JP6894166B2 - 被削性に優れたプリハードン熱間工具鋼 - Google Patents

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本発明は、特に熱間で使用されるハンマー型鍛造用の金型において、プリハードン後の被削性に優れた高靭性の熱間工具鋼に関する。
熱間で使用されるハンマー型鍛造用などの金型には、衝撃に耐えうる靭性が必要とされている。そこで、このための熱間工具鋼としては、これまでJIS鋼種のSKT3やSKT4などの高靭性のプリハードン鋼が用いられている。ところで、これらの鋼種を使用する場合、36〜42HRC程度の硬度に調質されているので、金型ユーザーは熱処理することなく加工して使用することができ、鋼材をそのままで所望の金型形状に削り出して使用するのが一般的である。しかし、これらの鋼種は、高硬度であるので、金型形状に削り出す被削性が十分に良好であるとはいえなかった。
そこで、熱間工具鋼の合金の化学成分を、式を用いて規定することで当該合金の化学成分の量を最適化し、鋼中における炭化物などの偏析を低減させることによって、被削性を向上させようとする熱間工具鋼が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。もっとも、この特許文献1の熱間工具鋼では、析出している炭化物の量や形態については考慮されていないので、被削性が悪く急に削れなくなることが生じてしまい、被削性を制御しきれていない場面があった。
さらに、断面積が3μm2以上の炭化物量と炭化物の総量とを一定範囲に抑制して介在物を制御することで、被削性を著しく改善した低合金工具鋼が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この低合金工具鋼は、介在物の量を一定の範囲に規定して有しているため、靭性が低くならざるを得ないものとなってしまう。また、炭化物の量がこの文献に規定の範囲を満足している場合であっても、被削性が良好でない場合があった。
特開2016−166379号公報 特許第3558600号公報
上述したように、熱間で使用されるハンマー型鍛造用などの金型には、衝撃に耐えうる高い靭性が必要とされることから、これらの熱間工具鋼の鋼種として、従前はJIS鋼種のSKT3やSKT4などの高靭性のプリハードン鋼が用いられている。しかし、これらの鋼種は、36〜42HRC程度の高硬度に調質された鋼であるので、鋼材そのままの状態で金型の形状に削り出して使用するには、被削性が十分良いとはいえなかった。そこで、本願の発明が解決しようとする課題は、高硬度に調質された状態でも容易に切削できることで熱間で使用されるハンマー型鍛造用などの金型の製造コストをより低減し得るような、高靭性でかつ被削性の良好なプリハードンの熱間工具鋼を提供することである。
本発明の課題を解決するため、発明者は、高靱性な熱間工具鋼を所望の形状に削りだす際に、切削工具の切削性を悪化させてしまう原因を解明すべく鋭意研究を進めた結果、これまでと異なる原因を見出した。すなわち、従前の理解としては、切削工具の切削性が悪化するのは、被削対象物の鋼材中に析出している硬質の炭化物が工具の表面を傷付けることで切削工具自体が摩耗することによると考えられていた。しかし、発明者は、切削工具の切削性が悪化する主な原因は、被削対象物の鋼材中の、特定の形状をした炭化物を切断しながら切削していくときに断続切削が起こりやすいことに起因しており、このために切削工具に微細な欠けが発生したり、欠けが促進される結果、切削工具の切削性が悪化してしまうことを見出した。そしてさらに、本願発明の構成要件である合金成分範囲および、特定の炭化物の形状と量を調整することにより、Sなどの快削成分を添加しなくても良好に切削される、高靱性でかつ被削性の良好なプリハードンの熱間工具鋼が得られることを見出した。
すなわち、本発明の課題を解決するための手段は、第1の手段では、質量%で、C:0.35〜0.60%、Si:≦0.3%、Mn:0.6〜1.2%、Ni:0.7〜1.6%、Cr:1.6〜2.2%、Mo+W/2:0.4〜1.8%、V+Nb/2:≦0.3%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼である。この鋼はプリハードン状態であり、そのプリハードン状態における鋼の100μm2中に観測される、断面積が0.01μm2以上の炭化物の数が120個以下であり、かつ炭化物の面積率が30%以下であることを特徴とする被削性に優れたプリハードンの熱間工具鋼である。
第2の手段では、炭化物は、縦横比が3以上である炭化物の占める割合が70%以下であることを特徴とする第1の手段に記載の被削性に優れたプリハードンの熱間工具鋼である。
上記の手段とすることで、第1の手段に係る発明は、熱間で使用されるハンマー型鍛造用の金型における、プリハードン状態における熱間工具鋼の100μm2中に観測される、断面積が0.01μm2以上の炭化物の数が120個以下でかつ炭化物の面積率が30%以下であり、粗大な炭化物がない、被削性が良好な高靱性のプリハードン熱間工具鋼となっている。さらに、第2の手段に係る発明は、第1の手段に係る発明の効果に加えて、プリハードン状態における熱間工具鋼の100μm2中に観測される、縦横比が3以上の炭化物の割合が70%以下であるので、切削工具の微細な刃の欠けや摩耗を生じることのない、被削性が良好な高靱性のプリハードン熱間工具鋼となっている。
本願発明の実施の形態を説明するに先立って、本願の手段の工具鋼における化学成分、およびプリハードン状態にある熱間工具鋼(以下「プリハードン鋼」という。)における炭化物の特性などの限定理由について説明する。なお、以下の化学成分は質量%である。
C:0.35〜0.60%、望ましくは、0.35〜0.50%
Cは、硬質炭化物を形成し、硬さおよび耐摩耗性を向上させるとともに焼入性を高める元素である。これらの効果を得るためには、Cは0.35%以上が必要である。しかし、Cは0.60%を超えて含有されると、鋼中に粗大な炭化物を形成して、靭性および被削性が悪化する。そこで、Cは0.35〜0.60%、望ましくは、0.35〜0.50%とする。
Si:≦0.3%
Siは、脱酸剤として作用し、基地の硬さを得るために必要であり、かつ鋼材の切削時に工具表面に付着して酸化皮膜を形成し、工具の焼付きを抑制する効果を有する元素である。しかし、Siは0.3%より多く含有されると、固溶強化が進む結果、靭性が悪化する。そこで、Siは0.3%以下とする。
Mn:0.6〜1.2%
Mnは、脱酸剤および焼入性を得るために必要な元素である。これらの効果を得るためには、Mnは0.6%以上が必要である。しかし、Mnは1.2%を超えて含有されるとマトリックスを脆化させて靱性が悪化する。そこで、Mnは0.6〜1.2%とする。
Ni:0.7〜1.6%
Niは、焼入性および靭性を得るために必要な元素である。これらの効果を得るためには、Niは0.7%以上が必要である。しかし、Niは1.6%を超えて含有されると焼なましがされ難くなり、焼なまし時にミクロ組織が部分的にフェライトと球状炭化物からなる組織とベイナイトとの混晶組織になることで、合金元素の分布が不均一となり、被削性が低下する。そこで、Niは0.7〜1.6%とする。
Cr:1.6〜2.2%
Crは、硬質炭化物を形成し、硬さおよび耐摩耗性を向上させるとともに焼入性を高める元素である。これらの効果を得るためには、Crは1.6%以上が必要である。しかし、Crは2.2%を超えて含有されると、粗大な炭化物が形成され、靭性および被削性が悪化する。そこで、Crは1.6〜2.2%とする。
(Mo+W/2):0.4〜1.8%
(Mo+W/2)は、硬質炭化物を形成して、硬さおよび耐摩耗性を向上させるとともに焼入性および焼戻し軟化抵抗性を高める元素成分である。これらの効果を得るためには、(Mo+W/2)は0.4%以上が必要である。しかし、(Mo+W/2)は1.8%を超えて含有されると、粗大な炭化物が形成されて、靭性および被削性が悪化する。そこで、(Mo+W/2)は0.4〜1.8%とする。
(V+Nb/2):≦0.3%、望ましくは、0.1〜0.2%
(V+Nb/2)は、硬質炭化物を形成して、硬さおよび耐摩耗性を向上させるとともに焼入れ時の結晶粒の粗大化を抑制して靭性を向上させる元素成分である。これらの効果を得るためには、(V+Nb/2)は0.3%以下とする必要がある。しかし、(V+Nb/2)は、0.3%を超えて含有されると、粗大な炭窒化物が形成されて、靭性および被削性が悪化する。そこで、(V+Nb/2)は0.3%以下、望ましくは、0.1〜0.2%とする。
プリハードン鋼の100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物の数:≦120個、同炭化物の面積率:≦30%
炭化物は硬質であるため切削工具の摩耗が起きやすい。そこで、プリハードン鋼の100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物の数は120個以下、同炭化物の面積率は30%以下と限定する。
プリハードン鋼の炭化物のうち、縦横比3以上である炭化物が占める割合:≦70%
プリハードン鋼の炭化物のうち、縦横比3以上の炭化物が占める割合が70%を超えると、切削中に断続切削が起こりやすくなって、切削工具の摩耗が促進される。そこで、プリハードン鋼の炭化物のうち、縦横比3以上である炭化物が占める割合は70%以下とする。
ここで、本願発明の実施の形態を以下に説明する。まず、表1に示す本願の発明例であるNo.1〜16の発明鋼とそれらの比較例であるNo.17〜29の比較鋼について、各No.の化学元素の成分量とその残部のFeおよび不可避不純物からなる、各鋼の100kgを真空誘導溶解炉にて溶製して鋼とし、得られた各鋼を縦60mm、横60mmに鍛伸して角材とした。これらの縦横60mmの角材を870℃に30分加熱した後、油冷にて焼入れを行った。その後、これらの角材を500〜650℃の温度範囲で1時間加熱して空冷する、焼戻し処理を2回繰り返して硬さ38HRCに調質し、プリハードン状態とし、以下に記載の評価をそれぞれ行った。
以下、各供試材である発明鋼およびその比較鋼のFeおよび不可避不純物を除く化学成分、ならびに100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物の個数および面積率、ならびに鋼中の炭化物の中で縦横比3以上である炭化物の割合の計算結果を、それぞれ表1に示す。この場合、表1において、比較鋼に見られるように、100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物の数が120個を超えるものにはその個数に下線を付し、同じく100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物の面積率が30%を超えるものにはその面積率に下線を付し、また、炭化物のうち縦横比3以上である炭化物の占める割合が70%を超えるものにはその割合の箇所に下線を付して表示した。
Figure 0006894166
上記で調質した角材の中心部から、縦横各10mmで長さ55mmのシャルピー衝撃試験片を鍛伸方向(以下、「L方向」と示す。)より割出し、2mmUノッチの試験片に加工して、常温でシャルピー衝撃値を測定して、靱性を評価した。一般に熱間鍛造に使用される工具鋼のJIS鋼種であるSKT4は、硬さ38HRCで50J/cm2の衝撃値が得られる。このことから、シャルピー衝撃値が60J/cm2以上であれば、表2において、良いと評価して○と表示した。シャルピー衝撃値が60J/cm2未満であれば、悪いと評価して×と表示した。
被削性試験の評価は、上記で調質した角材の表面をフライス加工し、刃の欠けや摩耗量(mm)で評価した。すなわち、フライス加工は、φ100mmの5枚刃のカッターを用意し、チップはACP200とした。フライス加工は、回転数を200rpm、送りを250mm/min、切込を1.3mm、切込幅を64mmとし、切削油を使用することなく、エアブローのみの条件で行った。切削距離は30mとした。切削後に発生している刃の逃げ面の欠けや摩耗の幅の測定を5枚のチップの全てで行って、一番大きい幅で被削性を評価した。JIS鋼種のSKT4で試験を行った際に、0.4mmの刃の欠けや摩耗量が生じていた。このことから、刃の欠けや摩耗量が0.2mm以下であれば、表2において、被削性が良いと評価して○と表示した。一方、刃の欠けや摩耗量が0.3mm以上であれば、同じく表2において、被削性が悪いと評価して×と表示した。
Figure 0006894166
表2に見られるように、本願のプリハードン状態の発明鋼のNo.1〜16のシャルピー衝撃値は、No.12の60J/cm2以上であるので、いずれもシャルピー衝撃値は良いと評価して○と表示した。さらに、本願のプリハードン状態の発明鋼のNo.1〜16の工具の刃の欠けや摩耗量は0.2mm以下であるので、いずれも被削性は良いと評価して○と表示した。
一方、プリハードン状態の比較鋼のNo.17〜29については以下に順次説明する。
比較鋼のNo.17は、表1に示すように、プリハードン状態の鋼の100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物面積率が30%より高い39%であり、表2に示すように、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.4mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.18は、表1に示すように、プリハードン状態の鋼の100μm2中に観測される断面積0.01μm2以上の大きさの炭化物の数は120個より多い122個であり、表2に示すように、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.19は、表1に示すように、炭化物のうち縦横比3以上の炭化物が占める割合が70%より多く、表2に示すように、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.20は、表1に示すように、Siの含有量が1.0%と本願発明の最低値の0.3%よりも高Siであるため、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が40J/cm2であり、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.21は、表1に示すように、Cの含有量が0.80%と本願発明の最高値の0.60%よりも高Cであるため、粗大炭化物が増えて炭化物面積率が48%と本願発明の30%よりも多く、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が35J/cm2であり、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示し、さらに、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が悪いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.22は、表1に示すように、Mnの含有量が1.7%と本願発明の最高値の1.2%よりも高Mnであるため、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が42J/cm2であり、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.23は、表1に示すように、Niの含有量が0.4%と本願発明の最低値の0.7%よりも低Niであるため、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が55J/cm2であり、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.24は、表1に示すように、Niの含有量が2.0%と本願発明の最高値の1.6%よりも高Niであるため、不均一な合金成分となって、表2に示すように、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.25は、表1に示すように、Crの含有量が4.0%と、本願発明の最高値の2.2%よりも高Crであるため、粗大炭化物が増えて炭化物面積率が36%と本願発明の30%よりも多くなり、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が44J/cm2であり、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示し、さらに、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.26は、表1に示すように、Moの含有量が2.5%で本願発明の最高値の1.8%よりも高Moのため、粗大炭化物が増えて炭化物面積率が38%と本願発明の30%よりも多くなり、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が34J/cm2であり、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示し、さらに、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.4mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.27は、表1に示すように、Vの含有量が1.0%と本願発明の最高値の0.3%よりも高Vのため、粗大炭化物が増えて炭化物面積率が35%と本願発明の30%よりも多くなり、靭性が低く、表2に示すように、シャルピー衝撃値が37J/cm2であるので、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示し、さらに、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.28は、表1に示すように、Siが未添加であるため、表2に示すように、工具の刃の欠けや摩耗量が本願発明の0.2mmよりも大きい0.3mmであるので、被削性が低いと評価して×と表示した。
比較鋼のNo.29は、表1に示すように、Vが未添加であり、さらに表2に示すように、シャルピー衝撃値が41J/cm2であるので、本願発明のシャルピー衝撃値の最低値の60J/cm2よりも低いと評価して×と表示した。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.35〜0.60%、Si:≦0.3%、Mn:0.6〜1.2%、Ni:0.7〜1.6%、Cr:1.6〜2.2%、Mo+W/2:0.4〜1.8%、V+Nb/2:≦0.3%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼であり、プリハードン状態の鋼の100μm2中に観測される、断面積が0.01μm2以上の炭化物の数が120個以下で、かつ断面積が0.01μm 2 以上の炭化物の面積率が30%以下であって、さらには、縦横比が3以上である炭化物の占める割合が全炭化物中の70%以下であることを特徴とする被削性に優れたプリハードン熱間工具鋼。
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