (被削性試験) 焼なまし材、焼入れ焼戻し材とも、超
硬エンドミルで切削を行ない、逃げ面摩耗幅が0.3mm
となるまでの切削長を測定。切削条件: 工 具:超硬エンドミル、1刃 切削幅:1mm 切
削深さ:3mm 切削速度:100m/min. 送り:0.05mm/刃 切
削油:乾式
【0029】[実施例1] SKD61系 合金組成は、表2(発明鋼)および表3(従来鋼および
比較鋼)に記載のとおりである。従来鋼1はSKD61
と、また従来鋼2は市販のプリハードン鋼と、同じ成分
の材料である。したがって、従来鋼2については、焼き
なまし材の被削性は評価してない。なお、従来鋼2は、
市販品と同様な硬さとなるよう、HRC40に硬さを調
節した。発明鋼2および従来鋼1については、硬さを変
化させて特性を評価した。
【0030】 表2 発明鋼(重量%)No. C Si Mn S Cr Mo V Al Zr Ca その他 1 0.37 0.53 0.45 0.012 5.30 1.21 0.85 0.017 0.030 - - 2 0.38 0.55 0.43 0.020 5.30 1.21 0.85 0.016 0.028 - - 3 0.39 0.56 0.44 0.029 5.29 1.20 0.85 0.017 0.026 - - 4 0.38 0.54 0.45 0.025 5.33 1.21 0.85 0.015 0.009 - - 5 0.37 0.55 0.46 0.026 5.39 1.18 0.83 0.011 0.027 - - 6 0.38 0.55 0.44 0.023 5.33 1.18 0.85 0.013 0.045 - - 7 0.38 0.55 0.45 0.025 5.31 1.21 0.85 0.013 0.029 0.0032 - 8 0.39 0.57 0.45 0.026 5.30 1.19 0.85 0.018 0.033 - Ni:1.0 9 0.38 0.56 0.44 0.024 5.28 1.21 0.85 0.014 0.035 - B:0.005 10 0.37 0.56 0.46 0.026 5.30 1.20 0.85 0.012 0.027 - Cu:0.29 11 0.37 0.55 0.43 0.025 5.30 1.18 0.85 0.016 0.031 - Ti:0.04 12 0.39 0.54 0.45 0.023 5.33 1.19 0.85 0.016 0.034 - Nb:0.08 13 0.38 0.55 0.47 0.027 5.39 1.20 0.85 0.018 0.032 - Ta:0.15 14 0.39 0.55 0.45 0.024 5.31 - 0.84 0.013 0.028 - W:2.43 15 0.37 0.56 0.45 0.026 5.30 0.60 0.85 0.005 0.030 0.0005 Ni:0.5 B:0.003 Co:0.6 Cu:0.13 Ti:0.01 Nb:0.02 Ta:0.03 W:1.24
【0031】 表3 従来鋼および比較鋼(重量%) No. C Si Mn S Cr Mo V Al Zr その他 従来鋼1 0.38 0.91 0.45 0.001 5.29 1.20 0.83 0.014 - - 2 0.38 0.92 0.45 0.13 4.95 1.05 0.48 0.013 - - 比較鋼1 0.38 0.56 0.47 0.005 5.31 1.20 0.84 0.015 - - 2 0.37 0.55 0.45 0.040 5.30 1.19 0.84 0.016 0.031 - 3 0.39 0.54 0.44 0.023 5.38 1.20 0.85 0.015 - - 4 0.38 0.57 0.43 0.025 5.30 1.19 0.85 0.014 0.62 -
【0032】試験結果は、表4(発明鋼)および表5
(従来鋼および比較鋼)に示すとおりである。
【0033】 表4 発明鋼 No. 焼なまし材 焼入れ焼戻し材 被削性 硬 さ シャルピー値 耐ヒートチェ 被削性 (mm) (HRC) (T:J/cm2) ック性(μm) (mm) 1 5000 45 35 21 3600 2a 6500 40 38 23 5200 2b 6500 45 34 21 4400 2c 6500 48 28 20 4000 3 7500 45 32 24 5300 4 7000 45 32 24 4900 5 7300 45 34 20 5100 6 6900 45 32 24 4800 7 7100 45 36 21 4800 8 6900 45 35 23 5100 9 7100 45 34 22 4800 10 7200 45 32 24 4900 11 6800 45 35 22 5100 12 7000 45 36 20 4700 13 6700 45 34 23 5200 14 7000 45 32 21 470015 6800 45 33 22 5000
【0034】 表5 従来鋼および比較鋼 No. 焼なまし材 焼入れ焼戻し材 被削性 硬 さ シャルピー値 耐ヒートチェ 被削性 (mm) (HRC) (T:J/cm2) ック性(μm) (mm) 従来鋼1a 2600 40 39 24 1300 1b 2600 45 35 22 1200 1c 2600 48 30 21 1100 2 測定してない 40 10 78 7000 比較鋼1 3800 45 36 20 2200 2 8200 45 30 25 6100 3 6900 45 29 25 4600 4 6700 45 28 26 5000
【0035】表4および表5の試験結果に見られるよう
に、本発明において目標とした性能レベルが、同一硬さ
において、それぞれつぎのように達成することができ
た。焼なまし材の被削性:従来鋼1a(SKD61)の
焼なまし材の被削性(2600mm)より50%以上高いこと
が確認された。 靭 性:従来鋼1b(SKD61)にくらべ、シャルピ
ー衝撃値(35J/cm2)の低下が10%以内であることが
確認された。 耐ヒートチェック性:従来鋼1b(SKD61)にくら
べ、耐ヒートチェック性(22μm)の低下が10%以
内であることが確認された。 焼入れ焼戻し材の被削性:従来鋼1b(SKD61)の
焼入れ焼戻し材の被削性(1200mm)より300%以上高
いことが確認された。
【0036】[実施例2] 5%Cr−3%Mo系鋼 合金組成は、表6(発明鋼および比較鋼)に記載のとお
りである。
【0037】 表6 発明鋼および比較鋼(重量%) No. C Si Mn S Cr Mo V Al Zr その他 発明鋼1 0.33 0.18 0.75 0.025 5.50 3.00 0.85 0.014 0.030 - 2 0.32 0.17 0.75 0.026 5.51 2.99 0.84 0.013 0.032 Ca:0.0015比較鋼 0.33 0.17 0.75 0.001 5.51 2.99 0.85 0.015 - -
【0038】試験結果は、表7(発明鋼および比較鋼)
に示すとおりである。
【0039】 表7 発明鋼および比較鋼 No. 焼なまし材 焼入れ焼戻し材 被削性 硬 さ シャルピー値 耐ヒートチェ 被削性 (mm) (HRC) (T:J/cm2) ック性(μm) (mm) 発明鋼1 3600 45 38 11 2300 2 3400 45 40 11 2200比較鋼 1500 45 40 10 800
【0040】本発明を5%Cr−3%Mo鋼に適用した
場合も、焼きなまし材はむろん焼入れ焼戻し材において
も、靱性や耐ヒートチェック性を維持したまま、良好な
被削性が得られることが確認できた。
【0041】[実施例3] SKD8系鋼 合金組成は、表8(発明鋼および比較鋼)に記載のとお
りである。
【0042】 表8 発明鋼および比較鋼(重量%) No. C Si Mn S Cr Mo V Al Zr その他 発明鋼1 0.39 0.28 0.40 0.024 4.20 0.35 2.03 0.014 0.029 W:4.25 Co:4.24 2 0.40 0.30 0.40 0.027 4.18 0.35 2.06 0.016 0.031 Ca:0.0008 W:4.26 Co:4.25 比較鋼 0.40 0.29 0.39 0.001 4.19 0.37 2.05 0.015 - W:4.22 Co:4.26
【0043】試験結果は、表9(発明鋼および比較鋼)
に示すとおりである。
【0044】 表9 発明鋼および比較鋼 No. 焼なまし材 焼入れ焼戻し材 被削性 硬 さ シャルピー値 耐ヒートチェ 被削性 (mm) (HRC) (T:J/cm2) ック性(μm) (mm) 発明鋼1 4000 48 23 37 2900 2 4200 48 23 36 3300比較鋼 1900 48 25 35 900
【0045】本発明は、SKD8系鋼を対象にした場合
にも、5%Cr−3%Mo鋼に適用した場合と同様な効
果が得られることが確認できた。
【0046】
【発明の効果】本発明の熱間工具鋼は、ベースとした在
来の工具鋼にくらべ、焼入れ焼戻し状態での特性がわず
かに低くなるが、焼なまし材はもちろん、焼入れ焼戻し
材においても被削性が改善されてる。SKD61系鋼の
場合、既存のプリハードン鋼にくらべて、被削性は若干
劣るが、金型特性は著しく良好である。
【0047】通常の工程すなわち、焼なまし→粗加工→
焼入れ焼戻し→精加工の手順で金型を製造する場合、従
来品のもっていた金型寿命をほとんど維持した上で、上
記の特性を利用して、金型納期の短縮や、コストの低減
という要望にこたえることができる。
【0048】良好な被削性をもつ本発明の工具鋼は、鉄
鋼メーカーで焼入れ焼戻しをして、プリハードン鋼とし
て出荷することができる。SKD61系鋼の場合、従来
のプリハードン鋼にくらべて被削性はやや劣るが、特性
が高く金型寿命は長いから、ロット数の多い場合にも、
有利に使用できる。この場合、従来のプリハードン鋼に
と同様に、被削性が良好な、HRC38〜43程度の硬
さに調節することが推奨される。
【0049】本発明の熱間工具鋼を直彫り加工による金
型の製作に使用したとき、焼入れ焼戻し材の被削性がよ
いため、加工時間や加工費が削減できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で、C:0.25〜0.55%,S
    i:0.10〜0.70%,Mn:0.1〜2.0%,
    S:0.010〜0.030%,Cr:3.0〜6.0
    %,Mo:0.3〜5.0%,V:0.01〜2.50
    %,Al:0.005〜0.050%およびZr:0.
    005〜0.050%を含有し、残部Feおよび不可避
    の不純物からなる合金組成を有する熱間工具鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定した合金成分に加えて、
    Ca:0.005%以下を含有する熱間工具鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に規定した合金成分に
    加えて、Ni:2.0%以下、B:0.010%以下、
    Co:5.0%以下およびCu:1.0%以下の1種ま
    たは2種以上を含有する熱間工具鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに規定した
    合金成分に加えて、Ti,NbおよびTaの1種または
    2種以上を、Ti%+(48/93)Nb%+(48/
    181)Ta%≦0.05%の範囲で含有する熱間工具
    鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1または2のいずれかに規定した
    合金成分に加えて、W:0.6〜10.0%を、Mo+
    0.5W:0.3〜5.0%となるように含有する熱間
    工具鋼。
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